絵本で世界をひとめぐり7☆北欧の絵本3


*フィンランドの本*

フィンランドを代表する児童文学作家として最初に思い浮かべるのは、「ムーミン」シリーズを書いたトーベ・ヤンソンです。

1914年フィンランドの首都ヘルシンキに生まれたトーベ・ヤンソン。父親は彫刻家で母親は画家という芸術一家の中で育ち、20歳の時に「黒いムーミントロール」を描き、続いてムーミンシーリーズの第一作『小さなトロールと大きな洪水』を発表しました。
その後ムーミンシリーズを1945年から25年に渡って書き続け、世界中の子どもたちに読まれ、愛されてきました。私自身は最初にムーミンにはアニメで出会い、その後原作を読みましたが、物語の底流に流れる人生に対する優しいまなざしを感じました。北欧の豊かな森と厳しい寒さが育んだのでしょうか?生きていくことの中には辛い別れや試練が待っているけれども、それを乗り越えて心を強くして豊かに生きることができるのだというメッセージを感じます。

童話は、講談社から出ているハードブックと、講談社文庫で読むことができますが、絵本版も作られています。ここでは絵本版のムーミンを紹介します。

ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)







ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)
著者:トーベ・ヤンソン
講談社(1990-06-22)
赤く長い尾を光らせた彗星が地球に近づいてくることがわかった時、ムーミン谷は大騒ぎになります。ムーミントロールは彗星について調べるために、遠い天文台へと急ぎます。

たのしいムーミン一家 (講談社 青い鳥文庫)








のしいムーミン一家 (講談社 青い鳥文庫)
著者:トーベ・ヤンソン
講談社(1980-11-10)
長い冬眠から目覚めたムーミン谷の愛すべき仲間たちが、海べりの山の上でみつけたものは黒い帽子。それは実は魔物の帽子で、それから次々おかしな事件が起きてきます。

ムーミン谷のすい星 (絵本・ムーミン谷から)








ムーミン谷のすい星 (絵本・ムーミン谷から)
作・:トーベ・ヤンソン 翻訳:岡村 美恵子
講談社(1999-03-09)
絵本版に短く翻訳されています。彗星がぶつかるまであと4日。さあ大変!ムーミン谷の仲間たちは大慌てです。

ムーミン谷のふしぎな夏 (絵本・ムーミン谷から)








ムーミン谷のふしぎな夏 (絵本・ムーミン谷から)
作・絵:トーベ・ヤンソン 翻訳:岡村 美恵子
講談社(1999-07-29)
世界一美しいというルビーの王様をめぐって、おかしな生き物たちがつぎつぎに現れて・・・ムーミン谷のひと夏の不思議なできごとが、絵本版に翻訳されています。

ムーミンのたからもの (講談社の創作絵本)







ムーミンのたからもの (講談社の創作絵本)
作・絵:トーベ・ヤンソン 翻訳:松田 素子
講談社(2005-08-11)
自分の宝物っていったいなんだろう?と探しにでかけるムーミン。こころあたたまる絵本です。


現在、フィンランドで大活躍の絵本作家はマウリ・クンナスです。
サンタクロースと小人たち








サンタクロースと小人たち
著者:マウリ=クンナス
偕成社(1982-11)
サンタクロースの一年間の様子が描かれた絵本です。クリスマスではない時に、いったい何をしているのかなぁ?そんな子どもたちの疑問に答えてくれる絵本です。にぎやかで色彩豊かな絵が、子どもたちの興味を惹きつけます。
フィンランドの小人たちトントゥ






フィンランドの小人たちトントゥ
著者:マウリ・クンナス
猫の言葉社(2010-04)
昔はどこの家にもトントゥという守り神が住みついていたのです。トントゥにおかゆをあげて大切にすると、その家に幸せをもたらしてくれるのです。そんなトントゥの楽しい14のお話がつまっています。
マウリ・クンナスさんが伝説をもとに調査をし、描いた絵本です。
大時計のおばけたち (フィンランドで生まれたサンタや小人、おばけの絵本)








大時計のおばけたち (フィンランドで生まれたサンタや小人、おばけの絵本)
著者:マウリ クンナス
偕成社(1997-12)
ふしぎ村のホテルの女主人が古い時計を買います。それはサルビ王の時代の由緒ある物で、女主人は一目ぼれして買ったのですが、時を告げる音が出ないのです。修理をしてもすぐに壊れてしまう。それもそのはず、実は時計の中には12人のおばけたちが住んでいたのです。時計も大事、おばけたちとも仲良くしたいと、いろいろ知恵をしぼって・・・なんともユーモラスな絵本です。



*ノルウェーの本*

北欧の子どもの本の最後はノルウェーです。
ノルウェーの昔話で有名なのは、『三びきのやぎのがらがらどん』ですね。
三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)








三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
瀬田貞二:訳 マーシャ・ブラウン:絵
福音館書店(1965-07-01)
おはなしは、ノルウェーの昔話を再話したものですが、絵を描いたのはマーシャ・ブラウン。アメリカの絵本作家で、絵本もアメリカで出版されています。
でもタイトルの副題に「ノルウェーの昔話」と断り書きがあるので、こちらで紹介させていただきました。
力強い絵と、リズミカルな文章がぴったりマッチして、物語を楽しむようになる3才くらいの子ども達もドキドキしながらお話の世界に惹き込まれていく絵本です。

ころころ パンケーキ―ノルウェー民話








ころころ パンケーキ―ノルウェー民話
著者:アスビヨルンセン 絵:スベン・オットー
偕成社(1983-12)
ロシアの昔話「おだんごぱん」と、とても似ているおはなしです。こんがり美味しそうに焼きあがったパンケーキ。7人のお腹をすかせた子どもたちのためにお母さんが焼いたのですが、子どもたちや動物たちに食べられないようにと逃げ出して・・・

きたかぜのくれたテーブルかけ (紙芝居ベストセレクション)





きたかぜのくれたテーブルかけ (紙芝居ベストセレクション)
著者:川崎 大治
童心社(1998-06)
こちらは絵本ではなく紙芝居です。『北風に会いにいった男の子』というタイトルで素話の題材にもなっていますね。もとはノルウェーに伝わる物語です。

きたかぜのくれたテーブルかけ―ノルウェーの昔話より (世界名作えほんライブラリー)








きたかぜのくれたテーブルかけ―ノルウェーの昔話より (世界名作えほんライブラリー)
著者:山脇 恭
フレーベル館(1996-12)
こちらは絵本バージョンです。

ノルウェーの昔話 (世界傑作童話シリーズ)








ノルウェーの昔話 (世界傑作童話シリーズ)
福音館書店(2003-11-20)
ノルウェーにつたわる昔話をアスビョルンセンとモーが再話してものです。「ころころパンケーキ」や「北風に会いにいった男の子」のお話も再話しれています。全部で34のお話。ノルウェーの昔話を朗読してあげてもいいし、覚えて語ってあげるにも、大変適した本です。

*追記*

国際子ども図書館の平成18年度の展示会「北欧からのおくりもの―子どもの本のあゆみ」関連講演会の記録をこちらから読むことができます。

国際子ども図書館HP
ノルウェーの子どもの本の歴史」  「スウェーデンの子どもの本とその魅力

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