Yearly Archives: 2010

2011年1月(その2) 冬の遊び(幼児~小学生)
2011年1月(その1) ゆき(幼児~小学生)
読書サポーター講習会@名古屋市
絵本で世界をひとめぐり7☆北欧の絵本 その1
世界のバリアーフリー絵本展
佐野洋子さんを偲んで
第11回 子どもの本 この1年を振り返って2010年
板橋区国民読書年記念講演会(講師:角野栄子さん)
「いま、子どもの本をつくる・届ける」第15期子どもの図書館講座・第2回
「いま、子どもの本をつくる・届ける」第15期子どもの図書館講座・第1回
「耳から聴く読書」@杉並区方南図書館
2010年(その3) 年末年始の行事(幼児~小学生)
絵本作家講座「村上康成氏トーク&ライブ」
誰もが読める絵本・・・バリアフリー絵本のサイト
ブックトークをする人のために・・・

2011年1月(その2) 冬の遊び(幼児~小学生)


今の子どもたちはどれくらい冬の遊びとしてスキーやスケートを体験しているのでしょうか?冬季オリンピックが行われた昨シーズン(今年の2月)は、子ども達も浅田真央選手や、高橋大輔選手がフィギュアスケートでメダルを獲得するなどして、注目を浴びました。

このテーマでおはなし会をする時は、784の冬季競技のところから、いくつか子どもたちにわかりやすい本を選んで紹介してもいいですね。
スポーツなんでも事典 スキー・スケート

スポーツなんでも事典 スキー・スケート
ほるぷ出版(2009-11)

 

 

 

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導入 手遊び  ごんべさんのあかちゃん

絵本 『ショコラちゃんのスキーだいすき』
Chocolat Book(7) ショコラちゃんの スキー だいすき (Chocolat Book)

Chocolat Book(7) ショコラちゃんの スキー だいすき (Chocolat Book)
著者:中川 ひろたか
講談社(2005-11-29)
はたこうしろうさんの描くショコラちゃんの表情が、とてもかわいらしく、子どもらしくて、1、2才くらいのお友達もいっしょに楽しめる絵本です。

 

 

『そりあそび ばばばあちゃんのおはなし』
そりあそび―ばばばあちゃんのおはなし(こどものとも絵本)

そりあそび―ばばばあちゃんのおはなし(こどものとも絵本)
著者:さとう わきこ
福音館書店(1994-10-15)
ばばばあちゃんの思い付きっていつも奇想天外・天衣無縫。寒い、寒いと部屋の中で縮こまっている動物たちに最高の温まり方を伝授するばばばあちゃん!豪快なそりあそびの、そのそりってもとは!とにかく2、3才くらいの子ども達から、小学生まで楽しめる絵本です。

『もりのスケート』
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もりのスケート
著者:菊池日出夫
福音館書店(2006‐2)
のらっこ絵本シリーズの1冊です。昭和ののどかな時代の田舎での冬の子どもたちの遊び、スケート、ワカサギ釣り、かまくら、そりなどの自然を上手に利用した遊びが生き生きと描かれています。

『スキーをはいたねこのヘンリー』
スキーをはいたねこのヘンリー

スキーをはいたねこのヘンリー
著者:メリー カルホーン
リブリオ出版(2002-03)
まちがって雪山に置いてけぼりになってしまったねこのヘンリーが自力で家まで帰ってくるというお話です。猫がスキー?原題は、「Cross-country cat」 スキーを楽しむというよりは、サバイバル感あふれるお話なのですが、ねこのヘンリーの表情といい、動きといい、まるで本当のねこがいるようで、こんなことってほんとにあるのかも?と思ってしまうような不思議な絵本です。

 

 

ブックトーク 冬の遊び
3びきねこさんのそりあそび (こどものともセレクション)

3びきねこさんのそりあそび (こどものともセレクション)
著者:柳生 まち子
福音館書店(2006-01-25)
子どもたちにとっては、スキーやスケートよりも冬の遊びは断然そりあそびなんですね。3びきの仲良しねこさんがそりあそびに挑戦。ところがけちんぼでいじわるなイタチくんにそりを独占されてしまいます。小さなお友達にありがちなおもちゃの取り合いも、最後はまるくおさまるところが、安心して読める絵本。柳生さんの描くどうぶつたちの表情がとってもキュートです。

14ひきのさむいふゆ

14ひきのさむいふゆ
著者:いわむら かずお
童心社(1985-11-01)
14ひきシリーズの冬の1冊。雪が降り積もる中、14ひきのねずみたちは暖かい家の中でゲームをして過ごしています。そんな中おじいちゃんがみんなのためにそりを作ってくれるのです。さて雪がやみました。みんな一斉に新雪のうえに出ていって、そりあそびをはじめます。冬の遊びの楽しさがあますところなく描かれている1冊です。14ひきシリーズは絵が子ども達を惹きつけますが、細かく描かれているので大勢でのおはなし会には向かないのですが、少人数の時には読んであげるのもいいかもしれません。またおうちでお父さんやお母さんのお膝の上で読んでもらえるといいですね。

カロリーヌのゆきあそび (カロリーヌとゆかいな8ひき)

カロリーヌのゆきあそび (カロリーヌとゆかいな8ひき)
著者:ピエール プロブスト
BL出版(1998-12)
カロリーヌシリーズは私が子どもの頃、大好きだったおはなしです。それがBL出版から再販されて、また手に取れるようになった時はとても懐かしく思いました。雪山に繰り出したカロリーヌと仲間たち。スキーに、ボブスレーにスケートに雪だるま作りにと楽しいことには全部挑戦!ところがジャンプ競技に挑戦したボビーがとんでもないことに!子どもたちに冬の遊びの楽しさをたっぷり伝えてくれる1冊です。

2011年1月(その1) ゆき(幼児~小学生)


昨年の雪山シーズンは、クリスマスの頃は山形県の蔵王でさえ積雪量が少なくて、スキーできるかしら?と気を揉みましたが、ほんとうに大晦日近くになって雪が降り、お正月明けにはたっぷりスキーを楽しむことができました。その上、3月に入っても雪が積もる日があったり、今年は4月17日(土)にも薄っすらと都内が雪景色に染まるなど、なかなか暖かくなりませんでしたね。

さて今シーズンはいかがでしょう?1月、2月には都内でも雪を見ることができるでしょうか?

1月のおはなし会のテーマのその1は「雪」です。

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導入 わらべうた  おおさむこさむ  こどもかぜのこ
絵本 『おおさむ こさむ』

おおさむこさむ (松谷みよ子あかちゃんのわらべうた 6)








おおさむこさむ (松谷みよ子あかちゃんのわらべうた 6)
著者:松谷 みよ子
偕成社(1979-11)
風が冷たくなって、図書館に来る子どもたちのほっぺも真っ赤。わらべうたで身体を少し動かして、温まりましょう。この絵本を一緒に読んであげるのも、いいですね♪

絵本 『ふゆのあさ』
ふゆのあさ








ふゆのあさ
著者:村上 康成
ひかりのくに(1997-11)
雪が夜の間に積もった翌朝って、ほんとにこんな感じ!音がなくて静かで、カーテンを開けるときに「雪、積もってるかな?」とちょっとわくわくどきどきする感じ。そんな子どもがいだく思いをあますところなく描いている絵本です。

絵本 『ゆきのひ』
ゆきのひ (偕成社の新訳えほん―キーツの絵本)







ゆきのひ (偕成社の新訳えほん―キーツの絵本)
著者:エズラ=ジャック=キーツ
偕成社(1969-12)
雪がいっぱい降った日って、ほんとに子どもたちにとって魅力的ですよね。真っ白な雪の上に残る自分の足跡もうれしいし・・・そんな子どもの思いがぎゅっと詰まった絵本。1963年にアメリカでコルデコット賞を受賞しています。40年以上前の絵本ですが、ちっとも古くない、いつの時代も同じように子どもにとって雪ってうれしいのですね。

わらべうた  「あめこんこん ゆきこんこん」

絵本 『てぶくろ』
てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)








てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)
福音館書店(1965-11-01)
最後には、やっぱりこの絵本を読んであげたいですね。ほんとうならありえないでしょう!と大人は思ってしまいますが、子どもたちの心はこのてぶくろのように、どんどん膨らんでいきます。ロングセラー絵本の持つ魅力を感じてほしいと思います。

ブックトーク  雪の絵本いろいろ
はじめてのゆき(こどものとも絵本)








はじめてのゆき(こどものとも絵本)
著者:なかがわ りえこ
福音館書店(1996-01-20)
はじめて雪という者に出会ったとらたの驚きと喜びがストレートに伝わってきます。

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しろいゆき あかるいゆき
著者:アルビン トレッセルト
ブックローン出版(1995-10)
そろそろ雪が降りそうな時って、なんだか空を見てわかるんですよね。そして雪がふりはじめ、何もかも白く染めていきます。雪がいっぱい降り積もる季節のあとに、春がやってくることも伝えてくれる、そんな絵本です。

ゆきのひ(こどものとも絵本)






ゆきのひ(こどものとも絵本)
著者:加古 里子
福音館書店(1967-10-10)
風にのって空から降ってきた白いもの。それは雪・・・道を、畑を、屋根をどんどん白くしていきます。長く読み継がれてきた雪の絵本です。

このゆきだるまだーれ? (日本傑作絵本シリーズ)






このゆきだるまだーれ? (日本傑作絵本シリーズ)
著者:岸田 衿子
福音館書店(1997-11-01)
小さな絵本なので、おはなし会には向きませんが、お母さんのおひざの上で読んであげたい1冊です。
そりあそびで坂を転がり落ちて、さてさて誰がどのゆきだるまになっちゃったのかな?

はたらきもののじょせつしゃけいてぃー (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)








はたらきもののじょせつしゃけいてぃー (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
著者:ばーじにあ・りー・ばーとん
福音館書店(1978-03-20)
幼稚園年長さんや小学生の参加者が多いおはなし会なら、少し長いけれど読んであげたい1冊です。除雪車けいてぃーが大活躍する一日が躍動的に描かれた名作です。

ゆきだるま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)








ゆきだるま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
著者:レイモンド・ブリッグズ
評論社(1978-10)
アニメーションで知ってる子ども達もいるでしょうが、絵本ならではの絵を楽しんでほしいですね。ぜひ借りて帰っておうちでたっぷりゆきだるまの世界を味わってほしいです。

とらたとおおゆき (幼児絵本シリーズ)








とらたとおおゆき (幼児絵本シリーズ)
著者:中川 李枝子
福音館書店(1993-02-10)
「はじめてのゆき」のとらたくん。おおゆきの日、とらたはお父さんにつくってもらったそりで出かけます。鈴の音を聞いてお友達がいっぱい集まってきて!小さい子へのおはなし会でも使えます。

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ゆうかんなアイリーン
著者:ウィリアム スタイグ
セーラー出版(1988-12)
大雪の夜、病気で寝込んだお母さんにかわって、お届け物をするアイリーン。吹雪の中を大きな洋服の入った箱を運ぶアイリーンに待ち受けているのは・・・いっしょになってドキドキハラハラ。そんな絵本です。

読書サポーター講習会@名古屋市


☆愛知県瀬戸市立図書館の皆さま向け☆

読書サポーター講習会
「本の楽しさ 手わたすために」

記念講演:冨安陽子さん(児童文学作家)

日時:12月12日(日) 12:30~16:00
場所:愛知県名古屋市・名古屋国際会議場

タイムスケジュール

12:30~14:00
特別講演「作家が語る一冊の本」冨安陽子さん(児童文学作家)
 『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で日本文学者協会新人賞、小学館文学賞、『小さなスズナ姫』シリーズ(偕成社)で新美南吉児童文学賞。『空につづく神話』(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞を受賞、『やまんば山のモッコたち』(福音館書店)がIBBYオナーリスト2002文学作品に選ばれる。

14:15~15:25
講義『もっと子どもの本を楽しもう」
 読み聞かせや紙芝居など、子どもと一緒に本を楽しむための大切なポイントや、選書のヒントをお話しします。初心者の方にも、経験者の方にも役立つ内容です。

15:30~16:00
情報提供「本との出会いを広げるために」
子どもの読書をめぐる日本や世界の動きをお伝えします。

申込方法:開催の3週間前までに、参加申込書をFAXまたは郵便にてお送りください。
 JBBYまたはJPICのホームページからも申し込めます。

締切:11月21日(日)必着

詳しい情報は
JBBY 社団法人日本国際児童図書評議会 
 http://www.jbby.org/

JPIC   財団法人出版文化産業振興財団
 http://www.jpic.or.jp/
   

絵本で世界をひとめぐり7☆北欧の絵本 その1


北欧の国、つまりノルディック諸国はアイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドを指します。
みなさんはどんなイメージを北欧の国々に抱くでしょうか?自然豊かな森と湖の国、トロルにニッセ、妖精たちがたくさんいる国、オーロラ輝く高緯度の国。バイキングたちが活躍していた国・・・シンプルでナチュラル、環境と福祉に関心の高い国家というイメージでしょうか?

歴史的にひも解いていくのも面白いかもしれませんね。(かなり複雑な背景がありそうです)

ここでは、子どもの本、絵本を中心に紹介します。まずは日本でたくさん紹介されているスウェーデンの子どもの本から。

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エルサ・ベスコフの絵本
ベスコフ(1874~1953)スウェーデン・ストックホルム生まれ。美術学校卒業後、小学校の絵画教師。6人の息子さんがいたとのこと。

もりのこびとたち (世界傑作絵本シリーズ―スウェーデンの絵本)






もりのこびとたち (世界傑作絵本シリーズ―スウェーデンの絵本)
著者:エルサ・ベスコフ
福音館書店(1981-05-20)
りすとかくれんぼをしたり、かえると跳び比べをしたりと、森の奥で生活するこびとたちの春から冬を迎えるまでの生活を、優しいタッチで描いた絵本です。読んでいる者もこびとの目線で森を探検できる、そんな絵本です。

おひさまのたまご






おひさまのたまご
著者:エルサ ベスコフ
徳間書店(2001-03)
森に落ちていたおおきな橙色のまあるいものを「おひさまのたまごだ!」と思いこんでしまった妖精。森の仲間たちと大騒ぎになります。そこへいやしんぼのカラスがやってきて・・・春を待つ気持ちが伝わってくる絵本です。

ぼうしのおうち (世界傑作絵本シリーズ・スウェーデンの絵本)






ぼうしのおうち (世界傑作絵本シリーズ・スウェーデンの絵本)
著者:エルサ ベスコフ
福音館書店(2001-05-25)
こびとのおかあさんと3人のこどもたちは帽子のおうちに住んでいました。お母さんが留守の間、お母さんを喜ばそうとして・・・でも大失敗で帽子のおうちは燃えてしまいます。どうなるのかしら・・・結末はえっと驚く展開です。大人が読むと?なのですが、子ども達には人気のある絵本です。

ペレのあたらしいふく (世界傑作絵本シリーズ―スウェーデンの絵本)






ペレのあたらしいふく (世界傑作絵本シリーズ―スウェーデンの絵本)
著者:エルサ・ベスコフ
福音館書店(1976-02-03)
ペレは大きくなって洋服が小さくなってしまいました。そこで自分が飼っている羊の毛を刈り、多くの人の協力を得て、羊の毛を糸に紡ぎ、布に織ってもらい、新しい洋服を新調します。その物を作っていく丁寧な過程が子ども心をも打ちます。新しいペレの洋服と、素朴な人々の手仕事、のどかなスウェーデンの田園風景、どれをとっても素敵です。

ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん (世界傑作絵本シリーズ)






ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん (世界傑作絵本シリーズ)
著者:エルサ ベスコフ
福音館書店(1977-05-25)
おかあさんの誕生日のお祝いにと、森へブルーベリーの実を摘みにでかけたプッテ。そこでこびとのおじさんに出会い、自分も魔法でこびとになってしまいます。こびとになってプッテが森の中を冒険する様子が実に生き生きと描かれていて、子ども達も大喜びする絵本です。

ペッテルとロッタのクリスマス (世界傑作絵本シリーズ・スウェーデンの絵本)






ペッテルとロッタのクリスマス (世界傑作絵本シリーズ・スウェーデンの絵本)
著者:エルサ ベスコフ
福音館書店(2001-10-25)
みどりおばさん、ちゃいろおばさん、むらさきおばさんと暮らすようになったみなしごペッテルとロッタが迎えるクリスマス。クリスマスイブにやぎおじさんがプレゼントを持って現れます。そのやぎおじさんの正体とは?心温まるクリスマス絵本です。

いちねんのうた








いちねんのうた
著者:エルサ ベスコフ
フェリシモ出版(2002-02)
ストーリーは少年ウッレが妹たちと過ごす楽しいスウェーデンの一年の行事。スウェーデン独特の行事や自然の移り変わりの素晴しさを美しい詩と素晴しい絵で描いています。

ちいさなちいさなおばあちゃん (世界の絵本)








ちいさなちいさなおばあちゃん (世界の絵本)
著者:エルサ ベスコフ
偕成社(2001-08)
ベスコフ自身が、子どものころにおばあさんに聴かされていたお話。ちいさなおばあちゃんが、子猫にミルクを飲まれてしまって・・・と続くお話ですが、「ちいさなちいさな・・・」と何度も繰り返し出てくるお話。耳に心地よいことば使いです。

ペーテルおじさん








ペーテルおじさん
著者:エルサ・ベスコフ
フェリシモ(2002-04)
ペーテルおじさんはひとりで住んでいますが、なんでもできて町の人たちを助けてくれます。そんなおじさんが住んでいる家はおんぼろで、直すように言われます。お金を持ってないペーテルおじさんは町を出ていかなくちゃいけない?いえいえこどもたちがみんなで力を合わせて、おじさんの家を修理してくれました。おじさんと町の人たちとの交流に、今の社会が失ってしまったものを見出す気がします。

ウッレと冬の森-Olle's Ski Trip (CDと絵本)








ウッレと冬の森-Olle’s Ski Trip (CDと絵本)
著者:エルサ ベスコフ
ラボ教育センター(1998-03)
こちらも美しい絵本です。北欧の厳しい冬の自然の中でウッレが元気に過ごす様子が描かれています。クリスマスの仕事で忙しいラップランドで出かけるウッレ。100年前の絵本とは思えないほどです。

おやゆびひめ








おやゆびひめ
著者:H.C. アンデルセン
フェリシモ(2001-12)
デンマークの作家アンデルセンの童話に、ベスコフが絵を描いています。原作に忠実なおはなしと、自然の描写も生き生きとしているベスコフの絵に、メルヘンの世界を堪能できるはずです。


アストリッド・リンドグレーンの絵本

ロッタちゃんとじてんしゃ








ロッタちゃんとじてんしゃ
著者:アストリッド=リンドグレーン
偕成社(1976-04)
絵本ですが、長いお話です。じっくり子どもに読んであげたい1冊です。誕生日に自分用の自転車を買ってほしかったのに買ってもらえず、お隣の家の自転車をちょっと拝借!その自転車に乗って坂道を駆け下りてくるシーンなんて、ちょっとドキドキハラハラです。自由奔放で憎めないロッタちゃんの姿に、子ども達もきっと気持ちがスカッとするのではないかしら?

こんにちは、長くつ下のピッピ








こんにちは、長くつ下のピッピ
著者:アストリッド・リンドグレーン
徳間書店(2004-02-17)
ピッピの絵本版です。絵本としては長いのですが、力持ちで奇想天外なことをするピッピに子どもたちはぐんぐんと惹き込まれていきますね。ロッタちゃんと同じように、じっくりと子どもと一緒に読みたい1冊です。

雪の森のリサベット








雪の森のリサベット
著者:アストリッド リンドグレーン
徳間書店(2003-01)
町へクリスマスの買い物に出かけたリサベットはいたずら心で知らないおじさんの橇に飛び乗ってしまい、あげくのはて森の中に置き去りにされてしまいます。そこだけでも子どもたちはハラハラドキドキ。不安と闘いながらリサベットが自分の家に帰ろうと奮闘する姿が胸をうちます。

ロッタちゃんとクリスマスツリー (ロッタちゃんがかつやくする絵本と童話)








ロッタちゃんとクリスマスツリー (ロッタちゃんがかつやくする絵本と童話)
著者:アストリッド=リンドグレーン
偕成社(1979-12)
ロッタちゃんがクリスマスを迎え、なんとかクリスマスツリーを手に入れようとするお話です。「やろうと思えば、なんだってできるのよ!」と非常に前向きなロッタちゃん。ロッタちゃんのやんちゃぶり、生き生きとした暮らしぶりが描かれていて、読む者もまるでロッタちゃんといっしょにいるかのよう。これも集団での読むには長い絵本です。おうちでじっくり読んであげてほしい1冊です。

おうしのアダムがおこりだすと






おうしのアダムがおこりだすと
著者:アストリッド リンドグレーン
金の星社(1997-06)
イースターの日、雄牛のアダムが怒って暴れ出します。それを止めることができたのは、小さな男の子カッレくん。農村の様子も、人々の表情も細かく描かれていて読み応えがあります。

こうしはそりにのって






こうしはそりにのって
著者:アストリッド リンドグレーン
金の星社(1997-12)
クリスマスに読んであげたい1冊です。クリスマスが近づいてきた頃、貧しい農家の男の子ヨハンが大事にしていた牝牛が死んでしまいます。神様に恨み事をいってしまうヨハン。でもちゃんと神様は見ていてくれたんですよね・・・

ペーテルとペトラ (大型絵本)








ペーテルとペトラ (大型絵本)
著者:アストリッド リンドグレーン
岩波書店(2007-10-26)
ある日、小学1年生の教室に小人のペーテルとペトラがやってきました。読み書きを習いたいという小人の兄弟に教室には小人用の机と椅子と洋服掛けが用意されて・・・小人たちと過ごしたグンナル少年の楽しい気持ち。自分も小人に会いたいと切実に願う子どもが増えそうですね♪

ミオよ、わたしのミオ (リンドグレーン作品集 (13))








ミオよ、わたしのミオ (リンドグレーン作品集 (13))
著者:リンドグレーン
岩波書店(1967-09-05)
ストックホルムの公園からひとりの男の子が別の世界に迷い込みます。素晴しい白い馬に乗って悪い騎士と戦う彼の耳に、魔法の国の王さまである父親からの励ましの声が聞こえてきます。小学生向けのお話です。読んで聴かせてあげたい1冊です。

世界のバリアーフリー絵本展


バリアフリー.jpg世界のバリアフリー絵本展が、蓮根図書館でも開催されます。

志村図書館での様子は→こちら

VIAXの志村会長が社長をしているWPという会社が作成した手話絵本が、このたびJBBYよりバリアフリー絵本として選定され、一緒に展示されています。ぜひご覧になってください。

会期:11月18日(木)~25日(木)

会場:板橋区立蓮根図書館 視聴覚室

問合せ先:蓮根図書館 3965-7351

最寄駅:都営三田線 西台駅下車 徒歩4分

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佐野洋子さんを偲んで


11月5日に絵本作家でもあり、優れたエッセイストでもある佐野洋子さんが亡くなられました。

佐野さん作のもの、絵を描いたもの、翻訳したものなどや共著も含めて173タイトル。子どもの本で現在手に入るものは74タイトルあります。その中でも、特におすすめの何冊かを紹介します。

『100万回生きたねこ』
100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))








100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))
著者:佐野 洋子
講談社(1977-10-19)
佐野洋子さんの代表作。100 万回生きて、100万回死んだねこの流転。どんなに立派に生きてもねこは満足しなかったのに、ほんとうに愛する者に出会った時に、そのねこは自分の人生を生き切るというテーマ。大人が読んで考えさせられる絵本ですが、子どもたちは子どもたちなりに受け止めることができると思います。

『わたしのぼうし』
わたしのぼうし (絵本のせかい 2)







わたしのぼうし (絵本のせかい 2)
著者:さの ようこ
ポプラ社(1976-07)
大事にしていた帽子が風に飛んでいって・・・新しい帽子を買ってもらっても、それはわたしの帽子ではないって思う女の子の気持ち♪講談社出版文化賞を受賞しています。

『だってだってのおばあさん』
だってだってのおばあさん (フレーベルのえほん 3)








だってだってのおばあさん (フレーベルのえほん 3)
著者:さの ようこ
フレーベル館(1975-04)
「だっておばあさんだもん・・・」とすぐに言い訳してしまうおばあさん。99歳のお誕生日になんとケーキの上には5本のローソク。ねこがローソクを落としてしまったのです。ところが・・・おばあさんは翌日からまるで5歳のこどもになったかのよう。気持ちの持ちようでなんでもできてしまうってこと。そんなおばあさんの姿がとっても可愛らしいのです。

『おぼえていろよ おおきな木』
おぼえていろよ おおきな木 (講談社の創作絵本)







おぼえていろよ おおきな木 (講談社の創作絵本)
著者:佐野 洋子
講談社(1992-12-07)
『おぼえていろよ おおきな木』(初版は1996年に銀河社から出ています)の、毒づくおじさんの気持ちも痛いほどわかります。邪魔で邪魔でしかたなく思っていたおおきな木。ところが切り倒してみて清々したのかと思ったら、大切なものを無くしてしまったことに気づくのです。この本は、全国学校図書館協会の課題図書にも選定されました。

『はだか―谷川俊太郎詩集』
はだか―谷川俊太郎詩集








はだか―谷川俊太郎詩集
著者:谷川 俊太郎
筑摩書房(1988-07)
この詩集は、私にとって衝撃的でした。生きるということの生々しさと、覚悟とを感じる詩。そして佐野洋子さんのシンプルだけど力強い絵がマッチしていて、強く印象に残りました。
この本が出版された頃は谷川さんと佐野さんは結婚されていました。(谷川さんの3番目の奥さんでした)

『うまれてきた子ども』
うまれてきた子ども (えほんはともだち)







うまれてきた子ども (えほんはともだち)
著者:佐野 洋子
ポプラ社(1991-01)
うまれたくないから生まれてこなかった子どもが、女の子におかあさんのよさを知らされて生まれてくるというお話。次にあげる『おじさんのかさ』もそうなんだけど、ちょっとへそまがりで、そういうところがすごく憎めないんですよね。佐野さんの絵本って!

『おじさんのかさ』
おじさんのかさ (講談社の創作絵本)







おじさんのかさ (講談社の創作絵本)
著者:佐野 洋子
講談社(1992-05-22)
お気に入りのこうもり傘を、雨で濡らしたくないおじさん。(ここでもへそまがりな性格が如何なく発揮されています)雨が降っても、開こうとしなかったのですが・・・子どもたちが雨の中、傘をさして「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン」と歌うのを聞いて、おじさんも一緒に傘をさして歌い出します。サンケイ児童出版文化賞を受賞した作品です。

『空とぶライオン』
空とぶライオン (佐野洋子の絵本)







空とぶライオン (佐野洋子の絵本)
著者:佐野 洋子
講談社(1993-10-27)
これは期待される理想像に縛られて頑張りすぎちゃうライオンのことが描かれていて、ちょっと考えさせられる絵本でした。

『ねえ とうさん』
ねえとうさん―ぼくとうさんの子でうれしいよ (創作絵本)








ねえとうさん―ぼくとうさんの子でうれしいよ (創作絵本)
著者:佐野 洋子
小学館(2001-10)
おとうさんってえらいなぁって、思う素直な子どもの気持ち・・・とくに男の子にとっておとうさんってあこがれの存在なんですよね。「ねえ、おとうさん ○○して」「よしよし」そう言ってくれるおとうさんの存在って素敵ですね。その親子を見守っているおかあさんもとてもいいのです。ほのぼのとした気持ちにさせてくれる絵本です。

『さかな1ぴきなまのまま』
さかな1ぴき なまのまま








さかな1ぴき なまのまま
著者:佐野 洋子
フレーベル館(2008-02)
理想の友だちを探しに旅に出たねこくんのお話。自分が理想とするタイプの猫には、無視されてしまい、自分についてきてくれるのはへんなへびだけ。でもね、本当の友だちって・・・作るものではなく、出会うものなんですよね。佐野さんの深い思いが伝わってくる絵本です。この絵本は後書きがまたいいのです。

『わたしが妹だったとき』
わたしが妹だったとき








わたしが妹だったとき
著者:佐野 洋子
偕成社(1982-11)
「十一才のままの兄のために」という副題がついている創作童話。幼くして亡くなった兄と、いっしょに遊んだ日々をつづったお話。佐野さんの実体験によるもので、文庫版(福武書店)のあとがきには、兄が亡くなった時の母親の慟哭と、自分の中にある喪失感をどうしたらいいのかもてあましている様が書かれています。
この本は、新美南吉文学賞を受賞しています。

その他、佐野さんが手がけた翻訳絵本には、『ゆかいなゆうびんさん』ほか、次のようなものがあります。
ゆかいなゆうびんやさん―おとぎかいどう自転車にのって






ゆかいなゆうびんやさん―おとぎかいどう自転車にのって
著者:ジャネット・アルバーグ
文化出版局(1987-10)

ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス







ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス
著者:ジャネット アルバーグ
文化出版局(1992-10)

かあさんのいす (あかねせかいの本 (8))







かあさんのいす (あかねせかいの本 (8))
著者:ベラ B.ウィリアムズ
あかね書房(1984-07)

ほんとにほんとにほしいもの (あかねせかいの本)







ほんとにほんとにほしいもの (あかねせかいの本)
著者:ベラ B. ウィリアムズ
あかね書房(1998-04)

うたいましょうおどりましょう (あかねせかいの本)







うたいましょうおどりましょう (あかねせかいの本)
著者:ベラ・B. ウィリアムズ
あかね書房(1999-12)

こんにちはあかぎつね!








こんにちはあかぎつね!
著者:エリック カール
偕成社(1999-10)

カンガルーの子どもにもかあさんいるの?







カンガルーの子どもにもかあさんいるの?
著者:エリック カール
偕成社(2000-08)




第11回 子どもの本 この1年を振り返って2010年


2010年はどんな子どもの本が出版され、どのように読まれたのでしょうか?年間3000点以上出版されている児童図書。それらに自ら目を通し、子どもたちへ直接手渡している図書館員や児童図書研究グループの代表者達が、今年話題になった一押しの本を発表します。

主催:NPO図書館の学校  後援:日本児童図書出版協会

日時:2011年1月17日(月) 10:20~16:00  開場9:40~

第1部:10:20~14:50 発表 2010年の子どもの本
     絵本・フィクション・ノンフィクション・ヤングアダルト
第2部:15:10~16:00 分科会 深める!各ジャンルの子どもの本
     

会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟

参加費:会員 2000円  一般:4000円

定員:180名

申込方法:ホームページ http://www.toshokan.or.jp/ から申込ください。

申込受付開始:2010年11月15日(月)より

申込ご、参加費の振込先と会場地図などの案内が送付されます。

板橋区国民読書年記念講演会(講師:角野栄子さん)


10月30日(土) 13:30~ @板橋グリーンホール2F大ホール

10月だというのに12月下旬の低気温が続いた10月最終週。そのうえ、30日(土)は台風14号が関東地方に最接近する天候。朝から風雨強く、午後の開場時間の頃にはますます雨風ともに強くなっていました。気温もぐんぐん下がっていく悪天候。

早めに会場に来てくださった講師の角野栄子さんご自身が、「この天候では、みなさん来なくなっちゃうんじゃないかしら?」とご心配されるほどでした。

ところが開場してみると、大勢の方々が続々訪れてくださり、ほぼ会場定員の200名に達する方々でいっぱいになりました。それほど角野栄子さんのお話を聞きたいと集まってくださったことにまずは感謝。

この講演会は板橋区中央図書館主催の国民読書年記念講演会。
ですが、VIAXが板橋区内で受託している4館が今年度は当番館ということで、板橋区担当のSVや受託館館長さん達と3月ごろより講師の先生を角野栄子先生にしたいと話し合い、JBBY事務 局に仲介していただき(法人会員なので)、志村図書館の館長が中心になって角野先生の事務局と交渉をし、講師依頼を快諾いただき、合わせて先生が蒐集された世 界の魔女人形をお借りして、会場入り口で展示することなどを、準備してきたのでした。
そうやって担当者の方々が、半年かけて準備をしてきた講演会なので、この天候には参った!という感じだったのですが、それを跳ね返す盛況ぶりに大感激。当日早くから会場に集まって、準備をしてくださった板橋区4館の館長の皆さま、スタッフの皆さま、本当にお疲れ様でした。

この盛況ぶりは、角野栄子さんの本が子どもたちに人気でたくさん読まれていることや、「魔女の宅急便」の第6巻が昨年秋に出版されて完結したことなど、タイムリーな話題もあって、多くの方々が角野さんのお話を聞きたいと心から願ってくださったからだなぁと、思います。
魔女の宅急便 〈その6〉それぞれの旅立ち (福音館創作童話シリーズ)魔女の宅急便 〈その6〉それぞれの旅立ち (福音館創作童話シリーズ)
著者:角野 栄子
福音館書店(2009-10-07)

角 野さんは35年近く児童文学作家として講演会活動もされているのですが、「講演の日に雨が降ったのは岡山に招かれて行った時の1回きりで『晴れ女』なんだ けど、さすがに今日の台風は退散させられなかったわ!これで雨だったのは2度目、しかも台風!魔法の力が落ちちゃったのかしら!」と、先生の足元の悪さを 心配するスタッフたちを、そう言って笑わせてくださり、とてもウィットに富んでいて、優しい方だなぁと思いました。
それにプロフィールで見るご年齢にはとうてい思えない、美しさと気品があって、講演会が始まるまでの約30分間ご一緒出来ただけでも、なんだか夢のような 時間でした。(控室では日本の幼年童話の書き手が何故育たないのか、その辺りの危惧をこっそりお話してくださいました。このことに関しては私自身の仕事と 結びついて大いに啓発されました。詳しい内容はまた別記事で・・・)

さて講演は「魔女になるには」と題して・・・角野さんが子どもの本を書くようになったきっかけなどをお話してくださいました。DSCN2973それは幼い時にお父さんの膝の上でたくさん話を聞かせてもらったことがベースになっているとのことでした。

作家デビューされてからは、子育ての中でたくさんのアイディアを拾ったとのこと。「小さなおばけシリーズ」の「アッチ、ソッチ、コッチ」は娘さんが、 「あっちにいって、そっちにいって、こっちにいって、それから踏切をわたって・・・」と何にでもそういってお話を作っていたことから始まったこと、「魔女 の宅急便」もやはり娘さんがノートに箒にラジオをぶら下げて乗っている魔女の絵を描いているのを見たことがきっかけだったのですって♪

当時、一般に魔女というイメージは、昔話に出てくる呪いをかける怖い老女。しかも三百歳も生きているというものだったのだけど、10歳くらいの子どもと大 人の間の揺れる気持ちを持っている女の子として描いてみるのも面白いのじゃないかしら?魔女になる修業に一年間知らない町に行くっていうのはいいな。と、 どんどんお話のアイディアが湧いたそうなんです。
その辺りのことは、角野さんの『ファンタジーが生まれるとき』
ファンタジーが生まれるとき―『魔女の宅急便』とわたし (岩波ジュニア新書)ファンタジーが生まれるとき―『魔女の宅急便』とわたし (岩波ジュニア新書)
著者:角野 栄子
岩波書店(2004-12)

この本に詳しく書いてあるので、ぜひぜひ講演会に参加できなかった方は読んでみてくださいね。


『魔女の宅急便』が映画化されたあと、魔女について詳しく調べる機会があり、魔女といわれる女性は実は自然の力、森の力をよく知っていた人だったというこ と、植物の持つ力を引き出し、薬草として用いる知識を持っていたこと。そういう知識が重用されてお産婆さんとして活躍していた彼女たちは、森羅万象に神の 力が宿っていると理解するいわば多神教の立場であり、一神教のキリスト教がヨーロッパ社会に浸透していく過程で、邪魔者扱いされ、魔女裁判、魔女狩りとい う形で謂れのない嫌疑をかけられ、殺されていった歴史がわかったというのです。

魔女はもともとは「垣根の上に登って、向こうの世界とこちら側の世界の両方を望む人」つまり人の生死にかかわり、人の誕生を支え、病や死の恐怖をやわらげ、人々の心に寄り添っていた女性だったということでした。

この辺りの旅行記はこちらにまとめられています。
魔女に会った (たくさんのふしぎ傑作集)魔女に会った (たくさんのふしぎ傑作集)
著者:角野 栄子
福音館書店(1998-04-01)

こうしたたくさんのエピソードをお話してくださったあとに、「では魔女になるには?どうしたらいいのでしょう?」と最後のまとめを・・・

子ども達って面白いお話の扉が開く瞬間を心待ちにしている。垣根の向こう側に何があるの?想像力をいっぱい駆使して、目に見えない世界や、今いる世界以外のものを見てほしい。それが魔女になるってことなんですよ・・・と締めてくださいました。DSCN2977

終了後はサイン会。風雨が強まる中、熱心に待ってくださってる方々、100名の方に丁寧にサインしてくださいました♪

***会場入り口に飾られた世界の魔女人形***

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天井からぎろり♪




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ドアの向こうから飛んで来DSCN2968て・・・






大切な大切な角野先DSCN2972生の魔女人形たちが、受付の周りで、会場入り口の近くで、出迎えてくれました♪
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当日は、会場設営や受付、司会、控室での接待、保育など多岐にわたって、板橋4館のスタッフの方々が、志村図書館長の指揮のもと、てきぱきと気持ちよく役割を分担してくださり、素晴しい講演会になりました。また当日はWPから手話通訳の方が2名来てくださり、ろうあ者の方にも角野先生の講演会を楽しんでいただくことができました。中央図書館主催の講演会でしたが、皆さまの縁の下の力持ちとしての働きは素晴しかったです。本当にお疲れ様でした。

「いま、子どもの本をつくる・届ける」第15期子どもの図書館講座・第2回


10月29日(金) 15:00~17:00 @東京子ども図書館

2回目の講師の先生は1回目の地方・小出版流通センターの川上賢一氏とこぐま社代表取締役社長の佐藤英和氏でした。

冒頭は課題図書の功罪について。

全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催し、毎年夏休み前に「青少年読書感想文コンクール」のために課題図書を選定しているのですが、一度だけこぐま社の絵本『ふんふんなんだかいいにおい』が、選ばれたことがあることから、ここでは書けないエピソードを紹介してくださいました。
ふんふんなんだかいいにおいふんふんなんだかいいにおい
著者:にしまき かやこ
こぐま社(1977-07)

課題図書に選定されると、通常子どもの本は、せいぜい初版3000部刷るかどうかなのに、一度に20万部刷るようにと要求されるのだそうです。

たしかにそれだけが本当に売れれば、出版社としては、また紙屋さんも印刷会社も製本会社も潤うのだが、それは一時的なブームで終わってしまい、もうひとつ怖いのは課題図書になったからと言って本当に売れるのかどうかの判断もとても難しいということでした。

下手すると返品の山に囲まれてしまったり、翌年の経営に影響を及ぼすことさえあるとのこと。

「よい絵本」などを毎年選定することの裏には「売らんかな」という商業主義があり、それはいずれ破たんするのではと危惧していらっしゃいました。

こぐま社の佐藤さんが思うよい絵本は、子どもたちがずっとずっと支持し続けてくれる本であるということ。「もう1回読んで!」「もう1回」と繰り返し読んでほしいと持ってくる本であり、出版社はそれに応えて出版し続けることに使命があるとのこと。

それを受けて、地方・小出版流通センターの川上さんが、そのあたりの子どもの本の流通の問題をずばり解説。

それによると、1970年代と比較すると出版点数は3倍くらい出ているのに、読み手である小中学生の数は減少しており、子どもの本は売れなくなっているということ。

それは子どもの本に限ったことではないために、朝読書キャンペーン(本の取次ぎのトーハンが主導)や、本屋さん大賞(博報堂やユーキャンが主導、さきほどの課題図書は表向き毎日新聞だが電通が絡んでいる)などで本を売るしくみを必死で考えているのだそう。

その裏には書店が自前で棚づくりをする時間がないこと、自分の棚で勝負できなくなっていることが原因だそうです。

以 前は本に挟まれている売上スリップで本の売れ筋を管理していたのが、今は本屋さんにその情報が蓄積できずにPOSシステムでダイレクトに取次ぎに行ってし まう。本屋の店員さんに本に対する知識の蓄積がなくなっていることへの危機感が、逆に「本屋さん大賞」という形で表れているのだそうです。

今 回、良質な子どもの本を作ってきた理論社さんが民事再生法申請したタイミングもある本を題材にしたドラマが終了したタイミングで起きていることを取り上 げ、一時的に話題になって本を増刷したものが返品されてきてしまう問題が裏にあることを指摘されました。つまりは日本の特殊な出版・流通システムに大きな 問題があるというのです。

今は需要よりもはるかに供給が上回っている、出版社が読者が何を求めているのか考えなければならないのに、自分 たちが売りたいものを売っているところに、問題の根源があるのではないか。読者が別に読みたくもない本ばかりが本屋さんに並んでいる現状に、目をそらさな いで気がついていかなければならないのではという指摘でした。

子どもの本の出版に関しても、ここ20年編集プロダクションが増加し、出版されている本も玉石混交の状態。

1970 年代に全国あちこちに開店した子どもの本の専門店も、この取次ぎのシステムの壁にぶつかって淘汰されてしまったとのこと。名古屋のメルヘンハウスではみわ さんとこぐま社が直接取引することで、こぐま社の本が子どもたちに届けられたが、そうでないと良質の子どもの本が本屋さんの店頭に並ばないという現実。

長崎の童話館やクレヨンハウス、メルヘンハウスもブッククラブを誠実に成功させて、存続しているとのこと。

こぐま社の佐藤さんが直接取引をするきっかけになったのは、思い入れのある絵本であっても、取次ぎは中身もみずに量りにかけて結束で何グラムかで取引をすることだったのだそう。本をモノとして取り扱うシステムに、ずいぶん失望したのだそう。

何とかして直接子どもたちに直接よい本を届ける方法を模索した時に、教文館の中村社長とのご縁で、こどもの本のみせナルニア国が生まれるきっかけができたのだそうです。

子 どもの本の専門店のコンセプトは、東京子ども図書館の松岡享子さんと相談し、子どもたちが読みたいというロングセラーだけを扱う本屋さんとして、一切妥協 しないことで合意。最初は売れる本を置いていないので、すぐに潰れるのではと揶揄されたそうだが、そこは妥協しなかったとのこと。

ただし 日本で1年間に出版される子どもの本を全部見ることのできるコーナーも設けて、そこへ行けばどんな本も1年間は手に取ってみることができるようにしたこ と、出版された本はすべてナルニア国のスタッフがすべて読んで、子どもに手渡すべき本を選書していることなど、特筆すべき特色を備えた子どもの本の専門店 になっている。ナルニア憲章を作って、書店スタッフがきちんと選書できて、書架を作っていることが、ナルニア国成功の秘訣でなのだそう。

教文館の他の売り場から当初出ていた危惧は、杞憂で終わっていることが、特色ある選書の大切さを示していると、佐藤さん。

出版社の編集者が子どもの本について不勉強で、恥ずかしくなる本がたくさん出版されていることを、子どもの本を44年作ってきた佐藤さんとしてはとても悲しい現状であるとおしゃっていました。

そ こで図書館の役割として選書の重要性を訴えられました。図書館では売れる本、売ろうとしている本ではなく、子どもたちの要求にこたえられる良質の読み継が れていく本を選書する目を養ってほしいと。司書はその選択眼をしっかり勉強し、本をたくさん読んで養ってほしいと力説されました。

この講座は、あと5回続きます。これからはいよいよ選書眼について切り込む講座になっていくことを期待したいと思います。

「いま、子どもの本をつくる・届ける」第15期子どもの図書館講座・第1回


9月24日(土) 15:00~17:00 @東京子ども図書館

東京子ども図書館の第15期子どもの図書館講座(全7回)の第1回目に参加してきました。

第1回目の講師は、地方・小出版流通センターの川上賢一氏でした。

最初に日本の書籍の出版流通システム(取次ぎシステム)100年の歴史をまずはざっと振り返り、子どもの本だけではなく一般書籍も含めて、本がどのように出版され、どういう流通を経過して書店の棚に並ぶのかを俯瞰してみることができました。

その後、インターネットが普及したことや、日本経済の動向に合わせて本が売れなくなっていった背景などを総合的に語ってくださり、後半の方で電子ブックの形態と子どもの本の電子ブック化の動きについて、現在進んでいる動向を話してくださいました。

すべてをブログで書こうとするとレポート用紙数枚に及んでしまうそうです。

子どもの本が電子ブックとして流通するかという児童図書館に関するところだけを取り上げて報告すると・・・

日 本では電子端末がまだ開発の余地があること。iPadに関しては重くて普段持ち歩くようなサイズではないこと。電子ブックのタイトルは少なく、iPad用 のアプリとして流通しているものはまだ少ないこと。どちらかというと携帯電話(つまりiPone用アプリ)で読まれており大半はコミックスや特殊な小説 (と川上さんがおっしゃった。具体的にはどういうジャンルかは口を濁された)であること。

そのような中で子どもの本(絵本)が一番電子 ブック化しやすいと一部の業者が飛びついているようだが、そうなるとアニメの延長のような動画絵本になってしまう。しかし読んで聞かせる、読んでもらって 反応を示し、読み手がまた反応を返すという双方向のものにならないので、子育てには向かないという反応が主流になるのではないか?
(例えばiPadを仲立ちにして、親子が本を読むという場面を想像しても、紙の本で得られるものとの差異がどれほどあるのか、検証が必要)

電子ブックはおじいちゃんの玩具としてはいいかもしれないが、子どもの本として普及していくとは、現時点では考えにくいというものでした。

つまりアニメのDVDなどを子ども達に見せるのとどう違うのかという点が検証されていかなければならないというのです。

児童サービスの中に電子ブックがどう入り込んでくるかという点については、現時点ではさほど危機意識は持ってらっしゃらないという印象でした。

講義のあとの質疑応答では、図書館現場で働いている方から、子どもの本は中身を読んでから購入したいが、最近見計らいで届く点数が減っているという話が出ていました。

こ れに関しても日本の出版・流通が抱えている在庫の問題(70万点の本が在庫としてあるが、実際に市中に出回り売れていく本はその内の1割程度、7,8万点 ではないかという多く見積もって配本し、そのうちの4割近くが返本されているということ)なども含めて、日本の出版・流通について考えていかなければなら ないとおっしゃっていました。

次回の講座では、絵本・子どもの本だけを出版しているこぐま社の創業者であり会長である佐藤英和さんもいっしょに、そのあたりの話も含めて「読みたい本を手に入れる為にはどうしたらいいか」ということなどについてお話してくださるそうです。

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「耳から聴く読書」@杉並区方南図書館


10月28日(木) 午前10時30分~

杉並区立方南図書館 多目的室にて

杉並区方南図書館で、読書週間記念講演会ということで、拙いながらも私K☆Jが乳幼児期から思春期までの子どもと本との出会いとその中で読んで聴かせてもらうことの大切さをお話してきました。

話の端緒は、昨年クレヨンハウスで見かけた母子の会話から・・・
クリスマス前の混雑する店内で、レジに並んでいたお母さんと、小学2,3年の男の子の会話。子どもの本の売り場も混んでいて、その中をうろうろしていた男 の子「どの本、選んだらいいかわからない~」とお母さんに訴えるのに、母:「とにかく何でもいいから取ってきなさい」男の子:「いっしょにさがして」母: 「自分で読む本くらい、自分で探しなさい」母:「時間がないから早く!」

泣きそうな顔をして店内を歩き回っていた男の子、最初絵本を持って戻ってきたものの、お母さん「もう絵本じゃないでしょ!もっと字が多いのを持ってきなさい」(かなりイライラした声)

そこで男の子が選んできたのは、分厚いファンタジーでした。

母:「こんなに字が小さくて、いっぱいなのに読めるの?」
(って、絵本じゃなくて字が多いのをって言ったのは、貴女でしょう・・・って喉から出かかってましたが^^;)
男の子:「これでいいの」
母:「ほんとね!絶対読めるのね!読まなかったら許さないわよ」(罵声に近い声で・・・)

小学2,3年生は、たしかに字が読めるようになっています。でもね、物語の世界に入り込んで想像の翼を駆って楽しむためには、まだまだ読んでもらう、耳か ら聴くことが重要なのです。字が読めるから、もう絵本は卒業でしょう、字のいっぱいの本を読めて当たり前でしょう、自分で本を選んで自分で読みなさいとい う、その親の態度が、姿勢が、子どもたちに物語の楽しさから遠ざけ、読書嫌いを作ってしまうのですということから話をはじめました。

ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)
著者:駒形 克己
福音館書店(1999-04-15)

お母さんのお腹の中で聴いていた音だと言って娘さんが話したことばを、駒形さんが絵本にした『ごぶごぶごぼごぼ』は、読んであげると生後間もない赤ちゃんも、ブックスタートや児童館でのおはなし会で読むと、どんなに泣いてぐずっていても泣きやんでしまうというエピソードを、お話したり、



NHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のりNHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のり
著者:安川 美杉
日本放送出版協会(2007-02)

赤ちゃんが、生後すぐにかなりの能力を持っていて、中でも聴覚は妊娠末期に出来あがっていること、生の声に出産後すぐに反応しているというデータをもとに、私たちにとって、耳から聴くということが、発達の過程でどれほど重要な役割をもっているかを解き明かしました。



その中で、私自身の4人の子育てで感じたこと、絵本の会や文庫活動を20年近くしてきた中での、子どもと本に関するエピソードをいくつかお話ししました。

特に引用したのは、松居友さんの『絵本は愛の体験です。』(洋泉社)の中から「何歳まで読んであげる?」のページ。
絵本は愛の体験です。絵本は愛の体験です。
著者:松居 友
洋泉社(2000-09)

「お母様が都とお話をしていてよく受ける質問のひとつに、「何歳までに絵本を読んであげたらいいのですか?」というのがあります。こうした質問の背後に は、「何歳ごろから読書に移ったらよいうのですか」という問いが隠れています。つまり、このような考えをなさる方は心の中に、読み聞かせに対する根強い偏 見があるのです。いわば絵本を読み聞かせるのは、幼稚園や保育園といった初期の段階で、年長さんになったら自分で字を拾い読みして、小学校に入ったらどん どん読書をしてほしいと・・・・・。このような考えは危険です。成功することもありますが、たいがい読み聞かせから読書に入る段階で読書嫌いを作ります。 なざだか、お話しましょう。このような考え方の基本的な誤りは、子どもにとって読書と読み聞かせが、同じ体験だという考えにあります。読んでもらうという ことと、自分で読む行為、すなわち読み聞かせと読書は別の体験です。読み聞かせは愛の体験、読書は自立の体験です。読み聞かせの延長線上に、読書がくるの ではありません。」p77

また柳田邦男さんも同じようなことを『砂漠でみつけた一冊の絵本』の中で書いていらっしゃいます。
砂漠でみつけた一冊の絵本砂漠でみつけた一冊の絵本
著者:柳田 邦男
岩波書店(2004-10)

「人が人生で出会うさまざまな危機や波瀾に対処する心のやわらかさを獲得したり、他者の悲しみや痛みに対する理解と思いやりの心を持つようになったり、美 しいものに感動する豊かな感性を持つようになったりするように心が育まれるうえで欠かせないものは、少年少女期にさまざまな物語に接することだ。ところ が、小学校の中高学年の子どもたちに、読み物を読まない子が多くなっている。テレビゲームやアニメ番組に熱中しているのだ。絵本の読み聞かせをしない親が 多い。子どもの問題は、いつもおとなの問題だ。大人が絵本を楽しみ、絵本のすばらしさを知らないで、どうして子どもに絵本をすすめることができようか。」 p26

読んでもらって、物語の世界に没頭するという経験を十分に積み重ねることがとても重要なのです。せめて10歳までは続けてほしいのです。

「耳から聴く読書」の体験は、メタ認知能力を育てます。自分が直面している問題の全体像を把握し、客観的に判断できる能力がメタ認知能力です。これは10 歳前後で急速に発達しますが、そのためにも「物語を聴く」という経験がとても大事なのです。物語を読むことは、自分とは違う人生を生きる過去の人、あるい は別の国に住む人、別の性別の人の生き方、感覚、感情、考えをまるで自分が体験したかのように感じることができるのです。これはまさに想像力の賜物であ り、その想像力がメタ認知能力を育てていくのです。
そしてこの能力は、思春期を乗り越えていく支えとなります。誕生から続く子育ての真価が問われるところです。子育ての最終目標は子どもを自立させること。 親が子の人生の最後まで見届けることができないのですから、人生を生き抜いていく知恵を「耳から聴く読書」によって、豊かに身に付けてほしいと思うので す。

そんなお話をしました。まだ乳幼児をお持ちのお子さんもたくさん来てくださいましたが、思春期まで見通して、今を大事にしてほしいなということを、いっぱいお伝えしてきました。

DSCN2954会場には、子育て中の指針にしてほしい本の数々、小学生に読んであげたい絵本やおはなしの本などDSCN2952を、並べておきました。

また脇明子先生が教文館ナルニア国の講演会でお話してくださった、小学生に読んでほしい読み聞かせの本のリストなども資料としてお渡ししました。


DSCN2953朝から冷たい雨の降る一日でしたが、25名定員の講演会で20名近いかたが足を運んでくださったことはとてもありがたいことでした。

小さなお子さん連れの方は、あまりの寒さに当日キャンセルされたようですが、レジュメや資料は多めに用意してあるので、ぜひ窓口で資料だけでも受け取ってもらえたらなぁと思いました。


方南図書館の児童室は、まさに実りの秋♪
DSCN2949

DSCN2950読書週間にふさわしい特集コーナーも充実していました。

丁寧に書架を掘り起こし、タイムリーな特集コーナーを毎回作っているスタッフさんの働きに感心しました。

2010年(その3) 年末年始の行事(幼児~小学生)


図書館も民間への業務委託・指定管理が進むにつれて、年末年始の開館日が増えてきました。VIAXが受託する図書館も、ほとんどが年末は30日まで、年始も4日から、館によっては2日から開館というところもあります。それだけスタッフのみなさんには、ある意味ご負担をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

さて年末の親が忙しい時に図書館に来る子ども達もいるでしょう。おうちの人が年末の片づけをしたり、お正月飾りをしつらえたり、おせち料理の準備をしているのを見て、どういういわれがあるのか、その由来を調べたくなるかもしれません。

お正月に初もうでの帰り道に「図書館がもう開いてる!」と気がついて寄ってくれる子もいるに違いありません。家で同じようなお笑い芸人やタレントがにぎやかに騒ぐお正月特番に飽きた子ども達には、図書館の空気は新鮮に感じられることでしょう。

核家族化、都市化の波に押されて、以前ほど年末年始の行事やしつらえ、お料理がどこの家庭でも見られるわけではないかもしれません。だからこそ、日本の古きよき伝統文化をきちんと子どもたちに伝えたいですね。

おはなし会でも、ぜひ年末年始の風物詩を取り上げて、子どもたちに紹介してみてください。

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オープニング   わらべうた 「もっちっこやいて」
もちっこやいて(画像)

 

 

 

 

 


絵本 『かさじぞう』瀬田貞二/作 赤羽末吉/絵 福音館書店 1966
かさじぞう(こどものとも絵本)

かさじぞう(こどものとも絵本)
著者:瀬田 貞二
福音館書店(1966-11-01)
まず読んであげたいのは昔話です。心優しいおじいさんと、それをあたたかく受け入れるおばあさんの度量の深さ。つましい庶民の生活と、あたたかさを感じるおはなしです。ぜひ子どもたちに読んであげてくださいね。

 

絵本 『きょうとあしたのさかいめ』最上一平/文 渡辺有一/絵 教育画劇 2000
きょうとあしたのさかいめ (行事の由来えほん)

きょうとあしたのさかいめ (行事の由来えほん)
著者:最上 一平
教育画劇(2000-10)
行事の由来を子どもたちにわかりやすく描いた絵本。年越とお正月の風習を、子どもたちにもわかりやすく説明しているおはなしになっています。

 

絵本 『おばあちゃんのおせち』野村たかあき 佼成出版社 2008

おばあちゃんのおせち (クローバーえほんシリーズ)

おばあちゃんのおせち (クローバーえほんシリーズ)
著者:野村 たかあき
佼成出版社(2008-12)
野村さんが版画で丁寧に彫った絵が、古き良き日本の伝統を感じさせます。今の子どもたちの生活とは少し違うかもしれませんが、ぜひ伝えていきたい風習です。はじめておばあちゃんのおせち料理作りを手伝うきりちゃんのけなげな姿も素敵です。

 

絵本 『まるいちきゅうのまるいちにち』安野光雅/作 エリック・カールほか/絵 童話屋 1986

まるいちきゅうのまるいちにち―All in a day

まるいちきゅうのまるいちにち―All in a day
童話屋(1986-01)
この絵本は安野光雅さんが世界8カ国の絵本作家に呼びかけて作った絵本です。アメリカのエリック・カール、ロシアはエフゲニエヴィチ・ポポフ、中国の朱成梁、イギリスのレイモンド・ブリッグス、ケニアのレオ&ダイアン・ディロン、オーストラリアのロン・ブレックス、そして日本から林明子さんが、それぞれの国の新年の様子を描いています。日付変更線で一番最初に新年を迎える国から順番に描いているところもとても興味深い絵本です。読むのが難しいようでしたら、ブックトークで紹介してあげてもいいと思います。

 

絵本  『おもちのきもち』かがくいひろし 講談社

おもちのきもち (講談社の創作絵本)

おもちのきもち (講談社の創作絵本)
著者:加岳井 広
講談社(2005-12-17)
昨年、54歳という若さで亡くなられたかがくいひろしさんのデビュー作。亡くなられるまでの4年間に「だるまさんが・・・」などの楽しい絵本を17作品もこの世に出され、これからというところだったのに残念ですね。鏡餅の表情がとにかく可愛らしくて楽しい絵本です。

 

 

ブックトーク  
『十二支のお節料理』川端誠 BL出版 1999
十二支のお節料理

十二支のお節料理
著者:川端 誠
BL出版(1999-12)
年越の準備をする十二支の動物たち。ねずみは家をそうじして飾り付け。お餅をつく準備もします。牛は田畑に詳しいのでお米や野菜を調達する係り、トラは千里を走るのでいろいろな国から珍しい食材を集めてきます。十二支の動物たちが自分たちの持っている能力を生かして、おせち料理の準備をする姿がとても面白い絵本です。

 

『十二支のはじまり』長谷川摂子/文 山口マオ/絵 岩波書店 2004

十二支のはじまり (てのひらむかしばなし)

十二支のはじまり (てのひらむかしばなし)
著者:長谷川 摂子
岩波書店(2004-11)

 

 

『十二支のはじまり』岩崎京子/文 二俣英五郎/絵 教育が激 1997

十二支のはじまり (日本の民話えほん)

十二支のはじまり (日本の民話えほん)
著者:岩崎 京子
教育画劇(1997-11)

 

 

『十二支のおはなし』内田麟太郎/文 山本孝/絵 岩崎書店 2002
十二支のおはなし (えほんのマーチ)

十二支のおはなし (えほんのマーチ)
著者:内田 麟太郎
岩崎書店(2002-11)

 

 

『十二支のはじまり』高谷まちこ/作 ハッピーオウル社 2009
十二支のはじまり (おはなしのほん)

十二支のはじまり (おはなしのほん)
著者:高谷 まちこ
ハッピーオウル社(2009-03)

十二支のはじまりだけでも、たくさんあります。絵の雰囲気でこんなに違うんだな~と思ってしまいます。ぜひ読み比べてみてくださいね。(個人的には岩波書店のものが好きです)
(作成K・J)

絵本作家講座「村上康成氏トーク&ライブ」


10月24日(日) 11:00~13:00 @大田区民プラザ

主催:読み聞かせボランティア交流会『ヒッポ』

『ヒッポ』を中心になって立ち上げた方は、VIAX研修の講師として児童部会などで経験豊かなアドヴァイスをくれるM☆Aさんです。♪

絵本作家の村上康成さん。私の家族の趣味でもある釣&アウトドアの雑誌BE-PALのイメージイラストを描いていらしたのが村上康成さんだということもあり、家族で伊豆高原に行った時には、村上康成美術館にも行きました。

我が家の子どもたちが小さい時は、『さつまのおいも』をはじめとした中川ひろたかさんとのコンビを組んだ絵本シリーズ・ピーマン村の絵本たちを喜んでいっぱい読みました♪また何度かクレヨンハウスの子どもの本の学校でも楽しいお話を伺ったことがあり、今回もとても楽しみにしていました♪

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会場には、前方に子どもたちが靴を脱いで座れる席が用意され、親子で楽しめる講座になっていました。

村上さんは、ほんとうにラフなスタイルで登場し、子どもたちに目線をやりながら、語りかけてくださいました。

DSCN2938プロジェクターで絵本を映しながらの絵本の読み聞かせあり、村上さんのデビュー作『ピンク、ぺっこん』のやまめの形をしたウクレレを奏でながらのライブあり。

2 時間の講演時間が短く感じるほどに、熱く、楽しく、絵本のことや、村上さんがもうひとつのライフワークにされている魚釣り(特にフライフィッシングでサケ 科の魚を釣る・・・脂鰭のある魚を追って日本国内だけでなく北米まで何度も遠征している)の様子を語ってくださいました。

っていうか、脂鰭のある魚釣りの話をしていた時のほうが、絵本の話の時以上に目がぎらぎら輝いていました

さて、印象に残ったのは村上さんが絵本作家を目指したきっかけとなる出会いの絵本のこと。
高校球児だった村上さんが、部活引退後に進路を考えあぐねている時にたまたま出会ったのが谷内こうたさんの『のらいぬ』の原画展。
原画を見たときには感じなかったものが、絵本という媒介になって現れた時の衝撃は、一晩中夢中でその絵を模写したほどの強いものだったそうです。
のらいぬ (至光社国際版絵本)のらいぬ (至光社国際版絵本)
著者:谷内 こうた
至光社(1973-06-01)






そこで絵本作家を目指し美大を受験。現役では合格できず、名古屋の河合塾で浪人生活。その時の美大を目指す浪人生の中にいたのが長谷川集平さんだったというエピソードは初めて伺いびっくりw(゚o゚)w !
長谷川さんは浪人中に描いた絵本『はせがわくん、きらいや』で、早々に鮮烈デビュー
はせがわくんきらいやはせがわくんきらいや
著者:長谷川 集平
ブッキング(2003-07)

(こちらは復刻版)




焦りながら、出版社に絵本のアイディアを売りに行くのですが、なかなかモノにならず。
そんな時に自分の大好きな脂鰭のある魚、やまめを題材に描いた作品が絵本になりデビュー作に。
ピンク、ぺっこんピンク、ぺっこん
著者:村上 康成
徳間書店(2000-08)

初版は1983年、ベネッセコーポレーションから


やまめのピンクを描いたことから、絵本作家としての村上さんの歩みが始まるというところが、とても印象的でした。

やはり自分の一番大切にしているもの、愛しているものを題材にして描くことが、一番読み手に伝わる絵本になるということ。

1983 年のデビューから約27年。28歳でデビューしてずっとずっと好きなものを描き続けてこられたという幸せを村上さんのお話の中からいっぱい感じ取ることが できました。絵本の作り手として思うことは、絵本を手にしてくれた人が「面白いな!」「楽しいな!」と感じてくれること。一緒に楽しいなと思える時間を親 子でいっぱい共有してほしいなということですとおっしゃっていました。絵本が持っている力というのは、ちょっとナンセンスに思えるようなことでも、一緒に 笑って楽しめること、そういう時間を共有することで生まれる心の交流の中に発揮されるのですね。ここの辺りは前日文京区の本郷図書館で聴いたサトシンさんの講座とも共通するも のがありました。

ライブで読んでくださった絵本は・・・
たちねぶたくんたちねぶたくん
著者:中川 ひろたか
角川学芸出版(2010-07-10)

青森・五所川原で行われる三大ねぶた祭りのひとつ、たちねぶた祭りをもじっただじゃれ絵本。
立ってるぶたと寝てるぶたの対比がかわいいw

DSCN2940


だっこしてだっこして
著者:エクトル シエラ/画:村上康成
佼成出版社(2007-06)

「だっこして」と言ってくるのは、たこのぼうや。たこのかあさん、足が8本あるから、だっこしながらなんでも出来ちゃうの!

ぴっけやまのおならくらべぴっけやまのおならくらべ
著者:かさい まり/画:村上康成
ひさかたチャイルド(2003-06)

スペシャルゲストとして、作者のかさいまりさんも登場。ふたりが掛け合いで、この本を読んでくださいました。村上さんはおならの音担当^^




きぜつライオンきぜつライオン
著者:ねじめ 正一
教育画劇(2007-04)

背中にとまった蝶が逃げないように、息を止めてた心優しいライオンくんのお話。DSCN2941



石のきもち―この星の上で石のきもち―この星の上で
著者:村上 康成
ひさかたチャイルド(2010-05)

釣をはじめとするアウトドア生活の中で、人間は大自然の中ではちっぽけな存在でしかない、地球への思いを描いた絵本。




イルカの風イルカの風
著者:村上 康成
BL出版(1997-07)

バリ島で出会ったイルカの大群。南国の風が吹く抜けていくきれいな絵本です。DSCN2943

「イルカの風」には、中川ひろたかさんが付けた曲があり、その歌をウクレレを奏でながら歌ってくださいました。


サイン会では、子ども達ひとりひとりに声をかけ丁寧にサインしてくださった村上さん。絵本の販売は下丸子図書館の近くにある絵本専門店「ティール・グリーンDSCN2944でした♪大好きな絵本のお店です!

会場に飾ってあった『さつまのおいも』のおいもどんの人形を村上さんはいたく気に入っていらっしゃいました。Aさんの手作り作品なんですって♪

広いホールに150名を超える大勢の方々が集まってのイベントをM☆Aさんをはじめとする『ひっぽ』の方々が企画・運営。そのマネージメント能力の高さにも感心させられました。
いっぱい見習うことろ、あり!でした。

誰もが読める絵本・・・バリアフリー絵本のサイト


7月3日に行われた(財)日本障害者リハビリテーション協会主催の「子どもと本との出会いのために―誰もが読める絵本」の講演会記録です。

今年度、板橋区の志村図書館、蓮根図書館、西台図書館をJBBY世界のバリアフリー絵本展が巡回していますが、図書館はどんな障害を持っている子どもたちにも平等に良質の本を手渡してあげる役割があります。

ぜひこちらのページをご覧になって、バリアフリーの絵本についての情報にアクセスしてみてくださいね。

講演会「子どもと本の出会いのために―誰もが読める絵本」記録

(財)日本障害者リハビリテーション協会
DINF 障害保健福祉研究情報

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ブックトークをする人のために・・・


受託各図書館では学校支援サービスの一環として、ブックトークに出かけていくことが多いと思います。

あるテーマにそって本をさまざまなジャンルから選定し、どんな順番でどんなことばを使って子どもたちに紹介していくのか、熟考し、シナリオを書くために、それぞれの本を時間をかけて読みこんでいく必要があります。

ただ普段から子どもの本にたくさん触れ、読みこんでいる人は、いくらでも引き出しがあり、慌てることはないのですが、読みこんでいる絶対量が少ない場合は、ほんとうに困ってしまいますよね。

そんな方に強い味方が!
キラキラ応援ブックトークキラキラ応援ブックトーク
著者:キラキラ読書クラブ
岩崎書店(2009-02-24)

公立図書館や学校図書館で長年子どもの本に関わってきた4人グループ「キラキラ読書クラブ」の方々が、33のシナリオとともに、ブックトークの極意を教えてくれている本です。

どんな本を、どういう関連で紹介しようかなと悩んでいる時に、この本を手にすると、アイディアがひらめくはずです。

もちろんここにあるシナリオをそのまま使ってもいいそうです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

そうだとしても、自分で紹介する本を読んでおくことは最低の必要条件ですが^^

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