「児童図書を選ぶ」・・・ある図書館の館内研修(追記あり)


業務委託館である北区神谷図書館のチーフMさんより、とても素敵な館内研修報告をいただきました。illust50_thumb.gif

 
 
 
 
 
 
 
 
その内容は、現場で働いているスタッフにとっても力をつけるものである上に、その取り組みを通して利用者のお子さんも大人の方々にも喜ばれ、その上児童室が華やいだ雰囲気に包まれたというのですから、これは同じように図書館で勤務するみなさんにもお伝えしたいなぁと思いました。

Mさんに許可をいただき、神谷図書館での館内研修の報告をブログ記事にさせていただきます。

みなさまの館での研修計画の参考にしてみてください☆彡
 
なお、ブログ記事の最後に、神谷図書館のみなさんがこの夏選んだおすすめの本のリストをPDFファイルにしてあります。
9門にこだわらず読み物からノンフィクションまで、また長く読み継がれた本から新しく出版された本まで、バランスよく選書されています。全員で12人ほどのスタッフですが、みんなで選んだからこその偏りのない選書になっているのですね。
 
*********************************
 
平成25年度 神谷図書館研修報告
 
 平成25年度第一回の研修は「児童図書を選ぶ」を行いました。夏休みもお盆を過ぎる頃から宿題の感想文を書くために図書を探しに来館する子ども達が増えます。しかし読むことに対して苦手意識のあるお子さんも多く、「あまり字の多くないもの、すぐに読めるもの、感想文が書けるもの、でも高学年なのであまり小さな子が読むようなものでもイヤ」と、その要求もはかりしれません。
 この機会に「本って面白い」と思って、本に親しむ体験をすれば、学校での朝の読書も負担にならなくなるのではと思われます。些細なきっかけでも逃さずに捉えて、読むことへの苦手意識が少しでもなくなるような図書の紹介をしていきたいと思っていました。
 それに対してスタッフはというと、せっかく声をかけてくれたのに、その場限りの対応や、児童書をよく知るスタッフにお願いして任せてしまうという場面も見受けられます。今回それぞれが責任をもって子ども達にお薦めする本を選び、みんなの前で発表することを通して、スタッフ自身がより資料に親しみ、理解を深めてゆく、そして自信をもって子どもの要求に合った資料を提供していける、そのきっかけになる研修をと、企画立案しました。

 以下は、研修前にスタッフに提示した回覧です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「児童図書を選ぶ」

 7月25日の館内整理日に行う研修は「児童書を選ぶ」です。
夏休みの子ども達。毎年の事となりますが、お盆を過ぎる頃から感想文を書く為に本を探しに来る子が増えますよね。
そんな子ども達にみなさんはどういった本をお薦めしていますか?
「あまり字の多くないもの、すぐ読めて感想文が書けるもの、でも高学年なので小さい子が読むようなのはイヤ」などと、結構な要求を持ってきます。
これまでそのような時(配架やカウンターで)、「この本はどう?」と、すんなり選べましたか?
なかなかぱっとは出てきませんよね。
それを踏まえて今回の研修を行います。
 
 「図書館員のおすすめする1冊」
小学校低学年・中学年・高学年用にそれぞれ1冊を選び、ポップ(紹介文)もつけていただきます。それぞれ選んだ資料に読みたくなるような紹介文をつけてください。
研修ではみなさんの前で、どうしてこれを選んだのか、その上でこの紹介文をつけたと話していただき、それに対してみなさんで意見交換をしましょう。これなら読みたくなる、これはこの学年には難しい?とか、いろいろ。
これを経て、夏休みに「図書館員のおすすめ」として児童室に出したいと思います。もちろんポップもつけて。

自分で探す、ということは、急に子ども達に質問されてもあわてることなく、いくつかの本が紹介できるようになるということが目的です。
この夏休み、子ども達にあわてず、ゆったりとした態度で本を紹介できるように研修を行いましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記の内容をスタッフに回覧し、6月の館内整理日のミーティングでこちらの用意した〈例〉を参考に、7月の研修にむけて資料を探してもらいました。
 
研修を終えて
 
 この研修についてスタッフが
・自分の考えで資料を選ぶ、いくつか候補を考えてじっくり読んで決める。
・ポップをつけることによって選んだ資料に対して責任を持つ。
という意図を十分に理解して選書してもらえたと感じました。
 それぞれが自分で選んで紹介することは、こちらが思うよりもプレッシャーになっていたようです。しかし、これが良いと思って読んでみても、さて紹介することになった時にどうだろうか?と考えたり、読みにくさを改めて感じ、また違う資料に当たるということになり、知らず知らずのうちに多くの資料に目を通し、今まで知らなかった見方もできたようです。
 研修当日は、それぞれがどういう着眼点で選び、このようなポップをつけてアピールしたいということを発表しました。他のメンバーの選んだ資料に、目が覚める思いで聞いているようでした。
 質疑応答の時に、「この内容で、この学年にはどうだろう?」という内容にまで踏み込んだものがなかったのは、準備不足の面もあったかもしれません。全員の選んだ本を前もってリスト化し、事前にお互いに読み込んでおけば、もう少し踏み込んだ意見交換になったのではと思います。
 
 その後、「神谷図書館の図書館員が、この夏、おすすめする本を選びました」というタイトルで、低学年=赤ラベル/中学年=青ラベル/高学年=緑ラベルの台紙にスタッフが考えた紹介文を書いたポップをつけ、本といっしょに展示しました。
 こちらの予想以上に好評で、8月3日(土)に展示を開始すると、低学年用のものはお母さん達によって、あっという間に借りられていきました。中学年用の青ラベルの本は、子どもたちが自分でポップをじっくり読んでから借りていきました。赤・青ラベルの本は、夏休み中何度も貸出されました。高学年用の本に関しては、8月には思うようには貸出が伸びませんでした。子ども達にとって内容が少し難しく長編なので手に取りにくかったのかもしれません。時期的にすぐ読んで、感想文を書くといった時間が取れないと感じたのかもしれません。私たちの高学年ならばこれくらいは読んでほしいという思いが強く出てしまったようです。もう少し簡単に読める資料を入れるべきだったのでしょう。研修の時間に余裕があって、もっと内容を精査できていれば違う資料も付け加えて幅を持たせることができたでしょう。
 ただ、9月に入ってからも用意した資料は常に貸し出されており、夏休み終了後も展示の延長を決めました。高学年用の資料も9月に入ってからのほうが多く貸し出されています。締切に追われずにゆっくり読めるようになったからかもしれません。次から次へと読み進んでくれている利用者もいるようです。

 初めての試みでしたが、児童室が華やかになり、利用者の目を引いたようで、子ども達だけでなく大人の方にも資料を手にとって見てもらうこともでき、高齢者の方が借りていくこともありました。この実践を踏まえ、スタッフ間でミーティングを重ねて、形を変えて今後も行っていきたいと考えます。
 (神谷図書館 M 2013/09/20)
 
 
神谷4.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
神谷3.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
神谷2.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
神谷1.jpg
 

コメントを残す