Yearly Archives: 2013

8月、残り二日
2013年上半期おすすめの本
2013年(その3) げんき、だしていこう!(幼児~小学生)
2013年(その2) おいしいおと(小さい子)
10月のおはなし会☆おすすめ本リスト
今までブログで紹介したリストのまとめ(8月更新)
2013年(その1) りんごがたくさん(幼児~小学生)
自由研究のアイデアカードby 都立多摩図書館
図書館を使った調べる学習・資料
一押し!!絵本リスト『絵本屋さんがおすすめする絵本100』
ブックトーク事例 その1)
2013年(その3) おじいちゃん・おばあちゃん(幼児~小学生)
原発、放射能、フクシマを考えるブックリスト
「調べ学習」の4つのステップ
「どくしょ甲子園」募集中♪

8月、残り二日


朝夕は涼しい風が吹くようになり、ホッとしたのもつかの間、今日は暑さがぶり返しています。

都内では、今週から公立小中校の授業が始まったところもあれば、9月2日から開始のところもあるなど、自治体によってもまちまちだと思います。きっと今週は夏休みの宿題の追い込みでカウンターも忙しかったことでしょう。お疲れ様でした♪


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この夏は、「図書館を使った調べ学習」に取り組む図書館も多く、子どもたち向けに調べ学習講座を開催したり、千代田区千代田図書館や四番町図書館では日程を指定して、その日には学校支援担当者が「レファレンジャー」として児童室に待機し、調べ学習や読書案内のお手伝いをする取り組みもありました。
→ 千代田図書館レファレンジャー

JAXAの元研究員の方の実験教室や、ぬいぐるみお泊り会、科学教室「スライムを作ろう!」など、各地で工夫を凝らしたイベントもありました。

「図書館って楽しい♪」「図書館って使える!」・・・そんな体験をした子どもたちは、5年、10年後も図書館に足を運んでくれる、図書館のよき理解者、利用者に育っていきます。きっと、そんな小さな図書館サポーターがこの夏もたくさん生まれたことでしょう♪


夏のイベントのまとめをし、良かったところと共に反省点は洗い出し、次年度の企画に生かしていけるように画像と一緒に資料をファイリングしておきましょう。しっかりとまとめをすることが、スキルアップと次年度のスムーズな業務遂行のためにとても大切です。
 
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← 7月27日(土)に開催された所沢図書館狭山ヶ丘分館のぬいぐるみお泊り会。
 
ぬいぐるみ2.jpg
ぬいぐるみを預けてくれた子どもたちに、翌朝、ぬいぐるみたちの夜の館内での様子を写した写真とともに、預けてくれたぬいぐるみの特徴とそれぞれ一人一人に合わせた「おすすめの本」を2冊選書して手渡します。
選書をすることの大変さとともに大切さにも気が付いたと、児童担当の方はおっしゃっていました。
ぬいぐるみ3.jpg



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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← 7月28日(日) 
所沢図書館吾妻分館 科学実験教室「スライムを作ろう!」
 
周到な準備をしたうえで、2回にわけて45人(保護者を除く)の子どもたちが参加。
スライムを作る実験をしました。
 
児童部会で交流のある杉並区方南図書館の児童担当者より、これまで方南図書館で毎年行ってきた科学実験教室「スライムを作ろう!」のノウハウを受け継ぎ、吾妻分館でもそれが生かされ、どの子も失敗することなくスライムを作ることができました。
スライム1.jpg
 
 
また吾妻分館がスタッフ数6名ほどの小さな地域館であるため、所沢分館や柳瀬分館からもスタッフが応援にかけつけました。
このような館を越えての協力体制も功を奏したよい企画になっていました。
スライム2.jpg
スライム3.jpg
8月3日 練馬区春日町図書館では、元JAXA研究員の小口美津夫さんが来てくださり、宇宙の秘密をさぐる実験教室をしてくださいました。小口さんの教室は、文京区水道端図書館でも8月21日に開催されました。春日町.jpg
JAXA小口さん.jpg
 
 
それぞれのイベントでは、もちろん子どもたちに関連の図書をきちんと手渡していました。
 
 
 
このほかにもヴィアックスが受託する各地の図書館では連日いろいろなイベントが行われました。担当になられたスタッフのみなさま、2か月くらい前からの準備も含めて当日までお疲れ様でした。
 
 
 
今回はTS室のK☆Jが参加できたものしかご紹介できず申し訳ありません。来年は今年行けなかった図書館にぜひ伺いたいと思います。

2013年上半期おすすめの本


8月7日(水) 今年も 教文館ナルニア国主催の「【夏休み特別企画】夜のブックトークの会」に参加してきました。

この日のテーマは”2013に出た子どもの本(全ジャンルより)おすすめ本の紹介”

今年1月以降、出版されたすべてのジャンルの子どもの本を文館ナルニア国の新刊担当のSさんとKさんは全部読んだ上で、その中よりこれは!と思う49冊+22冊をセレクトしてくださって、紹介してくださいました。
絵本をはじめ、A向けの重厚な文学作品もあれば、ノンフィクションの科学の本などもすべて読んだうえで、それを惜しげもなく、利用者にレビューしてくださる。子どもに本を手渡す仕事をしている図書館員にとっては、ほんとうにありがたく、うれしい企画です。

その時に紹介してくださった本をリストにしました。
ぜひ、児童書の選書にお役立てください。



まず特筆すべきが、点字絵本のシリーズ続編の発行。目の見えない子どもたちだけではなく、健常児にもいっしょに読んでもらえる絵本として、また「点字」について子どもたちに気づいてもらえる絵本として、バリアフリー絵本、ユニバーサル絵本としてもっともっと点数が増えるといいなと思います。









庭にたねをまこう!
ジョーン・G・ロビンソン
岩波書店
2013-03-09

外の美しく丁寧に作られた絵本を精力的に翻訳して紹介してくださっている「こみやゆう」さんによる絵本です。
今年は後半にかけてこみやさんの翻訳絵本が続々と出版される予定です。ぜひご注目を!
間崎るり子さんや中川李枝子さんに子どもの本について師事を受けられたこみやさんならではの、本当に子どもの目線にたった絵本ばかりです。


東日本大震災を受けて安野さんがぜひ描きたいと思われた、電気を使う前の日本の生活がこの絵本には描き出されています。
原発問題にたいしての静かな安野さんの思いを、この絵本を通して汲み取ってほしいと思います。




物語は100年前のアフリカのジャングル。ゴリラの女の子サリー・ジョーンズは密猟者に拉致されます。サリーの数奇な運命は子どもたちの心に深く刻み込まれることでしょう。絵の多い本ですが、高学年の子たちに。
過去への扉をあけろ
ハンス=ユルゲン ペライ
童話館出版
2013-03

戦争を知らない世代のドイツの子どもたちが、過去の重い荷物を背負って歩き出すまでを描く物語です。YA世代にぜひ手渡したい1冊です。
グーテンベルクのふしぎな機械
ジェイムズ ランフォード
あすなろ書房
2013-04-24

グーテンベルクの活版印刷の発明がなければ、書籍はこうして残ってこなかったでしょう。ルネサンスの三大発明のひとつ、印刷技術が確立されていく過程は子どもでなくてもわくわくします。知識絵本。


TBSの「ニュース23」で企画された綾瀬はるかの「戦争」インタビュー。綾瀬が祖母に広島の原爆体験を聞くところからはじまるこの本は、単なるタレント本を超え、真摯に過去の戦争の事実を解き明かしていきます。YA世代に手渡したい1冊です。

岩波書店から出ている岩波おはなしの本『山の上の火』にも収録されているエチオピアの昔話です。上質のユーモアにあふれたおはなし。小学生にぜひ。

こちらは東欧のむかしばなし集です。降矢ななさんの絵がとても印象的な1冊。素話の題材としてもおすすめします。
 

2013年(その3) げんき、だしていこう!(幼児~小学生)


国内で40度を超す気温を記録するなど、猛烈な暑さが続いています。目を海外に向けるとヨーロッパ諸国でも中国でも猛暑が続いているとのこと。
太陽の最大活動期、活発なフレア発生と関係があるのでしょうか。(図書館で調べてみよう!)

「クールシェア」という言葉が言われるようになり公共施設で涼しさを共有という考えが浸透してきましたが、図書館内は設定温度高めで暑いですね。どうぞ図書館で働くみなさまも水分をこまめに補給しながら、猛暑を乗り越えましょう。

10月のおはなし会☆おすすめプランの(その3)は、【げんき、だしていこう!】です。

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【げんき、だしていこう!】

導入  詩 「あらよっ」のとき  こりすすみえ
     『のはらうた2』 くどうなおこ  童話屋 1985 より
のはらうた 2
工藤 直子
童話屋
1985-05
 
 
 
      はずかしがりやの わたしですが
     ときどき だいたんです
     
     えだからえだへ
     とびうつるときです
     しっぽひろげて
     「あらよっ」といいます
 
     そのあとまた
     はずかしがりやの わたしです
 
絵本 『げんきなマドレーヌ』 ルドウィッヒ・ベーメルマンス 瀬田貞二/訳 福音館書店 1972
げんきなマドレーヌ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ルドウィッヒ・ベーメルマンス
福音館書店
1972-11-10
 
 
パリの寄宿学校に住んでいる女の子たちは照っても降っても毎日お散歩に出かけます。中でも一番元気なのがちっちゃなマドレーヌ。ねずみが出たってへっちゃらです。でもある夜のこと、元気なはずのマドレーヌの泣き声が!・・・瀬田貞二さんの翻訳がとてもリズミカルで洒落ています。そしてなにより素敵なのはパリの街並み。エッフェル塔にコンコルド広場、オペラ座にノートルダム寺院と、パリに行ったことのある人ならおなじみの歴史的建造物が美しく描かれています。読みやすいことばと、美しい絵。このふたつのバランスのよさが世界中で読み継がれている所以なのでしょう。
 
絵本 『きょうはみんなでクマがりだ』マイケル・J・ローゼン再話/ヘレン・オクセンバリー絵
                   山口文生訳 評論社 1990
きょうはみんなでクマがりだ (児童図書館・絵本の部屋)
マイケル ローゼン
評論社
1991-01
 
こちらはイギリスの遊び歌をもとにした絵本なので、とにかくリズミカル。繰り返し出てくるオノパトぺを子どもたちと一緒に歌うように読みたい1冊。洋書絵本があれば、日本語と英語と掛け合いで読んであげても楽しいかも!深く考えるとありえない設定ですが、ことば遊びと割り切って、元気に読みたい1冊です。
 
絵本 『こんとあき』 林明子 福音館書店 1989
こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)
林 明子
福音館書店
1989-06-30

 

 
元気な女の子、あきの赤ちゃんの時からのともだちはおばあちゃんが作ってくれたぬいぐるみのきつね、こん。こんを踏んだり、乗ったりしているうちに、こんのうでが綻びてきてしまいました。そこでふたりでさきゅう町のおばあちゃんのところへ行くことへ。頼もしいこんと不安げなあき。さきゅう町についてからもひと波乱。読んでもらいながら、「あき、がんばれ!」と声をかけたくなります。最後におばあちゃんとお風呂に入るシーンで、読んでもらってた子どもたちもホッと癒されるのですね。ふわっと気持ちまであたたかくなる1冊です。丁寧に読んであげましょう。

2013年(その2) おいしいおと(小さい子)


暦の上では立秋を迎えましたが、今年の夏の暑さはこれからもっともっと猛暑が続くとの予報。各地ではゲリラ豪雨の被害が出ている一方で、肝心の水がめはからっぽになっているとのこと。先日、訪れた東大本郷キャンパスの心字池(三四郎池)も、水が少なくなっていました。涼しい秋が待ち遠しいですね。

図書館では、夏休み真っ盛り。宿題をするために大勢の子どもたち、ティーンズたちが訪れていることでしょう。「図書館って、使えるね!」と子どもたちが知的好奇心を満たせる経験ができるとよいなと思います。

一方で、そろそろ秋の読書週間に向けた行事等の準備も始まっています。行事や展示に向けた選書なども早めに動き出しましょう。

 
 
10月のおはなし会☆おすすめプラン(その2)のテーマは、「おいしいおと」。は美味しいものの季節ですが、特に食べる時の音に注目してみました。
 
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【おいしいおと】  小さい子(0~3才)向け

導入 わらべうた 「いちじくにんじん」
    いちじく にんじん さんしょに しいたけ 
    ごぼうに むかご ななくさ はったけ とうがん


 

 
絵本 『おいしいおと』 三宮麻由子/ふくしまあさえ 福音館書店
おいしいおと (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)
三宮 麻由子
福音館書店
2008-12-31
 
 
 
この絵本の作者・三宮さんは幼い時に視力を失いました。だからこその「おと」なのですね。普段、あまり咀嚼する音に関心を持つことが少ないのでとても新鮮に感じました。「耳から聴く」おいしいものにこの秋は出会いたいと思います。
 
絵本 『しろくまちゃんのほっとけーき』わかやまけん こぐま社 
「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぶつぶつ・・・
しゅっ ぺたん ふくふく くんくん ぽいっ・・・」ホットケーキを焼く音が耳に心地よいですね。親子でホットケーキを焼くときに「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち・・・」って本当に音がしてるかな?と確かめる子が多いと聞きます。2009年に点字つき絵本も出ました。合わせて紹介してあげたいですね。
 
絵本 『やさいだいすき』柳原良平 こぐま社
やさいだいすき
柳原 良平
こぐま社
2004-06
 
 

昨年のおすすめプラン【おやさい、だーいすき】でも紹介した絵本です。ことばのリズムが心地よい絵本です。やさいをたくさん食べて元気な体に育ってほしいなという願いをこめて、今年もこの絵本を選びました。

 
絵本 『わにわにのごちそう』小風さち/山口マオ 福音館書店
わにわにのごちそう (幼児絵本シリーズ)
小風 さち
福音館書店
2007-02-15
 
 
小風さちさんは、福音館書店相談役の松居直さんのお嬢さん。ずっとずっと絵本を読んでもらって育ってこられただけあって、おはなしがとても楽しいです。そして山口マオさんの版画によるわにわに。こわそうでいながらどこかとぼけた味のあるわにわに。「ずりづづづ」「がふっ がふっ」「ぐびっ」擬音もこどもたちの耳に残るユーモア絵本です。   
(作成K・J)
 

今までブログで紹介したリストのまとめ(8月更新)


PDFファイルで取り出せる本のリストをこちらにまとめておきます。(ブログの設定で、各コンテンツごとのアーカイブが15件までしか表示されず、月別アーカイブで探す以外ないので、こちらにまとめておきます。)

4月~10月のリストまでは、2013年度に更新した最新のリストになっています。

また、2013年度に新たに追加した科学絵本のリスト、原発・放射能・エネルギーのリスト、斎藤惇夫さんおすすめのリストなども追加しています。
 
また児童サービスの業務をまとめたチャート図も最後に載せています。
 
これらのPDFファイルは印刷してご利用いただけます。業務をすすめる際にご活用ください。
 
*12か月のおはなし会おすすめリスト*
4月
ともだち 入学(園)式 桜 おさんぽ・おでかけ
5月

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こどもの日 母の日 
さんぽ 木
6月
雨 傘 かえる 父の日 歯のはなし
7月
 夏休み 七夕 昆虫
8月
おばけ 夏休み 海と山 戦争と平和を考える
9月
月 きつね からだ 草や木 おじいちゃん・おばあちゃん
10月
運動会 美味しいもの 遠足 ハロウィン
11月
紅葉 みのりの秋 りんご 木の実 冬ごもり
12月

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クリスマス おふろ 年末年始 冬
正月 干支 雪 縁起もの
節分 鬼 雪 バレンタインデー
たんぽぽ 春 桜 いちご ピクニック ひなまつり
 
*その他のおすすめ本リスト*
 
図書館のおはなし会に来る赤ちゃんが増えています。3才未満の子ども達には「わらべうた」などを中心に「おかあさんのおひざが心地よい」という体験ができるといいですね。絵本は短い文章で絵のはっきりしたものを選ぶといいでしょう。3才未満だと、15分以内、長くても20分くらいのプログラムにして、絵本は2冊。多くても3冊くらいがちょうどいいと思います。
季節を問わず、おはなし会で使える絵本のリストです。季節に合わせた本を中心にして、これらの本はサイドブックとして読んであげてもよいでしょう。気分転換に使える本などを選んでいます。
おはなし会で使える科学絵本をまとめました。おはなし会の主要テーマに合わせて科学絵本も読んであげてください。
紙芝居は、絵本を読むこととは、基本的に違っています。あくまでも「お芝居」です。紙芝居舞台の裏に顔が隠れないようにして、声音を変えたり、ト書きにしたがって演出もします。十分に読みこんで、練習をして望みましょう。
絵本でも内容的に小学生に向いているものもあります。こちらは小学生向けの絵本のリストです。
特別なおはなし会などで使うことの多い大型絵本のリストを作成しました。(2012年11月時点の情報)大きさをリストに入れています。おはなし会のプログラムを作成する際に、大型絵本の大きさの確認などにご活用ください。
だじゃれにしりとり、なぞなぞ、早口言葉に回文と声に出して読むと楽しい「ことばあそびの絵本」のリストです。
パパあるいは男性スタッフさんに読んでもらいたい”ぶっとんだ!”面白い絵本ばかりを集めた「パパに読んでもらいたいユーモア・ナンセンス絵本」のリストです。
児童文学者齋藤惇夫さんおすすめの本.pdf
児童文学者齋藤惇夫さんが、子ども時代にぜひ読んでおいてほしい本として取り上げられた絵本のリストです。
 
*ブックトークやレファレンスサービスに役立つリスト*

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中級研修・ブックトーク演習で講生に配布した「知っておくとつなぎの展開が容易なアレンジ次第の本のリスト」です。ブックトークだけでなく小学校などのおはなし会の時間調整に紹介するのにも使えそうな本ばかりです。ぜひご活用ください。
児童レファレンス・サービスの研修で必ずお伝えしているツールです。自分の勤務館にはどのようなツールがあるか、確認をしておきましょう。また各館での館内研修では、それぞれの館に合わせてカスタマイズした資料をお渡ししています。そちらもご活用ください。
こちらは、レファレンスのチャート図です。今まで紹介していたものを改訂いたしました。
原発、放射能、フクシマそして福島へ.pdf
25年6月に開催された教文館ナルニア国でのブックトーク資料を中心にまとめました。
 
*小・中学校の教科書で紹介されている本のリスト*
 
小学校の国語教科書(4社)に掲載されていたり、「読んでみよう!」とお薦めする作品のリストです。小学生や保護者からの問い合わせや、ブックトークの組み立てにぜひお役立てください。2012年1月時点(2011年用教科書)を元に作成しています。
中学の国語の教科書に掲載あるいは紹介されている本のリストです。中学生へのレファレンス・サービスやYAサービスの選書・展示等にご活用ください。

*児童サービスについての仕事について*
 

2013年(その1) りんごがたくさん(幼児~小学生)


実りの秋、食欲の秋。くだものがおいしい季節です。
今回は、とても身近にあるくだもの「りんご」で、組み立ててみました。
りんごづくし、子どもたちとお楽しみください!
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【りんごがたくさん】幼児向け
 
導入 ハンガリーの指あそび
 
「りんごのき」
この私のおやゆびがりんごの木 実がいっぱい
さしゆびがゆすぶって
なかゆびがひろって
べにゆびがもってかえったら
こゆびがぜーんぶ食べちゃった
そしたらおなかがいたくなった
 
<遊び方の一例>
手のひらをひらいて、親指から順にさわります。
「おなかがいたくなった」で、なでつけて、すべての指を倒します。
(おわりは、軽くこぶしをにぎった状態)
 
わらべうたであそぼう 年少編 新訂―付・文学あそび (コダーイ芸研選書 21)わらべうたであそぼう 年少編 新訂―付・文学あそび (コダーイ芸研選書 21) 
著者:コダーイ芸術教育研究所
出版:明治図書出版
(1985-09)
 
年少組(3才-4才)に適したわらべうたが紹介されています。「わらべうたの部」「文学あそびの部」があり、たくさんのわらべうた・詩が紹介されています。序文も、子どもたちとわらべうたを伝えるうえで、とても参考になります。
 
絵本『りんごのき』 エドアルド・ペチシカ著 福音館書店
 
りんごのき (世界傑作絵本シリーズ―チェコの絵本)りんごのき (世界傑作絵本シリーズ―チェコの絵本) [単行本]
著者:エドアルド・ペチシカ
出版:福音館書店
(1972-03-10)
 
小さな男の子マルチンの家の庭には、りんごの木があります。冬は雪でおおわれていたリンゴの木も、春には花がさき、夏は葉をしげらせ、秋には実がなります。マルチンとリンゴの実を楽しみに待ちながら、四季を味わえる本です。
 
絵本『りんごとちょう』 イエラ・マリ著 ほるぷ出版
 

りんごとちょうりんごとちょう [単行本]
著者:イエラ・マリ
出版:ほるぷ出版
(1976-09)

絵だけの美しい絵本。りんごの実のなかで、卵からかえったチョウの幼虫が、さなぎになり、チョウになり、りんごの花に卵を産みます。そして、花が実になり、熟すとき、赤くなった実のなかで卵がかえるのです。絵ではわかりませんが、リンゴが実をつけるために、チョウも大切な役割を果たしていることを、大きい子には説明してあげてもよいかもしれません。見返しから、表紙につながり、いつまでもくりかえし読むことができて、命のつながりを感じます。 

 

絵本『あたまのうえに りんごがいくつ?』 セオ・レスィーグ作 ペンギン社
 
あたまのうえにりんごがいくつ? (はじめてひとりでよむ本)あたまのうえにりんごがいくつ? (はじめてひとりでよむ本) [単行本]
著者:セオ・レスィーグ
出版:ペンギン社
(1983-01)
ライオンとトラとイヌが、頭の上にりんごをのっけることに挑戦。1こ 2こ 3こ・・・さて、いくつまで、のせられるでしょう。数がふえるごとに、気持ちも盛り上がる、ゆかいな絵本です。太い線の動きのある絵も楽しめます。

 

絵本『なにをたべてきたの?」 岸田衿子文 佼成出版社

 

なにをたべてきたの?なにをたべてきたの? [大型本]
著者:岸田 衿子
出版:佼成出版社
(1978-01)

 

しろぶたくんが、食事におでかけです。りんご、レモン、メロン、ぶどうを食べると、おや、しろぶたくんのおなかがいろんな色に染まります。レモンすっぱい!といった、こぶたくんの表情も楽しる、のんびりとした絵本です。

 

ごちそうさまでした!

(T.S)

 

 

自由研究のアイデアカードby 都立多摩図書館


今回も「調べ学習」支援についての情報をUPします。

都立多摩図書館では、「これならできる! 自由研究 111枚のアイデアカードから選ぼう」と題して、子どもたちの夏休みの調べ学習のテーマ探しのお手伝いをしています。

 
アイデアカードは都立多摩図書館のサイトからダウンロードもできます。

8月1日に開催された「日本子どもの本研究会全国大会」の第2分科会で、都立多摩図書館の司書さんが、地域の図書館支援としてこのカードを各図書館で活用してほしいと発言されました。今朝のNHK「あさイチ!」でも、この取り組みが紹介されたので、各図書館の窓口へも問い合わせがあるかもしれません。

みなさまの図書館にアイデアを探しにくる子どもたちへのサービスとして、このサイトのことをお伝えしてはいかがでしょう。
 
「これならできる!自由研究 111枚のアイデアカードから選ぼう」→ダウンロードはこちらから
 
 
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図書館を使った調べる学習・資料


7月も今日で終わりです。夏休みも4分の1が終わったことになりますね。

各図書館においても、早めに夏休みの宿題を終えようという子どもたちでにぎわっていることでしょう。児童サービス担当のレファレンスサービスも腕の見せ所ですね。

ところで公益財団法人 図書館振興財団の『図書館の学校』2013年夏号に「早わかり!! 図書館を使った調べる学習」特集が掲載されています。

 
調べ学習の4つのステップ/調べる学習すごろく
 
以上の2点は、イラスト入りでとてもわかりやすい資料です。
 
このたび、『図書館の学校』の編集担当者にお目にかかる機会があり、この資料の出来栄えがとてもいいですね、とおはなしをしたところ、この2点は著作権フリーになっており、サイトからダウンロードして利用者に配布することもOKです、とのこと。

ぜひぜひ、各館の夏休みの調べ学習支援にもご活用ください♪
 
ダウンロードはこちらから→「図書館を使った調べる学習
『図書館の学校』公式HPのこのページより、リンク先をクリックするとダウンロードができます。

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一押し!!絵本リスト『絵本屋さんがおすすめする絵本100』


静岡に「百町森」という老舗の絵本専門店があるのをご存知ですか?1979年にオープンして以来、絵本だけではなく、子どもたちの想像力を育む木のおもちゃなども扱いながら、地域に根差して続いてきたお店です。

「百町森」・・・と聞いてピン!と来たあなた。児童文学通ですね^^というか、図書館の児童サービス担当者はピン!と来てくれなきゃ困ります。石井桃子さんが翻訳された『クマのプーさん』の、クリストファー・ロビンやプー、そしてプーの仲間たちが住んでいる森の名前です。

この度、店長の柿田友広さんが『絵本屋さんがおすすめする絵本100』という絵本リスト本を出版されることになりました。書店販売は8月1日ですが、現在予約受付中。「百町森」の公式サイト経由では先行販売もしています。
絵本屋さんがおすすめする絵本100絵本屋さんがおすすめする絵本100 [単行本]
出版:マイルスタッフ(インプレス)
(2013-07-30)
 先行販売で昨日、この本を手に入れました。ロングセラー絵本を中心に、新しい絵本の中からも将来ロングセラーとして受け継がれていくだろう絵本も合わせて100冊。美しい画像入りの装丁です。

また、柿田氏による絵本コラム「絵本の選び方1」「絵本の選び方2」「読み聞かせ」「絵が物語る絵本」「絵本の年齢」「読書の習慣」「絵本の役割」「アナログの良さ」「親子の時間」は、そのまま児童サービス研修のテキストにしたいほどです。

子育て中の保護者の方々には、「どんな絵本を読めばいいの?」という質問に的確に答えてくれるガイドになるでしょう。保育園や幼稚園の先生方には、「絵本の持つ役割」というものを明確に示してくれることでしょう。

そして図書館の児童サービス担当者にとっては、東京子ども図書館のリスト類と並んで、おはなし会やブックトーク等の際のガイドに、あるいは読書案内の心強い助けになってくれること、間違いありません。

ぜひ、図書館の蔵書として1冊、児童担当の事務備品に1冊と、おすすめいたします♪

ブックトーク事例 その1)


「本のこまど」へのリクエストとして、ブックトークのプログラムを!という声が多くありました。図書館の学校支援の一環としてブックトークの依頼が多く寄せられていることも、そのリクエストの背景にあると思います。

初級研修・児童サービス基本編では、講師がブックトークのデモンストレーションをし、ブックトークってどんなものか、まず実感してもらっています。また中級研修・児童サービス応用編3では参加者にシナリオ作成の課題を課して、ブックトークスキルUPをめざしてもらっています。

ブックトークのスキルと一言でいっても、どれだけ子どもの本を普段から読んでいるか、子どもの本に関する広い知識が問われます。一朝一夕にスキルアップするわけではなく、どういう視点で普段から子どもの本を選書しているか、自分の館の書架を耕しているか、普段からの地道な業務が下敷きにあって初めて、ブックトークのプログラムの組み立てができるのです。ですから、事例をいくら取り上げても、そのまま使えるわけではありません。


ですが、ブックトーク事例をあげることで、研修に参加出来ない方にもブックトークとはどんなものであるかご理解いただけると思い、研修で取り上げている事例をブログ上にもUPすることにしました。ブログ上でのデモンストレーションです♪


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テーマ【時間ってなあに?】 対象:4年生 30分
 
チックタックじかんってなあに? (世界の絵本)チックタックじかんってなあに? (世界の絵本) [単行本]
著者:ベス・ユーマン グレイク
出版:偕成社
(2006-10)
 
導入:みなさん、こんにちは。○○図書館の××です。今日はみなさんに「こんなおもしろい本があるよ!」といくつかの本を紹介したいと思います。このことをブックトークといいます。
 さて、一番最初にクイズをします。少し難しいかもしれません。ゆっくり問題を言いますね。
「すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。たいていのひとはその分け前をもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。」
もう一度、読みますね。(繰り返す)さあ、いったいなんでしょう?みんなに関係があって、よーく知っているもの。だけどそのことを考えることもしないし、そのおかげで毎日便利に過ごしているのに、それを不思議とも思わない・・・むずかしいかしら?

では、これから詩を読みます。詩を聞きながら、さっきの答えを考えてみてくださいね。

詩の読み聞かせ:絵本 『せんねんまんねん』 まどみちお 童心社 
 この詩を書いたのは103歳のまどみちおさんです。まどさんは、みんながよく知っている「ぞうさん」や「ふしぎなポケット」などの歌を書いた詩人です。
 さて、答えはわかったかしら?(子どもたちに問いかける。何人かの子どもたちに答えてもらう)
そう、この詩に書いてあったのは、大昔からずっとずっと流れてきた時間、千年、万年という時間でした。ということで、さっきの答えは「時間」です。
 みなさんは、今10才かな?みんなが生れて来てから、今日までの時間がだいたい10年だとしたら、一万年ってすごく長い時間ですね。

 さて「年」以外にも時間を表すことばを知っていますか?では、答えやすい質問にしましょう。1年って何カ月かしら?(子どもたちに答えさせる)そう12か月だね。
では1年は何週間かわかるかしら?(子どもたちに答えさせる)そう、52週と1日。では、一年は何日?これもわかりやすいよね。(子どもたちに答えさせる)そう、365日。閏年は一日増えるよね。
 では、ちょっと難しくなるよ。一年は何時間?計算の得意な人は365日に24をかけてみてね。(子どもたちに答えさせる)答えは8760時間。ではでは、もっと難しくなるよ。一年は何分?一日が何分かわかれば、計算できるよね。一日は1440分。一年は52万5600分。では、1年は何秒かわかる?どんどん難しくなるね。1日は8万6400秒だから、1年は3153万6000秒。
 
さて、この時間の単位はどうやって決まったのかわかるかしら?

本の紹介:『チックタックじかんってなあに?』ベス・ユーマン・グレイグ/ハーベイ・ワイス もりひさし訳 偕成社
 この絵本には、時間ってなんだろう?どうやって時間の単位を決めたのだろう?ということが、4年生のみなさんにもわかりやすく書かれています。ぜひじっくり読んでみてくださいね。
 さて、この絵本には「じかんはめにみえないけれど、ずっとまえからやってきて、これからさきへ、ずっとつづいていくものです。」と、時間は目に見えないって書いてあるのですが、実はね・・・時間を見る方法があるのです。どうやってだと思う?(みんなに考えてもらう)

本の紹介:『時間のコレクション』飯村茂樹 フレーベル館 
 (あさがおのつぼみがふくらんで、やがて開いて花が咲き、しぼむページや、セミの幼虫が木の枝に止まり、背中が割れて羽化が始まってから、セミの成虫になるまでのページ、桜の花が咲いて、花びらが散り、緑の葉っぱが茂り、赤く色づき、散っていくまでのページをみんなに提示する。)
 同じ場所から、時間の経過とともに変化していく花や木、生き物の様子を観察することで、時間が流れていく様子をこうやって切り取ることができるんですね。
 さっき、みんなに見てもらったページにかたつむりが移動していく写真がありました。ゆっくりと草から草へ移動していくかたつむりの時間と比べて、アリのようにせかせかと動く虫の時間って、流れ方は同じかな?

では、その答えを教えてくれる本を次に紹介しましょう。

本の紹介:『絵ときゾウの時間とネズミの時間』本川達雄/あべ弘士 福音館書店
 たった3ヶ月でおとなになって1年ほどで一生を終えるネズミと、約40年以上生きるゾウ。それぞれが感じている時間って同じなのかな?
 実は、この本の中で地球上を流れる時間は同じでも、それぞれの動物の体重と寿命で時間を考えると、ネズミの時間はとても速く流れていて、ゾウの時間はとてもゆっくり流れているんだよ。なのにね、ネズミとゾウでまったく同じものがあるんだけれど、何だと思う?(少し考えてもらう)
 それはね、心臓が脈打つ回数なんだって。人間は1分間に60~70回心臓が動いて体中に血液を送るんだけど、身体の小さなネズミは1分間に600回、ゾウは1分間に30回。そしてみんな約15億回脈打つと寿命が来るんだって。(p33を示しながら)
 身体の大きさに比例して、感じる時間の流れも違うんだね。

 みんなはお父さんやお母さんを怒らせてないかな?人間、怒ると脈拍が早くなるんだよ。大事なお父さん、お母さんに長生きしてほしかったら、怒らせないように、今日から言いつけ守るようにしようね。

 さて、みんなは給食時間がもうすぐだってこと、時計を見てわかる?それともお腹の減り具合かな?次に紹介するのは、自分で大きな時計を作りたいと思っているジョニーと言う男の子のお話です。

本の紹介:『時計つくりのジョニー』エドワード・アーディゾーニ あべきみこ訳 こぐま社
 大きな時計を作ろうと、作り方の書いてある分厚い本を読んで決めたジョニー。でもお父さんもお母さんも、学校の先生も、そして周りのみんなも「ちいさなジョニーにそんなこと、できるわけがない!」と、決めつけて笑い者にします。誰も本気にはしてくれなかったのです。
 でも、スザンナという女の子と、かじやのジョーだけは味方になってくれました。さて、ジョニーはどんな時計を作るのかしら?

 ジョニーはまわりのからかいにも負けずに、自分のやりたいことをやり遂げます。実はね、その後ジョニーはとても有名な時計会社を作り上げたそうです。

 
 これは一体なんでしょう?(ストローで作った吹き矢を飛ばして、黒板の的に当ててみる)
これは、「吹き矢」といいます。昔はこれを使って、窓に豆をあてて、町の人々を起こしてまわる仕事があってそうです。まだ目ざまし時計がなかった時代のおはなしです。読んでみますね。
絵本の読み聞かせ:『メアリー・スミス』アンドレア・ユーレン 千葉茂樹訳 光村教育出版

本の紹介:『モモ』ミヒャエル・エンデ 大島かおり訳 岩波書店
 最後に紹介するのは『モモ』というおはなしです。モモは親もいない、どこから来たのか誰もわからない女の子でした。たったひとりぼっちで廃墟となった円形劇場に住んでいました。
 町に住んでいる誰もがモモのことが大好きでした。心に悩みを抱えている人も、悩みを抱えている人も、誰かと喧嘩している人も。それはなぜでしょう?それでは、その部分を読んでみますね。
 
 「モモのところには、いれかわりたちかわり、みんながたずねて来ました。いつでもだれかがモモのそばにすわって、なにかいっしょうけんめいに話しこんでいます。用事があってもたずねて来られないという人は、じぶんの家に来てほしいと迎えを出しました。そしてモモが役に立つことをまだ知らない人がいると、みんなはこう言ってあげたのです。「モモのところへ行ってごらん!」
 このことばは、だんだん近所の人たちのきまり文句にまでなるようになりました。「ごきげんよう!」とか、「ごちそうさま!」とか、「まあ、たいへんだ!」とかの文句をそれぞれきまったときにかならず使うように、みんなはなにかことがあると、「モモのところへ行ってごらん!」と言うのです。
 でも、どうしてでしょう?モモがものすごく頭がよくて、なにを相談されても、いい考えをおしえてあげられたからでしょうか?なぐさめてほしい人に、心にしみることばを言ってあげられたからでしょうか?なにについても、件名で正しい判断をくだせたからでしょうか?
 ちがうのです。こういうことについては、モモはほかの子とおなじ程度のことしかできません。するとモモには、どこかこう、人の心をほがらかにするようなところがあったのでしょうか?たとえば、とくべつ歌がじょうずだとか、なにかの楽器がうまいとか、それとも―なにしろモモはサーカス場みたいな円形劇場に住んでいるのですから―おどりだの、アクロバットの曲芸だのができたのでしょうか?
 いいえ、それもちがいます。
 ひょっとすると、魔法がつかえたのでしょうか?どんななやみや苦労も吹きはらえるような、ふしぎな呪文でも知っていたのでしょうか?手相をうらなうとか、未来を予言するとかができたのでしょうか?
 これもあたっていません。
 小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。あいての話を聞くことでした。なあんだ、そんなこと、とみなさんは言うでしょうね。話を聞くなんて、だれにだってできるじゃないかって。
 でもそれはまちがいです。ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。そしてこの点でモモは、それこそほかには例のないすばらしい才能をもっていたのです。
 モモに話を聞いてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。モモがそういう考えを引き出すようなことを言ったり質問した、というわけではないのです。彼女はただじっとすわって、注意ぶかく聞いているだけです。その大きな黒い眼は、あいてをじっと見つめています。するとあいてには、じぶんのどこにそんなものがひそんだいかたとおどろくような考えが、すうっとうかびあがってくるのです。
 モモに話を聞いてもらっていると、どうしてよいかわからずに思いまよっていた人は、きゅうにじぶんの意思がはっきりしてきます。ひっこみ思案の人にはきゅうに目のまえがひらけ、勇気が出てきます。不幸な人、なやみのある人には、希望とあかるさがわいてきます。たとえば、こう考えている人がいたとします。おれの人生は失敗で、なんの意味もない、おれはなん千万もの人間の中のケチな一人で、死んだところでこわれたつぼとおんなじだ、べつのつぼがすぐにおれの場所をふさぐだけさ、生きていようと死んでしまおうと、どうってちがいはありゃしない。この人がモモのところへ出かけていって、その考えをうちあけたとします。するとしゃべっているうちに、ふしぎなことにじぶんがまちがっていたことがわかってくるのです。いや、おれはおれなんだ、世界じゅうの人間の中で、おれという人間はひとりしかいない、だからおれはおれなりに、この世の中でたいせつな存在なんだ。
 こういうふうにモモは人の話が聞けたのです! ・・・ 『モモ』二章 p20~23
 
 一番最初にした質問、覚えていますか?「とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常的なひとつの秘密があります。すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。たいていのひとはその分けまえをもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。その秘密とは―それは時間です。
 
時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。
 
 このことをだれよりよく知っていたのは、灰色の男たちでした。かれらほど一時間のねうち、一分のねうち、いやたった一秒のねうちさえ、よく知っているものはいませんでした。ただかれらは、ちょうど吸血鬼が血の価値を知っているのとおなじように、かれらなりに時間のだいじさを理解し、かれらなりの時間のあつかい方をしました。」(p-75 インチキで人をまるめこむ計算)
 
 
 平和な町にやってきた灰色の男たちは人々に時間の倹約をすすめます。人々は時間を倹約するために余裕がなくなり、ぎすぎすしていきます。実は、人々から時間を盗む時間泥棒だったのです。モモは、人々が失った時間を取り戻すために時間泥棒に立ち向かっています。さて、どのように立ち向かうのかしら。この本は、5,6年生むけと書いてありますが、本を読むのが大好きなお友達にはもう十分に読めるでしょう。今はまだ字が多くて難しいと思う人も、ぜひいつか読んでみてください。
 
 最後に図書館の案内をします。(手短に図書館の利用案内やおはなし会、小学生向けの行事の案内をする。)図書館の案内のお知らせと、今日のブックトークで紹介した本のリストをプログラムの形にして、お渡しします。今日、紹介した本はすべて図書館で借りることができます。ぜひ図書館に遊びに来てくださいね。図書館のスタッフみんなで待っています。

 

2013年(その3) おじいちゃん・おばあちゃん(幼児~小学生)


暑い日が続いていますね。もうすぐ夏休み、子どもたちへの読書案内、調べ学習の支援の体制は万全ですか?

児童サービス研修で繰り返し繰り返しお伝えしていますが、学習指導要領の改訂により国語の授業の中で子ども達は「図書館の利用」について学びます。学校司書のいる小学校・中学校に通っている子ども達は「司書」という役割や、図書館でのレファレンスサービスについて少しは理解しているでしょうが、そういう経験を持たない子ども達は、まっさらな気持ちで「図書館に行けば応えてもらえる!」と期待してカウンターにやってきます。

ファーストコンタクトで「図書館って、教科書に書いてあるほどには使えないジャン!」という印象を与えてはいけません。その子は二度と図書館に来なくなってしまいます。
誰がカウンターにいても、子どもたちへの読書案内や、調べ学習の支援がきちんと出来るように、各館の中で資料を整え、レファレンスインタビューの手順などの確認を、今一度しておきましょう。


さて、9月のおはなし会☆おすすめプランの(その3)は、「おじいちゃん、おばあちゃん」です。核家族が当たり前の現代だからこそ、伝えてあげたいつながりです。

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【おじいちゃん・おばあちゃん】 幼児~小学低学年向け
 
導入 詩 「いつまでも」けやきだいさく 『のはらうたⅣ』くどうなおこ 童話屋より 

のはらうた〈4〉のはらうた〈4〉 [文庫]
著者:くどう なおこ
出版:童話屋
(2000-11)

(詩の引用は許可を得ています)

     ことりたちよ
     むかしからのともだちだね
     こえだを くすぐる かぜの おとを
     いっしょに きいて わらったね
     いまも わしは おぼえてる
    
     ありんこよ
     いつも おまえは そばにいるね
     こもれびが ゆれる きの みきで
     かくれんぼして わらったね
     いまも わしは おぼえてる
     
     ひかりと かぜと いきものの
     きおく しんしん ふりつもり
     いつまでも
     いつまでも
     わしの なかで いきている
 
絵本 『うさこちゃんとふえ』ディック・ブルーナ/松岡享子訳 福音館書店

うさこちゃんとふえ (ブルーナの絵本)うさこちゃんとふえ (ブルーナの絵本) [単行本]
著者:ディック・ブルーナ
出版:福音館書店
(2007-04-20)

 
うさこちゃんのおじいちゃんが、手作りの笛を作ってくれました。うさこちゃんは一生懸命練習をしておじいちゃんに聞かせます。祖父母の役割と言うのは、このように手仕事を継承していくこと、生活の知恵などを伝えていくこと。素敵なおじいちゃんだなと思います。小さな子にも大きい子にも伝わる1冊だと思います。
 
絵本 『はやくあいたいな』五味太郎 絵本館
はやくあいたいなはやくあいたいな [単行本]
著者:五味 太郎
出版:絵本館
(1979-08)
 
大好きなおばあちゃんに会いたくなったよおちゃん、大好きな孫娘に会いたくなったおばあちゃん。お互いに待ってなんかいられなくて、急いで出かけていきます。でも、あれっ?ふたりはすれ違ってばかり。早く会えるといいね。・・・そして会えた時の喜びったら!
 
絵本 『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』長谷川義史 BL出版
おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん [大型本]
著者:長谷川 義史
出版:BL出版
(2000-07)
 
おじいちゃんのおじいちゃんって、どんな人?そのおじいちゃんは?そうやってどんどん辿っていくと・・・ページいっぱいに「おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの ・・・・・・・・おじいちゃんは」と、長々続くページは、どう読めばいいかしらと思うでしょう。「おじいちゃんの・・・」を数回繰り返したら、どんどん小さくなっていく文字を指先で辿りながら、「おじいちゃんの・・・・・・・・・・・・」と、長読みしてもいいのかもしれませんね。私たちの生命は過去から連綿と受け継がれてきたもので、これからも続いて行くということをユーモアを交えて伝えていきたいですね。
 
こんとあき (日本傑作絵本シリーズ)こんとあき (日本傑作絵本シリーズ) [大型本]
著者:林 明子
出版:福音館書店
(1989-06-30)
 
あきが生れた時におばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみ「こん」・・・ずっとずっとあきと一緒に過ごしてきたので、あちこち綻んできました。そこでふたりは「さきゅうまち」に住むおばあちゃんのところへ特急電車で向かいます。ふたりの旅にどきどきはらはらしながら、最後におばあちゃんに会えた時に読んでもらっている子ども達もホッと安堵の気持ちに包まれていきます。
 (作成K・J)
 

原発、放射能、フクシマを考えるブックリスト


東日本大震災から2年4カ月・・・

東京にいると、直後の薄暗さは解消され、3.11のことを忘れてしまったかのように思えます。

でも東日本の被災地では、復興への動きはやっと端緒についたばかり。特に原発事故のあった福島では放射能汚染のこともあり、復興の動きは遅れています。その上除染も進んでいません。

6月15日に教文館ナルニア国で行われた「原発、放射能、フクシマを考える」ブックトークの会に参加してきました。担当してくださったのは福島出身の選書担当のKさんと、JPIC読書アドバイザーとして何度も福島へ訪問をしているK’さんでした。

その時に紹介していただいた本をリストにしました。
 
 
 
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なお、図書館本として出ている本の中には、「福島の子どもたちの30%に甲状腺にのう胞が見つかっています。しかし大震災前の東京の子どもにも約30%にのう胞が見つかっているという報告がありました。」などと、震災後の福島の子どもたちの状況に対して「大したことない」と書いている本があり、出版社に問い合わせたところ、東京の子どもの例は、「甲状腺専門病院を訪れた子どもたちのうちの30%にのう胞がみつかった」ものであったと報告を受けたそうです。そのように根拠があやふやな図書館本もありますのでご注意ください。→参考記事
 

「調べ学習」の4つのステップ


もうすぐ夏休みになります。
各館では、夏休みの自由研究や調べ物のレファレンスに向けての準備が大変かと思います。
わかりやすいサイトがありましたので、参考にしてください。

公益財団法人 図書館振興財団のサイトです。
図書館を使った調べる学習コンクールさあはじめよう「調べ学習」の4つのステップ

「どくしょ甲子園」募集中♪


6月13日に、ヴィアックス研修センターで開催した初級研修・児童サービス基本編の3のYAサービスの時間に「YA世代の子どもたちにとって図書館に居場所があることが大切。YA世代の子達がたむろしていると目くじらたてる図書館員が多い印象がありますが、彼らの感性を図書館サービスに取り入れていきましょう。彼らが図書館の味方になってくれれば、図書館は衰退しないでしょう。」と、お話ししました。

夏休みには児童サービス関連の行事が目白押しだと思いますが、YA世代向けのイベントもありますか?
部活などで忙しくて図書館に足を向けにくい世代ですが、夏休みの課題研究などで集まってくるYA世代に、「図書館って、なかなかいいじゃん!使えるじゃん!」って言ってもらえるように、YAサービスも充実させていきましょう。
 
 

さて、5月1日の「本のこまど」で報告しましたように、朝日新聞で所沢市立図書館柳瀬分館の「どくしょ甲子園」の取り組みが紹介されました。現在その新聞記事内容が、「どくしょ甲子園」HPで公開されています。→「どくしょ甲子園」公式サイト【読書会に注目!各地の図書館

 
また、「どくしょ甲子園」として高校生たちの読書会の報告を募集しています。応募締め切りは9月20日。→応募要項

YA世代向けの夏休みの図書館行事としてもおススメです。
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