Yearly Archives: 2015

基本図書を読む18『大きな森の小さな家』ローラ・インガルス・ワイルダー
2015年(その3)ぬっくぬく(幼児~小学生)
国際子ども図書館が新館のアーチ棟2階に児童書研究資料室を開室しました
BIB金のりんご賞をミロコマチコさんが受賞
2015年(その2)きのこ きのこ(幼児~小学生)
2015年(その1)おちばがおどる(小さい子)
おはなし会☆おすすめ本リスト11月(2015年)
「本のこまど」についてのページが公開されました♪
2015年に出た子どもの本〈上半期〉から
基本図書を読む17『長くつ下のピッピ』アストリッド・リンドグレーン
追悼 柳原良平さん
2015 年(その3)秋を味わおう♪(幼児~小学生)
2015年(その2)くいしんぼうはだれだ?(幼児~小学生)
2015年(その1)くだもの、おいしいね♪(小さい子)
「基本図書から学ぶ 第2回」報告

基本図書を読む18『大きな森の小さな家』ローラ・インガルス・ワイルダー


 「小さな家シリーズ」は、今から100年以上前のアメリカで、開拓農民として生活を送ったインガルス一家の物語で、世界中で読み継がれ愛されてきました。インガルス一家は、とうさん、かあさん、メアリ、ローラ、グレイス、キャリーの6人家族で、次女のローラが家族の物語を残しておきたいと60歳過ぎてから書き上げたシリーズです。ローラが5歳のときから、結婚し、22歳になるまでが書かれています。

はじめの4冊『大きな森の小さな家』(恩地三保子訳 ガース・ウィリアムズ画 福音館書店 1972)『大草原の小さな家』(1972)『プラムクリークの土手で』(1973)『シルバー・レイクの岸辺で』(1973)は、ローラが5歳から13歳になるまでの物語で、テレビドラマになり日本でも放送されました。『農場の少年』(恩地三保子訳 ガースウィリアムズ画 福音館書店 1973)は、後にローラの夫となるアルマンゾの少年時代の物語です。『長い冬』(谷口由美子訳 ガース・ウィリアムズ画 岩波書店 2000)、『大草原の小さな町』(2000)、『この楽しき日々』(2000)、『はじめの四年間』(2000)、『わが家への道―ローラの旅日記』(2000)では、ローラが少女から大人へなっていく青春時代が書かれています。1冊1冊の魅力はもちろんのこと、シリーズとして読むことでローラが成長していく様子、時代が変わっていく様子を味わうことができる大河小説とも言えます。

 シリーズ1冊目の『大きな森の小さな家』は1932年に出版されました。

大きな森の小さな家―インガルス一家の物語〈1〉 (世界傑作童話シリーズ)
ローラ・インガルス・ワイルダー
福音館書店
1972-07-15

 

 

大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)
ローラ インガルス ワイルダー
福音館書店
2002-06-20

 

 

舞台は北アメリカのウィスコンシン州の大きな森で、ローラが5歳から6歳までの1年間の出来事が描かれています。おおかみや熊が姿を現し、冬には雪に閉ざされる厳しい場所での生活ですが、頼もしくひょうきんな父さん、賢く優しい母さんが希望をもって生活している様子が描かれています。食べ物はは手作りで、豚は木のうろでいぶして保存できるようにし、バターは牛乳をしぼってクリームをすくい棒でついて作り、メイプルシュガーもかえでの樹液を煮詰めて作ります。その描写は読むだけで美味しそうで、物語の魅力の一つです。食べ物だけでなく、家具や狩りに使う道具なども自分たちの手で作っていて、父さんは鉄砲の手入れている様子などが細かく丁寧に描かれています。いろいろな物が出来上がっていくときの色やにおい、さわり心地まで感じられ、自分がローラになってその場面を見ている気持ちになります。またクリスマスできれいな人形をプレゼントにもらって嬉しかったこと、初めて町へ行ったときのことなど、特別な日のことも描かれていて、ローラが嬉しくてしかたなかったことが伝わってきます。

ローラは、父さんと母さんのそばで暖かい空気に包まれながら、暮らしを愛すること、自然に敬意をしめすことなど、生きていく上で大切なことを学んでいきます。そうした日々は、ローラの中に生き生きと残り、開拓農民としての厳しくも豊かな人生を支え、年老いてからいつまでも読み継がれる物語としてたちあがってきたのでしょう。幸せな子ども時代の記憶は、人を優しくあたたかな気持ちにしてくれ、多くの人に愛されることをあらわしてくれている作品です。

 ヴァイオリンが歌いおえると、ローラは、小声でききました。「はるけきむかしってなに、とうさん?」

「ずっとずっとむかしのころっていうことさ、ローラ」というさんはいいました。「さ、もうおやすみ」

けれど、ローラは、しばらく目をさましていました。ひくく歌っているそうさんのヴァイオリンと、「大きな森」でものさびしく鳴る風の音をじっとききながら。そして、炉ばたのベンチにすわっているとうさんのほうを見ます―暖炉のあかりで、茶色の髪の毛もひげもキラッキラッと光り、はちみつの色ににた茶のヴァイオリンはピカピカかがやいています。

かあさんのほうを見ると、ゆっくりゆり椅子をゆらしながら、編みものをしています。

 ローラは思うのでした。「これが『いま』なのね」

 

 ローラは、この住みごこちのいい家も、とうさんも、かあさんも、暖炉のあかりも、音楽も、みんな「いま」でよかったな、と思うのでした。何もかもわすれっこない、だって、「いま」は「いま」なんだもの―ローラは思います。それは、「ずっとむかし」になんか、なりはしないのだから。

(『大きな森の小さな家』 ローラ・インガルス・ワイルダー著 恩地美保子訳 福音館書店 P249)

<参考文献>

『新装版 大草原の小さな家・・・ローラのふるさとを訪ねて・・・』 ウィリアム・T・アンダーソン文 谷口由美子構成・訳・文 レスリー・A・ケリー写真

「小さな家シリーズ」の背景が、舞台となった土地の写真やローラたちが実際に使ったものや手紙や日記などたくさんの資料とともに紹介されています。

 

 (作成 T.S)

2015年(その3)ぬっくぬく(幼児~小学生)


「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ほんの1ヶ月半前まではどうなってしまうのだろう?と思っていた暑さも嘘のよう、あんなに煩くこの世の盛りを謳歌していたセミの合唱もどこへやら、草むらからは秋の虫の涼やかな声が響く季節となりました。四季折々の変化が私たちにもたらしてくれる叙情というものを、子ども達と一緒に味わいたいですね。

さて、11月のおはなし会プランの3つめは、日に日に寒さが募る時期に「ぬっくぬく」なお話を、と作りました。子ども達と一緒に深まりゆく秋と「ぬっくぬく」なぬくもりを味わってほしいと思います。

***************

導入  詩「おとく」吉永塁(6才) 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房 2015より 1分
     「ママ いつでも
      ぼくのこと 
      ギューって
      していいよ
      ぼくはあったかいから (以下、略)」

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19

室生犀星に、まど・みちおや谷川俊太郎というそうそうたる詩人に混じって、子どもの詠んだ詩も数編紹介されているうちの1編です。題名の「おとく」の意味が最後の最後まで読むとすとんとわかります。そしてなんだかあったかい気持ちになります。ぜひ、子ども達と一緒に声に出してくり返し読んでみてください。
  

絵本 『ちょろりんのすてきなセーター』降矢なな/作・絵 福音館書店 1993 6分

ちょろりんのすてきなセーター (こどものとも傑作集)
降矢 なな
福音館書店
1993-03-01
春の色の暖かそうなセーターにひとめぼれをしたとかげの子ちょろりん。そのセーターを手に入れるために一生懸命おじいちゃんの仕事を手伝います。そうしてやっとセーターを手に入れるだけのお金を稼ぎ出すのですが・・・このお話は、ちょろりんの気持ちを汲みながらも、甘やかさず、それでいて思いに寄り添ってくれる大人の存在もまた気持ちがよく、最後のページで聞いていた子どもたちも、読み手も一緒にほんわかぬっくぬくの心になれる1冊です。

わらべうた 「おてぶしてぶし」

おてぶしてぶし

 

手の中にどんぐりなどの木の実を包んで、揺らしながら歌います。
そして「いーや」のところで、右か左の手のどちらかに木の実を隠します。
さて、木の実は、右手の中かな?左手の中かな?子どもたちに当ててもらう遊びです。

なんどか繰り返して遊びましょう。
(なお、ヴィアックス社員向けのeラーニングでは動画で学ぶことができます。社員の方は、ぜひアクセスしてみてください。)

 

 

 

 

絵本 『干し柿』西村豊/写真・文 あかね書房 2006 8分

秋の味覚の柿。その中でも渋柿をおひさまの光に当て、風に当てることで甘い甘い干し柿になるということをよく昔の人は思いついたなと思います。この写真絵本は伝統的な保存食の干し柿ができるまでを追った写真絵本。後半は子どもたち自身が干し柿作りに挑戦します。お正月飾りにも使われる干し柿。深まりゆく秋に子どもたちにも味わってほしい絵本です。

絵本 『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』高野文子/作・絵 福音館書店 2014 2分

しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん (幼児絵本シリーズ)
高野 文子
福音館書店
2014-02-05
 
最後の1冊は、このままホッとして眠りにつけそうな絵本です。これからの季節、温かいお布団の恋しい季節。ふとんたちが「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」と頼もしく引き受けてくれる。リズミカルなことばがまるで呪文のように、眠りに誘ってくれる、そんなぬっくぬくの1冊です。ふんわり、やさしくおはなし会の最後に読んであげましょう。

(作成K・J)

国際子ども図書館が新館のアーチ棟2階に児童書研究資料室を開室しました


2015年9月17日、国際子ども図書館が、新館のアーチ棟2階に児童書研究資料室を開室しました。

これまで、レンガ棟に2つに分かれていた資料室(第一資料室、第二資料室)を統合して、二室を行き来する手間が不要になり、使いやすくなったそうです。

日曜日も開室して平日と同様のサービスを行われるようになります。

 児童書研究資料室は、国際子ども図書館で受け入れた日本の児童書や外国で刊行された絵本のほか、児童書や児童文学を研究するための資料を開架されています。

最新版の日本の教科書や、読書活動推進支援に関する資料など様々な資料を見ることができますので、ぜひ一度足を運んでみてください!

「国立国会図書館 国際子ども図書館ホームページ」 http://www.kodomo.go.jp/use/room/data.html

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BIB金のりんご賞をミロコマチコさんが受賞


2013年のきくちちきさん、はいじまのぶひこさんに次いで、今年のブラティスラヴァ国際絵本原画展でミロコマチコさんが金のりんご賞を受賞しました。

受賞作品は『オレときいろ』(WAVE出版 2014)です。

オレときいろ
ミロコ マチコ
WAVE出版
2014-11-11

 

 

 

前回の受賞記事は→こちら

ミロコ
さんの生命力と躍動感あふれる表現の世界が、国際的にも認められた嬉しいニュースでした。

その他の受賞作品については、JBBY公式サイトへ→こちら

2015年(その2)きのこ きのこ(幼児~小学生)


秋の味覚の1つのきのこ。雨が降ると元気になるって知っていますか?

今回はきのこをテーマに組み立ててみました。きのこを探しに出かけたくなる本ばかりです。

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【きのこ きのこ】 幼児~小学低学年向け
 
導入 詩「きのこ」 まどみちお (『まど・みちお 全詩集』 まどみちお著 伊藤栄治編 理論社 1992より)
 
「き き きのこ
きのこ ノコノコ ノコノコ
あるいたり しないけど」
(一部抜粋)
 
まどみちおさんらしい、素朴で愉快な詩です。
童謡として作られたもので、初出は『リズムと生活シリーズNO.3  かんさつしよう』 (芸術教育研究所・リズムの会編 音楽譜出版社 1966)です。
歌ってもよいと思いますが、そのまま詩として読んであげても楽しむことができます。
 
まど・みちお全詩集<新訂版>
まど・みちお
理論社
2001-05-28
60年にわたるまどみちおさんの少年詩、童謡、散文詩など全詩を収録しています。詳しい索引も付いており、広くまどみちおさんの作品に触れることができます。
 
 
 
『あめのひ きのこは』 ステーエフ原作 ギンズバーグ再話 アルエーゴとデューイ絵 厨川圭子訳 1976 4分 
 
あめのひきのこは…… (新訳えほん 25)
ミラ=ギンズバーグ
偕成社
1976-11
 アリが外を歩いていると、雨が降ってきたので、小さいきのこの下で雨宿りをすることにしました。すると、チョウ、ネズミ、ウサギも雨宿りにやってきて、次々にきのこの下に入っていきます。
小さなきのこだったのに、どうしてこんなに入るのでしょう? テンポよく進む愉快なお話で、少しとぼけた絵も味わいがあります。最後の「あめがふると、きのこはどうなるでしょう?」の問いかけのあとの子どもたちの反応も楽しみな絵本です。
 
『きのこ ふわり胞子の舞』 埴沙萠写真・文 ポプラ社 2011 6分 
 
 きのこが胞子をとばす様子を美しい写真でとらえた絵本です。ホタルのようにひかるヤコウタケやかさが開くと一夜でとけて消えてしまうヒトヨタケなど様々な種類のキノコを見ることができます。キノコが森の枯木や枯葉を食べる森のそうじやさんということもきちんと書かれています。写真をじっくり見せながら、読んであげてください。
 
 
『きのこはともだち-さがす・みつける・たべる』 松岡達英構成 下田智美絵と文 偕成社 2001
 
きのこはともだち―さがす・みつける・たべる (しぜんとともだちになろう)
松岡 達英
偕成社
2001-10
 きのこ入門になる絵本です。草地や畑に生えるきのこ、松林に生えるきのこ、雑木林に生えるきのこなど場所別に、きのこが紹介されています。また、身近なところでのきのこの見つけ方や、きのこ狩りの方法、きのこを使った料理のレシピなど、きのこに関する情報が盛りだくさんです。すべて読むことは難しいので、興味を持ちそうなところを中心に紹介してあげてください。
 
  
『ナミチカのきのこがり』 降矢なな作 福音館書店 2010 5分 
 
 ナミチカはいとこのアンドレとおじいちゃんときのこ狩りに出かけます。森には楽しいきのこがいっぱい。ナミチカが夢中になって探していると、赤いきのこがリズムをとって踊っているところにでくわします。「チャカンチャ チャンチャン チャカンチャ チャンチャン・・・」、一緒に楽しく踊るうちにナミチカと赤いきのこはすっかり仲良くなりますが・・・不思議で楽しいお話です。
 
こちらの本もおすすめです。差し替えたり、追加で紹介してもよいと思います。
 
『ほら、きのこが・・・』 越智紀子文 伊澤正名写真 福音館書店 1995 8分 
ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)
越智 典子
福音館書店
2000-05-10
 様々な種類のきのこの写真とともに、きのこが菌糸でできていること、胞子を作って様々な方法で飛ばすこと、落ち葉を食べて肥えた土を作っていることがわかりやすく書かれています。写真がとても美しく、眺めているだけできのこの力強さ、不思議さを感じることができます。少し長くなりますので紹介でもよいと思いますが、落ち着いて聞ける子が多い場合は、ぜひ読み聞かせてあげてください。
 
 
(作成T.S)
 

2015年(その1)おちばがおどる(小さい子)


かさこそ、かさこそと落ち葉を踏むと音がします。小さな子どもたちにはその音がとても新鮮なようです。秋が深まる頃の公園や歩道で一生懸命落ち葉を踏みしめて感触を味わっている子どもたちに出会います。そうすると20年以上前の子育て中のことを思い出します。そうそう、飽きずに落ち葉を踏んで歩いてたなぁ・・・それだけで遊びになったなあ・・・そして落ち葉の絵本を読んであげたなぁと。

季節の変化を全身で受け止めていく乳幼児期。そんな季節の変化を捉える絵本をおはなし会でも紹介してあげたいですね。

******************

絵本 『まてまてまて』 ましませつこ こぐま社 2005

まて まて まて (わらべうたえほん)
こばやし えみこ
こぐま社
2005-09

導入の絵本はわらべうた絵本から。「まてまてまて」の繰り返しの単純な絵本ですが、その単純さが子どもたちには嬉しいのです。何度も繰り返し読みたくなる絵本です。一緒にハイハイする動作をしながら読んであげてもいいでしょう。

 

わらべうた うえからしたから

うえからしたから

 

 

 

 


9月のおはなし会プラン「かぜ、きもちいい~♪」でも紹介したわらべうたです。秋の風で葉っぱが舞い落ちことを伝えながら歌ってみましょう。風呂敷大のスパークハーフ布を用いて、布を上下に揺らしながら歌います。小さな布しかない場合は子どもたちや保護者の人もいっしょに揺らしながら歌います。スパークハーフ布がない場合は、それぞれが持参しているハンカチなどを用いても大丈夫です。

絵本 『おちばがおどる』 いとうひろし ポプラ社 2003

おちばがおどる (いとうひろしの本)
いとう ひろし
ポプラ社
2003-11
 
これまでも何度かおはなし会プランで用いた絵本です。落ち葉をコラージュして表現したとても楽しい絵本です。「かさこそ ふわり にこにこ こそり ぼくらはおかしな おちばだよ」と、リズミカルなことばも響きも楽しく、はずむように読んであげましょう。
 

唱歌 「もみじ」文部省唱歌 高野辰之/岡野貞一
 あかいあかい もみじのは もみじのはっぱはきれいだな ぱっとひろげたあかちゃんの おててのように かわいいな
 (「秋の夕日に照山もみじ・・・」で有名な作詞、作曲家のペアが、同じ題名で作った唱歌です。可愛らしい歌なので、若いママたちにも伝えていきたいと思います。もみじの形に切り抜いたペープサートを用いたり、実際に拾ってきた葉っぱを見せながら歌ってみましょう。詳しい歌はこちらを→「もみじ」

 

絵本 『もりのてぶくろ』 八百板洋子/文 ナターリヤ・チェルーシナ/絵 福音館書店 2004

秋の森の中にはっぱが一枚。だれかのてぶくろのようにも見えます。そんな想像をかきたててくれる絵本です。深まりゆく秋を小さな子ども達と一緒に味わえる1冊です。

同じテーマで、過去にも掲載したおはなし会プランがあります。そちらも参照にしてください。「落ち葉をふんで」(2012年)

(K・J)

 

「本のこまど」についてのページが公開されました♪


「本のこまど」について説明するページが、2015年4月のサイトリニューアル後も「Coming soon!」の状態になっていましたが、本日公開されました。

私たちがどのような思いでこのページを作っているか、みなさんに伝わればいいなと思います。ぜひお読みください♪

なお、一番最後の画像が数秒ごとに切り替わる設定になっています。そこに私たち、このサイトを作っている二人(T・SとK・J)も登場します。探してみてくださいね!

こちら

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2015年に出た子どもの本〈上半期〉から


8月5日(水)に教文館ナルニア国で行われた「2015年夏休み特別企画・夜のブックトークの会“2015年に出た子どもの本〈上半期〉よりおすすめの本”」に参加してきました。

「本のこまど」では、今年1月よりほぼ毎月新刊情報を発信していますが、すべての本を手にすることがなかなかできず抜け落ちている作品がたくさんいくつかありました。その中からいくつか手にして読み、特筆すべきものをご紹介します。また当日ご紹介いただいたものをリストにまとめました。「本のこまど」新刊情報で紹介したものには「紹介済」と記載しています。

【フィクション】

『アラスカの小さな家族 バラードクリークのボー』カークパトリック・ヒル/作 レウィン・ファム/絵 田中奈津子/訳 講談社 2015

アラスカの小さな家族 バラードクリークのボー (文学の扉)
カークパトリック・ヒル
講談社
2015-01-16

 

この本の作者はアラスカ・フェアバンクス在住です。長い間小学校を先生をしていましたが多くの本の中でアラスカが誤ったイメージで捉えられているのに不満を感じ、アラスカを舞台に本を書くようになりました。ゴールドラッシュで湧いたアラスカにもそれが終焉を迎える時が来ます。そのような1920年代のアラスカの自然の中で天真爛漫に育つボーという少女。彼女を育てるのは二人のお父さんです。・・・という出だしから惹きつけられる作品です。

『アルカーディのゴール』ユージン・イェルチン/作・絵 若林千鶴/訳 岩波書店 2015

アルカーディのゴール
ユージン・イェルチン
岩波書店
2015-02-14

旧ソ連のスターリン政権下、孤児院育ちのアルカーディはサッカー選手という夢に向って一生懸命にボールを追いかけていました。あるとき謎の男に養子として迎えられるのですが・・・国の政治体制に子どももまた理不尽な思いをするのですが、その中で夢を失わないアルカーディの姿が印象的です。ロシア系ユダヤ人の作者の著作には『スターリンの鼻が落っこちた』(若林千鶴/訳 岩波書店 2013年)があります。 

 『狐物語』レオポルド・ショヴォー/作 山脇百合子/訳 福音館書店 2015

狐物語 (福音館古典童話シリーズ)
福音館書店
2015-06-17

フランスの中世に成立した動物叙事詩をレオポルド・ショボーが編集し絵を描いた作品『狐物語』をなんと『ぐりとぐら』の絵でお馴染みの山脇百合子さんが翻訳しました。山脇さんは以前、福音館書店から『狐物語』をやさしく直した『きつねのルナール』(2002年)を絵と翻訳両方を手がけて出版されています。それがきっかけで高学年向きに訳されたのです。しなやかな訳文が中世の物語を生き生きと今の子どもたちにも伝えてくれます。

 

【ノンフィクション】

『ハートのはっぱ かたばみ』多田多恵子/文 広野多珂子/絵 福音館書店 2015

ハートの はっぱ かたばみ (かがくのとも絵本)
多田 多恵子
福音館書店
2015-03-04
 
以前、福音館書店の「かがくのとも」編集部の方のお話を伺う機会がありました。子どもたちの身近にある自然の不思議さ、素晴らしさに気がついてほしいと丁寧に絵本を作っているとのことでした。私たちの足元に健気に生えている「かたばみ」が、とても愛おしく感じられる、そんな作品です。
 
『アイちゃんのいる教室 3年1組』高倉正樹/文・写真 偕成社 2015
アイちゃんのいる教室 3年1組
高倉 正樹
偕成社
2015-01-28
 
『アイちゃんのいる教室』の続編が出版されました。アイちゃんも3年生になりました。アイちゃんを取り巻く子どもたちはみんなとてもよい表情をしています。それはアイちゃんにダウン症という障害があるからまわりが特別なことをしているからではなく、先生も教室のひとりひとりの個性を大切にしているからだということがわかります。子どもたちがお互いに影響を与え合い成長していく様子がとてもよくわかります。
 
『テンプル・グランディン 自閉症と生きる』サイ・モンゴメリー/著 杉本詠美/訳 汐文社 2015
テンプル・グランディン―自閉症と生きる
サイ モンゴメリー
汐文社
2015-02-26
 
自閉症をもつテンプル・グランディンは、タイム誌で「世界で最も影響力をもつ100人」に選ばれました。動物愛護活動家でもあり、同時に食肉処理施設の設計者である彼女の子ども時代から今に至る歩みを描いたノンフィクションです。
 
『ガザ 戦争しか知らないこどもたち』清田明宏 ポプラ社 2015   
ガザ: 戦争しか知らないこどもたち (単行本)
清田 明宏
ポプラ社
2015-05-27
 
イスラエルとパレスチナの紛争は1948年以降断続的に続いています。2000年代に入ってからもすでに4度の戦争が起きています。そのような厳しい状況下でも生まれ、育つ子どもたちがいます。そして彼らは「それでも、わたしはガザを再建する。わたしたちが再建する。」と将来に希望を持ち続けているのです。どうしたら戦争のない世界にできるのか、子ども達と一緒に考えたい1冊です。
 
『戦場』亀山亮/著 晶文社 2015
戦場
亀山 亮
晶文社
2015-01-31

上に紹介した本もそうだが、わたしたちにとって「戦争」とは何かを知ることのできる一番の教材は、戦地へ出かけていって戦場の様子を知らせてくれるカメラマンたちが知らせてくれる写真集です。『戦場』の作者、亀山氏はパレスチナ取材で片目を撃たれて失明したにもかかわらず、日本には情報の届きにくい中東やアフリカの戦場の画像を撮り続けました。戦争とは何なのかを突きつける渾身の作品です。

こちらのリストは、教文館ナルニア国の「2015年夏休み特別企画・夜のブックトークの会“2015年に出た子どもの本〈上半期〉よりおすすめの本”」で紹介された本をリスト化したものです。図書館での選書などの参考にしてください。

2015年上半期に出た子どもの本おすすめリスト

(K・T) 

基本図書を読む17『長くつ下のピッピ』アストリッド・リンドグレーン


 今年はスウェーデンでアストリッド・リンドグレーンの書いた『長くつ下のピッピ』が出版されてから、ちょうど70年の記念の年です。日本では大塚勇三の翻訳で1964年に岩波書店から出版され、こちらは51年になりました。この間、世界中の子どもたちがピッピに魅せられ、その作品世界を味わってきました。

物語は、スウェーデンの小さな町の町はずれにある草ぼうぼうの古い一軒家“ごたごた荘”に9歳の女の子が引っ越してくるところから始まります。この女の子の名前はピッピ・ナガクツシタ。お母さんは赤ちゃんの時に亡くなり、外国航路船長のお父さんは海で行方不明になっており、ピッピはひとりでこの家に引っ越してきたのです。

「わたしのこと、しんぱいしないで!わたしは、ちゃんとやっていけるから!」というピッピは、ニルソン氏と名付けたサルと、馬と一緒に、誰からも世話を受けずに生活をしています。生活に必要なものは父親が残してくれた金貨で手に入れて、掃除も料理もなんでも自分でこなすピッピは、同年代の子どもたちから見ると、なんとも眩しい存在です。というのも、9歳という年齢は大人の庇護のもとに、自分の意思というよりは親たちの意向に沿って生活するというのが、いわば常識的だからです。

しかしピッピは、大人が考える常識という常識はことごとく覆していきます。“ごたごた荘”の隣の家にすむトミーとアンニカは、常識的で退屈な生活の中でピッピと出会い、ピッピに魅せられて、一緒にそれはそれは楽しい経験をたくさん積みます。それはまさに「天衣無縫」。大人の常識をことごとく打ち破り、大人を言い負かし、子どもだと思ってなめている大人をギャフンと言わせる世界一力持ちの女の子のピッピは、まさに子どもらしい子どもだと言えるでしょう。

長くつ下のピッピ (岩波少年文庫 (014))
アストリッド・リンドグレーン
岩波書店
2000-06-16

 

20世紀を迎える前は、子どもが子どもらしくということは認められていませんでした。子どもは「小さな大人」とされていましたし、労働力として搾取される存在でもありました。アストリッド・リンドグレーンと同じスウェーデンの教育学者、エレン・ケイが1900年に『児童の世紀』(小野寺信・百合子/訳 冨山房 1979年)を著し、その中で子どもは決して大人の未完成のものではなく、独自の存在であること、大人によって型にはめたり、抑圧すべきではないということ、子どもにも子どもらしく生活をする権利があるのだということを訴えたのでした。『児童の世紀』は、教育学を専攻する人は必ず一度は読んでいるいる本で、エレン・ケイの子どもを捉える考え方はその後の「児童の権利宣言」につながっていくのですが、こうした思想背景はリンドグレーンの育ちと、創作とに影響を与えているといえるでしょう。

  アストリッド・リンドグレーンの子ども時代を描く『遊んで 遊んで リンドグレーンの子ども時代』(クリスティーナ・ビヨルグ/文 エヴァ・エリクソン/絵 石井登志子/訳 岩波書店 2007年)には、彼女自身がエレン・ケイの新しい子ども観によって両親の温かい愛情に見守られて育っていったことが書かれています。大自然の中で自由に駆け巡り、大人からみたら危険に思えることにも果敢に挑戦する、一見遊び道具になりそうもないものも遊びに変えてしまう、そんな中で兄弟姉妹や友達と助け合い、知恵をしぼって困難を克服していく、そのような子ども時代のアストリッドの姿が描かれており、そこにはピッピや、やかまし村の子どもたち(大塚勇三/訳 岩波書店 2005)、『ちいさいロッタちゃん(山室静/訳 偕成社1985)など、彼女が描く子どもたちがそのまま居るかのようです。

児童の世紀 (冨山房百科文庫 24)
エレン・ケイ
冨山房
1979-02-09

 

 

遊んで遊ん でリンドグレーンの子ども時代
クリスティーナ ビヨルク
岩波書店
2007-07-27

 

 

 この物語は、アストリッドの娘のカーリンが7歳の時に風邪をこじらせていた冬に生まれました。母親にベッドサイドでお話を聞かせてもらうのを楽しみにしていたカーリンですが、闘病が長くなり、読んで聞かせる物語が無くなった時に、「長くつ下のピッピが活躍するお話を聞かせて」とねだったのが、『長くつ下のピッピ』誕生となったのです。娘に語り聞かせたこの物語は、その3年後にアストリッド自身が怪我で安静を強いられた時に清書され、出版社に持ち込まれました。この本が出版されると、大人からは「こんなにお行儀の悪い子どもが主人公だなんて」という批判もたくさん受けたというのですが、子どもたちには歓迎され、お話の続きを読みたいという要望がたくさん寄せられ、『ピッピ船にのる』、『ピッピ南の島へ』と続編が出版されました。 

ピッピ船にのる (岩波少年文庫 (015))
アストリッド・リンドグレーン
岩波書店
2000-06-16

 

 

ピッピ南の島へ (岩波少年文庫(016))
アストリッド リンドグレーン
岩波書店
2000-08-18

 『ピッピ南の島へ』のあとがきに、落合恵子(クレヨンハウス主宰 絵本作家 エッセイスト)が、「ピッピのアナーキズム、大人が作りあげた社会秩序からの、すてきに、ワクワクする逸脱こそ、ピッピがわたしたちの永遠のヒーローたり得る理由だと思う。」(あとがき p214)に記しています。ピッピの自由で何ものにも因われない考え方や行動、大人をも負かすほどの怪力、大ボラに見えるほどの豊かな想像力、そして何よりの思いやり深かさは、いつまでもピッピのそばに居たいと願っていた隣の家のトミーとアンニカや、クレクレドット島の子ども達と同じように、読者にもピッピをかけがえのない友達と思わせ、いくつになっても離れがたく感じさせることでしょう。 

リンドグレーンと少女サラ――秘密の往復書簡
アストリッド・リンドグレーン
岩波書店
2015-03-19

そんな子どもたちの心に寄り添う物語を生み出してきたアストリッドの、子どもに向ける温かい眼差しが読み取れる書簡集が、今年の春に出版されました。アストリッド・リンドグレーンの物語に魅せられた少女サラが最初にアストリッドに手紙を書いたのは今から43年前のこと。当時、サラは12歳でした。アストリッドはそのサラに返事をきちんと返します。サラはまた手紙を出します。こうして一ファンだったサラとの間で実に30年間、アストリッドが94歳で亡くなるまで文通が続いていきます。

サラは12歳の思春期の入口にいた多感な思いを、アストリッドにぶつけるのですが、アストリッドはサラの揺れる気持ちに寄り添い、温かく見守り、決して突き放したりはしませんでした。この書簡を読みながら、このように人の心に寄り添えるアストリッド・リンドグレーンの懐の深さ、優しさを改めて感じることが出来ました。ちなみに、このサラは1958年生まれで、私と同年代です。子ども時代にアストリッド・リンドグレーンの描く世界に魅了されてきた読者として、この書簡集は羨ましくもあり、またこういう人だったからこそ、私たちは彼女の作品に夢中になったのだと確信することができました。

銀座にある子どもの本の専門店、教文館こどもの本のみせナルニア国では『長くつ下のピッピ』誕生70年を記念して、9月4日(金)から10月25日(日)まで「アストリッド・リンドグレーン展」を開催します。また、関連の講演会も開かれます。(10月5日(月)「三瓶恵子氏講演会 今でもスウェーデン人の心に生き続けるリンドグレーン10月17日(土)石井登志子氏講演会 作品にこめられたリンドグレーンの願い」)ぜひ、『長くつ下のピッピ』の魅力に触れるために訪れてみてください。

(K・J)  

追悼 柳原良平さん


またお一人、子どもたちが大好きな絵本を作ってくださった巨星が8月17日にこの世を去りました。84歳でした。イラストレーターとして「サントリー」のCMでも有名ですが、児童サービスに関わる私たちには『かおかお どんなかお』(こぐま社 1988)や、『このにおい なんのにおい』(こぐま社 1993)など小さな子に人気の絵本が印象的でしょう。

かお かお どんなかお
柳原 良平
こぐま社
1988-01

 

 

このにおいなんのにおい
柳原 良平
こぐま社
2004-04-15

 


私個人として一番の思い出の1冊は、『絵巻えほん 船』(こぐま社 1990 改訂新版は2004年)です。太古の丸木舟から始まる6000年の船の歴史が一枚の絵巻になっていて、我が子が夢中になって見ていたのを思い出します。

絵巻えほん 船
柳原 良平
こぐま社
2004-04-15
 
 
 

 

昨年、出版された『あのほし なんのほし』(みきつきみ/文 こぐま社 2014)は、星に興味を持ち始めた小さな子どもたちにぴったりの絵本です。 

あのほしなんのほし
みき つきみ/柳原良平
こぐま社
2014-05

後方の説明ページには星の解説が詳しく書かれており、科学絵本として子どもに手渡すことのできる1冊です。七夕の季節だけではなく、一年を通した星の見え方の違いが描かれており、どの季節にも読んであげることができます。柳原さんのシンプルな絵が、星座の特徴を際立たせています。

どんぶらどんぶら七福神
みき つきみ/柳原良平
こぐま社
2011-11

それまで子どもたちにあまりなじみのなかった「七福神」が、この絵本でぐっと身近になりました。日本の文化ですから、次の世代に伝えていきたいですね。
 

十二支のしんねんかい
みき つきみ/柳原良平
こぐま社
2012-11

十二支の絵本にはいろいろありますが、柳原さんのシンプルな絵がとても素敵で、小さな子ども達にはおすすめの一冊です。

 

ゆめ にこにこ
柳原 良平
こぐま社
1998-02

あかちゃん絵本としても定評のある3冊『ゆめ  にこにこ』『やさいだいすき』『むにゃむにゃ きゃっきゃっ』も、何度もおはなし会で使わせてもらいました。

 

やさいだいすき
柳原 良平
こぐま社
2004-06

 

 

むにゃむにゃ きゃっきゃっ
柳原 良平
こぐま社
2009-10

 

 

まほうつかいのでし
大石 真/柳原良平
学習研究社
2007-06
1969年に「こども音楽館12」として、フィルハーモニー交響楽団演奏の「魔法使いの弟子」(ゲーテの詩をもとにした交響曲)のレコード2枚とともに発売された柳原さんが絵を描いた絵本『まほうつかいのでし』が、2007年に絵本のみで復刊され、話題になりました。
 

柳原さんの残してくださった作品を紹介しながら、追悼の意を表したいと思います。(K・J)

2015 年(その3)秋を味わおう♪(幼児~小学生)


生命が芽吹く春も心が躍りますが、さまざまな実りがある秋も美しいですね。

今回はそんな秋を味わえるプログラムを組み立ててみました。

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【秋を味わおう♪】(幼児~小学生)

導入 詩『幼い子の詩集 パタポン①』 田中和雄編 童話屋 2002 より

秋に詩を味わおうということで、1編と言わず、いくつか紹介してみるのもいいでしょう。この詩集にも、「青い青い秋ですよ」(坂田寛夫)、「牧場」(ロバート・フロスト)、「けむり」(まどみちお)、「赤蜻蛉」(三木露風)などの秋の詩が紹介されています。その他の詩集もあたってみて、ぜひお気に入りを紹介してあげてください。

 

絵本『きんいろのとき-ゆたかな秋のものがたり』 アルビン・トレッセルト文 ロジャー・デュボアザン絵 えくにかおり訳 1999 ほるぷ出版 7分

きんいろのとき―ゆたかな秋のものがたり
アルビン トレッセルト文 
ほるぷ出版
1999-09

夏の終わりから冬を迎えるまでの農村の様子が描かれています。小麦の収獲が行われ、森では木の実がこぼれおち、果樹園では果物が実り、やがて感謝祭を迎えます。黄、赤、青を基調とした鮮やかな色使いと静かでやさしい語り口が、「きんいろのとき」を感じさせてくれます。きどらず自然に読んであげてください。

 

絵本『おちばのしたをのぞいてみたら・・・』(はっけんたんけんえほん) 皆越ようせい写真と文 ポプラ社 2000 5分

 落ち葉の下にすんでいる虫たちを写真で紹介しています。ダンゴムシ、ワラジムシ、ミミズをはじめ、普段は目に見えない小さな虫まで見ることができます。また落ち葉を食べた虫のウンチが、土になり木が育ち、やがて落ち葉となるといった、命のつながりも知ることができる絵本です。

絵本『ジェイミー・オルークとおばけイモ』 トミー・デ・パオラ再話・絵 福本友美子訳 光村教育図書 2007 9分

愉快なアイルランドの昔話です。ジェイミー・オルークはアイルランドいちのなまけもの。ジャガイモを育てるのも奥さんのアイリーンに任せっぱなしでしたが、あるときアイリーンがけがをして起き上がれなくなります。困ったジェイミーは神父さんに相談するため教会へ向かい、途中で妖精レプラコーンに出会います。そして、世界一大きなイモになる種をもらうのですが・・・。『ジェイミー・オルークとなぞのプーカ』(トミー・デ・パオラ再話・絵 福本友美子訳 光村教育図書 2007)も読み聞かせで楽しめます。

(記事作成 T.S)

2015年(その2)くいしんぼうはだれだ?(幼児~小学生)


秋は、美味しいみのりの季節であるとともに、食欲増進の季節。やっぱり旬のものを、たくさん食べられるって幸せなことですね。さて、大きい子たち向けおはなし会プランは「くいしんぼうはだれだ?」というテーマで考えてみました。

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【くいしんぼうはだれだ?】

導入 詩 「きつねのこんだて」織田道代 『おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩』はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房 2015より p108~109

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19

「こんこん ちきちき こんちきちき
こんこん つくつく こんづくし
こんこんむらの こんきちさんちの
こんやの こんだて なんだろう」で、始まる愉快な詩です。
子ども達と一緒に声に出して読みましょう。さてさて、こんきちさんちの今夜の献立は、詩を読んでのお楽しみ。この4月に出版されたはせみつこさんが編集した詩のアンソロジーから一編、紹介しました。 

絵本 『おちゃのじかんにきたとら』 ジュディス・カー/作 晴海耕平/訳 童話館出版 1994 5分

おちゃのじかんにきたとら
ジュディス カー
童話館出版
1994-09

ソフィーの家に、 まるで紳士のような礼儀正しいとらが、「ごめんください ぼく とてもおなかがすいているんです。おちゃのじかんにごいっしょさせて いただけませんか」と言ってやってきました。もちろん、どうぞと招き入れるのですが、このとら、次々に食べ物を平らげてしまいます。とうとう家の中から食べるものがなくなってしまうと・・・まあ、なんていうとらでしょうを思いますが、ソフィーのおかあさんは鷹揚に受け止めます。そんなところが1968年に英国で出版されて以来、多くの子どもたちに愛されてきた理由かもしれません。 

 

絵本 『ママ、ママ、おなかがいたいよ』 レミイ・シャーリップ、バートン・サプリー/作 坪井郁美/訳 1981 5分

ママ、ママ、おなかがいたいよ (世界傑作絵本シリーズ)
レミイ シャーリップ
福音館書店
1981-11-30
 
 
こちらの絵本に登場するのは、お腹が痛いと訴える男の子。お母さんは馬車を走らせて医者のもとへ駆けつけます。お医者さんが男の子のお腹の中から取り出したものは!お腹から次から次へ出てくるものに、子どもたちはワクワクドキドキ、惹きつけられていきます。奇想天外、荒唐無稽な展開も芸術的な表現と相まって、魅力的な1冊になっています。
 
 わらべうた もちっこやいて
 もちっこやいて(画像)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もちっこにまずはしょうゆをつけてやいて、みんなで一緒に食べます。そのあとは、参加している子どもたちに声をかけて聞きながら好きなものをつけて歌いましょう。「あんこ」「のり」はよく出ますが、時々はチーズ、ジャムという子もいます。「おっ!それもおもしろいね。一緒につけて食べてみようね」と、いろいろやってみましょう。
 
 

絵本 『おまたせクッキー』 パット・ハッチンス/作 乾侑美子/訳 偕成社 1987 4分

おまたせクッキー
パット ハッチンス
偕成社
1987-09

 くいしんぼうのとらと、男の子のおはなしが続いたので、今度はひとりの分け前がどんどん減っていってしまうという、反対のおはなしと合わせました。ビクトリアとサムの兄弟がお母さんが焼いてくれたクッキーを6枚ずつに分けようとしていると、玄関チャイムが鳴り、お隣の子どもが二人やってきます。3枚ずつに分けていると、また玄関チャイムがなってお友達がどんどん増えていきます。最後は12人でひとり1枚ずつ食べることになりますが、さあ食べようとすると、また玄関チャイムが!最後の最後まで楽しい絵本です。

さて、だれが一番のくいしんぼうでしたか?それ以外の、美味しい絵本もおはなし会のあとに紹介してあげましょう。(K・J) 

2015年(その1)くだもの、おいしいね♪(小さい子)


みのりの秋、子どもたちにとって身近な「くだもの」の絵本で、小さい子向けおはなし会プランを作りました。

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【くだもの、おいしいね♪】

導入 わらべうた 「このこ どこのこ」

このこどこのこ

 

 

 

 


小さい子、とくに赤ちゃんのためのおはなし会の目的は、お母さんと赤ちゃんのゆったりとしたふれあいの時間を大切にすることと、お母さんのお膝が心地よいことを知ること。また図書館に親しむということが大きいのです。まずは、リラックスできるわらべうたから始めましょう。

赤ちゃんをしっかりと抱いて、お母さんが身体をほんの少しだけ左右に揺らします。(けっして赤ちゃんを揺らしてはいけません。とくに首の座る前の赤ちゃんには危険です)お母さんが揺れるだけで、赤ちゃんに心地よさが伝わります。繰り返しの「○○ちゃん」は、それぞれのお子さんの名前を入れて読んでもらいます。参加人数が少ない場合は、お子さんのお名前をひとりずつ順番に聞いて、みんなで歌ってあげてもよいでしょう。

絵本 『くだもの』平山和子/作 福音館書店 1981 2分

くだもの (福音館の幼児絵本)
平山 和子
福音館書店
1981-10-20

“くだもの”の絵本と言ったら、これ!というくらい、長く読み継がれている絵本です。どんな子どもたちに読んであげても、口を「あーん」と開けて食べる仕草をしたり、「はい どーぞ」で手を出してきたりします。実際に食べた時の「美味しかった」という記憶が呼び覚まされて、自然とそうなっていくのですね。ひとりひとりの反応を楽しみながら、ゆっくりと読んであげましょう。

 

絵本 『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』安西水丸/作 主婦の友社 2005 2分

りんごりんごりんごりんごりんごりんご (主婦の友はじめてブックシリーズ)
安西 水丸
主婦の友社
2005-12-09

 

赤ちゃん絵本の定番『がたんごとん がたんごとん』の作者、安西水丸さんの作です。「あるひ りんごが ころんと おちた」と、木から落ちるりんご。そのりんごが、ころころころがっていくのですが、ころがる時の擬音が「りんご りんご りんご りんご りんご りんご」なのです。リズミカルなことばと、安西さんのシンプルな絵柄が小さい子どもたちに喜ばれる1冊です。

わらべうた 「えんやらもものき」

えんやらもものき

季節に合わせて「もも」の部分を「りんご」に言い換えて歌ってみましょう。「○○ちゃんに あーげよか」「○○くんに あーげよか」の部分は、ひとりひとりの名前がわかっていれば(先ほどの「このこどこのこ」でみんなで名前を入れて歌って、お名前を聞いていれば)、ミトンくまさんなどのおはなし会のマスコット人形と一人ずつ握手をする、あるいはりんごの折り紙などを渡す、など工夫をして楽しむとよいでしょう。

 あるいはスパークハーフというシフォン布を配りながら、しばらくの間、スパークハーフを使ったわらべうた(「じぃーじぃーばあ、ちゅっちゅこっこ、にぎりぱっちり)などを続けて遊んでもよいでしょう。社員の方はeラーニングサイトでわらべうたの遊び方を確認できます。 

 

 

 

 

 

絵本 『きのみのケーキ』垂石眞子/作 福音館書店 1992  3分

 「もりのおくりもの」という3冊セットのシリーズから、1冊を選びました。たぬきくんは、森で集めたきのみをたくさん使って美味しそうなケーキを作ります。とても可愛らしいおはなしです。上の2冊にくらべると、ストーリーのあり、あかちゃんには少し長いかもしれません。参加する子どもたちが1歳前後と小さい子が多い場合は、下に紹介する『くまとりすのおやつ』と差し替えると良いでしょう。また、絵本のサイズも小さいので参加者が多いときは、子どもたちに見えるようにゆっくりと読みましょう。

 

〈差し替え用〉
『くまとりすのおやつ』岸田衿子/作 堀内誠一、堀内みもこ/絵 福音館書店 2008 2分

くまとりすの おやつ (幼児絵本シリーズ)
きしだ えりこ
福音館書店
2008-02-20

昨年のおはなし会プランでも紹介した1冊です。→「2014年(その1)あきだよ♪
くまとりすが、きいちごを摘みに出かけます。大きなくまはたくさんきいちごを摘んで食べて、小さなりすは少しだけ。二匹の対比が面白い絵本です。ことばもリズミカルで、小さな子どもたちに喜ばれる1冊です。 
(K・J) 

「基本図書から学ぶ 第2回」報告


平成27年7月16日に開催された児童部会で、「基本図書から学ぶ 第2回」を行いました。 

第1回に引き続き、絵本をテーマに、課題として読んできた絵本についてグループで話し合いを行い、

グループでの話し合いの様子

グループでの話し合いの様子

読み継がれてきた絵本がもつ共通点を考えて、絵本の評価基準について学びました。

詳細は、以下の報告書と資料をご覧ください。

● 報告書

第2回「基本図書から学ぶ」報告書

● 配布資料

①児童部会「基本図書から学ぶ 絵本について② グループワークシート」

各グループによる検討内容の発表

各グループによる検討内容の発表

②児童部会「基本図書から学ぶ 絵本について② 絵本の評価について」

 

 

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