2016年(その3)大きくなるよ(幼児~小学生)


 
 春は芽吹きの季節。植物を観察するたびにその成長の力には感嘆するしかないと、いつも思います。生命のひとつひとつに自ずと備わった成長する力を、私たちは信じて見守るしかないと、新学期を迎えるたびに思います。
新しく幼稚園や小学校に入園、入学する子どもたちもまた同様に自ら伸びる力を持っており、その伸び方はひとりひとり違っています。親や周囲の大人は、伸びようとする方向を見極め、その子らしく伸びていけるように、一歩下がって見守りたいですね。今年のプランを考えていて、昨年と同じ『葉っぱのあかちゃん』という写真絵本を選んでしまったのも、そのような願いをこめてのことです。
大自然の摂理の中で生かされている存在である人間は、やはり自然に学ぶ姿勢が必要と考えます。新しい出発をする子どもたち、そして一緒に参加する大人の人に向けて、そのメッセージを届けることが出来ればと思います。
 
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導入 詩「葉っぱの赤ちゃん」金子みすゞ 『明るいほうへ―金子みすゞ童謡集』(金子みすゞ JULA出版局 1995)より 1分
 



「ねんねなさい」は
月の役。
そっと光を着せかけて、
だまってうたうねんねうた。」(一部抜粋)
 
月や風、小鳥が見守る中で育っていく若葉。みすゞのこの詩には、「そっと」見守る温かな視線を感じます。

絵本 『葉っぱのあかちゃん』平野隆久/写真・文 岩崎書店 2008 2分半
葉っぱのあかちゃん (ちしきのぽけっと6)
平野 隆久
岩崎書店
2008-02-15
 
芽吹きの季節、木々がうっすらと淡い黄緑色に覆われていることに気がついたことがありますか?勤務先のある通りは街路樹として銀杏が植えられています。冬枯れの寒々とした枝だけの銀杏並木が遠くから見ると、うっすらと色づいているのです。近づいてみると枝先や幹から小さな小さな木の芽が開きかけていて、それが木全体、街路樹全体に広がって、そのように見える、そんな4月が私は大好きです。この絵本はその芽吹き始めたばかりの葉っぱのあかちゃんに注目した1冊。文章からも写真からも、小さな若芽への愛情が感じられます。
 
 手遊び 小さな庭  『たのしいコミュニケーション 手遊び歌遊び』(阿部恵/編著 明治図書 1998) p38より 
たのしいコミュニケーション 手遊び歌遊び
阿部 恵
明治図書出版
1998-05
 
「ちいさなにわをよくならして ちいさなたねをまきましたら ぐんぐんのびて はるになって ちいさなはながさきました」(1番) 「ぐんぐんのびて」というところは両手をうんと上にあげていきます。遊び方も書いてあります。ぜひ参考にしてください。
 
 
 絵本 『ちいさなヒッポ』マーシャ・ブラウン/作 うちだりさこ/訳 偕成社 1984 4分
ちいさなヒッポ (世界の絵本)
マーシャ=ブラウン
偕成社
1984-01-01
 
 昨年の4月28日に96歳で亡くなられたマーシャ・ブラウンの代表作のひとつです。幼い子どもに寄り添うということはどんなことだろうと逡巡するとき、いつもこの絵本を思い出します。なんでも子ども自身が自分で体験することが一番大事、でも生命に危険が伴うときの対処方法はきちんと伝え、何かの時には駆けつけられるよう遠くから見守る。そんなことがきちんと描かれている絵本ですが、子どもたちはそんなことより、ヒッポの気持ちになって手に汗握りながら、聞くことでしょう。そうやってひとつひとつ乗り越え、大きくなっていくのですね。たくさんの素晴らしい作品を残してくれたマーシャ・ブラウンへの思いをこめて選びました。
 
 絵本 『大きくなるってこんなこと!』ルース・クラウス/文 ヘレン・オクセンバリー/絵 山口文生/訳 2014 4分半 
大きくなるってこんなこと! (児童図書館・絵本の部屋)
ルース クラウス
評論社
2014-04

春、若葉の季節にぼくは思います。ひよこや子犬はすぐに大きくなるけれど、ぼくほんとうに大きくなっているのかな?って。季節は夏から秋へと移り変わり、春に仕舞った厚手の服を取り出してみて、初めて自分の身体がひとまわり大きく成長していることを実感します。「ぼくは大きくなったんだ」と宙返りをするラストシーンはその喜びが伝わってきます。

絵本 『たんぽぽのたねとんだ』すずきゆりいか/文 ごんもりなつこ/絵 こどものとも年少版1993年 5月号 福音館書店 1分 
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この絵本は、2006年にこどものとも社が販売する特製版(市販はされず、こどものとも社を通じて購入)としてハード版になっています。図書館によっては、特製版を購入しているところもあります。
春先、身近にみつかるたんぽぽの花。花が終わったあとの綿毛がいったいどこまで飛んでいって、その先どうなるんだろう?と小さい時に追いかけていったことがあります。そんな疑問に答えてくれる絵本です。綿毛の先についているあの小さな種が、また成長してきれいなたんぽぽを咲かせるのですね。もう1冊、何か読みたいという時にはこんな絵本もどうぞ!

(作成K・J)