Yearly Archives: 2016

「第3回児童部会(2016.9.16)」
2016年8月、9月の新刊から
2016年(その2)木の実をひろって(幼児~小学生)
2016年(その1)とんぽろりん(小さい子)
訃報 ブライアン・ワイルドスミス
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介  9月
おはなし会☆おすすめ本リスト11月(2016)
基本図書を読む29『時の旅人』アリソン・アトリー
「広めよう!図書館を使った調べる学習~指導者育成のための体験講座~in 上野」のご案内
おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
2016年(その2)おしゃれな秋(幼児~小学生)
「基本図書から学ぶ第2回」報告
2016年(その1)おやすみなさい(小さい子)
東京子ども図書館から『ブックトークのきほん―21の事例つき』が出版されました
速報:太田大八さんが亡くなられました

「第3回児童部会(2016.9.16)」


第3回児童部会も、「基本図書から学ぶ」と「情報共有の時間」の2部構成で行いました。

  「基本図書から学ぶ」の課題図書は、『やかまし村の子どもたち』(アストリッド・リンドグレーン作 大塚勇三訳 イロン・ヴィークランドさし絵 岩波書店 1965)と『いやいやえん』(中川李枝子作 大村百合子絵 福音館書店 1962)の2冊でした。それぞれの作品に描かれている“子ども像”に注目しながら、現代の子どもたちがどのように読むのかについて話し合い、事前課題として作成してきた紹介文の検討を行いました。詳細は、後日報告書を掲載いたしますのでご覧ください。

   「情報共有の時間」では、4名が各図書館の取り組みについて発表を行いました。以下、紹介された取組みです。(図書館名は取組みを実施した図書館です。)

IMGP5547以下、紹介された取組みです。(図書館名は取組みを実施した図書館です。)

・ 「たなばた会について」(板橋区立蓮根図書館)

・ 「七夕の工作」「図書館ビンゴ」(中野区立江古田図書館)

・ 「七夕工作会/スイスイ!さかなつり~ぎゅうにゅうパックでさかなつりのおもちゃをつくろう~」(文京区立水道端図書館)

・ 「ちょっぴりこわいおはなし会のお土産(ムニュムニュ星人・サソリの標本)」(所沢市立所沢図書館吾妻分館)

(作成 T.I)

2016年8月、9月の新刊から


 8月、9月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本いくつかを紹介します。一部、これまでに見落としていた7月以前の作品も含まれています。

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

 

絵本 

『ジャック船長とちびっこかいぞく』ピーター・ベントリー/文 ヘレン・オクセンバリー/絵 やましたはるお/訳 BL出版 2016/6/20

ジャック船長とちびっこかいぞく
ピーター ベントリー
BL出版
2016-06

 6月に出版された絵本です。ジャックは、ちいさな弟や友達と砂浜で砂の船を作ります。「われら、ジャックとザックとカスパー3人ぐみ。おそれをしらない海の勇者だ」と、たちまち砂の船はかいぞく船に。男の子ならではの勇ましい海の冒険が始まります。彼らがみつけた宝物とは・・・。この絵本をみつけたのは、9月になってから。夏休み前に紹介したかった1冊です。 

 

 『おおきくなったら』チェコのわらべうた 内田莉莎子/訳 ヨセフ・ラダ/絵 福音館書店   2016/8/25

 内田莉莎子の翻訳で、ヨセフ・ラダの絵といえば『きつねものがたり』(ヨセフ・ラダ/作 福音館書店 1966)を思い出します。チェコのわらべうたをいくつか再話され、収録されています。ひとつひとつがリズミカルで、声に出して読むと味わい深いものがあります。チェコでは1954年に出版されましたが、日本では1979年に月刊「こどものとも年少版」で出版され1982年にハードカバーになっていました。この8月に久しぶりに増刷されました。

 

『ぐやんよやん』長谷川摂子/文 ながさわまさこ/絵 福音館書店  2016/8/25

ぐやん よやん (幼児絵本シリーズ)
長谷川 摂子
福音館書店
2016-08-24

2011年に亡くなられた長谷川摂子さんの月刊「こどものとも年少版」1999年6月号の作品です。こちらはこの度、はじめてハードカバーになりました。ながさわさんの音を表現した絵が不思議な世界を創り出しています。月刊誌の折込付録には長谷川摂子さんが「この絵本は読むというより、リズムと抑揚を自在につけて、思い切って声を出し、歌って楽しんでほしいのです(中略)子どもといっしょに身体を右に左に揺すぶって、心ゆくまでうねり、のたうつ感覚を味わってください」と書かれていたあったそうです。そんな風に親子で楽しんでほしい絵本です。

 

 『おいしいかぞえうた』岸田衿子/文 古矢一穂/絵 福音館書店 2016/8/25

 「こどものとも年少版」2009年12月号のハードカバー版です。子どもたちが大好きな食べ物や飲み物が10登場します。お菓子だけでなく、「くじゃがも にこにこ たべる」、「くさいや はっぱもたべる」といろいろなものが出てきます。それに合わせて『きいちごだより』(岸田衿子/文 福音館書店)などで植物を繊細に描く古矢さんの、それとは違った味わい深い絵も楽しめます。

 

 ドライバーマイルズ』ジョン・バーミンガム/作 谷川俊太郎/絵 BL出版 2016/8/25

ジョン バーニンガム
BL出版
2016-08

ジョン・バーニンガムの作品を谷川俊太郎さんが翻訳した新しい絵本です。マイルズというのは、アリスとノーマン親子が飼っている犬です。この犬がとても厄介者なのです。散歩は嫌い、ドッグフードも嫌い、雨も嫌い・・・好きなのはドライブに連れて行ってもらうこと。ある日、隣の家のハディがマイルズ用の車を作り、マイルズも運転を覚えます。犬が運転するの?と、びっくりな展開ですが、バーミンガムの絵と谷川さんの文章がマッチしていて、すんなり物語の中に入っていくことができました。

 

『はこぶ』佐々木幹郎/文 いわむらかずお/絵 復刊ドットコム 2016/8/8 

はこぶ (五感のえほん10)
佐々木 幹郎
復刊ドットコム
2016-08-18

1983年に、谷川俊太郎と小松左京が監修し、訪問販売のみで発売されたブリタニカ絵本館ピコモス( 日本ブリタニカ社刊 全25巻)のうち、生活に根付く五感を扱う絵本をセレクトし、復刊されたシリーズ“五感のえほん”全10巻の最後の1冊です。「はこぶ」というと、物流だけに目がいきますが、風が運ぶもの、水が運ぶもの、そして血液によって運ばれるウィルスも、目には見えない心を相手に届けることばも「はこぶ」ものなんだと気づかせてくれる絵本です。『14ひきシリーズ』などを出版する前のいわむらかずおさんのごく初期の作品でもあり、絵にも注目です。 

 

 『きょうはそらにまるいつき』荒井良二/作 偕成社 2016/9 

きょうはそらにまるいつき
荒井 良二
偕成社
2016-09-09

 太陽の光に比べて、柔らかく優しい光を放つ月。それぞれの場所で懸命に生きるひとりひとりの上に注がれる優しい光は、古の時代から人々を慰めてきたことでしょう。この絵本を手に取る人は、まさにその柔らかい光に包まれて、硬くなった心もほどけていくことでしょう。「みんながそらをみています きょうはそらにまるいつき ごほうびのようなおつきさま」。『あさになったのでまどをあけますよ』に続く、懸命に生きる人へ贈られるエールです。

 

 『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』加古里子/作 福音館書店 2016/9/10

 1966年に発行されたこどものとも絵本『かわ』は、川の源流から始まって、田畑を潤し、工場を動かし、ものを運び、その周辺の人々の生活をささえて海へ注ぎ込むところまでを丁寧に描いた秀作でした。教育現場などで、この絵本を複数冊購入した上で、解体して絵巻にして子どもたちに見せているという声を聞いた編集部が、絵巻絵本の形で出そうと苦心をし、この度出版したものです。広げると全長7メートル。私たちの生活を潤してくれる川の存在を再発見できるのではないでしょうか。片面は川の水色以外はモノトーンで、こちらにテキストが入っています。片面はカラーで文字がありません。絵巻になったので最終ページの水平線は地球が丸いということがよくわかります。図書館では箱ごと装備するのか、貸出には検討が必要かもしれませんが、学校図書館などでは授業にも使えるのではないでしょうか。 

 

『ぐるりヨーロッパ街歩き たびネコさん』ケイト・バンクス/作 ローレン・カスティーヨ/絵 住吉千夏子/訳 きじとら出版 2016/9/30 

たびネコさん ~ぐるりヨーロッパ街歩き~
ケイト・バンクス
きじとら出版
2016-09-05
 
 前回に続いて、きじとら出版からの新刊を紹介します。こちらの作品は第22回国際翻訳絵本大賞(英語部門)受賞作品です。家族の旅にくっついていくネコ。ローマを出発して、マルセイユ、バルセロナ、パリ、ロンドン、アムステルダム、ミュンヘン、そしてヴェネツィアと、その都市ごとの名所を訪れます。ネコの姿を追いかけながら、ヨーロッパをぐるりと巡ることが出来る絵本です。巻末に各地の名所の解説もついています。

 

『とうだい』斉藤倫/文 小池アミイゴ/絵 福音館書店 2016/9/15

とうだい (日本傑作絵本シリーズ)
斉藤 倫
福音館書店
2016-09-14
 
福音館書店から読み物『どろぼうのどろぼん』や『せなか町から、ずっと』を発表されている詩人の斉藤倫さんの初の絵本です。小さな灯台はいつも同じ場所に立って海を照らしています。沖をいく船や、渡り鳥を見ていて、自分が動けないことを情けなく思うのですが、変わらず海を照らし続ける灯台があるからこそ、嵐の夜に船は港に戻ることができ、渡り鳥も戻ってくることができると知り、自分の役割に誇りを持つのです。淡々と綴られていることばに、温かいまなざしを感じます。
 
 
『ぱーおーぽのうた』きくちちき/作 佼成出版社 2016/9/30
 
ぱーおーぽのうた
きくちちき
佼成出版社
2016-09-20
 
ブラティスラヴァ世界絵本原画展・金のりんご賞受賞作家きくちちきさんの最新作です。この絵本の原画展が、杉並区高円寺にあるギャラリーえほんやるすばんするかいしゃで開催されていると聞き、行ってきました。この絵本は制作も、ブックデザインもきくちさんご本人とのこと。原画は黒一色の線画。それをPCに取り込んでデジタルで彩色したとのことでした。小さなぞうがのっちのっち歩き始めると、大きなぞうも、ほかの動物たちもいっしょに歩き出します。オノマトペで表現されたことばもリズミカル。絵にも躍動感があふれ、読んでいるうちに元気になってくる、そんな絵本です。(原画展の会期は10月4日まで)
 
 
児童書
 

 『やぎと少年』I・B・シンガー/作 モーリス・センダック/絵 工藤幸雄/訳 岩波書店 2016/8/4(第9刷)

やぎと少年 (岩波の愛蔵版)
I.B.シンガー
岩波書店
1979-11-26
 
ノーベル文学賞作家によるユダヤのお話集です。7篇のお話は、人間の持つ業を軽やかに笑い飛ばすような視点で書かれており、面白いものばかりです。1979年に日本で出版された本です。しばらく手に入らなかった作品がこの度、増刷されました。モーリス・センダックの繊細な絵も魅力的です。所蔵していない館はぜひこの機会に購入するとよいでしょう。

 

『ちいさな曲芸師バーナビー』バーバラ・クーニー/再話・絵 末盛千枝子/訳 現代企画室 2016/8/20

ちいさな曲芸師 バーナビー フランスに伝わるお話 (末盛千枝子ブックス)
バーバラ・クーニー
現代企画室
2016-08-06
 
 こちらは2006年にすえもりブックスから出版されていたものの復刊です。この絵本の題材になった「聖母子マリアの曲芸師」は、フランスで何百年もの間語り継がれ、オペラの題材や歌になっている伝説なのだそうです。コルデコット賞作家のバーバラ・クーニーは、パリへ取材に出かけ、700年以上前から保存されている写本を手にし、フランス中を旅をしてこの絵本のためにスケッチをしたそうです。絵本の形をとっていますが、47ページあり、児童書と分類しました。自分で読める子どもたちももちろんですが、幼い子どもたちにも読んで聞かせてあげたいおはなしです。

 

ノンフィクション

『こどものとうひょう おとなのせんきょ』かこさとし 復刊ドットコム  2016/8/22

 1983年に出版された「かこさとし◆しゃかいの本」が、この度復刊されました。民主主義=多数決と思い込みがちな私たちですが、かこさんは、「この本は、少数でもすぐれた考えや案を、狭い利害や自己中心になりやすい多数派が学び、反省する、最も大切な「民主主義の真髄」をとりもどしたいという願いでかいたものです。」と、あとがきに記しています。少数者の意見が踏みにじられていく今の社会を見ていると、余計にかこさんのことばが心に響きます。子どもたちにわかりやすい例とことばで説く優れた社会教育の1冊です。

(作成K・J)

2016年(その2)木の実をひろって(幼児~小学生)


秋はたくさんの木の実が落ちる季節。どんぐりにまつぼっくり、栗にくるみ。実りの秋を実感しながら絵本を読んであげたいですね。
 
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導入 詩 「あきのそら」こねずみしゅん 『のはらうた5』(くどうなおこ/作 童話屋 2008)より 2分
 くぬぎばやしで
 どんぐりをだいていたら
 かぜがひゅうと
 とおりすぎました
 みあげると
 こえだをすかして
 あおいそらがみえました
  (中略)
 しんこきゅうしたら
 こころのなかまで
 そらいろにそまりました。
のはらうた〈5〉
くどう なおこ
童話屋
2008-07
 
 
 
 
絵本『もりのかくれんぼう』末吉暁子/作 林明子/絵 偕成社 1978 8分
 
今年5月28日にお亡くなりになった末吉暁子さんの作品です。公園からの帰り道、近道をしようと生垣の中を通り抜けると、そこは金色に染まる秋の森の中。そこでけいこは「もりのかくれんぼう」という不思議な男の子に出会います。かくれんぼうや動物たちと森の中でかくれんぼうをしていると・・・おはなしは約8分と長いのですが、不思議な森の中の情景に子どもたちは惹きつけられてあっという間に感じることでしょう。
 
 
絵本『くんちゃんはおおいそがし』ドロシー・マリノ/作 まさきるりこ/訳 ペンギン社 1983 4分
くんちゃんはおおいそがし
ドロシー・マリノ
ペンギン社
1983-01
 
好奇心たっぷりの子ども時代。一旦、なにかに夢中になると、時間が経つのも忘れて遊び込むもの。大人からすると取るに足らないことも、自分で興味を持つということが大切なのです。小石を拾うことも、くるみを集めることも、落ち葉をかき集めることも、ありの行列を追いかけることも、遊びになってしまいます。そして大人が意図しない遊びが、どれほど子どもの心を育てることでしょう。そんなくんちゃんの様子が生き生きと描かている1冊です。
 
 
絵本『くるくるくるみ』松岡達英/作・絵 そうえん社 2007 6分半
くるくるくるみ (そうえん社・日本のえほん)
松岡 達英
そうえん社
2007-09
 
 くるみが木になっているのを見たことがありますか?緑色でキウイフルーツのような形をしているということを、私はこの絵本に出会うまで知りませんでした。私たちが知っているくるみは、その緑の実の内側になる種だったのですね。この絵本は、田舎に住むおじいちゃんたちの家に遊びに行って、くるみについて初めていろいろ知る女の子が主人公です。くんちゃんも集めたくるみについて、一緒にいろいろ知っていきましょう。
 
絵本『びっくりまつぼっくり』多田多恵子/文 堀川理万子/絵 福音館書店 2010 2分半
びっくりまつぼっくり (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)
多田多恵子
福音館書店
2010-09-10
 
子どもたちの集中力がまだ続くようならば、もう一冊まつぼっくりの絵本を読んであげましょう。この絵本は、福音館書店月刊ちいさなかがくのとも2006年11月号がハードカバーになったものです。公園などに落ちているまつぼっくり。よーく乾いたまつぼっくりを振ると、中から薄羽のついた小さな種が落ちてくるのをご存知ですか?そんなまつぼっくりの不思議に迫る楽しい絵本です。
 
 
 (作成K・J) 

2016年(その1)とんぽろりん(小さい子)


日本語は擬音語、擬態語が、とても多く、表現の幅が大変豊かになっています。どんぐりが落ちる音が「とんぽろりん」、力を合わせて引っ張る時に「うんとこしょillust62_thumb どっこいしょ」などなど。これらの擬音語、擬態語は、フランス語の「オノマトペ」でひっくるめて呼ばれるようになっています。

今回、選んだ絵本はどれも「オノマトペ」が特徴的です。言葉のリズムを味わいながら、子どもたちと楽しんでほしいと思います。

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わらべうた どんぐりころちゃん

どんぐりころちゃん

 

 

 

 

 

 
絵本にもなっているわらべうたです。(『どんぐりころちゃん』みなみじゅんこ/作 アリス館 2013)「どんぐりころちゃん」で手をたたき、「あたまがとんがって」で頭の上に両手でとんがり帽子を作って、「おしりはぺっしゃんこ」でお尻をたたき、「どんぐりはちくり」で、両腕をぐるぐると回します。「しょ」で、ほっぺに両手を当てます。大きい子の時は、「しょ」でじゃんけんをする場合もあります。何度か歌ってやってみましょう。なお、今回は取り上げていませんが、2014年の10月のおはなし会プランで、この絵本を取り上げていますので、そちらも参考にしてみてください。(2014年10月【あきだよ♪】

絵本 『どんぐりとんぽろりん』武鹿悦子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド 2008 2分

どんぐりとんぽろりん
武鹿 悦子
ひさかたチャイルド
2008-10-01
 
おおきなくまとちいさなりすが、どんぐりを拾います。「ぱらんこぽろんこ とんぽろりん」と、どんぐりの落ちる音が可愛らしい絵本です。 
 ほんわか優しい気持ちになれる絵本です。

 
絵本 『おおきなかぶ』A・トルストイ/作 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店 1966 2分
おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本)
A.トルストイ
福音館書店
1966-06-20
 
長く読み継がれてきた『おおきなかぶ』。ストーリーのある絵本ですが、くり返しでリズミカルなお話は2歳児くらいから楽しむことができます。「うんとこしょ どっこいしょ」というところは、子どもたちが自然に体を動かして聞いてくれます。 
 
わらべうた いっちくたっちく78973d08
いっちくたっちく たいもんさん たいもはいくらで ごーわんす いっせんごりんでごーわんす
もうちっと もうちっと すからか まからか すってんどん
 
歌に合わせて、一本ずつ指をさわっていきます。「すってんどん」で、最後にさわった指を折り曲げます。すべての指を折り曲げたら、「ととけっこう」のわらべうたで、順番に起こしていきましょう。「いっちくたっちく」とは、茨城の方言で交互に並んだ状態を表す言葉だそうです。

 
絵本 『りんご』松野正子/文 鎌田暢子/絵 童心社 1984 1分
りんご (母と子のえほん)
松野 正子
童心社
1984-01-20

 とても柔らかい色彩で、りんごが瑞々しく描かれています。赤いりんご、黄色いりんご、ピンクのりんご。どれも美味しそう。そしてお母さんが剥いてくれるのが、子どもには嬉しいですね。みんなで「いただきます」と食べてもよいでしょう。 

 

(作成K・J)

訃報 ブライアン・ワイルドスミス


イギリス人の絵本作家でフランス在住のブライアン・ワイルドスミス(1930年生まれ)が8月31日に亡くなったというニュースが入ってきました。(→こちら

ブライアン・ワイルドスミスは、1950年代オックスフォード大学出版局と専属契約を結びラ・フォンテーヌの寓話に絵をつけるなど作品を発表、1962年には『ワイルドスミスのABC』でケイト・グリナウェイ賞を受賞しています。

『ワイルドスミスのABC』ブライアン・ワイルドスミス/作 らくだ出版

ワイルドスミスのABC (ブライアン・ワイルドスミス作品選)
ブライアン・ワイルドスミス
らくだ出版
1962-01
 
 
 
 
日本では、俳優の石坂浩二さんがワイルドスミスの翻訳に多く携わり、伊豆高原にあるワイルドスミス絵本美術館(現在、休館中)は石坂浩二さんが館長を勤めています。
クリスマスシーズンに、よく読まれる『クリスマスの12にち』(石坂浩二/訳 講談社 1997)は、イギリスで古くから歌われているクリスマスキャロルに「色彩の魔術師」と呼ばれたワイルドスミスが描いた絵の色彩の美しさに心惹かれます。

『クリスマスの12日』ブライアン・ワイルドスミス/作 石坂浩二/訳 講談社 1997
クリスマスの12にち (世界の絵本(新))
ブライアン・ワイルドスミス
講談社
1997-10-29

 
1971年に家族でフランスに移住したワイルドスミスは、4人の子ども、3人の孫、そしてひとりのひ孫に恵まれました。昨年、妻のオーレリーを天国に見送ったとのこと。今頃、天国で再会しているでしょうか。
 
ラ・フォンテーヌの寓話に絵をつけた『きたかぜとたいよう』や『うさぎとかめ』、『ライオンとネズミ』(いずれも渡辺茂男/訳 らくだ出版)など素晴らしい作品の多くが現在品切れになっているのは、とても残念です。図書館にはあると思いますので、ぜひ展示してこの機会に手に取ってもらえるとよいでしょう。
 
参考:ブライアン・ワイルドスミス インタビュー記事(amu 2011年5月)
 
『きたかぜとたいよう』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1962
きたかぜとたいよう
ラ・フォンテーヌ
らくだ出版
1962-01-01
 
 
 
 
『うさぎとかめ』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1969
 
 
 
 
『ライオンとネズミ』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1982
ライオンとネズミ
ラ・フォンテーヌ
らくだ出版
1982-01
 
 
 
(作成K・J)
 

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介  9月


秋は空気が澄んでお月さまがきれいに見える季節。今年の十五夜は9月15日ということで、お月見が楽しみです。

そんな9月は「月」をテーマに本を選びました。以前に、「おはなし会プラン」で紹介したものがほとんどですが、小学校の読み聞かせ用にまとめ直してみました。

昔話や物語、科学の本などを通して、さまざまな角度で月を楽しんでみてください。

<低学年>

『おつきさんどうしたの』 E.M.プレストン著 B・クーニー絵 岸田衿子訳 岩波書店 5分

おつきさんどうしたの (岩波の子どもの本)おつきさんどうしたの (岩波の子どもの本) [単行本]
著者:エドナ・ミッチェル プレストン
出版:岩波書店
(1979-09-21)
 
ある月夜、ベッドを抜け出したガチョウの子のは、きつねの形をした雲が月を隠したのをみて、きつねがおつきさんを食べちゃった!と勘違い、池に映った月をみて、おつきさんが池におっこちた!と大騒ぎ、お百姓さんを何度も起こして怒らせてしまいます。うなだれて下ばかりみていたガチョウの子は、きつねにつかまってしまって・・・。子どもたちは、ガチョウの子の勘違いに「違うよー」と余裕で笑っていますが、きつねにつかまると必死の表情になります。やわらかなタッチの絵と、心地よいことばのひびきも楽しめる絵本です。
 
お話「お月さまの話」 (『おはなしのろうそく25』 東京子ども図書館編 2004) マリア・ニクレビチョバ作 5分

おはなしのろうそく (25)おはなしのろうそく (25) 
著者:東京子ども図書館
出版:東京子ども図書館
(2004-05)

「お月さまが太ったりやせたりするのはどうしてか」のなぜなぜ話です。お月さまが湖から岸にできた銀色の道を渡ってくる場面や、やさしいおばあさんが月にごちそうしている場面など、美しく楽しい情景があり、子どもたちを引きつけます。「昨日の月はやせていたよ!」と教えてくれる子がいたりと、月を眺めるのが楽しくなるお話です。ストーリーテリングをされない方も、読んであげるとよいでしょう。
 
<中学年>
 
『月へ行きたい』 松岡徹著 福音館書店 2014 約10分
 
「遠い月までどうやっていこう?」 月に行くためのいろいろな方法を考えることができる絵本です。風船で飛ぶ、高い高い塔を作るなど自由に想像できるものや、宇宙エレベーターや真空チューブ月行きトレインなど研究中のアイデアも紹介されています。今のところ、月までいった唯一の乗り物「ロケット」についても詳しく書かれています。絵に細かな説明が加えられていますので、興味を持ちそうな箇所を選んで紹介してあげてください。最後の「きみならどんな方法で月へ行きますか?」の問いに、どんな答えが返ってくるのか楽しみです。

『月おとこ』 トミー・ウンゲラー たむらりゅういち・あそうくみ訳 評論社 1998 6分

トミー・ウンゲラー
評論社
1978-07
 
月から地球の人たちが楽しく踊っているのをみていた月おとこは、ある時流れ星につかまって地球にやってきますが、おかしな姿なので警察につかまって牢屋に入れられてしまいます。けれども、月が欠けていくにつれて痩せていく月おとこは、ある晩、まんまと逃げだすのです。気軽に楽しめる不思議で愉快なお話です。
 
<高学年>
 
お話「月を射る」 中国の昔話 (『おはなしのろうそく 27』 東京子ども図書館編 2008) 9分
 
おはなしのろうそく〈27〉
東京子ども図書館
2008-10
 
中国の昔話。昔々、天には太陽があるだけで、月も星もなく、夜になるとあたりは真っ暗でした。ところがある晩、空にぎらぎら燃える月があらわれ、田畑すっかり枯らしてしまいます。山のふもとに住む若い夫婦、弓の名人ヤーラと機織りが上手なニーオは、どうにかして人々を助けようとしますが・・・。月の模様にまつわるなぜなぜ話ですが、神話ような神秘性を感じさせ、大きめの子どもたちも引き込まれます。ストーリーテリングをされない方も、読んであげるとよいでしょう。
 
『月へ アポロ11号のはるかな旅』 ブライアン・フロッカ作・絵 日暮雅通訳 偕成社 約13分
 
月へ アポロ11号のはるかなる旅
ブライアン・フロッカ
偕成社
2012-01-17
 
1969年に初めて月に着陸したアポロ11号の旅を詩的な文章と迫力のある絵でわかりやすく描いています。発射から、順番にロケットが切り離され月へ向かう様子や、宇宙船の中の生活、月面着陸を見ようとテレビを見つめる人々の様子などが、実際に見ているように伝わってきて、地球が空間に浮かんでいる場面では息をのまずにはいられません。アポロ11号に関する知識を得られるとともに、人類の宇宙への大きな一歩となった旅を味わえる1冊です。高学年向きにしましたが、中学年でも十分楽しめると思います。 
 
『星の林 月の船 声で楽しむ和歌・俳句』 大岡信編 岩波書店 2005 (岩波少年文庫)
 
星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句 (岩波少年文庫(131))
岩波書店
2005-06-16
 
日本で伝統的でうたわれてきた定型詩である和歌や俳句の194作が紹介されています。「月」を題材にした作品も、
「天の海に 雲の波立ち 月の不ね 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」 柿本人麻呂歌集(『万葉集』より」)
「月見れば ちぢに物こそ かなしけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」 大江千里 (『古今和歌集』より)
などたくさんあり、日本人もはるか昔から月を眺めていたことがわかります。ぜひ何首か選んで、紹介してあげてください。
 
 <気軽に楽しめる本>
 
『月人石』 乾千恵書 谷川俊太郎文 川島敏生写真 2分
月 人 石 (こどものとも傑作集)
谷川 俊太郎
福音館書店
2005-01-20

筆で書かれた「書」と「写真」と「言葉」が一体となった絵本です。「扉」「猫」「風」「音」「馬」「水」「石」「火」「山」「蟻」「月」「人」の文字が書で表現され、写真と言葉が添えられています。じっと眺めていると、文字はただの記号ではなく、生き生きとした生命をもつものなのだと実感できます。子どもたちと書のもつ美しさと力強さを味わってください。

 (作成 T.I)

基本図書を読む29『時の旅人』アリソン・アトリー


 イギリスの児童文学者アリソン・アトリーは「グレイ・ラビット」シリーズ、「チム・ラビット」シリーズや「サム・ピッグ」シリーズなど動物が主人公の動物ファンタジーの妙手です。これらの作品は、自分で物語が読めるようになった子どもたちの気持ちに寄り添うもの作品で、今も幼年文学として読み継がれています。(児童部会「基本図書から学ぶ第2回」報告を参照)

 今回はそんなアトリーの作品の中でも、タイム・ファンタジーと呼ばれ、ヤングアダルト向けとされる『時の旅人』(イギリスでは1939年刊)を取り上げてみたいと思います。 

時の旅人 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
アリスン・アトリー
評論社
1980-12-20
 
 
 
 
 
時の旅人 (岩波少年文庫)
アリソン アトリー
岩波書店
2000-11-17
 
 
 

「夢か、現か、幻か」・・・読み終えて、浮かんだ言葉でした。

 少女ペネロピーは病気療養のために、兄姉とともにイングランド中部ダービシャー地方にある大叔母ティッシーとその弟バーナバスの住むサッカーズ農場を訪れます。もともと、ほかの家族には見えない亡霊をみる不思議な能力を持っていたペネロピーは、サッカーズ農場を舞台にかつてこの地で生活をしていたバビントン家の人々と350年の時を越えて交流するようになります。

 ペネロピーたちが生活をはじめたサッカーズ農場の屋敷には、350年以上も前に住んでいたバビントン一家の残したものがそこかしこにありました。到着した二日後のこと、ペネロピーは出かける前に2階へひざ掛けを取りに上がり、ドアを開けるとそこに16世紀の衣装を身にまとった貴婦人たちを見ます。そしてティッシーおばさんから、バビントン家の人々と歴史に刻まれているバビントン事件のことを聞かされます。

 その数日後、ペネロピーはまた着替えを取りに2階にかけあがり、ドアを開けた途端に階段をころげ落ちます。気がつくとそこは16世紀のバビントン屋敷の中でした。そこでティッシーおばさんにそっくりのシスリーおばさんに出会います。350年の時間を遡っているにもかかわらず、彼女の姪「ペネロピー・タバナー」として受け入れられ、そこでしばらくの時間を過ごすのです。ところが、門の木戸を抜けると元の時間に戻ってきていたのでした。

 “「すぐもどってきた!」と私はそっと同じことばをくり返しました。何時間も、いえ、何日にも思えるほど、よそに行っていたのに、大きな柱時計の針は私のいないあいだに少しも動いていませんでした。時間と空間を消滅させてしまって、一瞬のうちに何年間も、世界の果てまでも、旅のできる夢のように、私は別の時代に入りこんで、そこで暮らして、柱時計の振り子が半球レンズのうしろで一振りする前に、もとのところへもどってきていました。私はべつの時代のよろこびと不安を味わいました。べつの時代の暮らしの中をしずかに動き、庭を歩き、話をし、あちこちして、そしてまたたくうちに、もどってきたのでした。夢を見たのでもなく、眠っていたのでもなく、私のしたこの旅は、澄みきった空中を通りぬけ、時間を逆もどりした旅でした。たぶん、私はあの時間のかけら― 一瞬間 ―死んで、私の亡霊が年月を飛び越えていったのでしょう。” (岩波少年文庫版『時の旅人』松野正子/訳 p125~126)

 ペネロピーはその後も、時間を飛び越えて過去のバビントン家と関わりを持ち、また元の世界へ戻ってくることを繰り返します。まさにその時代は、イギリスはエリザベス1世統治の世であり、スコットランド女王メアリー・スチュアートとの覇権争いの中、ペネロピーが出会ったバビントン家の跡取りアンソニーは、物語の後半でバビントン事件(エリザベス1世に幽閉されているメアリー女王の脱出を企てるも失敗に終わり、1586年にエリザベス1世暗殺を計画したとして処刑された事件)に関わっていきます。

 その悲劇の結末を知りつつ、過去の時代の人々と関わり、アンソニーの弟フランシスと惹かれあうペネロピー。読み進めるうちに、読者はこの特異な二人の出会いと決して結ばれることがないにもかかわらず確実に心を交わしあう関係に引き込まれていきます。 

 イギリスの児童文学でタイムファンタジーの双璧と呼ばれるフィリパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』(1958)(基本図書を読む㉒参照)では、時計が13時を打つことが過去の時間への入口として明確に描かれていますが、『時の旅人』では過去への明確な入口はありません。読み進んでいるうちにいつの間にかペネロピーが過去の時間に移動し、また現代に戻ってきており、周囲の登場人物からペネロピーが今どの時代にいるのかを類推することになります。

 このことについて、佐久間良子氏は、『現代英米児童文学評伝叢書6 アリソン・アトリー』(KTC中央出版 2007)の中で「このタイム・ファンタジーを成り立たせているのは、いくつもの時間が重なり合って共に存在し、古い家にかつて住んでいた人たちが、そのまま影となってそこに生き続けるという、アトリーの時間についての考えである。そしてアトリーが実際に見た夢を記録し、それについて解説している『夢の材料』では、この時間の概念が、夢と結びつけて語られている。主人公ペネロピ(原文ママ)の時間を越えた旅には、アトリーの語る夢の特質が顕著に表れていて、すべてを夢と考えることができる。しかし、アトリーにとって夢はもうひとつの現実であり、この作品における主人公の時間旅行をすべて夢と解釈しても、主人公の体験の真実性が失われることはない。」とし、アトリーの描き出す世界観の巧さを指摘しています。


 

 それは、この作品のまえがきにアトリー自身が記しているように、舞台となったサッカーズ農場が、アトリーが子ども時代を過ごしたキャッスル・トップ農場の記憶と重なっていたこと、その農場の近くにバビントン家の治めていた土地や館があり、その土地で語り継がれるバビントン家の物語をアトリー自身が聞いて育ったことと関係があるようです。だからこそ物語にリアリティが感じられ、読者はその世界へと惹きつけられていくのだと思います。

 この物語の魅力をまとめてみると第一に、農場を取り巻く季節や花や草などの自然や、古い屋敷の調度品などの細部が丁寧に描き込まれていることです。第3章の「ハーブガーデン」(岩波少年文庫版、評論社版では「薬草園」と訳されている)などは、花の香りまで漂ってきそうです。

 第二に、中世のイギリス史をベースに物語が描かれていることです。ペネロピーが迷い込んだ過去は、イギリス宗教改革を断行したヘンリー8世のあとのエリザベス1世と、スコットランド女王メアリー・スチュアートとの覇権争いの時代でした。二人はヘンリー8世をめぐる血縁関係にあるが故に複雑な王位継承権がからみイギリス国教会を支持するエリザベス1世と、カトリック信者であるメアリー女王は対立します。メアリー女王は長く幽閉された後、エリザベス女王の手によって処刑されるという悲劇的な結末は、イギリス中世史への興味を引き起こします。16世紀後半といえば、日本では安土桃山時代。メアリー女王側についたバビントン家はさながら豊臣側についた真田家だろうかなどと、想像しながら読み進むことができました。

 第三に、この物語の重要なキーワードとなっている「Greensleeves」という歌の存在です。16世紀頃から歌い継がれているこの歌は、恋しい人を想う歌であり、シェイクスピアが喜劇「ウィンザーの陽気な女房たち」の中で触れたり、現代ではオリビア・ニュートン・ジョンなどがカバーして歌っており、また曲はクリスマスキャロル(賛美歌216番)となっているので、耳にしたことのある人は多いでしょう。この歌が過去と現代を結ぶ鍵になっています。ペネロピーがある日、礼拝用の緑のドレスを着たまま過去へ行くと、フランシスがロンドンで今流行っている歌だと言って、聞かせてくれるのでした。この歌は過去の時代でも現代でも物語の中で何度か歌われますが、一番切なく心を打つのは物語の最終盤、ペネロピーが雪の中に佇みながら、ほんの一瞬姿を見せた過去の世界でフランシスが歌う声を聞くシーンでした。ペネロピーはフランシスの歌声をたしかに聞きながらも、生きて過去へ行きフランシスに会うのはこれが最後だと悟るのです。 

 「グリーンスリーブスよ、いざ、さらば!
 神の恵、君が上にあらんことを。
 われ、今も君を愛す。
 ふたたび来りてわれを愛せ。」(岩波少年文庫版 p437)

 

 第四に、旧約聖書・創世記37~50章に描かれた「ヨセフの夢」を、アンソニーの妻、バビントン家の奥方が刺繍していたというエピソードです。「ヨセフの夢」とは、イスラエル民族の始祖アブラハムのひ孫にあたるヨセフが、少年時代に見た夢です。異母兄弟たちが年少の自分にひれ伏すという夢を麦の穂にたとえて話し、嫉妬にかられた兄たちに奴隷として売り飛ばされエジプトへ行くのですが、そこで能力が買われ宰相にまで上り詰めます。後にイスラエルの地に飢饉が起き、兄たちが売り飛ばした弟ヨセフと知らずに援助を請いに来た時に、ヨセフがその兄たちを許し、受け入れるという物語です。血縁関係にある王家の人々の権力争いに夫が巻き込まれようとしている時にバビントン夫人が「ヨセフの夢」を刺繍し、そしてその刺繍したタペストリーの端切が350年以上時を隔てて、客用の寝室でキルトの一部分になってみつかるという手の込んだアトリーの表現に、深い思いを感じ取りました。

  『時の旅人』については、先に取り上げた『現代英米児童文学評伝叢書6 アリソン・アトリー』(谷本生剛/原昌/三宅興子/吉田新一/編  佐久間良子/著  KTC中央出版 2007)や、『作品を読んで考えるイギリス児童文学講座4 花ひらくファンタジー』(中野節子/水井雅子/吉井紀子/著 JULA出版局 2012)に詳しく論じられています。 


 

 また、アリソン・アトリーの伝記『物語の紡ぎ手 アリソン・アトリー』(デニス・ジャッド/著 中野節子/訳 JULA出版局 2006)には、サッカーズ農場の舞台になったダービシャーの美しい風景や建物を収めた写真や、故郷の地図など豊富な資料があり、『時の旅人』の世界を垣間見ることが出来ます。

物語の紡ぎ手 アリソン・アトリーの生涯
デニス ジャッド
JULA出版局
2006-04

 

 なお、私は若い頃に評論社版(小野章/訳 1980)で読みましたが、今回は岩波少年文庫版(松野正子/訳 1998)と両方を読み比べてみました。個人的には慣れ親しんだ評論社版の本が好きなのですが、今の子どもたちには、現代使われている言葉(例えばハッカ草→レモンバーム、水ハッカ→ミント、オランダガラシ→クレソン)で翻訳され、またイギリスで1978年に出版されたパフィン版の挿絵がふんだんに使われている岩波少年文庫版が手渡しやすいでしょう。今回、久しぶりに読んで、深く掘り下げてみましたが、初めて読む子どもたちには、時を飛び越えるロマンティックな物語として、楽しめるのではないでしょうか。

(作成K・J)

「広めよう!図書館を使った調べる学習~指導者育成のための体験講座~in 上野」のご案内


公益財団法人図書館振興財団、国立国会図書館国際子ども図書館共催で、「広めよう!図書館を使った調べる学習~指導者育成のための体験講座~in上野」が開催されます。

「図書館を使った調べる学習コンクール」に参加する自治体も多くなり、夏休みはたくさんのレファレンスがあったのではないでしょうか。

この体験講座では、実際にテーマを決めて、調べまとめるワークショップ形式で行われ、「図書館を使った調べる学習」がどのように学校の授業で行われているのか実際に体験することができるそうです。また、今年2月に開室した国際子ども図書館の「調べものの部屋」で実施されるということで、多彩な蔵書からも学ぶことができると思います。

興味、関心のある方は、参加をご検討下さい。なお、この講座は自己研鑽のための外部研修となりますので、勤務外となり、交通費等の支給はありません。

日 時:2016年10月3日(月) 10:00~16:50(受付開始9:45)

会 場:東京都 国立国会図書館 国際子ども図書館 2階調べものの部屋 (http://www.kodomo.go.jp/

講 師:蔵元和子(読書活動研究家)、丸山光枝(元清泉女子大学講師)、調べる学習の指導経験豊富なサポーターの皆さま

教材費:友の会「図書館の学校」会員2000円 / 一般3000円

申込、詳細は、こちらのホームページをご覧ください。→図書館振興財団 イベント情報

(作成 T.I)

 

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おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り


おはなし会のいろはの3回目は、おはなし会の会場設営と雰囲気作りです。

1回目では絵本の持ち方、めくり方を、2回目では絵本の読み方、声の出し方と、絵本を読む時の技術についてお伝えしてきました。今回は、子どもたちを迎えるための会場設営や雰囲気作りで気をつけるとよいポイントについてお伝えします。

会場設営

1)おはなしに集中できるかどうかを確認する
 子どもたちは目に入ってくる情報が多いと集中力を持続させることが難しくなります。おはなし会専用の小部屋などがない場合は、子どもたちが集中できる環境づくりを心がけましょう。児童室の小上がりや、児童室の一部を区切って行う場合は、おはなし会に参加しない利用者の動きが気になって集中を切らすことがあります。おはなし会スペースを区切るための衝立や、カーテンをつけるようにするとよいでしょう。また、書架が見えていると、子どもたちはそこにある本に気が逸れることがあります。読み手の後ろに書架がある場合などは、おはなし会の間、布をかけておくだけでも集中が違ってきます。
 会場が広すぎる場合も、子どもたちの注意は散漫になり、走り回ったりします。この場合も部屋を衝立やカーテンで仕切って、人数に見合った広さにするようにしましょう。

クッションフロア

小上がりや絨毯敷のおはなしの小部屋ではない場合(会議室など)はクッションフロアを敷いて、くつろいで座れるようにしましょう。オモテ面とウラ面がわかるようにして、清潔に保つことも大事です。

2)危険がないかどうかを確認する
 「あかちゃんおはなし会」「おひざのうえのおはなし会」などと称して、小さい子ども対象のおはなし会をする図書館が増えてきました。ハイハイをする月齢の子どもの参加もあるでしょう。床に落ちた小さなゴミを口に入れてしまったり、絨毯に絡まったホッチキスの針などで指を怪我することもあります。また、歩き始めたばかりの子どもがクッションマットと床のわずか1cmの段差に躓いて転倒する、衝立の下の空間をくぐって向こう側に抜けるとか、つかまり立ちを始めた子どもが不安定な衝立を支えにして立ち上がろうとして衝立ごと倒れるなど、おとなでは思いも及ばないような動きをすることがあります。会場設営をする時は、目線を子どもの高さにして、危険がないかどうか、予め確認しておくことが大切です。

3)ほかの利用者にも配慮する
 おはなしの小部屋や、イベントに使える防音の部屋がない場合は、おはなし会での子どもたちの歓声が館内に響くなどして、騒音としてクレームが来ることがあります。子どもたちがおはなしの世界に入り込んで声をあげることは自然なことで、それを止めることはできません。したがって、おはなし会をしていることを、ほかの利用者に予め知らせるようなボードを、おはなし会会場の近くだけでなく、図書館の入口にも立てておきましょう。そうすることで、利用者の方は、「今日はおはなし会があって子どもたちが多く来ているんだな」という情報を得て、多少の声を寛大に受け止めたり、時間をずらして利用するなどの対応が取れます。
 なお、おはなし会終了後に、参加者の方に「会場を出たらほかの利用者の方に配慮をお願いします」と一声かけて、おはなし会のテンションをセーブするように伝えましょう。参加する親子も、ほかの利用者もお互いに気持ちよく過ごせると良いですね。

4)大きな災害に備えて
 私たちは2011年3月に未曾有の被害をもたらした東日本大震災を経験しました。おはなし会の最中に、再びそのような災害が起きないとは誰も予測できません。どのような災害が襲ってきた場合でも利用者、とりわけ小さな子どもたちの安全をどのように確保するかは、常日頃から考えておく必要があります。おはなし会の部屋で転倒してくるものはないかどうか、避難経路は確保されているかどうか、確認しておきましょう。また小上がりやクッションマットに靴を脱いで上がる場合、その靴をどのように置くかも確認しておきましょう。おはなしの小部屋などがあって靴箱がある場合はよいのですが、それがない場合、なにかあった時にすぐに靴を履いて逃げられるかどうか(地震の場合、裸足での避難は大変危険です)も考えておきましょう。
 参加者が少人数の場合は、親子の靴を揃えてマットや小上がりの脇に並べておけばよいのですが、人数が多いときはパニック状態になると靴が散逸する恐れがあります。あらかじめポリ袋などを配布し、靴を手元に置いてもらうような配慮も必要です。

 

雰囲気作り

1)温かく迎える準備
 子どもは小さければ小さいほど、はじめての場所への不安感があります。まずは出迎えるスタッフが笑顔でお母さんに接してあげてください。お母さんが穏やかでいれば、お子さんも安心することができます。それでも不安から泣いてしまうお子さんもいます。無理強いすることなく、入口の外からおはなし会の様子を伺えるようにして、大丈夫だったら途中からでも入れるようにしてあげましょう。
 なお、おはなし会の常連が増えていくと、ついつい常連の方と雑談などをして初めての参加者が疎外感を味わうことがあります。初めて参加した子どもたちに「はじめて来てくれたのね。ようこそ。お友達と一緒に楽しい時間を過ごしましょうね」などと声をかけ、初参加の子どもが気後れしないように、周囲の子達と馴染むように配慮してあげましょう。

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秋の実りをテーマにおはなし会をするときに、小道具としてどんぐりや栗、まつぼっくりなどを準備しておくとよいでしょう。

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当日、読む絵本以外にテーマに関連するものを集めておくと、おはなし会の終了後の貸出につなげられます。室内の装飾もシンプルで、明るい雰囲気になるようなものがおすすめです。

2)装飾や展示
 おはなしの世界に集中できる程度に、親しみやすい装飾をするとよいでしょう。しかし、子どもに人気のキャラクターなどがあると、そちらに気持ちが引っ張られるということがあるので注意しましょう。
 また、おはなし会のテーマにあったものを用意しておく、例えば秋の季節に「木の実」をテーマにおはなし会をする場合にどんぐりやまつぼっくり、栗などを用意して絵本とともに展示するのもよいでしょう。
 当日、読む絵本だけでなく、季節にあった絵本や関連するテーマの本なども、会場に展示しておくと、おはなし会のあとの貸出につなぐことができます。これらの展示は、入口あたりにしておくとよいでしょう。
 

 

 

 

くまさん

ミトンくまのそばに駆け寄る子どもたち。子どもたちにとって、くまの人形は友達として親しみを感じることができるため、初めての場所でも安心を得ることができます。

2)小道具を用意する
 人見知りをする月齢のお子さん(*)にとって、いきなり知らない人に話しかけられると不安から泣いてしまうことがあります。そのような不安を和らげる小道具がミトンくまなどの人形です。人形が介在することで、小さな子どもがぐっとおはなしの世界に近づいて来ることがあります。上手に小道具を活用しましょう。

 

(*)人見知りは、生後7ヶ月頃から始まります。終わりは個人差があり1歳過ぎに収まる場合もあれば、2歳過ぎまで続くことも。ただ怖がっているわけではなく、人への興味関心があり、近づきたいという気持ちとの葛藤だということです。→科学技術振興機構(JST)「赤ちゃんの「人見知り」行動 単なる怖がりではなく「近づきたいけど怖い」心の葛藤

ミトンくまなどのパペットのキットは「保育と人形の会」で購入することが出来ます。ボア布の周囲が縫ってあります。裏返して綿を詰め、目鼻と尻尾を縫い付けると出来上がります。→「保育と人形の会」サイト内「ミトン人形

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スパークハーフという種類の布。透ける素材です。切りっぱなしでも端がほつれず、速乾性なので洗濯も簡単で扱いやすいです。

 「じぃーじぃーばあ」や、「にぎりぱっちり」、「ちゅっちゅこっこ」など布を使って遊ぶわらべうたをおはなし会でする際には、スパークハーフという布を用意します。この布は切りっぱなしでも端がほつれることがなく、洗濯も簡単ですぐに乾くので扱いやすいです。

 

最後に
 おはなし会は、児童サービス業務の重要な柱のひとつです。児童室に並べられている本がどんな内容で、本の中にどのような楽しい世界が広がっているかを、子どもたちに伝えていく大切な機会です。また、家庭でこそ子どもたちをお膝に乗せて本を読んでもらいたい、そのためにお母さんをはじめとする保護者の方に絵本を一緒に楽しむことの素晴らしさを伝える場でもあります。

 絵本を上手に読むという技術面に走りがちですが、その背景にある「おはなし会」の意義と目的についてもしっかり確認をしたいと思います。

(作成K・J)

2016年(その2)おしゃれな秋(幼児~小学生)


秋、涼しくなってくるとオシャレをしたくなりますね。気温と湿度が快適で、空気が澄んで色彩が際立つからなのでしょう。そんなおしゃれな秋を絵本の世界で味わってみましょう。

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【おしゃれな秋】

導入 詩 「カバがんばる」工藤直子 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』(はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房インターナショナル 2015より) 2分

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19
 
この詩集に収められている工藤直子さんの詩は、おしゃれして好きな子に愛の告白をしようとするカバの気持ちを歌っています。リズミカルなことばを楽しんでみてください。
 
 
 
「朝日をあびて おめかしして
きょうこそ あのこに うちあけよう!と
カバ がんばる
(中略)
でも やっぱりな どうしても
あのこの えがおが みたいもんななあ・・・と
カバ うなだれる
そうさ あしたまた がんばれば いいさ
まるい おしりを 夕日にむけて うちにかえり
カバ ゆめみる」
 
絵本 『まあちゃんのながいかみ』たかどのほうこ/作 福音館書店 1989 4分

 おかっぱ髪のまあちゃんは、ながい髪のともだち二人に自慢されて、いつかもっともっと長い髪に伸ばすんだからと、言い返します。その長さと言ったら髪の毛で釣りができたり、カウボーイのように牛を捕まえられたりできるほど!奇想天外なまあちゃんの長い髪の活用法は、突き抜けていてとても面白いです。

 

絵本 『かようびのドレス』ボニ・アッシュバーン/文 ジュリア・デーノス/絵 小川糸/訳 ほるぷ出版 2015 5分 

ボニ・アッシュバーン
ほるぷ出版
2015-11-20

 

お気に入りのたくさんフリルのついたドレスが小さくなってしまった時、ママが「ぎゃくてんのはっそうがだいじ」といいながら、違うものに仕立て直してくれます。この絵本はユダヤ民族に伝わるイディッシュ語の民謡をもとにした『ヨセフのだいじなコート』(シムズ・タバック/作 木坂涼/訳 フレーベル館 2001)や『おじいちゃんのコート』(ジム・エイルズワース/文 バーバラ・マクリントック/絵 福本友美子/訳 ほるぷ出版 2015)とテーマは同じです。しかしパステルカラーで描かれた躍動感のある絵と表現は、違った印象を受けることでしょう。おしゃれが大好きな女の子の夢が詰まっている絵本です。

 

絵本 『たべられるきのみ』菅原久夫/作 高森登志夫/絵 福音館書店 2004 6分

 おしゃれをするのは、人間だけではありません。秋に色づく木の実たちは、「今が一番おいしい時ですよ」と美しい色で告げています。そんな木の実たちのことを科学の視点で読み物にした絵本です。都会に住んでいると、なかなかお目にかかれない木の実ですが、秋の行楽で野山に出かけた時に、意識的に探してみようと思ってくれるといいですね。真ん中あたりに見開きの絵だけのページがあります。秋の実りの彩りの美しさをじっくりと時間をかけて見せてあげてください。

 

本の紹介 『きのこはともだち―さがす・みつける・たべる』松岡達英/構成 下田智美/絵と文 偕成社 2001 3分

木の実と同様に森や山に生えているきのこは、また綺麗な色をしているものがたくさんあります。この絵本は物語のように文章になっているページと、図鑑のようにひとつひとつのきのこを説明するページとが交互に配置されています。文章になっているところは読みながら、説明ページは簡単に説明をするとよいでしょう。こちらも、都会の生活にはなじみが薄いものですが、身近な公園の茂みの中に小さなきのこを発見することもあります。秋に色づく自然への関心を引き出すためにも、ぜひ紹介したい1冊です。

(作成K・J)

「基本図書から学ぶ第2回」報告


平成28年7月14日に開催された児童部会で、「第2回 基本図書から学ぶ」を行いました。 IMGP5164

今年度は、①基本図書についての知識を深め本を評価する基準をもつ、②本の特徴や特質をとらえ紹介文を書く、という2つの目標を掲げて取り組んでいます。

今回は、『チム・ラビットのぼうけん』(アリソン・アトリー作 石井桃子訳 中川宗弥画 童心社 1967)と『くまの子ウーフ』(神沢利子作 井上洋介絵 ポプラ社 1969 )を課題図書とし、それぞれの本の魅力について話し合い、各部員が作成してきた紹介文の検討を行いました。

詳細は、以下の報告書をご覧ください。

第2回「基本図書から学ぶ」報告書

 

2016年(その1)おやすみなさい(小さい子)


10月の小さい子向けおはなし会プランのテーマは「おやすみなさい」です。10月、秋たけなわ。幼い子どもたちには戸外でたっぷり体を使って遊んで、夜は暖かいお布団に包まって絵本を読んでもらいながら眠りにつく・・・それが一番幸せな一日の過ごし方だと思います。そんな子どもの一日を思い浮かべながら、このプランを作成しました。

なお、このサイトでUPしているわらべうたの楽譜は、ヴィアックスTS室員が耳から覚えて採譜したものです。わらべうたは、地域によって歌詞や音程、速さが違っています。それぞれが歌い継いでいるわらべうたを大切にしてくだされば良いと思います。わらべうたを聴いて育たなかった若い世代の方々のために、参考までに楽譜をUPしています。なお、わらべうたの遊び方も楽譜に書き込んでいますが、子どもの年齢に合わせて無理のない遊び方に変更してください。

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【おやすみなさい】

導入 わらべうた ととけっこう

 

ととけっこう

起こし遊びです。リズムに合わせて人差し指でお子さんの体のあちこちをつついてみましょう。

 

 

 

 

 

絵本 『みんなおおあくび』薮内正幸/作 福音館書店 2003 1分

みんなおおあくび (幼児絵本シリーズ)
薮内 正幸
福音館書店
2003-03-20

 朝です。みんなまだまだ眠くて大あくび。動物たちのあくびの表情が続いたあとに、赤ちゃんの大あくびの表情。さあ、一日の始まりですよ。

 

ここから、一日の遊びを想定してわらべうたのメドレーです。親子でたっぷりと楽しめるように、何度か繰り返しながら遊びます。 

わらべうた あしあしあひる

あしあしあひる

自分で歩くことのできるお子さんの場合は、おとなの足の甲の上に乗せて、歌に合わせて足踏みをします。小さな赤ちゃんの場合は、お膝の上で赤ちゃんの足をもって左右交互に動かします。

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わらべうた きーりすちょん

きーりすちょん

スペースがあれば、大人がお子さんを抱っこして反時計回りに歩き、「ちょん」のところで飛び上がります。だんだんテンポを速めて遊びます。 小さな赤ちゃんの場合は、お膝に乗せて、上下に膝をゆらします。

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた なこうかとぼうか

なこうかとぼうか

赤ちゃんを仰向けに寝かせて、両足を揃えて持ち、左右に動かします。「ひっとべー」で足を体の方へぐっと押し出します。

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わらべうた とっちんかっちん

とっちんかっちん

子どもを膝の上に乗せて、上下に動かします。「いしやのこ」と歌い終わったところで、膝を開いて間に「ドッシーン」と落とします。 2番は、「とっちんかっちん かじやのこ はだかでとびだす ふろやのこ ザッバーン」で、今度は子どもを高く持ち上げます。

 

 

 

 

 

 

 

絵本 『ゆめにこにこ』柳原良平/作 こぐま社 1998 1分

ゆめ にこにこ
柳原 良平
こぐま社
1998-02

 

いろんな表情が出てきます。小さい子ほど、顔の絵を喜びます。それは視覚の発達と密接な関係があります。自分を保護してくれる存在として「(^ー^)」顔の表情をまず見分けるようになるのです。(赤ちゃんの顔の認知)だからこの絵本のいろんな顔の表情に赤ちゃんも大喜びします。

一日を過ごして、休む時、赤ちゃんの脳の中ではフル回転。その日、初めて体験したこと、見たことを、赤ちゃんがぐっすり眠っている間に記憶として刻みつけていくのです。楽しかったこと、嬉しかったことをたくさん思い出してくれる、そんな一日であってほしいと願います。

 

わらべうた おやゆびねむれ

おやゆびねむれ

「おやゆびねむれ~こゆびみな」までは、親指から小指まで順番に触って寝かしていきます。「ねんねしな ねんねしな ねんねしな」では、全部の指を優しく撫でます。

 

絵本 『おやすみ』なかがわりえこ/作 やまわきゆりこ/絵 グランまま社 1986 1分

おやすみ
なかがわ りえこ
グランまま社
1997-03

 

『ぐりとぐら』の姉妹ペアの小さい子向けの絵本です。「あしたは なにして あそぼうか おやすみ おやすみ・・・」明日も楽しい一日が迎えられるように、ゆっくり丁寧に読んであげましょう。

(作成K・J)

 

東京子ども図書館から『ブックトークのきほん―21の事例つき』が出版されました


東京子ども図書館から『ブックトークの基本―21の事例つき』が出版されました。

近年ブックトークは、子どもたちに本を手渡す方法として、学校や公共図書館でさかんに行われるようになってきました。

すでに子どもたちの前で実践している方、これから取組みたいなと思っている方も多いのではないでしょうか。

この本では、「ブックトークの意義とその効果的方法」「ブックトークの歴史と実践のためのアドバイス」の2つの記事と、21の実践事例が掲載されていますので、

基本とおさえると同時に、ブックトークから広がる世界をたっぷり味わうことができます。ぜひ参考にしてみてください。

http://www.tcl.or.jp/pdf/invite/invite292.pdf (東京子ども図書館のホームページより

(作成T・I)

 

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速報:太田大八さんが亡くなられました


またお一人、子どもの本の世界で活躍され、たくさんの優れた作品を残された太田大八さんが8月2日に亡くなられたとの情報を得ました。97歳でいらしたそうです。

JBBY(日本国際児童図書評議会)からの情報なので速報としてお伝えします。また、本日絵本学会からも「太田大八さんのご逝去を悼んで」という声明が発表されました。(→こちら

太田大八さんは、1949年『うさぎときつねのちえくらべ』(羽田書店)で、絵本作家デビューし、130作の創作絵本と230作品の児童書の挿絵を手がけきました。

太田大八さんの絵本作りに関するインタビューが、「KUMONがうた・読み聞かせを応援 mi:te(ミーテ)」サイトに掲載されています。(→こちら

また絵本学会第7回大会の時のインタビュー「太田大八に聞く:なぜ絵本にこだわるか」は、絵本学会のサイトから読むことができます。(→こちら

代表作
『かさ』太田大八 文研出版 1975

この作品では、第18回児童福祉文化賞ほかを受賞しました。

 

『やまなしもぎ』平野直/再話 太田大八/画 福音館書店 1977

やまなしもぎ (日本傑作絵本シリーズ)
平野 直
福音館書店
1977-11-10
 
 この作品は、1977年国際アンデルセン賞優良作品に選定されています。
 

『ながさきくんち』太田大八 童心社 1980

ながさきくんち (日本のお祭り絵本)
太田 大八
童心社
2007-07
 
 この作品は、第12回講談社出版文化賞を受賞しました。
 

 

『だいちゃんとうみ』太田大八 福音館書店 1992 

この作品で、第15回絵本にっぽん賞を受賞しています。
(作成K・J)

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