Yearly Archives: 2017

2017年11月、12月の新刊から(追加あり)
「お話(素話)から学ぶ第4回」報告
2018年2月(その2)そのなまえは…
2018年2月(その1)ゆきこんこん
29年度第4回児童部会
訃報 児童文学翻訳家 上田真而子さん
2月のおはなし会☆おすすめ本リスト(12/19更新)
おすすめ幼年童話9『ごきげんいかが がちょうおくさん』ミリアム・クラーク・ポター
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 12月(再掲)
2017年10月、11月の新刊から(追加あり)
訃報 島多代さん
2018年1月(その2)ぬくぬくあったまる(幼児~小学生)
2018年1月(その1)いぬがいっぱい(小さい子)
1月のおはなし会☆おすすめ本リスト(更新あり)
訃報 パット・ハッチンス

2017年11月、12月の新刊から(追加あり)


2017年11月、12月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。(一部、9月、10月に見逃していた本もあり)

今年一年も、この新刊紹介コーナーを愛読していただきありがとうございました。ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、毎月、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナー、横浜日吉にあるともだち書店、代官山蔦屋書店児童書コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。

本来ならばYA向けの読物もたくさん紹介したいと思いながらも、ひとりで1か月で読める本が限られてしまい、購入しても積読になって、紹介が遅れることもありました。それでもこれからも少しずつ新刊の紹介を続けていきたいと思います。

いつも新しい本の情報を提供し、アドバイスしてくださる上記の書店の新刊担当の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。


 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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【絵本】

『ハッピー・ハンター』ロジャー・デュボアザン/作 安藤紀子/訳 ロクリン社 2017/9/29 

ハッピーハンター
ロジャー デュボアザン
ロクリン社
2017-09-29

 

1961年に出版されたロジャー・デュボアザンの初邦訳です。ハンターの格好にあこがれたポピンさん。でも、ハンターの格好はしても、心優しいポピンさんは動物たちを打ち殺すなんて出来ません。そんなポピンさんと森の動物たちとの心温まるお話です。

 

『ふるいせんろのかたすみで』チャールズ・キーピング/作 ふしみみさを/訳 ロクリン社 2017/10/31

ふるいせんろのかたすみで
チャールズ・キーピング
ロクリン社
2017-10-31

 

1983年にらくだ出版から出ていた『たそがれえきのひとびと』の新装新訳版です。古い線路沿いに長屋が六軒、軒を連ねて建っていました。そこに住むのは貧しいお年寄りたち。彼らは毎週10ペンスずつ出し合ってサッカーくじを買っていました。ある日、そのくじが大当たり。突然舞い降りた幸運、その賞金でみんなが何をするのでしょうか。最後まで読んで、ああこんなふうにお金って使いたいなと思いました。

 

『ひょうたんめん』神沢利子/文 赤羽末吉/画 復刊ドットコム 2017/11/25

ひょうたんめん
神沢 利子
復刊ドットコム
2017-11-25

 

鹿児島県種子島に伝わる妖怪「ひょうたんめん」を神沢利子が再話し、赤羽末吉が絵を描いた昔話絵本です。1984年に偕成社から出版されていましたが、長く絶版が続いていましたが、この度復刊ドットコムから新装復刊されました。ひょうたんめんは、塩も馬も食ってしまうという恐ろしい妖怪で、村人を困らせていました。ある日、馬をひいて塩を買いに行った「おとじろうまごじろう」は帰りが遅くなり、びくびくしながら山道に差し掛かります。するとやっぱり後ろからひょうたんめんの呼び止める声が!ひょうたんめんと、おとじろうまごじろうの攻防やいかに。赤羽末吉の描くひょうたんめんの飄々とした風貌にも注目です。

 

 

『へそとりごろべえ』赤羽末吉/詩・画 童心社 2017/12/7

へそとり ごろべえ
赤羽 末吉
童心社
2017-12-07

 

かみなりのごろべえは、おへそが大好物。たぬきにねずみ、ライオン、そして鬼や大仏のおへそまで「くりんくりんの シューすっぽん」と取ってまわります。しまいには自分のへそも気になって・・・抱腹絶倒の結末におとなも子どもも一緒に楽しめると思います。この度1976年に出版されていた童心社が創業60周年を記念して「ことばと詩のえほん」シリーズの3冊がこの度改訂新版として復刊しました。どれも40年経っていますが、今の子どもたちにとっても新鮮な面白さとして伝わると思います。

 

『あいうえどうぶつえん』小林純一/詩 和田誠/画 童心社 2017/12/7

あいうえどうぶつえん
小林 純一
童心社
2017-12-07

 

童心社「ことばと詩のえほん」シリーズの1冊です。見開き2ページの右側が詩(ことば)、左側が動物の絵になっています。詩は「ひるのあかちゃん けまでいって、 わぎをぬぐら ぷろんとって、 よぎのけいこで あいうえお」と、各行のはじまりがあ行~わ行で始まっていて、リズミカルで楽しい絵本です。

 

 

『かぜにもらったゆめ』佐藤さとる/詩 村上勉/画 童心社 2017/12/7

かぜにもらったゆめ
佐藤 さとる
童心社
2017-12-07

童心社「ことばと詩のえほん」シリーズの3作目は、今年2月に亡くなった佐藤さとるの作品です。眠りにつこうとして、布団の中で、春の夜に吹く風の音に、いたちが来たのか?ロケットが墜落したのか?雷様が落ちたのかも?と、どんどん妄想を膨らませていく男の子。「トントン」「トントントトン」「トトントントン」。短い詩の後に続く擬音が、その空想の世界をさらに広げていくようです。春先にぜひ読んであげたい1冊です。

 

【児童書】

『図書館につづく道』草谷桂子/作 いしいつとむ/挿絵 子どもの未来社 2017/12/18

図書館につづく道
草谷佳子/著
子どもの未来社
2017-12-22

 

山あいの図書館に集まってくる子どもから大人までの10人の、図書館に行き着くまでの物語が、やがてひとつの物語へと編まれていきます。作者の草谷さんは、ご自身でも家庭文庫を主宰し、静岡図書館友の会で活躍されている方だそうです。図書館の思わぬ魅力や、地域での役割が見えてくる、まさに図書館で働く人におすすめしたい1冊です。

 

【研究書】

『えほんのせかい こどものせかい』松岡享子/著 文春文庫 文藝春秋 2017/10/10

 

1987年に日本エディタースクールから刊行されていた松岡享子さんの『えほんのせかい こどものせかい』が、文春文庫になりました。内容は、単行本のそのままですが、巻頭に東京子ども図書館での松岡さんの語りの様子や、館内の様子などを映し出した美しいカラー写真のページが加わりました。121pからの「グループの子どもたちに 絵本を読み聞かせるために」(~144p)は、図書館や学校の朝読の時間など、集団に向けて絵本を読んであげる場合の選書や準備について、初心者向けにわかりやすく書かれています。文庫版になった上に、フォントは単行本の時よりも大きくて読みやすいので、おはなし会に関わる人々の座右の書になると思います。

 

『紙芝居百科』紙芝居文化の会/企画・制作 童心社 2017/11/20

紙芝居百科 (単行本図書)
童心社
2017-11-20
 
日本独自の文化である「紙芝居」の魅力をもっと多くの人に伝えたい、海外の人へも伝えたいと研究と活動を続けてきた「紙芝居文化の会」が紙芝居に関する情報をまとめました。紙芝居の魅力や演じ方や、絵本との違いについてわかりやすくまとめられています。「紙芝居の選び方」として、おすすめの紙芝居が分野別に分類されてリストになっていますので、おはなし会で紙芝居を演じてみようとする時の助けになります。
 
 
『保育に活かす おはなしテクニック~3分で語れるオリジナル35話つき~』こがようこ/著 小学館 2017/12/20
保育に活かす おはなしテクニック: ~3分で語れるオリジナル35話つき~ (教育単行本)
こが ようこ
小学館
2017-12-15
 
今年度、児童部会では「お話(素話)を覚えて語ることを目標にして、「おはなし」とは何なのか、「おはなし」を聞く子どもたちの反応はどうなのか、について研究してきました。この本は保育の現場で長い間、子どもたちにおはなしを届けて来た作者が、幼い子どもたちにおはなしを語る意味をわかりやすく伝えてくれます。またオリジナルの短いおはなしは、今の子どもたちにとってもわかりやすく楽しい展開になっています。幼い子どもたちへの語りについて試行錯誤している方は、ぜひこちらも参考にしてみるとよいでしょう。
 

 

(作成K・J)

「お話(素話)から学ぶ第4回」報告


平成29年11月17日に開催された児童部会で「お話(素話)から学ぶ 第4回」を行ないました。

東京子ども図書館刊のレクチャーブックス・おはなし会入門1『お話とは』(松岡享子/著 2009)をテキストにしての学びも今回が最終回です。第5章「語り手を志す人に」に取り上げられている参考書も併せて読み、グループで話し合いを重ねました。第4回児童部会1お話から学ぶ(6)「幸せの青い鳥」

また、次回からの2回の部会で、全員がお話を覚えて語る発表会をします。まだ、実際に子どもたちの前で語ったことのない部員もいます。そうした発表の機会を通して、お話を自分のものにして子どもたちの前で語れるようにスキルアップしていきたいと思います。

 

 

第4回の学びを報告書にまとめました。詳細はそちらをご覧ください。

第4回「お話(素話)から学ぶ」報告書

報告書作成N区E図書館 F・N)

 

2018年2月(その2)そのなまえは…


私たちの身の回りにあるものには、みんながわかるようになまえがついています。でも、もしそのなまえが呼び慣れないものだとしたら?今回、取り上げる素話はイギリスの昔話で「だんなも、だんなも、大だんなさま」です。短いお話ですがオチが子どもたちに理解できるように語るには少し工夫が必要です。ぜひ挑戦してみてください。

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【あなたのなまえは…】

導入 詩「雪」三好達治 (『ポケット詩集Ⅱ』田中和雄/編 童話屋 2001)より 1分

ポケット詩集〈2〉
童話屋
2001-10-01
 
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。(以下略)」というたった2行の短い詩の中に、雪深い地方の静かに更けゆく冬の夜の情景が浮かびます。子どもたちにはそこまで鑑賞することは出来ないと思いますが、一緒に復唱してもらって雪降る夜を想像してもらえるといいなと思います。

 

素話「だんなも、だんなも、大だんなさま」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン/画 福音館書店 1981、福音館文庫版 2002)より 4分

イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20

私たちの身の回りには、みんながわかるなまえがついています。ベッドはベッド、ズボンはズボン、ネコはネコと。ところが田舎から出てきた女中さんに、その家の主人は違うなまえで呼ぶように申し伝えます。たとえばベッドは「へばりつき」、ズボンは「ドタバタドカン」、ネコは「色白のおどりんこ」というように。さて、夜になってその家でどうも火事が起きたのですが…珍妙ななまえのおかげで起こすのに手間取る女中の娘。それがわかるように、スピード感を持って語ることが肝要です。

 

絵本『つるにょうぼう』矢川澄子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1979 8分半

 雪深い山里で与平が助けた一羽の鶴。その鶴が雪に埋もれるように佇んでいる与平の家へ「女房にしてくださいまし」と訪ねてきます。赤羽末吉が描く情景描写もさることながら、おはなしのテンポもよく、冬の季節に読んであげたい絵本です。最後の鶴が遠くかなたを飛んでいくことばのないページもじっくりと絵を見せてあげてください。

 

絵本『おばけのゆきだるま』ジャック・デュケノワ/作 おおさわあきら/訳 ほるぷ出版 2013 2分

おばけのゆきだるま
ジャック デュケノワ
ほるぷ出版
2013-10-01

 おばけたちが夜の雪原に出て行って、雪合戦にスキーとおおはしゃぎする絵本です。判型の小さな絵本ですが絵がはっきりしているので、遠目も利きます。しっとりとした昔話のあとで少し息抜きの意味もこめて選びました。

 

 写真絵本『きらきら』谷川俊太郎/文 吉田六郎/写真 アリス館 2008 3分

きらきら
谷川 俊太郎
アリス館
2008-11-01

 30点ほどの雪の結晶の写真に詩のように語りかける谷川俊太郎さんがことばをつけました。ひとつとして同じ形のない雪の結晶。そのどれもがきらきらと輝いてきれいです。

(作成K・J)

2018年2月(その1)ゆきこんこん


 この冬の北日本は、早くもたくさんの雪が積もっているようです。北海道も日本海側の地域も12月にこの雪の量は多いとのこと。多雪地帯の苦労を想いつつ、雪をテーマに小さい子向けのおはなし会プログラムを作成しました。わらべうたは昨年の1月のおはなし会プランでも紹介した「雪」を題材にして歌っているものです。わらべうたは何度も繰り返し耳から聴いて覚えていくもの。この季節にはこのわらべうたをと、繰り返し歌いたいと思います。

 

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【ゆきこんこん】

導入 わらべうた うえみればむしこ

うえみればむしこ

雪が降るのを見上げれば虫が降ってくるように見える。目を屋根や木々に向けると綿帽子のように見える。下を見るとたしかに白い雪だと歌っているわらべうたです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ごろんごゆきだるま』たむらしげる/作 福音館書店(0.1.2えほん) 2007

ごろんご ゆきだるま (0.1.2.えほん)
たむら しげる
福音館書店
2007-10-25

 ごろごろ雪がころがって雪だるまに・・・たむらさんご自身が染めた布をアップリケした温か味のある絵本です。ことばのリズムも心地よく小さな赤ちゃんにもぴったりの1冊です。

 

 

わらべうた あめこんこん ゆきこんこん

あめこんこん

輪唱で歌うと楽しいわらべうたです。社員の方はeラーニングも参照してください。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 絵本『ゆきみちさんぽ』えがしらみちこ/作 講談社 2016
 
江頭 路子
講談社
2016-11-10

 雪の日におでかけした幼い子どもの驚きと感動を丁寧に描いた絵本です。最後に登場するお母さんの姿にも安心感があります。寒い日でも元気に外に飛び出して遊びたくなります。

 

わらべうた おおさむこさむ

おおさむこさむ

「おおさむこさむ」では両手で身体をなでます。「やまからこぞうがとんできた なんといってとんできた」は、耳に手をあてる動作を左右交互にします。「さむいといってとんできた」でまた身体をこすります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた おせよおせよ

おせよおせよ

おしくらまんじゅうの歌です。付き添いの保護者と身体をくっつけて押し合います。

 

 

 

 

 

 

 絵本『ゆきふふふ』東直子/策 きうちたつろう/絵 くもん出版 2010

ゆき ふふふ (はじめてであうえほんシリーズ)
ひがし なおこ
くもん出版
2010-10-01

雪の降る日の子どもたちの気持ちを、詩人のひがしなおこさんがリズミカルな言葉で伝えてくれる絵本です。「おでこにしゅわん ほっぺたにしゅわん」 雪の日のはずむ気持ちをこの絵本が伝えてくれています。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J) 

29年度第4回児童部会


11月17日(金)に平成29年度第4回児童部会を開催しました。18名が出席しました。

「お話(素話)を学ぶ」時間では、東京子ども図書館レクチャーブックス・お話入門1『お話とは』の第5章「語り手を志す人に」90ページから104ページを、各グループにわかれて精読していきました。その上で書かれていることについて、それぞれ感想や気づきを述べ合いつつ、話し合いました。テキスト内で紹介されている参考図書についても、読み込み、意見を出し合い、学びを深めました。第4回児童部会2発表会プログラム(2)順番の話し合い

学んだ内容は、別途報告書をUPします。 

また、事務局のAが「しあわせの青い鳥」((折り紙話)『親子で遊べるおりがみ―おりがみとペーパーマジック 増補改正版』ブティック社)を語りました。部員が、お話のあと、いっしょに手順を確認ながら折り紙を折って、お話の世界を楽しみました。 

さらに、第5回、第6回に予定している〔素話発表会〕に向けて、演目構成についても話し合いを行いました。発表する日程により2グループに分かれ、演目の内容説明を行い、プログラム順を組み立てました。

 

 情報共有の時間には、3名が図書館での取組について発表しました。

・「ことばのの問題について(「てんじ」ってなに?)」(新宿区立大久保図書館)第4回児童部会3情報共有の時間①

・「POPを書こう」(中野区立江古田図書館)

 ・「おはなし会スタンプカード」(練馬区立春日町図書館)

(作成A)

訃報 児童文学翻訳家 上田真而子さん


ドイツ文学者で児童文学作品の翻訳を多数手がけられた翻訳家の上田真而子さんが、12月17日午後、京都バプテスト病院のホスピスでお亡くなりになりました。1930年生れの87歳でした。

1982年にはミヒャエル・エンデの『はてしない物語』(佐藤真理子/共訳 岩波書店 1982)で日本翻訳文化賞を、1988年には『あの年の春は早くきた』(クリスティーネ・ネストリンガー/著 岩波書店 1984)で国際アンデルセン賞国内賞を受賞されています。

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』佐藤真理子/共訳 岩波書店 1982

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
ミヒャエル・エンデ
岩波書店
1982-06-07
 
 
 
 
クリスティーネ・ネストリンガー『あの年の春は早くきた』岩波書店 1984
 
あの年の春は早くきた (1984年)
クリスティーネ ネストリンガー
岩波書店
1984-05-14
 
 
 

 

その他にもたくさんのドイツ語圏の絵本や児童文学を翻訳し、日本の子どもたちに紹介してくださいました。(NDLサーチ→上田真而子

以下は主な作品。

ハンス・ペーター・リヒター『あのころはフリードリヒがいた』岩波少年文庫 1977

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 3100)
ハンス・ペーター・リヒター
岩波書店
 
 
 
 
 
 
ペーター=ヘルトリング『ヨーンじいちゃん』偕成社 1985
 
ヨーンじいちゃん (現代の翻訳文学(28))
ペーター=ヘルトリング
偕成社
 
 
 
 
 
 
ヴィルヘルム・ブッシュ『黒いお姫さま ドイツの昔話』福音館書店 1991
 
黒いお姫さま (福音館文庫 昔話)
ヴィルヘルム・ブッシュ
福音館書店
2015-01-10
 
 
 
 
 
『まほうつかいのでし ゲーテのバラードによる』福音館書店 1995
 
まほうつかいのでし―ゲーテのバラードによる (日本傑作絵本シリーズ)
上田 真而子
福音館書店
1995-08-20
 
 
 
 
ホフマン『クルミわりとネズミの王さま』岩波少年文庫 2000
  
クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫)
E.T.A. ホフマン
岩波書店
2000-11-17
 
 
 
 
 
ヨハンナ・シュピリ『ハイジ』岩波少年文庫  2003
 
ハイジ 上 (岩波少年文庫)
ヨハンナ・シュピリ
岩波書店
2017-04-20

ハイジ (下) (岩波少年文庫 (107))
ヨハンナ・シュピリ
岩波書店
2003-04-18
 
 
 
 
 
フェーリクス・ザルテン『バンビ 森の、ある一生の物語』岩波少年文庫  2010
 
 
 

 

 (作成K・J)

2月のおはなし会☆おすすめ本リスト(12/19更新)


2月のおはなし会や特集展示などで使える絵本のリストを更新しました。

「雪」、「バレンタインデー」などのテーマの既刊の本で見落としていたものを数冊ずつ追加しています。また新刊本でテーマに合致する本があれば今後も随時更新していきます。illust3626_thumb (1)

2月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)

 12月19日に2冊追加しました。

 (作成K・J)

 

おすすめ幼年童話9『ごきげんいかが がちょうおくさん』ミリアム・クラーク・ポター


連載第9回は、『ごきげんいかが がちょうおくさん』(ミリアム・クラーク・ポター/作 松岡享子/訳 こうもとさちこ/絵 福音館書店 2004)です。


ごきげんいかが がちょうおくさん (世界傑作童話シリーズ)

ミリアム・クラーク ポター
福音館書店
2004-06-30

どうぶつ村に住むがちょうおくさんは、とてもそそっかしく失敗ばかりしています。

どんな失敗かというと、たとえば自転車旅行の計画をたてた時も、はいていくスラックスばかり心配して、肝心の自転車の手配を忘れたのを出発の瞬間に気づいてしまうとか、朝に玉ねぎの種をまいたら、昼には芽が出ないと騒いで、種の目を覚まさせようと畑に向かって鐘を鳴らして大騒ぎをしてしまったり。そんなドタバタやっているがちょうおくさんと、あきれながらも仲良く付き合っているぶたさん、りすおくさんなどとのやり取りが、ユーモラスです。どうぶつ村の住人はだれもが個性的で、とても人間臭いのです。

たとえば、ふくろうの老婦人は賢いけれど少し遊び心が足りません。屋根の上で食事をしているがちょうおくさんから一緒に食べようと誘われる場面があります。彼女は屋根の上でものを食べる必要があるのかと問いただし、十分な理由がないなら登らないと言います。

利発なりすおくさんも、がちょうおくさんの思いつきを聞かされたときなどは、内心では何か失敗するはずと思います。それでも口には出しません。そしてがちょうおくさんの行動に冷静なツッコミをしたりします。こんなやりとりは私たちの普段の人間関係を思い起こしてニヤリとしてしまいます。おとなが読んでも、とても面白い作品です。

短い6つの物語で構成されていて小学校の低学年から読むことができます。こうもとさちこさんの描く挿絵もやわらかく朗らかで、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。

6つめの物語「クリスマスまであけないで」は、がちょうおくさんが村のみんなのためにクリスマスを用意するお話です。ここでもがちょうおくさんはやらかしてくれますよ。そんながちょうおくさんを囲んで村中のみんなが楽しそうにクリスマスをお祝いしているシーンが、最後の見開きページに描かれています。冬休みの読書におすすめしてもいいですね。

続編に『おっとあぶない がちょうおくさん』(2004)があります。

(作成 29年度児童部会部員M・Y)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 12月(再掲)


12月になり、町もクリスマスの楽しい飾りで華やかですね。子どもも大人もどこかわくわくして、嬉しそうです。そんな12月はクリスマスの本を中心に紹介します。子どもたちとたっぷり楽しんでください!

低学年>

『おおきいツリー ちいさいツリー』 ロバート・バリーさく 光吉夏弥やく 大日本図書 2000 8分

おおきいツリー ちいさいツリー
ロバート バリー
大日本図書
2000-10

もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのおやしきにも大きなツリーが届けられました。けれども大きすぎて天井につっかえてしまったので、執事のバクスターがちょん切って、先っぽを小間使いのアデレードに持っていきました。アデレードは喜んでツリーを飾りましたが、やはり大きすぎたので先をちょん切ると、それを今度は庭師のチムが拾ってまたツリーにして・・・といった具合に、ツリ―は巡っていくのです。行く先々でツリーが歓迎されて喜ばれるのを見ていると、クリスマスの幸せがどんどん大きくなる1冊です。

『ちいさなもみのき』 マーガレット・ワイズ・ブラウンさく バーバラ・クーニーえ かみじょうゆみこやく 福音館書店 約12分

ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マーガレット・ワイズ ブラウン
福音館書店
1993-10-20
 
森のはずれに小さなもみの木がたっていました。ある冬シャベルをもった男の人がやってきて、もみの木を堀り出し、運んでいきます。着いたところは、足の悪い男の子の部屋でした。ちいさなもみの木は美しく飾られ、男の子の部屋でクリスマスを祝うのです。それから毎年もみの木は、冬は男の子のもとで過ごし、春になると森に戻っていきました。ところがある年、雪が積もっても誰ももみの木を迎えにきてくれません。そして待っているもみの木のもとに、あの足の悪い男の子が歩いてやってくるのです! 
 クリスマスの素朴で心あたたまるお話です。易しい文章と赤と緑の美しい絵が、物語のやさしい雰囲気を伝えてくれます。歌が3曲入っていますので戸惑う方もいるかと思いますが、難しい曲ではありませんのでぜひ挑戦してみてください。子どもたちは耳をかたむけてくれ、シンとした空気になります。楽しいだけでなく、時には静かな気持ちになれる本も子どもたちと味わいたいですね。 

<高学年>

『とってもふしぎなクリスマス』 ルース・ソーヤ文 バーバラ・クーニー絵 掛川恭子訳 ほるぷ出版 1994 約20分

チロル地方に伝わるゴブリンの王さまローリン王のお話です。アルプスの谷間の村に、靴屋のお父さんとフリッツル、フランツル、ハンスルという3人の小さな男の子が住んでいました。生活は豊かではありませんでしたが、たまに食べられるごちそうのシチューを「シュニッツル、シュノッツル、シュヌーツル!」と呼ぶなど、明るさを忘れない一家でした。そんな一家のもとに、冬の寒い日、ローリン王が訪れるのです。いたずら好きのローリン王は、3人の男の子にどなったりこずいたりと意地悪しながらも、素敵な贈り物をくれるのです。とても愉快で、心温まるお話です。少し長めですが、子どもたちはローリン王の起こす不思議な出来事にひきこまれて聞いてくれます。

<知識の本>

『サンタクロースってほんとにいるの?』 てるおかいつこ文 すぎうらはんも絵 福音館書店 1982 3分

「サンタクロースってほんとうにいるの?」「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」など、サンタにまつわる子どもたちが抱く疑問に、お父さんとお母さんが、1つ1つき飾らず答えます。「サンタクロースは ほんとにいるよ せかいじゅう いつまでもね」という、最後の答えはいつでも心に残るのではないでしょうか。

 ニューヨーク・サンサース新聞社に届いた8歳の女の子の「サンタクロースはいるんでしょうか」という手紙に、社説で丁寧に答えた『サンタクロースっているんでしょうか?』(ニューヨーク・サン新聞「社説」 東逸子絵 中村 妙子訳 偕成社 2000)がありますが、大きい子にはさりげなく手渡したい1冊です。

『クリスマス・クリスマス』 角野栄子さく 福音館書店 1989 

クリスマス・クリスマス (たくさんのふしぎ傑作集)
角野 栄子
福音館書店
世界で一番大きなお祭りかもしれないクリスマスにまつわる話題がたくさんつまっています。クリスマス・ツリーをなぜ飾るのか、なぜ七面鳥を食べるのか、一つ一つの意味を改めて知ることで、クリスマスに込められた人々の願いを感じ、いつもと違った角度からクリスマスをみることができます。またオーストラリアの真夏のクリスマス、ニューヨークの華やかなクリスマスなど、世界各地のクリスマスの様子も紹介されています。サンタが描かれた古い版画や写真も豊富です。読み聞かせするには少し長いのですが、ぜひ紹介してあげてください。 
 

<詩の絵本>

『クリスマスのまえのばん』クレメント・C・ムーアぶん わたなべしげおやく ウィリアム・W・デンスロウえ 福音館書店 1996 5分

クリスマスのまえのばん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
クレメント・C. ムーア
福音館書店
1996-10-25

クリスマスの前の晩、家の中はひっそり静まりかえり、物音一つしません。そんなとき、外の庭でにぎやかな音を聞きつけた父さんが起きてみると、セントニコラスがトナカイがひくそりに乗って、空から降りてきたのです。プレゼントを置くセントニコラスの様子が楽しく書かれていて、その場面を本当に見ている気になります。1822年のクリスマス・イブに聖書学者のクレメント・ムーア氏によって書かれた楽しい詩の絵本です。この詩にはたくさんの画家が絵をつけていますが、この本は『オズの魔法使い』の挿絵で有名なウィリアム・W・デンスロウが、詩にぴったりの明るく愉快な絵をつけています。詩の最後は、次の言葉でしめくくられています。

「みなさん クリスマス おめでとう! しあわせな よるに なりますように!」

(作成 I.T)

2017年10月、11月の新刊から(追加あり)


2017年10月、11月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナー、代官山蔦屋書店児童書部門、横浜日吉にあるともだち書店などにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。


 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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【絵本】

『やもじろうとはりきち』降矢なな/作 佼成出版社 2017/10/10

やもじろうとはりきち
降矢 なな
佼成出版社
2017-10-06

ヤモリのやもじろうとハリネズミのはりきちは、あかちゃんのころからの仲良しです。なんにでも積極的なやもじろうと、おとなしくて慎重な性格のはりきちは、成長するにつれて少しずつ離れていくのですが・・・降矢ななさんが作・絵を手掛けるオリジナル絵本です。

 

『ようこそロイドホテルへ』野坂悦子/作 牡丹靖佳/画 玉川大学出版部 2017/10/20 

ようこそロイドホテルへ (未来への記憶)
野坂 悦子
玉川大学出版部
2017-10-24

 

オランダ語翻訳者の野坂悦子の創作絵本です。野坂さんには毎年オランダへ行くたびに惹かれる建物があって、それがこの絵本のテーマになっているロイドホテルなのだそうです。1921年にまずは南米移民のための宿泊施設としてスタートしたこのホテルは、その後難民滞在施設、刑務所、少年院、芸術家のアトリエと時代と共に役割を変えてきました。歴史の変遷の中に人間の生の縮図を見たという野坂さんが、ロイドホテルを通して伝えたいことが絵本に結実しています。 

 

『今、世界はあぶないのか? 争いと戦争』ルイーズ・スピルズベリー/文 ハナネ・カイ/絵 大山泉/訳 佐藤学/解説 評論社 2017/10/20

争いと戦争 (児童図書館・絵本の部屋)
ルイーズ スピルズベリー
評論社
2017-10-10

 

冒頭は世界人権宣言の第一条で始まっています。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」しかし現実の世界からは争いは消えず、今、また世界が一触即発の危機に面しています。なぜ争いが消えないのか、そのためにどうすればよいのか、子どもたちに問いかけて一緒に考えてみることができる1冊です。争いは、相手への無理解からもたらされる意見の対立から引き起こされるのです。さまざまな考え方の人がいるということを前提に、親子で、クラスでおとなと子どもが一緒に読んで、話し合うきっかけにできるといいですね。小学校中学年から。「今、世界はあぶないのか?」のシリーズには他に『難民と移民』、『貧困と飢餓』、『差別と偏見』の3冊があります。

 

『とてもとてもサーカスなフロラ』ジャック・センダック/文 モーリス・センダック/絵 江國香織/訳 集英社 2017/10/31

とてもとてもサーカスなフロラ
ジャック・センダック
集英社
2017-10-26
 
 モーリス・センダックが『かいじゅうたちのいるところ』でコールデコット賞を取るよりも7年も前に、実兄のジャックと作った絵本がこの度邦訳されました。訳者は江國香織さんです。サーカス団の中で生まれ育ったフロラは、毎晩サーカスを見に来てくれる観客たちが普段はどんな生活をしているのか知りません。スポットライトの向こうに座っている観客はステージから見るとどの人もみんな同じ顔をしているようで、悪夢まで見るようになってしまいます。自分の不安を取り除くためにフロラは初めてひとりで村まで出かけていきます。フロラの不安な気持ちは、人々が自分と同じだとわかったとき、解けていきました。他人を理解するということがどういうことか、そっと伝えてくれる作品です。文字が小さくて文字数も多めです。小学校中学年から。 
 
 
『貨物船のはなし』柳原良平/作 福音館書店 たくさんのふしぎ傑作集 2017/11/5
貨物船のはなし (たくさんのふしぎ傑作集)
柳原 良平
福音館書店
2017-11-01
 
世界を物が行き来するために欠かせないのが貨物船です。帆船の頃からの貨物船の歴史や、たくさんの荷物を積んでもなぜ沈まないのか構造的な説明もとてもわかりやすいです。また、かつては海外に行くのに使われていた旅客船が飛行機の普及で亡くなった代わりに、滞在型のクルーズ客船ができたことなど、この1冊を読むと船に関するさまざまな知識を得ることができます。調べ学習の導入にも使える1冊です。なお、作者の柳原良平さんは2015年8月に亡くなられています。(→「本のこまど」記事) この絵本は亡くなられる前年に月刊誌「たくさんのふしぎ」4月号として出版されたものを単行本にしたものです。
 
 
『テオのふしぎなクリスマス』キャサリン・ランデル/文 エミリー・サットン/絵 越智典子/訳 ゴブリン書房 2017/11

テオのふしぎなクリスマス
キャサリン ランデル
ゴブリン書房
2017-10-01

 1987年英国生れのキャサリン・ランデルと、2008年にエジンバラ芸術大学を卒業したエミリー・サットンの若い作家コンビの絵本です。絵本の形態をしていますが、しっかりと読みでのある物語になっており絵本から読み物へと橋渡しとして、あるいは親が読んであげるお話としておすすめの1冊です。両親が忙しく、ベビーシッターも居眠りをしてしまっているクリスマスイブ。テオはクリスマスツリーの飾りつけをしながら「だれか、いっしょにいてください。ひとりぼっちじゃなく、いられますように」と祈ります。するとクリスマス飾りの天使や木馬、こまどりに太鼓をたたいているブリキの兵隊たちが、テオに声をかけてきたのです。クリスマスイブに起こる不思議な冒険が、サットンの色鮮やかで繊細な絵で表現されていきます。サットンのちいさなちいさなめにみえないびせいぶつのせかい(二コラ・デイビス/文 越智典子/訳 ゴブリン書房 2015)、いろいろいっぱい ちきゅうのさまざまないきもの(二コラ・デイビス/文 越智典子/訳 ゴブリン書房 2017)も好評でした。

 

 『ジングルベル』キャサリン・N・デイリー/作 J・P・ミラー/絵 こみやゆう/訳 PHP研究所 2017/11/1

ジングルベル (おひざにおいで)
キャサリン・N・デイリー
PHP研究所
2017-10-19
 
クリスマスシーズンになると、あちこちで聞こえてくる「ジングルベル」の歌。耳になじみ過ぎて誰もが口ずさむことができるクリスマスキャロルの定番になっています。1964年にその歌詞をベースに作られたこの絵本は、クリスマスの楽しい雰囲気が暖かい色調で表現されています。PHP研究所の「おひざにおいで」シリーズの1冊です。おひざに子どもをのせて、一緒に歌いながら絵本を楽しめるといいですね。

 

『IMAGINE イマジン〈想像〉』ジョン・レノン/詩 ジャン・ジュリアン/絵 ヨーコ・オノ・レノン/序文 岩崎夏海/訳 岩崎書店 2017/11/30

IMAGINE イマジン 〈想像〉
ジョン・レノン
岩崎書店
2017-11-09

ジョン・レノンが世界の平和を願って歌った「イマジン」が絵本になりました。鳥の目から見たらどこにも国境の線はひかれておらず、人々は国を超え、人種を超えて平和に生きることができると、オリーブの枝をくわえた一羽のハトが象徴的に使われています。他人の立場にたって想像してみること、想像力をつかって他人を理解しようとするその行為こそが、平和を創り出すんだという「イマジン」の精神を子どもたちにも伝えていきたいですね。

 

 『ろうそくぱっ』みなみじゅんこ アリス館 2017/11/30

ろうそく ぱっ
みなみ じゅんこ
アリス館
2017-11-22


おはなし会の始まりと終わりに歌う手遊び「ろうそくぱっ」が絵本になりました。作者は『どんぐりころちゃん』のみなみじゅんこさんです。ろうそくをつけていくと、クリスマスツリーに灯がともります。またツリーのろうそくを消すと「よぞらにキラキラおほしさま」が輝きます。この絵本を読むタイミングは、クリスマスの時期だけという行事絵本です。クリスマスシーズンのおはなし会にぜひ取り入れてみてください。私も早速あるおはなし会でやってみました。普段通りに手遊びをする大人がいて、その隣で絵本をめくります。子どもたちは、自分の指の灯りが、クリスマスの飾りになっていると感じたようで、とても喜んでいました。

 

【児童書】

『グリムのむかしばなし Ⅱ』ワンダ・ガアグ/編・絵 松岡享子/訳 のら書店 2017/11/10

『100まんびきのねこ』などの作品があるワンダ・ガアグはミネソタ州ニューアルム生まれですが、ガアグの父はボヘミア(チェコ)出身 で、ニューアルムの町にはドイツ、オーストリア出身者が多く集まっていました。子ども時代に、父や周囲の大人からグリムの昔話をドイツ語で聞いて育ちます。子ども時代にたっぷり聞いたグリムの昔話を、生き生きとした言葉で再話しました。7月に出版された第1巻につづく第2巻です。こちらには「ブレーメンの音楽隊」、「ラプンツェル」、「三人兄弟」、「雪白とバラ紅」など9つのおはなしが入っています。よき語り手だったガアグの再話を、よき語り手である松岡享子さんが翻訳されました。他の再話と比較してみてください。そしてぜひガアグのグリムを子どもたちに読んで聞かせてほしいと思います。

 

『ふたりのスケーター』ノエル・ストレトフィールド/著 中村妙子/訳 教文館 2017/11/20

ふたりのスケーター
ノエル ストレトフィールド
教文館
2017-11-15

 舞台は第2次世界大戦前のイギリスです。ジョンソン一家の4人兄弟のたったひとりの女の子、ハリエットは10才です。しばらく体調を崩していましたが、お医者さんに体力をつけるためにスケートを勧められます。初めて行ったスケートリンクで、有名なスケート選手の忘れ形見で将来を有望視されているララと、運命的な出会いをします。ララは一人っ子で、しかも英才教育を受けるために学校には通っていなかったのです。ララにとっては初めて出来た同年代の友達ハリエットの存在は、互いに切磋琢磨していくかけがえのない存在へとなっていきます。その過程では嫉妬をしたり、誤解を解こうとして苦悩したり。10代の女の子の心の機微が丁寧に描かれていて、現代の子どもたちにも十分に通じることでしょう。小学校高学年から。

 

【研究書】

『絵本を深く読む』灰島かり/著 玉川大学出版部 2017/11/15

絵本を深く読む
灰島 かり
玉川大学出版部
2017-11-14

昨年6月に66歳の若さで亡くなった翻訳者で子どもの本の研究者の灰島かりさんの『日本児童文学』等の雑誌に連載した評論を、本人が亡くなる前に加筆、修正したいたものが、このほど出版されました。「絵本を深く読む」というタイトルの通り、作品を読み比べ、語句と絵を丁寧に読んで分析しています。現在、大人向け絵本の出版がとても盛んでし、子ども向けの絵本もさまざまなタイプのものが増えてきています。そのような中で、「絵本とは何か」というまっすぐな問いを、読み手に投げかけてくる、そんな1冊です。

 

【その他】

『ネコの時間』日髙敏隆/著 平凡社 2017/10/11

カエルの目玉(大野八生/絵 福音館書店 2011)という子ども向きの作品もある動物行動学の第一人者、日髙敏隆さんのエッセーです。タイトルになった「ネコの時間」以外にも「チョウという昆虫」、「ホタルの光」、「ドジョウは何を食べている?」、「水面を走るアメンボ忍者」など人間の周りにいる動物や昆虫の不思議な生態について綴られたエッセーが30ほど収められています。ちょっとした空き時間に、ひとつひとつを読むのが、ちょっとした楽しみになる1冊です。

(作成K・J)

訃報 島多代さん


1998年から2002年まで国際児童図書評議会(IBBY)の会長を務められた絵本研究家の島多代さんが11月27日に80歳で亡くなられました。(ニュース記事

以下、日本国際児童図書評議会(JBBY)のFacebookページからの引用です。(******で囲った範囲)

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謹んでお知らせ致します。
IBBY会長、JBBY会長を務められた、JBBYの名誉会員・島多代さんが11月27日に帰天されました。享年80歳でした。
島さんは、長い間JBBYだけでなく、IBBYの国際理事、会長としてもご尽力くださり、世界の子どもたちと子どもの本に関わる人たちのために働いてこられました。
感謝と共に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
☆島さんとJBBY・IBBY☆
1986年 東京で開催したIBBY世界大会に参加
1987年~2002年 JBBY理事
1990年~1992年 IBBY理事
1992年~1994年 IBBY副会長
1998年~2002年 IBBY会長(アジアから初めての選出)
2002年 スイス・バーゼルにて、IBBY創立50周年記念大会をIBBY会長として開催
2009年~2011年 JBBY会長(ご病気のため退任)
2011年~2013年 JBBY理事
在任中は皆様から多大なご協力、ご厚情を賜りました。
ありがとうございました。
    一般社団法人 日本国際児童図書評議会

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島さんは、IBBY、JBBYの仕事をされながら、子どもの本についての著作もいくつか出されました。(→島多代さん著作 NDLサーチ)
また、ご自宅では私設図書館ミュゼ・イマジネールの活動も続けていらっしゃいました。

2014年4月23日~5月27日の間、銀座・教文館ウェンライトホールにて、「ミュゼ・イマジネール」の本などを展示する島多代の本棚から 絵本は子どもたちへの伝言特別展も開催されました。その際には、島多代さんの聖心女子大学の先輩にあたる美知子皇后さまもお出かけになりました。
私も会期中に3回、特別展に足を運びましたが、島さんが集められた世界中の貴重な絵本が並べられており、特に第二次世界大戦前の貴重なロシアの絵本などは、見るものを圧倒するものがありました。

2004年(平成16年)には社会貢献支援財団から功労賞を授与されています。

心より哀悼の意を表します。

 
『センダックの絵本論』モーリス・センダック著 脇明子、島多代/訳 岩波書店 1990
センダックの絵本論
モーリス センダック
岩波書店
1990-05-25

 

 

 

『ソビエトの絵本 1920‐1930』ジェームズ・フレーザー、島多代/共編 リブロポート 1991

 

 

『ちいさなもののいのり』エリナー・ファージョン/文 エリザベス・オートンジョーンズ/絵 島多代/訳 新教出版社 2010

ちいさなもののいのり
エリナー ファージョン
新教出版社
2010-10


 

(作成K・J)

2018年1月(その2)ぬくぬくあったまる(幼児~小学生)


幼児~小学生向けのおはなし会プランは、中心になる素話は「だめといわれてひっこむな」(『愛蔵版おはなしのろうそく5だめといわれてひっこむな』東京子ども図書館刊)で、4分ほどの短いお話です。そこで、合せる絵本は3冊でそのうち2冊は長めになっています。寒い冬のおはなし会。みんなでじっくりと聞けるといいですね。

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【ぬくぬくあったまる】

 導入 「ありがたいなぁ おしょうがつ」矢崎節夫(『矢崎節夫童謡集 きらり きーん』JULA出版局 より) 1分

きらり きーん―矢崎節夫童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
矢崎 節夫
JULA出版局
2016-03-01
 
 


「いちねんかけて ぐるーん
 たいようの まわりを
 まわって きたんだ
 たいへんだったね おしょうがつ
 おめでとうございます」  (一部引用)

 

絵本『しんせつなともだち』方 軼羣/作 君島久子/訳 村山知義/画 福音館書店 1965 4分

しんせつなともだち
方 軼羣
福音館書店
1987-01-20

雪がたくさん降った日、こうさぎはたべものをさがしに出かけてかぶを二つみつけます。ひとつは自分で食べて、もうひとつはともだちのろばさんに持って行ってあげることにします。ところがろばさんはお出かけ。そっとかぶを置いて帰ります。ろばはろばで、そのかぶをともだちのこやぎのところへ持っていくのです。優しい気持ちがぐるっとひとまわりする、長く読み継がれているお話から、新年はスタートです。

 

素話「だめといわれてひっこむな」アルフ・プロイセン/作(『愛蔵版おはなしのろうそく5だめといわれてひっこむな』東京子ども図書館刊 より)4分

 

 

おばあさんが暖炉のそばで編み物をしていると、そばの小さな穴からねずみの子どもが顔を出します。そして何を編んでいるか聞きます。おばあさんのだんなさんのセーターだと聞いて、ではだんなさんの古いセーターはどうするの?と聞くこねずみ。「チュー、チュー、チュー。おかあちゃんがきいてこいって」という言い方がなんともかわいいこねずみ。最終的にはこねずみもぬくぬくあったまる素敵なプレゼントをもらいます。くりかえしのある短いお話です。リズミカルに語ってあげましょう。

 

絵本『こうさぎと4ほんのマフラー』わたりむつこ/作 でくねいく/絵 のら書店 2013 7分

こうさぎと4ほんのマフラー
わたり むつこ
のら書店
2013-11-01

 

うさぎまちに住むこうさぎ4人きょうだいの元に、おばあちゃんから温かいマフラーが送られてきます。雪が降り続いたあと、4人のきょうだいは森へとでかけます。そこには春先に出会った大きなぶなの木、ぶなじいがいるからです。7分と少し長めのおはなしですが、でくねいくさんの描くこうさぎたちの表情が生き生きとしていて、子どもたちは一緒になって雪の森を歩いているような気持になれると思います。

 

絵本『おじいちゃんのコート』ジム・エイルズ・ワース/文 バーバラ・マクリントック/絵 福本友美子/訳 ほるぷ出版 2015 10分

おじいちゃんのコート (海外秀作絵本)
ジム エイルズワース
ほるぷ出版
2015-10-28

 

 
イディッシュ語(東ヨーロッパなどで使用されるユダヤ人の言語)の民謡が元になっているおはなしです。同じ民謡を元にした絵本に『おじいさんならできる』(フィービ・ギルマン/作 芦田ルリ/訳 福音館書店 1998)や、コールデコット賞受賞作の『ヨセフのだいじなコート』(シムズ・タバック/作 木坂涼/訳 フレーベル館 2001)があります。それぞれの作品は、最初が赤ちゃんの時におじいさんに贈られたブランケットだったり、すりきれた古いコートだったりするのですが、この作品では仕立て屋だったおじいちゃんが結婚する時に自分で仕立てたコートがはじまりです。古くなってすりきれるたびに上着やベスト、ネクタイと変化していくところは同じですが、最後には孫のためのねずみのおもちゃになるおはなしです。素話「だめといわれてひっこむな」と共通点のある絵本を最後にもってきました。

 

(作成K・J)

2018年1月(その1)いぬがいっぱい(小さい子)


師走でもないのに、この11月は公私ともに多忙を極め、1月のおはなし会プランの更新が遅くなってしまいました。
さて、来る2018年は戌年。小さい子向けのおはなし会プランは『いぬがいっぱい』を中心に組み立ててみました。

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【いぬがいっぱい】

導入 わらべうた 「もちっこやいて」
もちっこやいて(画像)

 

 

 

 

 

子どもたちも、 お正月休みにお餅を食べる機会があったことでしょう。「しょうゆの代わりに次は何をつけて食べようか?」と子どもたちに聞きながら、何回か繰り返して遊んでみましょう。先日は「チョコレート!」と答えたお友達もいました。チョコレート餅もきっと美味しいよね。

 

絵本『おめでとう』茂田井武/絵 広松由希子/文 講談社 2009 1分

おめでとう
広松 由希子
講談社
2009-03-19
 
 小さなサイズの絵本ですが、さまざまな国の人々、どうぶつたちが「おめでとう」と声をかけあっている絵本です。茂田井武の一枚の絵の中のさまざまなシーンが、絵本としてつながっています。読み終わったら、表紙を全部広げて見せてあげるとよいでしょう。
 
 
 
絵本『いぬがいっぱい』グレース・スカール/作 やぶきみちこ/訳 福音館書店 1986 1分半
いぬが いっぱい (福音館あかちゃんの絵本)
グレース スカール
福音館書店
1986-09-30
 
 小さい子が、ベビーカーに乗って、あるいはお母さんと手をつないでお散歩に出かけて出会うどうぶつの代表が犬でしょう。この絵本にはいろんな種類の犬が登場します。いたずらする犬、すました犬、いろんな表情の犬たち。「いぬがいっぱい みんないっしょにわんわん」というところでは、きっと子どもたちも一緒に「わんわん」と声を合わせることでしょう。
 
 
 
 絵本『コロちゃんはどこ?』エリック・ヒル/作 まつかわまゆみ/訳 評論社 1983 1分半
子どもたちに長く読み継がれてきたしかけ絵本です。お母さん犬がコロちゃんを探します。ドアの向こう、ベッドの下、ピアノの中など、その度に違うどうぶつが現れて「ちがうよ」と声をかけます。さあ、コロちゃんはいったいどこかな?読み手と聞き手が一緒になって、コロちゃんを探しましょう。
 
 
わらべうた 「とっちんかっちん」
 
とっちんかっちん
 

 
おひざの上に子どもをのせて、ひざを上下に揺らしながら遊びます。1番のおわり「いしやのこ」と歌った後に、「ドシーン!」と言いながら、足を開いてひざの間に子どもの身体をそっと落とします。2番は「とっちんかっちんかじやのこ はだかでとびだすふろやのこ」と歌い、「ザブーン」と言いながら子どもの脇をもって高く掲げます。なんどか繰り返して遊びましょう。

 

絵本『パパおふろ』きくちちき/作 文溪堂 2017 1分

パパおふろ
きくち ちき
文溪堂
2017-06-07

最後の1冊は、おふろの絵本。パパと一緒にはいるおふろは豪快で楽しい。(ママ、怒らないでね)そんな1冊です。寒い冬はあったかいおふろであったまるのが一番です。

 

わらべうた 「さよならあんころもち」
 

(作成K・J)

1月のおはなし会☆おすすめ本リスト(更新あり)


11月も半ばに入ると、とたんに忘年会の話題が上るようになり、今年もあとわずかであることを自覚させられます。

1月のおはなし会や、展示特集などで使えるおすすめ本のリストは、新刊本はもちろんのこと、今まで見落としていた絵本や、2018年の干支であるいぬの絵本なども加えて更新しました。i-inu136

ぜひ業務に役立ててください。

1月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)(2017/11/28更新)

訃報 パット・ハッチンス


『ロージーのおさんぽ』(わたなべしげお/訳 偕成社 1975)、『おやすみみみずく』(わたなべしげお/訳 偕成社 1977)、『ぶかぶかティッチ』(いしいももこ/訳 福音館書店 1984)や『おまたせクッキー』(乾侑美子/訳 偕成社 1987)など、子どもたちが大好きな作品があるイギリスの絵本作家パット・ハッチンス女史が11月7日にロンドンのご自宅で亡くなったというニュースが入ってきました。(→Publishers Weekly)85歳でした。

1942年生まれのパットは、イギリスはヨークシャーに生まれました。1968年に『ロージーのおさんぽ』でデビュー、1974年には『風がふいたら』(田村隆一/訳 評論社 1981 *現在絶版*)でケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。

パット・ハッチンスの作る絵本は、様式化された明るい色彩の絵、繰り返しのあるリズミカルな文章で、子どもたちが日常の暮らしの中で出合うユーモラスな展開が特徴的です。それは時代の変化に流されない普遍的なユーモアで、今の子どもたちでも十分に楽しむことができます。ぜひ紹介してあげましょう。

『ロージーのお散歩』パット・ハッチンス/作 わたなべしげお/訳 偕成社 1975

ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本)
パット=ハッチンス
偕成社
1975-08-01

 

『おやすみみみずく』パット・ハッチンス/作 わたなべしげお/訳 偕成社 1977

おやすみ みみずく (ハッチンスの絵本)
パット=ハッチンス
偕成社
1977-07-01
 
 
 
 
『ぶかぶかティッチ』パット・ハッチンス/作 いしいももこ/訳 福音館書店 1984) 

 

 

 

『おまたせクッキー』パット・ハッチンス/作 乾侑美子/訳 偕成社 1987

おまたせクッキー
パット ハッチンス
偕成社
1987-09-01
 
 

『ピクニックにいこう!』パット・ハッチンス/作 たなかあきこ/訳 徳間書店 2003
ピクニックにいこう!
パット ハッチンス
徳間書店
2003-04


(作成K・J)

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