Yearly Archives: 2017

子どもに本を手渡す人にぜひ読んでほしい2冊
2017年7月(その2)暑いとね…(幼児~小学生)
29年度第1回児童部会
2017年(その1)はだしになって(小さい子向け)
第49回日本子どもの本研究会 全国大会(50周年記念大会)のご案内
2017年4月の新刊本より(追加)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)
7月のおはなし会☆おすすめ本リスト(追加あり)
2017年3月、4月の新刊から
おすすめ幼年童話2『じゃんけんの好きな女の子』
おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
赤ちゃん向け(0~2歳)おすすめ絵本のリストを更新しました!(訂正あり)
2017年6月(その2)ふるやのもり(幼児~小学生)
2017年6月(その1)ながぐつ ぴちゃぴちゃ(小さい子)
東京子ども図書館「児童図書館員のための 初級研修プログラム 2017 」のご案内

子どもに本を手渡す人にぜひ読んでほしい2冊


今年1月に出版されていながら、手に取るのが遅くなって紹介しそびれていた本が2冊あります。

1冊は子どもの本を専門にする出版社、福音館書店を作り上げてこられた松居直氏の絵本づくりへの篤い思いを膨大なインタビューの中からまとめあげた藤本朝巳著『松居直と絵本づくり』で、もう1冊は長く家庭文庫活動をされた後、54歳の時(1994年)にイギリスに留学し、6年間ヴィクトリア時代の絵本研究をされた当時の様々な記録をまとめた正置友子著『イギリス絵本留学滞在記ー現代絵本の源流ウォルター・クレインに魅せられてー』です。

 

『松居直と絵本づくり』藤本朝巳/著 教文館 2017/1/30

松居直と絵本づくり
藤本 朝巳
教文館
2017-01-25

白百合女子大学大学院に児童文学を学ぶ博士課程が開設された時、男性でありながら院生として迎えられた著者が、講師と院生として出会った福音館書店編集者の松居直氏に絵本や絵本の編集について多くのことを聞き取り記録されたことを1冊にまとめられました。膨大なインタビューの内容は、実は2012年から2014年にかけて、ミネルヴァ書房からシリーズ・松居直の世界として3冊出版されたいます。(『松居直・自伝ー軍国少年から児童文学の世界へ』2012/1/20刊、『松居直と「こどものとも」』2013/7/20刊、『翻訳絵本と海外児童文学との出会い』2017/7/15刊)
そのシリーズとは別の形で、しかも大変読みやすいコンパクトな形で、手に出来ることは、私たち、子どもたちに本を手渡すものにとってはありがたいことです。
戦後日本の絵本を語る時に、松居直氏と福音館書店の月刊「こどものとも」を避けて語ることはできません。この本を読むことによって、長く読み継がれている絵本が、編集者のどのような篤い思いから作られて来たのか、その一端を知ることができるでしょう。

第1部「こどものとも」の編集と松居直
第2部 松居直と名作絵本作り
第3部 松居直とともに絵本を作った人々
第4部 ロングセラーと新しい絵本

以上の4部構成となっており、私たちがよく知っている作品や作者についてわかりやすく解説されているので、親しみをもって読むことができます。
創刊当時から子どもに手渡す本であるからこそ、芸術性の高い絵本づくりを目指した「こどものとも」と松居直氏の姿勢は、デジタル時代を迎えた現代の子どもたちにどのような絵本を手渡していくのか、残していくのかを考えるのにも多くのヒントを与えてくれます。


『イギリス絵本留学滞在記ー現代絵本の源流ウォルター・クレインに魅せられてー』正置友子/著 風間書房 2017/1/31

イギリス絵本留学滞在記
正置 友子
風間書房
2017-02-13
 
著者の正置友子氏は、大学卒業後結婚され、子育ての傍ら、大阪千里ニュータウンで家庭文庫(青山台文庫)活動をずっと続けてこられています。子どもたちに直接本を手渡す活動をする中で、絵本についてもっと学びたい、絵本の歴史について深く研究したいと考え、古今の絵本の蔵書があり、絵本という芸術について造詣の深い研究者のいるところとしてイギリスへ留学します。その時点で、著者は54歳になっており。自分のお子さん達は成人していました。
イギリスでは、ウォルター・クレイン(1845~1915)の絵本に出会い、その運命的な出会いからヴィクトリア時代(1837~1901)の絵本の歴史を研究し、6年後に1千ページに及ぶ英文と900枚の図版入りの博士論文にまとめられました。それが、ヴィクトリア時代の絵本研究として世界で初めての本格的な研究であり、子どもの本の優れた歴史研究であると認められイギリスの子どもの本歴史協会から2008年に「ハーベイ・ダートン賞」を授与されました。
イギリスでの生活のこと、出会った人々のことなど、留学中のさまざまなエピソードが盛りだくさんで読み物として面白く、一気に読んでしまいました。
その中で、一番心に残ったのは、ロンドンの新聞図書館で著者が見つけた新聞記事でした。今から150年前の1865年12月12日づけの出版業界新聞『ブックセラー』の中に記されている言葉です。

「本を制作するとき、子どもの本を作製するときほど、いっそうの熟練の技と、良いセンスに培われた細やかな配慮とが必要とされる分野はないであろう。にもかかわらず、このことは概してなおざりにされてきた。子どもたちにはまるでガラクタモノで充分だというふうに考えられている。なんというひどい間違いだ!もし可能であるならば、本当に美しいもの、純粋なもの、良いものだけが、子ども時代の感じやすい目と耳に提供されるべきである。」(「第4部 ヴィクトリア時代の絵本に魅せられて 第6章 児童文学史上重要な一八六五年 第1節 子どもたちには最高の絵本を手渡すべきであるー一八六五年十二月」p202)
 
 松居直氏が、「こどものとも」で目指した絵本づくりの目標が、すでに150年前のイギリスで掲げられていたこと、そしてヴィクトリア時代の絵本にはウォルター・クレインをはじめとして、そのような作品が生み出されていたことを、この本を通して再確認できました。
 
 この本の「おわりに」で、著者はイギリス留学中に、自分の母と父を相次いで天国へ見送ったことが記されていました。ロンドンとご実家のある名古屋を何度も行き来されたこと、父危篤の知らせを受けた時に英国航空がしてくれた粋な計らいを読んだ時には思わず涙がこぼれました。
 この本を手にすることによって、絵本の研究を志す若い世代が現れることを期待するとも記されています。絵本の研究分野には、文学にも芸術にもデザインにも保育学にも押し込めることのできない広さと奥行を内包しているとして、絵本学の構築を目指して、今また大阪大学の大学院で学んでいるという正置氏。女性の生き方、学び続けることの価値についても教えてくださっていると感じました。
 
この2冊の本は、子どもたちに本を手渡す活動をされている方々にはぜひ読んでほしいと思います。

(作成K・J)

 

2017年7月(その2)暑いとね…(幼児~小学生)


 7月になると、気温もどんどん高くなり真夏日になる日が多くなりますね。暑いと、なんだか集中力も続かなくなる気がします。そんな時のおはなし会は、のんびり肩の力を抜いて楽しめるプログラムにしてみました。

メインの素話は「なまくらトック」です。ボルネオの昔話で、夏に語るのに相応しいおはなしです。ニッパヤシやポメロ、ドリアンなど熱帯ならではのものがおはなしの中に出てきます。日本で生活する子どもたちには馴染みがなく、想像しにくいと感じることもあるでしょう。そのような時は、お話の前に「これからするおはなしにはこんなものが出てくるよ」と、図鑑などで写真を見せてあげてもよいでしょう。私はシンガポールに住んでいたころ、子どもたちにとってニッパヤシやポメロ、ドリアンも身近にあるものだったので 、このお話をよく語りました。

 

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【暑いとね…】

 導入 詩「あおぞら いいな」矢崎節夫 『矢崎節夫童謡集 きらり きーん』(矢崎節夫 JULA出版局 2015)より 1分
「あおぞら いいな
 きもち いいな
 みあげている ぼくが
 のぼっていく
 のぼっていく
 そらに ぼくが
 とけていく いいな
  (後略)    」 

夏の突き抜けるような青空を見ていると、そのまま溶け込んでしまいたいと思うことがよくありました。この詩にはまさにそんな気持ちが謳われています。夏は木陰のデッキに寝転んで「溶けていく」気持ちでお昼寝したいものです。

絵本『¿あつさのせい?』スズキコージ/作 福音館書店 1994 4分

?あつさのせい? (日本傑作絵本シリーズ)
スズキ コージ
福音館書店
1994-09-15
 
暑い日が続くと、ついつい注意緩慢になってしまいますね。スズキコージさんの大胆な絵が、夏の暑さをより一層強調しているようで、思わず引き込まれてしまいます。

 

素話「なまくらトック」ボルネオの昔話『愛蔵版おはなしのろうそく2なまくらトック』東京子ども図書館刊 1998 12分

生まれた時から面倒くさがりやの女の子トック。泣かない育てやすい子だと思われたのも、泣くのが面倒だっただけ。そんなトックは自分の食べるということさえも面倒くさくなってしまいます。ある日の夕方、トックが川岸に座っていると向こう岸に生えているニッパヤシの木が声をかけてきます。どんどん怠け者になってしまうトックですが、お話の最後は急転直下の変化が!。そこがこのお話のだいご味です。暑い夏にぴったりのお話です。

 

絵本『きこえるきこえるなつのおと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイズガード/絵 よしがみきょうた/訳 小峰書店 1998 5分

きこえる きこえる なつのおと (世界の絵本コレクション)
マーガレット・ワイズ ブラウン
小峰書店
1998-06

夏、牧場を訪れた子犬のマフィンはいろいろな音に耳を澄ませています。かえるや動物たちの鳴き声が聞こえてきます。ところが突然すごい音が空から響きわたります。それはいったいなんでしょう。読んでもらう子どもたちにはすぐわかるかもしれませんね。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J) 

29年度第1回児童部会


5月19日(金)に平成29年度第1回児童部会を開催しました。今年度の部員は18名です。

今年度は、以下の目標のもとに「お話(素話)を学ぶ」と、情報共有の時間」の二本立てで活動をしていきます。

平成29年度活動目標
1)お話(素話)についての知識を深める
2)お話(素話)を語る力と、聞く力を育てる
3)児童サービス業務について情報を共有し、各図書館のサービスに活かす

過去2年間、「基本図書について学ぶ」を続けてきた中で、長年読み継がれ、基本図書となる本のテキストは、読んでもらって耳心地がよく、読むほうも読みやすい言葉で書かれているということを知りました。今年度は、その原型になっている昔話を語ることを手始めに、「お話(素話)」の学びを進めていくこととなりました。

まずは、東京子ども図書館刊行のレクチャーブックス・お話入門1『お話とは』をグループで読み込んでいきます。また毎回、事務局やお話の経験者が「お話」を語り、たくさんの「お話」を聞く経験を重ねていきます。その上で、「お話」のテキストをたくさん読み、自分が語るお話を選んでいきます。

この活動を通して、部員が「お話」を聞く楽しさを知り、自分でも語れるようにするのが目標です。経験者はさらに「語る力」のブラッシュアップをしていきます。「お話」に初めて挑戦するものはその意義を知って、お話を覚えて人前で語れるようにし、図書館のおはなし会で実践できるようにします。

 

第1回の活動では、今年度は継続の部員が10名、新規参加の部員が8名となりましたので、まず部会活動のガイダンスを行い、その後自己紹介をしました。

 

「お話(素話)を学ぶ」時間では、「お話(素話)」未体験の部員もいるため、事務局2名による「お話」を学びの前後に入れました。児童部会の様子

この日、語った「お話」
1)「末息子の買ったものは?」『世界のなぞかけ昔話1 どうしてかわかる?』(ジョージ・シャノン/作 ピーター・シス/絵 福本友美子/訳 晶文社)より
2)「くまさんのおでかけ」中川李枝子/作『愛蔵版おはなしのろうそく1 エパミナンダス』(東京子ども図書館)より
3)「エパミナンダス」『愛蔵版おはなしのろうそく1 エパミナンダス』(東京子ども図書館)より

児童部会の様子2

 

 

その後、東京子ども図書館刊行のレクチャーブックス・お話入門1『お話とは』をグループごとに読み込み、感想を述べあい、「お話」を語ることの意義について考えました。このテキストを使った学びは4回にわけてやっていく予定です。

 

 

 

IMG_6506IMG_6505

 

1月と3月に全部員がお話を語る「発表会」を実施します。自分に合う「お話」のテキストを選ぶことの大切さを学んだので、これから皆さんが何を選ぶのか、楽しみです。

 

 

 

後半の「情報共有の時間」では、事務局のAより、おはなし会ですぐに使えるさまざまなアイディアを実物を使って紹介し、今後の情報共有の方向についての説明を行いました。

(作成K・J)

2017年(その1)はだしになって(小さい子向け)


暑い夏ははだしが気持ちいいですね。はだしで遊ぶ夏の子どもたちを思い描きながら、おはなし会プランを作成しました。

【はだしになって】

導入 わらべうた「ととけっこう」

ととけっこう

 

 

 

 

おはなし会のはじまりに使えるわらべうたです。パペットのくまさんを起こします。
子どもたちにも加勢してもらいましょう。

パペット素話「くまさんのおでかけ」中川李枝子/作 『エパミナンダス 愛蔵版おはなしのろうそく1』(東京子ども図書館編/刊 1997)より

エパミナンダス 1
東京子ども図書館
1997-12

 パペットのくまを使って素話をします。パペットは「保育と人形の会」で作成キットを購入することができます。

また、パペットを使っての演じ方は、『手作りの本 手ぶくろ人形の部屋』(高田千鶴子/作 偕成社 1982)に詳しく書いてあります。(「保育と人形の会」のサイト→こちら

 

手ぶくろ人形の部屋 (手作りの本)
高田 千鶴子
偕成社
1982-06

 

 

 

わらべうた「うみだよかわだよ」

うみだよかわだよ

 

 

 

 

 

 

スパークハーフの大きな布などを使って、遊びます。遊び方はこちらを参考にしてください。(→こちら

 

絵本『がたんごとんがたんごとんざぶんざぶん』安西水丸/作 福音館書店 2012

がたんごとん がたんごとん ざぶんざぶん (赤ちゃん絵本)
安西水丸
福音館書店
2012-05-08

 

小さな子どもたちが大好きな『がたんごとんがたんごとん』汽車にのせてもらうものが海に関するものになります。「ざぶんざぶん」という波の音が心地よいですね。

 

わらべうた「おふねがぎっちらこ」


おふねがぎっちらこ

 

 

 

ふねに乗って海にこぎだせば、気分はもう海辺にいるかのようです。お母さんのお膝の上で向かい合わせに座って、手を引っ張り合いながらふねをこぎます。

 

絵本『はだしになっちゃえ』小長谷清実/文 サイトウマサミツ/絵 福音館書店 2014

 

 

わらべうた 「こまんかこまんか」

こまんかこまんか

 

 

 

 

「おふねがぎっちらこ」と繋げて遊んでもよいでしょう。こちらはお母さんが、お子さんの体をもって左右に揺らします。最後は大きく横に転がってみるのも楽しいでしょう。

絵本『うしろにいるのだあれーうみのなかまたち』accototo ふくだとしお+あきこ/作 幻冬舎 2008

うしろにいるのだあれ―うみのなかまたち
accototo
幻冬舎
2008-05

 

いるか、うみがめ、とびうお、らっこ。うしろだけでなく、上や下にいるのはだれかな?と、読んでいくと小さな子どもたちも集中して絵を追っています。最後の1冊はお楽しみ本です。子どもたちの様子をみて省略してもよいでしょう。

 

わらべうた「さよならあんころもち」

 

(作成K・J) 

第49回日本子どもの本研究会 全国大会(50周年記念大会)のご案内


日本子どもの本研究会の第49回全国大会(50周年記念大会)の案内が届いています。

今年度のテーマは、「変わる読書、変わらない本の力~子どもの本に未来を託して半世紀~」です。

記念講演は落合恵子さんによる「ことばの力、本の力、人の力」、分科会は「絵本」、「乳幼児と本」、「小学生と読書」、「中学生以上の読書」、「特別支援と読書」、「ノンフィクション」、「学校図書館の実践」、「探求的な学び」、「図書館の外部委託」、「地域の読書活動」となっています。

関心のある方はぜひ時間を作ってご参加ください。尚、自己研鑽の一環として勤務ではなく自費で参加する外部研修としてお知らせしています。

日 時:2017年7月29日(土)~7月30日(日)summer_i174s

会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟・センター棟

主 催:日本子どもの本研究会

申込、詳細は、こちらのホームページをご覧ください。→日本子どもの本研究会全国大会

 

2017年4月の新刊本より(追加)


4月の出版された本の中より、保護者・研究者向けの本2冊を紹介します。

(その他の本について、こちら→2017年3月、4月の新刊から

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『深読み!絵本『せいめいのれきし』』真鍋真/著 岩波科学ライブラリー260 岩波書店 2017/4/13

1964年に石井桃子の翻訳で出版され長く読み継がれてきた『せいめいのれきし』(バージニア・リー・バートン/作 石井桃子/訳 岩波書店)の改訂版が、この本の著者真鍋真の監修で2015年7月に出版されました。(「本のこまど」での紹介記事→こちら)この絵本を子ども時代に何度も繰り返して読み、長じて科学者になった著者が解説する『せいめいのれきし 改訂版』の見どころ解説です。絵本の中に描かれていることをわかりやすい言葉で解説し、実際の写真なども添えるなど、読めば読むほど地球上の生命の歴史に興味がわき、もっと知りたいと思います。カラーの図版や、コラム記事などもたくさんあり、絵本の解説書としてだけでなく、この1冊だけでも十分に楽しめます。小学生高学年からYA世代、そして保護者まで多くの年代の人に手渡したい1冊です。この本は代官山蔦屋書店児童書コンシェルジュYさんのおすすめです。

 

『子どものアトリエ―絵本づくりを支えたもの』西巻茅子/著 こぐま社 2017/4/25

銀座・教文館9階ウェンライトホール(第2会場→6階ナルニア国・ナルニアホール)で5月28日まで開催中の「西巻茅子絵本デビュー50周年展」に合わせて出版された西巻茅子の初エッセー集です。50周年展の展示解説ボードに記された言葉が、そのまま1冊の本になって手元に置いておけることに感激しました。『わたしのワンピース』をはじめとして西巻茅子の絵本が子どもたちを魅了し続けるのか、そこに子どもの心に寄り添う作家の眼差しがあることに気がつきます。この展覧会を見に行く機会がない方も、西巻茅子の絵本に込められた思いを、この1冊を読むことで深く知ることができるでしょう。なお、展覧会は前期(~5月7日)と一部原画が入れ替えられ、後期展覧会として5月28日まで開催されています。機会があれば、ぜひ覗いてみてください。

(作成K・J) 

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)


新年度がはじまって一か月がたち、一年生も学校に慣れ、ようやく学校生活が動き出したころだと思います。

春の遠足などの行事が予定されている小学校も多いのではないでしょうか。

緑の木々と元気な鳥のさえずりが爽やかなこの季節、野鳥を保護し、自然に親しむ週間として、鳥類保護連絡協議会が愛鳥週間(5月10日~5月16日)を設けています。

そこで5月は、愛鳥週間にちなんで鳥に親しむことができる絵本を中心に選びました。

<低学年向け>

 絵本『かもさんおとおり』 ロバート・マックロスキーぶんとえ わたなげしげおやく 福音館書店 1965
 
かもさんおとおり (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
 
かものマラードさんとマラードおくさんは、ボストンのチャールズ川の中洲に巣を作りました。生まれた8羽のひなが成長すると、ボストンの公園の池に引越しをすることになりますが、車の多い通りを大行進したため、大騒ぎとなります。絵は、茶色のセピア色の優しい色ですが、大きな判型なので、遠目が聞きます。「ジャック、カック、ラック、マック、ナック、ウァック、パックにクァック」という子がもたちの名前も楽しく、読み聞かせをすると笑いがおこります。15分くらいと少し長めですが、おおらかであたたかい雰囲気を、たっぷり味わえる1冊です。
 
<中学年向け>
絵本『がちょうのペチューニア』 ロジャー・デュボワザン作 まつおかきょうこ訳 冨山房 1999 13分 
がちょうのペチューニア
ロジャー・デュボワザン
冨山房
1999-01-16
おばかさんのがちょうのペチューニアは、ある日本を見つけます。本に親しむものは賢くなると聞いたペチューニアは、本の中に文字が書いてあることも知らずに、ただ鞄のように持ち歩いて、賢くなった気になります。得意になって首も長く伸びたペチューニアは、困っている動物たちの相談にのるのですが、おかしな助言ばかりで動物たちはひどい目に合ってしまいます。自信満々で間違ったことを教えるペチューニアに笑いがおこります。P24の箱に書いてある「きけん はなび とりあつかいちゅうい」は本文にはありませんが、そっと教えてあげてもよいでしょう。ユーモラスな絵と鮮やかな色使いもお話にぴったりの絵本です。気軽に愉快に楽しんでください。
 
<高学年向け>
絵本『鳥の巣みつけた』 鈴木まもる 文と絵 あすなろ書房 2002 8分以上
 
鳥の巣みつけた
鈴木 まもる
あすなろ書房
2002-04
 
鳥たちが家のまわりで様々な巣を作っていることを知った著者は、世界中の鳥たちがどのような巣を作っているのか調べにいきます。5メートルもある大きなアパートのような巣やサボテンのとげに囲まれた巣など様々な面白い巣が紹介されますが、いずれも大切な子どもを育てるために、環境に合わせて工夫した巣を作っていることがわかります。スケッチ風の優しい絵で巣の様子が描かれていますので、ゆっくりめくって見せてあげてください。ただし、1ページにたくさんの巣が紹介されているページは、大まかな紹介だけして、後から手にとってみてもらってもよいと思います。
 著者の鈴木まもるさんは画家として、『ピン・ポン・バス』(竹下文子作 鈴木まもる絵 偕成社 1996)などの絵本も手がけていますが、日本や外国の鳥たちの使い終わった古巣を多数収集していて、鳥の巣に関する本も出版しています。読み聞かせできる本、図鑑のような本、エッセイ風の本などがありますので、図書館にある本を確認しておいて、状況にあったものを紹介してみてください。
  
<科学の本>
 『くちばし どれが一番りっぱ?』 ビアンキぶん 田中友子やく 薮内正幸え 福音館書店 2006 8分
くちばし どれが一番りっぱ? (福音館のかがくのほん)
 
小さいくちばしのヒタキに向かっていろいろな鳥たちが、自分のくちばしを自慢しあいます。上と下がくいちがったくちばし、ひげのあるくちばしなど、面白い特徴のあるものが次々登場し、鳥のくちばしは、こんなに工夫されているのかと、感心します。薮内正幸さんの絵も、くちばしの特徴がよくわかると同時に、自慢する鳥たちのほこらしげな様子が伝わってきます。子どもたちの「へぇー」という顔が見られる1冊です。
  
 <気軽に読める本>
『とりがないてるよ』 ヨアル・ティーベリぶん アンナ・ベングトソンえ オスターグレン晴子やく 福音館書店 2014 3分
 
とりがないてるよ (世界傑作絵本シリーズ)
ヨアル・ティーベリ
福音館書店
2014-03-12
 
13種類の鳥の鳴き声が紹介されています。
各ページに鳥の絵と、「フィフィ、フィフィ、フィフィー ゴジュウカラは フルートをふいてるみたい」といった簡単な説明があります。鳴き声の字体は、丸字だったり、大きさが違ったりと、鳥に合わせて工夫されていて、鳴き声の雰囲気が伝わってきます。気軽に鳥の鳴き声を楽しむことができる1冊です。
 また、もっと鳥の鳴き声を知りたい子には、『鳥のなき声ずかん(ずかんライブラリー)』(薮内正幸ぶんえ 篠原榮太もじ 佐藤聰明おと 福音館書店 2011)も合わせて紹介してもよいと思います。
 
<おまけの詩>
『どうぶつはいくあそび』 きしだ えりこ作 かたやま けん絵 のら書店 1997
  
どうぶつはいくあそび
岸田 衿子
のら書店
1997-12
 
動物たちが作った愉快な俳句が、「はる」「なつ」「あき」「ふゆ」のまきで紹介されています。動物たちの素直な俳句に寄せた、かわうそ師匠の感想も楽しいです。動物によっては、日本語ではなく、その動物の言葉で俳句を作っていますので(訳文はあります)、「なんと言っているでしょう?」といったクイズ形式で楽しむこともできます。ことりのぴいこも鳥語で「ころころち ぴちくち・・・」といった愉快な俳句を作っています。
 
 今回紹介した本は、公共図書館向けの5月おはなし会プラン「2014年(その2)いろいろなとりたち(幼児~小学生)」「2016年(その2)いろいろなとりたちpart2 (幼児~小学生)」でも紹介しているものが多くあります。おはなし会プランの幼児~小学生向けで紹介している本は、学校図書館でも活用できるものがありますので、ぜひ参考にしてください。
 
(作成 T.I) 

7月のおはなし会☆おすすめ本リスト(追加あり)


7月のおはなし会や、特集展示などで使える本のリストを更新しました。2016年、2017年に出版された本も追加しました。

プリントアウトしてファイリングしたり、利用者からの問い合わせにもご活用ください。

7月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)

 7月17日に、リストに追加、更新しました。

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2017年3月、4月の新刊から


2017年3月、4月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。(一部2017年1月および2月下旬発行のものあり)

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。

 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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【絵本】

 

『くろねこトミイ』神沢利子/作 林明子/絵 復刊ドットコム 2017/2/25

くろねこトミイ
神沢 利子
復刊ドットコム
2017-02-28

 1978年にひかりのくに社から出版された『おはなしひかりのくに くろねこトミイ』を底本に復刊された絵本です。1973年に福音館書店月刊かがくのとも『かみひこうき』でデビューした林明子さんが、神沢利子さんのお話に絵をつけていた比較的初期の作品です。仲良しのまこちゃんが知らないおじさんの車に乗り込んだと知ったくろねこトミイが、クロヒョウのごとく大きくなって、まこちゃん救出に向かいます。いつもはごろごろ甘えているトミイの凛々しい姿が、きっと子どもたちの記憶に残ったのでしょう。復刊希望が多く寄せられ復刊ドットコムから出版されました。
 
 
『猫魔ヶ岳の妖怪ー福島の伝説』八百板洋子/再話 齋藤隆夫/絵 福音館書店 2017/3/8

この本には、 福島に本当にあった話として伝わる四つの伝説が入っています。表題作の「猫魔ヶ岳の妖怪」は会津地方に伝わる伝説で、山に捨てられ、妖怪になってしまった猫と、退治を命じられた鉄砲うちの若者のふれあいと悲しい別れを描いています。その他に伊達市山舟生の伝説「天にのぼった若者」、福島市笹木野の伝説「大杉とむすめ」、福島市松川の伝説「おいなりさまの田んぼ」が収録されており、少し重いお話から、読みやすいお話までバラエティーに富んでいます。再話者の八百板さんは、福島県中通り出身です。ブルガリア・ソフィア大学留学経験があり、『吸血鬼の花よめ―ブルガリアの昔話』、『いちばんたいせつなもの―バルカンの昔話』、『ナスレディンのはなし―トルコの昔話』、『ほしをもったひめ―セルビアのむかしばなし』などバルカン半島各地の昔話を再話して出版しています。また留学体験記『ソフィアの白いばら』も書かれています。いずれも福音館書店刊です。機会があれば合わせて読んでみるとよいでしょう。 

 

『ぼくのおじいちゃん』カタリーナ・ソブラル/作 松浦弥太郎/訳 アノニマ・スタジオ 2017/3/12

ぼくのおじいちゃん
カタリーナ・ソブラル
アノニマ・スタジオ
2017-03-17

 人はかならず老いていきます。子どもたちにとって、老いるということがどんなイメージで捉えられるかは、その後の生き方にかかわる大切なことです。この絵本に描かれるおじいちゃんは、とても自然体で、さわやか。人生の時間を軽やかに楽しんでいます。歳を重ねるって素敵なことだなと、感じることでしょう。同じアパートメントに住む仕事に勤しむ現役のライトさんの生活を対比的に描いていて、忙しい勤務をリタイアした後の実り豊かな人生の日々をスマートに描いた絵本です。代官山蔦屋書店児童書売り場のコンシェルジュYさんに教えていただいた1冊です。

 
 
『ママのて』やまもとゆうこ/作 こぐま社 2017/4/15

ママのて
やまもと ゆうこ
こぐま社
2017-04-04

 小さな子どもにとって、ママの手ほど安心するものはないと思います。おにぎりを握ってくれる手、折り紙を折ってくれる手、お絵かきしてくれる手、お風呂で洗ってくれる手。この絵本ではママは手だけ描かれています。読んでもらった子どもたちは自分のママを思い描きながら聞くことができます。小さな子どもたちの読み聞かせにぴったりの絵本です。

 

【ノンフィクション絵本】

『ながいながい骨の旅』松田素子/文 川上和生/絵 桜木晃彦(宝塚大学教授)、群馬県立自然史博物館/監修 講談社 2017/2/23

ながいながい骨の旅
ながいながい骨の旅 [単行本]

松田 素子
講談社
2017-02-24

 『せいめいのれきし』のように、この地球上に生命が誕生してから現在までを時系列でわかりやすく説明する子ども向けの優れた本はこれまでもありましたが、この本は、特に「骨」に注目して作られた科学絵本です。いつ、「骨」が生物の中に生まれたのか、そしてそれはどのような役割を持っているのか、生物の進化に密接に影響を与えてきたのか、「骨」の進化の歴史を読み解くと、私たちの体が実に地球上の物質(ミネラル)を使って精巧に組み立てられていることがわかり、自然と生命のつながりを深く考える視点を与えてくれます。
 
 
 【児童書】
 
『ありづかのフェルダ』オンドジェイ・セコラ/作・絵 関沢明子/訳 福音館書店 2017/3/8 
ありづかのフェルダ (世界傑作童話シリーズ)
オンドジェイ・セコラ
福音館書店
2017-03-08

 チェコの子どもの本の黄金期(二つの大戦の間)に活躍したオンドジェイ・セコラ(1899~1967)の作品『ありのフェルダ』(2008)、『とらわれのフェルダ』(2011)の完結編がこの作品です。赤い水玉スカーフのはたらきあり「フェルダ」が登場するこのシリーズは、チェコでは知らない子はいないという長く読み継がれた作品です。この作品では、女王ありの産んだ卵から幼虫がかえり、さなぎから成虫になっていく様子を描いています。フェルダは、赤ちゃんありのためにミルクを出すアリマキを捕まえてきたり、お芝居をしたりと大活躍をします。そんな時に、大切なさなぎが盗まれる大事件が!この本も代官山蔦屋書店児童書コンシェルジュYさんにすすめていただきました。なお、2008年に国際子ども図書館では「チェコへの扉―子どもの本の世界」という展示会がありました。チェコの児童書のリストはこちらから見ることができます。→こちら

 
 
『河童のユウタの冒険 上』斎藤惇夫/作 金井田英津子/画 福音館書店 2017/4/15
『河童のユウタの冒険 下』斎藤惇夫/作 金井田英津子/画 福音館書店 2017/4/15
 
  

河童のユウタの冒険(下) (福音館創作童話シリーズ)
斎藤 惇夫
福音館書店
2017-04-12
 
『冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間たち』(岩波書店)の斎藤惇夫氏が満を持して発表する長編作品です。下巻あとがきには、この作品を書くことに至った経緯が書かれています。それは今年1月に出版された荒木田隆子氏による『子どもの本のよあけ―瀬田貞二伝』の解説(『子どもの本のよあけ』p469)にも同様に書かれているのですが、瀬田貞二さんは、『指輪物語』の翻訳に取り組んでいたころに「我が国最後の天狗が、最後の魔法を使って戦いを挑む物語を書きたい」と斎藤氏に話していたというのです。信州の仕事場の前を通る炭焼きの老人が、人間に身をやつした天狗に見えきたのだそうです。しかし、瀬田氏はその思いを果たすことなく病に倒れます。天狗の話を書いていただかないと困ると言い寄る斎藤氏に、「これほど自然破壊がすすんでしまった国で、もう天狗の話は書けません」と答えた後に、そのアイディアを継いでほしいと瀬田氏が遺言されたと書かれています。(「あとがき」p400~401) 上下巻を手にしたとき、その分厚さに一瞬ひるみますが、読み始めるとぐいぐいと引き込む力があります。北国の「恵みの湖」で穏やかに暮らしていた河童のユウタのもとに、ある日尾が九に分かれているアカギツネが現れ、娘の旅の仲間にと声をかけるのでした。旅の目的もわからぬままキツネの娘アカネと、天狗のハヤテと龍川の水源を目指す旅へ出ます。彼らとともに、この旅の目的はなんだろうと探りながら読むのはとても楽しいものでした。金井田英津子氏の版画による挿し絵も、この本の魅力を高めています。文庫活動で中で紹介をしたら、小学5年生の女の子が早速、夢中になって読みふけっていました。この国にまだ残る豊かな自然と天狗や河童たちが息づく場所を、大切にしたいと思いました。
 

 
【ノンフィクション】
 
『世界がもし100人の村だったら お金篇 たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち』池田香代子/C・ダグラス・スミス対訳
   マガジンハウス 2017/01/30
 
 2001年に『世界がもし100人の村だったら』が出版された時は、アメリカ同時多発テロの起きた後だったので、富の分配の不公平について考えさせられたものです。それから15年以上が過ぎて、世界情勢はあの頃以上に複雑になってきました。グローバリゼーションの反動も各地で起きています。この本は、その後、10億人増えた世界人口と、その過程で貧富の格差が広がったことを伝えてくれます。「100人の村では1人の大金持ちの富と99人の富がだいたい同じです」。貧しい者たちは、50人。世界の半分の人たちが食べるものにも事欠くという事実も突き付けられます。そして、それに対して、どうすればよいかを考えるヒントも与えてくれます。現代社会について学ぶYA世代が気軽に手に取れる1冊としておすすめします。
 
 
『知らなかった、ぼくらの戦争』アーサー・ビナード/編著 2017/4/2

知らなかった、ぼくらの戦争
アーサー ビナード
小学館
2017-03-28

第二次世界大戦終結から72年が経ち、当時実際に戦場に赴いた経験のある人、空襲など過酷な戦争体験をした人々の年齢がどんどん高齢化し、亡くなっていく方々が増えている今、その体験を書き記しておかなければ永遠に語られることのないままになってしまいそうです。この本は詩人のアーサー・ビナードさんが、そうした危惧を抱きつつ、1990年に来日して以降、勝戦国アメリカ人という立場から「日本の戦後」について考え、また多くの戦争体験者から直接聞いた話をまとめ、戦争とはいったい何なのかを私たちに問うています。現状を見ると、緊迫する朝鮮半島情勢などから、もはや「戦後」という雰囲気ではなく、戦前の状況に似てきたとする戦争体験者の声もあるほどです。私たちが今の状況を客観的に判断するためにも、第二次世界大戦を体験した人々の生の声に耳を傾けることはとても大事なことでしょう。

 

【研究書】
 

『子どもの本から平和を考える』児童図書館研究会/編 児童図書館研究会 2017/2/25

2015年11月に児童図書館研究会が主催して行われた児童文学者、山花郁子さんの「戦後七〇年、子どもの本から平和を考える」と題した講演会の講演録です。また機関誌『こどもの図書館』に連載された特集記事、ここ最近出版された平和を考えるための関連本リストも収録されています。子どもたちに平和について考えてもらう時の参考になると思います。この資料についての教文館ナルニア国の記事も併せて紹介します。→ナルニア国の紹介文

(作成K・J)

おすすめ幼年童話2『じゃんけんの好きな女の子』


連載の2回目は、『じゃんけんの好きな女の子』(松岡享子/文 大社玲子/絵 学研教育出版 2013)です。

主人公の女の子は、もう寝なさいと言われても、お手伝いをしなさいと言われても「じゃんけんに勝ったらね」。相手がいないときは、右手と左手でひとりでじゃんけん。なんでもかんでもじゃんけんで決めてしまうほど、じゃんけんが大好き。

 


 

ある日女の子がひとり留守番をしていると、いっぴきのねこがやってきて「ここがきみのうちだってことは……ちゃんとじゃんけんできめたのか?」と聞き、「ぼくがきみとのじゃんけんにかったら、ここはぼくのうちで、おとうさんとおかあさんもぼくのおとうさんとおかあさんになる」と言いだしたものだから、さあ大変。女の子とねこのじゃんけん、どうなるのでしょうか?くすっと笑える、ねこの手のじゃんけんは、挿し絵の手のアップで楽しめるものになっています。

この作品は、40年前に発売以来、かしこい女の子とまぬけなオオカミのやりとりが楽しく読み継がれてきた『なぞなぞの好きな女の子』の姉妹版です。松岡享子さんの文に、大社玲子さんの絵のコンビも健在。今回の主人公は、ねことのじゃんけん勝負をきっかけに、「じゃんけんにかってもまけても、しなくちゃならないことは、しなくちゃならないの。」と、ぐーんと成長した姿を見せます。

著者のいっしょに暮らすねこが、作品の絵のモデルをつとめたり、見返しの絵までじゃんけんぽん!という、いろいろなお楽しみがつまった幼年童話です。

第1回『おはようスーちゃん』は→こちら


(作成M・A)

おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方


昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

 

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連載1回目の「絵本の持ち方 めくり方」は多くの方に見ていただき、「いいね」もたくさん押していただきありがとうございました。

2回目は「絵本の読み方 声の出し方」です。前回も書きましたが、これは図書館や学校など大勢の子どもたちに向けておはなし会を開催する場合を想定しています。ご家庭で自分のお子さんのために読むときは、どんな読み方をしてもOKです。大好きな親や祖父母がそばで自分のために読んでくれる!というだけで嬉しいのです。読み方にこだわることはありませんので、利用者から質問があった場合はそのようにお伝えください。

【絵本の読み方】7042d4ba

①導入 

 初めておはなし会を担当する時は、子どもたちの視線が一斉に自分に集まり、また後方で見ている保護者の方々も視界に入ってきて緊張すると思います。読み始める前に、ゆっくりと深呼吸をして、息を整えましょう。また子どもたちを一回り見渡して、「最初に読む絵本は、これだよ。」「次はどんなお話かな?聞いてね」など、少し会話をしてみると、子どもたちとの距離が縮まって緊張を解くことが出来ます。

 おはなし会は、図書館スタッフが一方的に子どもに本を読むショーではありません。読み手と聞き手が一緒におはなしを楽しみ、その場の雰囲気を作っていくものです。読み手が交代したり、次の絵本に移行するときに、無言のままやっているおはなし会に出くわしたことがあります。聞き手にも緊張感が伝わり、雰囲気がとても硬くなっていました。ほんの一言声をかけると場が和むものです。

 

②表紙の読み方

 読み始める前に、本の表紙をしっかりと見せて、タイトルと作者名、画家名、翻訳者名などを読み上げます。ただし1回目でも書きましたが、おはなし会の対象が小さなお子さんの場合はタイトルだけで良いでしょう。幼稚園の年長児や小学生を対象に読むときは、作者名など本を作った人への意識が高まり、特定の作家、画家のファンになったりします。

表紙は、子どもたちにとって別世界への扉です。これからどんなおはなしが始まるのか、期待を膨らませることでしょう。

 

③見返し

 見返しもすべてゆっくりとめくっていきます。作品によっては、見返しに描かれた絵から物語が始まっていたり、伏線になっていることがあります。お芝居で開幕のブザーが鳴って緞帳が上がっていく時のような期待感を高めることとなります。

 

④声の表情と、間の取り方

 おはなし会の研修などでよく質問を受けるのが、登場人物などを声音を変えて読むかどうかということです。子どもたちが物語の世界をイメージし、その世界に入り込んでいくのを邪魔しないために読み手は出来るだけ淡々と読むのが良いという主張もあります。(読み手は黒子に徹するという意味で「黒子説」と呼ばれています。)

その一方で、絵本を読んでもらうことに慣れていない子や、普段アニメーションばかり見ている子にとっては淡々と読まれていると、面白さがわかる前に飽きてしまうので、臨場感溢れるように声音を変え、身体的動作やBGMなども時には使ってドラマティックに読んだほうが良いと主張もあります。(読み手のパフォーマンスに依るということで「パフォーマンス説」と呼ばれています。)

そのどちらが正しいとは断言できない問題だと私は思います。つまり、それは作品によって違うと考えるからです。たとえば、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』(まさきるりこ/訳 福音館書店)や、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』(瀬田貞二/訳 福音館書店)などは、静かに淡々と読んであげたほうが、子どもたちはすっとこの作品の世界に入り込んでいけます。

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マリー・ホール・エッツ
福音館書店
1963-12-20
 
 
 
 
よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ユリー・シュルヴィッツ
福音館書店
1977-06-25
  

 

 

逆に、ドラマティックに場面が展開していく 『三びきのやぎのがらがらどん』(マーシャ・ブラウン/作 瀬田貞二/訳 福音館書店)では、大きながらがらどんが登場する場面は、それまでの小さながらがらどんや、中くらいのがらがらどんよりも大きなしわがれた声で「おれだ!おおきなやぎのがらがらどんだ」と読まないと、この作品の面白さは伝わりにくいでしょう。(フォントも大きくなっています)

 何度もしつこく言うようですが、しっかりと下読みをする中で、どんな読み方がその作品の世界観を子どもたちに伝えられるか、感じ取ることが大切です。

自分ひとりで判断できない場合は、一緒におはなし会を担当する同僚とリハーサルを重ねながら検討していくとよいでしょう。お互いに読む作品を声に出して読み合う中で、声の出し方やめくるタイミングなども合わせてアドバイスをお互いにしましょう。

なお、無理に声音を作る必要はありません。ゆっくり読む、早口で読む、あるいは声の大きさを変えるだけで、物語の雰囲気をより深く伝えていくことが出来ます。(おじいさんやおばあさんはゆっくり読む、小さな子どもは早口で読むだけでも雰囲気が伝わります)
 

 それと合わせて、ページをめくる速さや間も大切にしましょう。文章を読み終わった後もじっくりと絵を見せておきたい場面と、さっと次のページに移行したほうが、子どもたちがその世界に入り込める場合とがあります。どのように読めば、その物語の世界をより子どもたちに伝えられるか、あらかじめ何度も読んでみて考えておく必要があるでしょう。十分な下読みをし、また誰かに聞いてもらっておくことをおすすめします。

 長新太の『キャベツくん』(文研出版)を例にあげてみます。

キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)
長 新太
文研出版
2005-02

 

キャベツくんが「こうなる!」といいました。” で見開きのページが終わり、次のページの冒頭では “「ブキャ!」ブタヤマさんは そらをみて びっくりしてしまいました。” と受けるのが繰り返されます。この場合、ページはサッとめくらないとそれこそ「間」が抜けてしまいます。また、「ブキャ!」の部分は、平坦に読むよりも、ほんとうに驚いた感じが伝わるように大げさなくらいに大きな声で読むほうが、この作品の面白さがより伝わります。

かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
冨山房
1975-12-05

  モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』(神宮輝男/訳 冨山房)には、見開きで3シーン、字のないページが続きます。ここは主人公マックスとかいじゅうたちが繰り広げるかいじゅうおどりを子どもたちに堪能してもらうために、じっくりと絵を見せます。ご家庭ではいろいろな擬音を作ってかいじゅうおどりの様子を表現して遊ぶ親子もいると聞きますが、図書館など集団の場で読む場合は、こちらから特に働きかけずに、子どもたちが思い思いにその世界に入り込めるよう、みんなに見えるようにじっくり絵を見せながら、十分な間を置いて次のページへとめくっていくとよいでしょう。

 

⑤オノマトペ(擬音語、擬態語)絵本の読み方

 

 

がたん ごとん がたん ごとん (福音館 あかちゃんの絵本)
安西 水丸
福音館書店
1987-06-30

 

 

オノマトペの絵本は読み方がとても難しいですね。2010年にフェリス女学院大学で開催された絵本学会で、谷川俊太郎さんがオノマトペ絵本について語られました。(「ことばと絵」 →絵本学会会報No.40参照)谷川俊太郎さんご自身が『もこもこもこ』を表情豊かに、抑揚をつけ、楽しそうに読んでくださいました。「もこっ・・・も~こ~も~~こ~~~」と大げさなほどでしたが、「もこもこもこ」と平易に読んでいては伝わらない「大きく膨らんでいく様子」の描写が音から伝わってきて、どんどん引き込まれていきました。谷川さんは講演の中で「文字で読むのと声を出すのでは全然違うものになる。音声化する場合にはオーバーにやらないと面白くないと思うんです。」とおっしゃいました。

『がたんごとんがたんごとん』も平易に読むよりは、電車が来る本当の音のように抑揚をつけて読むと小さな子どもたちも大喜びします。もちろん、無理やり抑揚をつける必要はありませんが、谷川さんの発言は参考になると思います。

 

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背中が曲がっていると、声帯が圧迫されて声が通りにくくなります。椅子に座る場合は浅くかけて、背筋を伸ばしましょう

【声の出し方】

 声の出し方については、専門家のボイストレーニングを一度受けることができれば一番良いのですが、それができない場合の基本的なアドバイスをいくつか書いておきます。

①姿勢を正し

 姿勢が悪いと声がまっすぐに前に向かって出ません。まずは姿勢を正しくすることを心がけましょう。背中が曲がっていると、喉が圧迫されて、声帯をきれいに震わせることが出来ません。そうするとはっきりと発音が出来ず、聞き取りにくくなります。また、必要以上に声帯にに負担がかかり、喉を痛めてしまいます。
 姿勢を保つためには、筋力が必要です。「おはなし会に筋力?」と意外に思うでしょうが、正しい姿勢を保つために腹筋、背筋に意識し、普段からストレッチをするように心がけましょう。

 

 

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立つ場合も同じです。猫背にならないようにします。

②呼吸法

 腹式呼吸を心がけます。息を吐くときにお腹をへこませ、吸うときにお腹を膨らませます。そのことを意識しながら、ゆっくりと呼吸をします。うまくできないときは、仰向けに横になり、おへその下あたりに手を置いてやってみましょう。腹式呼吸で発声をすると、喉に負担をかけることなく、しっかりとした声を出すことが出来ます。大きな会場などで読み聞かせをする時などは、この発声の仕方を覚えておくと良いでしょう。インターネットで「発声法 腹式呼吸」で検索すると自宅でできるボイストレーニングのサイトや動画がたくさん出てきます。参考にしてみてください。

 

③滑舌をよくする 

  滑舌が悪いと明瞭な発声ができません。演劇などの練習に使われる口を動かす練習をしておきましょう。まずは口角の動きに意識して、母音を発声してみます。

 「あ」は大きく口を開く、「い」は口角を耳元に引き上げるように気持ちで横に伸ばす、「う」は唇をすぼめて前に出す、「え」は口を横に大きく開きながら舌を下歯茎につける、「お」は口の中に大きな空間をつくる感じで声を出します。この口角を意識して動かすエクササイズは小顔効果もあるそうですよ。その上で、口の形を意識しながら、演劇の練習などでも使われる発声練習をします。

 あえいうえおあお かけきくけこかこ させしすせそさそ たてちつてとたと なねにぬねのなの はへひふへほはほ まめみむめもまも やえいゆえよやよ 

 られりるれろらろ わえいうえをわを がげぎぐげごがご ざぜじずぜぞざそ だでぢづでどだど ばべびぶべぼばぼ ぱぺぴぷぺぽぱぽ

 その他にも、北原白秋の「五十音」(あめんぼあかいなあいうえお・・・ではじまる詩)や、外郎売の口上、早口言葉などで滑舌の練習を普段からしておくとよいでしょう。

(作成K・J) 

赤ちゃん向け(0~2歳)おすすめ絵本のリストを更新しました!(訂正あり)


2014年12月に発行して以来、更新が出来ていなかった「赤ちゃん向け(0~2歳)おすすめ絵本」のリストを更新しました。

2014年以降に出版された絵本の中からも、ピックアップしています。(追加した本には*がついています)

赤ちゃん向けのおはなし会だけでなく、カウンターやフロアワークで「赤ちゃんにどんな絵本を読んであげればいいですか?」と質問を受けた時などにこのリストを紹介してください。PDFファイルなので、自由に印刷して使っていただけます。

赤ちゃん向けおはなし会で使える絵本リスト2017

(作者名に間違いがありました。4月20日に訂正して更新しています)

(作成K・J)

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2017年6月(その2)ふるやのもり(幼児~小学生)


 6月のおはなし会のメインの素話は、「ふるやのもり」です。瀬田貞二の再話で、田島征三が絵を描いた福音館書店の絵本もロングセラーとして読み継がれていますが、5,6歳以上の子どもたちには素話で聞かせてあげたいものです。
「ふるやのもり」という耳慣れない言葉に、おじいさんたちの家に忍び込んだ泥棒やおおかみと同じに「いったいなんだろう?」と、ぐいぐいと耳を傾けていくことでしょう。
関連して、雨の季節の絵本を組み合わせてみました。
 
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【ふるやのもり】
 
導入 詩 「あめふり」あめつぶじゅんこ 『のはらうたⅡ』(工藤直子 童話屋 1985)より 2分
よういどんと くもからとびおりました
あめつぶみんながはしると
それにたくさんんのあめつぶができました

 あめつぶ ひとつぶ あめいっぽん
 あめつぶ ふたつぶ あめにほん
 あめつぶ ひゃくつぶ あめひゃっぽん

あめつぶみんながはしると
かぜがおっとっとっとでんぐりかえし
でんぐりかえりしました
ことりが うひゃひゃと
くすがったがりました
 (中略)
きょう そらは あめつぶでいっぱい  (一部抜粋)
のはらうた 2―くどうなおことのはらみんなのはらうた 2―くどうなおことのはらみんな
著者:工藤 直子
販売元:童話屋
(1985-05)



 
 
 素話「ふるやのもり」瀬田貞二/再話 『おはなしのろうそく4』(東京子ども図書館/編・刊 1988)より 8分

 雨の降る夜に、村はずれのじいさん、ばあさんの家に忍び込んだ泥棒とおおかみは、二人が「この世で一番こわいのはふるやのもり」と言っているのを聞きます。自分たちよりもこわいものとはいったい何だろうとパニックになる泥棒とおおかみの様子がありありと見えるように語ってください。また、その後のさるが登場する部分との話のリズムの違いにも気をつけて語るとよいでしょう。現代の家屋では雨漏りを経験することが少なくなって、この話を語ってもきょとんとしていた、という語り手の感想を聞いたことがあります。絵本だと絵に助けられて想像出来ますが、素話では「ふるやのもり」=「雨もり」だとわかるように、「そのうちに、雨がざんざとふってきて、古い家のあちこちで、ポツリポツリと雨もりがしてきました。」の部分を大切に語るとよいでしょう。

おはなしのろうそく 4
東京子ども図書館
2001-06
 
 オリジナルのテキストは、「おはなしのろうそく4」に入っています。こちらのテキストは、素話を覚えるためのもので字体が小さめです。薄い冊子になっているので、通勤時にかばんに入れておいて、覚えるのに便利です。
 

 

 「おはなしのろうそく3」と「おはなしのろうそく4」を合冊した愛蔵版です。ハードカバーになっており、子どもが自分で手に取って読めるようになっています。字体が大き目なので、小さな字では見づらいという方は、こちらのテキストで覚えるとよいでしょう。 

 

 
 絵本『かばくんのふね』岸田衿子/作 中谷千代子/絵 福音館書店 1964 3分
かばくんのふね(こどものとも絵本)
岸田 衿子
福音館書店
1990-09-15

大雨で動物園も水没して大変です。でもかばの親子がふねになって、小さな動物を助けに来てくれました。みんなかばの背中に乗って一安心。ゆったりとしたリズムで読んであげるとよいでしょう。

 

 絵本『あまやどり 新自然きらきら5』久保秀一/写真 七尾純/文 偕成社 3分

あまやどり (新・自然きらきら (5))
七尾 純
偕成社
2002-05

かたつむりやかえるはあめふりが大好き。その一方で昆虫たちは羽が濡れるのを避けてみんなあまやどりをしています。この写真絵本は、かたつむりの視点から雨の日の昆虫の姿を紹介してくれています。写真絵本ですが、ストーリーになっているので、読み聞かせに仕えるでしょう。

 

 

 絵本『にじ』さくらいじゅんじ/作 いせひでこ/絵 福音館書店 1998 4分

にじ (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)
さくらい じゅんじ
福音館書店
1998-05-15

雨上がりに出るにじ。男の子はにじを横から見たらどう見えるのかな?上から見たら?真下から見たら?と、いろいろな疑問を抱きます。そこでおとうさんは、にじが見える公園の噴水に連れて行ってくれました。にじがどうして見えるか、子どもの視線からわかりやすく伝えてくれる絵本です。


(作成K・J)
 

2017年6月(その1)ながぐつ ぴちゃぴちゃ(小さい子)


雨降りの季節は、小さなお友達の足元に小さな長靴が似合う季節です。子どもたちは長靴が大好き。履いて歩くよりも、どろんこにしたり、中に水が入った長靴を履くときのその感覚を面白がっているようです。

長靴を履いて歩く季節。すべての子どもたちが、雨の季節も健やかに、楽しく過ごせるようにと願いながら、こちらのプランを作成しました。

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導入 わらべうた このこどこのこ
このこ どこのこ かっちんこ
このこ どこのこ 〇〇ちゃん
遊び方 お膝の上に赤ちゃんをのせて、お母さんがそうっと揺れます。
「〇〇ちゃん」というところで、子どもの名前を呼びます)


わらべうた あめあめやんどくれ
あめあめ やんどくれ
あしたのばんに ふっとくれ

あめあめやんどくれ

 

 

 

 

遊び方 もともとは靴を投げて その裏表で天気をうらなう遊びです。
 ここでは、歌に合わせて お膝を上下に揺らします)

 

絵本 『あめ ぽぽぽ』ひがしなおこ/作 きうちたつろう/絵 くもん出版 2009 2分

 「ぴとぴと ぽとん」「さあ さあ さあ さあ」「ぽ ぽ ぽ ぽぽぽぽぽ」「ぴち ぱちゃ ぽちょ」雨音を表現する擬音語の豊かなこと。雨の日もこうして楽しめるといいですね。

 

絵本 『おさんぽ おさんぽ』ひろのたかこ/作 福音館書店(0.1.2えほん) 2008 1分

おさんぽ おさんぽ (0.1.2.えほん)
ひろの たかこ
福音館書店
2008-06-20

2015年の「おはなし会プラン」でも紹介しました。 雨上がりにおさんぽする男の子の足元だけが描かれています。ながぐつの中に水が入っても大丈夫。バシャッとみずたまりに足を踏み込むシーンは子どもたちも嬉しそうです。子ども時代だからこそ楽しめるこのような感覚を大事にしてほしいなと思います。

 

絵本 『たっちゃんのながぐつ』(改訂版) わかやまけん/作 こぐま社 2013 2分
 
たっちゃんのながぐつ
わかやま けん
こぐま社
2013-04

おとうさんに買ってもらった黄色の長靴。たっちゃんは大喜びです。長靴はいて砂場で遊びます。でも、夢中になって遊んでいるうちに長靴が見当たらなくなっちゃいましたよ。出てくるかな?「こぐまちゃん」シリーズのわかやまけんの作品です。 

 

わらべうた きゃーろのめだまに
きゃーろのめだまに きゅうすえて
それでもとべるか とんでみな
おっぺけ べっぽー べっぽっぽー

 きゃーろのめだまに

 

 

 

 

 

唱え歌です。折り紙などで作ったカエルを上下に動かしながら歌ってみましょう。

 

絵本 『おうまさんしてー!』三浦太郎/作 こぐま社 2009 1分半

おうまさんしてー!
三浦 太郎
こぐま社
2009-05

 最後の1冊は、父の日にちなんでおとうさんの出てくる絵本です。おとうさんの背中にのって、おうまさん。でもね、おとうさんといっしょに、くまさんの背中にのって進んでいくと・・・最後は横に広がるページがあって、子どもたちも「わあー」と大喜びです。

わらべうた かえるがなくからかえろ

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)
 

東京子ども図書館「児童図書館員のための 初級研修プログラム 2017 」のご案内


東京子ども図書館で、児童図書館員のための初級研修プログラムへの参加募集が始まっています。

この研修は、東京子ども図書館の研修生のための研修に参加できるというプログラムです。児童サービスの経験の浅い方を対象として、全日程に参加できることを前提に募集が始まっています。

 

詳しくは東京子ども図書館の公式サイトより、募集のページをご覧ください。(→こちら

 

なお、自己研鑽のための外部研修(費用等、自己負担)としてご案内しています。illust117

 

(作成K・J)

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