Yearly Archives: 2017

9月のおはなし会☆おすすめ本リスト2017(追加あり)
訃報 おかべりかさん
訃報 日野原重明さん
『物語の森へ 児童図書館基本蔵書目録2』への想いを聞いてきました!
おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方(再掲)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 7月(再掲)
おすすめ幼年童話4『ちびっこタグボート』ハーディー・グラマトキー
2017年5月、6月の新刊より(その2)
訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん
『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去
2017年5月、6月の新刊より(その1)*追加資料あり
2017年(その2)ぐんぐん、どんどん(幼児~小学生)
訃報 ウルフ・スタルクさん
2017年(その1)暑くても元気!(小さい子)
8月のおはなし会☆おすすめ本リスト

訃報 おかべりかさん


昨日は日野原重明先生が105歳で亡くなられたニュースをUPしましたが、漫画家のおかべりかさんが8日の亡くなられたというニュースも昨日飛びこんできました。(→こちら

2011年に休刊になった福音館書店の月刊誌「おおきなポケット」に連載されていた『よい子への道』は、「おとなが決めたよい子の枠にはまらない」のがこどもらしいよい子なんだという、子どもたちにとっては心強いメッセージが盛り込まれていて、おとなも子どもも大笑いの1冊でした。のちに『よい子への道2』も出版されましたし、同じ「おおきなポケット」からは『とちめんぼう劇場』も出版されています。

また偕成社から出されているおばけやさんシリーズ(1~7)も子どもたちに人気でした。

それ以外にも、富安陽子さんの「ムジナ探偵局」シリーズのほか、たくさんの子どもの本に挿絵も描いていました。絵本『よるにきこえるおと』では文章をおかべさん、絵は大島妙子さんが描いていて、この絵本もまだ眠りにつきたくない子どもの心がとても可愛らしく描かれていました。

まだ66歳だったというおかべさん。亡くなられたというニュースにもっとおかべさんの本を読みたいなと思いました。心より哀悼の意を表します。

『よい子への道』おかべりか 福音館書店 1995

よい子への道 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
1995-10-10

 

 

『よい子への道2』おかべりか 福音館書店 2003

よい子への道 2 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
2003-10-10
 
 

 

『ムジナ探偵局』富安陽子/作 おかべりか/画 童心社 1999

ムジナ探偵局 (シリーズじーんドキドキ)
富安 陽子
童心社
1999-03
 
 
 
 
『とちめんぼう劇場』おかべりか 福音館書店 1999

とちめんぼう劇場
おかべ りか
福音館書店
1999-05

 

 

『よるにきこえるおと』おかべりか/作 大島妙子/絵 フレーベル館 1999

 

 

『おばけやさん1 これがおばけやさんのしごとです』おかべりか 偕成社 2011

これがおばけやさんのしごとです
おかべ りか
偕成社
2011-05-28


 

(作成K・J)

訃報 日野原重明さん


今朝、通勤の電車の中で日野原重明先生の訃報に触れました。今朝7月18日の6時33分に天国に旅立たれました。105歳でした。生涯現役を貫いた日野原先生も、とうとう天国に国籍を移されたのだと、感慨深い気持ちになりました。

牧師の家に生まれた敬虔なクリスチャンでもありました。幼い時に瀕死の母親を救った医者の姿を見て医療の道に進まれました。

医療現場の第一線で活躍される一方で、戦時中の体験などを踏まえて若い世代に「いのちの意味」を伝え、平和を守ることの大切さを訴えてこられました。ちひろ美術館で2009年5月に開催された『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』出版記念の日野原先生の講演を聞いた際には、背筋をピンと伸ばして2時間ずっと立ちっぱなしでお話されたのが印象的でした。 

『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』日野原重明/著 いわさきちひろ/画 ダイヤモンド社 2008

 

 

87年から続けてこられた「いのちの授業」をまとめていくつか小学生向けの本を書かれましたが、そのどれもが子どもたちにわかりやすく、命の大切さを、平和の大切さをやさしい言葉で伝えてくれていました。

『十歳のきみへ―九十五歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2006

十歳のきみへ―九十五歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2006-04-01

 

 

『いのちのおはなし』日野原重明/文 村上康成/絵 講談社 2007

いのちのおはなし (講談社の創作絵本)
日野原 重明
講談社
2007-01-11
 
 

 

『明日をつくる十歳のきみへ― 一〇三歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2015

明日をつくる十歳のきみへ: ─一〇三歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2015-04-17

 

 

『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』日野原重明/著 小学館 2015


 

日野原先生は、105歳になられた昨年秋にも、「平和の種、子どものために」と題して和歌山で講演されています。(→こちら)柔和な物腰で、自分の命を人のために使うこと、そのためには勇気が必要なことを、そして何度も繰り返して「平和」の大切さを訴えておられます。日野原先生が子どもたちの伝えようとされたことを、私たちおとなは引き継ぐ責任があります。

日野原先生の本を子どもたちに手渡しながら、これからも伝え続けていきましょう。日野原先生の魂が神の国で安らいでいることを確信しつつ。

(作成K・J)

『物語の森へ 児童図書館基本蔵書目録2』への想いを聞いてきました!


5月下旬に東京子ども図書館から児童図書館基本蔵書目録2『物語の森へ』が出版されました。予約で申し込みをしていたので、届くのがとても楽しみでした。(手違いで届いたのは6月下旬でした) 

 

 

 

2012年3月の児童図書館基本目録1『絵本の庭へ』の出版から約5年、多くの児童サービス関係者が待ちに待った出版でした。

 

 

7月7日に銀座・教文館ナルニア国で開催された「『物語の森へ』刊行記念トーク」に参加し、この目録作成に取り組まれた東京子ども図書館理事長の張替惠子さん、担当者の護得久えみ子さんのお話を伺ってきました。

この目録には戦後出版された内外の児童文学(創作物語・昔話・伝説・神話・古典文学・詩集)の中から、次世代の子どもたちに手渡したい本が1600点が収められています。

トークでは、最初になぜ東京子ども図書館(TCL)が子どもの本のリストを作って来たのかその理由と経緯が、TCLの歴史を紐解きながら語られました。

1974年にTCLが設立される以前に、初代理事長であった石井桃子さんが瀬田貞二さんたちと始められた「子どもの本研究会」から、『私たちの選んだ子どもの本』が1966年に出版されています。石井桃子さんのかつら文庫や、瀬田貞二さんの瀬田文庫に通ってくる親たちからの「うちの子にどんな本を選んだらよいか」という質問に答えられる本のリストとして誕生しました。

このリストに挙げられたものは、文庫にくる子どもたちの反応がもとになっていました。その後、リスト作成はTCLに引継がれ、改訂が行われてきました。しかし、品切れや絶版になったり、新訳や改訂版が出たり、復刊されたりという子どもの本の出版状況の中で、収録された作品の出版情報を最新のものに保ちながらリストの改訂を行うことが困難になったといいます。

そこでTCLでは『私たちの選んだ子どもの本』とは別に、1990年以降に出版された子どもの本の中から選んだ『子どもの本のリスト「こどもとしょかん」新刊案内 1990~2001セレクション』を出版しました。こちらには絵本、昔話、物語に限らず、伝記や知識の本なども収録され、詳細な索引(書名、人名、件名)が付きました。

 


 

 そのような流れの中で、なぜ再びTCLが児童図書館基本目録に着手したのか、その理由はこれまで子どもたちが読み継がれてきた、子どもたちが心躍らせてきた作品が、本の出版流通の中で手に入らなくなっただけではなく、公共図書館でも廃棄され入手困難になっているという現実にあるということでした。

『物語の森へ』の「はじめに」のページ(p6~7)にはこのように書かれています。(太字引用文)

“『絵本の庭へ』や『物語の森へ』がこれまでのブックリストと大きく異なる点は、入手が可能かどうかという出版状況の枠を取り払い、すぐれた作品を将来に向けて伝承すべき文化遺産として記録にとどめようとしたところです。1950年から60年代、戦後の再興に取り組んだ児童書のつくり手たちは、子どもたちに希望を託し、作家、画家、編集者がひとつの思いで、質の高い作品づくりに取り組みました。高度経済成長の恩恵もあり、子どもたちの本棚はかつてないほど彩り豊かになりました。70年、80年代には、その果実を行きわたらせるための公共図書館システムも整ってきました。しかし、その後の電子メディアの普及や受験競争の過熱により、子どもたちがゆったりと本に向きあう時間はどんどん限られるようになりました。少子化による購買層の減少も影響し、出版社は過去に生み出した読みごたえのある傑作を品切れ・絶版にせざるを得ないケースが増えています。たとえ書店で手に入らなくなっても、質の高い作品を蓄積して提供することが使命であるはずの図書館も、施設面や資料提供の利便性という点では飛躍的に進歩したものの、子どものためのサービスを担う専門職員の雇用環境が不安定で、その役割を十分に果たしているとはいえません。
 このような状況の中で、わたしたちができることはなにかと考えたとき、どうしてもやり遂げたいと思ったのが「基本蔵書目録」の刊行でした。「基本蔵書目録」とは、図書館で蔵書の核として常に揃えておくべきだという評価を得た本のリストです。もし、その本が紛失したり破損したときには、買い換えなければなりませんし、絶版で入手できなくなった場合には、傷んでも廃棄せず、修理して保存を心がけなければならない作品であることを示し、蔵書構築の指針としたものです。”

以上のような思いで作られたこの「児童図書館基本目録」は、私たちが常に児童室の蔵書に気を配り、棚を作っていく際に、さらに研修でよく質問を受ける「児童書の廃棄基準」について明確な指針を示してくれるものだと思います。

今回、選定にかけられた本は約5000冊。15年にわたる選定作業に関わった人は延べ320人だったとのこと。その膨大な作業を想い、ほんとうに頭が下がります。

『絵本の庭へ』に続いて、『物語の森へ』の索引の充実度は、子どもの本についてのレファレンスでも大変心強い味方です。特に件名の小項目は1129にもなっています。(『絵本の庭へ』では1095項目)また登場人物索引は909件(『絵本の庭へ』では557件)となっており、本を探すときの手がかりとなります。トークの際に、件名の種類も『絵本の庭へ』と『物語の森へ』では大きく変化したことが示されました。たとえば「気持ち・こころ」をあらわす件名は『絵本の庭へ』(a)では27項目80冊、『物語の森へ』(b)では33項目275冊となり、物語ではより複雑なこころの動きを表現した作品が多いということがわかります。もっと単純な比較では、「のりもの」の件名のうち、「電車」は(a)では36冊なのが(b)では10冊に、「車」は(a)23冊、(b)12冊と減っている中、「船」は(a)32冊、(b)36冊とさほど変化がないことなど、件名を見ていくだけでも、絵本と物語の違いもみえて面白いことがわかりました。

それに加えて、『物語の森へ』では作品の出版履歴が提示されています。最初に出版した出版社から復刊した出版社、あるいは翻訳者の変更、題名の変更なども併せて辿ることが可能になっています。

トークの終盤で「図書館員はこれに収録している本は捨てるな。これらの本がなければ図書館員稼業は出来ないと、思ってほしい」との言葉を聞いて、襟を正す思いになりました。本来は、子どもの本の選書眼は長く児童サービスに携わる中で、子どもたちの反応を見ながら身についていくもの。それがなかなか厳しい中で、どのように児童サービスに関わるスタッフの研修でそれを伝えていくか、苦心をしていたところだったからです。

「本のこまど」でも、「基本図書を読む」の連載をしたり、児童部会の活動報告の中で「基本図書から学ぶ」についてお伝えしてきました。しかし、今回TCLの「児童図書館基本目録」に対する覚悟と篤い想いを聞いて、これらについて児童サービスに関わるスタッフにもっと丁寧に伝えていくことの重要性を感じています。

まずは『絵本の庭へ』に続いて、『物語の森へ』を児童サービス業務の座右の銘として常にそばに置いてほしいと願います。

(作成K・J)

おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方(再掲)


昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

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おはなし会のいろはの4回目は、おはなし会プログラムの作り方です。

ヴィアックス社員研修テキストの「おはなし会」の項目には、このように書いています。blog5

「おはなし会とは、おはなしや本の持つ豊かな世界を子どもたちに伝えるための児童サービス業務の重要な柱のひとつです。本来はおはなしを覚えて語るストーリーテリング(素話)を中心としたものを指していましたが、今はおはなしだけではなく絵本や紙芝居、わらべうたなどと組み合わせて行われることが多くなっています。選書やプログラム構成、おはなし会の運営は児童サービス担当の力量が問われるところです。本を手渡すための大切な業務であることを認識しましょう。」

このプログラムの作り方で、大切なのは
1. 選書(絵本の選び方、組み合わせ方)
2. プログラム構成(おはなし会の全体的な流れ、時間配分)
の2点です。

今回取り上げるおはなし会の運営やプログラムの作り方については、経験を重ねれば見えてくるのですが、集合研修では伝えきれない部分でもあるので、このように「おはなし会のいろは」で連載しています。頭だけで理解しようとすると、理解しにくいかもしれません。子どもたちの様子をみながら、修正をしていくとよいでしょう。

以前、ある図書館へ、館内研修の打合せに伺った時、「30分間、ずっと絵本を読むって大変です。子どもたちも途中から集中力が続かなくなって、飽きてきてしまう。そのために手遊びの研修をしてもらいたいと思っています。」と、言われて少し驚きました。実際にその図書館のおはなし会の記録ノートを見ると、毎回7冊~8冊の絵本を読んでいたようです。その後、ほかの図書館からも似たような研修の要望が寄せられることがあり、「本のこまど」できちんと書いておく必要があると感じていました。

 テキストには、選書、プロラム構成の順番で記していますが、ここでは全体的な流れをまず把握してから選書をしてほしいと考え、プログラム構成を先に記します。

 

1.プログラム構成(おはなし会の全体的な流れ、時間配分)

1)30分のおはなし会時間のうち、おはなしタイムは15分~20分

多くの図書館では、おはなし会の開催時間を10時~10時30分とか、15時~15時30分というように、だいたい30分間にしています。しかしこの30分間の中には子どもを迎えて、送り出すまでの時間も含まれています。

30分間、ずっと絵本を読み続けるということではありません。とくに年齢が低くなればなるほど、集中が続く時間は短くなります。子どもたちにとって立て続けに7.8冊読んでもらっている間、じっと静かにしておかなければならないというのは、逆にとても苦痛なことで、おはなし会を楽しみにすることができなくなってしまいます。時間配分について具体的に例をあげます。

ブログ用

【10:00~10:30のおはなし会の場合】

9:45~ 開場  始まる30分前には会場の設営を終えておきます。
        開場したら、おはなし会担当者は、入口で子どもたちを迎えます。
        初めて参加する子は大変緊張します。常連の子どもだけでなく、初めて参加する子どもたちにも気を配りましょう。

10:03~    小さな子どもたちを連れて時間通りに集まるというのはとても大変なことです。
         時間になってすく始めるのではなく、最初の2,3分は、注意事項を伝えるなどの時間として使います。

        *)緊急事態(天災発生など)の際の避難誘導について
          おはなし会の間は携帯電話の使用を控え、スマホなどでの撮影も遠慮いただくこと
          記録用として、図書館が写真撮影を行うが、顔など写らないように留意し、外へは出さないこと
          その他、必要事項を最初に伝えておきます。

10:05~ はじまりの儀式 おはなし会のはじまりの歌、手遊びなど
     *)ここからは「おはなし会」が始まったよ!と、子どもにもわかるように、はじまりと終わりの儀式(歌や手遊び)を決めておくとよいでしょう。

     絵本         1冊目は導入になるような絵本を

     わらべうた   (手遊びでもよいが、子どもたちの年齢に合ったもの、おはなしの世界からかけ離れないものにする)

     絵本   この日のプログラムのメインになる作品をもってくる

     わらべうた

     絵本

10:20  おわりの儀式
     *)これでおはなし会が終わりましたよ!と、子どもたちにもわかるようにおわりの儀式をして、会を閉じます。
      たとえば、おはなしのろうそく用いた場合は、灯火を吹き消すなどの儀式をする、あるいは“さよならあんころもち”のわらべうたなど

10:21~ この日、読んだ絵本の紹介
      出席カードなどへのスタンプ押しなどm-style99
      次回のご案内、その他館内のイベント案内など

10:30    退場  おはなし会の会場入口で見送ります。
     その際、ほかの利用者に配慮をするようにお伝えします。

2)終了後も大切

おはなし会をやってそれでおしまいではありません。まずは読んだ本以外にも関連するテーマの本を紹介するなどし、貸出に繋いでいきます。児童サービスの最終的な目的は、家庭で絵本を読んでもらうこと、家庭で保護者がお子さんに絵本を読んであげることです。もし、どのような絵本を読んであげたらよいかの相談を受けたら、図書館で作成しているリストなどを活用しておすすめの本を紹介してあげてください。「本のこまど」でも、毎月おすすめ本のリストを更新していますので、ご活用ください。
おすすめ本のリスト→こちら

また、おはなし会の後の振り返りもとても大切です。このあたりのことは、連載の6回目で詳しくお伝えします。

     

2.選書(絵本の選び方、組み合わせ方)  

1)対象年齢別

基本的には、まず対象年齢を考えて選びます。参加する子どもたちが未就園児(0~2歳)なのか、幼児(3~5歳)なのか、小学生なのか、中高生を含めた大人なのかで、違ってきます。とくに図書館で増えている未就園児の場合、集団の場では絵本に集中することは難しいことが多いです。この場合、おはなし会に参加する前の準備期間として、おとなの膝の上に座ってわらべうたなどで遊び、一緒に楽しい時間を過ごす体験をしていると割り切るとよいでしょう。赤ちゃん向けの絵本などは、実際には1.2分で読み終えてしまいますが、子どもたちの反応や表情を見ながらゆっくり読むようにします。短い絵本ばかりだからといって、何冊も続けざまに読むのでは、子どもの方が疲れてしまいます。小さい子どもたち対象の場合は、せいぜい2、3冊に留め、わらべうたなど親子でふれあい、周囲の人と笑顔で交流できる時間にすると良いと思います。

未就園児(0~2歳)・・・赤ちゃん向けの絵本の中から、季節的なテーマのものや、ことばあそび、モノの絵本など2、3冊バランスよく選びます。
幼児(3~5歳)  ・・・物語の楽しさがわかる年齢。耳から聞いて心地よい文章で、絵と文章のバランスの良い絵本を、3、4冊選びます。
          昔話と相性の良い年代でもあります。かがく絵本、ことばあそびの絵本なども、テーマに合わせて加えます。
小学生(6歳~)   ・・・耳から聞いて想像する力が身についてくる年齢の子どもたちには、ぜひストーリーテリング(素話)を取り入れましょう。
           また読むと10分以上かかる骨太の物語も集中して聞くことができます。
                               詩の鑑賞の際に復唱してもらったり、ことばあそび絵本では一緒に声に出すなどの読み方もやってみるとよいでしょう。

 子どもの発達と読書PDFファイルは→こちら 28年度児童サービス研修資料・子どもの発達と読書

 2)季節・暦に合わせて

 日本には、四季折々の変化があり、大切にしたい年中行事があります。そうしたものに触れる機会となるよう、おはなし会プログラムも意識するとよいでしょう。それらは、年度初めの年間業務計画の中で、館内の特集展示や児童室だよりのテーマと連動させるとよいでしょう。

 児童サービス年間業務計画PDFファイルは→こちら 児童サービス年間業務計画

 

3)組み合わせ方

おはなし会のテーマをまず決めましょう。その上で、そのテーマに沿った絵本をいくつか選びます。4冊読むとしたら、10冊くらい選んで声に出して読み比べ、その絵本がテーマに沿っているか、耳から聞いて心地がよいか、絵と文章のバランスがよいか、集団で読み聞かせをするのに向いているか(絵が細かすぎることはないか)等、検討をします。その上でメインにする本を選びます。年齢の高い子どもたち対象の場合は、メインにストーリーテリングにするとよいでしょう。

その上で導入に使える絵本、気分転換になる絵本(かがく絵本や、ことばあそび絵本など)と組み合わせていきます。その場合、コース料理を思い浮かべながら組み合わせるとよいでしょう。(前菜→スープ→メイン→デザートというように)

おはなし会担当者で、どの本を誰が決め、互いに声に出して読み合いながら、最終的に子どもたちにとって、どの順番で読んでもらうとよいか、確認をしましょう。

「本のこまど」では、2ヶ月前倒しで「おはなし会プラン」を小さい子向け、大きい子向けに2本紹介しています。ぜひご活用ください。

おはなし会プラン→こちら

なお、なぜ2ヶ月前倒しかというと、プログラムを作成するための最初の本の選定から、子どもたちの状況に合わせて最適な組み合わせにするのに、これぐらいの時間がかかると見ているからです。慣れてくると、準備の時間は短縮されますが、初めておはなし会を担当するという方は、2か月前から準備をはじめるようにしましょう。

 (作成K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 7月(再掲)


7月に入れば、夏休みはもうすぐ。夏休み用にいつもよりたくさん借りられるようにしている学校も多いのではないでしょうか。なかなか選ぶことができない子もいますので、話を聞きながら一緒に選んであげてください。

そんな7月は、夏休みにおすすめの本を選んでみました。借りたい本を選ぶヒントになるように、関連本の紹介も加えています。

<低学年> 
『はちうえはぼくにまかせて』 ジーン・ジオンさく マーガレット・ブロイ・グレアムえ もりひさしやく 9分

トミーは夏休みにご近所の鉢植えをあずかって世話することにしますが、草がどんどん伸びて家じゅうが緑でいっぱいになり、トミーは家がこわれる夢までみてしまいます。そこでトミーは刈り込むことを思いつくのですが・・・。一生懸命世話をするトミーの姿はほほけましく、家じゅうが緑になって困惑する様子は愉快です。「すごーい!」「大変そう・・・」思わずつぶやく子どもがたくさんいます。

<中学年> 
『うできき四人きょうだい』 グリム童話 フェリックス・ホフマン画 寺岡寿子訳 福音館書店 13分
うできき四人きょうだい―グリム童話 (世界傑作絵本シリーズ―スイスの絵本)
グリム
福音館書店
1983-08-31
  修行して特殊な能力を身につけた四人きょうだいがりゅうにさらわれたお姫様を助け出すグリムの昔話です。絶対誰にも見つからない「うでききのどろぼう」、世界になるものは何でも見ることができる「星のぞき」、狙ったものははずさない「うでききのかりゅうど」、何でも縫い合わせることができる「仕立て屋」とそれぞれの能力はとても愉快です。りゅうとの戦いの場面は思わず息をのむ迫力があり、ひと冒険した気持ちになれます。
 
*関連本
子どもに語るシリーズ
 「子どもの語るグリムの昔話①~⑥」 佐々梨代子訳 野村泫 訳 こぐま社
子どもに語るグリムの昔話〈1〉
ヤーコプ グリム
こぐま社
1990-11
  グリム童話には「赤ずきんちゃん」や「おおかみと七ひきのこやぎ」などの他にも、冒険話やふしぎな話、ぞっとする話など子どもたちをひきつける物語がたくさんあります。「子どもに語るシリーズ」は、こぐま社から「グリムの昔話」「日本の昔話」「アジアの昔話」などさまざなな地域や国のお話が、1冊に15話前後入っているシリーズです。(こぐま社ホームページ→http://kogumasha.co.jp/kataru_detail) 聞いて楽しめるわかりやすい文章なので、まだ長い物語を読みこなせない子でも無理なく物語の情景を思い浮かべることができます。読んであげて楽しむこともできますし、中学年くらいでなかなか1冊を読み終えられないという子にもおすすめしやすいシリーズです。
 
<高学年> 
『シンドバットの冒険』 ルドミラ・ゼーマン文・絵 脇明子訳 岩波書店 2002 約20分
シンドバッドの冒険 (大型絵本)
ルドミラ・ゼーマン
岩波書店
2002-02-05
  「アラビアン・ナイト」の中でも有名な船乗りシンドバットの冒険の絵本で、全3巻のシリーズになっています。「サセミ・ストリート」などのアニメの制作にたずさわってきたルドミラ・ゼーマンが、繊細で華麗な絵でアラビアン・ナイトの世界を見事に描き出しています。第1巻の『シンドバットの冒険』では、シンドバットの第1回と第2回の冒険が扱われていて、島だと思って上陸したところがくじらの背だったり、巨大なロク鳥の巣に入りこんだりと迫力ある場面が繰り広げられます。少し長めの時間にはなりますが、物語と絵の迫力で、読み聞かせになれてきた時期であれば食い入るように聞いてくれます。続編の『シンドバットと怪物の島』シンドバットのさいごの航海』は紹介してもよいですし、改めて別の日に読んであげても喜びます。
  
*関連本
『子どもに語るアラビアンナイト』 西尾哲夫訳・再話/茨木啓子再話 こぐま社 2011 
子どもに語るアラビアンナイト
茨木 啓子
こぐま社
2011-10
 「シンドバットの冒険」にもアラビアンナイトには魅力的な話があり、この本には「空飛ぶじゅうたん」「アリババと、召し使いのモルジアナに殺された四十人の盗賊」など10編がおさめられています。「子どもに語るシリーズ」については上記で紹介しましたが、わかりやすい文章になっていて読みやすいと同時に、アラビアンナイトの物語の楽しさは高学年でも十分楽しむことができるのでおすすめです。 
 
<科学の本>
『せみとりめいじん』 かみやしん 福音館書店 2001 5分
せみとりめいじん (かがくのとも傑作集 どきどきしぜん)
かみや しん
福音館書店
2001-06-15

 せみとり名人のごんちゃんが初心者のてっちゃんに、セミの取り方を伝授してくれます。簡単な材料できるアミの作り方から、せみのいる場所、つかまえるときのちょっとしたコツまで、つかまえるために必要なことを教えてくれるので、実際に挑戦したくなります。ごんちゃんとてっちゃんのやりとりが微笑ましく、虫採りをするときの緊張感と期待感が伝わってきます。代表的なセミの姿と鳴き声が紹介されているページもあり、夏休みの後に「見つけたよ!」「つかまえたよ!」と教えてくれる子もいます。

<気軽に読める本>
『よあけ』 ユリ―・シュルヴィッツ作・画 瀬田貞二訳 福音館書店 1977 3分
よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ユリー・シュルヴィッツ
福音館書店
1977-06-25
 暑くてだれてしまいそうなとき読むと、涼しいしんとした気持ちになれる1冊です。おじいさんと孫が野宿している湖のほとりで夜が明けていく様子が詩のような言葉と美しい色彩の絵で描かれています。
 

(作成 T.I) 

おすすめ幼年童話4『ちびっこタグボート』ハーディー・グラマトキー


連載第4回目は『ちびっこタグボート』(ハーディー・グラマトキー/作 わたなべしげお/訳 改訂新版 学習研究社 2005)です。

ちびっこタグボート (グラマトキーののりものどうわ)
ハーディー グラマトキー
学習研究社
2005-07


 

『ちびっこ・タグボート』はアメリカで1939年に出版されて以来長い間読みつがれ、日本でも1967年に翻訳出版され、たくさんの子ども達に親しまれてきました。2005年に文章を横書きに改めた改訂新版が出ました。

働くのが嫌いで、いたずら好きなタグボート・トゥートゥは、波の荒い海ではなく、いつも安全で穏やかな川で遊んでいました。しかし、ある嵐の夜に大型汽船が難破しているのを見つけます。小さなタグボートでは大きな船を引くことが出来ませんが、助け出さないと大変な事になります。トゥートゥは勇気を振り絞って、荒れ狂う海に立ち向かっていきます。

いたずら好きで遊ぶのが好き、そして、ちょっと弱虫なトゥートゥは、子どもたちに身近な存在に感じます。その小さなタグボート・トゥートゥが大活躍する様子は、トゥートゥの目線で描かれており、子どもたちは小さいながらに頑張るトゥートゥと同化して一緒に活躍した気持ちになれるでしょう。

全ページに描かれたイラストは可愛らしく、なんといっても登場キャラクター達の表情が豊かです。色合いも優しく温かな雰囲気を醸し出しています。また、トゥートゥがいる川や港の様子がわかる見開きの絵からは、タグボート達がどこで活躍しているか、場所を確認しながら想像する楽しさがあります。

この作品は、グラマトキーののりものどうわシリーズの第1作目です。他にも、『いたずらでんしゃ』や『ルーピーのだいひこうき』等、子どもたちが好きな乗り物が主人公になっているお話が全部で6作品あります。

やさしい文章で、読み聞かせなら4歳から、自分で読むなら小学校低学年の子どもたちにオススメです。ちびっこタグボート・トゥートゥの大活躍にドキドキ・ハラハラしてみませんか?

 (作成28年度児童部会員F・N) 

 

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら

2017年5月、6月の新刊より(その2)


 

 2017年5月、6月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。(2017年4月発行の書籍も含まれています)

(その2)では児童書、YA向けの書籍を紹介します。

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。

 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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 【児童書】

『キキとジジ 魔女の宅急便特別篇その2』角野栄子/作 佐竹美保/画 福音館書店 2017/5/25


多くの子どもたちに夢を与えてくれる「魔女の宅急便」のシリーズは、第1巻が出てから32年になります。そのシリーズ最新作が5月に出ました。キキがオキノさん、コキリさん夫婦のもとに誕生した日から始まる物語です。つまり14歳になったキキが二人のもとを旅立つ日から始まった「魔女の宅急便」のお話が、その一番の始まりのキキの誕生に巻き戻されたといってもよいでしょう。そして赤ちゃんのキキのもとに、赤ちゃんネコのジジがやってきます。キキとジジ、二人(ひとりと一匹)の成長物語ですが、ところどころにジジの本音の気持ちが書かれていて、それがまたくすりと笑いを誘います。本編でのキキとジジの関係はこのように育まれてきたのだなと、読んでいてうれしくなりました。

 
 
『マウスさん一家とライオン』ジェームズ・ドーハティ/作 安藤紀子/訳 ロクリン社 2017/5/26

マウスさん一家とライオン
ジェームズ ドーハティ
ロクリン社
2017-05-30
 
この絵本は『アンディとらいおん』(村岡花子/訳 福音館書店 1661)でコルデコット賞を受賞したジェームズ・ドーハティの作です。ドーハティは『アンディとらいおん』で絵本作家としての地位を確立したのだそうですが、他の作家が作った文章に絵をつけることが多く、文章、絵ともに自作の作品は『アンディとらいおん』に次いでこちらの2冊だけなのだそうです。イソップ物語の「ねずみとライオン」をもとに作られたお話です。陽気なねずみのマウスさん一家がピクニックに出かけた時に、一家の末息子チェダーがぐっすり眠っていたライオンに悪戯をしてしまいます。怒ってチェダーを捕まえたライオンに許しを請う家族たち。ライオンはその愛情深く心優しい一家の姿に胸を打たれて逃してやります。チェダーが「あなたのピンチには助けるよ」と真顔で言うのを笑い転げるライオンでしたが、ある日人間のしかけた罠にかかてしまいます。チェダーたちは約束通りに駆け付けました。抑えた色味でセンスの良い絵が、このお話の面白さをさらに引き立てています。絵本に分類するか悩みましたが、低学年の子どもたちが自分で読むのにちょうどよいと考えて、児童書として紹介します。


『メリーメリーのびっくりプレゼント』ジョーン・G・ロビンソン/作・絵 小宮由/訳 岩波書店 2017/6/15 
 
メリーメリーのびっくりプレゼント
ジョーン・G.ロビンソン
岩波書店
2017-06-16

3月に出版された『メリーメリーおとまりにでかける』に続く「メリーメリー」シリーズの2作目です。(『メリーメリーおとまりにでかける』の紹介文は→こちら)5人兄姉の末っ子メリーメリーは、とにかくお茶目で、みんなを驚かせます。子どもたちだけで留守番をしていたある退屈な土曜日なんて、家の前に消防自動車を呼んでしまいます。(通報したのは上の子たちですが)でも、メリーメリーはお騒がせなだけではありません。二人の姉ミリアムとメグよりも上手に赤ちゃんのお世話もしましたし、ご近所に住むサマーズさんの結婚式には立派に付き添いを務めました。このシリーズを読めば、きっとみんなメリーメリーが大好きになるはずです。

 

 
【ノンフィクション】

 『ほんはまっています のぞんでいます』かこさとし/作・絵 復刊ドットコム 2017/5/25

ほんはまっています のぞんでいます (かこさとし◆しゃかいの本)
かこ さとし
復刊ドットコム
2017-05-25

昨年夏の『こどものとうひょう おとなのせんきょ』に続いて、「かこさとし◆しゃかいの本」の2冊目が復刊されました。1985年に童心社から出ていた同名の本を底本として、よみがえりました。この本では子どもたちに本に出会うための公共図書館の機能をわかりやすく伝えています。また「あとがき」では、「親は大人は、子どもにだけ本を読めというだけで、良書の普及や図書館の状況が文明国の中でとても恥ずかしい状態なのを改める努力が少ないように思います。」と、子どもたちの読書離れについて大人に向けて苦言を呈しています。32年前にすでにそういう危惧があったこと、そして今それらが改善されているかということを振り返ってみて、図書館に関わるものとして胸を張って「その心配は杞憂に終わりました」と言えないことに忸怩たる思いがします。それでも今、新しい図書館が次々とオープンし、真剣に市民の側から図書館サービスを考えようとする機運が高まっていることも事実です。子どもたちにとって、子ども時代に本に出会うことの大切さは今も昔も変わっていません。この本は、子どもたちはもちろん子どもと本に関わる大人たちに読んでほしいと思います。(『こどものとうひょう おとなのせんきょ』についての紹介記事は→こちら

 

【YA向け】
 
『太陽と月の大地』コンチャ・ロペス=ナルバエス/作 宇野和美/訳 松本里美/画 福音館書店 2017/4/15
太陽と月の大地 (世界傑作童話シリーズ)
コンチャ・ロペス=ナルバエス
福音館書店
2017-04-15

世界史を学習した人は、記憶のどこかに「レコンキスタ」(国土回復運動)や「グラナダの陥落」という言葉が残っているのではないでしょうか。611年に興ったイスラム国家ウマイヤ朝は、710年にジブラルタル海峡を越えてイベリア半島に進出しました。それから1492年のグラナダ陥落までイスラム勢力(ナスル朝)による支配が現在のスペイン南部で続くことになります。この物語はグラナダ陥落後のグラナダを舞台にして、16世紀のキリスト教徒とイスラム教徒との確執のはざまで育まれた友情と引き裂かれていく運命について描いています。当時、イスラム教徒は強制的にキリスト教に改宗させられ「モスリコ」と呼ばれていました。その後アラビア語の使用や生活様式の禁止令も出て、徹底的な同化政策が行われていたようです。この物語の中心人物はモスリコの老人ディアス。彼らの家族はアルベーニャ伯爵家に仕えていました。ディアスと、前当主ドン・ゴンサロは、主と使用人という関係というよりは、少年時代から一緒に過ごしてきた親友のような存在でした。この関係は息子の代になっても続くと思っていたのですが、アラビア語禁止令が出たことによって変化していきます。ディアゴの孫のミゲルは山賊となってイスラム教徒の反乱に参加していくのです。物語は、民族、宗教に引き裂かれる人々の、しかし同じ人間同士として理解することもできるんだというメッセージをも含んでいます。キリスト教徒とイスラム教徒の軋轢の歴史は、今も続いています。テロとその影響で難民になって他国へと逃れていく姿は、16世紀の物語としてではなく、今まさに中東とEU諸国で起きていることと重なります。この本は1984年にスペインで出版されIBBY(国際児童図書評議会)のオナーリスト、そしてヘルマン・サンチェス・ルイペレス財団(*)による「20世紀のスペインの100冊」にも選ばれて、長く読み継がれているということです。スペイン留学中にこの本に出会ったという宇野和美さんによる翻訳は、とても読みやすく、言葉が心に沁みわたってきます。世界史を学ぶYA世代に、ぜひ手渡したい1冊です。
*この財団についての説明は、宇野和美さんのブログ「訳者の言いわけ」に詳細に書かれています。→こちら

 

『スレ―テッド』1,2,3 テリ・テリー/著 竹内美紀/訳 祥伝社文庫 祥伝社 2017

スレーテッド 消された記憶 (祥伝社文庫)
テリ ・ テリー
祥伝社
2017-04-12


スレーテッド3 砕かれた塔 (祥伝社文庫)
テリ・テリー
祥伝社
2017-06-21

題名になっている「スレーテッド」とは、解説によれば「「石板」を意味するslate(スレート葺きの屋根に使われてるあのスレートです)をもとにした造語。英語で”clean slate”と言えば、「白紙」のことだし、”wipe the slate clean”と言えば、「過去を清算する」とか「新たに出直す」という意味」で、この物語は2054年、EU離脱後のイギリスで、中央連合政府によって強制的にスレ―テッドつまり記憶を消去された少女カイラが、自分の過去に気づき、国家全体を揺るがす陰謀へと巻き込まれていく様を描くサスペンスです。カイラは16歳。当時、イギリスはEU離脱後の欧州経済危機に端を発する大混乱と国境封鎖を経て、超管理社会へと変化していました。犯罪行為など反社会的なことを行った16歳以下の子どもは矯正と再犯防止のために、強制的に脳手術を施され、記憶が消されてしまいます。その上、腕にはブレスレットのようなレポと呼ばれる監視装置を取り付けられています。レポは、脳内に埋めこまれているチップが測定する脳内物質の変化を数値化して表示します。強い不安や怒りを感じると、レポが脳内に埋め込まれたチップに電気ショックを与えて強制的にブラックアウトし、酷い場合には死に至るように設定されているのです。スレ―テッドされた少年少女は徹底的に管理化に置かれているのですが、カイラはある時、自分の過去の記憶が完全に消えていないことに気がつきます。そしてスレ―テッドの少年ベンと真相を探ろうとして、反政府組織と接触するようになってきます。4月から6月にかけて毎月1冊ずつ出版されましたが、読み始めると早く次が読みたくて出版が待ちきれなくなった作品です。この作品の翻訳は、『石井桃子の翻訳はなぜ子どもをひきつけるのか―「声を訳す」文体の秘密』(ミネルヴァ書房 2014)を書いた東洋大学准教授の竹内美紀さんです。YA世代が惹きつけられるような言葉を意識して翻訳したのだとか。近未来のディストピアは現実となるのでしょうか。このような未来を子どもに手渡してはいけないと思いつつ、多くの人に読んでほしいと思いました。
 
 
『高校図書館デイズ 生徒と司書の本をめぐる語らい』成田康子/著 ちくまプリマ―新書 筑摩書房 2017/6/10
高校図書館デイズ: 生徒と司書の本をめぐる語らい (ちくまプリマー新書)
成田 康子
筑摩書房
2017-06-05
 
北海道札幌南高校で学校司書をつとめる成田康子さんが、学校図書館を利用する13人の生徒たちの読書と日々の生活のことなどを綴ったノンフィクションです。今を生き高校生たちが、どんな本に出会っているのか、また読書を通してどんなことを感じているのかが、生き生きと描かれていて、その生徒の顔が見えてくるように思いました。ひとりの生徒が成田さんが司書として詰めている図書館を「ここって、仕事帰りにふらっと寄っていきたくなるような居酒屋」のようだと、「はじめに」の冒頭に書かれていますが、忙しい高校生活の中で、時間をみつけてちょっとだけ顔を出してみよう、司書の成田さんとひと言、ふた言話してみよう、そうすることでまた自分のすべきことへ向かうことができる、そんな関係性を作ったのはひとえに成田さんの学校司書としての働きにあることは明白です。自分も高校時代にこんな素敵な司書さんに学校図書館の中で出会いたかったなと思いました。(当時の学校図書館は、開かずの間でしたから)巻末にある13人の高校生が取り上げた本のリストも、図書館でのYAサービスの参考になるでしょう。高校生の不読率が5割を超えた(高校生の読書習慣に関する調査結果→こちら) という調査結果が一昨年出ましたが、だからこそまたこの本は多くの同世代の子どもたちにも読んでほしいと思います。
 
 
 【その他】
『おはなし会がはじまるよー特別支援学校(肢体不自由校)でび図書館活動―』おはなしの会うさぎ/編集・発行 2017/4/30
東京都立墨東特別支援学校での学校図書館の様子や、障害を持つ子どもへのおはなし会の実践についてまとめた小冊子です。現在、教文館ナルニア国においてのみ販売しています。値段は500円です。(教文館ナルニア国の紹介文→こちら
 
【おまけ】
『やさしいことばで日本国憲法―新訳条文+英文憲法+憲法前文』池田香代子/訳 C・ダグラス・ラミス/監修・解説 マガジンハウス 2002/12/10
やさしいことばで日本国憲法―新訳条文+英文憲法+憲法全文
C.Douglas Lummis
マガジンハウス
2002-12

 私たちの日本国憲法が実は双子だったってご存知でしたか?GHQのスタッフによって英語でも書かれていたのです。ただし日本語の憲法を英訳したものでもなく、また英語の憲法を和訳したのが現行の日本国憲法になったわけでもなく、同時に作られていたというのです。2002年に出版されていたこの本が、今年の春に増刷されました。『世界がもし100人の村だったら』を翻訳した池田香代子さんの訳です。日本語と英語の憲法を対にして読むことによって、この憲法に書かれていることが、世界の平和への希望だとわかります。基本的人権、そして誰もが恐怖や貧しさから免れて平和に生きる権利を有していることを、改めて考えたいと思いました。

(作成K・J)

訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん


イギリスで1958年に出版され、日本でも松岡享子さんの翻訳によって1967年に出版された『くまのパディントン』(福音館書店)の作者マイケル・ボンド氏が6月27日に亡くなられたという報道がありました。91歳だったそうです。(Yahooのニュース記事→こちら ハフィントンポストの記事→こちら

『くまのパディントン』マイケル・ボンド/作 ペギー・フォートナム/絵 松岡享子/訳 福音館書店 1967

くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ)
マイケル・ボンド
福音館書店
1967-10-01

 

マイケル・ボンド氏が妻にプレゼントしたくまのぬいぐるみがモデルになったとのこと、そのパディントンのイギリス紳士らしい振る舞いと、それでいながらその周囲で起こる騒動がとても面白く、子どもたちだけでなく若い女性も夢中にさせる作品です。アニメ作品や映画にもなっており、本を読んでいない人でも、パディントンの魅力はよく知っていることでしょう。

シリーズは現在全部で10巻になっています。(5巻目からは田中治/訳)(福音館書店のサイト→こちら)これからも子どもたちに手渡していきたい作品です。

くまのパディントン 全10巻セット
マイケル・ボンド
福音館書店
2009-03-26

 

(作成K・J)

『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去


児童精神科医の佐々木正美先生が亡くなられたというニュースが飛び込んできました。昨日6月28日に骨髄線維症で亡くなられたとのこと、81歳でした。心より哀悼の誠を捧げます。(朝日新聞記事→こちら

1998年に福音館書店から出版された『子どもへのまなざし』との出会いは、当時思春期を迎えた子どもたちと、誕生まもない末っ子の4人の子育てに奔走していた私にとって何ものにも代えがたい僥倖でした。それまで義父母の期待に応えるべく「良い子」に育てなければと必死だったのですが、「ああ、こういう視点があったんだ」と肩の荷を下ろすことの出来たのでした。

多くのお母さんたちにとっても、この本は子育てのバイブルになったのではないでしょうか。

『子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 1998

子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
1998-07-10

 

 


『続 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2001

続 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2001-02-28

 

 


『完 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2011

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2011-01-20

 

 

2011年5月28日に『完 子どもへのまなざし』が刊行記念の銀座・教文館ナルニア国が主催した佐々木正美先生の講演会に参加しました。当時、講演の内容を綴ったメモには

***メモ***

 講演の最初に佐々木先生が投げかけられた問いは、「豊かになって、ほんとうに幸せになったか?」というものでした。「子どもと青年と家族の健康と幸せを願って」児童精神科医の仕事を40年余り続けて来られた先生。日本は戦後豊かになったけれども、子どもを取り巻く環境は急速に変化し、子どもたちが巻き込まれる不幸な事件も後を絶たない・・・家族の崩壊の実体は目を覆うばかりだとおっしゃいます。

「人間は、誰もが自分の存在する意味、生きて行く意味を、人間関係の中でしか見いだせない」存在なんだと・・・今の日本の社会における人間関係の歪みについて、家庭内の関係も、家庭外の関係も含めてお話してくださいました。中でも印象的だったのは、家の人の前でいい子にふるまっている子が、外では問題児だということ。保育所では手がかからず、ルールを守れる子どもたちが、意外や、家庭では甘えっ子でダダっ子だという事実。家庭では、最低限のルールは定めても、気を許せる場所であってほしい。その家庭が、気の休まる所でなくなってしまうと、外で問題を起こしてしまう・・・ということでした。

その逆に、家庭の外での人間関係が豊かでないと家庭内での精神的な健康を保てないというお話も。つまりは、家庭で自分をそのまま受容してくれる場があれば、他者を尊重する生き方ができる・・・そうやって他者との関係をうまく築くことができれば、その人は家庭に帰っても外での鬱憤をぶつけることなく、穏やかに過ごすことができる。プラスのスパイラルが生まれるという事。

********

と、記していました。子どもと、そしてその子が育っていく家族を中心に、広く社会にまで目を向けながら、子どもの心に寄り添うことの大切さを、ずっと訴えて来られた佐々木先生の言葉のひとつひとつが胸にしみわたったことを思い出します。

思春期の子育てについての本も何冊か、書かれています。これらの本が、子育て中の方々に広く手渡されていくようにと願います。

 

『抱きしめよう、わが子のぜんぶ―思春期に向けて、いちばん大切なこと』佐々木正美/著 大和出版 2006

 

 


『子どもの心の育てかた』佐々木正美/著 河出書房新社 2016

子どもの心の育てかた
佐々木正美
河出書房新社
2016-07-19


 

(作成K・J)

2017年5月、6月の新刊より(その1)*追加資料あり


 2017年5月、6月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。なお、6/28に2冊追加しました。(2017年4月発行の書籍も含まれています)

(その1)では絵本を、(その2)で児童書、YA向けの書籍を紹介します。

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。

 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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【絵本】

 『えじえじえじじえ』佐藤可士和/絵 谷川俊太郎/字 クレヨンハウス 2017/4/10

 谷川俊太郎さんが多彩な画家やアーティストとコラボして作る「あかちゃんから絵本」シリーズの13作品目です。佐藤可士和さんは谷川さんからこのシリーズの依頼があって約2年半、どのような表現にしようかと初めての絵本への取組に答えが出せなかったそうです。ところが有田焼が創業400年を迎える2016年に向けて「ARITA 400project」に関わったことで、触発され自由に色をかけて表現したのが今回の絵になっています。その絵をみながら、今度は谷川さんが「字」をつけていきます。絵も字もあかちゃんにとっては、ひとつの表現であるということで、並んでいる文字に意味はなく、谷川さんが絵からイメージした「字」が並んでいるのです。ところが、実際に保育園で読み聞かせをしてみると、この不思議な絵本に小さな子どもたちが惹きつけられていく、そんな映像もおふたりのトークイベントで見せていただきました。小さな子どもの感性を揺すぶる絵本と言えるのかもしれませんね。

 

『なにもかも おちてくる』ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 まさきるりこ/訳 瑞雲舎 2017/4/15

ほら なにもかも おちてくる
ジーン ジオン
瑞雲舎
2017-04-15

 この絵本の原書『All Falling Down』(1951)は、1952年のコールデコット・オナー賞受賞作品で、2005年にあすなろ書房から同じ訳者によって『あっ、おちてくる ふってくる』というタイトルで出版されていました。ジーン・ジオンとマーガレット・ブロイ・グレアムのコンビによる絵本としては『どろんこハリー』(わたなべしげお/訳 福音館書店 1964)が良く知られていますが、実はこちらがデビュー作です。今回、別の出版社から出すにあたり、タイトルだけではなく、内容もいくつか翻訳が変更されています。たとえばあすなろ書房版で「ひとびとは、いそいでいえじにつきます」→瑞雲舎版「ひとびとは、いえにむかっていそぎます」、あ「おばあさんのけいとのたまが おちてころがります。ころころ ころころ・・・」→瑞「おばあさんのけいとのたまがころがります。まるいためが、ころころ ころころ」、あ「おとうさんがジミーをしっかりうけとめます」→瑞「おとうさんが、ジミーをしっかりうけとめました」というように変更されています。2冊を読み比べてみると、たしかに声に出して読んだ時に、耳心地よく読みやすい訳になっているなと感じました。自然の営みの中で、落ちるもの、落ちてくるものとして花びらに、噴水の水、りんごに落ち葉など身の回りのものに目を向けさせる絵本です。と、同時に英語ではすべて「Falling Down」という表現ですむものが、日本語では「おちる」「おりる」「ふる」と違うことばで表現されていることも面白いなと思いました。

 

『アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険』トーベン・クールマン/作 金原瑞人/訳 2017/4/15 

アームストロング: 宙飛ぶネズミの大冒険
トーベン クールマン
ブロンズ新社
2017-04-15

2015年に出版された『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』(本のこまど紹介記事は→こちら)の第2弾です。今度は、仲間のネズミたちが「月は大きなチーズだ」と思い込んでいる中、天体望遠鏡で月を観測していて地球の衛星だと気がつくネズミが主人公です。仲間に理解してもらえないでいるネズミのもとにスミソニアン博物館の老ネズミから手紙が届き会いに行きます。この老ネズミは前作のネズミだと思われます。そして月へ行くことを決意したネズミは、大学の授業を聴講して(無断で)設計図を作成し、着々と準備を進めます。ところが大きな事故を起こし、人間に追われる身に・・・そんな中、無事に月へ着陸し、また地球へ帰還します。壮大な物語は、困難な状況を克服しながら月面着陸をはじめとして宇宙開発をすすめてきた人類の歩みを彷彿とさせます。前作と合わせて読んでみると、面白さも倍増しそうです。
 

 

『だれのこどももころさせない』西郷南海子・浜田桂子/作 浜田桂子/絵 安保関連法に反対するママの会/協力 かもがわ出版 2017/4/30

だれのこどももころさせない
西郷 南海子
かもがわ出版
2017-04-25

 「子育てまっ最中のママたちが、安保関連法案反対の声をあげたと知ったとき、わたしは胸打たれるものがありました。命を生み命を日々育んでい人たちの感性が、この法案を受け入れるはすがない。赤ちゃんや幼い子たちが、ママに大きな勇気を与え背中を押してくれたのだと。」と、この絵本の画家浜田桂子さんはあとがきに記しています。この絵本が出来たきっかけは、教育学を学ぶひとりのママが、わが子のこんな言葉を聞いたことだったそうです。新聞の安保関連法案審議を伝える記事を見て、「きょうのよる、せんそうにならない?」と不安げに聞く小さな声を。日本で今実際に寝ている家の上に爆弾が落ちてくることはないにしても、その問いかけは「いつのまにか、地球の向こうの子どもたちからのSOSに聞こえて」きたというのです。この法律制定の前に実は防衛装備移転三原則が閣議決定されており、いつのまにか武器輸出が可能になっています。国内で戦争は起きなくても、日本から輸出する武器が紛争地の子どもたちの上で使われるかもしれない。そうしたことに目を向け、命は補充可能な部品ではないことを、伝えていく決意を感じる絵本です。しかしその強い決意とは裏腹に絵は柔らかい色彩で優しく包み込むように「だれのこどももころさせない」と高らかに宣言しています。

 

『きゃべつばたけのぴょこり』甲斐信枝/作 ふしぎなたねシリーズ 福音館書店 2017/5/20

 きゃべつの上で育つもんしろ蝶のさなぎが主人公になっている小さな子どものための科学絵本です。植物の絵を描くのが大好きな甲斐信枝さんの、小さな生き物への愛情を感じる絵本です。蝶のさなぎだけではなく、きゃべつ畑にいる様々な昆虫など(たとえばてんとう虫の幼虫や成虫、カメムシなども)が丁寧に描かれています。

 

 『ちいさなかえるくん』甲斐信枝/作 ふしぎなたねシリーズ 福音館書店 2017/5/20

 こちらも甲斐信枝さんが描く小さな子どものための科学絵本です。『きゃべつばたけのぴょこり』に続くお話です。さなぎから孵ったばかりのもんしろ蝶を追いかけて逃げられてしまった蛙が主人公です。蝶が飛んでいくほうへ、どんどん追いかけていきます。おおいぬのふぐりにシロツメクサ、タンポポにナズナ、れんげに母子草、ハルジオンといろいろな春の雑草の中を飛んでいくもんしろ蝶。それを追いかける蛙、最後はまたきゃべつ畑に戻ってきます。蛙の姿を追いかけながら、春の野の花を親子で思い出せるといいなと思います。

 

 『よるのおと』たむらしげる/作 偕成社 2017/6 

よるのおと
たむら しげる
偕成社
2017-06-13

 たむらしげるさんは9歳の時、国語の授業かなにかで「古池や 蛙飛びこむ 水の音」という芭蕉の俳句を初めて耳にし、同時にその池の状況が音と共に鮮明に見えたというのです。あとがきでそのことを、「鳥肌が立つようなこの不思議な感覚をどう表現すればよいのだろう?(中略)ぼくは自分がこのすばらしい宇宙に存在する不思議に気づいた。」と書いています。60年を経て、その俳句を情景化したのがこの絵本なのです。絵本で表現されている時間は、おじいちゃんを訪ねてきた男の子が家の前の池にさしかかって玄関に到達するまでのほんの1,2分です。その間の、夜の池で繰り広げられる生き物たちの営みを「音」で表現しているのです。背景に星空が広がり、蛙が飛び込んだあとの波紋が太陽系のように見えるなどは、自分が「宇宙に存在する」と感じたかつてのたむら少年の心象風景を描き出しているのかもしれません。

 

『金剛山のトラ―韓国の昔話―』クォン・ジョンセン/再話 チェン・スンガク/絵 かみやにじ/訳 福音館書店 2017/6/10

金剛山のトラ 韓国の昔話 (世界傑作絵本シリーズ)
福音館書店
2017-06-07
 
 韓国の金剛山(クムガンサン)は歌にも歌われる代表的な山で、切り立った岩の峰々が連なる険しい山と深い渓谷とが織りなす景勝地とのこと。そこに伝わる昔話です。父親を人喰いトラに殺されたと聞いた少年ユボギが、母親と一緒に厳しい修行を積みます。その修業は母親が頭の上に載せた水瓶を矢で射った後に、泥団子を矢じりにつけて放ち、先ほどの穴をふさぐということであったり、鋭い竹の切り株の上を転がってみたり、自分の体の何倍もある大岩を持ち上げたりすることでした。そしていよいよトラ退治の旅に出かけていきます。旅の途中で出会った老婆の忠告を聞いてさまざまな試練を乗り越えるのですが、とうとう自分も人喰いトラに飲み込まれてしまいます。しかしユボギはトラのお腹の中で出会った娘と共に、必死で脱出する方法を探ります。とても迫力のある絵本ですが、最後は心温まる結論に、物語に引き込まれた子どもたちもホッとすることでしょう。 

 

 『ねむれないおうさま』ベンジャミン・エルキン/原作 ザ・キャビンカンパニー/絵 小宮由/訳 瑞雲舎 2017/6/15

ねむれない おうさま
ベンジャミン・エルキン
瑞雲舎
2017-06-30

 ある国の王さまは、なかなか寝付けません。家来たちは王さまに聞こえる限りの音を消し去ろうとします。飛行機や汽車を止めるだけでなく、子どもたちから積み木やくちゃくちゃかむ音がするチョコバーまで取り上げ、川のせせらぎや鳥の鳴き声まで聞こえないようにしました。それでも眠らない王さま。もう打つ手はないと思ったところへ、歌声が聞こえてきます。すわ大変!と家来たちが駆け付けると、新しく来た乳母が優しい声で子守歌を歌っていたのでした。そして赤ちゃんの王さまは安心して眠りにつくのです。途中までなんてわがままな王さまなんだろう?と思いながら読んでいると、最後に現れる可愛らしい赤ちゃんの寝顔に思わずこちらも頬が緩みます。 

 

 『スリランカの昔話 ふしぎな銀の木』シビル・ウェッタシンハ/再話・絵 松岡享子、市川雅子/訳 福音館書店 2017/6/15 

スリランカの昔話です。あるとき、王さまが不思議な夢を見ます。地面がぱっくりと割れて美しい銀色の木が生え、銀の花が咲き、銀の実がなり、銀の雄鶏がその上にたって時を告げたというのです。その木をほんとうに見たいと願い、三人の王子を探しにやります。三人の王子はそれぞれの道を探しに出かけますが、上の二人の王子はすぐに何かの魔力で姿を変えられてしまいます。末の王子は賢者の助言をもらって大蛇を倒し、不思議な洞窟の中で王さまが見たという夢の木を探し当てます。 大蛇の三人の美しい娘を連れて王さまの元へ戻ってくるのですが・・・正直な末の王子の優しさにホッとします。『きつねのホイティ』(松岡享子/訳 福音館書店 1994)や、『かさどろぼう』(いのくまようこ/訳 徳間書店 2007)で人気のスリランカの絵本作家シビル・ウェッタシンハさんの新しい絵本です。

 

『ホウホウフクロウ』井上洋介/作 福音館書店 2017/6/15

ホウホウフクロウ (日本傑作絵本シリーズ)
井上 洋介
福音館書店
2017-06-14
 
昨年2月に亡くなられた井上洋介さんの最後の絵本です。(訃報のお知らせは→こちら)シュールでいて温かみのある絵が魅力の井上作品ですが、最後のこの作品は水墨画です。淡々とした文章と、深い夜の闇の中を飛び回るフクロウやミミズクの圧倒的な存在感は、読む者を不思議な別世界に連れていきます。井上洋介さんのこれまでの仕事とはひと味違う作品をぜひ味わってほしいと思います。
 

 

 『どうぶつたちがねむるとき』イジー・ドヴォジャーク/作 マリエ・シュトゥンプフォヴァ―/絵 木村有子/訳 偕成社 2017/6

どうぶつたちがねむるとき
イジー・ドヴォジャーク
偕成社
2017-06-13

 「チェコの最も美しい本2014年」の児童書部門で3位を受賞した絵本です。抑えた色彩と、フロッタージュという技法で表現した動物たちの眠る様子は、ため息が出るほど美しく、それでいて科学的な視点をもった説明文がつけられています。ひとつひとつ読んであげているうちに、子どもも眠りに誘われていくことでしょう。

 

『手おけのふくろう』ひらののぶあき/文 あべ弘士/絵 福音館書店 2017/6/25

手おけのふくろう (日本傑作絵本シリーズ)
ひらの のぶあき
福音館書店
2017-06-21
 
 北国のある里山のお話です。古い桜の木のうろで子育てをしていたふくろうの夫婦がいました。ところがある大雪の日に雪の重さに桜の木が倒れてしまうのです。そこでふくろうたちは、民家の軒先につるされた手おけを代わりの巣にするのですが、雪やみぞれがおけの中には吹き込み、また天敵のハクビシンに狙われたりします。そんな危機を乗り越え、ふくろうの夫婦は三羽のひなを育てるのです。このお話は、実際にあった話がもとになっているそうです。野鳥を撮り続けているカメラマンの平野伸明さんが 文章を書き、旭山動物園の飼育員だったあべ弘士さんが現地を取材しながら絵を描いています。
 
 
『エルマーとブルーベリーパイ』ジェーン・セアー/作 シーモア・フレイシュマン/絵 おびかゆうこ/訳 ほるぷ出版 2017/6/24 
 
エルマーとブルーベリーパイ (海外秀作絵本)
ジェーン・セア
ほるぷ出版
2017-06-20

 1961年にアメリカで出版された絵本が、初邦訳されました。ある家にエルマーという妖精が住んでいます。ある日、おうちの人が焼いたブルーベリーパイをエルマーは食べてみました。あまりに美味しくて夢にまで見るほど。翌日もまたブルーベリーパイを食べられるかと思ったら、家の人が全部食べてしまっていました。もう一度食べたいと思ったエルマーはどうしたと思いますか?家の人たちが気がつかないうちに家じゅうの洗い物をし、掃除をし、ベッドメイキングまでしました。でも妖精は人間には見えないのです。どうやって「もう一度ブルーベリーパイ作ってほしい」とお願いするのでしょう?読んでみてくださいね。こんな妖精ならうちにもいて欲しいなと思いました。

 

『まるぽちゃ おまわりさん』マーガレット・ワイズ・ブラウン、イーディス・サッチャー・ハード/作 アリス&マーティン・プロベンセン/絵 こみやゆう/訳 PHP研究所 2017/6/26

まるぽちゃ おまわりさん (おひざにおいで)
イーディス・サッチャー・ハード マーガレット・ワイズ・ブラウン
PHP研究所
2017-06-13
 
 翻訳者として次々に楽しい子どもの本を紹介してくださるこみやゆうさんは、お子さんをお膝の上にのせて絵本を読んであげる至福の時間をこのように表現しています。「絵本を子どもと楽しむということは、その子の心に「よろこびの種」を蒔くということです。種は、いずれ木となり、実をむすびます。その子が大きくなった時、心にたくさんの実があれば、時に他人にわけ与え、時に自らを励ますことができるでしょう。」と。そんな親子の時間のためにと、こみやゆうさんが選ぶ「おひざにおいで」シリーズの第1作目がこの絵本です。ちいさくて太ったまるぽちゃおまわりさんが交通整理に、泥棒退治に、溺れた人の救助に大活躍するお話が3つ入っています。ポップで親しみやすい絵を描いたのは『たまごってふしぎ』(こみやゆう/訳 講談社 2012)の絵本があるプロベンセン夫妻です。 

 

『あめのひ』サム・アッシャー/作・絵 吉上恭太/訳 徳間書店 2017/6/30

あめのひ (児童書)
サム アッシャー
徳間書店
2017-06-13

 朝、目が覚めると外は雨、ぼくは外で遊びたいなと思います。おじいちゃんに「雨を口で受け止めたい」「水たまりにパシャーンと飛びこんだりしたい」「ふねにのってあそびたい」と次々ねだりますが、おじいちゃんは雨が止むまで待つようにと言うのです。さて、雨が止んで玄関のドアを開けると・・・一面の海のようになっているのです。そこで舟に乗って出かけるおじいちゃんとぼく。やりたかったことを全部やって、ぼくも大満足です。こん風に過ごせたら雨の日も楽しいだろうなと思わせてくれます。

 (作成K・J)

 

2017年(その2)ぐんぐん、どんどん(幼児~小学生)


夏はいろんなものが成長する時。「ぐんぐん、どんどん」伸びて、競って、そんな絵本やおはなしを選んでみました。

【ぐんぐん、どんどん】

導入 絵本『なつはぐんぐん』五味太郎 きせつのえほん 小学館 2005 1分半

おはなし会のオープニングにはいつも詩を紹介していますが、この五味太郎さんの絵本は詩のようなリズムです。「どこかでなつのおと ぐんぐん」、「おはながぐんぐん」と「ぐんぐん」が繰り返されていきます。読み手だけでなく、子どもたちも一緒に「ぐんぐん」と声に出してみるといいでしょう。

 

素話「こぶとりじい」 『子どもに語る日本の昔話1』(稲田和子、筒井悦子/再話 多田ヒロシ/挿絵 こぐま社 1995)より 8分

子どもに語る 日本の昔話〈1〉
稲田 和子
こぐま社
1995-06-01
 
山で仕事をしている時に、夕立に合い、木の洞で雨宿りをする正直者のこぶじいさん。夏に相応しいお話です。「こぶとりじい」または「こぶじさま」の語りのテキストは他にもいくつかあります。私はこぐま社の『子どもに語る日本の昔話1』に収録されているこちらのテキストが一番自分には合っていると感じました。天狗や山の獣たちが「ジャンガラ、モンガラ、ジャンガラリン」と鳴り物入りで登場してくるところは情景をありありと描くことができて好きです。この昔話はいろいろなバリエーションがあり、こぶが額にあるもの、夜中に出てくるのが鬼というものもあります。それぞれの語り手に合うテキストがあると思いますので、声に出してみながら探してみるとよいでしょう。(山形弁)
 
【さまざまな再話による「こぶとりじい」】
 絵本『こぶじいさま』松居直/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼
「こぶ取りじい」『日本の昔話3ももたろう』おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとりじいさん」『語りつぎたい日本の昔話 浦島太郎』小澤俊夫/監修 小澤昔ばなし大学再話研究会/再話 唐仁原教久/絵 小峰書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとり」『松谷みよ子の本8昔話』松谷みよ子/著 講談社・・・額にこぶ 天狗(東北弁)
「こぶとり爺」『日本昔話百選』稲田浩二・稲田和子/編著 丸木位里・丸木俊/絵 三省堂・・・額にこぶ 天狗(岩手弁)
「こぶとりじいさん」『新版 日本のむかし話5』坪田譲治/著 偕成社文庫 偕成社・・・頬にこぶ 天狗(標準語)

 

 絵本『まっかっかトマト』いわさゆうこ どーんとやさい 童心社 2015 3分

まっかっか トマト (どーんと やさい)
いわさ ゆうこ
童心社
2015-06-20

夏やさいの中でも、子どもたちに一番身近なトマト。この赤い色を見ているだけで元気が出そうです。科学的な視点で描かれた観察絵本ですが、ことばもとても耳に心地よい絵本です。「ぐぐぐ ぐいーん」と伸びるトマトのように、子どもたちも健やかな夏を過ごしてほしいなと思います。

 

絵本『もっとおおきなたいほうを』二見正直/作 福音館書店 2009 5分強

もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本)
二見正直
福音館書店
2009-11-10
 
先祖代々伝わる大砲を打ちたくて仕方がない王さま。きつねが王さまの好きな川の鮭を無断で食べたからと大砲を打ち込みます。するときつねがそれより立派な大砲を対岸で構えます。王さまは「もっと大きな大砲を作れ」と命じて、それはどんどんエスカレートしていきます。武力で相手を威嚇することの愚かさを、この絵本ではきつねを使って見事に茶化してみせてくれています。ある意味、今の世界の状況と似ているようにも感じます。笑いの中にもしっかりと子どもたちにメッセージを残してくれる絵本です。終戦記念日のある8月なので、この絵本を選んでみました。
 
(作成K・J)

訃報 ウルフ・スタルクさん


スウェーデンの児童文学作家ウルフ・スタルクさんが6月13日に72歳で亡くなられたとJBBYのFacebookページで知りました。→JBBYのFacebook

『うそつきの天才』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 1996)は大好きなスタルクの作品でした。

うそつきの天才 (ショート・ストーリーズ)
ウルフ スタルク
小峰書店
1996-11

 

 

 

絵本では、『おじいちゃんの口笛』(菱木晃子/訳 アンナ・ヘグルンド/絵 ほるぷ出版 1995)、『ちいさくなったパパ』(菱木晃子.訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 1999)、『パパが宇宙をみせてくれた』(菱木晃子/訳 エヴァ・エリクソン/絵 BL出版 2000)、『おにいちゃんといっしょ』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 2003)など、子どもたちの心に寄り添う優れた作品が多くあります。

おじいちゃんの口笛
ウルフ スタルク
ほるぷ出版
1995-02-01
 
 
 
 
パパが宇宙をみせてくれた
ウルフ スタルク
BL出版
2000-10


 

 
 

児童書には 『シロクマたちのダンス』(菱木晃子/訳 堀川理万子/絵 偕成社 1996)や、『夜行バスにのって』(遠藤美紀/訳 堀川理万子/絵 偕成社 1998)や、『パーシーの魔法の運動ぐつ』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 2009)などのパーシーシリーズががあります。

シロクマたちのダンス
ウルフ スタルク
偕成社
1996-05

 

 

夜行バスにのって
ウルフ スタルク
偕成社
1998-01
 
 
 
 
パーシーの魔法の運動ぐつ (パーシーシリーズ)
ウルフ スタルク
小峰書店
2009-07
 
 
 
スタルクさんは2018年の国際アンデルセン賞にノミネートされていたそうです。とても残念に思います。
 
これを機に、ぜひスタルフさんの作品を子どもたちに手渡してください。

(作成K・J)

 

2017年(その1)暑くても元気!(小さい子)


暑い日が続くと、子どもたちもぐったり、夏バテしてしまいがち。その予防のためには日中は身体を動かしてたっぷり遊び、早寝早起きをするなど規則正しい生活を続けることが大事です。

そんな子どもたちに寄り添う絵本を選んでみました。

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導入 わらべうた 「このこどこのこ」

このこどこのこ

お母さんのお膝の上にのって遊ぶ遊びです。赤ちゃんを揺するのではなく、お母さんが揺れましょう

 

 

 

 

 

わらべうた「いちりにり」

いちりにり

赤ちゃんの足を触りながら遊ぶわらべうたです。「いちり」で足の指を、「にり」で足首を、「さんり」で膝の裏を、「しりしりしり」でお尻をもって左右に揺さぶります。

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた「ちっちゃいまめこーろころ」 

ちっちゃいまめこーろころ

はだしでいる時の赤ちゃんの足の指で遊びます。足の小指から順番に触りながら遊びます。最後は一番大きな親指を触ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ひまわり』和歌山静子/作 福音館書店 2006/6 1分

ひまわり (幼児絵本シリーズ)
和歌山 静子
福音館書店
2006-06-15

 ちいさなたねが、おひさまの光をたくさん浴びて、「どんどこ どんどこ」と伸びていきます。そしておひさまのような大きなひまわりが咲きました。「どんどこ どんどこ」と子どもたちも一緒に声をかけてくれるかもしれませんね。

 

絵本『たんたんぼうや』かんざわとしこ/文 やぎゅうげんいちろう/絵 福音館書店 0.1.2えほん 1998/4 1分半

たんたん ぼうや (0.1.2.えほん)
かんざわ としこ
福音館書店
1998-04-15

 たんたんぼうやがげんきに歩いていくと、つぎつぎどうぶつのともだちが加わって・・・リズミカルで楽しい絵本です。
遊び疲れたら、この絵本のように、ごろんとお昼寝するのも大事ですね。 

 

 

わらべうた「ちびすけどっこい」

ちびすけどっこい

いろいろな遊び方があります。ごく小さい赤ちゃんの場合はひざの上で上下に揺らします。自分で座って遊ぶことができる赤ちゃんとは、向かい合わせにすわって、わらべうたに合わせて両手を合わせて押し合います

 

 

 

 

 

 

絵本『ぞうきばやしのすもうたいかい』広野多珂子/作 廣野研一/絵 福音館書店 2016/6 2分

ぞうきばやしの切り株のうえで始まったすもうたいかい。いろんな虫たちが「みあって みあって」とすもうをとります。小さな子どもたちにとって、さまざまな虫がいることを、すもうになぞらえて知ることができる絵本です。
 

わらべうた さよならあんころもち

 (作成K・J) 

8月のおはなし会☆おすすめ本リスト


8月のおはなし会やブックトーク、特集展示で使える本のリストを更新しました。

8月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)

 

また、昨年出版された『明日の平和をさがす本―戦争と平和を考える 絵本からYAまで 300』(宇野和美/さくまゆみこ/土居安子/西山利佳/野上暁/編著 岩崎書店 2016/11/30)を、2011年出版の『君にはかんけいないことか』(京都家庭文庫地域文庫連絡会/編  かもがわ出版)と共に最初に掲載しています。illust2037_thumb

明日の平和をさがす本 戦争と平和を考える絵本からYAまで300
宇野 和美
岩崎書店
2016-11-18
 
 
 

 (この本に関する紹介記事は→こちら「『明日の平和をさがす本300』ブックガイドをぜひ座右に」

8月は終戦記念日もあり、「戦争と平和」に関するブックリストや特集展示を作ることもあるでしょう。このテーマに関する絵本以外の書籍に関してはこれらのリスト本を活用してください。

(作成K・J)

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