2017年(その2)ぐんぐん、どんどん(幼児~小学生)


夏はいろんなものが成長する時。「ぐんぐん、どんどん」伸びて、競って、そんな絵本やおはなしを選んでみました。

【ぐんぐん、どんどん】

導入 絵本『なつはぐんぐん』五味太郎 きせつのえほん 小学館 2005 1分半

おはなし会のオープニングにはいつも詩を紹介していますが、この五味太郎さんの絵本は詩のようなリズムです。「どこかでなつのおと ぐんぐん」、「おはながぐんぐん」と「ぐんぐん」が繰り返されていきます。読み手だけでなく、子どもたちも一緒に「ぐんぐん」と声に出してみるといいでしょう。

 

素話「こぶとりじい」 『子どもに語る日本の昔話1』(稲田和子、筒井悦子/再話 多田ヒロシ/挿絵 こぐま社 1995)より 8分

子どもに語る 日本の昔話〈1〉
稲田 和子
こぐま社
1995-06-01
 
山で仕事をしている時に、夕立に合い、木の洞で雨宿りをする正直者のこぶじいさん。夏に相応しいお話です。「こぶとりじい」または「こぶじさま」の語りのテキストは他にもいくつかあります。私はこぐま社の『子どもに語る日本の昔話1』に収録されているこちらのテキストが一番自分には合っていると感じました。天狗や山の獣たちが「ジャンガラ、モンガラ、ジャンガラリン」と鳴り物入りで登場してくるところは情景をありありと描くことができて好きです。この昔話はいろいろなバリエーションがあり、こぶが額にあるもの、夜中に出てくるのが鬼というものもあります。それぞれの語り手に合うテキストがあると思いますので、声に出してみながら探してみるとよいでしょう。(山形弁)
 
【さまざまな再話による「こぶとりじい」】
 絵本『こぶじいさま』松居直/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼
「こぶ取りじい」『日本の昔話3ももたろう』おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとりじいさん」『語りつぎたい日本の昔話 浦島太郎』小澤俊夫/監修 小澤昔ばなし大学再話研究会/再話 唐仁原教久/絵 小峰書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとり」『松谷みよ子の本8昔話』松谷みよ子/著 講談社・・・額にこぶ 天狗(東北弁)
「こぶとり爺」『日本昔話百選』稲田浩二・稲田和子/編著 丸木位里・丸木俊/絵 三省堂・・・額にこぶ 天狗(岩手弁)
「こぶとりじいさん」『新版 日本のむかし話5』坪田譲治/著 偕成社文庫 偕成社・・・頬にこぶ 天狗(標準語)

 

 絵本『まっかっかトマト』いわさゆうこ どーんとやさい 童心社 2015 3分

まっかっか トマト (どーんと やさい)
いわさ ゆうこ
童心社
2015-06-20

夏やさいの中でも、子どもたちに一番身近なトマト。この赤い色を見ているだけで元気が出そうです。科学的な視点で描かれた観察絵本ですが、ことばもとても耳に心地よい絵本です。「ぐぐぐ ぐいーん」と伸びるトマトのように、子どもたちも健やかな夏を過ごしてほしいなと思います。

 

絵本『もっとおおきなたいほうを』二見正直/作 福音館書店 2009 5分強

もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本)
二見正直
福音館書店
2009-11-10
 
先祖代々伝わる大砲を打ちたくて仕方がない王さま。きつねが王さまの好きな川の鮭を無断で食べたからと大砲を打ち込みます。するときつねがそれより立派な大砲を対岸で構えます。王さまは「もっと大きな大砲を作れ」と命じて、それはどんどんエスカレートしていきます。武力で相手を威嚇することの愚かさを、この絵本ではきつねを使って見事に茶化してみせてくれています。ある意味、今の世界の状況と似ているようにも感じます。笑いの中にもしっかりと子どもたちにメッセージを残してくれる絵本です。終戦記念日のある8月なので、この絵本を選んでみました。
 
(作成K・J)