Yearly Archives: 2017

2017年(その1)手と手をあわせて(小さい子)
2017年度後期 学校図書館実践講座のご案内
おはなし会☆おすすめ本リスト11月(2017)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介  9月(再掲)
おはなし会のいろは(その6)おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)(再掲)
おすすめ幼年童話6『プレゼントはお・ば・け』西内ミナミ
2017年(その2)おなべの中身は?(幼児~小学生)
2017年(その1)なにたべた?(小さい子)
「お話(素話)から学ぶ第2回」報告
訃報 わかやまけんさん
2017年6月、7月の新刊より
おすすめ幼年童話5『スプーン王子のぼうけん』竹下文子
10月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)
29年度第2回児童部会
おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?(再掲)

2017年(その1)手と手をあわせて(小さい子)


 小さな子どもたちの手。温かい手です。その手と手をつなぐと、おとなの方も自然と頬が緩みます。この子どもたちにどんな未来を手渡せるんだろうと、責任も感じます。そんな思いをこめて、11月の小さい子向けおはなし会プランを作ってみました。

なお、「本のこまど」に掲載しているわらべうたは、作成者が子ども時代から歌ってきたわらべうたを採譜しています。市販のわらべうたの楽譜と音程が違う場合があります。ご了承ください。

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【手と手をあわせて】

導入 わらべうた ちょちちょちあわわ

 ちょちちょちあわわ

 

 


小さな赤ちゃんの場合は、お膝の上でおとなが赤ちゃんの手をそっととって一緒に遊びます。
”ちょちちょち”で手をたたき、”あわわ”で手のひらで口を3回軽くおさえ、”かいぐりかいぐり”でげんこつを作って両手を体の前で回します。”おつむてんてん”で頭を軽く2回さわり、”ひじとんとん”で、交互に手のひらで反対側のひじを叩きます。

 

わらべうた ここはてっくび

ここはてっくび

手首→手のひら→”ありゃりゃ”で親指、”こりゃりゃ”で人差し指、”せいたかぼうず”で中指、”いしゃぼうず”で薬指、”おさけわかしの”で小指を1本ずつ触っていきます。”かんたろさん”で両手を合わせてこすりあわせます。

片手ずつ、2回繰り返すとよいでしょう。 

 

 

 

 

 

 

絵本『もりのてぶくろ』八百板洋子/文 ナターリヤ・チャルシーナ/絵 福音館書店 2010

おおきな楓の葉っぱが森の中に落ちています。まるで手袋みたい。動物たちが次々にやってきて当ててみますが・・・この絵本は月刊誌「ちいさなかがくのとも」2004年11月号でした。落ち葉に焦点を当てた小さい子向けの科学絵本ですが、絵も文章も秋の優しい陽射しのような美しい絵本です。 

 

わらべうた とうきょうとにほんばし 

とうきょうとにほんばし
 
 
 
 
 
 
 
 
赤ちゃんの手を、掌側にして、指でなぞっていく遊びです。”とうきょうと”で一本指で掌をなぞり、”にほんばし”では二本指でなぞります。”がりがりやまの”では掌をがりがりとくすぐり、”パンやさんと”で軽く掌をたたき、”つねこさんが”では軽くつねり、”かいだんのぼって”で二本指で腕に沿うように上っていき、最後は首元をこちょこちょします。
 
 
絵本『ててちゃん』土橋悦子/文 織茂恭子/絵 福音館書店 2008
 
 
 わらべうたがそのまま絵本になりました。後ろの見開きに遊び方が書いてあります。最初に絵本を読んであげてから、遊び方を説明します。その上で、もう一度わらべうたで遊びながら絵本を読んでみましょう。読み手のほかに、わらべうたをやってみせる人がいるといいですね。
 
 
絵本『とってください』福知伸夫 0.1.2えほん 福音館書店 2003

とってください (0.1.2.えほん)
福知 伸夫
福音館書店
2003-03-01
 
 かめさんがさんぽにでかけます。木のうえにあるものを、ともだちのどうぶつたちに取ってもらいます。最後のページが秋らしくて素敵ですよ。
 
 
わらべうた おやゆびねむれ
おやゆびねむれ
 
 おはなし会の最後は、ゆったりとしたリズムのわらべうたで締めましょう。赤ちゃんの手をとって、親指から一本ずつゆっくりと倒していきます。そっとそっと寝かしつけるように優しく撫でながら歌います。最後は赤ちゃんの手を優しく両手で包み込みましょう。
右手、左手それぞれ2回繰り返してやってみてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
わらべうた さよならあんころもち
 
(作成K・J)
 

2017年度後期 学校図書館実践講座のご案内


学校図書館や子どもの読書にかかわる人が必要な知識や実技を身につけるための講座として、全国学校図書館協議会による学校図書館実践講座が実施されています。9月からの後期スケジュールが発表されています。9月9日の回は終了しているので、10月からの講座を紹介します。

1回ごとの参加も可能です。気になる講座があれば参加してみてはいかがでしょうか。illust1545

学校図書館実践講座

<主 催> 公益社団法人全国学校図書館協議会

<会場> 学校図書館センター4F会議室
     〒112-0003 東京都文京区春日2-2-7 

<参加者> 学校図書館の活動に興味関心のある方(大学生、大学院生も可)

<内容>

いずれも土曜日
10/14【午前】「心に届く読み聞かせ」(講師:フリーアナウンサー阿南貴恵氏)
    【午後】「意欲と質を高める読書活動」(講師:埼玉県狭山市立入間川中学校教諭、全国SLA参事 熊倉峰広氏)
 
11/25【午前】「英語多読のすすめ」(講師:東京都立府中東高等学校司書 米澤久美子氏)
    【午後】「おすすめ!読書へのアニマシオン」(講師:慶應義塾普通部教諭、慶應義塾大学非常勤講師 鈴木淑博氏)

12/9 【午前】「ワークショップ POPを作ろう」(講師:茗溪学園中学校高等学校司書教諭 三島侑子氏)
   【午後】「資料保存と修理」(講師:(公社)日本図書館協会資料保存委員会委員長、都立中央図書館資料保全専門員 眞野節雄氏)

2018年
1/20 【午前】「学校図書館における個に応じた支援」(講師:新宿区立教育センター学校図書館アドバイザー、全国SLA参事 小川三和子氏)
   【午後】「授業に役立つ学校図書館作り―授業実践とともに」(講師:埼玉県川越市立南古谷小学校司書教諭 中島晶子氏)

2/3   【午前】「学校図書館を活用した授業作り―利用指導を中心に」(講師:新宿区立教育センター学校図書館アドバイザー、全国SLA参事 小川三和子氏)
   【午後】「オリエンテーション」(講師:白百合女子大学非常勤講師 中村伸子氏)

3/10【午前】「学校図書館担当や司書教諭と学校司書との連携・協働」(講師:横浜市立菅田小学校教諭、全国SLA参事 千葉尊子氏)
  【午後】「学校図書館へ誘う教員への働きかけ」(講師:三郷市教育委員会生涯学習課読書活動支援員、全国SLA学校図書館アドバイザー 福田孝子氏)

詳細や申込みに関しては、学校図書館協議会のホームページ→こちらをご覧ください。

また、SLAでは学校図書館実践講座プラスアルファも参加者を募集しています。詳しくは→こちらです。こちらは10月28日(土)、11月18日(土)、2018年2月17日(土)の3回です。こちらも併せて興味のある方は受講してみてください。

 

なお、自己研鑽のための外部研修(費用等、自己負担)としてご案内しています。ご了承ください。

(作成K・J)

おはなし会☆おすすめ本リスト11月(2017)


11月のおはなし会やブックトーク、展示などで使える絵本のリストを更新しました。

利用者からの問合せにも、ぜひご活用ください。サイトの名前とリストの置いてある場所をメモして渡すだけ。利用者の方は自分でこちらにアクセスしてプリントアウトできます。col75

11月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介  9月(再掲)


秋は空気が澄んでお月さまがきれいに見える季節。今年の十五夜は9月15日ということで、お月見が楽しみです。

そんな9月は「月」をテーマに本を選びました。以前に、「おはなし会プラン」で紹介したものがほとんどですが、小学校の読み聞かせ用にまとめ直してみました。

昔話や物語、科学の本などを通して、さまざまな角度で月を楽しんでみてください。

<低学年>

『おつきさんどうしたの』 E.M.プレストン著 B・クーニー絵 岸田衿子訳 岩波書店 5分

おつきさんどうしたの (岩波の子どもの本)おつきさんどうしたの (岩波の子どもの本) [単行本]
著者:エドナ・ミッチェル プレストン
出版:岩波書店
(1979-09-21)
 
ある月夜、ベッドを抜け出したガチョウの子のは、きつねの形をした雲が月を隠したのをみて、きつねがおつきさんを食べちゃった!と勘違い、池に映った月をみて、おつきさんが池におっこちた!と大騒ぎ、お百姓さんを何度も起こして怒らせてしまいます。うなだれて下ばかりみていたガチョウの子は、きつねにつかまってしまって・・・。子どもたちは、ガチョウの子の勘違いに「違うよー」と余裕で笑っていますが、きつねにつかまると必死の表情になります。やわらかなタッチの絵と、心地よいことばのひびきも楽しめる絵本です。
 
お話「お月さまの話」 (『おはなしのろうそく25』 東京子ども図書館編 2004) マリア・ニクレビチョバ作 5分

おはなしのろうそく (25)おはなしのろうそく (25) 
著者:東京子ども図書館
出版:東京子ども図書館
(2004-05)

「お月さまが太ったりやせたりするのはどうしてか」のなぜなぜ話です。お月さまが湖から岸にできた銀色の道を渡ってくる場面や、やさしいおばあさんが月にごちそうしている場面など、美しく楽しい情景があり、子どもたちを引きつけます。「昨日の月はやせていたよ!」と教えてくれる子がいたりと、月を眺めるのが楽しくなるお話です。ストーリーテリングをされない方も、読んであげるとよいでしょう。
 
<中学年>
 
『月へ行きたい』 松岡徹著 福音館書店 2014 約10分
 
「遠い月までどうやっていこう?」 月に行くためのいろいろな方法を考えることができる絵本です。風船で飛ぶ、高い高い塔を作るなど自由に想像できるものや、宇宙エレベーターや真空チューブ月行きトレインなど研究中のアイデアも紹介されています。今のところ、月までいった唯一の乗り物「ロケット」についても詳しく書かれています。絵に細かな説明が加えられていますので、興味を持ちそうな箇所を選んで紹介してあげてください。最後の「きみならどんな方法で月へ行きますか?」の問いに、どんな答えが返ってくるのか楽しみです。

『月おとこ』 トミー・ウンゲラー たむらりゅういち・あそうくみ訳 評論社 1998 6分

トミー・ウンゲラー
評論社
1978-07
 
月から地球の人たちが楽しく踊っているのをみていた月おとこは、ある時流れ星につかまって地球にやってきますが、おかしな姿なので警察につかまって牢屋に入れられてしまいます。けれども、月が欠けていくにつれて痩せていく月おとこは、ある晩、まんまと逃げだすのです。気軽に楽しめる不思議で愉快なお話です。
 
<高学年>
 
お話「月を射る」 中国の昔話 (『おはなしのろうそく 27』 東京子ども図書館編 2008) 9分
 
おはなしのろうそく〈27〉
東京子ども図書館
2008-10
 
中国の昔話。昔々、天には太陽があるだけで、月も星もなく、夜になるとあたりは真っ暗でした。ところがある晩、空にぎらぎら燃える月があらわれ、田畑すっかり枯らしてしまいます。山のふもとに住む若い夫婦、弓の名人ヤーラと機織りが上手なニーオは、どうにかして人々を助けようとしますが・・・。月の模様にまつわるなぜなぜ話ですが、神話ような神秘性を感じさせ、大きめの子どもたちも引き込まれます。ストーリーテリングをされない方も、読んであげるとよいでしょう。
 
『月へ アポロ11号のはるかな旅』 ブライアン・フロッカ作・絵 日暮雅通訳 偕成社 約13分
 
月へ アポロ11号のはるかなる旅
ブライアン・フロッカ
偕成社
2012-01-17
 
1969年に初めて月に着陸したアポロ11号の旅を詩的な文章と迫力のある絵でわかりやすく描いています。発射から、順番にロケットが切り離され月へ向かう様子や、宇宙船の中の生活、月面着陸を見ようとテレビを見つめる人々の様子などが、実際に見ているように伝わってきて、地球が空間に浮かんでいる場面では息をのまずにはいられません。アポロ11号に関する知識を得られるとともに、人類の宇宙への大きな一歩となった旅を味わえる1冊です。高学年向きにしましたが、中学年でも十分楽しめると思います。 
 
『星の林 月の船 声で楽しむ和歌・俳句』 大岡信編 岩波書店 2005 (岩波少年文庫)
 
星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句 (岩波少年文庫(131))
岩波書店
2005-06-16
 
日本で伝統的でうたわれてきた定型詩である和歌や俳句の194作が紹介されています。「月」を題材にした作品も、
「天の海に 雲の波立ち 月の不ね 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」 柿本人麻呂歌集(『万葉集』より」)
「月見れば ちぢに物こそ かなしけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」 大江千里 (『古今和歌集』より)
などたくさんあり、日本人もはるか昔から月を眺めていたことがわかります。ぜひ何首か選んで、紹介してあげてください。
 
 <気軽に楽しめる本>
 
『月人石』 乾千恵書 谷川俊太郎文 川島敏生写真 2分
月 人 石 (こどものとも傑作集)
谷川 俊太郎
福音館書店
2005-01-20

筆で書かれた「書」と「写真」と「言葉」が一体となった絵本です。「扉」「猫」「風」「音」「馬」「水」「石」「火」「山」「蟻」「月」「人」の文字が書で表現され、写真と言葉が添えられています。じっと眺めていると、文字はただの記号ではなく、生き生きとした生命をもつものなのだと実感できます。子どもたちと書のもつ美しさと力強さを味わってください。

 (作成 T.I)

おはなし会のいろは(その6)おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)(再掲)


「おはなし会のいろは」の6回目は、「おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)」です。

絵本の持ち方もめくり方も、声の出し方もマスターしました。おはなし会の会場作りにも気を配れるようになり、プログラムの立て方も理解が進んだことと思います。

実際におはなし会を実施してみて、ハプニングが起きても、冷静に対処も出来るようになったことでしょう。児童サービスの重要な柱であるおはなし会の運営がスムーズに出来るようになれば、児童担当として自信になりますね。

おはなし会の30分が終わってホッとしたいところですが、まだまだやることはあります。おはなし会の後にやるべき大切なことを2点取り上げます。

1)フォロー

e4f84cb2おはなし会のプログラムを最後まで終えれば、それで終わりではありません。まずは、その日に読んだ本をもう一度テーブルの上などに並べて紹介しましょう。読んでもらった絵本を借りて帰りたいという子どもたちのために、プログラムが決まった時点で複本を用意しておくと尚一層よいでしょう。当日は読まなかったけれど同じテーマで手渡したい本などがあれば、それも一緒に紹介しましょう。

子どもたちには、おはなし会にまた来てもらえるように、スタンプカードやシール帳を用意しておきます。図書館によってはスタンプのたまる数は8コ、10コなどさまざまですが、館の事情に合わせてそこは決定します。スタンプカードがいっぱいになったら、手作りのしおおはなし会ののいろは(スタンプカード)りや、折り紙で折ったメダルなどをプレゼントします。小さな子どもたちにとっては、それが励みになっておはなし会に参加する動機付けともなります。

おはなし会の部屋が、閲覧室とは別の場所にある場合は、終了後15~30分ほどは親子連れがしばらく談笑できるようにして、すぐに片づけをしないでおくことも一案です。おはなし会の余韻に浸りながら、絵本を仲立ちにして同年代の子どもをもつ親同士が交流する場として位置付けてもよいでしょう。図書館スタッフもその場にいて、家庭での読み聞かせについて相談にのったFullSizeRenderり、おすすめの絵本を手渡したりする機会を作れます。時には、保健師さんと協働してちょっとした子育て相談会などを実施しても喜ばれるでしょう。

なお、楽しいおはなし会のテンションのままで、閲覧室に親子連れが雪崩れ込むとクレームになることもあります。その3に記していますが、「会場を出たら、他の利用者の方々にもご配慮願います。」と一声かけましょう。

 

 

2)記録

おはなし会を実施しても、やりっぱなしでは意味がありません。おはなし会終了後に必ず担当者同士で簡単な振り返りをし、それを記録に残して蓄積することが大切です。

おはなし会の記録(本のこまど図書館)

おはなし会記録の見本 クリックすると拡大できます

対象年齢別に記録をファイリングし、いつでもその記録を見返すことが出来れば、よいでしょう。

どんなプログラムが喜ばれたか、子どもたちの反応はどうだったのかなど、読んだ本や、やったわらべうたなどの演目とともに記しておきます。

以前、研修で伺った図書館では記録は取ってあるものの、読んだ本の書名だけで書誌事項がまったく記されていないというものがありました。

昔話などは、同じタイトルで別の再話者で画家も違う絵本が何冊もあります。また、稀ですが版によって文章に手が入れられていて言葉遣いが変わっているという場合もあります。

タイトルはもちろんのこと、作者、翻訳者、画家、出版社、出版年などの書誌事項は面倒がらずに記入しておきましょう。

わらべうたや手遊びなどのうち、楽譜や遊び方など参照にできる書籍などがある場合は、それも記しておきます。その場合、ページまで漏らさずに記載しておくと、他の担当者が次に行う際の参考になります。

加えて、おはなし会プログラムを作成するときに候補にあがった他の本なども記しておきます。

図書館スタッフとボランティアさんとで組んでおはなし会を実施する場合も同様に一緒に振り返りと記録記入をしてください。

対話をする中で、ボランティアさんが長年積み上げてきた経験を伺うこともできるでしょうし、館内だけではわからない地域での子どもたちの姿を知ることもできるよい機会になります。

これらの記録は、ただ残せばよいのではなく、活用してこそ生きてきます。おすすめ本のリストを作成したり、次のプログラムを作成したりするときの参考にもなります。子どもたちの反応を書くことで、よりよいおはなし会の雰囲気作りにも生かしていくことができます。

 おはなし会の記録は、特別の用紙を準備しなくても、ノートに記入する形でも構いません。その場合は、必要事項が漏れなく記入できるように、表紙裏などに記入項目を添付しておくとよいでしょう。また自治体によっては、記録票が決まっている場合もあります。それを活用してください。

参考までにおはなし会の記録用紙(案)をPDFで取り出せるようにしておきます。

 〇〇図書館おはなし会記録(例)

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さて、2016年4月から6回にわたって連載してきた「おはなし会のいろは」は、これで終了です。何もわからないまま児童担当になって、はじめておはなし会を担当しなければならない、という初心者向けに連載してきました。この6回の連載をじっくり読んでいけば、おはなし会のノウハウはある程度理解できると思います。

はじめて担当する時は緊張するものですが、コチコチになっていると、子どもたちに伝わってしまいます。まずは担当するみなさんが肩の力を抜いて、楽しむことが大切です。もしも読み間違えてしまっても、大丈夫です。子どもの心を傷つけるような本を選書しなければ、あとは少々失敗しても大丈夫です。本の中に広がっている豊かな世界が、その失敗をカバーしてくれます。

選書にしても、最初はうまく選べないかもしれません。何度も読んでいるうちに、子どもたちが集中している様子などを見て、わかってくると思います。ゆめゆめウケる本が良い絵本だと思わないでくださいね。とにかくたくさんの本を読む。児童担当にとって、それが何より大切です。たくさんの本を手にしているうちに、手渡したい子どもたちの顔が浮かんでくると思います。

また、(その3)にも記していますが、図書館のおはなし会を通して、ご家庭で子どもたちのために本を読んであげることの楽しさを、付き添ってきている親たちに伝えることが一番大切です。そのためにも、付き添いの大人の方も一緒に過ごせるような言葉がけをしてください。

図書館のおはなし会で、子どもも大人も、スタッフのみなさんも、たくさんの笑顔になれますように!

 おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
 おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
 おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
 おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方
 おはなし会のいろは(その5)おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?

 (作成K・J)

おすすめ幼年童話6『プレゼントはお・ば・け』西内ミナミ


連載第6回は『プレゼントはお・ば・け』(西内ミナミ/作 西川おさむ/絵 フレーベル館 2010 新装版)です。

プレゼントはお・ば・け
西内 ミナミ
フレーベル館
2010-08-01

 

 

タイトルを見ると「えっ。なんだ?」と気になってしまうこの本。好奇心旺盛な子は、「おばけがプレゼントなんてほんと? 見てみたい!」、怖がりな子は、「こわいよ!そんなプレゼント欲しくない。」と思うかもしれません。どちらにせよ、思わず手に取って読みたくなってしまいます。

リュウはもうすぐ7歳。ひとりっ子の弱虫な男の子です。口では、すごく勇ましいことを言いますが、サッカーのボールが飛んでくると、思わず目をつぶってしまうし、夜に1人でトイレに行くこともできません。でも、「おばけだってこわくないもん。」と強がりばかり言っています。しまいには「ぼくはへいきだよ。ねえ、おかあさん、ためしにおばけをうちにつれてきてごらん。」と言い放つのです。おかあさんはにやっと笑って、リュウの誕生日に、おばけをプレゼントに連れてくると言いました。本当は、おばけがこわくてしかたないリュウは、気が気ではありません。

誕生日当日、お母さんはリュウがこわくないと言ったオバケたちを、工夫をこらして用意しました。ひとつ目こぞうのおばけは、ぬい針といったぐあいです。お父さんも最後にとっておきのおばけをつれてきてくれますが、こちらもユーモアたっぷりです。

強がりを言ってしまう息子を、楽しく愛情豊かに優しく見守る両親の姿は読んでいて安心します。怖いものにドキドキしながらも向き合おうとするリュウに幼い読者たちは、自分を重ね一体感を感じるでしょう。大人も、読むと思わずにっこりしてしまいます。「うちの子は弱虫で心配だ」なんていうお父さんとお母さんも、このお話を読むと、こんな返し方もあったのね!と楽しくなります。

親子で一緒に読んでほしい作品ですが、文章はやさしく、文字も大きく、ページ毎に挿絵があるので1人で本を読み始めた子どもにも、ぴったりの物語です。 

作者の西内ミナミさんは、広告会社にコピーライターとして勤務後、児童文学の創作に専念され地域で子どもの読書推進運動にも関わっていらっしゃいます。絵本『ぐるんぱのようちえん』(福音館書店)など多くの作品が子どもたちに親しまれています。 

(作成29年度児童部会部員M・G)

2017年(その2)おなべの中身は?(幼児~小学生)


秋になると各地で芋煮会が開催されたということがニュースになります。さまざまな謂れがありますが、川舟が交通手段だったころに川人足に商人が食事をふるまったのを起源とする地方では、今でも河原で芋煮会をするようです。地域の人たちが集まって、温かい汁ものを分け合うのは、心も温まっていいですね。さて、幼児~小学生向けのおはなし会プランは、おなべの出てくるお話です。

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【おなべの中身は?】

導入 朗読「く」の段 『それほんとう?』(松岡享子/文 長新太/絵 福音館書店 2010)より 2分

「くいしんぼうで
くったくのない
くまのこが・・・」と、「く」のつく言葉ばかりで綴る奇想天外なおはなしに、「それほんとう?」って言いたくなるのです。なので、最後の「それほんとう?」のところでは、みんなも一緒に言ってねと、読み始める前に伝えておきましょう。



素話「おいしいおかゆ」 『愛蔵版おはなしのろうそく1エパミナンダス』(東京子ども図書館/編・刊行 1997)より 5分

エパミナンダス 1
東京子ども図書館
1997-12

グリムの昔話が出典の「おいしいおかゆ」はとても短いおはなしなので、語りを始めた人が一度はトライすることと思います。短いからこそ、町中がおかゆにおおわれていく情景を、子どもたちが思い浮かべられるように丁寧に語るとよいと思います。
 

絵本『アイヌのむかしばなし ひまなこなべ』萱野茂/再話 どいかや/絵 あすなろ書房 2016 10分

アイヌのむかしばなし ひまなこなべ
萱野 茂
あすなろ書房
2016-08-31

アイヌに伝わる昔話です。万物に神が宿ると考えるアイヌの人々、中でもクマは一番の神様です。クマを捕えると、肉や毛皮などをもらたしてくれた神であるクマを祭壇に祭って、感謝の宴を開きます。その時の踊りが気に入ったクマの神様は、その踊り見たさに何度も仕留められるのです。ある時、踊りがうまい若者の正体がわかります。その正体とは・・・アイヌの文化のつまったお話ですが、どいかやさんのやさしいイラストで、子どもたちもお話の中に入ってくることでしょう。

わらべうた なべなべそこぬけ
みんなのよく知っているわらべうたです。広い会場、声を出しても大丈夫な会場の場合は、二人一組になって両手をつなぎ、体を使って遊びましょう。児童コーナーの一角などで行う場合は、立って遊ぶのに制限があると思います。その場合は、手拍子しながら「なべなべそこぬけ そこがぬけたら」までを歌い、最後のところで「手をあげて」or「手をさげて」という言葉に合わせて動作をするなどアレンジしてみましょう。

 

絵本『せかいいちおいしいスープ』マーシャ・ブラウン/作 こもやゆう/訳 岩波書店 2010 12分

せかいいち おいしいスープ (大型絵本)
マーシャ・ブラウン
岩波書店
2010-04-22
 
空腹の3人の帰還兵がある村を通りかかり、食べ物を恵んでくれるように頼みますが、村人たちはすげなく断ります。そこで3人は「しかたがありません。われわれは今から、石のスープをつくることにします。」と宣言します。「石からスープなんで出来るのか?」と興味津々の村人たち。「あれがちょっとだけあれば、もっとおいしくなるのになあ」という兵隊のつぶやきを聞くたびに、隠しておいた食材を取りに走ります。果たして出来上がった「石のスープ」は、なんと王様が召し上がるようなご馳走になっていました。長いお話ですが、スープが仕上がっていく過程が面白くて、だんだん前のめりになって聞いてくれると思います。
 
終わりのわらべうた さよならあんころもち
 
(作成K・J)

 

2017年(その1)なにたべた?(小さい子)


小さい子どもって、食べることが大好き。どうしてあんなに美味しそうに食べられるのかなって、ほほえましく思います。
それを見て、おとなも幸せな気持ちになりますね。今月の小さい子向けおはなし会プランは「なにたべた?」。今月になって2年前の2015年夏に亡くなられていることがわかったわかやまけんさんの名作絵本も再登場です。

なお、「本のこまど」に掲載しているわらべうたは、作成者が子ども時代から歌ってきたわらべうたを採譜しています。市販のわらべうたの楽譜と音程が違う場合があります。ご了承ください。

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【なにたべた?】

導入 わらべうた てってのねずみ

てってのねずみ

 

 

 

 

最初のわらべうたは、こちょこちょ遊びです。歌に合わせて子どもの指先から肩にかけて、人差し指と中指で腕を登っていくように辿って行きます。最後はわきの下をこちょこちょとくすぐります。お米のたくさんある蔵でいたずらねずみさん、こちょこちょして捕まえたよ~と何回か繰り返しましょう。

 

わらべうた ぎっちょぎっちょ

ぎっちょぎっちょ

 

 

 

 


今度はお米を搗きます。お母さんのお膝にのって、両手こぶしでリズミカルに膝を打ちます。小さな赤ちゃんの場合は、お母さんが赤ちゃんの手首を持ってあげます。2~3回繰り返して歌いましょう。

 

わらべうた おせんべやけたかな

おせんべやけたかな

 

 

 

 


ついたお米で、おせんべ作ります。大きい子にはみんなに手を出してもらって、歌いながら触っていき、歌の最後に当たった手を裏返しにしていきますが、小さな子どもたちの場合は、両手を合わせ、リズミカルにひっくり返しながら歌います。

 

絵本『なにたべているのかな?』とよたかずひこ/作 アリス館 2017 2分

 

なにたべているのかな? (はなしかけえほん)
とよた かずひこ
アリス館
2017-01-25

とよたさんがお母さんにたくさん赤ちゃんに話しかけてほしいと今年1月に出版されたはなしかけえほんシリーズの1冊。いぬさんやねこさん、みんな美味しそうなもの、食べてるよ。なに食べたのかな?たろうくんは?読んでもらう子どもたちの表情を見ながら読んであげてください。

 

わらべうた もちっこやいて

もちっこ

 

 

 

 

 

 



「みんなが美味しそうに食べてたの、見たらお腹空いてきたね~今度はお餅をやいてたべようね」と声をかけながら、歌います。「しょうゆつけたお餅の次はなにをつけて食べようか?」と、子どもたちに聞いてみます。ごく小さな赤ちゃんの場合は、お母さんたちの好きな味を聞いてもいいでしょう。あんこ、海苔、きなこなどのほかに、「チーズとピザソース」って答えた子がいました。それも美味しそうですね。

 

絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』森比左志・わだよしおみ/文 わかやまけん/絵 こぐま社 1972 1分半

「こぐまちゃん」シリーズの中でも不動の人気の『しろくまちゃんのほっとけーき』。「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぶつぶつ やけたかな まあだまだ・・・」ホットケーキを焼くシーンは子どもたちも一緒に声に出して読むかもしれません。しっかりと味わいながら、読みましょう。タイトルページの左側「わたし ほっとけーき つくるのよ」というしろくまちゃんのつぶやきも読んであげてください。

 

手遊び おべんとうばこのうた
『たのしいコミュニケーション 手遊び歌遊び』(阿部恵/編著 明治図書出版 1998) より

たのしいコミュニケーション 手遊び歌遊び
阿部 恵
明治図書出版
1998-05-01

みんなもよく知っている手遊び歌「おべんとうばこのうた」です。

 

絵本『おべんとう』小西英子/作 福音館書店 1分

おべんとう (幼児絵本シリーズ)
小西 英子
福音館書店
2012-02-05

美味しそうなお弁当が出来上がりました。そろそろお腹も空いたね、おうちに持って帰ろうね。その前にデザートのあんころもちも作ろうねと、終わりのわらべうたにつなげます。

 

わらべうた さよならあんころもち

さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

 

「お話(素話)から学ぶ第2回」報告


児童部会では、今年度より「お話(素話)から学ぶ」という活動をしています。

過去2年間、「基本図書について学ぶ」を続けてきた中で、長年読み継がれ、基本図書となる本のテキストは、読んでもらって耳心地がよく、リズミカルIMG_7235で読みやすい言葉で書かれているということを知りました。今年度は、その原型になっている昔話を語ることを手始めに、「お話(素話)」の学びを進めていくこととなりました。

第1回の活動は、ガイダンスという形で行いました。(その時の様子→こちら)第2回からは部員が交代で学んだことを記録し、報告書にまとめています。部員の学びの詳細は報告書をご覧ください。

お話(素話)から学ぶ②報告書

 

(報告書作成 K図書館 A・K)

訃報 わかやまけんさん


こぐま社の「こぐまちゃん」シリーズが子どもたちに人気の絵本作家、わかやまけんさんが2年前に85歳で亡くなられていたことが、今日付で発表されました。(→毎日新聞記事はこちら

『しろくまちゃんのホットケーキ』出版40周年記念の際に、こぐま社の佐藤英和さんが「こぐまちゃん」シリーズについて絵本ナビのインタビューに答えていらっしゃいます。(絵本ナビの記事→こちら

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
わかやま けん
こぐま社
1972-10-15
 
 
 
こぐま社を創立した佐藤さんが、子どもたちが初めて出会うにふさわしい絵本をと、画家のわかやまけんさん、歌人で小学校の先生だった森比左志さん、児童演劇作家の和田義臣さんの4人で、「こぐまちゃん」シリーズを生み出したのだそうです。子どもたちの日常生活からひろったテーマの絵本は、長く読み継がれています。
 
わかやまけんさんは、このシリーズ以外にも絵本を描かれました。また高田馬場にある児童教育専門学校にあった絵本作家や児童文学作家を養成する児童文化専門課程で教鞭も取られていました。(現在、この課程はなくなっています)
『絵本の見かた・創りかた』若山憲 すばる書房盛光社 1975
 
絵本の見かた・創りかた (1975年) (おしゃべり絵本講座)
若山 憲
すばる書房盛光社
1975
 
絵本作家を目指す人に向けて書かれた本です。
 
 
『きつねやまのよめいり』では、第16回サンケイ児童文化出版賞を受賞しています。
きつねやまのよめいり
わかやま けん
こぐま社
1978-10-01
 
 
『こぐまちゃんとどうぶつえん』
 
 
 
 
『たんじょうびおめでとう』わかやまけん/絵 こぐま社 1977
 
 
 
 
『あかべこのおはなし』わだよしおみ/作 わかやまけん/絵 こぐま社 1980
あかべこのおはなし
和田 義臣
こぐま社
1980-10-01
 
会津磐梯山を懐かしく思うあかべこのおはなしです。「あかべこ」は会津の郷土玩具です。
 
『にわか雨はざんざんぶり』わかやまけん こぐま社 1985
にわか雨はざんざんぶり
わかやま けん
こぐま社
1985-07
 
雨が降って大喜びで公園で遊ぶ兄弟の、楽しそうな姿が描かれています。子どもって、こんな風に遊ぶこと、大好きなんですよね。
 
心から、哀悼の誠を捧げます。
 
(作成K・J)

2017年6月、7月の新刊より


 

2017年6月、7月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。

また、ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。


 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

 【絵本】

『夏がきた』羽尻利門/作 あすなろ書房 2017/6/30

夏がきた
羽尻 利門
あすなろ書房
2017-06-26

金子みすゞの生涯と詩を描いたアメリカの絵本ARE YOU AN ECHO?The Lost Poetry of Misuzu Kaneko ―( Chin Music 2016/9)で絵を描いて評価の高かった羽尻利門が初めて文章と絵の両方を手掛けた作品です。真っ青な空と元気に走る男の子の姿は、はたこうしろう作なつのいちにち(偕成社 2004)を思い出します。それもそのはず、羽尻さんは、絵本作家になる前からはたこうしろう絵本の大ファンだということで、意識してこの絵本を作られたということです。昭和の時代にタイムスリップしたような海辺の小さな町で迎える夏休み。何気ない夏の一日を切り取っていますが、子どもたちの躍動感あふれる姿、細部まで丁寧に描かれた風景は、とても懐かしいにおいがします。今でも都会を少し離れると、こんな夏の風景が広がっているのでしょうか。


『ゆめみるじかんよ こどもたち』ティモシー・ナップマン/文 ヘレン・オクセンバリ―/絵 石井睦美/訳 BL出版 2017/7/10

ゆめみるじかんよ こどもたち
ティモシー・ナップマン
ビーエル出版
2017-06-27

アリスとジャックの姉弟が庭で遊んでいると、森の中から聞こえてくるへんな声。「たしかめにいかなくちゃ」とアリス。森のの奥までその声を求めて足を踏み入れた二人が見たものはいったいなんだったのでしょう。声を出している正体がわかるまで、不安そうだった二人の表情が、わかったとたんに一気にゆるむところが素敵です。
 

『きみもこねこなの?』エズラ・ジャック・キーツ/作・絵 当麻ゆか/訳 徳間書店 2017/7/30

きみも こねこなの? (児童書)
エズラ・ジャック キーツ
徳間書店
2017-07-12

こねこが4匹仲良く遊んでいると、こいぬが一匹飛びこんできます。「きみもこねこなの?」と聞くと「えっと・・・そう」というこいぬ。5匹は仲良く、たくさん遊びます。でもね、おかあさんいぬが「もうかえるじかんですよ」とお迎えに来てしまいます。その時、こいぬが言った言葉がなんともかわいいのですよ。1963年にコールデコット賞を受賞した『ゆきのひ』(木島始/訳 偕成社 1969)や『ピーターのてがみ』(木島始/訳 偕成社 1974)、『ぼくのいぬがまいごです』(さくまゆみこ/訳 徳間書店 2000)などの作品があるキーツの1974年の作品です。



『ごちそうの木 タンザニアのむかしばなし』ジョン・キラカ/作 さくまゆみこ/訳 西村書店 2017/8/3

アフリカ、タンザニアのストーリーテラー、ジョン・キラカさんによるタンザニア南西部フィバという民族に伝わる昔話です。キラカさんは、文明が浸透するにつれて失われていくアフリカの語りの文化を保護し、後世に伝えるために、さまざまな民族の昔話を再話する活動をしています。この作品は2011年国際児童図書評議会スウェーデン支部が選ぶピーターパン・シルバー賞を受賞しました。2017年7月末から8月上旬にかけて来日し、講演やワークショップなどを精力的にしたキラカさん。生の語りは力強くリズミカルで大地の生命力を感じました。カラフルな絵(ティンガティンガアート)と、なんともとぼけた味わいのある動物たちの姿に魅力を感じる絵本です。


【児童書】


『ガラスの封筒と海と』アレックス・シアラー/作 金原瑞人・西本かおる/訳 求龍堂 2017/6/30

ガラスの封筒と海と
アレックス・シアラー
求龍堂
2017-06-23

トムは小さな海辺の町に住む少年です。今、トムが夢中になっているのは瓶の中に手紙を詰めて海に流すこと。海流に乗ってどこか遠くの島にでも辿り着き、誰かがそれを読んでくれるのを楽しみにしています。実は、大型貨物船の乗組員だったトムの父親は一年前の嵐の中で、船もろとも転覆して行方不明です。周囲の人はもう絶望的だと考えていました。トムは父親を奪った海に向かって、ガラスの封筒に入れて手紙を流すのです。ところがある日、海の底のデイヴィ・ジョーンズ監獄にいるというテッド・ボーンズから返事が来るのです。ちょっとミステリアスな展開に、惹きつけられていきます。読後は爽やか。夏にふさわしい1冊といえるでしょう。小学校高学年から中学生向けです。

『グリムのむかしばなし1』ワンダ・ガアグ/編・絵 松岡享子/訳 のら書店 2017/7/5

100まんびきのねこ』(石井桃子/訳 福音館書店 1961)などの絵本があるワンダ・ガアグは、幼少期におとなが昔話を語ってくれるのが大好きだったそうです。ある時「ヘンデルとグレーテル」に挿絵を描いていて、子ども時代に昔話に夢中になっていたことを思い出し、ドイツ語でグリムの昔話を読み込み、また昔話の精神について深く掘り下げます。そうした昔話の研究をベースに、ガアグは子どもたちにその魅力を存分に味わえるようにと英訳します。そのテキストを、このたび松岡享子さんが翻訳しました。訳者あとがきに「今回、翻訳を引き受けることになって(中略)実に幸運でした。改めて、ガアグのグリムのおもしろさ、たのしさに魅了される貴重な体験になったからです。文章は軽やかで勢いがあり、頭韻を多用した音の響きは、ほんとうに耳に快く、声に出して読んでいると、ひとりでにリズムと抑揚がついてきます。」(p174)と記しています。さまざまな訳で触れているグリムの昔話ですが、ガアグの訳、そしてそれを活かした松岡享子さんの訳で、改めて味わってみてほしいと思います。きっと、訳者あとがきに記された意味がすとんと理解できることでしょう。


『もうひとつのワンダー』R・J・パラシオ/作 中井はるの/訳 ほるぷ出版 2017/7/20

もうひとつのワンダー
R・J・パラシオ
ほるぷ出版
2017-07-20

2年前の夏に出版された話題作ワンダーの続編です。(2015年に出版された時は、「本のこまど」で紹介しそびれていました。)しかし、世界中の人に感動を与えたオギ-のその後を描いているのではありません。前作では詳しくは描かれなかったいじめっ子ジュリアン、幼なじみのクリストファー、そして最初に校長先生にオギ-の案内役のひとりとして選ばれたシャーロットの3つの物語が描かれています。オギ-と出会い、彼らはどのように感じ、どう成長していったか知ることで、『ワンダー』に託されたメッセージをよりしっかりと受け取ることができるのではと思います。



『知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先』池上彰/著 角川新書 角川書店 2017/7/20

知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書)
池上 彰
KADOKAWA / 角川書店
2017-07-20
 
 2009年から出版されている池上彰の人気のシリーズ『知らないと恥をかく世界の大問題』の8巻目。世界情勢を知るための最新情報を豊富な図表を用いて解説しています。一般向けの書籍ですが、わかりやすい言葉を用いて、複雑な世界情勢を紐解いています。18歳で選挙権を持つことになったYA世代に、自国の利益だけではなくグローバルな視点をもって政治を考えるヒントを与えてくれるでしょう。特に昨年話題になったイギリスのEU離脱やトランプ政権の誕生に、どのような背景があるのかを高校生にも理解しやすく解説しています。偏らず、ぶれず、自分で考えることを促す池上さんの姿勢は評価できます。「私たち、日本人にできることは何か。ますは“知ること”です。」(p245)若い世代が“知ること”ができる書籍を手に取りやすい場所に準備してあげたいですね。 
 
(作成k・J)

おすすめ幼年童話5『スプーン王子のぼうけん』竹下文子


連載5回目は『スプーン王子のぼうけん』(竹下文子/作 こばようこ/絵 すずき出版 2015)です。


 

ある国に王子さまが誕生した時、妖精たちがお祝いに特別なスプーンを王子さまにプレゼントしました。そのスプーンをにぎると王子さまは泣いている時も機嫌が悪い時も、不思議と笑顔になりました。スプーンが大好きな王子さまなので、いつのまにか「スプーン王子」と呼ばれるようになりました。

王子さまが七さいになった時、王さまにたくさん勉強をして経験を積むようにと言われます。王子さまはその国の歴史を学び、ある日経験を積むために冒険に出かけることにします。そこでけんかをしている三匹の竜に出会うのです。はたして、王子さまは竜を退治することができるのでしょうか。

知りたがりで食べる事が大好きな王子さまの姿は、この本を読む子どもたちにとっては身近に感じられることでしょう。また三匹の竜の話に耳をかたむけ、問題を解決する王子さまはとても勇敢で賢く、成長を感じます。「スプーン王子」らしい解決方法に子ども達はきっと満足することでしょう。

作者は『黒ねこサンゴロウ』シリーズや『おてつだいねこ』シリーズを書いている竹下文子さん。また親しみやすい挿絵は『おひるねけん』や『いもほりコロッケ』などの絵本作品があるこばようこさんです。たくさんのかわいらしい絵が冒険をさらに盛り上げてくれています。

心優しく勇敢な王子さまの活躍するこの本は、どの子にも安心して手渡せる一冊と言えるでしょう。文字も大きく読みやすく、絵本から物語に移行する子どもたちにおすすめ出来ます。

(作成:29年度児童部会部員M・Y)

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら
第4回『ちびっこタグボート』→こちら

10月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)


これまでの「運動会」、「お月見」、「美味しいもの」、「りんご」、「遠足」、「ハロウィーン・魔法」、「森」、「くま」、「芸術の秋」、「読書の秋」、「おしゃれ」、「おやすみなさいの本(眠り)」に付け加えて 「読書の秋」をキイワードの本を入れました。

また2016年、2017年に出版された本を追加しました。おはなし会だけでなく、ブックトークや展示の準備にご活用ください。
illust321_thumb10月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2017)

(作成K・J)

29年度第2回児童部会


7月21日(金)に平成29年度第2回児童部会を開催しました。19名が出席しました。(部員17名、事務局2名)IMG_7227

「お話(素話)を学ぶ」時間では、東京子ども図書館レクチャーブックス・お話入門1『お話とは』の第3章「お話のよさ」の38ページから57ページまでを、各グループにわかれて精読していきました。

その上でここに書かれていることについて、その意味を話し合いつつ、それぞれ感想を述べ合いました。

学んだ内容は、第2回から部員が報告をまとめることになっているので、出来次第こちらに報告書をUPしします。

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今回は、小学校のブックトークに必ず素話を語ることになっているというT市の図書館につとめる部員2名が、それぞれ日本の昔話から語ってくださいました。

「おんちょろちょろ」瀬田貞二/再話・訳『さてさて、きょうのおはなしは・・・』(福音館書店 2017) より

「瓜こひめこ」愛蔵版おはなしのろうそく6『ヴァイノと白鳥ひめ』(東京子ども図書館 2012) より

 

情報共有の時間には、3名が各図書館の取組について発表しました。

・調べ学習用冊子「図書館で調べちゃおう!」&「調べ方ガイド」(江戸川区立小岩図書館)

・「昌平まちかど図書館ブックリスト発行」(千代田区立昌平まちかど図書館)

・図書館クイズラリー「宝物をさがせ」(所沢図書館新所沢分館)

 

(作成K・J) 

おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?(再掲)


2017年1月にUPした記事を再掲します。

夏休みの図書館にはたくさんの子どもたちが訪れていることでしょう。図書館は楽しいところ、本を読むって面白いってことを、おはなし会を通じて伝えることができるといいですね。


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さて、「おはなし会のいろは」の5回目は、「おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?」です。

1回目から4回目まで、初めて児童サービスを担当する人が、いきなりおはなし会を担当することになっても、絵本の持ち方もわからない、読み方もわからない、またどんな準備が必要なのかも、どんな絵本を選んでよいかもわからない、ということがないようにと、ひとつひとつ丁寧に説明をしてきました。
 1回目 おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
 2回目 おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
 3回目 おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
 4回目 おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方

 

今回は、実際におはなし会に携わった時に、子どもたちからの思わぬ反応に右往左往することがないように、おはなし会でよくあるハプニングとその対応方法についてQ&A方式でお伝えします。なお、これは2015年度まで使用していたヴィアックス「社員研修テキスト〈図書館業務 基礎編〉」(2013年)に「【よくある事例】(どう対応するのか)」というコラムで掲載されていましたが、テキスト改訂に合わせて削除したものです。今回は、それに加筆しています。

 

1)「これ知ってるよ!」、「もう読んだことある!」と言われたら

 「おもしろい本だったよね。もう一度みんなと一緒に楽しんでね。」と声をかけ、面白い本は何度読んでも面白いことや、みんなと一緒に楽しむことの大切さを伝えます。

 

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2)読んでいる最中に、あるいは語っている最中に子どもが話しかけてきたら

 声をかけてきた子に目を合わせて頷き、「あなたの話はきちんと聞こえているよ」という意思表示をします。しかしおはなしを中断せずに最後まで続けます。しつこいような場合は、「後でね」と小さな声で短く声をかけます。
 なお、読み終わったあと、あるいは語り終わったあとに、その子に必ず声をかけて話を聞いてあげましょう。

 また、昔話などで現代の子どもたちに馴染みのない道具などが出てきて、子どもたちが疑問を抱くだろうという場合は、あらかじめ説明をするか、「おはなしの中に、みんなが見たことのないものが出てくるけれど、終わった後に説明するから、最後まで聞いていてね。」と声をかけてもよいでしょう。

 

3)歌、鳴き声、方言などがある絵本は

 無理をしないで、自然に読んであげてください。歌の場合は、少し節をつけて読むだけでも、歌っているように聞こえます。絵本などで巻末に楽譜がついている場合は、それを覚えて歌ってあげましょう。もちろん、自分で曲をつけて歌ってもかまいませんが、毎回違うようでは、子どもたちも混乱します。
 

 

4)おはなしが抜けてしまったら

 緊張してしまって、絵本の1ページ読み飛ばしてしまう、おはなしの一段落が抜け落ちてしまうということはあるでしょう。気が付いた途端に、頭が真っ白になって、どこをどう読んでいるかわからなくなったりします。おはなしの進行に影響がない場合はそのまま読み進むこともありますが、前後が抜けて辻褄が合わないような時は、「1ページ抜けちゃったね。もう一度、ここから読み直すね。」と、声をかけて戻りましょう。
 そのようなことにならないためにも、普段から声に出して練習をしましょう。fuwari4

 

5)おはなしに集中できない子がいたら

 「おはなし会のいろは(その4)」で書いたように、子どもたちの、特に乳幼児の集中持続時間は大変短いのです。おはなし会が始まる前に、最後まで聞くことが苦痛に感じるならば、途中でその場を離れてもいいことを伝えてあげましょう。なお、おはなしの途中で、ぐずったり、周囲の子どもたちにも波及するようでしたら、他のスタッフがそばにいって、声をかけてその場を離れるようにします。

 また、おもちゃを持ってきていたり、書架にある絵本を引っ張り出したりと、子どもたちの注意を引くものがほかにあると、集中しづらくなります。おはなし会が始まる前に、会場内の子どもの注意を引くものを片付け(あるいは目隠しをし)、手にしているものは付き添いの保護者に預けるように促しておきましょう。(→「おはなし会のいろは(その3)」を参照)

 

6)他の子にちょっかいを出す子がいたら

 絵本を読む、あるいは語る人とは別のスタッフが対応します。そばに行って、「おはなしを聞こうね」と声をかけます。自分に関心が向くと、安心することがあります。そばに寄り添ってみて、それでも落ち着かない場合は、会場から離れたところで話を聞いてあげましょう。

 

7)付き添いの保護者の雑談が気になる場合

 広い会場などでは、子どもたちだけを前に座らせて、後ろに保護者の方々が分かれて座ることが多いと思います。そうすると、保護者同士の私語が、子どもたちの集中力を妨げることもあります。無題
 子どもたちにとって、親の姿は鏡です。保護者の方が一緒に楽しんでいると、安心しておはなしの世界に入っていくことができます。おはなし会が始まる前に、保護者の方も一緒に楽しんでもらうように伝えましょう。また、途中から入室してきた保護者にもわかるようにおはなし会の会場内にも同様の内容で掲示しておくとよいでしょう。

 

8)おはなし会終了後について

 おはなし会が終わった後、子どもたちも興奮してしまって、そのままのテンションで会場を出ていくことがあります。それがほかの利用者のクレームにつながることもあります。そちらの対応については、「Q&Aこんな時どうする?」の「おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方」に詳しく書いてあります。こちらを参照にしてください。

 おはなし会に参加する子どもたちはもちろん保護者の方も、そしておはなし会を担当するスタッフも、みんなが「今日は楽しかったね」と満足できるような時間になるようといいですね。

(作成K・J) 

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