Yearly Archives: 2017

「第5回児童部会(2017.1.20)」
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介2月
基本図書を読む34『人形の家』ルーマー・ゴッデン
2017年3月(その2)希望の春
2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子向け)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 1月
「子どもの本  この一年を振り返って2016」のご案内
3月のおはなし会☆おすすめ本リスト
おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?

「第5回児童部会(2017.1.20)」


第5回児童部会も、「基本図書から学ぶ」と「情報共有の時間」の2部構成で行いました。

 

  「基本図書から学ぶ」の課題図書は、『クワガタクワジ物語』(中島みち作 中島太郎挿絵 偕成社 1974)、『パンダの手には、かくされたひみつがあった!』(山本省三著 喜多村武絵 遠藤秀紀監修 くもん出版 2007)、『本はこうしてつくられる』(アリキ著 松岡享子訳 日本エディタースクール出版部 1991)の3冊で、ノンフィクションを扱いました。詳細は、後日報告書を掲載いたしますのでご覧ください。

 

   「情報共有の時間」では、4名が各図書館の取り組みについて発表を行いました。以下、紹介された取組みです。(図書館名は取組みを実施した図書館です。)

 

・ 「工作を考えるのに参考にしたサイトの紹介」(北区立赤羽図書館)IMG_5384

・ 「夏休み応援企画 YA展示の工夫点」(北区立浮間図書館)

・ 「クリスマス会のプレゼント」(新宿区立西落合図書館)

・ 「調べる学習コンクール講座の開催」(新宿区立西落合図書館)

・ 「近隣の中学校と連携したYA向け展示」(練馬区立稲荷山図書館)

・ 「お正月図書館福袋」(練馬区立稲荷山図書館)

 

(作成K.J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介2月


まもなく節分です。この時期に読んで聞かせてあげたい絵本を紹介いたします。

<低学年>

『こぶじいさま』  松居直作 赤羽末吉絵 福音館書店 1980 6分

こぶじいさま
松居 直
福音館書店
1980-07-01
 
ひたいに大きなこぶのあるじいさまが、山のお堂に泊まっていると夜中に鬼がやってきました。日本の昔話では頬に大きなこぶがある再話も多いのですが、こちらでは額にこぶ。赤羽末吉の迫力のある鬼どもが怖くもあり、ユーモラスでもあります。鬼が歌うところではリズミカルに読んであげましょう。
 

『ゼラルダと人喰い鬼』 トミー・ウンゲラー作絵 田村隆一 麻生九美訳 評論社 1977 9分

ゼラルダと人喰い鬼 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
トミー・ウンゲラー
評論社
1977-09

 

日本の鬼ばかりなので、気分を変えたいときに読みました。(T・I)

出だしはとても怖いお話に感じますが、お料理の上手なゼラルダが人喰い鬼に美味しいご馳走をたくさん作って食べさせたので、それからは鬼たちが子どもを襲うことがなくなったというストーリーです。ご馳走の名前はとてもユニーク。よどみなく言えるようにしましょう。

 

<中学年>

『いっすんぼうし』 いしいももこぶん あきのふくえ 福音館書店 1965 12分 

 

親指ほどの大きさだから、いっすんぼうしと名付けられた男の子。お椀の舟で都に上り、ある名高い大臣の屋敷に仕えることに。ある日、姫のお供で清水寺へお参りに行く途中、三匹の鬼が襲ってきました。針の刀で果敢に戦ういっすんぼうし。打出の小槌でいっすんぼうしが大きくなるシーンは子どもたちも惹きつけられます。誰もが知っている昔話と思っていると、意外にも最近の子どもたちは知らないこともあります。機会をとらえてぜひ読んであげましょう。

 

<高学年>

『鬼のうで』 赤羽末吉作絵 偕成社 1976 10分

鬼のうで (赤羽末吉の絵本)
赤羽 末吉
偕成社
1976-12

 

羅生門の鬼退治伝説を、赤羽末吉が絵本にしました。丹波は大江山からやってきて都を荒らす酒呑童子という名の鬼を、源頼光の家来、渡辺の綱が退治しようと腕を取ってきます。しかしそれだけでは済まないのが、この物語の面白さ。鬼と人間の知恵比べ、力比べは、物語にぐいぐい引き込みます。

 

<知識の本>

『だいず えだまめ まめもやし』 こうやすすむ作 なかじまむつこ絵 福音館書店 2004 5分

だいず えだまめ まめもやし (かがくのとも特製版)
こうや すすむ
福音館書店
2004-01

 

だいず、えだまめ、もやしが同じ豆だということを、知らない子どもたちもいて、この絵本を読むと目をみはって驚きます。この季節にぜひ読んであげたい科学絵本です。

 

『鬼が出た』 大西廣文 梶川俊夫ほか絵 福音館書店 1987

鬼が出た (たくさんのふしぎ傑作集)
大西 広
福音館書店
1989-11-08
 
節分の鬼、鬼ごっこの鬼、鬼に関するさまざまな知識を、わかりやすい図版で示しながら伝えてくれる1冊です。鬼とは、死や、自然の脅威にたいして人々が想像し、作り上げてきたものだということもわかります。鬼を生み出してきた私たちの先祖の思いにも触れることができます。一冊読むというより、内容について紹介してあげてもよいでしょう。
 
(選書:T・I 作成:K・J)

基本図書を読む34『人形の家』ルーマー・ゴッデン


今月、基本図書として取り上げるのはルーマー・ゴッデンの『人形の家』(瀬田貞二/訳 岩波少年文庫 岩波書店 1978)です。 

人形の家 (岩波少年文庫)
ルーマー ゴッデン
岩波書店
2000-10-18

昨年の秋、八ヶ岳にある小さな絵本美術館にて開催されていた「生誕100年 瀬田貞二―こころに響くことば―展」(2016/9/17(土)~12/04(日))にて、瀬田貞二訳の『人形の家』に堀内誠一が絵を描いた原画を見て、この作品への瀬田貞二のことば(この本のあとがき)を読みました。そこで昔読んだこの作品を読み返してみることにしました。 

1947年に書かれた作品の主人公は、エミリーとシャーロットという姉妹です。彼女たちは曾祖母の代から譲られた小さなオランダ人形や、ほかの手持ちの人形を家族に見立てて遊んでいました。

この姉妹の他に、小さな主人公がいます。それはオランダ人形のトチーです。トチーは百年前に上等な木を使って丁寧に作られたものでした。

そしてトチーには家族がいます。陶器で出来た男の子人形(もとはスコットランドの伝統衣装キルトを着ていた)は、プランタガネットさんと名付けられお父さん役でした。なぜなら前の持ち主が消えないペンで口髭を書き込んでいたからです。姉妹は、この人形に水色のシャツと格子縞の背広を着せ、本物の新聞紙を切って持たせ、貫禄十分に仕立てました。プランタガネット夫人には、クラッカーのおまけで付いていたセルロイド人形がなりました。姉妹が赤い水玉模様の青いブラウスと、青い紐飾りのついた赤いスカートを着せてあげたのです。夫人はことりさんという名前でした。またフラシ天(ビロードのこと)で出来た小さな男の子の人形は、りんごちゃんと名付けられ、トチーの弟になりました。背骨はかがり針、足はパイプ掃除で使うモールで出来た犬には、かがりと名付けられていました。

人形の一家は仲良く暮らしていましたが、ただひとつ不満がありました。それは、自分たちが住んでいるところが靴が入っていた箱だということでした。トチーは百年前、曾祖母に可愛がられていたころには、素敵な人形の家があったことを、家族に話して聞かせます。二階建てで玄関の間や、食堂、居間、二階には寝室が二つあって、どの部屋の調度も素晴らしかったことを伝えると、みんなはそんな素敵な家に住めるといいなあと願います。

そこへ、曾祖母の娘であるエミリーとシャーロットの大叔母さんが亡くなり、遺品である人形の家がエミリーたちのところへ届きます。古ぼけてしまった家具や調度を、姉妹と母親が一緒になって修理をしてくれて、人形の一家はこの上なく和やかで幸せな日々を送り始めました。

ところが、トチーはその修理にかかった費用を捻出するために、姉妹によって展覧会に出品されます。トチーは展覧会の会場で家族のことを思い続けて泣いてばかりいました。展覧会が始まると、女王陛下が見学に来られて、自分も幼いころにこれと同じ人形と遊んだと懐かしがって手に取ります。それには展覧会会場に並べられていた人形たちがびっくりしました。トチーが一文人形と呼ばれる安価なものなのに、女王陛下が足を止めたからでした。とりわけ昔、トチーと一緒に人形の家にいたマーチペーンという花嫁人形は嫉妬を募らせます。

運命とは時にいたずらなものです。展覧会が終わってエミリーとシャーロットのもとに戻され、人形の家で家族で楽しく過ごしていたトチーのもとへ、姉妹へのクリスマスの贈り物として、こともあろうかあの花嫁人形のマーチぺーンが届くのです。

そしてマーチぺーンは、エミリーによって人形の家の女主人になり、プランタガネット一家は使用人として屋根裏部屋に押し込められます。そのうえ、りんごちゃんはマーチぺーンの子どもとされてしまうのです。妹のシャーロットはそれに抗議するのですが、そう決めたのはお姉さんのエミリーで、頑として聞きませんでした。

人形の家の居間には、白い磁器のランプがあり、誕生祝用の小さなロウソクを立てれば灯がともるようになっていました。ある日、りんごちゃんがそのランプに近づき過ぎて、今にも火が燃え移ろうとした時、犬のかがりが異変を見つけて吠えはじめます。すると居間に近づくなとマーチペーンに言われていたにもかかわらず、ことりさんが居間に駆け付け、身を投げ出してりんごちゃんを助けたのです。セルロイドで出来ていることりさんは、りんごちゃんを押しのけた瞬間、引火して燃え尽きてしまったのでした。その間、マーチペーンは薄ら笑いを浮かべてソファに座っているだけでした。

エミリーとシャーロットが人形の家の異変に気付いて、人形の家を開けた時にはことりさんはどこにも名残を留めていませんでした。姉妹は、人形の家で起きた事の次第を理解し、マーチペーンは博物館へ寄贈されることになりました。そしてことりさんのいない人形の家で、トチーとプランタガネットさん、りんごちゃんの平穏な生活がまた続くのでした。

大人に贈る子どもの文学
猪熊 葉子
岩波書店
2016-08-31


この本の作者ルーマー・ゴッデン(1907~1998)は、イギリスのサセックス州で生まれ、12歳までインドで育ちました。 その後、教育を受けるためイギリスに戻るのですが、学校に適応できずにいたことが、猪熊葉子さんが昨年出版された『大人に贈る子どもの文学』(岩波書店)の203ページに記されています。異文化の中で育った幼少期と、イギリスでの厳格な教育の中で葛藤したゴッデンは、後に自由教育の立場の教師に出会い、書くことの訓練を受けたということです。こうした経験を通して、物事を相対的に見る力や、想像性を豊かにしていったのです。

ゴッデンは、『人形の家』の物語を通して、人間関係の中にあるさまざまな葛藤や、それでも最後には必ず人は幸せに気づくことができると、子どもたちに伝えようとしたのでしょう。この物語の終盤で、トチーとプランタガネットさんの会話の中で、

「ぼくたちのような小さいものにとって、人形にとってさえ、そうだ。よいことも、悪いことも、そうだ。でもよいことはもどってくる。そうだろ、トチー?」プランタガネットさんは気がかりになってききました。
「もちろん、そうだわ。」トチーは持ち前の親切な木の声でいいました。
「よいことと悪いことか。ずいぶん悪いことがあった。」とプランタガネットさんはいいました。「でも、それも来ては、去っていくんだわ。だからわたしたちも今はしあわせにやっていきましょう。」とトチーがいいました。   (『人形の家』岩波少年文庫 p230~231)

と、語らせています。

あるインタビュアーが、現実には悪が勝つこともあるのでは、といういじわるな質問をすると、“ゴッデンは、「最後は悪は打ち負かされるものです。もっともよい児童文学作品を検討してみれば、そこではすべて、最後に悪が打ち負かされることがわかるでしょう。物語の途中では、ぞっとするほど恐ろしく、また破壊的かもしれない悪であっても、打ち負かされるのです。無意識のうちに私たちは、子どもが悪より善が強いのだということを信ずるようになることを望んでいるのでしょう。(中略)私は、児童文学作品は倫理的でなければならないと固く信じています。」”(『大人に贈る子どもの文学』p204~205より)と、インタビューに答えたということです。

児童文学論
リリアン H.スミス
岩波書店
1964-04-20

 

こうした点についてリリアン・スミスは、『児童文学論』(石井桃子、瀬田貞二、渡辺茂男/訳 岩波書店)の中で、“この本は、作中に出てくる登場人物の人形をのりこえて、人間世界の根本問題にまで触れているのである。つまり、善と悪、正と邪、はかなく消えてゆく価値に対して真実なるもの、などの問題であり、このようなことは、すべての人に重要な問題なのである。(中略)だが、子どもは、こうした内に秘められた意味をとらえることはできないし、子どもが喜ぶのはそのストーリーである、と主張する人がいるかもしれない。しかし、知覚の鋭い子どもたちは、おのずからこのストーリーの底にながれる意味のいくぶんかを感じとって、かれらをとりまく世界にたいして、いっそう敏感な心をもつようになるのである。”(p276~277)と、述べています。

 

そういえば私自身も子ども時代に、叔母に贈られた着せ替え人形と、その周りにキューピー人形やぬいぐるみなどを置いて、それぞれに身近な大人たちの役割を割り振り、大人たちの言うような言葉を言わせて遊びました。後に自分の娘たちが同様にドールハウスで遊ぶようになったとき、人形に言わせるセリフが、やはり大人の鏡のように感じ、子どもの感性は鋭いと思ったものでした。

エミリーとシャーロットの人形遊びでありながら、人生の深い意味を内在させるこの『人形の家』の物語は、子どもたちの遊びの中に見え隠れする、その鋭い感性を見事に描いた作品と言えるでしょう。時代は大きく変わったとはいえ、今の子どもたちも人形で遊ぶことを好みます。そしてこの作品も、これからも読み継がれるよう手渡していきたいと思います。

 (作成K・J)

2017年3月(その2)希望の春


春は芽吹きの時、生命の力を感じる時でもあります。そしてその圧倒的な力は、私たちを勇気づけてくれます。3月はまた旅立ちの季節。そんな時期の子どもたちに向けて、「大丈夫だよ」と背中を押してあげられる本をいくつか選びました。

**************************

【希望の春】

導入 詩 「は は はるだよ」与田凖一/詩 西巻茅子/絵 『は は はるだよ』(金の星社 1982)より 1分

一の 山、
二の 山、
三の 山。

わらびの たろうが
目を さます、
わらびの じろうが
目を さます、
わらびの さぶろうが
目を さます。

あっちで、
こっちで、
は は はるだよ。
は は はるだよ。
(一部引用)

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

小さい子向けのおはなし会プランでも使用した与田凖一の詩集から、詩集の表題になっている詩「は は はるだよ」を、紹介します。前半は、わらびが芽吹く様子を、後半ではかえるが起きだす様子を、やさしい言葉で表現しています。一度、朗読した後に、子どもたちも一緒に声に出して復唱してもらうと、詩のリズミカルな言葉を味わってもらえることと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

絵本『里の春、山の春』新見南吉/作 鈴木靖将/絵 新樹社 2015 2分半

里の春、山の春
新美 南吉
新樹社
2015-04-04

『校定新見南吉童話集』(大日本図書 1993)より、春を見たことのない小鹿の思いに寄り添う『里の春、山の春』が絵本化されました。小鹿と里にすむおじいさんの交流は『てぶくろをかいに』などと同様に、新見南吉らしいと感じます。小鹿だけではなく、読んでもらった子どもたちも春の訪れを捜したくなることでしょう。

絵本『いっしょだよ』小寺卓矢/写真・文 アリス館 2012 3分

いっしょだよ
小寺 卓矢
アリス館
2012-04

芽吹いたばかりの木の芽、花や小さな虫に注がれる温かいまなざし。すべての生命は、それぞれが支えあい、かかわりあい、共生していることを、美しい写真と、丁寧な語りかける言葉で伝えてくれる写真絵本です。小さなものへのまなざしは、同様に自分たちにも注がれていること、自分たちもまた誰かに支えられていることを発見できることでしょう。

絵本『きぼう―こころひらくとき』ローレン・トンプソン/作 千葉茂樹/訳 ほるぷ出版 2009 3分

きぼう―こころひらくとき
ローレン トンプソン
ほるぷ出版
2009-11

世界にはいろんなことが起きている。いつもいつも笑顔ばかりではいられない。でもそんな時にも、目をあげてみると小さな希望が見えてくる。ちょっと視点を変えるだけで、希望は見えてくる・・・そんなことを世界中の子どもたちのさまざまな表情とともに伝えてくれる1冊です。大きな災害に見舞われた国から、内戦の起こった国から、辛い思いを乗り越えて一歩踏み出そうとする子どもたちの表情を捉えています。子どもたちの未来は、決して薔薇色に輝いてばかりではないけれど、そんな時にも希望を見出す感性を子どもたちに伝えたいと思います。それは私たち、大人にも言えること。「きぼう それは、いつもあなたのなかにある。芽をふくときを しずかにまっている。」希望が芽吹くことのできる世界を、私たちは子どもたちに手渡したいと切に願います。
 

(作成K・J)

2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子向け)


 1月の今が一番寒さの厳しい時期です。「おはなし会プラン」は2か月前倒しで作成するので、毎年一番寒い時期に3月の春の兆しが日に日に大きくなるころを思い浮かべています。

そうした芽吹きの季節に感じるのは、自然の力、生命力です。特に小さな子どもたちが一歩、二歩と歩みを進めていく・・・そしていよいよ力強く駆けていく、そんなイメージで小さい子のためのおはなし会プランを作成しました。

*****************

【いっぽ、にほ、たたたたた】

導入 わらべうた ととけっこう

ととけっこう

 

 

 

 

起こし遊びのわらべうたです。もし図書館にマスコットの人形などがあれば、この歌を歌って起こしてあげましょう。指さしながらこのわらべうたを歌います。「もう起きたかな?」と言って、人形に耳を近づけると「グー、グー」いびきをかいています。起きるまで2、3回繰り返します。起きてきたら人形も一緒におはなし会に参加してもらいましょう。

詩「はだかのあかちゃん」 『は は はるだよ』(与田凖一/詩 西巻茅子/絵 金の星社 1982)より 1分

はだかのあかちゃん、 どこからきたの。
おつむてんてん あし とんとん。
(中略)
あんよは おりまげ できますね。
おつむてんてん あし とんとん。

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

与田凖一の小さな子どもたちにもわかりやすい詩に、西巻茅子が絵をつけた詩集です。春をテーマにした表題詩「は は はるだよ」以外にも、四季それぞれの子どもの生活に合わせた楽しい詩がたくさん集められています。現在、品切れ中です。図書館の蔵書としてある場合、とても貴重です。古くなっているでしょうが廃棄しないで保存してほしいと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

わらべうた ちょちちょちあわわ

ちょちちょちあわわ

 

 

 

 
「ちょちちょち」で手拍子、「あわわ」で手を口の前に3回あてる、「かいぐりかいぐり」で左右の手で握り拳をつくって胸の前で回し、「とっとのめ」で目元を3回そっと触ります。「おつむてんてん」手を頭にのせて軽く2回触り、「ひじとんとん」で片手をもう片方のひじにあてて2回たたきます。
赤ちゃんをあやすために歌うわらべうたです。「とっとのめ」で手のひらをつつくこともあります。

 

絵本『ここよ ここよ』かんざわとしこ/文 やぶうちまさゆき/絵 福音館書店 2003 1分

ここよ ここよ (0.1.2.えほん)
かんざわ としこ
福音館書店
2003-01-25

 春は新しい生命がたくさん生まれる季節。この絵本は、動物の赤ちゃんを「どこにいるの?」と探します。次の見開きで「ここよ ここよ」と答えてくれます。言葉の繰り返しと、動物画家、薮内正幸さんの写実的な絵の愛くるしい動物の赤ちゃんに、小さな子どもたちも惹きつけられます。

 

わらべうた ずっくぼんじょ

ずっくぼんじょ
「ずくぼんじょ」とはつくしのことです。両手を合わせて顔の前で合わせ、左右に揺れながら歌います。「ででこらさい」で、両手の位置を少し高くします。何度か繰り返しながら歌って、その度にどんどん手の位置を高くしていきます。最後は両手をまっすぐ伸ばします。「つくしがこんなに大きくなったね」と、みんなをほめてあげましょう。 

 

絵本『くつくつあるけ』林明子/作 福音館書店 1986 1分

上手に歩き始めた子どもの弾けるような笑顔。自分で思うところへ移動できるという喜びを身体全身を使って喜んでいるようです。そんな喜びを、この絵本ではくつだけで表現しています。前へ、前へと伸びようとする子どもたちにぴったりの絵本です。

わらべうた あしあしあひる

あしあしあひる

 

 

 

 

 
小さな赤ちゃんの場合は、お母さんのお膝に乗って、お母さんの足の上に赤ちゃんの足を重ねて左右に動かします。自分で歩けるようになった年齢の子どもはお母さんの足の甲の上に乗って、お母さんと手をつないで落ちないように一緒に歩きます。

 

絵本『こうまくん』きくちちき/作 大日本図書 2016 1分半 

こうまくん
きくち ちき
大日本図書
2016-03

 走ることができる喜びを、「ぼく はしってるの」という言葉の繰り返しで表現しています。自分の足で歩けるようになり、たたたたたと走れるようになると、何がおかしいのか、声を上げて笑いながらどんどん走っていきます。親たちは必死で追いかけますが、小さな子どもはそうやって追いかけられるのが楽しくてさらにキャッキャッと大はしゃぎ。そんな躍動感がこの絵本からも感じられます。流れるような水彩の筆遣いは、走る仔馬の生命力を、ピンク色を基調にした柔らかい色遣いは春の野山の様子を表現していて、読んでいるこちらも弾んでくるようです。

(作成K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 1月


新しい年を迎え、子どもたちも希望いっぱいではないでしょうか。そんな1月はお正月の本を紹介しながら、子どもたちに冬休みのことを聞いても楽しいですね。今回は、「お正月」をテーマにおすすめの本を紹介します。

<低学年>

『かさじぞう』 瀬田貞二再話 赤羽末吉画 福音館書店 6分

かさじぞう(こどものとも絵本)
瀬田 貞二
福音館書店
1966-11-01

 おじいさんから笠をかぶせてもらったおじぞうさまが恩返しをする、有名な日本の昔話です。赤羽末吉による扇面に描かれた場面は、雪が降る様子やおじいさん、おばあさんの人柄が伝わってきます。「よういさ、よういさ、よういさな。」とおじぞうさまが近づいていく様子に、子どもたちは息をのんで聞いてくれます。 

 

『十二支の年越』 川端誠作 リブロポート 1983 約4分

 十二支の動物たちの年越しの様子が、七五町の愉快な文と、線が太い木版画の絵で書かれています。
左ページには、餅つき、初夢、獅子舞・・・など、年末年始に関するいろいろな風習の紹介がありますので、子どもたちに問いかけをしてもよいと思います。絵本全体にユーモアがあるので、楽しい気分でお正月を迎えるにはぴったりの1冊です。
 
 

 <中学年>

『はつてんじん』 川端誠作 クレヨンハウス 1996 7分

落語絵本 三 はつてんじん (落語絵本 (3))
川端 誠
クレヨンハウス
1996-12-01

 日本の伝統的な話芸である落語を絵本化したものです。「はつてんじん」とは、新年になってから天満宮に初めてお参りにいくことです。ある親子が初天神に行くことになりますが、息子の金坊はわるさばかりする困りもので・・・親子のやりとりが楽しい落語です。新年を明るい笑いではじめるのもいいですね! 

 

 

 <高学年>

『しめかざり』 森須磨子文・絵 福音館書店 2008 

しめかざり (たくさんのふしぎ傑作集)
森須 磨子
福音館書店
2010-12-10

 お正月になると、家の門や玄関に飾られる「しめかざり」。家に「年神様」というお正月の神様をお迎えするためのものです。この本では、ごぼうじめの作り方やついているかざりの意味などがイラストをそえてわかりやすく説明されていて、何気なく見ているしめかざりについて詳しく知ることができます。地域によってさまざまなかたちのあるしめかざりの紹介も楽しいです。作成にたずさわっている人も多数登場し、しめかざりには人々の大切な思いがこめられていることがわかります。日本の伝統として受け継がれているしめかざりについて、ぜひ紹介してあげてください。

 

<知識の本>

『まるいちきゅうのまるいちにち ALL IN A DAY』 安野光雅編 童話屋 1986

 安野光雅さんが世界8国8人の絵本作家に声をかけて作った絵本です。無人島にいる男の子タスケが各国にSOSを発信するという設定で、世界の子どもたちがお正月を迎える様子が描かれています。ロンドンが1月1日0:00を迎えたとき、ブラジルはまだ31日夜21:00で寝る支度をしていますし、日本ではもう1日朝9:00で初詣の準備をしているところ、といった具合です。ページをめくると、3時間ずつ、時間がすすんでいきます。絵を眺めていると、季節が違ったり、食べているものが違ったりと、さまざまな発見ができます。1つ1つの絵は小さいので、全部読むのではなく、本の紹介をして、あとからじっくり眺めてもらうのがよいと思います。

 

<気軽に読める本>

『おしょうがつさん』 谷川俊太郎ぶん 大橋歩え 福音館書店 1983 2分

おしょうがつさん (幼児絵本シリーズ)
谷川 俊太郎
福音館書店
1990-11-15
 
 お正月にまつわるものを、美しい切り絵とリズミカルな文で紹介しています。子どもたちから「知ってるー」の声があがる絵本です。
 
 

 『いちねんのりんご』 菊地清作・絵 福音館書店 冨山房 1995 3

いちねんのりんご
菊地 清
冨山房
1995-09-16

 「いちねんのりんご」からは毎月に1個ずつ実が落ちます。この絵本は切り絵になっていて、りんごの実は、「ばくばくばっくん」とわれて、1月は雪だるま、2月は鬼といった素敵なものに変わります。どんなものに変わるのか楽しみながら、季節を味わうことができる絵本です。

 みなさまにとって、よい1年になりますように! 

(作成 I.T)

「子どもの本  この一年を振り返って2016」のご案内


2016年に出版された子どもの本を振り返り、紹介する公益財団法人図書館振興財団「子どもの本 この1年を振り返って2016」が、今年も開催されます。

日時:2016年3月6日(月)、7日(火) どちらも同じプログラム (受付開始9:30)
         第1部 10:00~15:10 発表!2016年の子どもの本
                   絵本:鈴木佳代子(日本子どもの本研究会・絵本研究部)
                   フィクション:野崎眞由美(児童図書館研究会)
                   ノンフィクション:遠藤美子(科学読物研究会)
                   ヤングアダルト:高見京子(全国SLA学校図書館スーパーバイザー)

         第2部 15:30~16:30 大人(中学生以上)のためのブックトークillust3573thumb
                        池田茂都枝(前大正大学 非常勤講師)


会場:株式会社 図書館流通センター 地下1階 大ホール
参加費:会員2000円/日 非会員3000円/日(第1部のみ、第2部のみの参加でも参加費はかわりません)
定員:各日130名

絵本、フィクション、ノンフィクション、ヤングアダルトの分野別に、図書館員や児童図書研究グループのメンバーが2016年に話題になった本、おすすめの本を紹介します。
申し込みは、図書館振興財団のホームページ→こちらからお申込ください。(申込み受付けは先着順です)

 

なお、このイベントは自己研鑽として自分の時間とお金を使って参加するもので、TS室の外部研修ではありません。

おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?


2017年最初の投稿です。

新年あけましておめでとうございます。今年も図書館で児童サービスに携わる際に必要な情報を迅速にお伝えしていきたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


illust171_thumb

 

さて、「おはなし会のいろは」の5回目は、「おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?」です。

1回目から4回目まで、初めて児童サービスを担当する人が、いきなりおはなし会を担当することになっても、絵本の持ち方もわからない、読み方もわからない、またどんな準備が必要なのかも、どんな絵本を選んでよいかもわからない、ということがないようにと、ひとつひとつ丁寧に説明をしてきました。
 1回目 おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
 2回目 おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
 3回目 おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
 4回目 おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方

 

今回は、実際におはなし会に携わった時に、子どもたちからの思わぬ反応に右往左往することがないように、おはなし会でよくあるハプニングとその対応方法についてQ&A方式でお伝えします。なお、これは2015年度まで使用していたヴィアックス「社員研修テキスト〈図書館業務 基礎編〉」(2013年)に「【よくある事例】(どう対応するのか)」というコラムで掲載されていましたが、テキスト改訂に合わせて削除したものです。今回は、それに加筆しています。

 

1)「これ知ってるよ!」、「もう読んだことある!」と言われたら

 「おもしろい本だったよね。もう一度みんなと一緒に楽しんでね。」と声をかけ、面白い本は何度読んでも面白いことや、みんなと一緒に楽しむことの大切さを伝えます。

 

blog5

2)読んでいる最中に、あるいは語っている最中に子どもが話しかけてきたら

 声をかけてきた子に目を合わせて頷き、「あなたの話はきちんと聞こえているよ」という意思表示をします。しかしおはなしを中断せずに最後まで続けます。しつこいような場合は、「後でね」と小さな声で短く声をかけます。
 なお、読み終わったあと、あるいは語り終わったあとに、その子に必ず声をかけて話を聞いてあげましょう。

 また、昔話などで現代の子どもたちに馴染みのない道具などが出てきて、子どもたちが疑問を抱くだろうという場合は、あらかじめ説明をするか、「おはなしの中に、みんなが見たことのないものが出てくるけれど、終わった後に説明するから、最後まで聞いていてね。」と声をかけてもよいでしょう。

 

3)歌、鳴き声、方言などがある絵本は

 無理をしないで、自然に読んであげてください。歌の場合は、少し節をつけて読むだけでも、歌っているように聞こえます。絵本などで巻末に楽譜がついている場合は、それを覚えて歌ってあげましょう。もちろん、自分で曲をつけて歌ってもかまいませんが、毎回違うようでは、子どもたちも混乱します。
 

 

4)おはなしが抜けてしまったら

 緊張してしまって、絵本の1ページ読み飛ばしてしまう、おはなしの一段落が抜け落ちてしまうということはあるでしょう。気が付いた途端に、頭が真っ白になって、どこをどう読んでいるかわからなくなったりします。おはなしの進行に影響がない場合はそのまま読み進むこともありますが、前後が抜けて辻褄が合わないような時は、「1ページ抜けちゃったね。もう一度、ここから読み直すね。」と、声をかけて戻りましょう。
 そのようなことにならないためにも、普段から声に出して練習をしましょう。fuwari4

 

5)おはなしに集中できない子がいたら

 「おはなし会のいろは(その4)」で書いたように、子どもたちの、特に乳幼児の集中持続時間は大変短いのです。おはなし会が始まる前に、最後まで聞くことが苦痛に感じるならば、途中でその場を離れてもいいことを伝えてあげましょう。なお、おはなしの途中で、ぐずったり、周囲の子どもたちにも波及するようでしたら、他のスタッフがそばにいって、声をかけてその場を離れるようにします。

 また、おもちゃを持ってきていたり、書架にある絵本を引っ張り出したりと、子どもたちの注意を引くものがほかにあると、集中しづらくなります。おはなし会が始まる前に、会場内の子どもの注意を引くものを片付け(あるいは目隠しをし)、手にしているものは付き添いの保護者に預けるように促しておきましょう。(→「おはなし会のいろは(その3)」を参照)

 

6)他の子にちょっかいを出す子がいたら

 絵本を読む、あるいは語る人とは別のスタッフが対応します。そばに行って、「おはなしを聞こうね」と声をかけます。自分に関心が向くと、安心することがあります。そばに寄り添ってみて、それでも落ち着かない場合は、会場から離れたところで話を聞いてあげましょう。

 

7)付き添いの保護者の雑談が気になる場合

 広い会場などでは、子どもたちだけを前に座らせて、後ろに保護者の方々が分かれて座ることが多いと思います。そうすると、保護者同士の私語が、子どもたちの集中力を妨げることもあります。無題
 子どもたちにとって、親の姿は鏡です。保護者の方が一緒に楽しんでいると、安心しておはなしの世界に入っていくことができます。おはなし会が始まる前に、保護者の方も一緒に楽しんでもらうように伝えましょう。また、途中から入室してきた保護者にもわかるようにおはなし会の会場内にも同様の内容で掲示しておくとよいでしょう。

 

8)おはなし会終了後について

 おはなし会が終わった後、子どもたちも興奮してしまって、そのままのテンションで会場を出ていくことがあります。それがほかの利用者のクレームにつながることもあります。そちらの対応については、「Q&Aこんな時どうする?」の「おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方」に詳しく書いてあります。こちらを参照にしてください。

 おはなし会に参加する子どもたちはもちろん保護者の方も、そしておはなし会を担当するスタッフも、みんなが「今日は楽しかったね」と満足できるような時間になるようといいですね。

(作成K・J) 

トップページに戻る