おすすめ幼年童話10『ジェニーとキャットクラブ』エスター・アベリル


 連載第10回は、『ジェニーとキャットクラブ 黒ネコジェニーのおはなし1』(エスター・アベリル/作・絵 松岡享子、張替惠子/共訳 福音館書店 2011)です。


 

黒ネコのジェニーは、はにかみやで引っ込み思案の女の子。飼い主のキャプテン・ティンカーさんと一緒に暮らしています。

ティンカーさんの家の庭には、近所のネコたちが集まる「キャットクラブ」という集まりがありました。ジェニーも「キャットクラブ」に入りたいと思いますが、特技のない自分に自信が持てず、一歩踏み出す勇気が持せん。初めは落ち込むジェニーでしたが、ティンカーさんに後押しされ、自分なりの方法で殻を打ち破ります。(「ジェニーがキャットクラブにはいるはなし」」

この本には全部で3つのお話が入っています。「ジェニーがネコの学校にいくはなし」では、小さいジェニーを車で追いかけまわすしょうぼうねこのピックルズが登場したり、「ジェニーがはじめてネコのパーティーにいくはなし」では、ジェニーを赤ちゃん扱いするネコが現れたりと、それぞれの話の中で、ジェニーの前には様々な困難が立ちはだかります。初めは弱気になるジェニーですが、勇気を奮い起こし前進していく彼女の姿に読み手の子どもたちは共感したり、元気をもらったりしながら読み進めることができるでしょう。

 

黄色い装丁が目を惹くおしゃれな挿絵は作者エスターアベリル自らが描いたもの。ユーモラスで可愛らしく、個性的なキャットクラブの面々が生き生きと描かれています。 

続編の『ジェニーのぼうけん』『ジェニーときょうだい』では、キャットクラブの仲間や兄弟のために奔走する、より成長したジェニーの姿を見ることができます。

また、本作より前に出版された同作者の『しょうぼうねこ』も併せて読んでみると、新たな発見があるかもしれませんよ。

 

(作成:28年度児童部会部員M.N)