おすすめ幼年童話12『ちびっこ大せんしゅ』シド・ホフ


 
 
連載12回めは『ちびっこ大せんしゅ』(シド・ホフ/文と絵 光吉夏弥/訳 大日本図書 2010)です。
 

 リトルリーグでも1番小さいハロルドは、試合にも出られず、いつもベンチを温めているだけでした。そんなハロルドにも、シーズン最後の試合でチャンスが訪れます。ピンチヒッターとしてバッターボックスに立ちました。ハロルドは目をつぶって力いっぱいバットをふると、なんと奇跡のホームラン! 

 チームは見事に勝利し、今までからかっていたチーム・メートも、この瞬間にハロルドと共に喜びを分かち合います。そして彼の努力は報われ、バットを振った勇気に感動してしまいます。最後に、試合の前日自宅に来て励ましてくれたコーチのロンバルトさんが、名言を残します。それは最高の誉め言葉で、読んでいる私たちに喜びと自信を与えてくれます。

 みんなで協力すれば喜びを分かち合うことができ、日々一生懸命練習すればハロルドのようにチャンスを掴むことが出来るよ、とストレートに伝えているのがこの物語の最大の魅力です。とくに、スポーツが好きな子はハロルドに共感でき、読み終わった後はきっと爽快な気分になるでしょう。絵本から読み物の移行期の小学校低学年向けですが、イラストも多いので読み聞かせにも向いています。読みやすく、読書が苦手なお子さんにも楽しめるので、読書感想文の本としてもおすすめです。

 作者のシド.ホフは、ニューヨーク生まれのマンガ家。ロングセラーの「ダニーと恐竜」など子どもの本も50冊ほど出していて、そのユーモラスな絵で大きな人気を集めています。野球の本も「魔女とネコと野球のバット」「野球ネズミ」などがあるので、ぜひあわせて読んでみてください。

(作成 29年度児童部会部員C・S)

 

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら
第4回『ちびっこタグボート』→こちら
第5回『スプーン王子のぼうけん』→こちら
第6回『プレゼントはお・ば・け』→こちら
7回『ちびねこグルのぼうけん』→こちら 
第8回『宇宙からきたかんづめ』→こちら
第9回『ごきげんいかが がちょうのおくさん』→こちら
第10回『ジェニーとキャットクラブ』→こちら
11回『火曜日のごちそうはヒキガエル』→こちら