2018年5月(その2)天までとどけ(幼児~小学生)


端午の節句では、邪気を避け魔物を祓うとされた「よもぎ」と「菖蒲」を軒につるす習慣が続いてきました。特に武家社会では「菖蒲」は「尚武」かけて使われたようです。さて、5月のおはなし会プランは、「よもぎ」と「菖蒲」の出てくる昔話「食わず女房」を中心に組み立ててみました。

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導入 写真絵本『森はオペラ』姉崎一馬/作 クレヨンハウス 2006 1分

森はオペラ
姉崎 一馬
クレヨンハウス
2012-10-01

 

新緑の季節、青葉が茂る季節です。樹木や森林を撮影する自然写真家の姉崎さんの、生命力に溢れる森の木々の写真と詩のコラボレーション絵本です。小さな芽生えはやがて大きな木へと育っていきます。木々は、太陽の光を浴び、風に葉を揺らしてまるで歌を歌っているよう。歌声は森のあちこちから集まってきてまるでオペラのようだと姉崎さんは感じたのでしょう。天をつく大木を見上げて「天までとどけ 森のオペラ」と力強いメッセージで終わります。それはそのまま、子どもたちの成長を見守る視線へと重なっていくように感じます。瑞々しい木々の写真をゆっくりと見せながら読んでいきましょう。 

 

絵本『きみはライオン!たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作 竹下文子/訳 偕成社 2017 5分

きみは ライオン!
ユ・テウン
偕成社
2017-08-24

 子どもたちが金色の朝陽を浴びながら、庭に集まってきました。朝のヨガの時間です。「きちんとすわって りょうてをひざに おおきくくちをあけ したをだす!」、するとそれはライオンのポーズ。ほかにもちょうちょや、いぬ、へび、かえるなど様々な動物に変身です。そして、最後は立ち上がって両手を頭の上に伸ばし、高く高く「やまになる しっかり つよく そびえたち てんまでとどけ」と背伸びをします。5月の爽やかな空気を吸い込んで元気に過ごせるよう最初の1冊はこの本を選びました。 

 

素話「食わず女房」『日本の昔話2したきりすずめ」(おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1995)より 7分

したきりすずめ (日本の昔話 2)
小沢 俊夫
福音館書店
1995-10-01
 
何も食べない女房を望んでいた若者の所へやってきた美しい娘。若者はこれ幸いと女房にします。よく働く上に何も食べないとはこれ幸いと思っていると、どんどん米や味噌が減っていきます。ある日こっそり梁に隠れて覗くと、なんと留守中に大飯食らう女房の姿、しかも髪の毛をとかすと頭のてっぺんに大きな口が開いていたという、お馴染みの昔話です。絵本『くわずにょうぼう』(稲田和子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店)や、紙芝居『くわず女房』(松谷みよ子/再話 長野ヒデ子/画 童心社)もあり、いずれの絵も好きなのですが、語りで聞くと余計に不気味さが伝わると思います。ぜひ語りに挑戦してみてください。
 

 

 絵本『こどもってね・・・・・・』ベアトリーチェ・アレマーニャ/作 みやがわえりこ/訳 きじとら出版 2017 5分

こどもってね……
ベアトリーチェ・アレマーニャ
きじとら出版
2017-09-05

「こどもってね、ちいさなひと」「こどもってね、ずっとこどものままじゃないんだよ」と、「こどもってね」の繰り返しでこどもたちの姿を描き出します。たくさんの可能性を秘めている子どもたちも、いつかはこの社会を支える存在に育っていきます。そのためにも子ども時代は子どもらしくたくさんの経験をたのしんでほしいなぁと思います。子どもたちの健やかな成長を願いながら読んであげたいと思います。

(作成K・J)