おすすめの幼年童話⑯『小さいおばけ』オトフリート・プロイスラー


小さいおばけ
オトフリート・プロイスラー
徳間書店
2003-07-16
 
 
 
   
 ずっと昔から、ドイツのフクロウ城というお城に、ひとりの小さい夜おばけが住んでいました。目を覚ますのは、夜12時からの1時間だけ。手には、ひとふりすると扉や門がぱっと開き、さっとふればたちまち閉まる13個の鍵がついた鍵束をいつも持っています。小さいおばけは、月の光を浴びたり、仲良しのミミズク・シューフーとおしゃべりしたりと楽しく暮らしていましたが、ふと、昼の世界を見てみたいと思うようになります。
 
 そしてある時、突然昼間に目が覚めるのです。小さいおばけは大喜びで、早速昼の世界を見てまわります。ところが、日の光を浴びて白い体が黒くなってしまい、町の人を驚かせて大騒ぎになってしまいます。夜おばけにに戻りたくても、方法が分かりません。そこで小さいおばけは、三人の子どもたちに助けを求めるのですが・・・。

 気が良くて、いたずら好きな小さいおばけが愛らしく、親しみが持てます。怒ると人間が恐れるほどの怖さを発揮するおばけらしさも魅力的です。小さいおばけが起こす騒動や昼間に目覚めてしまった謎が、どんどん読者を話に引き込みます。情景が細かく描かれた挿絵が豊富にあり、物語の雰囲気がたっぷり伝わってきます。

 作者のオトフリート・プロイスラーは、ドイツを代表する児童文学作家です。『小さい水の精』(畑沢裕子訳 徳間書店 2003)でドイツ児童図書賞特別賞を受賞しています。他にも、『小さい魔女』(大塚勇三訳 学研プラス 1965)や「大どろぼうホッツェンプロッツ」(中村浩三訳 偕成社 1966)シリーズがあります。小学校高学年からは、ドイツの一地方の伝説がもとになっている『クラバート』(大塚勇三訳 偕成社 1980)がおすすめで、壮大な世界に浸れます。様々な年齢で楽しめるプロイスラーの作品を、ぜひ手に取ってみてください。

*『クラバート』は、本のこまど「基本図書を読む㉛『クラバート』プロイスラー」→こちらで紹介しています。

(作成A・U)

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら
第4回『ちびっこタグボート』→こちら
第5回『スプーン王子のぼうけん』→こちら
第6回『プレゼントはお・ば・け』→こちら
第7回『ちびねこグルのぼうけん』→こちら 
第8回『宇宙からきたかんづめ』→こちら
第9回『ごきげんいかが がちょうのおくさん』→こちら
第10回『ジェニーとキャットクラブ』→こちら
第11回『火曜日のごちそうはヒキガエル』→こちら
第12回『ちびっこ大せんしゅ』→こちら
第13回『こぶたのピクルス』→こちら 
第14回『オンネリとアンネリ』→こちら
第15回『ナスレディンのはなし』→こちら