Yearly Archives: 2018

おすすめ幼年童話14『オンネリとアンネリのおうち』マリヤッタ・クレンニエミ
2018年6月(その2)おへそにきをつけろ!(幼児~小学生)
第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が公表されました
基本図書を読む1 『エーミールと探偵たち』 エーリヒ・ケストナー(再掲)
2018年6月(その1)いっしょにはいろう(小さい子)
6月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2018)(更新あり)
児童サービス年間業務計画、講演会・イベント等の工程表
おすすめ幼年童話13『こぶたのピクルス』小風さち
2018年2月、3月の新刊から
福音館書店がアジア最高出版社賞受賞!
角野栄子さん 国際アンデルセン賞作家賞受賞!
29年度第6回児童部会
2018年5月(その2)天までとどけ(幼児~小学生)
児童サービス業務のスタートアップ(更新あり)
2018年5月(その1)こちょこちょ(小さい子)

おすすめ幼年童話14『オンネリとアンネリのおうち』マリヤッタ・クレンニエミ


連載14回めは『オンネリとアンネリのおうち』(マリヤッタ・クレンニエミ/作 マイヤ・カルヤ/絵 渡部翠/訳 福音館書店 2015)です。フィンランドの児童文学の定番で、1975年に大日本図書から出版され、自立をテーマにしたこの作品は多くの子どもたちの心を捉えました。その後プチグラパブリッシングから復刊されましたが品切れとなっていました。2015年に福音館書店から出版され、再び子どもたちの手に届くようになったのは嬉しいことです。

今年6月9日より、映画となって劇場公開されます。作品が映画の中でどのように描かれているか楽しみです。(映画「オンネリとアンネリのおうち」公式サイト→こちら)映画公開に合わせて、図書館でも続編『オンネリとアンネリのふゆ』と共に面だし展示してみてください。

 

オンネリとアンネリのおうち (世界傑作童話シリーズ)
マリヤッタ・クレンニエミ
福音館書店
2015-10-25
 
 
 
 

小学生の女の子、オンネリとアンネリは大親友。オンネリは九人兄弟の真ん中で、家ではいつもなんとなくひとりぼっち。両親とたくさんのきょうだいたちと一緒にひとつのお部屋で暮らしています。アンネリには大学教授のお父さんと趣味に忙しいお母さんがいますが、その両親は別居中。お手伝いさんが二人いて生活には不自由しませんが、お父さんの家でもお母さんの家でも何だか居場所がありません。ちょっと複雑な家庭環境の女の子たちです。

 夏休みのある日、二人はひょんなことから「ふたりの小さな女の子が住むのにちょうどいいおうち」を手に入れます。真っ白いレースカーテンのかかった客間、かわいい二羽の小鳥がさえずる鳥かご、きれいな色のお皿も冷蔵庫も食料も全部そろったドールハウスのような台所、そして今まで見たこともないような素敵な遊び部屋! 女の子の憧れ満載のお城のようなおうちで、二人は大人たちに邪魔されずに暮らすことにします。

子どもの頃、「自分だけの素敵なお部屋があったらいいなぁ」と空想したことは誰でもあるのではないでしょうか。このお話にはそんな夢がそこかしこに溢れています。二人が家の中を探検して素敵なお部屋を発見していく描写には、子どもも大人も垣根を越えて胸がわくわくすることでしょう。

また、この夢のようなおうちで、オンネリとアンネリがきちんと地に足の着いた生活を営んでいく様子も魅力的です。自分たちで食事の支度をし、片づけもして、ご近所さんにご挨拶をしてお客様としてきちんともてなします。個性豊かなご近所さんとのやり取りが描かれながら、お話はハッピーエンドへ向かっていきます。

オンネリとアンネリは二人だけの家で楽しく過ごしながらも、両親に構ってもらえずに少しさみしい思いも抱えていました。そこで二人はオンネリの誕生日パーティを企画し、家族も含めたたくさんの人たちを招待します。パーティにやってきた両親とお互いの気持ちを伝えあい、家族の愛情を確認し、そして改めて二人の家で暮らしたいと宣言します。「わたし、わたしたち、この夏はしあわせだったと思うわ」(p.172)という台詞のとおり、オンネリとアンネリも、二人の家族も、ご近所さんたちも、もちろん読者も、幸せな気持ちが広がっていくフィンランド生まれの楽しい夏の物語です。

 

(作成:29年度児童部会部員A.K)

 

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら
第4回『ちびっこタグボート』→こちら
第5回『スプーン王子のぼうけん』→こちら
第6回『プレゼントはお・ば・け』→こちら
第7回『ちびねこグルのぼうけん』→こちら 
第8回『宇宙からきたかんづめ』→こちら
第9回『ごきげんいかが がちょうのおくさん』→こちら
第10回『ジェニーとキャットクラブ』→こちら
第11回『火曜日のごちそうはヒキガエル』→こちら
第12回『ちびっこ大せんしゅ』→こちら
第13回『こぶたのピクルス』→こちら

 

2018年6月(その2)おへそにきをつけろ!(幼児~小学生)


6月は梅雨の季節。今年は春先の高温の状況などから2013年と同様の猛暑になるという予報で、集中豪雨も懸念されるとのこと。雨はすべての植物、動物にとっては天の恵みであり、降らないのは困りますが、過ぎたるは猶及ばざるが如し、被害の出ないことを祈ります。

さて、今回は素話「ヤギとライオン」と、絵本『へそとりごろべえ』を中心にプログラムを立てました。昨年末、長い間品切れだった赤羽末吉の『へそとりごろべえ』(1978年刊 童心社)が、改訂新版として復刊されました。赤羽末吉のユーモアあふれるこの作品は、私の友人が学童クラブで読んだところ、どの子も夢中になって聞いていたと聞きました。

雷のへそとりごろべえ、「ごーろごろーのぴーかぴか」と、雷を鳴らしてはいろんな動物や人物のへそを取って集めます。判型は小さいのですが、赤羽末吉らしい上等のユーモア絵本で、滑らかに口が回る節回しと、表情豊かな絵が、子どもたちを惹きつけるようです。おとなも子どもも一緒に楽しみたい絵本です。

 

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おへそにきをつけろ!】

導入 詩「あめ」山田今次/作 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』(はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房インターナショナル 2015)より (p76~77)1分

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19
 
 
「あめ あめ あめ あめ
 あめ あめ あめ あめ
あめはぼくらを ざんざか たたく (後略)」
雨音を表現する擬音には「ぴちぴちぱちゃぱちゃ」「ぽつんぽつん」「ぱらぱら」「ざあざあ」など、様々ありますが、この詩で「ざんざか」「ざかざか」「ざかざん」と擬音が使われており、まさに集中豪雨の表現です。雨の降り方を表す擬音にもいろいろあることを、耳から聴きながら感じてほしいなと思います。
 
 
絵本『あめじょあじょあ』イ・ミエ/文 田島征三/絵 おおたけきよみ/訳 光村教育図書 2009 3分半

あめ じょあじょあ
イ ミエ
光村教育図書
2009-06

「雨はどうして降るのかな?」という疑問に答えてくれる絵本はいくつかありますが、今回選んだのは韓国の詩人で児童文学作家のイ・ミエさんの文章に田島征三さんが絵を描いた作品です。この絵本でも雨の擬音表現はさまざまで、「じょあじょあ」という響きも面白いですね。雨の降り方の違いにも触れていて、導入で使った詩の「ざんざか」降る雨はどうしてか、子どもたちが聞いていてわかるようになっています。
 
 
 
素話「ヤギとライオン」(内田莉莎子/訳 トリニダード・トバゴの昔話)『子どもに聞かせる世界の民話』(矢崎源九郎/編 実業之日本社 1988)より(p8~10)7分

子どもに聞かせる世界の民話
実業之日本社
1988-05-01
 
ヤギが夕立に遭い、誘われるままにライオンの家で雨宿りをすると、ライオンがヴァイオリンを出して歌を歌います。その歌詞に震えあがったヤギは機転を利かせて咄嗟に歌を作って応酬します。このお話は、この歌の応酬がポイントとなります。自分で節をつけて歌えるとよいのですが、どのように歌ってよいかわからない人はこぐま社刊『おはなし会ガイドブック―小学生向きのプログラムを中心に』(茨木啓子・平田美恵子・湯沢朱実/編著 2003)の巻末に平田美恵子さん作曲の譜面が付いているので参考にするとよいでしょう。
 
 低学年向けのおすすめの素話、中高学年向けのおすすめの素話がリストアップされています。また語る時に気をつけるとよいことや、一緒に組み合わせるとよい絵本なども紹介されています。おはなし会で素話を取り入れようとする時の心強い味方になるガイドブックです。
 
 
 
絵本『へそとりごろべえ』赤羽末吉/作 童心社 2017 3分半

へそとり ごろべえ (復刊傑作絵本 ことばと詩のえほん)
赤羽 末吉
童心社
2017-12-07
 
とにかく語呂のいいことばがリズミカルに続いていきます。おへそを取る時に出る音も、面白く、滑らかに口を突いて出るように練習をして臨みましょう。赤羽末吉画の絵本『ももたろう』の登場人物も出てきて、とにかく最後まで息つく暇もないほどです。この作品の面白さが伝えるためにも、何度も読み込んでおくことをおすすめします。
 
 
 
わらべうた きゃーろのめだまに
きゃーろのめだまに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
唱え歌です。折り紙などで作ったカエルを上下に動かしながら歌ってみましょう。
 
 
 
絵本『あしたのてんきははれ?くもり?あめ?』野坂勇作/作 根本順吉/監修 かがくのとも傑作集 福音館書店 1993 5分

あしたのてんきは はれ? くもり? あめ? (かがくのとも絵本)
野坂 勇作
福音館書店
1997-05-31

最後の1冊は科学絵本です。雲の形や朝露、星の瞬き方で、翌日のお天気がわかることを13場面の劇場仕立てで教えてくれる絵本です。身近なことでお天気がわかると、ちょっとお友達にも自慢したくなることでしょう。こうした”センス・オブ・ワンダー”を子どもたちに伝えていきたいですね。

(作成K・J)

第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が公表されました


文部科学省より、「第四次子どもの読書活動に関する基本的な計画」が、4月20日に公表されました。

「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づいて策定されたもので、現在の子どもたちの現状を知ったり、これからのサービスを考えていくうえで重要な計画になります。
詳細は下記のウェブサイトよりご覧ください。
 

第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」について 

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/1403863.htm

 

3月20日から4月2日にかけて実施していた同案へのパブリック・コメントの結果も公開されています。

「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画(第四次)」(案)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000968&Mode=2

(作成 T.I)

 
  
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基本図書を読む1 『エーミールと探偵たち』 エーリヒ・ケストナー(再掲)


26年度~27年度と24カ月に渡って連載していた「基本図書を読む」は、連載当時たくさんの反響をいただきました。サイトで「本に関する情報」→「基本図書を読む」と辿っていただければ過去記事を読んでいただくことは出来ますが、もう一度多くの方に読んでいただくべく、今月より毎月連載をいたします。基本的に26年度~27年度の記事をそのまま公開日時を変更して再掲しますが、加筆修正する場合もあります。

「基本図書」を読んでいくことは、新しい本の評価の基準を持つことに繋がっていきます。児童サービス担当の方々には忙しい業務の時間を縫ってでも「基本図書」は読んでおくことをお勧めします。(2018/4/19記す)

 

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(以下、2014年4月18日公開記事)

「何か楽しい本ない?」と聞かれたとき、ブックトークを作成するとき、新刊図書の購入を検討するときなど、業務を行ううえで、本を選ぶ場面はたくさんあります。資料を選択するためには、その資料を評価しなければならず、資料を選ぶ判断基準が必要になってきます。判断基準をつくるには、とにかくたくさん本を読むことですが、とりわけ基本図書とよばれている本を読むことは、大きな力となってくれます。

基本図書とは、長い間子どもに愛され、読み継がれてきた本を言います。時の試練を経ても色あせることがない、読書の喜びを与えてくれる本で、図書館の蔵書の核となっています。基本図書を読むことで、子どもたちが本質的にどんなものを求めているのか、質の高い作品とはどのようなものなのか、図書館員としてどのようなものを手渡していくべきかが、自ずとみえてきます。

26年度「本のこまど」では、「基本図書を読む」というテーマで、毎月1冊の本を紹介する予定です。大人になっても楽しめる作品ばかりですが、子どもたちはどんなふうに読んでいるのだろうという視点も持って、味わってみてください。12冊の中から、みなさまにとっても、心に残る大切な1冊が見つかり、仕事をしていくうえで力になってくれればと思っています。

 

『エーミールと探偵たち』

4月は、ドイツの作家エーリヒ―・ケストナーの『エーミールと探偵たち』を紹介します。

エーミールと探偵たち (ケストナー少年文学全集 1)

エーリヒ・ケストナー著 高橋健二訳
岩波書店
1962-07-18

                                   

 

 

 エーミール少年は、母さんと二人で暮らしています。おばあさんの家まで一人旅をすることになりますが、列車の中で居眠りをし、母さんが懸命にためたお金を盗まれてしまいます。エーミールは、同じボックス席に座っていた怪しい男を追って、途中の駅でおり、知らない大きな町で、たった一人で尾行することにします。そこに、グスタフという少年があらわれ、協力してくれる町の仲間を呼び集めてくれるのです。少年たちは、資金を集め、状況がわかるように電話センターをつくるなど、綿密な計画をたて、行動を開始します。タクシーでの尾行、スパイとしてホテルに侵入、最後は新聞社が取材にくるような大騒動となりますが、少年たちは、盗んでいないと主張する犯人を追いつめ、見事につかまえるのです。

 真面目で母親思いのエーミール、行動的でガキ大将のようなグスタフ、賢い”教授くん”など親しみを感じる子どもたちが登場し、生き生きと活躍する様子は、読んでいて楽しく爽やかな気持ちになれます。

者は、ドイツの児童文学作家で、詩人、小説家、脚本家、評論家としても活躍し、1960年には国際アンデルセン賞を受賞しています。ナチスの時代には、執筆を禁止されながらも、作家として時代の目撃者であろうと、亡命せずにドイツに留まりました。本書のほか、『二人のロッテ』や『飛ぶ教室』などの代表作があり、いずれも筋立ては面白く、子どもの感じていることを大切にえがいています。子どもたちに敬意をもち、人生の明るい面も暗い面も描き出し、そしてユーモアを忘れないケストナーの作品は、本当の勇気をもらえます。

 

 

ケストナー―ナチスに抵抗し続けた作家
クラウス コードン
偕成社
1999-12

 

 

 

 

ケストナーの伝記に、クラウス・コードン著『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』があります。欠点も含め、作家として一時代を生きたケストナーの姿が描かれている伝記です。写真も豊富で、小学校高学年くらいから読むことができますので、ケストナーの作品に親しんだ子どもに手渡すと、自分が愛読した作家の人となりを知ることができます。

(作成T.S
)  

2018年6月(その1)いっしょにはいろう(小さい子)


 小さな子どもたちは、どのくらいから他者への関わりを自分から持つようになるのだろうと考えると、生育環境や一人一人の資質にも寄りますが、2才半過ぎるころから、同年代の子どもへの愛着を示し、おとなの介在なしに遊ぶことができるようになってきます。そのような社会性が身につくためには、親がモデルになって、様々な体験を重ねていく必要があります。独り占めではなく「一緒に」何かを共有したり、「一緒に」体験することを繰り返して、子どもたちは社会性を身につけていくわけです。

なんだか、とても小難しいことを書いてしまいましたが、絵本を読んでもらう体験も同じ絵本を「一緒に」楽しむ、そんな経験だということを伝えたかったのです。図書館に集まってくる小さな子どもたちと、楽しい時間を「一緒に」共有できるおはなし会に関われる喜びを感じながら、おはなし会の準備をしましょう。

「かさ」をさしてあげるという行為も、まさに「一緒に」。6月のおはなし会プランを『かささしてあげるね』の絵本を中心に組み立ててみました。

 

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【いっしょにはいろう】

 導入 わらべうた このこどこのこ

このこ どこのこ かっちんこ
このこ どこのこ 〇〇ちゃん
遊び方 お膝の上に赤ちゃんをのせて、お母さんがそうっと揺れます。
「〇〇ちゃん」というところで、子どもの名前を呼びます)


わらべうた あめあめやんどくれ
あめあめ やんどくれ
あしたのばんに ふっとくれ

あめあめやんどくれ

 

 

 

 

遊び方 もともとは靴を投げて その裏表で天気をうらなう遊びです。
 ここでは、歌に合わせて お膝を上下に揺らします)

 

絵本『ぴっちゃんぽっちゃん』accototo(ふくだとしお+あきこ)/作・絵 大日本図書 2008 1分半

 

「ぴっちゃんぽっちゃん みずのおと きょうはあめがふってるね」といいながら、こねこが雨宿りしているありやちょうちょ、かたつむりで出会っていきます。

 

わらべうた でんでんむしでんでんむし

でんでんむし


 

うたいながら、おかあさんの指でお子さんの指先から腕をたどって登っていきます。はやく歌ったり、ゆっくり歌ったり、テンポを変えてやってみましょう。右の画像のように、長細く切った色画用紙をくるくる巻いてつくった「かたつむり」をひとつずつ保護者に方に手渡して、ゆびに「かたつむり」をはめて、お子さんの腕を登っていくようにしてもとても喜ばれます。

 

絵本『かささしてあげるね』長谷川摂子/文 西巻茅子/絵 福音館書店 0.1.2えほん 1998 1分

かさ さしてあげるね (0.1.2.えほん)
はせがわ せつこ
福音館書店
1998-04-15

男の子が出会ったどうぶつたちに「かささしてあげるね」と、傘をさしかけます。ぞうには大きな傘、きりんには絵の長い傘。一緒に傘に入るって、子どもたちにとってもきっと楽しい経験でしょう。リズミカルで楽しい絵本です。

 

絵本『パパおふろ』きくちちき/作 文溪堂 2017 1分

パパおふろ
きくち ちき
文溪堂
2017-06-07

こちらはお風呂に「一緒にはいろう」という絵本です。1月のおはなし会プランでも登場しました。6月は父の日もあるため、再登場です。パパと一緒にお風呂に入るって、幼い時ならではの楽しい時間ですね。作者のきくちちきさんも一児のパパ。実体験が絵本になっています。

わらべうた とっちんかっちん

とっちんかっちん

 

 

 

 

おひざの上に子どもをのせて、ひざを上下に揺らしながら遊びます。1番のおわり「いしやのこ」と歌った後に、「ドシーン!」と言いながら、足を開いてひざの間に子どもの身体をそっと落とします。2番は「とっちんかっちんかじやのこ はだかでとびだすふろやのこ」と歌い、「ザブーン」と言いながら子どもの脇をもって高く掲げます。なんどか繰り返して遊びましょう。

 

絵本『ぴょーん』(大型本)まつおかたつひで/作 ポプラ社 1分

ぴょーん (ポプラ社のよみきかせ大型絵本)
まつおか たつひで
ポプラ社
2004-03-01
 
最後の1冊は『ぴょーん』です。オリジナルは手のひらサイズですが、集団の読み聞かせ用に大型絵本も出ています。あれば大型本を読んであげてください。動きのある絵本なのでオリジナルサイズでも、子どもたちは喜びます。子どもたちは、絵本に出てくるものと一緒になって「ぴょーん」と飛び上がることでしょう。
 

 わらべうた さよならあんころもち

 

(作成K・J)

 

6月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2018)(更新あり)


6月のおはなし会☆おすすめ本リストを更新しました。

2017年に出た絵本や、新しく設けた「雷」をテーマとした絵本などを追加しました。

おはなし会の立案や、ブックトークの選書、テーマ展示などでご活用ください。

 

6月のおはなし会おすすめ本リスト2018

2018年4月16日に見落としていた絵本を4冊追加しました。
2018年4月19日にもう1冊追加しました。
illust522_thumb

 

 

児童サービス年間業務計画、講演会・イベント等の工程表


新しい年度を迎えました。この4月から業務を開始した図書館もあれば、引き続き業務を継続する図書館で児童担当が交代したところもあるでしょう。

2013年10月に児童サービスの年間業務計画や講演会等を実施する際のガントチャート(工程表)を、「本のこまど」にUPしていますが、この度それぞれのファイルを更新しました。

今後の児童サービスの業務を俯瞰し、また講演会やイベントを実施する際の参考にしてください。illust565_thumb (1)

 

なお、これらの資料は29年度まで実施していた児童サービス中級研修3・児童向け行事・講座の企画の研修の中で配布していたものを基にして、作成しています。

児童サービス年間業務計画2018

年間業務計画です。図書館全体の年間業務計画とバランスを取りながら立案するように心がけましょう

 

児童サービスプロジェクトガントチャート2018(講演会等の工程表)

外部から講師を招聘して行う場合の、半年前からのガントチャート(工程表)です。外部講師を招聘しない場合でも、何かプロジェクトをする時にはすべてのスタッフが進行具合を把握できるように、プロジェクトガントチャートを作成し、可視化できるようおすすめいたします

 

児童サービスプロジェクトガントチャート2018(講演会当日の動き)

外部講師を招聘する場合の、講演会当日の動きをチャートにしたものです。講演会ではなく、科学遊びの会や工作会などにおいても当日の動きを工程表として可視化しておきましょう
 

おすすめ幼年童話13『こぶたのピクルス』小風さち


児童部会部員がおすすめする幼年童話の紹介も、2年目に突入です。連載13回目は、『こぶたのピクルス』(小風さち/文 夏目ちさ/絵 福音館書店 2015)です。


 

こぶたのピクルスは小学一年生の男の子。

「教科書、よし!

 ノート、よし! 

エンピツ、よし! 

ハンカチ、よし! 

わすれ物は、ひとつもなし!」

と、スキップしながら元気よく出かけたのに、途中で出会った牛乳屋さん、パン屋さん、新聞屋さんのそれぞれの配達の忘れ物を届けているうちに、自分の大事な用事を忘れてしまいます。

そんなピクルスの様子はほほえましく、両親に温かく見守られながら、ドキドキワクワクの毎日を送るピクルスに、読んでいる子どものだれもが自分を重ね合わせてしまうでしょう。

冒頭の「ピクルスのわすれ物」のほか、「ピクルスと卵」、「ピクルスの大ニュース」、「ピクルスの海水パンツ」の4話が収められています。

 作者は『わにわにのおふろ』などのわにわにシリーズや、『とべ!ちいさいプロペラき』を手がける小風さちさん。リズムよくうきうきする文章で、声に出して読むのも耳から聞くのもどちらも楽しく、読みきかせにも向いています。また、全ページに明るい色彩の大きな挿絵が入り、子どもたちがひとりで読み進める助けとなってくれます。絵本から物語へ移行する時期の子どもたちにぜひ手渡したい幼年童話です。

 続編の『ピクルスとふたごのいもうと』では、お兄ちゃんになったピクルスが成長した姿を見せてくれ、こちらもおすすめです。

 

(作成 29年度児童部会部員C・K)

 

第1回『おはようスーちゃん』→こちら
第2回『じゃんけんの好きな女の子』→こちら
第3回『こぶたのレーズン』→こちら
第4回『ちびっこタグボート』→こちら
第5回『スプーン王子のぼうけん』→こちら
第6回『プレゼントはお・ば・け』→こちら
7回『ちびねこグルのぼうけん』→こちら 
第8回『宇宙からきたかんづめ』→こちら
第9回『ごきげんいかが がちょうのおくさん』→こちら
第10回『ジェニーとキャットクラブ』→こちら
第11回『火曜日のごちそうはヒキガエル』→こちら
第12回『ちびっこ大せんしゅ』→こちら

2018年2月、3月の新刊から


2018年2月、3月に出版された児童サービス向け出版物(絵本、児童書、ノンフィクション、YA向け、教育者・研究者向けなど)の中から、おすすめの本を紹介します。

ここに紹介している本は、実際に手にして読み終えた中から選んでいます。すべての新刊本を購入して読むことはできませんが、毎月、教文館ナルニア国の新刊本コーナー、クレヨンハウス新刊本コーナー、横浜日吉にあるともだち書店、代官山蔦屋書店児童書コーナーなどにある本から選書し、購入し、読んで記事にしています。

 (なお、画像はブログ用Amazonアフィリエイトを使用しています。書誌事項は奥付の出版年月日にしており、Amazon入荷日とちがって表示されることがあります。ご了承ください。)

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【絵本】

『はるは』ジャニーナ・ドマンスカ/作 谷川俊太郎/訳 童話館出版 2018/2/20

はるは
ジャニーナ ドマンスカ
童話館出版
2018-03-01

「はるは はるさめ  はるは はなざかり はるは うたう」と、春の情景から始まり、夏、秋、冬とめぐって「ふゆは はるをまつ」で締めくくられる詩の絵本です。美しい線描の絵に登場するのは茶色のダックスフント。季節ごとにかたつむりやクジラ、虫たち、鳥たち、うさぎと一緒に躍動する姿は、いろいろなことを想像させて楽しくなります。裏表の見返しには一面のクローバーが描かれています。2枚ほど四つ葉のクローバーがあります。子どもと一緒に探してみてください。

 

『とらのことらこ』きくちちき/作 小学館 2018/2/26 

とらのこ とらこ
きくち ちき
小学館
2018-02-26

 2013年に『しろねこくろねこ』(学研)でブラティスラヴァ国際絵本原画展金のりんご賞を取ったきくちちきさんの新作です。ご自身のお子さんの成長に合わせて絵本もどんどん進化しています。今度の絵本もお子さんとの関係の中から生まれた絵本とのこと。とらの子ども、とらこは母さんとらの真似をして一生懸命獲物を追いますが失敗ばかり。そんなとらこの姿を愛情いっぱいに母さんとらは温かく見守ってくれます。「とらこのことらこ つかまえて  母さんのしっぽにつかまった」と繰り返しのことばも心地よくストーリーが進みます。先日原画展に行ってきました。温かい色合いの原画の色を生かすため印刷では苦労をされたとのこと。表紙の黄色も、とらこの鼻の色も、装丁家と印刷技術者の丁寧な仕事のおかげです。(原画展は2018年4月1日まで。高円寺書肆サイコロにて→こちら) 

 

『さよならともだち』内田麟太郎/作 降矢なな/絵 偕成社 2018/2

さよなら ともだち (「おれたち、ともだち! 」絵本)
内田 麟太郎
偕成社
2018-02-28
 
 『ともだちや』(1998年刊)から始まった「おれたち、ともだち!」シリーズの13冊目の最新刊です。タイトルからキツネとオオカミの別れがテーマかと想像しましたが、キツネが「ともだちや」を始める前のお話でした。1館目の『ともだちや』をもう一度引っ張り出して読みたくなるような懐かしい場面もたくさんありました。「さよなら」は、次の新しい出会いへの一歩です。新しい年度が始まる時に、おすすめできる1冊です。
 
 
『かぶきやパン』かねまつすみれ/文 長野ヒデ子/絵 童心社 2018/2/20
 
かぶきやパン (絵本・こどものひろば)
かねまつ すみれ
童心社
2018-02-20
 
2月20日の「歌舞伎の日」に出版されたこの絵本は、2014年に童心社が実施した第7回絵本テキスト大賞を受賞した『まちのパンや「かぶきや」さん』という作品が元になっています。作者のかねまつさんはパン作りと芝居見物が大好きで、自然のこのお話が生まれたのだそうです。そのテキストをもとに長野ヒデ子さんがユーモアたっぷりの絵をつけられました。実際にお二人で歌舞伎の演目とパンの特徴を照らし合わせてストーリーを練り、市川海老蔵さん他、歌舞伎役者の皆さんにもこの絵本を見ていただいたとのこと。2月24日に都立多摩図書館で行われた童心社創業60周年記念講演会の中で長野ヒデ子さんは、歌舞伎の口上は言葉の響きもとても豊かで、歌舞伎を見たことのない子どもたちにも、絵本を通して日本の伝統文化「歌舞伎」の魅力を伝えたいとおっしゃっていました。声に出して子どもたちに読んであげたい絵本です。(童心社・長野ヒデ子さん×かねまつすみれさんスペシャルインタビューの記事→こちら

 

 『もしぼくが本だったら』ジョゼ・ジョルジェ・レトリア/文 アンドレ・レトリア/絵 宇野和美/訳 アノニマ・スタジオ 2018/3/2 

もしぼくが本だったら
ジョゼ・ジョルジェ・レトリア
アノニマ・スタジオ
2018-03-01

表紙にはベンチに残された本が1冊。「もしぼくが本だったら つれて帰ってくれるよう 出会った人にたのむだろう。」というように「もしぼくが本だったら」に続いてさまざまな本にまつわる文章が続いていきます。。最後のページは「もしぼくが本だったら 「この本がわたしの人生を変えた」とだれかが言うのをきいてみたい。」と、本が持っている力、可能性を示してくれます。作者はポルトガル語の詩人で、その文章に息子さんが絵をつけた親子作品です。デザイン的にも美しく、これまでに数々のデザイン賞を受賞し、13か国語に翻訳されています。日本語にはスペイン語圏の絵本や児童書の翻訳者・宇野和美さんが訳されました。YA世代や大人たちに手に取ってほしい1冊です。

 

『だんごむしのおうち』澤口たまみ/文 たしろちさと/絵 福音館書店 2018/3/10

だんごむしの おうち (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)
澤口 たまみ
福音館書店
2018-03-07
 
春の庭で小さな子どもが掌にだんごむしをのせて「ねえねえ、みてみて!」と見せてくれます。触ると丸くなるだんごむしは小さな子どもにとっては楽しい存在です。この絵本を読んで、もう25年以上前のこと、「お母さん、お土産!」といって筆箱にいっぱいのだんごむしを入れて持って帰ってきた我が子の得意気な顔を思い出しました。庭先で出会う小さなだんごむしは、子どもが身近な自然に興味を持つ入り口になります。よく似た虫で丸まらないわらじむしの説明も出てきます。小さな生命にも目をむける子どもたちの素直さを大切にしたいと思います。「ちいさなかがくのとも」2012年4月号のハードカバーです。3歳くらいから手渡せます。
 
 
 
『王さまになった羊飼い』チベットの昔話 松瀬七織/再話 イ・ヨンギョン/絵 福音館書店 2018/3/15
 
 貧しい羊飼いの男の子が働いて得るものは、毎日たった一握りのツァンパ(ハダカムギを粉にしたもの)でした。ある時、草原でお腹を空かせたうさぎに出会います。男の子はうさぎにツァンパを分けてやるようになります。そうして100日経った時、うさぎは老人に姿を変えました。なんとうさぎは天の神だったのです。老人はお礼を授けようと申し出ますが、男の子は「動物のことばがわかる力がほしい」と願います。男の子はその力で通りかかった王さまの家来の馬を助け、それが縁で王さまの元へ参内し、誰も治療できなかった王子の耳を治します。そして王さまから王国の半分を譲られたのです。小さな生命に注ぐ愛情と誠実さが、貧しい男の子を王へと導いたというチベットの昔話です。 
 
 
 
【児童書】
『おひとよしのりゅう』ケネス₌グレーアム/作 石井桃子/訳 学研プラス 2018/1/15
 『たのしい川べ』(本のこまどの記事は→こちら「基本図書を読む2『たのしい川べ』)を書いたケネス₌グレーアムの幻の名作と言われた『おひとよしのりゅう』(1966年に『新しい世界の童話シリーズ8 おひとよしのりゅう』として学研より出版 その後絶版)が、限定復刻されました。羊飼いの息子と争いごとが嫌いな優しい竜、そして竜退治の騎士セント・ジョージが織りなすなんともユーモラスなお話です。今回の復刻版は東京子ども図書館と教文館ナルニア国だけの限定発売です。のんびりとした話の進み具合は、今の子どもたちに、というよりこのお話にわくわくした昔の子どもだった人たちに喜ばれるのかもしれません。戦隊ものなどで怪獣は退治するものと思っている子どもたちに、戦うことがすべてではないというメッセージを届けられると思います。(教文館ナルニア国の紹介ページ→こちら
 
 
 『青い月の石』トンケ・ドラフト/作 岩波書店 2018/2/16
青い月の石 (岩波少年文庫)
トンケ・ドラフト
岩波書店
2018-02-17
 
作者のトンケ・ドラフトさんは2004年に、1962年に発表した『王への手紙』(岩波少年文庫 2005年)で過去50年にオランダで出版された子どもの本の中から第一位の賞「石筆賞の中の石筆賞」を受賞されました。当時すでに74歳でした。『王への手紙』、そして続編の『白い盾の少年騎士』(岩波少年文庫 2006年)は、困難な状況の中で任務を果たそうとする少年騎士のひたむきな思いと、彼を支える友情を描いて非常に読み応えのある作品でした。大きな賞を受賞した翌2005年に新たに発表した作品が『青い月の石』です。「どこから来たの?マホッフ、マホッフ、マホッヘルチェ」「地面の下からやってきた、マホッヘルチェ!」というオランダに伝わる日本の「はないちもんめ」に似た遊びをモチーフに、地上の世界と地下世界、そして主人公ヨーストのいる世界と中世を思わせる長ひげ王の国が交錯して展開する不思議な物語です。地下の国に君臨するマホッヘルチェを追って、いじめられっ子ヨーストが、いじめっ子ヤンと一緒に冒険に出ていき、同じようにマホッヘルチェを追う長ひげ王の息子イアン王子は地下世界のヒヤシンタ姫に恋をします。編んだセーターが魔力を持つヨーストのおばあちゃん、地下世界に通じる池の近くに住む魔法使いのオルムなどの魅力溢れる登場人物に導かれ一気に読めてしまうファンタジーです。 

 
『イースターのたまごの木』キャサリン・ミルハウス/作・絵 福本友美子/訳 徳間書店 2018/2/28

イースターのたまごの木 (児童書)
キャサリン ミルハウス
徳間書店
2018-02-20
 
1951年にアメリカで出版され、その年の最も優れた絵本に贈られるコールデコット賞を受賞した作品が、翻訳されました。「イースター(復活祭)」は、イエス・キリストが十字架刑を受けた3日後に蘇ったとする聖書にしたがい、キリスト教社会ではクリスマスと並ぶ大切なお祭りです。卵の殻を割って出てくる鳥は、墓から出てきたキリストの象徴とされ、イースターには卵を美しく彩色して飾ったり、庭に隠した卵を子どもたちが探すエッグハントをイースターの朝に行う習慣があります。このお話でも、イースターの朝に兄弟やいとこたちと庭でエッグハントするのを楽しみしている女の子ケイティが主人公です。ケイティがおばあちゃんが子ども時代に隠したイースターエッグを屋根裏で見つけたことから、そのイースターエッグを木に飾るようになり、多くの人に喜ばれるようになります。ここ数年の間に日本でもイースターエッグのお菓子が売られるようになり、ショーウィンドウにもイースターの装飾が施されるようになりました。興味をもった子どもたちに手渡してあげたい1冊です。自分で読むなら低学年から、読んであげるなら幼児でも大丈夫でしょう。なお、イースターは春分の日のすぐ後の満月から一番近い日曜日とされ、毎年変わります。今年のイースターは4月1日の日曜日です。
 
 
『パイパーさんのバス』エリナ―・クライマー/作 クルト・ヴィ―ゼ/絵 小宮由/訳 徳間書店 2018/2/28
パイパーさんのバス (児童書)
エリナー クライマー
徳間書店
2018-02-20
 
 パイパーさんは町でバスの運転手をしています。しかし、家族はなく独りぼっち。ある時、その寂しさにはたと気がついて塞ぎこみます。そんなパイパーさんを頼ってきてくれたのが迷子の犬バスターに、ねこのおくさん。その上バスの中で迷子になったチャボも飼うことになります。しかし町のアパートでは動物の飼育は許されていません。パイパーさんは仕事を休んで、古いバスを買ってバスターたちを乗せ、彼らを引き取ってくれる人を探しに田舎へ出かけていきます。でも動物たちはパイパーさんと別れたくありません。途方に暮れて山道を走っている時に雷雨に合って、山の上の空き家へ逃げ込みます。幸運なことが重なってパイパーさんはこの家を借りて動物たちと一緒に暮らせるようになるのですが・・・その幸運なことっていったいなんでしょう?読んでいると心がほっこりと温かくなる素敵なお話です。文字も大きく挿絵もたくさんついています。小学校低学年の子どもにおすすめできる1冊です。
 
 
 
『波うちぎわのシアン』斉藤倫/作 まめふく/画 偕成社 2018/3
波うちぎわのシアン
斉藤 倫
偕成社
2018-03-14
 
『どろぼうのどろぼん』(福音館書店 2014)や『せなか町から、ずっと』(福音館書店 2016)を書いた 詩人の斉藤倫さんの新作です。この物語の語り手はねこのカモメ。赤ん坊の時に鷗に命を救われたのでこの名前がついています。カモメはラーラという小さな島にある診療所のフジ先生のところで飼われています。カモメはある雨の夜、沖から激しい炎に包まれて港へ流れつく船を発見し、フジ先生に急を知らせます。そしてフジ先生は、焼け落ちる船の中から生まれたばかりの男の赤ん坊を助け出します。この赤ん坊の左の握り拳は固く閉じられ開くことができません。握り拳がシアンという青い巻貝にそっくりなことから、この赤ん坊はやがてシアンと呼ばれるようになります。フジ先生がシアンをはじめ島々の孤児を引き取るために作った孤児院「ちいさなやね」の中で物語が動いていきます。4歳になったシアンには不思議な力がありました。誰かが、シアンの閉じられたままの左手を耳に当てると、潮騒の音が聞こえてきます。それはおかあさんのお腹の中で聞いていた音で、聞いているうちに自分の生まれる前のおかあさんや周りの人の声まで聞こえてくるのでした。ある日シアンは海を隔てた「壁の国」からやってきた旅の一座に誘拐されてしまいます。フジ先生と「ちいさなやね」でおかあさん役のリネンさんが、ねこのカモメを連れてシアンを救出しに「壁の国」に向かうところから物語は急転します。シアンの左手には出生にまつわる重大な事件の秘密が握られていたのでした。ねこの視点から描かれているので、最初は少し読みにくいのですが、旅の一座が現れてくるあたりからぐいぐい惹き込まれていきます。本の好きな子なら、小学校の高学年から手渡せる作品です。
 
 
 
『4ミリ同盟』高楼方子/作 大野八生/絵 福音館書店 2018/3/10
4ミリ同盟 (福音館創作童話シリーズ)
高楼 方子
福音館書店
2018-03-07
 
 この物語の世界では、人々は子どものうちは困らないのに、おとなになると〈フラココノ実〉を食べないと、どうにもこうにもやっていかれないとい体質をしているというのです。この〈フラココノ実〉は、大きな湖の中に浮かぶ〈フラココノ島〉に渡らないと手に入らないので、あちこちの港からその島へ行くルートはいくつもあるというのに、主人公のポイット氏は、いまだにその実を食べる機会が巡ってきません。切望しているにも関わらずです。そんなある日エビータという女性に声をかけられます。彼女もまだ〈フラココノ実〉を食べられていません。なんと〈フラココノ実〉を食べていない人は知らず知らずのうちに地上4ミリほど体が浮いていることを発見し、それでポイット氏が仲間だとわかったのです。同じように体が4ミリ浮いている他の2人とも知り合い、「4ミリ同盟」を作って4人一緒に〈フラココノ実〉を食べるための島にわたるのですが・・・「地に足がついてない」4人はいったいどうなったのでしょう。髙楼方子さんのなんとも不思議で味わい深いお話です。
 
 
 
【その他】
『『ちいさいおうち』『せいめいのれきし』の作者 ヴィ―ジニア・リー・バートンの世界』ギャラリーエークワッド/編 小学館 2018/3/19

昨年(2017年)6月1日から8月9日にかけてギャラリーエークワッドで行われた「ヴァージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」―時代を越えて生き続けるメッセージー」展のリーフレットを底本にして編集された図録で、2018年3月17日から5月7日まで銀座・教文館ウェンライトホールで開催中の「「ちいさいおうち」のばーじにあ・りー・ばーとん」展に併せて、発売されました。ヴァージニア・リー・バートンが遺した作品やさまざまな手仕事について、たくさんのカラー図表とともに展望できる貴重な1冊となっています。また、昨年夏にエークワッドで行われた恐竜学者真鍋真さんと生物学者福岡伸一さんの対談の模様も収録されています。(教文館で開催中の「ばーじにあ・りー・ばーとん」展の案内は→こちら 5/7まで)

 

『過去六年間を顧みて かこさとし小学校卒業のときの絵日記』かこさとし/著 偕成社 2018/3

過去六年間を顧みて かこさとし 小学校卒業のときの絵日記
かこ さとし
偕成社
2018-03-14

91歳のかこさとしさんが、小学卒業時に小学1年生からの6年間を思い出して綴った文集が1冊の本になりました。1926年(大正15年)生まれのかこさんですから、この文集が書かれたのは1938年(昭和13年)です。奇跡的にその当時書いていたものが戦災を免れて残っていたというのは驚きです。また当時の様子が文章と絵で克明に描かれていることに、かこさとしさんの後年の功績を彷彿とさせるものがあります。当時は日中戦争が始まり、戦時体制が強化された時代です。「二・二六事件」や「志那事変」のことが子どもの視点で書かれているのも興味深いです。6年生の時のクラスメートの名前とあだ名、そして相撲人気だったという時代を反映して全員に四股名がついているところなども、とても面白く、時代の記録として大変貴重な資料となるでしょう。かこさとしさんの作品の原点をここに見る思いです。(かこさとし公式webサイト→こちら

(作成K・J)

福音館書店がアジア最高出版社賞受賞!


JBBY(日本国際児童図書評議会)から、また嬉しいニュースが入りました。

 

2018年3月26日から29日までイタリア、ボローニャで開催されている「ボローニャ国際絵本原画展」(BOLOGNA CHILDREN’S BOOK FAIR)にてボローニャ・ラガッツイ最高出版社賞 アジア地域で福音館書店が受賞しました。(公式サイトの発表ページ→こちら

(福音館書店の公式サイト→こちら 英語版→こちら

「ボローニャ・ラガッツィ最高出版社賞」は、世界アフリカ、アジア、中南米、ヨーロッパ、北米、オセアニアの6地域に分け、各地域の最優秀出版社が選ばれます。2013年から始まり、2018年は第6回になります。
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福音館書店は1952年に設立され、その後児童図書出版社として月刊誌「母の友」「こどものとも」「かがくのとも」などで、児童図書出版を牽引してきました。

これらの月刊誌は、毎号ごとに2~3年の準備期間を持って編集されています。とくに「かがくのとも」「ちいさなかがくのとも」「たくさんのふしぎ」などは現地取材や実験などを重ね、手渡す先の子どもたちのことを考えつつ編集作業が行われるといいます。(福音館書店編集者の方々による講演にて伺いました)

特に1960年代から1970年代の月刊誌の中から『ぐりとぐら』や『おおきなかぶ』など、50年を超えて子どもたちに受け継がれているロングセラーもたくさん出ています。その福音館書店が世界的に高い評価を受けたということは、日本の読者としても嬉しいニュースだと思います。

(作成K・J)

角野栄子さん 国際アンデルセン賞作家賞受賞!


児童文学の世界のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞作家賞に角野栄子さんが選ばれたというニュースが伝わってきました。

作家賞では、1994年のまどみちおさん、2014年の上橋菜穂子さんに次いで3人目の快挙です。

(画家賞では、1980年に赤羽末吉さん、1984年に安野光雅さんが受賞されています。

今年1月17日に国際児童図書評議会(IBBY)で国際アンデルセン賞作家賞の最終候補者5名の中に角野栄子さんが選ばれており、期待は高まっていました。(→こちら)現在、イタリア・ボローニャで開催中の国際ブックフェアの中で受賞が決定しました。(IBBYの動画→こちら

 

角野栄子さんの作品は、『魔女の宅急便』をはじめ、多くの作品が海外の多言語に翻訳され、高い評価を得ています。(角野栄子公式サイト→こちら

 

 

 

 

魔女の宅急便 (福音館文庫 物語)
角野 栄子
福音館書店
2002-06-20
 
 
 
 
(作成K・J)

29年度第6回児童部会


3月16日(金)に29年度最後になる第6回児童部会を開催しました。

前回(1月19日)に続き、前半はお話(素話)発表会の2回目として、10人の部員が素話を披露しました。また、今回も部会員を出している図書館の副館IMG_0739長、チーフの方々が3名が見学に来てくださいました。

今回は10人中8人がお話を語るのは初めてでした。語り終えて感想をシェアし、聞き手も含めてお話を聞くことの心地よさ、想像の広がりなどを再確認し、図書館のおはなし会にお話(素話)を取り入れることの意義を実感することが出来ました。

当日のプログラム→(29年度児童部会お話発表会プログラム2(本のこまど)

 

発表会の後は、情報共有の時間を持ちました。今回も以下の4館の取り組みが発表されました。

・「クリスマス会」(板橋区立蓮根図書館)IMG_0746
・「学校図書館展示 映像化された本たち」(北区立赤羽図書館)
・「サンタをさがせ」(北区立神谷図書館)
・「母の日ぬいぐるみおとまり会」(新宿区立西落合図書館)

その後、次年度の活動の方針について概要を伝えました。次年度はその次の年と2年継続して児童サービスのアウトリーチについて考え、実践し、まとめることに取り組みたいと思います。また併せて部員がお話(素話)のレパートリーを増やせるよう、毎回2~3人が発表できる時間を設ける予定です。

次年度は5月から部会活動開始です。次年度も活発な活動が続くことを期待しています。

(作成K・J)

2018年5月(その2)天までとどけ(幼児~小学生)


端午の節句では、邪気を避け魔物を祓うとされた「よもぎ」と「菖蒲」を軒につるす習慣が続いてきました。特に武家社会では「菖蒲」は「尚武」かけて使われたようです。さて、5月のおはなし会プランは、「よもぎ」と「菖蒲」の出てくる昔話「食わず女房」を中心に組み立ててみました。

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導入 写真絵本『森はオペラ』姉崎一馬/作 クレヨンハウス 2006 1分

森はオペラ
姉崎 一馬
クレヨンハウス
2012-10-01

 

新緑の季節、青葉が茂る季節です。樹木や森林を撮影する自然写真家の姉崎さんの、生命力に溢れる森の木々の写真と詩のコラボレーション絵本です。小さな芽生えはやがて大きな木へと育っていきます。木々は、太陽の光を浴び、風に葉を揺らしてまるで歌を歌っているよう。歌声は森のあちこちから集まってきてまるでオペラのようだと姉崎さんは感じたのでしょう。天をつく大木を見上げて「天までとどけ 森のオペラ」と力強いメッセージで終わります。それはそのまま、子どもたちの成長を見守る視線へと重なっていくように感じます。瑞々しい木々の写真をゆっくりと見せながら読んでいきましょう。 

 

絵本『きみはライオン!たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作 竹下文子/訳 偕成社 2017 5分

きみは ライオン!
ユ・テウン
偕成社
2017-08-24

 子どもたちが金色の朝陽を浴びながら、庭に集まってきました。朝のヨガの時間です。「きちんとすわって りょうてをひざに おおきくくちをあけ したをだす!」、するとそれはライオンのポーズ。ほかにもちょうちょや、いぬ、へび、かえるなど様々な動物に変身です。そして、最後は立ち上がって両手を頭の上に伸ばし、高く高く「やまになる しっかり つよく そびえたち てんまでとどけ」と背伸びをします。5月の爽やかな空気を吸い込んで元気に過ごせるよう最初の1冊はこの本を選びました。 

 

素話「食わず女房」『日本の昔話2したきりすずめ」(おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1995)より 7分

したきりすずめ (日本の昔話 2)
小沢 俊夫
福音館書店
1995-10-01
 
何も食べない女房を望んでいた若者の所へやってきた美しい娘。若者はこれ幸いと女房にします。よく働く上に何も食べないとはこれ幸いと思っていると、どんどん米や味噌が減っていきます。ある日こっそり梁に隠れて覗くと、なんと留守中に大飯食らう女房の姿、しかも髪の毛をとかすと頭のてっぺんに大きな口が開いていたという、お馴染みの昔話です。絵本『くわずにょうぼう』(稲田和子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店)や、紙芝居『くわず女房』(松谷みよ子/再話 長野ヒデ子/画 童心社)もあり、いずれの絵も好きなのですが、語りで聞くと余計に不気味さが伝わると思います。ぜひ語りに挑戦してみてください。
 

 

 絵本『こどもってね・・・・・・』ベアトリーチェ・アレマーニャ/作 みやがわえりこ/訳 きじとら出版 2017 5分

こどもってね……
ベアトリーチェ・アレマーニャ
きじとら出版
2017-09-05

「こどもってね、ちいさなひと」「こどもってね、ずっとこどものままじゃないんだよ」と、「こどもってね」の繰り返しでこどもたちの姿を描き出します。たくさんの可能性を秘めている子どもたちも、いつかはこの社会を支える存在に育っていきます。そのためにも子ども時代は子どもらしくたくさんの経験をたのしんでほしいなぁと思います。子どもたちの健やかな成長を願いながら読んであげたいと思います。

(作成K・J) 

児童サービス業務のスタートアップ(更新あり)


4月から新規に受託が始まる図書館もあります。またすでに受託している図書館でも、スタッフの異動・入れ替えで新たに児童サービスを担当になる方もいることでしょう。

 
「本のこまど」では、指定管理者として新規受託館での4月からの業務の開始をするにあたって、担当者が最低限押さえておくべきこと、準備しておくことを2013年にまとめ公開していました。
 
この度、5年の時間を経過したので、一部を見直して2018年版を作成しました。児童サービスを俯瞰的に眺めて、各図書館の実情に応じて優先順位をつけて実施していきましょう。また、図書館事業本部運営支援部テクニカルサポート室では、当社受託館からの相談にはどんな些細なことでも応じます。お気軽にお問い合わせください。


 
 2018/3/19更新しました。
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2018年5月(その1)こちょこちょ(小さい子)


小さい子って、くすぐってもらうのが大好きですね。わらべうたでも「くすぐり遊び」大好きで、くすぐる前からそのわらべうたを歌い始めただけで笑い出す子もいます。「くすぐったい感覚」については、古来より脳科学や心理学など様々な角度から研究が重ねられています。緊張をほどいて自律神経のバランスを取るのに有効だという研究結果や、信頼できる他人(主に肉親)とのふれあいを通して正常な社会性の獲得に役立つという研究もあります。

そんなことを考えながら、初夏を迎えて薄着になる季節、親子でたっぷり触れ合えるプログラムを考えてみました。

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【こちょこちょ】

導入 わらべうた このこどこのこ

このこどこのこ

 

 

 

 

おひざの上で抱きしめてもらって、ゆっくり抱いている大人が左右にそっと揺れます。揺らし過ぎないようにしましょう。

 

わらべうた ここはとうちゃんにんどころ

ここはとうちゃん

 

 

 

 

 

 

「にんどころ」とは「似ているところ」という意味です。「とうちゃん」は右の頬、「かあちゃん」は左の頬、「じいちゃん」は額、「ばあちゃん」は顎、「ねえちゃん」は鼻をさわって、最後は顔全体をさすって最後は盛大にこちょこちょをしてあげます。

 

絵本『こちょこちょさん』おーなり由子/文 はたこうしろう/絵 講談社 2016 1分

こちょこちょさん (講談社の幼児えほん)
おーなり 由子
講談社
2016-01-21
 
「くるよ くるよ こちょこちょさん」ちょっと不機嫌な顔のあかちゃんのところにやってくるこちょこちょさん。だんだんあかちゃんの表情もゆるんでいって、大笑い。最後はぎゅ~っと抱きしめてもらってごきげんに!単純だけど、こちょこちょ遊びは小さい子の心を解放し、穏やかにしてくれますね。

 

絵本『こりゃ まてまて』中脇初枝/文 酒井駒子/絵 0.1.2えほん 福音館書店 2008 1分

こりゃ まてまて (0.1.2.えほん)
中脇 初枝
福音館書店
2008-05-15

 小さい子は目にするものすべて興味津々です。「まてまて」と追いかけていきます。そんな時におとながその気持ちにゆったりと寄り添ってあげられるといいですね。身の回りのものへの関心センス・オブ・ワンダーは、知識への入り口です。 

 

わらべうた とうきょうとにほんばし

とうきょうとにほんばし

 

 

 

 

 

「いっぽんばしこちょこちょ」と同じ遊びです。子どもの掌や、足の裏を使って遊びます。「とうきょうと」は一本指で触り、「にほんばし」は二本の指で触り、「がりがりやまの」で指全体でがりがりとこすり、「パンやさん」で軽く叩き、「つねこさん」で軽くつねります。最後は腕や足に下から指を這わせて、脇の下などをくすぐります。右手、左手、あるいは右足、左足とやる場所を変えて繰り返してみましょう。

 

絵本『はしるのだいすき』わかやましずこ/作 0.1.2えほん 福音館書店 2003 1分

はしるの だいすき (0.1.2.えほん)
わかやま しずこ
福音館書店
2003-01-25

 

初夏になって身軽になって、子どもたちも外遊びを楽しむ季節です。リズミカルに読んであげましょう。 

 

絵本『どうぶつのおやこ』薮内正幸/画 福音館書店 1966 1分

こちらは文字のない絵本です。5月は母の日、6月は父の日もありますね。動物の親子がどうしているかなぁと、声をかけてあげながら絵を順番に見せてあげましょう。

 

わらべうた いちりにり

いちりにり

 

 

 

 

 

最後もこちょこちょ遊びです。小さい子が仰向けになって足をおとなのひざに向けた形で行います。「いちり」で両足の指先を持って左右に揺すり、「にり」で両足首を持って左右に揺すり、「さんり」で両ひざをもって左右に揺すり、「しりしりしり」でおしりを両脇からくすぐります。最初はゆっくり、だんだん早く、繰り返して遊びましょう。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

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