作家に関する情報

『スロバキアのともだち・はなとゆろ おるすばんのぼうけん』BIBIANAから賞を贈られました!
訃報 かこさとし(加古里子)さん だるまちゃん さようなら!
訃報 アリス・プロヴェンセンさん
角野栄子さん 国際アンデルセン賞作家賞受賞!
訃報 アーシュラ・K・ル₌グウィンさん
訃報 森山京さん
訃報 児童文学翻訳家 上田真而子さん
訃報 島多代さん
訃報 パット・ハッチンスさん
訃報 毛利子来さん
訃報 わかやまけんさん
訃報 おかべりかさん
訃報 日野原重明さん
訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん
『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去

『スロバキアのともだち・はなとゆろ おるすばんのぼうけん』BIBIANAから賞を贈られました!


「2017年12月、2018年1月の新刊から」の記事(→こちら)で紹介した福井さと子さんの絵本『スロバキアのともだち・はなとゆろ おるすばんのぼうけん』が、スロバキア国内で「スロバキアの最も美しい絵本賞」の学生部門賞を受賞したというニュースが入ってきました。

これらの賞を主催しているのは、BIBIANAというブラティスラヴァ世界絵本原画展のためにつくられた文化機関で、日本におけるJBBY(日本国際児童図書評議会)と同じような役割を果たしているとのことです。(受賞を伝えるBIBIANAのサイト(スロバキア語→こちら

 

 

『スロバキアのともだち・はなとゆろ おるすばんのぼうけん』福井さとこ/作 JULA出版局 2017/12/25

おるすばんのぼうけん―スロバキアのともだち・はなとゆろ
福井 さとこ
JULA出版局
2017-12-25

 

プラチスラヴァ芸術大学版画学科大学院で、スロバキアの版画家で絵本作家ドゥシャン・カーライの下で版画と絵本製作について学んだ福井さんの卒業制作が、JULA出版局から出版されました。

3色刷りの版画で描かれているのは、福井さんがスロバキアでベビーシッターをしていた子ども達のの姿です。

お留守番をすることになったはなとゆろの兄妹。妹が寂しそうにしているので、お兄ちゃんのゆろは椅子に布をかけて「チャーリー マーリー フック!」と呪文を唱えると、椅子は馬になり、積木は村に、ソファは山に、観葉植物のベンジャミンとポトスは森に、そしてなんとハサミは空飛ぶ鳥になるのです。ふたりはからすが探すテントウムシを探す冒険へ出かけます。洗濯物たちはみんな動物になってふたりの冒険を助けてくれます。本はふくろうになります。

「チャーリー マーリー フック!」はスロバキアの子ども達が遊びの中で使う呪文の言葉。日本で言えば「ちちんぷい」みたいな感じでしょうか。折込にはスロバキアのわらべうたも楽譜入りで掲載されています。海の向こうの子どもたちの遊びに想いを馳せるのも素敵な経験になると思います。 

版画で描かれる子どもたちの空想の世界は、どの国の子どもたちも同じなんだなと感じます。

 

この機会に、まだ手にしていない方は読んでみてください。

注文などはJULA出版局まで(→こちら

(作成K・J)

訃報 かこさとし(加古里子)さん だるまちゃん さようなら!


『だるまちゃん』シリーズに『海』『地球』『宇宙』などの福音館の科学シリーズ(福音館書店)や、『どろぼうがっこう』、『からすのぱんやさん』(偕成社)など3世代にわたる多くの子どもたちに愛されてきた作品があるかこさとし(加古里子)さんが、5月2日に92歳で亡くなられたというニュースが入ってきました。(第一報→こちら)(続報→NewsPass

だるまちゃんとてんぐちゃん
加古 里子
福音館書店
1967-11-20
 
 

海 (福音館の科学シリーズ)
加古 里子
福音館書店
1969-07-25
 
 
 
 
地球 (福音館の科学シリーズ)
加古 里子
福音館書店
1975-01-20
 
 
 
 

ここ数年、ロングセラーのシリーズに新作を書き加えていらしたかこさん。

先月の「新刊本・話題の本」本として、『過去六年間を顧みてかこさとし小学校卒業のときの絵日記』(偕成社)を紹介したばかりでした。

かこさんの作品は、紹介しきれないほどたくさんあります。そしてそれぞれに思い出の1冊があることでしょう。

過去六年間を顧みて かこさとし 小学校卒業のときの絵日記
かこ さとし
偕成社
2018-03-14
 
 
 

 

かこさんは、戦前の教育の中で戦争を美化する思想を刷り込まれたことを、戦後とても悔いていらして、子どもたちに平和な未来を手渡すために、なんとしても戦争は放棄すべきであると訴えてこられました。民主主義の大切さも、ずっと訴えて来られていました。

未来のだるまちゃんへ (文春文庫)
かこ さとし
文藝春秋
2016-12-01
 

子どもたちに本を手渡す者の一員として、その想いを胸に深く刻んでいこうと思います。心より冥福をお祈り申し上げます。

かこさとし公式サイト→こちら

(作成K・J)

訃報 アリス・プロヴェンセンさん


1984年に『The Glorious Flight』でコルデコット賞を夫マーティンと共に受賞したアリス・プロヴェンセンさんが4月23日に亡くなりました。1918年8月14日生まれで、100歳まであと4カ月足らずという99歳でした。(訃報を知らせるPublisher Weeklyの記事→こちら

この作品は1986年に『パパの大飛行』(脇明子/訳 福音館書店)として出版され、その後2009年に『栄光への大飛行』(今江祥智/訳 BL出版)として出版されました。

パパの大飛行 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
アリス プロヴェンセン
福音館書店
1986-02-28

 

栄光への大飛行
アリス プロヴェンセン
BL出版
2009-03
 
 
 

図書館では『かえでがおか農場のいちねん』(岸田衿子/訳 ほるぷ出版 1980)、『みみずくと3びきのこねこ-かえでがおか農場シリーズ』(岸田衿子/訳 ほるぷ出版 1985)、『かえでがおか農場のなかまたち』(乾侑美子/訳 童話館出版 1998)や、『動物げきじょう21幕』(乾侑美子/訳 童話館出版 1997)、『たまごってふしぎ』(こみやゆう/訳 講談社 2012)などの作品が馴染み深いことでしょう。『かえでがおか農場シリーズ』の絵本は、ニューヨーク州北部にプロヴェンセン夫妻が購入して住んだMaple Hill Farmの描写で、動物や自然への温かい眼差しを感じます。

かえでがおか農場のいちねん
アリス・プロベンセン
ほるぷ出版
1980-06-01
 
 
 


かえでがおか農場のなかまたち
アリス プロベンセン
童話館出版
1998-04-01
 
 
 

動物げきじょう〈21幕〉
アリス プロベンセン
童話館出版
1997-11-01
 
 
 
 
たまごって ふしぎ (講談社の翻訳絵本)
アリス・プロベンセン
講談社
2012-01-21

 

 

アリスは1918年にシカゴで生まれ育ち、シカゴ美術学校とUCLAで絵を学び、ニューヨークの the Art Students Leagueで訓練を受けました。その後カリフォルニアに移り、日本でも馴染みのある「Woody Woodpecker cartoons」等で有名なWalter Lantz Studiosで仕事をします。夫マーティンもディズニー映画でダンボやファンタジアの制作に関わります。その後マーティンは海軍に所属し戦争関連フィルムの制作に携わっている時にWalter Lantz Studiosで二人は出会って結婚します。

第二次世界大戦終結後は、二人で絵本の制作するようになり、そこから30年以上にわたって共同で作品を作り続けました。夫マーティンは1987年に70歳で亡くなっています。

これを機会に、またプロヴェンセン夫妻の絵本を子どもたちに紹介してみてください。

 (作成K・J)

角野栄子さん 国際アンデルセン賞作家賞受賞!


児童文学の世界のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞作家賞に角野栄子さんが選ばれたというニュースが伝わってきました。

作家賞では、1994年のまどみちおさん、2014年の上橋菜穂子さんに次いで3人目の快挙です。

(画家賞では、1980年に赤羽末吉さん、1984年に安野光雅さんが受賞されています。

今年1月17日に国際児童図書評議会(IBBY)で国際アンデルセン賞作家賞の最終候補者5名の中に角野栄子さんが選ばれており、期待は高まっていました。(→こちら)現在、イタリア・ボローニャで開催中の国際ブックフェアの中で受賞が決定しました。(IBBYの動画→こちら

 

角野栄子さんの作品は、『魔女の宅急便』をはじめ、多くの作品が海外の多言語に翻訳され、高い評価を得ています。(角野栄子公式サイト→こちら

 

 

 

 

魔女の宅急便 (福音館文庫 物語)
角野 栄子
福音館書店
2002-06-20
 
 
 
 
(作成K・J)

訃報 アーシュラ・K・ル₌グウィンさん


アメリカのSF作家・ファンタジー作家のアーシュラ・K・ル₌グウィンさん(1929/10/21生れ)が22日にアメリカオレゴン州ポートランドのご自宅で亡くなられたというニュースが入ってきました。88歳だったそうです。(ニュース記事→こちら

『影との戦い』(清水眞砂子/訳 岩波書店)をはじめとする「ゲド戦記」シリーズは、多島海アースシーを舞台に、天才魔法使いゲドが若さゆえ驕りと嫉妬から来る失敗で死の影を呼び出し、それに対峙することからに始まり、ゲドが大賢人として円熟し、世界の均衡を回復しようと活躍する長編のファンタジーです。(「基本図書を読む23『影との戦い』→こちら

私たちが普段意識しない人間の負の部分を露わにし、それと対峙することで成長していく過程を丁寧に描写しており、思春期を迎えた子どもたちがこの本からたくさんの気づきを得ていくのを何度も見てきました。

トールキンの『指輪物語』と並んで、後世のファンタジー作家に影響を与えてきた作品ともいえるでしょう。

ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)
アーシュラ・K. ル・グウィン
岩波書店
2006-04-07


 

ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)
アーシュラ・K. ル=グウィン
岩波書店
2009-03-01

 

 

日本では「ゲド戦記」が有名ですが、両性具有の異星人と地球人の接触を描いた『闇の左手』でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞するなどSF作家としての知名度も高い作家です。彼女のSF作品も、読んでみたいと思います。

心から哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

訃報 森山京さん


「きつねの子」シリーズなど、幼年童話の世界で活躍してこられた児童文学作家 森山京(もりやまみやこ)さんが1月7日にお亡くなりになりました。88歳でした。(ニュース記事→こちら

1989年に「きつねの子」(土田義晴/絵 あかね書房)シリーズで路傍の石幼少年文学賞を、1996年には『まねやのオイラ 旅ねこ道中』(小田桐昭/絵 講談社 1996)で野間児童文芸賞を受賞しています。(NDLオンライン→森山京

『きいろいばけつ きつねの子シリーズ1』(森山京/文 土田義晴/絵 あかね書房 1985)

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きいろいばけつ (あかね幼年どうわ (33))
もりやま みやこ
あかね書房
1985-04-25

 

 


『まねやのオイラ旅ねこ道中』(森山京/文 小田桐昭/絵 講談社 1996)


 

私が森山京さんの作品で印象に残っているのは、絵本では『ねこのしゃしんかん』(林静一/絵 講談社 1983)、『虫めづる姫ぎみ』(村上豊/絵 ポプラ社 2003)、『おべんともって』(片山健/絵 偕成社 2004)、『みずたまり』(松成真理子/絵 偕成社 2011)、幼年童話では『森のゆうびんや』(井上洋介/絵 フレーベル館 1976)、2015年の読書感想文課題図書にもなった『あしたあさってしあさって』(はたこうしろう/絵 小峰書店 2014)などです。森山さんの作品は、挿絵画家で印象が変わりますが、読むと「ああ、森山さんの文体だ」と感じました。

心より哀悼の意を捧げます。

『ねこのしゃしんかん』(森山京/文 林静一/絵 講談社 1983)

ねこのしゃしんかん
森山 京
講談社
1983-12



『虫めづる姫ぎみ』(森山京/文 村上豊/絵 ポプラ社 2003)


 

『おべんともって』(森山京/文 片山健/絵 偕成社 2004)

おべんともって
森山 京
偕成社
2004-09-01

 

 

『みずたまり』(森山京/文 松成真理子/絵 偕成社 2011)

みずたまり
森山 京
偕成社
2011-05-11
 
 
 
 
『森のゆうびんや』(森山京/文 井上洋介/絵 フレーベル館 1976)

森のゆうびんや (おはなしひろば)
森山 京
フレーベル館
2002-09-01
 
 
 
 
『あした あさって しあさって』(森山京/文 はたこうしろう/絵 小峰書店 2014)
 
あした あさって しあさって (おはなしだいすき)
もりやま みやこ
小峰書店
2014-10-24
 
 
 
 
(作成K・J)

訃報 児童文学翻訳家 上田真而子さん


ドイツ文学者で児童文学作品の翻訳を多数手がけられた翻訳家の上田真而子さんが、12月17日午後、京都バプテスト病院のホスピスでお亡くなりになりました。1930年生れの87歳でした。

1982年にはミヒャエル・エンデの『はてしない物語』(佐藤真理子/共訳 岩波書店 1982)で日本翻訳文化賞を、1988年には『あの年の春は早くきた』(クリスティーネ・ネストリンガー/著 岩波書店 1984)で国際アンデルセン賞国内賞を受賞されています。

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』佐藤真理子/共訳 岩波書店 1982

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
ミヒャエル・エンデ
岩波書店
1982-06-07
 
 
 
 
クリスティーネ・ネストリンガー『あの年の春は早くきた』岩波書店 1984
 
あの年の春は早くきた (1984年)
クリスティーネ ネストリンガー
岩波書店
1984-05-14
 
 
 

 

その他にもたくさんのドイツ語圏の絵本や児童文学を翻訳し、日本の子どもたちに紹介してくださいました。(NDLサーチ→上田真而子

以下は主な作品。

ハンス・ペーター・リヒター『あのころはフリードリヒがいた』岩波少年文庫 1977

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 3100)
ハンス・ペーター・リヒター
岩波書店
 
 
 
 
 
 
ペーター=ヘルトリング『ヨーンじいちゃん』偕成社 1985
 
ヨーンじいちゃん (現代の翻訳文学(28))
ペーター=ヘルトリング
偕成社
 
 
 
 
 
 
ヴィルヘルム・ブッシュ『黒いお姫さま ドイツの昔話』福音館書店 1991
 
黒いお姫さま (福音館文庫 昔話)
ヴィルヘルム・ブッシュ
福音館書店
2015-01-10
 
 
 
 
 
『まほうつかいのでし ゲーテのバラードによる』福音館書店 1995
 
まほうつかいのでし―ゲーテのバラードによる (日本傑作絵本シリーズ)
上田 真而子
福音館書店
1995-08-20
 
 
 
 
ホフマン『クルミわりとネズミの王さま』岩波少年文庫 2000
  
クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫)
E.T.A. ホフマン
岩波書店
2000-11-17
 
 
 
 
 
ヨハンナ・シュピリ『ハイジ』岩波少年文庫  2003
 
ハイジ 上 (岩波少年文庫)
ヨハンナ・シュピリ
岩波書店
2017-04-20

ハイジ (下) (岩波少年文庫 (107))
ヨハンナ・シュピリ
岩波書店
2003-04-18
 
 
 
 
 
フェーリクス・ザルテン『バンビ 森の、ある一生の物語』岩波少年文庫  2010
 
 
 

 

 (作成K・J)

訃報 島多代さん


1998年から2002年まで国際児童図書評議会(IBBY)の会長を務められた絵本研究家の島多代さんが11月27日に80歳で亡くなられました。(ニュース記事

以下、日本国際児童図書評議会(JBBY)のFacebookページからの引用です。(******で囲った範囲)

****************************
謹んでお知らせ致します。
IBBY会長、JBBY会長を務められた、JBBYの名誉会員・島多代さんが11月27日に帰天されました。享年80歳でした。
島さんは、長い間JBBYだけでなく、IBBYの国際理事、会長としてもご尽力くださり、世界の子どもたちと子どもの本に関わる人たちのために働いてこられました。
感謝と共に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
☆島さんとJBBY・IBBY☆
1986年 東京で開催したIBBY世界大会に参加
1987年~2002年 JBBY理事
1990年~1992年 IBBY理事
1992年~1994年 IBBY副会長
1998年~2002年 IBBY会長(アジアから初めての選出)
2002年 スイス・バーゼルにて、IBBY創立50周年記念大会をIBBY会長として開催
2009年~2011年 JBBY会長(ご病気のため退任)
2011年~2013年 JBBY理事
在任中は皆様から多大なご協力、ご厚情を賜りました。
ありがとうございました。
    一般社団法人 日本国際児童図書評議会

****************************

島さんは、IBBY、JBBYの仕事をされながら、子どもの本についての著作もいくつか出されました。(→島多代さん著作 NDLサーチ)
また、ご自宅では私設図書館ミュゼ・イマジネールの活動も続けていらっしゃいました。

2014年4月23日~5月27日の間、銀座・教文館ウェンライトホールにて、「ミュゼ・イマジネール」の本などを展示する島多代の本棚から 絵本は子どもたちへの伝言特別展も開催されました。その際には、島多代さんの聖心女子大学の先輩にあたる美知子皇后さまもお出かけになりました。
私も会期中に3回、特別展に足を運びましたが、島さんが集められた世界中の貴重な絵本が並べられており、特に第二次世界大戦前の貴重なロシアの絵本などは、見るものを圧倒するものがありました。

2004年(平成16年)には社会貢献支援財団から功労賞を授与されています。

心より哀悼の意を表します。

 
『センダックの絵本論』モーリス・センダック著 脇明子、島多代/訳 岩波書店 1990
センダックの絵本論
モーリス センダック
岩波書店
1990-05-25

 

 

 

『ソビエトの絵本 1920‐1930』ジェームズ・フレーザー、島多代/共編 リブロポート 1991

 

 

『ちいさなもののいのり』エリナー・ファージョン/文 エリザベス・オートンジョーンズ/絵 島多代/訳 新教出版社 2010

ちいさなもののいのり
エリナー ファージョン
新教出版社
2010-10


 

(作成K・J)

訃報 パット・ハッチンスさん


『ロージーのおさんぽ』(わたなべしげお/訳 偕成社 1975)、『おやすみみみずく』(わたなべしげお/訳 偕成社 1977)、『ぶかぶかティッチ』(いしいももこ/訳 福音館書店 1984)や『おまたせクッキー』(乾侑美子/訳 偕成社 1987)など、子どもたちが大好きな作品があるイギリスの絵本作家パット・ハッチンス女史が11月7日にロンドンのご自宅で亡くなったというニュースが入ってきました。(→Publishers Weekly)85歳でした。

1942年生まれのパットは、イギリスはヨークシャーに生まれました。1968年に『ロージーのおさんぽ』でデビュー、1974年には『風がふいたら』(田村隆一/訳 評論社 1981 *現在絶版*)でケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。

パット・ハッチンスの作る絵本は、様式化された明るい色彩の絵、繰り返しのあるリズミカルな文章で、子どもたちが日常の暮らしの中で出合うユーモラスな展開が特徴的です。それは時代の変化に流されない普遍的なユーモアで、今の子どもたちでも十分に楽しむことができます。ぜひ紹介してあげましょう。

『ロージーのお散歩』パット・ハッチンス/作 わたなべしげお/訳 偕成社 1975

ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本)
パット=ハッチンス
偕成社
1975-08-01

 

『おやすみみみずく』パット・ハッチンス/作 わたなべしげお/訳 偕成社 1977

おやすみ みみずく (ハッチンスの絵本)
パット=ハッチンス
偕成社
1977-07-01
 
 
 
 
『ぶかぶかティッチ』パット・ハッチンス/作 いしいももこ/訳 福音館書店 1984)  

 

 

『おまたせクッキー』パット・ハッチンス/作 乾侑美子/訳 偕成社 1987

おまたせクッキー
パット ハッチンス
偕成社
1987-09-01
 
 

『ピクニックにいこう!』パット・ハッチンス/作 たなかあきこ/訳 徳間書店 2003
ピクニックにいこう!
パット ハッチンス
徳間書店
2003-04


(作成K・J)

訃報 毛利子来さん


たぬき先生で親しまれた小児科医の毛利子来さんが10月26日に亡くなられました。87歳でした。(ヤフーニュース記事→こちら

私が子育てをしている頃(30年近く前ですが)、『赤ちゃんのいる暮し』(筑摩書房 1983)、『幼い子のいる暮し』(筑摩書房 1984)の2冊には大変お世話になりました。30年以上経ち、子育ての常識も今は変化していると思いますが、子どもの側に立った目線で子育てを考えることが出来た本でした。

また、2度ほど講演会でお話を伺いました。「育児の考え方は時代により、また親たちが育った環境でも、それぞれに違いがある。子どももそれぞれ違った個性を持っている。それぞれの個性に合わせて試行錯誤しながらやっていくのがいい。正解はないので、マニュアルに捉われないことが大事」、「孤独な子育てで追い込まれていく母親を地域でサポートすることの大切さ」、「身体が発する自然な反応をよくみて病気に対応することの大切さ」などを、実例とともに楽しくお話してくださいました。

毛利先生は、小児科医という立場から病気に関する科学絵本も執筆されています。どれも、子ども自身が自分の身体に起こる変化(病気)がなぜなのかを理解して、それを予防するにはどうしたらよいか、わかりやすく伝えてくれています。

『ねびえ』毛利子来/作 堀内誠一/絵 かがくのとも 福音館書店 1982
現在こちらは絶版になっています。図書館では所蔵している館も多いと思います。(→国立国会図書館サーチ こちら


『ゲーとピー たぬきせんせいのびょうきのほん』毛利子来/作 なかのひろたか/絵 福音館書店 1998

ゲーとピー (かがくのとも絵本)
毛利 子来
福音館書店
1998-11-10

 

 

『カユイ カユイ たぬきせんせいのびょうきのほん』毛利子来/作  なかのひろたか/絵 福音館書店 1998

カユイ カユイ (かがくのとも絵本)
毛利 子来
福音館書店
1998-11-20

 

 

また、雑誌ちいさい おおきい よわい つよい(ジャパンマシニスト社 1993年創刊)の編集者としても、長く活躍されました。大きいこと、強いことが良いとされる中で、小さくても、弱くても自分らしく生きていくことの大切さをこの雑誌では伝えてくださいました。

心より哀悼の意をお捧げします。

(作成K・J)

 

訃報 わかやまけんさん


こぐま社の「こぐまちゃん」シリーズが子どもたちに人気の絵本作家、わかやまけんさんが2年前に85歳で亡くなられていたことが、今日付で発表されました。(→毎日新聞記事はこちら

『しろくまちゃんのホットケーキ』出版40周年記念の際に、こぐま社の佐藤英和さんが「こぐまちゃん」シリーズについて絵本ナビのインタビューに答えていらっしゃいます。(絵本ナビの記事→こちら

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
わかやま けん
こぐま社
1972-10-15
 
 
 
こぐま社を創立した佐藤さんが、子どもたちが初めて出会うにふさわしい絵本をと、画家のわかやまけんさん、歌人で小学校の先生だった森比左志さん、児童演劇作家の和田義臣さんの4人で、「こぐまちゃん」シリーズを生み出したのだそうです。子どもたちの日常生活からひろったテーマの絵本は、長く読み継がれています。
 
わかやまけんさんは、このシリーズ以外にも絵本を描かれました。また高田馬場にある児童教育専門学校にあった絵本作家や児童文学作家を養成する児童文化専門課程で教鞭も取られていました。(現在、この課程はなくなっています)
『絵本の見かた・創りかた』若山憲 すばる書房盛光社 1975
 
絵本の見かた・創りかた (1975年) (おしゃべり絵本講座)
若山 憲
すばる書房盛光社
1975
 
絵本作家を目指す人に向けて書かれた本です。
 
 
『きつねやまのよめいり』では、第16回サンケイ児童文化出版賞を受賞しています。
きつねやまのよめいり
わかやま けん
こぐま社
1978-10-01
 
 
『こぐまちゃんとどうぶつえん』
 
 
 
 
『たんじょうびおめでとう』わかやまけん/絵 こぐま社 1977
 
 
 
 
『あかべこのおはなし』わだよしおみ/作 わかやまけん/絵 こぐま社 1980
あかべこのおはなし
和田 義臣
こぐま社
1980-10-01
 
会津磐梯山を懐かしく思うあかべこのおはなしです。「あかべこ」は会津の郷土玩具です。
 
『にわか雨はざんざんぶり』わかやまけん こぐま社 1985
にわか雨はざんざんぶり
わかやま けん
こぐま社
1985-07
 
雨が降って大喜びで公園で遊ぶ兄弟の、楽しそうな姿が描かれています。子どもって、こんな風に遊ぶこと、大好きなんですよね。
 
心から、哀悼の誠を捧げます。
 
(作成K・J)

訃報 おかべりかさん


昨日は日野原重明先生が105歳で亡くなられたニュースをUPしましたが、漫画家のおかべりかさんが8日の亡くなられたというニュースも昨日飛びこんできました。(→こちら

2011年に休刊になった福音館書店の月刊誌「おおきなポケット」に連載されていた『よい子への道』は、「おとなが決めたよい子の枠にはまらない」のがこどもらしいよい子なんだという、子どもたちにとっては心強いメッセージが盛り込まれていて、おとなも子どもも大笑いの1冊でした。のちに『よい子への道2』も出版されましたし、同じ「おおきなポケット」からは『とちめんぼう劇場』も出版されています。

また偕成社から出されているおばけやさんシリーズ(1~7)も子どもたちに人気でした。

それ以外にも、富安陽子さんの「ムジナ探偵局」シリーズのほか、たくさんの子どもの本に挿絵も描いていました。絵本『よるにきこえるおと』では文章をおかべさん、絵は大島妙子さんが描いていて、この絵本もまだ眠りにつきたくない子どもの心がとても可愛らしく描かれていました。

まだ66歳だったというおかべさん。亡くなられたというニュースにもっとおかべさんの本を読みたいなと思いました。心より哀悼の意を表します。

『よい子への道』おかべりか 福音館書店 1995

よい子への道 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
1995-10-10

 

 

『よい子への道2』おかべりか 福音館書店 2003

よい子への道 2 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
2003-10-10
 
 

 

『ムジナ探偵局』富安陽子/作 おかべりか/画 童心社 1999

ムジナ探偵局 (シリーズじーんドキドキ)
富安 陽子
童心社
1999-03
 
 
 
 
『とちめんぼう劇場』おかべりか 福音館書店 1999

とちめんぼう劇場
おかべ りか
福音館書店
1999-05

 

 

『よるにきこえるおと』おかべりか/作 大島妙子/絵 フレーベル館 1999

 

 

『おばけやさん1 これがおばけやさんのしごとです』おかべりか 偕成社 2011

これがおばけやさんのしごとです
おかべ りか
偕成社
2011-05-28


 

(作成K・J)

訃報 日野原重明さん


今朝、通勤の電車の中で日野原重明先生の訃報に触れました。今朝7月18日の6時33分に天国に旅立たれました。105歳でした。生涯現役を貫いた日野原先生も、とうとう天国に国籍を移されたのだと、感慨深い気持ちになりました。

牧師の家に生まれた敬虔なクリスチャンでもありました。幼い時に瀕死の母親を救った医者の姿を見て医療の道に進まれました。

医療現場の第一線で活躍される一方で、戦時中の体験などを踏まえて若い世代に「いのちの意味」を伝え、平和を守ることの大切さを訴えてこられました。ちひろ美術館で2009年5月に開催された『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』出版記念の日野原先生の講演を聞いた際には、背筋をピンと伸ばして2時間ずっと立ちっぱなしでお話されたのが印象的でした。 

『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』日野原重明/著 いわさきちひろ/画 ダイヤモンド社 2008

 

 

87年から続けてこられた「いのちの授業」をまとめていくつか小学生向けの本を書かれましたが、そのどれもが子どもたちにわかりやすく、命の大切さを、平和の大切さをやさしい言葉で伝えてくれていました。

『十歳のきみへ―九十五歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2006

十歳のきみへ―九十五歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2006-04-01

 

 

『いのちのおはなし』日野原重明/文 村上康成/絵 講談社 2007

いのちのおはなし (講談社の創作絵本)
日野原 重明
講談社
2007-01-11
 
 

 

『明日をつくる十歳のきみへ― 一〇三歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2015

明日をつくる十歳のきみへ: ─一〇三歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2015-04-17

 

 

『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』日野原重明/著 小学館 2015


 

日野原先生は、105歳になられた昨年秋にも、「平和の種、子どものために」と題して和歌山で講演されています。(→こちら)柔和な物腰で、自分の命を人のために使うこと、そのためには勇気が必要なことを、そして何度も繰り返して「平和」の大切さを訴えておられます。日野原先生が子どもたちの伝えようとされたことを、私たちおとなは引き継ぐ責任があります。

日野原先生の本を子どもたちに手渡しながら、これからも伝え続けていきましょう。日野原先生の魂が神の国で安らいでいることを確信しつつ。

(作成K・J)

訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん


イギリスで1958年に出版され、日本でも松岡享子さんの翻訳によって1967年に出版された『くまのパディントン』(福音館書店)の作者マイケル・ボンド氏が6月27日に亡くなられたという報道がありました。91歳だったそうです。(Yahooのニュース記事→こちら ハフィントンポストの記事→こちら

『くまのパディントン』マイケル・ボンド/作 ペギー・フォートナム/絵 松岡享子/訳 福音館書店 1967

くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ)
マイケル・ボンド
福音館書店
1967-10-01

 

マイケル・ボンド氏が妻にプレゼントしたくまのぬいぐるみがモデルになったとのこと、そのパディントンのイギリス紳士らしい振る舞いと、それでいながらその周囲で起こる騒動がとても面白く、子どもたちだけでなく若い女性も夢中にさせる作品です。アニメ作品や映画にもなっており、本を読んでいない人でも、パディントンの魅力はよく知っていることでしょう。

シリーズは現在全部で10巻になっています。(5巻目からは田中治/訳)(福音館書店のサイト→こちら)これからも子どもたちに手渡していきたい作品です。

くまのパディントン 全10巻セット
マイケル・ボンド
福音館書店
2009-03-26

 

(作成K・J)

『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去


児童精神科医の佐々木正美先生が亡くなられたというニュースが飛び込んできました。昨日6月28日に骨髄線維症で亡くなられたとのこと、81歳でした。心より哀悼の誠を捧げます。(朝日新聞記事→こちら

1998年に福音館書店から出版された『子どもへのまなざし』との出会いは、当時思春期を迎えた子どもたちと、誕生まもない末っ子の4人の子育てに奔走していた私にとって何ものにも代えがたい僥倖でした。それまで義父母の期待に応えるべく「良い子」に育てなければと必死だったのですが、「ああ、こういう視点があったんだ」と肩の荷を下ろすことの出来たのでした。

多くのお母さんたちにとっても、この本は子育てのバイブルになったのではないでしょうか。

『子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 1998

子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
1998-07-10

 

 


『続 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2001

続 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2001-02-28

 

 


『完 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2011

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2011-01-20

 

 

2011年5月28日に『完 子どもへのまなざし』が刊行記念の銀座・教文館ナルニア国が主催した佐々木正美先生の講演会に参加しました。当時、講演の内容を綴ったメモには

***メモ***

 講演の最初に佐々木先生が投げかけられた問いは、「豊かになって、ほんとうに幸せになったか?」というものでした。「子どもと青年と家族の健康と幸せを願って」児童精神科医の仕事を40年余り続けて来られた先生。日本は戦後豊かになったけれども、子どもを取り巻く環境は急速に変化し、子どもたちが巻き込まれる不幸な事件も後を絶たない・・・家族の崩壊の実体は目を覆うばかりだとおっしゃいます。

「人間は、誰もが自分の存在する意味、生きて行く意味を、人間関係の中でしか見いだせない」存在なんだと・・・今の日本の社会における人間関係の歪みについて、家庭内の関係も、家庭外の関係も含めてお話してくださいました。中でも印象的だったのは、家の人の前でいい子にふるまっている子が、外では問題児だということ。保育所では手がかからず、ルールを守れる子どもたちが、意外や、家庭では甘えっ子でダダっ子だという事実。家庭では、最低限のルールは定めても、気を許せる場所であってほしい。その家庭が、気の休まる所でなくなってしまうと、外で問題を起こしてしまう・・・ということでした。

その逆に、家庭の外での人間関係が豊かでないと家庭内での精神的な健康を保てないというお話も。つまりは、家庭で自分をそのまま受容してくれる場があれば、他者を尊重する生き方ができる・・・そうやって他者との関係をうまく築くことができれば、その人は家庭に帰っても外での鬱憤をぶつけることなく、穏やかに過ごすことができる。プラスのスパイラルが生まれるという事。

********

と、記していました。子どもと、そしてその子が育っていく家族を中心に、広く社会にまで目を向けながら、子どもの心に寄り添うことの大切さを、ずっと訴えて来られた佐々木先生の言葉のひとつひとつが胸にしみわたったことを思い出します。

思春期の子育てについての本も何冊か、書かれています。これらの本が、子育て中の方々に広く手渡されていくようにと願います。

 

『抱きしめよう、わが子のぜんぶ―思春期に向けて、いちばん大切なこと』佐々木正美/著 大和出版 2006

 

 


『子どもの心の育てかた』佐々木正美/著 河出書房新社 2016

子どもの心の育てかた
佐々木正美
河出書房新社
2016-07-19


 

(作成K・J)

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