作家に関する情報

訃報 わかやまけんさん
訃報 おかべりかさん
訃報 日野原重明さん
訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん
『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去
訃報 ウルフ・スタルクさん
今年のリンドグレーン児童文学賞が決まりました!
訃報 大岡信さん
訃報 まついのりこさん
訃報 ディック・ブルーナ氏
訃報 佐藤さとるさん
訃報 ブライアン・ワイルドスミス
速報:太田大八さんが亡くなられました
訃報 灰島かりさん
訃報 末吉暁子さん

訃報 わかやまけんさん


こぐま社の「こぐまちゃん」シリーズが子どもたちに人気の絵本作家、わかやまけんさんが2年前に85歳で亡くなられていたことが、今日付で発表されました。(→毎日新聞記事はこちら

『しろくまちゃんのホットケーキ』出版40周年記念の際に、こぐま社の佐藤英和さんが「こぐまちゃん」シリーズについて絵本ナビのインタビューに答えていらっしゃいます。(絵本ナビの記事→こちら

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)
わかやま けん
こぐま社
1972-10-15
 
 
 
こぐま社を創立した佐藤さんが、子どもたちが初めて出会うにふさわしい絵本をと、画家のわかやまけんさん、歌人で小学校の先生だった森比左志さん、児童演劇作家の和田義臣さんの4人で、「こぐまちゃん」シリーズを生み出したのだそうです。子どもたちの日常生活からひろったテーマの絵本は、長く読み継がれています。
 
わかやまけんさんは、このシリーズ以外にも絵本を描かれました。また高田馬場にある児童教育専門学校にあった絵本作家や児童文学作家を養成する児童文化専門課程で教鞭も取られていました。(現在、この課程はなくなっています)
『絵本の見かた・創りかた』若山憲 すばる書房盛光社 1975
 
絵本の見かた・創りかた (1975年) (おしゃべり絵本講座)
若山 憲
すばる書房盛光社
1975
 
絵本作家を目指す人に向けて書かれた本です。
 
 
『きつねやまのよめいり』では、第16回サンケイ児童文化出版賞を受賞しています。
きつねやまのよめいり
わかやま けん
こぐま社
1978-10-01
 
 
『こぐまちゃんとどうぶつえん』
 
 
 
 
『たんじょうびおめでとう』わかやまけん/絵 こぐま社 1977
 
 
 
 
『あかべこのおはなし』わだよしおみ/作 わかやまけん/絵 こぐま社 1980
あかべこのおはなし
和田 義臣
こぐま社
1980-10-01
 
会津磐梯山を懐かしく思うあかべこのおはなしです。「あかべこ」は会津の郷土玩具です。
 
『にわか雨はざんざんぶり』わかやまけん こぐま社 1985
にわか雨はざんざんぶり
わかやま けん
こぐま社
1985-07
 
雨が降って大喜びで公園で遊ぶ兄弟の、楽しそうな姿が描かれています。子どもって、こんな風に遊ぶこと、大好きなんですよね。
 
心から、哀悼の誠を捧げます。
 
(作成K・J)

訃報 おかべりかさん


昨日は日野原重明先生が105歳で亡くなられたニュースをUPしましたが、漫画家のおかべりかさんが8日の亡くなられたというニュースも昨日飛びこんできました。(→こちら

2011年に休刊になった福音館書店の月刊誌「おおきなポケット」に連載されていた『よい子への道』は、「おとなが決めたよい子の枠にはまらない」のがこどもらしいよい子なんだという、子どもたちにとっては心強いメッセージが盛り込まれていて、おとなも子どもも大笑いの1冊でした。のちに『よい子への道2』も出版されましたし、同じ「おおきなポケット」からは『とちめんぼう劇場』も出版されています。

また偕成社から出されているおばけやさんシリーズ(1~7)も子どもたちに人気でした。

それ以外にも、富安陽子さんの「ムジナ探偵局」シリーズのほか、たくさんの子どもの本に挿絵も描いていました。絵本『よるにきこえるおと』では文章をおかべさん、絵は大島妙子さんが描いていて、この絵本もまだ眠りにつきたくない子どもの心がとても可愛らしく描かれていました。

まだ66歳だったというおかべさん。亡くなられたというニュースにもっとおかべさんの本を読みたいなと思いました。心より哀悼の意を表します。

『よい子への道』おかべりか 福音館書店 1995

よい子への道 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
1995-10-10

 

 

『よい子への道2』おかべりか 福音館書店 2003

よい子への道 2 (福音館の単行本)
おかべ りか
福音館書店
2003-10-10
 
 

 

『ムジナ探偵局』富安陽子/作 おかべりか/画 童心社 1999

ムジナ探偵局 (シリーズじーんドキドキ)
富安 陽子
童心社
1999-03
 
 
 
 
『とちめんぼう劇場』おかべりか 福音館書店 1999

とちめんぼう劇場
おかべ りか
福音館書店
1999-05

 

 

『よるにきこえるおと』おかべりか/作 大島妙子/絵 フレーベル館 1999

 

 

『おばけやさん1 これがおばけやさんのしごとです』おかべりか 偕成社 2011

これがおばけやさんのしごとです
おかべ りか
偕成社
2011-05-28


 

(作成K・J)

訃報 日野原重明さん


今朝、通勤の電車の中で日野原重明先生の訃報に触れました。今朝7月18日の6時33分に天国に旅立たれました。105歳でした。生涯現役を貫いた日野原先生も、とうとう天国に国籍を移されたのだと、感慨深い気持ちになりました。

牧師の家に生まれた敬虔なクリスチャンでもありました。幼い時に瀕死の母親を救った医者の姿を見て医療の道に進まれました。

医療現場の第一線で活躍される一方で、戦時中の体験などを踏まえて若い世代に「いのちの意味」を伝え、平和を守ることの大切さを訴えてこられました。ちひろ美術館で2009年5月に開催された『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』出版記念の日野原先生の講演を聞いた際には、背筋をピンと伸ばして2時間ずっと立ちっぱなしでお話されたのが印象的でした。 

『いのちのバトン―97歳のぼくから君たちへ』日野原重明/著 いわさきちひろ/画 ダイヤモンド社 2008

 

 

87年から続けてこられた「いのちの授業」をまとめていくつか小学生向けの本を書かれましたが、そのどれもが子どもたちにわかりやすく、命の大切さを、平和の大切さをやさしい言葉で伝えてくれていました。

『十歳のきみへ―九十五歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2006

十歳のきみへ―九十五歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2006-04-01

 

 

『いのちのおはなし』日野原重明/文 村上康成/絵 講談社 2007

いのちのおはなし (講談社の創作絵本)
日野原 重明
講談社
2007-01-11
 
 

 

『明日をつくる十歳のきみへ― 一〇三歳のわたしから』日野原重明/著 冨山房インターナショナル 2015

明日をつくる十歳のきみへ: ─一〇三歳のわたしから
日野原 重明
冨山房インターナショナル
2015-04-17

 

 

『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』日野原重明/著 小学館 2015


 

日野原先生は、105歳になられた昨年秋にも、「平和の種、子どものために」と題して和歌山で講演されています。(→こちら)柔和な物腰で、自分の命を人のために使うこと、そのためには勇気が必要なことを、そして何度も繰り返して「平和」の大切さを訴えておられます。日野原先生が子どもたちの伝えようとされたことを、私たちおとなは引き継ぐ責任があります。

日野原先生の本を子どもたちに手渡しながら、これからも伝え続けていきましょう。日野原先生の魂が神の国で安らいでいることを確信しつつ。

(作成K・J)

訃報『くまのパディントン』の作者、マイケル・ボンドさん


イギリスで1958年に出版され、日本でも松岡享子さんの翻訳によって1967年に出版された『くまのパディントン』(福音館書店)の作者マイケル・ボンド氏が6月27日に亡くなられたという報道がありました。91歳だったそうです。(Yahooのニュース記事→こちら ハフィントンポストの記事→こちら

『くまのパディントン』マイケル・ボンド/作 ペギー・フォートナム/絵 松岡享子/訳 福音館書店 1967

くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ)
マイケル・ボンド
福音館書店
1967-10-01

 

マイケル・ボンド氏が妻にプレゼントしたくまのぬいぐるみがモデルになったとのこと、そのパディントンのイギリス紳士らしい振る舞いと、それでいながらその周囲で起こる騒動がとても面白く、子どもたちだけでなく若い女性も夢中にさせる作品です。アニメ作品や映画にもなっており、本を読んでいない人でも、パディントンの魅力はよく知っていることでしょう。

シリーズは現在全部で10巻になっています。(5巻目からは田中治/訳)(福音館書店のサイト→こちら)これからも子どもたちに手渡していきたい作品です。

くまのパディントン 全10巻セット
マイケル・ボンド
福音館書店
2009-03-26

 

(作成K・J)

『子どもへのまなざし』の佐々木正美さん逝去


児童精神科医の佐々木正美先生が亡くなられたというニュースが飛び込んできました。昨日6月28日に骨髄線維症で亡くなられたとのこと、81歳でした。心より哀悼の誠を捧げます。(朝日新聞記事→こちら

1998年に福音館書店から出版された『子どもへのまなざし』との出会いは、当時思春期を迎えた子どもたちと、誕生まもない末っ子の4人の子育てに奔走していた私にとって何ものにも代えがたい僥倖でした。それまで義父母の期待に応えるべく「良い子」に育てなければと必死だったのですが、「ああ、こういう視点があったんだ」と肩の荷を下ろすことの出来たのでした。

多くのお母さんたちにとっても、この本は子育てのバイブルになったのではないでしょうか。

『子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 1998

子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
1998-07-10

 

 


『続 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2001

続 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2001-02-28

 

 


『完 子どもへのまなざし』佐々木正美/著 山脇百合子/挿絵 福音館書店 2011

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木 正美
福音館書店
2011-01-20

 

 

2011年5月28日に『完 子どもへのまなざし』が刊行記念の銀座・教文館ナルニア国が主催した佐々木正美先生の講演会に参加しました。当時、講演の内容を綴ったメモには

***メモ***

 講演の最初に佐々木先生が投げかけられた問いは、「豊かになって、ほんとうに幸せになったか?」というものでした。「子どもと青年と家族の健康と幸せを願って」児童精神科医の仕事を40年余り続けて来られた先生。日本は戦後豊かになったけれども、子どもを取り巻く環境は急速に変化し、子どもたちが巻き込まれる不幸な事件も後を絶たない・・・家族の崩壊の実体は目を覆うばかりだとおっしゃいます。

「人間は、誰もが自分の存在する意味、生きて行く意味を、人間関係の中でしか見いだせない」存在なんだと・・・今の日本の社会における人間関係の歪みについて、家庭内の関係も、家庭外の関係も含めてお話してくださいました。中でも印象的だったのは、家の人の前でいい子にふるまっている子が、外では問題児だということ。保育所では手がかからず、ルールを守れる子どもたちが、意外や、家庭では甘えっ子でダダっ子だという事実。家庭では、最低限のルールは定めても、気を許せる場所であってほしい。その家庭が、気の休まる所でなくなってしまうと、外で問題を起こしてしまう・・・ということでした。

その逆に、家庭の外での人間関係が豊かでないと家庭内での精神的な健康を保てないというお話も。つまりは、家庭で自分をそのまま受容してくれる場があれば、他者を尊重する生き方ができる・・・そうやって他者との関係をうまく築くことができれば、その人は家庭に帰っても外での鬱憤をぶつけることなく、穏やかに過ごすことができる。プラスのスパイラルが生まれるという事。

********

と、記していました。子どもと、そしてその子が育っていく家族を中心に、広く社会にまで目を向けながら、子どもの心に寄り添うことの大切さを、ずっと訴えて来られた佐々木先生の言葉のひとつひとつが胸にしみわたったことを思い出します。

思春期の子育てについての本も何冊か、書かれています。これらの本が、子育て中の方々に広く手渡されていくようにと願います。

 

『抱きしめよう、わが子のぜんぶ―思春期に向けて、いちばん大切なこと』佐々木正美/著 大和出版 2006

 

 


『子どもの心の育てかた』佐々木正美/著 河出書房新社 2016

子どもの心の育てかた
佐々木正美
河出書房新社
2016-07-19


 

(作成K・J)

訃報 ウルフ・スタルクさん


スウェーデンの児童文学作家ウルフ・スタルクさんが6月13日に72歳で亡くなられたとJBBYのFacebookページで知りました。→JBBYのFacebook

『うそつきの天才』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 1996)は大好きなスタルクの作品でした。

うそつきの天才 (ショート・ストーリーズ)
ウルフ スタルク
小峰書店
1996-11

 

 

 

絵本では、『おじいちゃんの口笛』(菱木晃子/訳 アンナ・ヘグルンド/絵 ほるぷ出版 1995)、『ちいさくなったパパ』(菱木晃子.訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 1999)、『パパが宇宙をみせてくれた』(菱木晃子/訳 エヴァ・エリクソン/絵 BL出版 2000)、『おにいちゃんといっしょ』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 2003)など、子どもたちの心に寄り添う優れた作品が多くあります。

おじいちゃんの口笛
ウルフ スタルク
ほるぷ出版
1995-02-01
 
 
 
 
パパが宇宙をみせてくれた
ウルフ スタルク
BL出版
2000-10


 

 
 

児童書には 『シロクマたちのダンス』(菱木晃子/訳 堀川理万子/絵 偕成社 1996)や、『夜行バスにのって』(遠藤美紀/訳 堀川理万子/絵 偕成社 1998)や、『パーシーの魔法の運動ぐつ』(菱木晃子/訳 はたこうしろう/絵 小峰書店 2009)などのパーシーシリーズががあります。

シロクマたちのダンス
ウルフ スタルク
偕成社
1996-05

 

 

夜行バスにのって
ウルフ スタルク
偕成社
1998-01
 
 
 
 
パーシーの魔法の運動ぐつ (パーシーシリーズ)
ウルフ スタルク
小峰書店
2009-07
 
 
 
スタルクさんは2018年の国際アンデルセン賞にノミネートされていたそうです。とても残念に思います。
 
これを機に、ぜひスタルフさんの作品を子どもたちに手渡してください。

(作成K・J)

 

今年のリンドグレーン児童文学賞が決まりました!


4月3日から6日までイタリア・ボローニャで開催されていたボローニャブックフェアにおいて、今年のリンドグレーン児童文学賞に『うんちしたのはだれよ!』の画家、ヴォルフ・エールブルッフ氏が選ばれたという知らせが入ってきました。

ヴォルフ・エールブルッフ氏は、それまでの功績が評価され2006年には国際アンデルセン賞画家賞を受賞しています。

リンドグレーン児童文学賞のページ→こちら(英文)

ロイター通信のサイト→こちら

『うんちしたのはだれよ!』ヴェルナー・ホルツヴァルト/文 ヴォルフ・エールブルッフ/絵 関口裕昭/訳 偕成社 1993

うんち したのは だれよ!
ヴェルナー ホルツヴァルト
偕成社
1993-11

 

 

ある日、もぐらの頭に空からだれかのうんちが落ちてきます。いったいだれの仕業かと、もぐらの犯人探しが始まります。はたして犯人はみるかるのか、なんとも、ユーモラスな絵本です。(偕成社の紹介サイト→こちら

ヴォルフ・エールブルックの邦訳されている作品は、このほかに『レオナルド』(うえのようこ/訳 BL出版 1996)や、『マイヤ―夫人のしんぱいのたねは?』(うえのようこ/訳 BL出版 1998)、『死神とアヒルさん』(三浦美紀子/訳 草土文化 2008)などをはじめとして、全部で9作あります。(絵本ナビサイト→著者詳細
 

『レオナルド』ヴォルフ・エールブルッフ/作 うえのようこ/訳 BL出版 1996

レオナルド
ヴォルフ・エァルブルッフ
ブックローン出版
1996-02

 

『マイヤ―夫人のしんぱいのたねは?』ヴォルフ・エールブルッフ/作 うえのようこ/訳 BL出版 1998

マイヤー夫人のしんぱいのたねは?
ヴォルフ エァルブルッフ
BL出版
1998-10
 
 
 
『死神さんとアヒルさん』ヴォルフ・エールブルッフ/作 三浦美紀子/訳 草土文化 2008
 
死神さんとアヒルさん
ヴォルフ エァルブルッフ
草土文化
2008-02
 
 
 
 
これを機会に、面出ししてはいかがでしょうか?
 
(作成K・J)

 

訃報 大岡信さん


詩人の大岡信さんが、本日4月5日に亡くなられたというニュースが入ってきました。86歳でした。(ニュース記事は→こちら

1979年1月25日から2007年3月31日まで朝日新聞紙上に掲載された、大岡信さんによる古今東西の詩歌の紹介は通算6762回に及びました。昨年は童話屋より、春夏秋冬に合わせた『折々のうた 春夏秋冬』が相次いで出版されました。詩を学ぶ子どもたちに相応しい装丁で、ブックトークなどにも使える作品となっていました。(私は教文館ナルニア国でサイン入り本を入手。今となっては貴重な宝物です。)

『折々のうた 春夏秋冬』大岡信/著 童話屋 2016

折々のうた 春夏秋冬・春
大岡信
童話屋
2016-06-23
 
 
 
 
折々のうた 春夏秋冬・夏
大岡信
童話屋
2016-06-23
 
 
 

折々のうた 春夏秋冬・秋
大岡信
童話屋
2016-09-30
 
 
 

折々のうた 春夏秋冬・冬
大岡信
童話屋
2016-09-30

 

 

また、大岡信さんは何冊かの海外の絵本の翻訳もされています。詩人らしく、とても素敵な訳文になっています。ぜひこちらの作品もこれを機会に手にしてみてください。

『みつけたぞ ぼくのにじ』ドン・フリーマン/作 大岡信/訳 岩波書店 1977

みつけたぞぼくのにじ (岩波の子どもの本)
ドン・フリーマン
岩波書店
1977-06-24
 
 
 
 

 

『まっくろけのまよなかネコよおはいり』J・ワーグナー/作 R・ブルッグス/絵 大岡信/訳 岩波書店 1978

 

 

 

『おふろばをそらいろにぬりたいな』ルース・クラウス/作 モーリス・センダック/絵 大岡信/訳 岩波書店 1979

 

 

 

『星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句』大岡信/編著 岩波少年文庫 岩波書店 2005


 

心より哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

訃報 まついのりこさん


今月、また子どもの本の作り手の訃報が飛び込んできました。絵本&紙芝居作家のまついのりこさんが、2017年2月12日に亡くなられたとのこと。82歳だったそうです。(ニュース記事→こちら

2011年5月にクレヨンハウスでまついのりこさんの講演を聞きました。その時のお話が今も胸に残っています。

じゃあじゃあびりびり (まついのりこのあかちゃんのほん)
まつい のりこ
偕成社
2001-08
 
 
 

 

その講演のことを綴った日記にこんなことを記していました。
「まついさんは1934年生まれの77歳。1931年に日本は15年戦争に突入し、45年まついさんが9歳の時に終戦を迎えています。まさに子ども時代がすっぽりと戦時中に重なっているのです。子ども心に覚えているのは、色彩のない世界。美しいもの、きれいなもの、本物が圧殺され、「生きる意味」を問う文化というもの、本物の文化を創ろうとする人を弾圧していた時代と重なっていたのです。
 まついさんのお父様は、経済学者でいらしたのですが、まついさんが小4の時に治安維持法により逮捕、抑留されるという経験もなさっています。弾圧されていた時代に子ども時代を過ごされていたので、27歳の時、上のお子さんの子育て中に福音館書店の月刊こどものとも、かこさとし作『だむのおじさんたち』(1959年発行)と出会った、大きな衝撃を受けたというのです。絵本というものが持つ文化の光、本物が放つ光を、そこに感じたのだそうです。
 まついさんのすごいところは、絵本の持つ力を感じたことで、自分も絵本を描きたい、絵本を作りたいと思ったということ。子育てをしながら、28歳で武蔵野美術大学に入学し、絵を描くということを一から学ばれたのでした。当時は、今のように社会人入学という制度もなく、ましてや子育てをしながらの大学での学びは、容易ではなかったはずですが、子ども時代に文化というものから隔離されていたという渇望が、まついさんをそこまで突き動かしたでした。
 32歳で美大を卒業された後、さて絵本を作ろうと思ったものの、デッサンや油絵を美大で学んだものの、自分は絵本の作り方は学んでこなかったと、戸惑ったそうです。しかし卒業した年に次女が生まれ、「私はこの子に対して絵本を描こう」と決意されたのです。
 生まれ出た人間の子は、人間になりたいという本能を持っている。“生きるとはなにか”その意味を知りたいという欲求を持っている。そういう知的好奇心を持って生まれた我が子が喜ぶ絵本を作ろうと決意され、我が子のために何作も作ってこられました。それらは、子どもが心の底から喜ぶもの、奥底から光ってくるものを描いてこられたのです。36歳の時、最初にお子さんに作った絵本が、『じゃあじゃあびりびり』でした。」

子どもたちが楽しみながら理解できるよう工夫がされた行事の絵本や、数字・ひらがななどの知識の絵本もたくさん作られました。

『ひらがなのほん』まついのりこ/作 福音館書店 かがくのとも傑作集 1971

ひらがなのほん (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
まつい のりこ
福音館書店
 
 
 
 
 
『とけいのほん1』まついのりこ/作 福音館書店 1993
とけいのほん1 (幼児絵本シリーズ)
まつい のりこ
福音館書店
1993-03-15
 
 
 
 
 
読み手と聞き手が一緒に楽しめる紙芝居作品をたくさん作られました。
 
『おおきくおおきくおおきくなあれ』まついのりこ/作 童心社 1983
『みんなでぽん!』まついのりこ/作 童心社 1987
 
また、日本独自の文化である紙芝居を世界各地へ普及しようとして、「紙芝居文化の会」代表も長く務められました。紙芝居の演じ方の本も何冊か出されています。
 
『紙芝居の演じ方Q&A』まついのりこ/作 童心社 2006
紙芝居の演じ方 Q&A (単行本図書)
まつい のりこ
童心社
2006-10-31
 
 
 
 
心より冥福をお祈り申し上げます。

(作成K・J)

訃報 ディック・ブルーナ氏


昨日、佐藤さとるさんの訃報をお知らせしましたが、日付が変わる頃に今度はオランダから『ちいさなうさこちゃん』でおなじみのディック・ブルーナさんの訃報が届きました。16日にオランダ・ユトレヒトで89歳の生涯を閉じたということです。 ニュース第一報→こちら

ちいさなうさこちゃん (1才からのうさこちゃんの絵本セット1) (子どもがはじめてであう絵本)
ディック ブルーナ
福音館書店
2000-12-01

この絵本の原作「nijntje」は1955年にオランダで出版され、日本では1964年に石井桃子さんの翻訳で福音館書店から出版されました。

この絵本は日本の赤ちゃん絵本の草分けといっていいのではないでしょうか。今の50代、40代にとってのファーストブックで、それは代々受け継がれてきました。

講談社版では「ミッフィー」という英語版の名前が用いられました、テレビアニメでも「ミッフィーちゃん」と呼ばれ、「うさこちゃん」というよりも「ミッフィー」のほうがしっくり来るという人も多いでしょう。やっぱり石井桃子さん訳(その後翻訳は松岡享子さんに受け継がれました)の「うさこちゃん」が親しみがあるという人も、どちらにしろ世界中の多くの子どもたちに愛されてきた絵本です。

2015年には「生60周年記念 ミッフィー展」が日本国内を巡回しました。その時にお元気そうなビデオメッセージが見られたのに・・・と思います。

きっとブルーナさんも、天国から世界中の子どもたちの幸せを願いながら見守ってくださっていると思います。

(作成K・J)

訃報 佐藤さとるさん


『だれも知らない小さな国』(コロボックル物語1 村上勉/絵 講談社 1959)で知られる児童文学作家の佐藤さとるさんが、2月9日に亡くなられたという知らせが入ってきました。88歳だったそうです。→朝日新聞記事
コロボックル物語は、生まれて58年。子ども時代に読んだという人が、親になり、今は祖父母になる世代です。このシリーズも親子三世代が読み継ぐことのできる作品です。戦争体験し、高度成長期の自然破壊を見てきた佐藤さんの作品は、ファンタジーではありますが、注意深く読むとさまざまなことを教えてくれるものでした。もっともそうしたことに気づいたのは、大人になって読み返してからでしたが。

コロボックル物語 全6巻
佐藤 さとる
講談社
2000-04-04

 

 

 このシリーズには思い入れがあり、「基本図書を読む」の連載の15回目に記事も書いています。→基本図書を読む15『だれも知らない小さな国』

絵本も子どもらしい視点で描かれており、私自身がほんとうに大好きでした。またわが子と何度も読んだ思い出の絵本でもあります。

『おおきなきがほしい』佐藤さとる/作 村上勉/絵 偕成社 1971

 

 

『ふしぎなふしぎなながぐつ』佐藤さとる/作 村上勉/絵 偕成社 1972

 

 

 

『おばあさんのひこうき』佐藤さとる/作 村上勉/絵  小峰書店 1973

おばあさんのひこうき (創作幼年童話選 4)
佐藤 さとる
小峰書店
1973-02-28
 
 
 
 

昨年の3月には自伝小説『コロボックルに出会うまで サットルと『豆の木』』を偕成社から出版され、東京新聞でインタビューに答えていらっしゃいました。(2016年5月1日→こちら

コロボックルに出会うまで 自伝小説 サットルと『豆の木』
佐藤 さとる
偕成社
2016-03-15
 
 
 
 
この本を読み返して、佐藤さとるさんの想いをもう一度胸に刻みたいと思います。

 
(作成K・J)

訃報 ブライアン・ワイルドスミス


イギリス人の絵本作家でフランス在住のブライアン・ワイルドスミス(1930年生まれ)が8月31日に亡くなったというニュースが入ってきました。(→こちら

ブライアン・ワイルドスミスは、1950年代オックスフォード大学出版局と専属契約を結びラ・フォンテーヌの寓話に絵をつけるなど作品を発表、1962年には『ワイルドスミスのABC』でケイト・グリナウェイ賞を受賞しています。

『ワイルドスミスのABC』ブライアン・ワイルドスミス/作 らくだ出版

ワイルドスミスのABC (ブライアン・ワイルドスミス作品選)
ブライアン・ワイルドスミス
らくだ出版
1962-01
 
 
 
 
日本では、俳優の石坂浩二さんがワイルドスミスの翻訳に多く携わり、伊豆高原にあるワイルドスミス絵本美術館(現在、休館中)は石坂浩二さんが館長を勤めています。
クリスマスシーズンに、よく読まれる『クリスマスの12にち』(石坂浩二/訳 講談社 1997)は、イギリスで古くから歌われているクリスマスキャロルに「色彩の魔術師」と呼ばれたワイルドスミスが描いた絵の色彩の美しさに心惹かれます。

『クリスマスの12日』ブライアン・ワイルドスミス/作 石坂浩二/訳 講談社 1997
クリスマスの12にち (世界の絵本(新))
ブライアン・ワイルドスミス
講談社
1997-10-29

 
1971年に家族でフランスに移住したワイルドスミスは、4人の子ども、3人の孫、そしてひとりのひ孫に恵まれました。昨年、妻のオーレリーを天国に見送ったとのこと。今頃、天国で再会しているでしょうか。
 
ラ・フォンテーヌの寓話に絵をつけた『きたかぜとたいよう』や『うさぎとかめ』、『ライオンとネズミ』(いずれも渡辺茂男/訳 らくだ出版)など素晴らしい作品の多くが現在品切れになっているのは、とても残念です。図書館にはあると思いますので、ぜひ展示してこの機会に手に取ってもらえるとよいでしょう。
 
参考:ブライアン・ワイルドスミス インタビュー記事(amu 2011年5月)
 
『きたかぜとたいよう』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1962
きたかぜとたいよう
ラ・フォンテーヌ
らくだ出版
1962-01-01
 
 
 
 
『うさぎとかめ』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1969
 
 
 
 
『ライオンとネズミ』ラ・フォンテーヌ/作 ブライアン・ワイルドスミス/絵 らくだ出版 1982
ライオンとネズミ
ラ・フォンテーヌ
らくだ出版
1982-01
 
 
 
(作成K・J)
 

速報:太田大八さんが亡くなられました


またお一人、子どもの本の世界で活躍され、たくさんの優れた作品を残された太田大八さんが8月2日に亡くなられたとの情報を得ました。97歳でいらしたそうです。

JBBY(日本国際児童図書評議会)からの情報なので速報としてお伝えします。また、本日絵本学会からも「太田大八さんのご逝去を悼んで」という声明が発表されました。(→こちら

太田大八さんは、1949年『うさぎときつねのちえくらべ』(羽田書店)で、絵本作家デビューし、130作の創作絵本と230作品の児童書の挿絵を手がけきました。

太田大八さんの絵本作りに関するインタビューが、「KUMONがうた・読み聞かせを応援 mi:te(ミーテ)」サイトに掲載されています。(→こちら

また絵本学会第7回大会の時のインタビュー「太田大八に聞く:なぜ絵本にこだわるか」は、絵本学会のサイトから読むことができます。(→こちら

代表作
『かさ』太田大八 文研出版 1975

この作品では、第18回児童福祉文化賞ほかを受賞しました。

 

『やまなしもぎ』平野直/再話 太田大八/画 福音館書店 1977

やまなしもぎ (日本傑作絵本シリーズ)
平野 直
福音館書店
1977-11-10
 
 この作品は、1977年国際アンデルセン賞優良作品に選定されています。
 

『ながさきくんち』太田大八 童心社 1980

ながさきくんち (日本のお祭り絵本)
太田 大八
童心社
2007-07
 
 この作品は、第12回講談社出版文化賞を受賞しました。
 

 

『だいちゃんとうみ』太田大八 福音館書店 1992 

この作品で、第15回絵本にっぽん賞を受賞しています。
(作成K・J)

訃報 灰島かりさん


2016年6月14日午前4時過ぎに児童文学翻訳家で研究者の灰島かりさんがお亡くなりになりました。お連れ合いの鈴木晶氏がブログで公表しました。(→こちら

「2016年4月、5月の新刊から」で取り上げた『疾走した画家 ランドルフ・コールデコット』(レナード・S・マーカス著 BL出版)が遺作となりました。コールデコットの伝記として読みやすく、また美しいこの本の翻訳は、闘病と重なっていたのだと思うと、胸に迫るものがあります。

訳者あとがきに「翻訳出版にあたっては、訳者の都合で翻訳が長びいてしまった。村田真由美氏にはアシスタントとして活躍していただいた。また編集者である内田広実氏の忍耐なくしては、刊行は不可能だったことを記して感謝したい。」とあり、出版が間に合ってほんとうに良かったと思います。

心より哀悼の意を捧げます。

『疾走した画家 ランドルフ・コールデコット』レナード・Sマーカス/著 灰島かり/訳 BL出版 2016/5/1

レナード・S. マーカス
BL出版
2016-05
 
 
 
 
 
 
灰島かりさんの主な作品
 
 
絵本翻訳教室へようこそ
灰島 かり
研究社
2005-05
 
 
 

猫語のノート (ちくま文庫)
ポール ギャリコ
筑摩書房
2016-05-10
 
 
 
 
 
 

びくびくビリー (児童図書館・絵本の部屋)
アンソニー ブラウン
評論社
2006-09
 
 
 

とけいのあおくん (こどものとも絵本)
エリザベス・ロバーツ
福音館書店
2014-03-05
 

大森林の少年
キャスリン ラスキー
あすなろ書房
1999-11
 
 
 

 
 
 

絵本の絵を読む
ジェーン・ドゥーナン
玉川大学出版部
2013-03-14
 
 
 

メリサンド姫: むてきの算数! (おはなしメリーゴーラウンド)
E. ネズビット
小峰書店
2014-02-21
 
 
 
(作成K・J)

訃報 末吉暁子さん


児童文学作家の末吉暁子さんが5月28日にお亡くなりになりました。73歳だったそうです。(ニュース記事→こちら

私にとっては末吉暁子さんといえば『もりのかくれんぼう』(林明子/絵 偕成社 1978)の絵本、というくらいこの作品が大好きで、2011年5月に日本国際児童図書評議会(JBBY)からJBBY賞(画家賞)を林明子さんが受賞された際のパーティーでお二人が寄り添っていらしたことも、つい昨日のことのように思い出されます。

もりのかくれんぼう (日本の絵本)
末吉 暁子
偕成社
1978-11

 



また、多くの方にとっては、NHK教育放送(Eテレ)で放送されていた「ざわざわ森のがんこちゃん」が印象に残っているのではと思います。こちらの脚本も子ども向けの読物になっています。

ざわざわ森のがんこちゃん 学校へいくのいや
末吉 暁子
講談社
1998-02-19

 



『ぞくぞく村のおばけ』シリーズ(垂石真子/絵 あかね書房)は1989年から刊行がはじまり、昨年7月に刊行された『ぞくぞく村のランプの精ジンジン』が最新刊で、26年間で全18冊になっています。このシリーズは小学低学年の子にとても読みやすいシリーズですが、私が最も印象に残っているのは、このシリーズを末吉さんがペープサート人形劇に仕立てていらしたことでした。JBBYが主催する大崎での子どもの本の日フェスティバルで、ご自身が魔女の格好をして演じてくださったり、被災地を精力的に回って子どもたちに笑いを届けてくださっていました。

 

 

 

また、昨年7月に出版されたYA向けの作品『波のそこにも』(佐竹美保/挿絵 偕成社)は、平家物語をモチーフにした作品で、2008年に羽衣伝説をベースに書かれた作品『水のしろたえ』(丹地陽子/画 理論社)に続く歴史ファンタジーとして、読み応えのある作品でした。

波のそこにも
末吉 暁子
偕成社
2015-07-15


 多くの作品を残してくださった末吉暁子さんに心より哀悼の意をお捧げいたします。

(作成K・J)

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