新刊本・話題の本

今年も出ました!『2012年に出た子どもの本』
福音館書店☆復刊情報
2012年上半期おすすめの本
「2011年に出た子どもの本」ベストofノンフィクション
「2011年に出た子どもの本」フィクション、昔話・伝記・詩の会
「絵本の事典」が出版されました♪
「2010年に出た子どもの本」フィクションの巻
「2010年に出た子どもの本」ノンフィクションの巻
「2010年に出た子どもの本」絵本の巻
ブックトークをする人のために
YA『心の友だちシリーズ』読んでみました♪
10代からはじめる新書 ブクログのご紹介♪
赤ちゃんと保護者のための本1

今年も出ました!『2012年に出た子どもの本』


今年も教文館ナルニア国から『2012年に出た子どもの本』が出版されました。

 
この本は、昨年一年間に出版された子どものための本の中から、教文館ナルニア国の選書担当のお二人が、すべて目を通し、読まれた上で、自信をもって子どもたちに手渡せる本を厳選したリストです。このお二人は学校司書、教師経験者で、子どもの本や子どもたちの育ちについてもプロの目をお持ちです。
 
各図書館の選書担当の方や、学校支援のスタッフの方々には、研修の際にナルニア国のメールマガジンを購読するようにとお勧めしています。メルマガで新刊情報が届きますが、そこで選ばれた物の中からさらに選りすぐったものが、1冊のリストになっています。
 
2012年にナルニア国に入荷した新刊の児童書は3970点。その内訳は絵本が1118点、フィクション1155点、昔話・伝記・詩197点、ノンフィクション1463点、その他37点。その中から絵本は、166点、フィクションは258点、昔話・詩・伝記からは53点、ノンフィクションからは395点872点がリスト入りし、さらにその中から特におすすめの絵本6点、フィクション13点、昔話・詩・伝記4点、ノンフィクション6点が選ばれています。
 
これらの本は、今後基本図書となっていくだろう本ばかりです。
 
この時期、さまざまな出版社や団体から前年の児童書・絵本の中からベストのものを選んだリスト類が出ていますが、以前も「本のこまど」で取り上げたことがありますが、まったく違う視点で選書していることがわかります。(こちらの記事を参考に→こちら
 
月刊MOEなどで選ばれているものは、どれだけ売上たか、という人気度だけで決まっています。それに対して教文館ナルニア国での選書は、注意深くその本が持っているメッセージ性が子どもたちの生き方にどのように影響を与えるのか、文章と絵のバランスはよいのか、これからもロングセラーとなって親から子へ受け継がれていくのか、そのような視点で選ばれており、売り上げだけではない要素が入っています。
 
図書館に置く本の選書に参考にする上では一番信頼のおけるリストだと思います。
 
ぜひ各図書館で選書のための参考書として購入し、業務の支えとしていただければと思います。
 
3月2日、6日、11日と3回に渡って、このリストに取り上げられた本のブックトークを聴きに行っています。2日のフィクション・伝記・詩の会では、何人かのヴィアックスのスタッフの方々にお目にかかりました。研究熱心な姿勢に打たれました。
 
他の方々もきっと参加したいと願いつつ、シフトの関係で叶わないで残念に思っている方々も多いことと思います。こちらのブログでもブックトークで紹介された一押しの本の紹介をしたいと思いますので、お楽しみに!
 
『2012年に出た子どもの本』の詳しいことは、ナルニア国のHPへ。→こちら
2012nen.jpg
 
 
画像はナルニア国ホームページより
なお、『2008年に出た子どもの本』『2009年に出た子どもの本』『2010年に出た子どもの本』『2011年に出た子どもの本』と、昨年までのブックリストのバックナンバーもありますので、ぜひ教文館ナルニア国へお問い合わせください。
 

福音館書店☆復刊情報


福音館書店が、創立60周年を記念して「もう一度出会いたい」図書館アンケート結果を発表しています。

児童の基本図書でありながら、長く絶版になっていた絵本たちが帰ってきます。期間限定での復刊になります。

 
各指定管理者図書館の選書担当者は、要注目です。
 
 
illust36_thumb.gif
 

2012年上半期おすすめの本


8月4日 教文館ナルニア国主催の「【夏休み特別企画】夜のブックトークの会」に参加してきました。

この日のテーマは”2011年+2012年に出た子どもの本(全ジャンルより)おすすめ本の紹介”

なんと1月以降、すでに子どもの本は1800冊も発行されていて、教文館ナルニア国の新刊担当のSさんとKさんは全部読んだ上で、その中よりこれは!と思う168冊をセレクトしてくださって、紹介してくださいました。
1800 冊を二人で分担したとして、一人900冊。1月から6月末までで約180日。ということは平均して一日5冊読んでいたことに!絵本ならば一日で10冊以上 行くとしても・・・YA向けの重厚な文学作品もあれば、ノンフィクションの科学の本などもあるわけで、ほんとうにお二人には頭が下がります。

またそれを惜しげもなく、利用者にレビューしてくださる。子どもに本を手渡す仕事をしている図書館員にとっては、ほんとうにありがたく、うれしい企画です。

その陰には、ナルニア国憲章 (こちらの記事を参照→ecomam日本にあるナルニア国)に記されている通り、”くりかえし読みたくなるような、生命と力にあふれた本が出会いを待っている”という、そういう本を責任を持って手渡そうとしてくださっているからなんですね。ありがとうございます。

168冊全部をここで紹介することはできないのですが、当日のレビューの中で私も既に読んでいたり、あるいは絶対これ読みたい!と思った何冊かを紹介します。

『2011年に出た子どもの本』より
2011年に出た子どもの本2011年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2012-03)

この本を持っていない図書館スタッフ(特に児童サービス選書担当)はいないよね!というくらいの必携書。
私も製本版になって以来(2008年より前はコピー資料でした)、複数冊購入し、文庫と仕事で活用しています。

3月に行われたブックトークの会でおすすめされて再度一押し!と紹介されたのが7冊。(『わがはいは中村春吉である。』以外は読みました!どれもほんとうに素晴らしい♪)

どんぶらどんぶら七福神どんぶらどんぶら七福神
著者:みき つきみ
販売元:こぐま社
(2011-11)

語呂もよく、文庫で1月に読みましたが、子ども達もママ達にも喜ばれた1冊。意外と七福神を知らない現代っ子にいいかも!柳原良平さんの絵が素敵です。



トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)
著者:ジェラルド・ローズ
販売元:岩波書店
(2011-10-29)

ナ ンセンス絵本は数多くあれど、上質の笑い、上質のナンセンスってこういう絵本なのよね。おやじギャグ満載で笑わせる絵本が今はいっぱいでているけれど、大 笑いして「あ~面白かった!」の後に何も残らない絵本が多い。この絵本は、読み終わった後も心がふわっとしてうれしくなる!


盆まねき盆まねき
著者:富安 陽子
販売元:偕成社
(2011-07-09)

家族のこと、お盆に亡くなった先祖に祈ること・・・素朴で日本人がずっとずっと大切にしてきた心がここには描かれています。



パンプキン!  模擬原爆の夏パンプキン! 模擬原爆の夏
著者:令丈 ヒロ子
販売元:講談社
(2011-07-27)

原爆が67年前にヒロシマ・ナガサキに落とされるその前に模擬原爆っていうのがあったなんて!しかもパンプキンと名付けられて49発も!小学5年生のモモカが夏の自由研究で調べていく物語。私も知らなかった事実でした!



子どもに語るアラビアンナイト子どもに語るアラビアンナイト
著者:茨木 啓子
販売元:こぐま社
(2011-10)

おはなしを語る人にも、アラビアンナイトを読みたい人にもおすすめの1冊です。
私も覚えたいと、いつもバッグに忍ばせています^^



なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)
著者:栗山 さやか
販売元:岩波書店
(2011-10-21)

渋 谷系のギャルだったブラ子さんが、世界放浪の旅へ。たまたまアフリカの診療所でHIVで苦しむ女性たち。目の前の友達を助けたい!とブラ子さんがアフリカ の女性たちのために働く記録。8月13日付朝日新聞夕刊でも”学生のためのBOOKリレー”でブランド経営コンサルタント坂之上洋子さんが絶対読んでほし いと薦めています!


わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)
著者:横田 順彌
販売元:くもん出版
(2011-03)

私は未読です。明治35年に世界一周の旅に出た彼の貪欲にも世界を知りたい!という想いの原動力を読んでみたい!



2012年の絵本から・・・(既に私も購入して読んだものをpick up)
おべんとう (幼児絵本シリーズ)おべんとう (幼児絵本シリーズ)
著者:小西 英子
販売元:福音館書店
(2012-02-01)

『サンドイッチ サンドイッチ』も文庫で喜ばれました♪これもすっご~く美味しそう。




赤ずきん (福音館の単行本)赤ずきん (福音館の単行本)
著者:フェリクス・ホフマン
販売元:福音館書店
(2012-06-13)

フェリクス・ホフマンが孫娘のスザンナのために描いた絵本。この度福音館書店60周年を記念して出版されました。グリム童話は残酷だという人もいますが、この絵本ではそういう残酷さはなく、テキストに忠実でありながら、子どもたちが読んでもらってホッとできる絵になっています。


きゃっきゃキャベツ (どーんとやさい)きゃっきゃキャベツ (どーんとやさい)
著者:いわさ ゆうこ
販売元:童心社
(2012-05-01)

キャベツ食べたくなります♪キャベツにもいろいろあることもわかるし^^




おとうさんのかさおとうさんのかさ
著者:三浦 太郎
販売元:のら書店
(2012-06)

三浦太郎さんの絵本は、文庫でも大人気♪




フィクションからは・・・一押しが『八月の光』静かに深く・・・感動が広がりました。
八月の光八月の光
著者:朽木 祥
販売元:偕成社
(2012-06-21)


ヒロシマ原爆記念日に読みました。ぜひ手に取ってほしい1冊。



さがしています (単行本絵本)さがしています (単行本絵本)
著者:アーサー ビナード
販売元:童心社
(2012-07-20)

これもほんとうにずっしり。広島原爆資料館に収められた遺品が問いかけてくる写真絵本です。




ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂
著者:マーギー・プロイス
販売元:集英社
(2012-06-26)

14歳で異文化に触れたジョン万次郎。遭難というアクシデントだったとはいえ、彼のアメリカでの生活についてアメリカ人の視点から描かれているということで興味を持った1冊。14歳でアメリカでの生活を選びとった次男を重ねて読んでいます。


ノンフィクション・知識の本からは
月へ アポロ11号のはるかなる旅月へ アポロ11号のはるかなる旅
著者:ブライアン・フロッカ
販売元:偕成社
(2012-01-17)

アポロ11号が月面着陸をしたのは私が小学4年生の時。世界中が偉業に沸いたことを思い出します。「はやぶさ」人気が注目されているけれど、アポロのことも子ども達に知ってほしい♪



世の中への扉 東京スカイツリーの秘密世の中への扉 東京スカイツリーの秘密
著者:瀧井 宏臣
販売元:講談社
(2012-04-26)

スカイツリーに関する本もたくさん出ていますが、この本が一番興味をひきました。建設に関わった多くの人の思い、技術・・・ぜひ訪れる前に読んでおきたい☆

そして原発問題・放射能に関する本では・・・
3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)
著者:たくきよしみつ
販売元:岩波書店
(2012-04-21)

この方の『裸のフクシマ』を読みました。フクシマに住んでいる人だからこそ書ける視点です。脱原発・反原発運動が盛り上がっていますが、福島の人の想いをまず知ってから・・・と思った1冊でした。



おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能
著者:もんじゅ君
販売元:平凡社
(2012-03-02)

『さようなら、もんじゅ君』と合わせて読むといい本。わかりやすい1冊です。




原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし
著者:野村保子
販売元:クレヨンハウス
(2012-03-22)

子どもにもわかりやすい図やグラフを用いて、小出さんの長年の主張を丁寧に伝えてくれる1冊。おとなにもおススメです。



1800冊の中から選ばれた168冊の中の、さらに私の選んだ19冊。どれもほんとうに自信を持って子ども達に手渡したい本でした。

●2012年上半期おすすめ本リスト用.pdf

当日いただいた資料をリスト化してみました。ぜひ教文館ナルニア国に足を運んで、実物を手に取ってみてください。

 
 
 

「2011年に出た子どもの本」ベストofノンフィクション


教文館ナルニア国拡大版ブックトーク『2011年に出た子どもの本』ノンフィクションの会には、参加することができませんでした。(当日は、私はJBBY・JPIC共催国際子どもの本の日記念子どもの本フェスティバルのイベントで司会をしておりました!)

というわけで、ナルニアスタッフの方々のブックトークは伺うことができませんでしたが、『2011年に出た子どもの本』には、選書の理由が詳しく書いてあるので、それをかいつまんで紹介したいと思います。
Iナルニア.jpg2011年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2012-03)

『きのこ―ふわり胞子の舞』 埴沙萌 作/写真 ポプラ社
きのこ ―ふわり胞子の舞 (ふしぎいっぱい写真絵本)きのこ ―ふわり胞子の舞 (ふしぎいっぱい写真絵本)
販売元:ポプラ社
(2011-09-16)

『むしをたべるくさ』『ヘビのひみつ』などと同じ「ふしぎいっぱい写真絵本」シリーズの一作。きのこが奉仕を飛ばすということは知識で知っていても実際に飛ぶ様を見たことのある人は、ほとんどいないでしょう。この表紙のきのこから出ている白い筋。これが胞子。胞子を飛ばすことで子孫を増やすきのこ。胞子放出の様子は美しく神秘的です。動物でも植物でもない菌類に興味を持つ子ども達がひとりでも増えるといいですね。

『野球場の一日』いわた慎二郎 講談社
野球場の一日 (講談社の創作絵本)野球場の一日 (講談社の創作絵本)
著者:いわた 慎二郎
販売元:講談社
(2011-06-29)

野球をするのが好きな人も、野球を観戦するのが好きな人も、野球場で働く人がどんなことをしているか、知っている人は少ないでしょう。本書では、朝から追って野球場での仕事を紹介しています。テレビの野球中継では知ることのできない、縁の下の力持ちたちの姿を知ると、野球の応援もまた一味違ってくるかもしれません。

『世界のカブトムシ』今森光彦 アリス館
世界のカブトムシ世界のカブトムシ
著者:今森 光彦
販売元:アリス館
(2011-07)


2000年に出版された『世界のクワガタムシ』の姉妹編。実物大標本写真158点は圧巻です。帯の宣伝文句に「これがカブトムシ美術館だ!」とあるように、虫好きはもちろん、そうでない人も思わず見入ってしまう魅力にあふれた本。カブトムシについて書かれた文章も読みごたえがあります。


『わがはいは中村春吉である。』横田順彌 くもん出版
わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)
著者:横田 順彌
販売元:くもん出版
(2011-03)


明治時代、無謀としか思えない旅行を実行したのが、「中村春吉」です。「この目で、世界を見てやろう!」と決心した春吉は、1902(明治35)年2月23日、横浜港出航の「丹波丸」に乗船し、上海に向かいます。ここから春吉の奇想天外、波乱万丈な旅が始まります。今から110年前に自転車で世界一周旅行した春吉の度胸。子ども達もそこから何かを得てほしいとおもいます。

『少年民藝館』外村吉之介 筑摩書房
少年民藝館少年民藝館
著者:外村 吉之介
販売元:筑摩書房
(2011-03-19)


1984年用美社刊の復刊。世界各地の風土から生まれ、受け継がれてきた暮らしの中の美しい道具や雑貨を紹介しています。「毎日いっしょにいるもの言わぬ友だちも、人に強く影響を与えますから、私どもは用心せねばなりません。もの言わぬ友だちというのは、毎日私たちといっしょにいる道具類のことです。」とはまえがきの言葉。「ものを見る眼」を養い、ものを大切にする視点を子ども達に伝えたいものです。

『鉄は魔法つかい』畠山重篤/スギヤマカナヨ 小学館
鉄は魔法つかい鉄は魔法つかい
著者:畠山 重篤
販売元:小学館
(2011-06-01)

著者は「森は海の恋人」運動を23年、三陸・気仙沼で行ってきたカキやホタテの養殖漁師・畠山重篤さん。カキのえさである植物プランクトンが増えるためには鉄が必要で、それには川の上流の森が、海の生物に必要な鉄をつくる工場の役割をきちんと果たさないといけないのだそうです。この本の出版が決まった後、東日本大震災で被災されたそうですが、大津波から1カ月で生き物が戻ってきた海を見た畠山さんは津波で海が壊れたわけではなく、生き物を育む海はそのままあることを実感し、希望がわき、出版を決めたそうです。

『正しいパンツのたたみ方―新しい家庭科勉強法』南野忠晴  岩波書店
正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)
著者:南野 忠晴
販売元:岩波書店
(2011-02-19)

タイトルに惹かれて私も読んでみました。「家庭科」というと家事を担う女性のものと、30年くらいまで考えられていました。男女共に家庭科が必修になったのは1994年のこと。大阪で初めて男性で家庭科の教師になった著者は訴えます。「僕たちの暮らしは、食生活、住環境、被服環境、家族関係をはじめとする人間関係、収入と支出という経済問題などが幾重にもつながりながら影響を与えあって成り立っているということです。どれかひとつでもバランスを欠いたりすると、暮らしはギクシャクします。そうなると、気持ちの安定を保つのも大変になります。」つまりは、学力も大切だけれど、「生活力」を持たなければいくら勉強ができても人としてバランスを欠くということ。そうした視点から家庭科を見ていくと、ほんとうに豊かな暮らしってなんだろうということを考えることができます。この本は、これから自立していく中高生だけではなく、親にもぜひ読んでほしい1冊です。

『なんいもないけどやってみた―ブラ子のアフリカボランティア日記』栗山さやか 岩波書店
なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)
著者:栗山 さやか
販売元:岩波書店
(2011-10-21)

ブラ子と呼ばれる著者は若い頃(今でも十分若いのですが)渋谷を席巻していた「ガングロ」ギャルでした。そんな彼女が1冊の本と出会うことによって、世界へと目が向けられます。世界放浪の末、アフリカの医療施設でHIVや末期がん、貧困に苦しむ女性たちに寄り添うボランティアとしての活動を始めます。その日々を綴ったのがこの1冊。飾らない文章はブラ子さんの人柄がにじみ出ていて親しみやすく、心にストレートに届きます。将来どのように生きていこうかと悩む中高生にぜひ読んでもらいたい1冊です。



「2011年に出た子どもの本」フィクション、昔話・伝記・詩の会


3月12日に教文館ナルニア国「2011年に出た子どもの本」拡大版ブックトーク、フィクションの会に参加してきました。

7日に行われた絵本の会に続いて、今回は読み物の本と、昔話・伝記・詩についてのブックトークでした。

2011年に入荷したフィクションは1175点。その中から「2011年に出た子どもの本」のリストに選定されたのは225点。昔話・伝記・詩として入荷したのは163点で、リストに選定されたものは42点。その中から選りすぐりのフィクション10点、昔話・伝記・詩は6点について丁寧なブックトークをしていただきました。

【フィクション・ベスト10】
ジェニーとキャットクラブ (世界傑作童話シリーズ)ジェニーとキャットクラブ (世界傑作童話シリーズ)
著者:エスター・アベリル
販売元:福音館書店
(2011-10-19)


絵本から読み物へ移行していく時に特におすすめの1冊。今年になって続編2冊も刊行されています。黒に赤のきいた素敵な挿絵が、物語とぴったりと合う良書です。1982年に発行された後、しばらく絶版でしたが、復刊を願う声が多く、新しく3冊のシリーズになっての刊行です。絵本を卒業し、読み物に移行するお子さんにぜひおすすめしてあげてください。

盆まねき盆まねき
著者:富安 陽子
販売元:偕成社
(2011-07-09)


こちらは中学年以上のお子さんにおすすめの本です。なっちゃんが夏休みにおばあちゃんのところへ行き、信関が集まってお墓参りをしお盆の行事をする3日間が描かれています。大おばあちゃんの話を聞く内に、戦死した会った事のないおじさんの子ども時代の姿になっちゃんは出会います。「人間は2回死ぬんだよ。1回は心臓が止まった時、2回目はみんなに忘れられた時」・・・戦争の記憶を留めておく事、亡くなった人の記憶を留めておく事の大切さがさりげなく触れられています。押しつけがましくなく、戦争のことを伝えるにふさわしい1冊です。

小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-10)


大塚勇三訳『小さなバイキング』(学研)が、石渡利康訳で評論社から復刊されました。続刊も2012年に出版される予定です。(全6巻)ビッケはバイキングと言っても心優しい男の子。次々起こる危機をビッケの知恵で乗り越えていくおはなしです。とてもゆかいな冒険のおはなし。これも低学年向けの読み物としておすすめです。
ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-10)

ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-11)

ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-12)

チビ虫マービンは天才画家!チビ虫マービンは天才画家!
著者:エリース・ブローチ
販売元:偕成社
(2011-03-12)


11歳になったばかりの男の子ジェームスと、彼の家にキッチンにひっそりと住み着いているチビ虫マービンとの友情物語。この虫はいったいなんだろう?と想像すると、虫が苦手な人はエッと思うかもしれません。このマービンの特技は、それはそれは緻密な絵を描くという事!さてさてふたりは思わぬ事件に巻き込まれるのですが・・・これも本が苦手な子には入門編として手渡したい1冊です。

パンプキン!  模擬原爆の夏パンプキン!  模擬原爆の夏
著者:令丈 ヒロ子
販売元:講談社
(2011-07-27)


「若おかみ」シリーズで人気の令丈さんの書いた衝撃的な1冊。テーマは「戦争」「原爆」と重いのですが、主人公の少女ヒロカに寄り添って読む事で、深く読むことができる1冊です。関西弁の語り口で書かれているので、重くなり過ぎず、今の子ども達に「戦争」について考えてもらえる稀有な良書です。


小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)
著者:フランシス・ホジソン・バーネット
販売元:福音館書店
(2011-09-15)


「小公女」はいくつもの抄訳が出ており、多くの人は読んだ気になっていますが、この本は高楼方子さんが思いと力を込めて訳出しなおされた1冊です。表紙の絵のセーラからも伺える通り、意思をしっかり持った何事にも動じない女の子として丁寧に翻訳をされています。アニメなどでは「いじめられているかわいそうな女の子」というイメージですが、何事にも動じず、想像力たくましく、それを糧に生きぬく姿が描かれています。解説には物語の歴史的な背景、当時のイギリスとインドの関係などが書いてあります。YA世代には解説を読む事も合わせておすすめしてください。

ダーウィンと出会った夏ダーウィンと出会った夏
著者:ジャクリーン ケリー
販売元:ほるぷ出版
(2011-07)


7人兄弟の真ん中、しかも男兄弟に挟まれてたったひとりの女の子キャルパーニア。ミミズの捕まえ方が上手だったのを知った長兄にノートを差し出され、「科学的な監察結果を書きとめるといい。おまえは立派な博物学者の卵だ」と言われます。それをきっかけに自然の観察を始めるキャルパーニア。当時、女の子は良妻賢母になることを強いられ、自分の生き方を貫くということが難しかった時代に、迷いながら科学の道に進もうと決めていく少女の姿は、今の子ども達にとっても道を示してくれるきっかけになることでしょう。これが著者のデビュー作だそうです。

【昔話ベスト3】
カンガルーには、なぜふくろがあるのか――アボリジナルのものがたり (大型絵本)カンガルーには、なぜふくろがあるのか――アボリジナルのものがたり (大型絵本)
著者:ジェームズ・ヴァンス・マーシャル(再話)
販売元:岩波書店
(2011-06-04)


オーストラリア先住民族、アポリジナル絵画の伝統である岩絵の具を使用した絵の見事さ。異文化に伝わる昔話は骨太で読みごたえがあります。「本を読むのが苦手!」という高学年の子におすすめの1冊です。



子どもに語るアラビアンナイト子どもに語るアラビアンナイト
著者:茨木 啓子
販売元:こぐま社
(2011-10)

収録されている10話のうちの「背中にコブのある男」をナルニアの選書スタッフKさんが朗読してくださいました。展開がとても面白く、大人でさえも身を乗り出したくなるおはなしでした。朝読書の時間に朗読するのにちょうどいい15分くらいのおはなしでした。また、高学年の子には自分で読んでも面白く感じるでしょう。これも「本を読むのが苦手!」という子におすすめしてほしいという1冊でした。


古代エジプトのものがたり (大型絵本)古代エジプトのものがたり (大型絵本)
著者:ロバート・スウィンデルズ
販売元:岩波書店
(2011-02-03)


古代エジプト文明は3000年もの歴史を持っていますが、そこに伝わるおはなしは長い間知られることがありませんでした。ここ200年ほどでヒエログリフの解読ができるようになり、現代の私たちにも読めるようになったエジプト太陽信仰の物語です。壮大な物語は、子どもたちをも惹きつけるに違いありません。

【伝記・詩のベスト3】

天游―蘭学の架け橋となった男 (くもんの児童文学)天游―蘭学の架け橋となった男 (くもんの児童文学)
著者:中川 なをみ
販売元:くもん出版
(2011-11)


江戸時代に大阪で活躍した蘭学者、中天游(なか・てんゆう)。あまり知られていない人物ですが、福澤諭吉の先生であった適塾の緒方洪庵の師匠であったという事実からも、日本で蘭学を広めた功績はとても大きいのです。一途に学問を究めつつ、妻を心から愛し、蘭学を学ぶ同志と強い絆を結んでいく天游の姿を、人間臭くユーモラスに描いた作品。知的好奇心をくすぐる1冊。YA向けにおすすめです。

星空に魅せられた男 間重富 (くもんの児童文学)星空に魅せられた男 間重富 (くもんの児童文学)
著者:鳴海 風
販売元:くもん出版
(2011-03)


重富は家業の質屋を継ぎながら、天文学に出会い、その虜になります。その後研鑽を積んで、西洋天文学を究め、「寛政の改暦」に貢献した人物です。随所にあるコラムもとても興味深いとのこと。歴史の陰に隠れた地味な人物ですが、その存在は子ども達にぜひ知らせたいと思います。
阪田寛夫全詩集阪田寛夫全詩集
著者:阪田 寛夫
販売元:理論社
(2011-05)


童謡「さっちゃん」でおなじみの阪田寛夫さんの詩集です。本編1001ページの分厚い詩集。創作活動60年間の全1100編を収めた集大成となっています。


【大人のための本より】
本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)
著者:宮崎 駿
販売元:岩波書店
(2011-10-21)


ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」が公開された時のキャンペーンで配布された豆本「宮崎駿がすすめる岩波少年文庫50冊」を新書用に編集しなおしたもの。多くの人々に影響力をもつ宮崎さんが「少年時代に大切な1冊に出会う事」を伝えてくれているところが、私たち、子どもに本を手渡す者にとっても心強い1冊です。これをきっかけに、岩波少年文庫を手にする子ども達がひとりでも増えるといいですね。

ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)
著者:ひこ・田中
販売元:光文社
(2011-08-17)


児童文学者で評論もたくさん手掛けているひこ・田中さんが、私達に問題提起してくれている1冊です。テレビゲームから、テレビヒーローもの、アニメ、マンガ、児童文学まで「子どもの物語」を軸にして読み解いています。名作から最近の作品までを読み解き、子どもたちの育ちにまで言及する視点はとても興味深いものがあります。
自分を育てる読書のために自分を育てる読書のために
著者:脇 明子
販売元:岩波書店
(2011-06-30)


絵本の会では『子どもたちの育ちを支える絵本』が紹介されていました。こちらは中学の図書室で学校司書として脇明子さんの『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』に書かれていることを実践した記録です。子ども時代に本と出会うことのかけがえのなさ、それを支える学校司書の働き、それが生き生きと記されています。図書館の司書も同じように子ども達に大切な本との出会いの場を作っていく存在。立場は違いますが、児童サービス、とくにYAサービスについてのたくさんのヒントが詰まっている1冊です。

絵本の会の様子はこちら


「絵本の事典」が出版されました♪


朝倉書店から「絵本の事典」が出版されました。昨年11月30日に出版されたのですが、すぐに増刷がかかるほどの売れ行きです。というのも、内容がとても充実しているからです。

私自身も会員になっている絵本学会の研究メンバーを中心に執筆されたこの事典には、絵本と子どもの本について知りたことについてかゆい所に手が届くという感じで網羅されています。

指定管理者の図書館には、ぜひ参考図書として購入を検討してみてください。児童サービスについて考えるヒントもたくさん掲載されています。

絵本の事典絵本の事典
販売元:朝倉書店
(2011-11-25)







【絵本の事典】目次

第1章  絵本とは   絵本の起源 絵本のメディアリテラシー

第2章  絵本の歴史と発展 
      イギリスの絵本 ドイツの絵本 フランスの絵本 アメリカの絵本 
      ロシアの絵本  日本の絵本                

第3章  絵本と美術  19世紀の技術革新 産業革命後の美術・工芸運動 
               モダンアートの影響 戦後美術の多様化

第4章  世界の絵本  イタリア オランダ、ベルギー  スペイン 北欧諸国 
               中欧諸国 中国、台湾  韓国  アジア諸国  
               アフリカ諸国  カナダ 中南米諸国  
               オーストリア、ニュージーランド

第5章  絵本いろいろ  日本人は「絵本」がお好き  
               物語系絵本 自然・社会科系絵本
               宗教系の本  ことばの絵本  読者対象別の絵本
               キャラクターの絵本  あそべる絵本  
               用途別の絵本 
               形や大きさ、形態、素材の違いによる絵本
               しかけのある絵本  ハイテク系の絵本  
               流通・販売形態と絵本
               パーソナルな目的で創られる絵本  PR活動と絵本

第6章  絵本の視覚表現  製本の種類と本の各部の名称  
              造本、印刷と表現特性
              しかけ絵本  絵本の表現構造  
              平面表現の基本的要素と視覚的効果
              絵本のタイポグラフィ ヴィジュアルイメージの素材と技法
              絵本における映画的特性  絵本の周辺にみる視覚表現
              絵本づくりのプロセス 

第7章  絵本のことば  ことばの表現(1)音韻 (2)文体
                テクストの構造  翻訳   

第8章  絵本と諸科学  絵本と女性学・ジェンダー  絵本と建築  
                絵本とファッション 絵本と物理学  
                絵本と小児医学・脳科学  絵本と食文化
                絵本と音楽  絵本と野生の教育人間学  
                絵本と詩学
                
第9章  絵本でひろがる世界  子どもと絵本  教育現場と絵本  
                医療と福祉における絵本の活用
                絵本による産業と経済の活性化
                絵本がつくる社会と政治
                絵本との出会い

第10章 資料      文献ガイド  関連団体  絵本の賞 
              絵本美術館および絵本原画等を収蔵する
                        美術館・博物館・文学館
              絵本の原画展


「2010年に出た子どもの本」フィクションの巻


2月9日(水)14:00~16:00

教文館・ナルニア国での「2010年に出た子どもの本」拡大版ブックトークの会の3回目は、フィクションと、昔話・詩・伝記についてのブックレヴューでした。

1237 点のフィクションから265点がリストに選ばれています。その中でも特におススメの本が29点。それはシリーズもので復刊が多数出版されたことによるよう です。特に大日本図書から出版された「新装版ゆかいなゆかいなおはなしシリーズ」からは、『王さまのアイスクリーム』をはじめとして9冊選ばれています。 幼年童話という位置づけで、楽しい設定と意外な展開、個性的な主人公が活躍し、読み応え十分なシリーズとして、小学校低学年向きです。

王さまのアイスクリーム (ゆかいなゆかいなおはなし)王さまのアイスクリーム (ゆかいなゆかいなおはなし)
著者:フランセス ステリット
大日本図書(2010-02)







すずめのくつした (ゆかいなゆかいなおはなし)すずめのくつした (ゆかいなゆかいなおはなし)
著者:ジョージ セルデン
大日本図書(2010-02)







わにのはいた (ゆかいなゆかいなおはなし)わにのはいた (ゆかいなゆかいなおはなし)
著者:マーガリット ドリアン
大日本図書(2010-03)







ちびっこ大せんしゅ (ゆかいなゆかいなおはなし)ちびっこ大せんしゅ (ゆかいなゆかいなおはなし)
著者:シド ホフ
大日本図書(2010-03)

りすのスージー (ゆかいなゆかいなおはなし)りすのスージー (ゆかいなゆかいなおはなし)
著者:ミリアム ヤング
大日本図書(2010-03)

上記以外の「ゆかいなゆかいなおはなしシリーズ」は『ともだちができちゃった!』『なんでもふたつさん』『おとこの子とおもっていた犬』『わたしのおかあさんは世界一びじん』

また昨年は岩波少年文庫創刊60周年記念で、スタジオジブリが、『床下の小人たち』を題材に映画「借りぐらしのアリエッティ」を公開したこととも合わせて、宮崎駿・選「岩波少年文庫の50冊」展を開催するなど、話題を集め、多くの本が復刊されました。

岩 波少年文庫の現在までの発行点数は400点。現在入手可能なのは130点。2010年には17タイトル20冊が新装版あるいは新訳で出版されたもの。それ 以外にリクエスト復刊で限定出版されたものが18冊(こちらは限定出版なので、リストには出ていないそうです!)それらの中からのおススメは12点14 冊。
りこうすぎた王子 (岩波少年文庫)りこうすぎた王子 (岩波少年文庫)
著者:アンドリュー・ラング
岩波書店(2010-04-17)

くろて団は名探偵 (岩波少年文庫)くろて団は名探偵 (岩波少年文庫)
著者:ハンス・ユルゲン・プレス
岩波書店(2010-09-17)

おとなりさんは魔女――アーミテージ一家のお話1 (岩波少年文庫)おとなりさんは魔女――アーミテージ一家のお話1 (岩波少年文庫)
著者:ジョーン・エイキン
岩波書店(2010-06-17)

ふしぎなオルガン (岩波少年文庫)ふしぎなオルガン (岩波少年文庫)
著者:リヒャルト・レアンダー
岩波書店(2010-03-17)

チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)チポリーノの冒険 (岩波少年文庫)
著者:ジャンニ・ロダーリ
岩波書店(2010-10-16)

ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
著者:アーサー・ランサム
岩波書店(2010-07-15)

バンビ――森の、ある一生の物語 (岩波少年文庫)バンビ――森の、ある一生の物語 (岩波少年文庫)
著者:フェーリクス・ザルテン
岩波書店(2010-10-16)






これ以外で選ばれていたのが『ねむれなかったら木にのぼれ』『ゾウになった赤ちゃん』『消えた王子』上・下『八月の暑さのなかで』

シリーズもの以外では
かさをかしてあげたあひるさん (福音館創作童話シリーズ)かさをかしてあげたあひるさん (福音館創作童話シリーズ)
著者:村山籌子
福音館書店(2010-04-14)

子ども寄席 春・夏 (シリーズ本のチカラ)子ども寄席 春・夏 (シリーズ本のチカラ)
著者:柳亭 燕路
日本標準(2010-04)

子ども寄席 秋・冬 (シリーズ本のチカラ)子ども寄席 秋・冬 (シリーズ本のチカラ)
著者:柳亭 燕路
日本標準(2010-04)

ほこりまみれの兄弟ほこりまみれの兄弟
著者:ローズマリー・サトクリフ
評論社(2010-08)

ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)ピーティ (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
著者:ベン マイケルセン
鈴木出版(2010-05)

第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music
著者:佐藤 多佳子
文藝春秋(2010-11)

聖夜 ― School and Music聖夜 ― School and Music
著者:佐藤 多佳子
文藝春秋(2010-12-09)

墓場の少年  ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活
著者:ニール・ゲイマン
角川書店(角川グループパブリッシング)(2010-09-25)







29冊が特におススメとして選ばれたのですが、『かさをかしてあげたあひるさん』『子ども寄席』2冊と、佐藤多佳子さんの『第二音楽室』と『聖夜』以外は皆外国の作者のもの。そして復刊が多い所をみると、いわゆるロングセラー。

日 本の作品でも村山籌子さんは、私の子ども時代に母が読んでくれていたお話・・・つまり古典的名作のもの(1927年から1938年に書かれた作品というか ら、私の子ども時代に読んでもらった時点でもかなり古かったわけですが、ちっとも古びないところがすごい!)、『子ども寄席』も1975年のシリーズで す。そういう意味では佐藤多佳子さんの作品は、今の子ども達にぴったりくる本なのかもしれません。装丁もとってもセンスがよくて、早速購入しました。年代 的には中学生以上・・・YAのジャンルでしょうか。

昔話ではゴハおじさんのゆかいなおはなし エジプトの民話
ゴハおじさんのゆかいなおはなし エジプトの民話

著者:デニス・ジョンソン‐デイヴィーズ
徳間書店(2010-01-21)






今まさに注目のエジプトのお話が選ばれていてタイムリーに感じました。「ゴハおじさん」とは、日本では「きっちょむさん」のような、昔話ではよく出てくるおとぼけキャラクターだそうです。、上記以外では『まめたろう』(愛蔵版おはなしのろうそく10/東京子ども図書館)『子どもに語るイギリスの昔話』(松岡享子編訳/太田大八絵/こぐま社)が選ばれていました。
 
 伝記では
変わり者 ピッポ変わり者 ピッポ
著者:トレイシー・E. ファーン
光村教育図書(2010-02)







ルネサンス期の偉大な建築家、ブルネレスキの伝記絵本。今もそびえるフィレンツェのサンタ・マリア大聖堂の大ドームを案年もかかって完成させるまでを描いています。

 
詩では
それ ほんとう? (福音館創作童話シリーズ)それ ほんとう? (福音館創作童話シリーズ)
著者:松岡享子
福音館書店(2010-10-06)







長らく復刊が待たれていたことばあそびの本です。五十音どこから取っても読み始めることができ、読み聞かせの導入に使える1冊です。その日の気分に合わせて「お」とか、「さ」とか、「ふ」で始まるお話を読んで、最後に読み手を聴き手がいっしょになって「それほんとう?」と相の手を入れます。幼児から小学生高学年、大人まで楽しむことができます。

えいご・のはらうたえいご・のはらうた
著者:くどう なおこ
童話屋(2010-04)







左ページに日本語、右ページに英語のうたが並んで掲載されています。英語も、日本語の時と同様にリズミカルで楽しく、難しい単語もなく読みやすいものになっています。これもおはなし会の導入で、ひとつふたつ季節に合わせて選んで読んであげるも楽しいでしょう。

 ほか、『ある子どもの詩の庭で』(スティーブンソン作/ガーネット絵/間崎ルリ子訳/瑞雲社)『適切な世界の適切ならざる私』(文月悠光/思潮社)が選ばれていました。

その他56点のブックレヴューをしてくださり、3回目も大幅予定延長。4時過ぎまで本の内容をじっくり紹介していただき、充実の時間になりました。 

「2010年に出た子どもの本」ノンフィクションの巻


2月5日(土) 14:00~16:30

教文館子どもの本のみせナルニア国の「2010年に出た子どもの本」のブックトークの第2回目は、ノンフィクションの会。
2010年に出版されたノンフィクションの本は1509点。その中でおススメの本としてリストに入ったのは、220点。なかでも特におススメは10点でした。

特におススメの10点は・・・
むしのかお (ふしぎいっぱい写真絵本)むしのかお (ふしぎいっぱい写真絵本)
著者:新開 孝
ポプラ社(2010-07-09)





虫 の顔ってアップでみると、結構キュートなんですよね。普段は虫苦手なほうですが、この本の虫達はつぶらな瞳がとてもかわいい♪中には、これぞ元祖仮面ライ ダーっていうのもあって面白いです。虫の顔アップの本は、今森光彦さんの『だれだかわかるかい むしのかお』福音館書店がありましたが、この本もおススメ だそうです。

水草の森 プランクトンの絵本 (ちしきのぽけっと 10)水草の森 プランクトンの絵本 (ちしきのぽけっと 10)
著者:今森 洋輔
岩崎書店(2010-03-20)







今森光彦さんの弟さんの洋輔さんは琵琶湖をフィールドにしているのだそうです。この本ではプランクトンが細密に描かれています。顕微鏡でやっと見える小さな生物の表情の豊かなこと!科学絵本なのにとてもクオリティの高い本でした。

たのしい マジックたのしい マジック
著者:ゆうき とも
偕成社(2010-10-13)







ナルニアの担当のSさんが、実際にひとつのマジックを演じてくださいました。千円札の夏目漱石が逆立ちするというマジックです。Sさん曰く、他のマジックの本とは一味違っていて、単なるハウツー本ではないところがおススメなのだそうです。


カクレクマノミは大きいほうがお母さん (絵本・海の生きもの)カクレクマノミは大きいほうがお母さん (絵本・海の生きもの)
著者:鈴木 克美
あかね書房(2010-03)







これは私も実際に借りて読んでみました。科学読み物なのに、ストーリー性があって、物語を楽しむようにしてカクレクマノミとイソギンチャクの共生のことなどが、よく理解できる本でした。読み聞かせに使っても面白い1冊です。
ホネホネ絵本ホネホネ絵本
著者:スティーブ ジェンキンズ
あすなろ書房(2010-09-30)







こ の骨の本は、なんといっても切り絵で出来ているところが素晴らしいのです。また最初にでてくる1本のほね。それは指の骨。そこから手全体の骨がどのように 組み合わさっているのか、そして身体全体の骨格がどのようになっているのかがわかります。圧巻は人の全ての骨を分解している絵。それが大きく見開いたペー ジでの骸骨標本に!迫力がありました。

イモムシハンドブックイモムシハンドブック
著者:安田 守
文一総合出版(2010-04-10)







イ モムシを見ただけで成虫の姿を想像出来る人って、よほどのマニアでないと・・・いないですよね。私自身も以前アゲハ蝶とクロアゲハの幼虫の区別ができてい なくて、蛹から羽化する時にびっくりしたことがありました。このハンドブックはイモムシから成虫(91種類の蝶と135種類の蛾)が見分けられる1冊です。

木のなまえノート―知ってそうなの?会えてなるほど木のなまえノート―知ってそうなの?会えてなるほど
著者:いわさ ゆうこ
文化出版局(2010-03)







木のなまえの由来から、分類した木の図鑑。手にとってなるほど。木の名前の由来と、その生態とがわかる1冊。植物好きにはたまらないですw

岩石と鉱物 ―読む宝石!― (科学キャラクター図鑑)岩石と鉱物 ―読む宝石!― (科学キャラクター図鑑)
著者:ダン・グリーン
玉川大学出版部(2010-05-28)







鉱物について、こんなにわかりやすく解説した本はなかったそうです^^それぞれの鉱物の特徴がキャラクター化されています。親しみやすい本から読み始めて、もっと深く研究したいと思う子ども達が出てほしいという願いがあるのだそうです。

煮干しの解剖教室 (オリジナル入門シリーズ)煮干しの解剖教室 (オリジナル入門シリーズ)
著者:小林 眞理子
仮説社(2010-07)







ナ ルニアの担当のKさんが、実際に煮干しを解剖して、標本にしたものを展示してくださいました。煮干しであっても、心臓に腸、肝臓、卵巣など臓器がきれいに 分別できるということにも驚き!普段、出汁を取るのに使っている煮干しが、身近な実験の材料として使えることにも驚きでした。

図書館ラクダがやってくる―子どもたちに本をとどける世界の活動図書館ラクダがやってくる―子どもたちに本をとどける世界の活動
著者:マーグリート ルアーズ
さえら書房(2010-04)

2010 年は国民読書年だったんですよね。図書館ではともかく一般にはあまり知られていませんでしたが・・・世界中で本を読みたいと思う人のところへ届ける仕事を している人はいっぱいいるのですね。舟を使って、そりに載せて、らくだに積んで・・・その遠問い活動の記録です。

特におススメの10冊はじっくり紹介してくださり、その後220冊すべてを短い言葉でレヴュー。予定の時間を大幅に過ぎて約2時間半。充実した時間でした!

「2010年に出た子どもの本」絵本の巻


1月31日(月) 2時~

ここ数年毎年参加している銀座・教文館こどもの本のみせナルニア国の拡大版ブックトークの会。前年に出た子どもの本の中から、よかった本をまとめてすべて紹介してくださる会です。ナルニア国の「子どもの本この1年」の棚を担当する3名のスタッフの方々が、すべての本を読んだ上で、「絵本の会」「ノンフィクションの会」「フィクションの会」の3回にわけて、すべてを紹介してくださいます。

今年もそれに合わせて『2010年に出た子どもの本』教文館 が出ました。
amazonでは、まだ取り扱い始っていないようで(本の奥付には2011年2月3日初版発行になっています。)昨年度版をここに紹介します。
2009年に出た子どもの本2009年に出た子どもの本
教文館(2010-02)








2010年に入荷した子どもの本の新刊は、4124点。その中から、おすすめの本を588点ほど厳選。書誌データとともに、解題つまり紹介文をつけたリストです。絵本、フィクション、昔話・伝記・詩、ノンフィクションの4つのカテゴリーにわかれています。

31日はその第一回目、「絵本の会」でした。

ナルニアのスタッフが選んだ絵本は56点。その中でも特によかったと思われる絵本は8冊でした。昨年は1283点中、64点で特によかったと思われる本は9冊。2008年は1349点中60点で、特によかった絵本は7冊。今年は1160点中なのでまずますなのでしょうか?

こ れだけ多くの絵本が出版される中で、司書としての経験も豊かなナルニアのスタッフのお目にかなう絵本が意外にも少ないということは、今 東京子ども図書館で受講している第15期子どもの図書館講座「いま、子どもの本をつくる・届ける」でも如実に表れている、本の作り手側の問題と読者の層の広がりという点にあるのかもしれません。

ナルニアの『2010年に出た子どもの本』に先だって「2010MOE厳選絵本リスト」(月刊MOE2011年2月号)
MOE (モエ) 2011年 02月号 [雑誌]MOE (モエ) 2011年 02月号 [雑誌]
白泉社(2010-12-29)








そのリストの選ばれている134冊のうち、ナルニアのリストと重複する絵本は、たったの5冊。選書の基準、視点がまったく違っていることがわかります。

さて、ナルニアが選んだ「特におススメしたい8冊」は・・・
ベンジーのもうふベンジーのもうふ
著者:マイラ・ベリー ブラウン
画:ドロシー・マリノ
あすなろ書房(2010-10-20)

クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)
著者:アリスン・アトリー 画:山内ふじ江
訳:上條由美子
福音館書店(2010-10-06)






もりのおとぶくろもりのおとぶくろ
著者:わたり むつこ
のら書店(2010-04)







どろんこのおともだちどろんこのおともだち
著者:バーバラ・マクリントック
ほるぷ出版(2010-10-29)







よるのいえ (大型絵本)よるのいえ (大型絵本)
著者:スーザン・マリー・スワンソン
岩波書店(2010-11-06)







せかいいち おいしいスープ (大型絵本)せかいいち おいしいスープ (大型絵本)
著者:マーシャ・ブラウン
岩波書店(2010-04-22)







ポインセチアはまほうの花―メキシコのクリスマスのおはなしポインセチアはまほうの花―メキシコのクリスマスのおはなし
著者:ジョアンヌ オッペンハイム
光村教育図書(2010-09)






おかのうえのギリス (大型絵本)おかのうえのギリス (大型絵本)
著者:マンロー・リーフ
岩波書店(2010-10-15)







以上、8冊でした。ちなみにMOEの「愛読者と作家が選ぶ絵本ベスト30」(MOE読者と絵本作家による投票)には、以上の8冊は選ばれていません。ちなみに、MOEのベスト10は(上から順に得点が高い絵本です)
りすでんわりすでんわ
著者:高橋 和枝
白泉社(2010-09)







まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)
著者:かがくい ひろし
佼成出版社(2010-01)







おおきな木おおきな木
著者:シェル・シルヴァスタイン
あすなろ書房(2010-09-02)







うんこ!うんこ!
著者:サトシン
文溪堂(2009-12)







チリとチリリゆきのひのおはなしチリとチリリゆきのひのおはなし
著者:どい かや
アリス館(2010-01)





いいからいいから〈4〉いいからいいから〈4〉
著者:長谷川 義史
絵本館(2010-05-25)







続・しごとば続・しごとば
著者:鈴木 のりたけ
ブロンズ新社(2010-01)







ふでばこのなかのキルルふでばこのなかのキルル
著者:松成 真理子
白泉社(2010-09)







にんぎょうげきだんにんぎょうげきだん
著者:こみね ゆら
白泉社(2010-05)





ダヤンのアベコベアの月ダヤンのアベコベアの月
著者:池田 あきこ
白泉社(2010-06)







また別にMOE絵本屋さん大賞というものもあり、そちらのベスト10は以下の通り(全国1000人の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者にアンケートを実施し2010年に最も支持された絵本を決定)
うんこ!うんこ!
著者:サトシン
文溪堂(2009-12)

210ポイント





もぐらバス (日本の絵本)もぐらバス (日本の絵本)
著者:佐藤 雅彦
偕成社(2010-04-08)

91ポイント



だじゃれ日本一周だじゃれ日本一周
著者:長谷川 義史
理論社(2009-12)

78ポイント





おやおや、おやさい (幼児絵本シリーズ)おやおや、おやさい (幼児絵本シリーズ)
著者:石津ちひろ
福音館書店(2010-06-02)

58ポイント





まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)
著者:かがくい ひろし
佼成出版社(2010-01)

56ポイント





どんぐりむらのぼうしやさん (どんぐりむらシリーズ)どんぐりむらのぼうしやさん (どんぐりむらシリーズ)
著者:なかや みわ
学習研究社(2010-09-01)

50ポイント



まるまるまるのほんまるまるまるのほん
ポプラ社(2010-11-19)

48ポイント






おふとんかけたらおふとんかけたら
著者:かがくい ひろし
ブロンズ新社(2009-10)

44ポイント





わにわにのおおけが (幼児絵本シリーズ)わにわにのおおけが (幼児絵本シリーズ)
著者:小風さち
福音館書店(2010-03-03)

42ポイント





百年の家 (講談社の翻訳絵本)百年の家 (講談社の翻訳絵本)
著者:J.パトリック・ルイス
講談社(2010-03-11)

39ポイント





私 はいずれも書店や図書館で手にして、全部読んでみました。そして思ったのは、MOEが選んだ本には、「売れている!」という実績があるということ。絵本専門店でなくても、大きな書店の絵本コーナーには平積みにして置いてあります。子ども達もよく手にします。若い人たちも手にします。人気があるのも、なるほど な~と思います。絵が綺麗だったり、可愛かったりで、華があります。あるいは、とにかく抱腹絶倒、面白いのです。

でも、では繰り返し繰り返し読むだろうか?子どもたちの心の琴線に触れて、長く読み継がれる本になっていくのだろうか?という視点で見ると、面白さの質と いうのでしょうか、絵やことばの持っている深さ、味わいというものが、ナルニアスタッフの選んだ本とは全然次元が違うと思ってしまいます。

MOEが選んだ134冊とナルニア選書で重複していた6冊は以下の通り。
もりのおとぶくろもりのおとぶくろ
著者:わたり むつこ
のら書店(2010-04)







おおきな木おおきな木
著者:シェル・シルヴァスタイン
あすなろ書房(2010-09-02)







かわうそ3きょうだい (えほんひろば)かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
著者:あべ 弘士
小峰書店(2009-11)






みつばちみつひめ―どどんとなつまつりの巻みつばちみつひめ―どどんとなつまつりの巻
著者:秋山 あゆ子
ブロンズ新社(2010-07)





くまさん おでかけ (福音館の幼児絵本)くまさん おでかけ (福音館の幼児絵本)
著者:なかがわりえこ
福音館書店(2010-03-03)







ワンガリの平和の木―アフリカでほんとうにあったおはなしワンガリの平和の木―アフリカでほんとうにあったおはなし
著者:ジャネット ウィンター
BL出版(2010-01)


こ ぐま社の佐藤さんが、「よい絵本とは、子どもたちがずっとずっと支持し続けてくれる本であるということ。「もう1回読んで!」「もう1回」と繰り返し読ん でほしいと持ってくる本であり、出版社はそれに応えて出版し続けることに使命がある。」とおっしゃった上で、「今は需要よりもはるかに供給が上回ってい る、出版社が読者が何を求めているのか考えなければならないのに、自分たちが売りたいものを売っているところに、 問題の根源があるのではないか。読者が別に読みたくもない本ばかりが本屋さんに並んでいる現状に、目をそらさないで気がついていかなければならないので は。子どもの本の出版に関しても、ここ20年編集プロダクションが増加し、出版されている本も玉石混交の状態。」と、指摘されていたことを思い出します。(「いま、子どもの本をつくる・届ける」第2回
そこで、ナルニアスタッフがすすめる関連書が次の2冊でした。
画集 赤羽末吉の絵本画集 赤羽末吉の絵本
著者:赤羽 末吉
講談社(2010-05-12)







伝説の編集者ノードストロムの手紙--アメリカ児童書の舞台裏伝説の編集者ノードストロムの手紙–アメリカ児童書の舞台裏
著者:レナード.S.マーカス
偕成社(2010-12-01)







この2冊は、本の作り手、届け手がどんな思いで、本づくりに携わったかの思いが伝わってくる本です。読者が子どもだからこそ、真摯に本づくりに向かい合っ た記録は、子どもに本を手渡す仕事をする司書が、どういう視点で選書をするべきなのかを問いかけてくれていると思います。

教文館ナルニア国ナルニアホールでは、スタッフの選んだ588点、全て手に取って読める展示をしています。ぜひ行って実際に見てみてください。→こちら(2月13日まで)

なお、絵本の会、ノンフィクションの会、フィクションの会が終了したのち、選書業務のある指定管理館へは資料等を配布いたします。どうぞお楽しみに。ぜひ選書の参考にしてみてください。

ブックトークをする人のために


この度、教文館から学校司書としてのキャリア30年の高桑弥須子さんが、その経験に基づいた学校でのブックトークの入門書をこの度上梓されました。

DSCN3315本の帯には、「初心者でもこの本があれば大丈夫!!」「経験豊富な現役司書が伝授するブックトークの作り方と学校図書館司書のはたらきのすべて!」「①準備から後日談まで 13本のブックトーク実践例を収録
 ②ブックトーク現場の空気を、シナリオ形式で子どもたちの反応も再現 ③司書の年間スケジュールから配布資料まで役立つ資料を多数掲載 ④現役司書ならではの具体的なアドバイスがいっぱい!」とあります。

なんて心強いことでしょう。
 
この本に書かれているブックトークの内容は、実際に子ども達に実践した様子なので、とても具体的で、子ども達の反応が活き活きと伝わってくるかのようです。

指定管理館の中には、学校支援の一環として学校でのブックトークを業務としているところも多いでしょう。

ぜひこの本を座右において、ブックトークの力強い助っ人にしてみてはいかがでしょうか?

YA『心の友だちシリーズ』読んでみました♪


前回、YAコーナーで紹介した10代からはじめる新書は、ご覧になりましたか?

9月16日に開催した児童部会では、各館の児童サービス担当者に資料をお渡ししましたが、YAの選書のお役にたっているでしょうか?

さて、児童部会に合わせて、PHP研究所のYA向け新書を見本でいただきました。まず読んでみようと、読みました。


大人になる前に身につけてほしいこと (YA心の友だちシリーズ)大人になる前に身につけてほしいこと (YA心の友だちシリーズ)
著者:坂東 眞理子
PHP研究所(2008-06-27)

『女性の品格』を書かれた坂東さんの本です。読んでみて思ったのは、「そうそう、こういうこと、娘に伝えたかった!」という内容ばかり。同じことでも親が言うと「うざい」と感じることでも、坂東さんのことばだとす~っと胸に入っていくようです。私も試しに家で娘にも読んでもらいました。
女性が、ひとりの人間として社会で生きていく為に、しかも自分自身に自信を持ち、自己肯定して生きるための、ちょっとした心の持ち方などが書かれていて、しかもとても読後清々しい気持ちになりました。
他人の目が気になって仕方がなく、自分自身を見失いそうになる中高生のみなさんにぜひ手渡してあげてほしい1冊です。

夢をかなえる感性の磨き方 (YA心の友だちシリーズ)夢をかなえる感性の磨き方 (YA心の友だちシリーズ)
著者:佳川 奈未
PHP研究所(2010-06-17)

こちらも女性の生き方についての指南書。誰でも自分の思い描いた通りに生きたいと願いつつ、挫折したり、諦めたりしてしまうもの。でも作者の佳川奈未さんは、ご自身の経験をもとに、逆境に屈せず信念を貫き通しつつ、夢を叶えていかれた方。どのように自分をみつめ、自分の夢をかなえていったのか、特に心の持ち方についてわかりやすく伝えてくれる1冊です。



図書館必備シリーズとしてPHP研究所より、創刊セットで9冊、続刊セットで5冊、全14巻出版されています。

シリーズの説明には「自分の人生を考えはじめる中学・高校生に贈る、各界の達人、先輩からの生き方アドバイス。自分の性格、容姿、進路から、友だち、異性、性の悩みまで壁に直面したときどう乗り越えるか。「心の友だち」は、生きぬく知恵、知っておいてほしい大切なこと、人生を豊かにするヒントを教えてくれるシリーズです。」とあります。YA選書の参考にしてみてくださいね。


10代からはじめる新書 ブクログのご紹介♪



YAの担当者にとって、頭が痛いのが選書ですよね。

幼い子どもたちのための絵本のリストや、児童書のリストは、いろいろな形でたくさん出回っています。季刊誌『えほん大好きマガジン この本読んで!」(JPIC)や、月刊誌『MOE』などもあり、比較的新しい本の選書にも迷わずにすみます。

それに自分たちで選書する時に、絵本などは1冊読み終わるのにも時間がかからず、自分で読んでみて選ぶことが可能です。

しかしYA本になると、新聞の書評欄に定期的に特集はされていますが、多感な思春期の子どもたちを相手にするので、その子達に向けての本は多種多様にわたり、明確な基準を担当者が持たない限り、なかなか選びきれません。

思春期の子どもたちと図書館現場で交流したり、学校の先生に情報をもらったりできればいいのですが、そういう時間もなかなか取れないという方にこのサイトはとても役に立ちます。

10代からはじめる新書

サイトの紹介にはこんな文章が!「今までの「学び」にはあきたらず、新しい世界をみずからひらいていこうとする、とりわけ若い世代に向けたノンフィクション・シリーズを提供する版元数社による合同サイトです。
新鮮で詳細な情報をお届けします! あなたにピッタリのシリーズ、ドンぴしゃな1冊探しに、ぜひ!」

ぜひYA選書の参考にしてみてくださいね♪

lady-ar.gif

 

赤ちゃんと保護者のための本1



ブックスタートが日本で本格的に実施されたのは2001年。

きっかけは2000年の「こども読書年」でした。準備を含め、1992年に始まったイギリス・バーミンガムでの活動の理念を視察に行った様子や、日本のブックスタートが目指しているものなどをまとめた本が出ています。特に「Read booksではなく、Share books」という理念は、英国での取り組みに読むことで、よく理解できるようになります。

赤ちゃんと絵本をひらいたら――ブックスタートはじまりの10年赤ちゃんと絵本をひらいたら――ブックスタートはじまりの10年
著者:NPOブックスタート
販売元:岩波書店
発売日:2010-02-25

私たちが受託する図書館でも、行政がブックスタートを開始しているところでは、ブックスタート事業に関わり、赤ちゃんとお母さんたちに絵本を手渡すお手伝いをしています。

だからこそブックスタートの理念を学び、その背景を正確に理解しておくことはとても大切なことだと思います。またこの本は子育て中の保護者にも読んでほしい内容です。



絵本は愛の体験です。絵本は愛の体験です。
著者:松居 友
販売元:洋泉社
発売日:2000-09


福音館書店名誉会長の松居直さんのことは絵本を愛する人は誰でもその名前を聞けば「!」と思うでしょう。
福音館書店の創業に参画し、1956年月刊物語絵本「こどものとも」を創刊、それと同時に日本に優れた海外の絵本をたくさん紹介し、また「こどものとも」の編集者として堀内誠一さん、赤羽末吉さん、かこさとしさん、安野光雅さん、長新太さん、山脇百合子さん、神沢利子さん、五味太郎さんなど多くの絵本作家が福音館書店の絵本からデビューしています。

そのご長男が書かれた本『絵本は愛の体験です。』は、松居さんの息子さんだからこその体験というだけでなく、すべての子どもたちに味わってほしい体験です。絵本を読んでもらうということが、どんな意味を持つのか、子育て中の保護者の方ばかりでなく、児童サービスに関わるスタッフのみなさんにもぜひ読んでもらいたい一冊です。

トップページに戻る