新刊本・話題の本

「2010年に出た子どもの本」絵本の巻
ブックトークをする人のために
YA『心の友だちシリーズ』読んでみました♪
10代からはじめる新書 ブクログのご紹介♪
赤ちゃんと保護者のための本1

「2010年に出た子どもの本」絵本の巻


1月31日(月) 2時~

ここ数年毎年参加している銀座・教文館こどもの本のみせナルニア国の拡大版ブックトークの会。前年に出た子どもの本の中から、よかった本をまとめてすべて紹介してくださる会です。ナルニア国の「子どもの本この1年」の棚を担当する3名のスタッフの方々が、すべての本を読んだ上で、「絵本の会」「ノンフィクションの会」「フィクションの会」の3回にわけて、すべてを紹介してくださいます。

今年もそれに合わせて『2010年に出た子どもの本』教文館 が出ました。
amazonでは、まだ取り扱い始っていないようで(本の奥付には2011年2月3日初版発行になっています。)昨年度版をここに紹介します。
2009年に出た子どもの本2009年に出た子どもの本
教文館(2010-02)








2010年に入荷した子どもの本の新刊は、4124点。その中から、おすすめの本を588点ほど厳選。書誌データとともに、解題つまり紹介文をつけたリストです。絵本、フィクション、昔話・伝記・詩、ノンフィクションの4つのカテゴリーにわかれています。

31日はその第一回目、「絵本の会」でした。

ナルニアのスタッフが選んだ絵本は56点。その中でも特によかったと思われる絵本は8冊でした。昨年は1283点中、64点で特によかったと思われる本は9冊。2008年は1349点中60点で、特によかった絵本は7冊。今年は1160点中なのでまずますなのでしょうか?

こ れだけ多くの絵本が出版される中で、司書としての経験も豊かなナルニアのスタッフのお目にかなう絵本が意外にも少ないということは、今 東京子ども図書館で受講している第15期子どもの図書館講座「いま、子どもの本をつくる・届ける」でも如実に表れている、本の作り手側の問題と読者の層の広がりという点にあるのかもしれません。

ナルニアの『2010年に出た子どもの本』に先だって「2010MOE厳選絵本リスト」(月刊MOE2011年2月号)
MOE (モエ) 2011年 02月号 [雑誌]MOE (モエ) 2011年 02月号 [雑誌]
白泉社(2010-12-29)








そのリストの選ばれている134冊のうち、ナルニアのリストと重複する絵本は、たったの5冊。選書の基準、視点がまったく違っていることがわかります。

さて、ナルニアが選んだ「特におススメしたい8冊」は・・・
ベンジーのもうふベンジーのもうふ
著者:マイラ・ベリー ブラウン
画:ドロシー・マリノ
あすなろ書房(2010-10-20)

クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)
著者:アリスン・アトリー 画:山内ふじ江
訳:上條由美子
福音館書店(2010-10-06)






もりのおとぶくろもりのおとぶくろ
著者:わたり むつこ
のら書店(2010-04)







どろんこのおともだちどろんこのおともだち
著者:バーバラ・マクリントック
ほるぷ出版(2010-10-29)







よるのいえ (大型絵本)よるのいえ (大型絵本)
著者:スーザン・マリー・スワンソン
岩波書店(2010-11-06)







せかいいち おいしいスープ (大型絵本)せかいいち おいしいスープ (大型絵本)
著者:マーシャ・ブラウン
岩波書店(2010-04-22)







ポインセチアはまほうの花―メキシコのクリスマスのおはなしポインセチアはまほうの花―メキシコのクリスマスのおはなし
著者:ジョアンヌ オッペンハイム
光村教育図書(2010-09)






おかのうえのギリス (大型絵本)おかのうえのギリス (大型絵本)
著者:マンロー・リーフ
岩波書店(2010-10-15)







以上、8冊でした。ちなみにMOEの「愛読者と作家が選ぶ絵本ベスト30」(MOE読者と絵本作家による投票)には、以上の8冊は選ばれていません。ちなみに、MOEのベスト10は(上から順に得点が高い絵本です)
りすでんわりすでんわ
著者:高橋 和枝
白泉社(2010-09)







まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)
著者:かがくい ひろし
佼成出版社(2010-01)







おおきな木おおきな木
著者:シェル・シルヴァスタイン
あすなろ書房(2010-09-02)







うんこ!うんこ!
著者:サトシン
文溪堂(2009-12)







チリとチリリゆきのひのおはなしチリとチリリゆきのひのおはなし
著者:どい かや
アリス館(2010-01)





いいからいいから〈4〉いいからいいから〈4〉
著者:長谷川 義史
絵本館(2010-05-25)







続・しごとば続・しごとば
著者:鈴木 のりたけ
ブロンズ新社(2010-01)







ふでばこのなかのキルルふでばこのなかのキルル
著者:松成 真理子
白泉社(2010-09)







にんぎょうげきだんにんぎょうげきだん
著者:こみね ゆら
白泉社(2010-05)





ダヤンのアベコベアの月ダヤンのアベコベアの月
著者:池田 あきこ
白泉社(2010-06)







また別にMOE絵本屋さん大賞というものもあり、そちらのベスト10は以下の通り(全国1000人の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者にアンケートを実施し2010年に最も支持された絵本を決定)
うんこ!うんこ!
著者:サトシン
文溪堂(2009-12)

210ポイント





もぐらバス (日本の絵本)もぐらバス (日本の絵本)
著者:佐藤 雅彦
偕成社(2010-04-08)

91ポイント



だじゃれ日本一周だじゃれ日本一周
著者:長谷川 義史
理論社(2009-12)

78ポイント





おやおや、おやさい (幼児絵本シリーズ)おやおや、おやさい (幼児絵本シリーズ)
著者:石津ちひろ
福音館書店(2010-06-02)

58ポイント





まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)まくらのせんにん そこのあなたの巻 (クローバーえほんシリーズ)
著者:かがくい ひろし
佼成出版社(2010-01)

56ポイント





どんぐりむらのぼうしやさん (どんぐりむらシリーズ)どんぐりむらのぼうしやさん (どんぐりむらシリーズ)
著者:なかや みわ
学習研究社(2010-09-01)

50ポイント



まるまるまるのほんまるまるまるのほん
ポプラ社(2010-11-19)

48ポイント






おふとんかけたらおふとんかけたら
著者:かがくい ひろし
ブロンズ新社(2009-10)

44ポイント





わにわにのおおけが (幼児絵本シリーズ)わにわにのおおけが (幼児絵本シリーズ)
著者:小風さち
福音館書店(2010-03-03)

42ポイント





百年の家 (講談社の翻訳絵本)百年の家 (講談社の翻訳絵本)
著者:J.パトリック・ルイス
講談社(2010-03-11)

39ポイント





私 はいずれも書店や図書館で手にして、全部読んでみました。そして思ったのは、MOEが選んだ本には、「売れている!」という実績があるということ。絵本専門店でなくても、大きな書店の絵本コーナーには平積みにして置いてあります。子ども達もよく手にします。若い人たちも手にします。人気があるのも、なるほど な~と思います。絵が綺麗だったり、可愛かったりで、華があります。あるいは、とにかく抱腹絶倒、面白いのです。

でも、では繰り返し繰り返し読むだろうか?子どもたちの心の琴線に触れて、長く読み継がれる本になっていくのだろうか?という視点で見ると、面白さの質と いうのでしょうか、絵やことばの持っている深さ、味わいというものが、ナルニアスタッフの選んだ本とは全然次元が違うと思ってしまいます。

MOEが選んだ134冊とナルニア選書で重複していた6冊は以下の通り。
もりのおとぶくろもりのおとぶくろ
著者:わたり むつこ
のら書店(2010-04)







おおきな木おおきな木
著者:シェル・シルヴァスタイン
あすなろ書房(2010-09-02)







かわうそ3きょうだい (えほんひろば)かわうそ3きょうだい (えほんひろば)
著者:あべ 弘士
小峰書店(2009-11)






みつばちみつひめ―どどんとなつまつりの巻みつばちみつひめ―どどんとなつまつりの巻
著者:秋山 あゆ子
ブロンズ新社(2010-07)





くまさん おでかけ (福音館の幼児絵本)くまさん おでかけ (福音館の幼児絵本)
著者:なかがわりえこ
福音館書店(2010-03-03)







ワンガリの平和の木―アフリカでほんとうにあったおはなしワンガリの平和の木―アフリカでほんとうにあったおはなし
著者:ジャネット ウィンター
BL出版(2010-01)


こ ぐま社の佐藤さんが、「よい絵本とは、子どもたちがずっとずっと支持し続けてくれる本であるということ。「もう1回読んで!」「もう1回」と繰り返し読ん でほしいと持ってくる本であり、出版社はそれに応えて出版し続けることに使命がある。」とおっしゃった上で、「今は需要よりもはるかに供給が上回ってい る、出版社が読者が何を求めているのか考えなければならないのに、自分たちが売りたいものを売っているところに、 問題の根源があるのではないか。読者が別に読みたくもない本ばかりが本屋さんに並んでいる現状に、目をそらさないで気がついていかなければならないので は。子どもの本の出版に関しても、ここ20年編集プロダクションが増加し、出版されている本も玉石混交の状態。」と、指摘されていたことを思い出します。(「いま、子どもの本をつくる・届ける」第2回
そこで、ナルニアスタッフがすすめる関連書が次の2冊でした。
画集 赤羽末吉の絵本画集 赤羽末吉の絵本
著者:赤羽 末吉
講談社(2010-05-12)







伝説の編集者ノードストロムの手紙--アメリカ児童書の舞台裏伝説の編集者ノードストロムの手紙–アメリカ児童書の舞台裏
著者:レナード.S.マーカス
偕成社(2010-12-01)







この2冊は、本の作り手、届け手がどんな思いで、本づくりに携わったかの思いが伝わってくる本です。読者が子どもだからこそ、真摯に本づくりに向かい合っ た記録は、子どもに本を手渡す仕事をする司書が、どういう視点で選書をするべきなのかを問いかけてくれていると思います。

教文館ナルニア国ナルニアホールでは、スタッフの選んだ588点、全て手に取って読める展示をしています。ぜひ行って実際に見てみてください。→こちら(2月13日まで)

なお、絵本の会、ノンフィクションの会、フィクションの会が終了したのち、選書業務のある指定管理館へは資料等を配布いたします。どうぞお楽しみに。ぜひ選書の参考にしてみてください。

ブックトークをする人のために


この度、教文館から学校司書としてのキャリア30年の高桑弥須子さんが、その経験に基づいた学校でのブックトークの入門書をこの度上梓されました。

DSCN3315本の帯には、「初心者でもこの本があれば大丈夫!!」「経験豊富な現役司書が伝授するブックトークの作り方と学校図書館司書のはたらきのすべて!」「①準備から後日談まで 13本のブックトーク実践例を収録
 ②ブックトーク現場の空気を、シナリオ形式で子どもたちの反応も再現 ③司書の年間スケジュールから配布資料まで役立つ資料を多数掲載 ④現役司書ならではの具体的なアドバイスがいっぱい!」とあります。

なんて心強いことでしょう。
 
この本に書かれているブックトークの内容は、実際に子ども達に実践した様子なので、とても具体的で、子ども達の反応が活き活きと伝わってくるかのようです。

指定管理館の中には、学校支援の一環として学校でのブックトークを業務としているところも多いでしょう。

ぜひこの本を座右において、ブックトークの力強い助っ人にしてみてはいかがでしょうか?

YA『心の友だちシリーズ』読んでみました♪


前回、YAコーナーで紹介した10代からはじめる新書は、ご覧になりましたか?

9月16日に開催した児童部会では、各館の児童サービス担当者に資料をお渡ししましたが、YAの選書のお役にたっているでしょうか?

さて、児童部会に合わせて、PHP研究所のYA向け新書を見本でいただきました。まず読んでみようと、読みました。


大人になる前に身につけてほしいこと (YA心の友だちシリーズ)大人になる前に身につけてほしいこと (YA心の友だちシリーズ)
著者:坂東 眞理子
PHP研究所(2008-06-27)

『女性の品格』を書かれた坂東さんの本です。読んでみて思ったのは、「そうそう、こういうこと、娘に伝えたかった!」という内容ばかり。同じことでも親が言うと「うざい」と感じることでも、坂東さんのことばだとす~っと胸に入っていくようです。私も試しに家で娘にも読んでもらいました。
女性が、ひとりの人間として社会で生きていく為に、しかも自分自身に自信を持ち、自己肯定して生きるための、ちょっとした心の持ち方などが書かれていて、しかもとても読後清々しい気持ちになりました。
他人の目が気になって仕方がなく、自分自身を見失いそうになる中高生のみなさんにぜひ手渡してあげてほしい1冊です。

夢をかなえる感性の磨き方 (YA心の友だちシリーズ)夢をかなえる感性の磨き方 (YA心の友だちシリーズ)
著者:佳川 奈未
PHP研究所(2010-06-17)

こちらも女性の生き方についての指南書。誰でも自分の思い描いた通りに生きたいと願いつつ、挫折したり、諦めたりしてしまうもの。でも作者の佳川奈未さんは、ご自身の経験をもとに、逆境に屈せず信念を貫き通しつつ、夢を叶えていかれた方。どのように自分をみつめ、自分の夢をかなえていったのか、特に心の持ち方についてわかりやすく伝えてくれる1冊です。



図書館必備シリーズとしてPHP研究所より、創刊セットで9冊、続刊セットで5冊、全14巻出版されています。

シリーズの説明には「自分の人生を考えはじめる中学・高校生に贈る、各界の達人、先輩からの生き方アドバイス。自分の性格、容姿、進路から、友だち、異性、性の悩みまで壁に直面したときどう乗り越えるか。「心の友だち」は、生きぬく知恵、知っておいてほしい大切なこと、人生を豊かにするヒントを教えてくれるシリーズです。」とあります。YA選書の参考にしてみてくださいね。


10代からはじめる新書 ブクログのご紹介♪



YAの担当者にとって、頭が痛いのが選書ですよね。

幼い子どもたちのための絵本のリストや、児童書のリストは、いろいろな形でたくさん出回っています。季刊誌『えほん大好きマガジン この本読んで!」(JPIC)や、月刊誌『MOE』などもあり、比較的新しい本の選書にも迷わずにすみます。

それに自分たちで選書する時に、絵本などは1冊読み終わるのにも時間がかからず、自分で読んでみて選ぶことが可能です。

しかしYA本になると、新聞の書評欄に定期的に特集はされていますが、多感な思春期の子どもたちを相手にするので、その子達に向けての本は多種多様にわたり、明確な基準を担当者が持たない限り、なかなか選びきれません。

思春期の子どもたちと図書館現場で交流したり、学校の先生に情報をもらったりできればいいのですが、そういう時間もなかなか取れないという方にこのサイトはとても役に立ちます。

10代からはじめる新書

サイトの紹介にはこんな文章が!「今までの「学び」にはあきたらず、新しい世界をみずからひらいていこうとする、とりわけ若い世代に向けたノンフィクション・シリーズを提供する版元数社による合同サイトです。
新鮮で詳細な情報をお届けします! あなたにピッタリのシリーズ、ドンぴしゃな1冊探しに、ぜひ!」

ぜひYA選書の参考にしてみてくださいね♪

lady-ar.gif

 

赤ちゃんと保護者のための本1



ブックスタートが日本で本格的に実施されたのは2001年。

きっかけは2000年の「こども読書年」でした。準備を含め、1992年に始まったイギリス・バーミンガムでの活動の理念を視察に行った様子や、日本のブックスタートが目指しているものなどをまとめた本が出ています。特に「Read booksではなく、Share books」という理念は、英国での取り組みに読むことで、よく理解できるようになります。

赤ちゃんと絵本をひらいたら――ブックスタートはじまりの10年赤ちゃんと絵本をひらいたら――ブックスタートはじまりの10年
著者:NPOブックスタート
販売元:岩波書店
発売日:2010-02-25

私たちが受託する図書館でも、行政がブックスタートを開始しているところでは、ブックスタート事業に関わり、赤ちゃんとお母さんたちに絵本を手渡すお手伝いをしています。

だからこそブックスタートの理念を学び、その背景を正確に理解しておくことはとても大切なことだと思います。またこの本は子育て中の保護者にも読んでほしい内容です。



絵本は愛の体験です。絵本は愛の体験です。
著者:松居 友
販売元:洋泉社
発売日:2000-09


福音館書店名誉会長の松居直さんのことは絵本を愛する人は誰でもその名前を聞けば「!」と思うでしょう。
福音館書店の創業に参画し、1956年月刊物語絵本「こどものとも」を創刊、それと同時に日本に優れた海外の絵本をたくさん紹介し、また「こどものとも」の編集者として堀内誠一さん、赤羽末吉さん、かこさとしさん、安野光雅さん、長新太さん、山脇百合子さん、神沢利子さん、五味太郎さんなど多くの絵本作家が福音館書店の絵本からデビューしています。

そのご長男が書かれた本『絵本は愛の体験です。』は、松居さんの息子さんだからこその体験というだけでなく、すべての子どもたちに味わってほしい体験です。絵本を読んでもらうということが、どんな意味を持つのか、子育て中の保護者の方ばかりでなく、児童サービスに関わるスタッフのみなさんにもぜひ読んでもらいたい一冊です。

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