本に関する情報

福音館書店☆復刊情報
「著作権を考える」児童図書館研究会・刊
2012年上半期おすすめの本
速報!モーリス・センダックさん 亡くなる(追加情報あり)
「2011年に出た子どもの本」ベストofノンフィクション
「2011年に出た子どもの本」フィクション、昔話・伝記・詩の会
「2011年に出た子どもの本」絵本の会
4月のおすすめ本☆リスト
今年はうるう年
「絵本の事典」が出版されました♪
3月のおすすめ本☆リスト
2月のおすすめ本☆リスト
来年の干支は辰年☆竜の本(11/18追加)
1月のおすすめ本☆リスト
速報:長谷川摂子さん逝去

福音館書店☆復刊情報


福音館書店が、創立60周年を記念して「もう一度出会いたい」図書館アンケート結果を発表しています。

児童の基本図書でありながら、長く絶版になっていた絵本たちが帰ってきます。期間限定での復刊になります。

 
各指定管理者図書館の選書担当者は、要注目です。
 
 
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「著作権を考える」児童図書館研究会・刊


児童図書館研究会から発行されている『著作権を考える』(改訂増補版)を、おすすめします。

出版にあたって
 利用案内やブックリストに絵本の表紙やカットをそのまま掲載したり、絵本を大型紙芝居やパネルシアターに作りかえて演じることは多いですが、著作権についてはどうなっているのか考えてみたことありますか?」と、見開きに書いてあります。

図書館での児童サービス業務の中で、ふと足をとめて考えてしまう部分です。

この冊子には、福音館書店の小川万里子氏による著作権に関連する講座の内容と、「読み聞かせ団体等による著作物の利用について」(児童書四者懇談会手引き)、調布市立図書館司書の黒沢克朗氏によるそれを受けての図書館の対応、絵本作家である浜田桂子氏による著作権者側のご意見、JLA著作権委員会による「お話会・読み聞かせに関する著作権Q&A」と、複雑に見える児童サービスにおける著作権問題を丁寧にわかりやすく解説してくれています。

ぜひ、児童サービス業務のハンドブックとして常に手元において活用してください。

定価は500円(税別)

詳細はこちらへ → 児童図書館研究会 出版物リスト

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2012年上半期おすすめの本


8月4日 教文館ナルニア国主催の「【夏休み特別企画】夜のブックトークの会」に参加してきました。

この日のテーマは”2011年+2012年に出た子どもの本(全ジャンルより)おすすめ本の紹介”

なんと1月以降、すでに子どもの本は1800冊も発行されていて、教文館ナルニア国の新刊担当のSさんとKさんは全部読んだ上で、その中よりこれは!と思う168冊をセレクトしてくださって、紹介してくださいました。
1800 冊を二人で分担したとして、一人900冊。1月から6月末までで約180日。ということは平均して一日5冊読んでいたことに!絵本ならば一日で10冊以上 行くとしても・・・YA向けの重厚な文学作品もあれば、ノンフィクションの科学の本などもあるわけで、ほんとうにお二人には頭が下がります。

またそれを惜しげもなく、利用者にレビューしてくださる。子どもに本を手渡す仕事をしている図書館員にとっては、ほんとうにありがたく、うれしい企画です。

その陰には、ナルニア国憲章 (こちらの記事を参照→ecomam日本にあるナルニア国)に記されている通り、”くりかえし読みたくなるような、生命と力にあふれた本が出会いを待っている”という、そういう本を責任を持って手渡そうとしてくださっているからなんですね。ありがとうございます。

168冊全部をここで紹介することはできないのですが、当日のレビューの中で私も既に読んでいたり、あるいは絶対これ読みたい!と思った何冊かを紹介します。

『2011年に出た子どもの本』より
2011年に出た子どもの本2011年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2012-03)

この本を持っていない図書館スタッフ(特に児童サービス選書担当)はいないよね!というくらいの必携書。
私も製本版になって以来(2008年より前はコピー資料でした)、複数冊購入し、文庫と仕事で活用しています。

3月に行われたブックトークの会でおすすめされて再度一押し!と紹介されたのが7冊。(『わがはいは中村春吉である。』以外は読みました!どれもほんとうに素晴らしい♪)

どんぶらどんぶら七福神どんぶらどんぶら七福神
著者:みき つきみ
販売元:こぐま社
(2011-11)

語呂もよく、文庫で1月に読みましたが、子ども達もママ達にも喜ばれた1冊。意外と七福神を知らない現代っ子にいいかも!柳原良平さんの絵が素敵です。



トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)
著者:ジェラルド・ローズ
販売元:岩波書店
(2011-10-29)

ナ ンセンス絵本は数多くあれど、上質の笑い、上質のナンセンスってこういう絵本なのよね。おやじギャグ満載で笑わせる絵本が今はいっぱいでているけれど、大 笑いして「あ~面白かった!」の後に何も残らない絵本が多い。この絵本は、読み終わった後も心がふわっとしてうれしくなる!


盆まねき盆まねき
著者:富安 陽子
販売元:偕成社
(2011-07-09)

家族のこと、お盆に亡くなった先祖に祈ること・・・素朴で日本人がずっとずっと大切にしてきた心がここには描かれています。



パンプキン!  模擬原爆の夏パンプキン! 模擬原爆の夏
著者:令丈 ヒロ子
販売元:講談社
(2011-07-27)

原爆が67年前にヒロシマ・ナガサキに落とされるその前に模擬原爆っていうのがあったなんて!しかもパンプキンと名付けられて49発も!小学5年生のモモカが夏の自由研究で調べていく物語。私も知らなかった事実でした!



子どもに語るアラビアンナイト子どもに語るアラビアンナイト
著者:茨木 啓子
販売元:こぐま社
(2011-10)

おはなしを語る人にも、アラビアンナイトを読みたい人にもおすすめの1冊です。
私も覚えたいと、いつもバッグに忍ばせています^^



なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)
著者:栗山 さやか
販売元:岩波書店
(2011-10-21)

渋 谷系のギャルだったブラ子さんが、世界放浪の旅へ。たまたまアフリカの診療所でHIVで苦しむ女性たち。目の前の友達を助けたい!とブラ子さんがアフリカ の女性たちのために働く記録。8月13日付朝日新聞夕刊でも”学生のためのBOOKリレー”でブランド経営コンサルタント坂之上洋子さんが絶対読んでほし いと薦めています!


わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)
著者:横田 順彌
販売元:くもん出版
(2011-03)

私は未読です。明治35年に世界一周の旅に出た彼の貪欲にも世界を知りたい!という想いの原動力を読んでみたい!



2012年の絵本から・・・(既に私も購入して読んだものをpick up)
おべんとう (幼児絵本シリーズ)おべんとう (幼児絵本シリーズ)
著者:小西 英子
販売元:福音館書店
(2012-02-01)

『サンドイッチ サンドイッチ』も文庫で喜ばれました♪これもすっご~く美味しそう。




赤ずきん (福音館の単行本)赤ずきん (福音館の単行本)
著者:フェリクス・ホフマン
販売元:福音館書店
(2012-06-13)

フェリクス・ホフマンが孫娘のスザンナのために描いた絵本。この度福音館書店60周年を記念して出版されました。グリム童話は残酷だという人もいますが、この絵本ではそういう残酷さはなく、テキストに忠実でありながら、子どもたちが読んでもらってホッとできる絵になっています。


きゃっきゃキャベツ (どーんとやさい)きゃっきゃキャベツ (どーんとやさい)
著者:いわさ ゆうこ
販売元:童心社
(2012-05-01)

キャベツ食べたくなります♪キャベツにもいろいろあることもわかるし^^




おとうさんのかさおとうさんのかさ
著者:三浦 太郎
販売元:のら書店
(2012-06)

三浦太郎さんの絵本は、文庫でも大人気♪




フィクションからは・・・一押しが『八月の光』静かに深く・・・感動が広がりました。
八月の光八月の光
著者:朽木 祥
販売元:偕成社
(2012-06-21)


ヒロシマ原爆記念日に読みました。ぜひ手に取ってほしい1冊。



さがしています (単行本絵本)さがしています (単行本絵本)
著者:アーサー ビナード
販売元:童心社
(2012-07-20)

これもほんとうにずっしり。広島原爆資料館に収められた遺品が問いかけてくる写真絵本です。




ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂
著者:マーギー・プロイス
販売元:集英社
(2012-06-26)

14歳で異文化に触れたジョン万次郎。遭難というアクシデントだったとはいえ、彼のアメリカでの生活についてアメリカ人の視点から描かれているということで興味を持った1冊。14歳でアメリカでの生活を選びとった次男を重ねて読んでいます。


ノンフィクション・知識の本からは
月へ アポロ11号のはるかなる旅月へ アポロ11号のはるかなる旅
著者:ブライアン・フロッカ
販売元:偕成社
(2012-01-17)

アポロ11号が月面着陸をしたのは私が小学4年生の時。世界中が偉業に沸いたことを思い出します。「はやぶさ」人気が注目されているけれど、アポロのことも子ども達に知ってほしい♪



世の中への扉 東京スカイツリーの秘密世の中への扉 東京スカイツリーの秘密
著者:瀧井 宏臣
販売元:講談社
(2012-04-26)

スカイツリーに関する本もたくさん出ていますが、この本が一番興味をひきました。建設に関わった多くの人の思い、技術・・・ぜひ訪れる前に読んでおきたい☆

そして原発問題・放射能に関する本では・・・
3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)3・11後を生きるきみたちへ――福島からのメッセージ (岩波ジュニア新書)
著者:たくきよしみつ
販売元:岩波書店
(2012-04-21)

この方の『裸のフクシマ』を読みました。フクシマに住んでいる人だからこそ書ける視点です。脱原発・反原発運動が盛り上がっていますが、福島の人の想いをまず知ってから・・・と思った1冊でした。



おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能
著者:もんじゅ君
販売元:平凡社
(2012-03-02)

『さようなら、もんじゅ君』と合わせて読むといい本。わかりやすい1冊です。




原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし
著者:野村保子
販売元:クレヨンハウス
(2012-03-22)

子どもにもわかりやすい図やグラフを用いて、小出さんの長年の主張を丁寧に伝えてくれる1冊。おとなにもおススメです。



1800冊の中から選ばれた168冊の中の、さらに私の選んだ19冊。どれもほんとうに自信を持って子ども達に手渡したい本でした。

●2012年上半期おすすめ本リスト用.pdf

当日いただいた資料をリスト化してみました。ぜひ教文館ナルニア国に足を運んで、実物を手に取ってみてください。

 
 
 

速報!モーリス・センダックさん 亡くなる(追加情報あり)


映画化されて話題になった『かいじゅうたちのいるところ』をはじめ、子ども達に愛される絵本を世に多く送り出したモーリス・センダックさん(1928年6月10日生まれ)が、5月8日に亡くなられました。83歳でした。

 
1964年に『かいじゅうたちのいるところ』でコルデコット賞を受賞。当時、子ども達の絵本に新風を吹き込んだこの作品は、研究者の間では物議を醸したと言われていますが、子ども達を大人が考える「良い子」の枠に押し込めず、ありのままの子どもの心を描いたというところが高く評価されたのでした。
 
多くの子どもの本の研究者は、『かいじゅうたちのいることころ』の登場を、ひとつのエポックとして大きく捉えています。子どもが子どもらしくそのままで受け止められたことは、その後の絵本や子どものための創作文学にも大きな影響を与えたからです。
 
その後、センダックは1970年に国際アンデルセン賞画家賞を、1982年には『まどのそとのそのまたむこう』で全米図書賞(児童文学部門)を受賞。1983年にはローラ・インガルス・ワイルダー賞を、2003年にはアストリッド・リンドグレーン賞を受賞するなど、その功績は世界中から讃えられてきました。
 
センダックの三部作と讃えられる『かいじゅうたちのいるところ』『まよなかのだいどころ』そして『まどのそとのそのまたむこう』以外にも多くの名作を残しています。またイラストレーターとしての作品もあります。
 
ぜひ図書館でも冥福を祈り、センダックのミニ展示コーナーを作りましょう!
 
(ざっとですが、センダックの作品を紹介します!)

かいじゅうたちのいるところかいじゅうたちのいるところ
著者:モーリス・センダック
販売元:冨山房
(1975-12-05)

まよなかのだいどころまよなかのだいどころ
著者:モーリス・センダック
販売元:冨山房
(1982-09-20)

まどのそとのそのまたむこう (世界傑作絵本シリーズ)まどのそとのそのまたむこう (世界傑作絵本シリーズ)
著者:モーリス センダック
販売元:福音館書店
(2006-03)

きみなんかだいきらいさ (センダックの絵本)きみなんかだいきらいさ (センダックの絵本)
著者:ジャニス・メイ・ユードリー
販売元:冨山房
(1975-05-24)

ふふふんへへへんぽん!-もっときっといいことあるふふふんへへへんぽん!-もっときっといいことある
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1987-12-10)

ミリー―天使にであった女の子のお話ミリー―天使にであった女の子のお話
著者:ヴィルヘルム・グリム
販売元:ほるぷ出版
(1988-12-25)

ロージーちゃんのひみつ (幼年翻訳どうわ)ロージーちゃんのひみつ (幼年翻訳どうわ)
著者:モーリス=センダック
販売元:偕成社
(1983-07)

そんなときなんていう? (岩波の子どもの本)そんなときなんていう? (岩波の子どもの本)
著者:セシル・ジョスリン
販売元:岩波書店
(
ちいさなちいさなえほんばこ 4冊セットちいさなちいさなえほんばこ 4冊セット
著者:モーリス・センダック
販売元:冨山房
(1981-12-01)

チキンスープ・ライスいりー12のつきのほんーチキンスープ・ライスいりー12のつきのほんー
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1986-08-11)

もしもまほうがつかえたら (センダックの絵本)もしもまほうがつかえたら (センダックの絵本)
著者:ロバート・グレイブス
販売元:冨山房
(1984-04-24)

わたしたちもジャックもガイもみんなホームレス-ふたつでひとつのマザーグースえほんわたしたちもジャックもガイもみんなホームレス-ふたつでひとつのマザーグースえほん
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1996-11-01)

ケニーのまどケニーのまど
著者:モーリス・センダック
販売元:冨山房
(1975-12-05)

アメリカワニです、こんにちはアメリカワニです、こんにちは
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1986-08-11)

こぐまのくまくん (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 1)こぐまのくまくん (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 1)
著者:E.H.ミナリック
販売元:福音館書店
(1972-06-01)

ジョニーのかぞえうたジョニーのかぞえうた
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1986-08-11)

みつばちじいさんの旅 (子どもの文学・緑の原っぱシリーズ)みつばちじいさんの旅 (子どもの文学・緑の原っぱシリーズ)
著者:フランク ストックトン
販売元:童話館出版
(1998-08)

だいじなとどけもの (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 4)だいじなとどけもの (世界傑作童話シリーズ―はじめてよむどうわ 4)
著者:E.H.ミナリック
販売元:福音館書店
(2000-12-01)

ブルンディバールブルンディバール
著者:トニー・クシュナー
販売元:徳間書店
(2009-11-19)

ヘクター・プロテクターとうみのうえをふねでいったら―マザー・グースのえほんヘクター・プロテクターとうみのうえをふねでいったら―マザー・グースのえほん
著者:モーリス・センダック
販売元:冨山房
(1978-12-08)

うさぎさんてつだってほしいのうさぎさんてつだってほしいの
著者:シャーロット・ゾロトウ
販売元:冨山房
(1974-11-05)

ピエールとライオン-ためになるおはなピエールとライオン-ためになるおはな
著者:モーリス センダック
販売元:冨山房
(1986-08-11)

子いぬのかいかた しってるかい? (世界の絵本)子いぬのかいかた しってるかい? (世界の絵本)
著者:モーリス・センダック
販売元:偕成社

(1979-10-01)
 
 
 
 

うちがいっけんあったとさ (大型絵本 (31))うちがいっけんあったとさ (大型絵本 (31))
著者:ルース・クラウス
販売元:岩波書店

(1978-11-16)
 
 
 
 
センダックの絵本論センダックの絵本論
著者:モーリス センダック
販売元:岩波書店
(1990-05-25)

 


 

モーリス・センダックを世に送り出した編集者のノードストロムに書簡集に、センダックの絵本が生れていく経緯が詳細に読み取ることができます。
ぜひこちらの本も、合わせて紹介してみてはいかがでしょう!
『伝説の編集者ノードストロムの手紙―アメリカ児童書の舞台裏』レナード・S・マーカス 児島なおみ訳 偕成社
伝説の編集者ノードストロムの手紙--アメリカ児童書の舞台裏伝説の編集者ノードストロムの手紙–アメリカ児童書の舞台裏
著者:レナード.S.マーカス
販売元:偕成社
(2010-12-01)

 

「2011年に出た子どもの本」ベストofノンフィクション


教文館ナルニア国拡大版ブックトーク『2011年に出た子どもの本』ノンフィクションの会には、参加することができませんでした。(当日は、私はJBBY・JPIC共催国際子どもの本の日記念子どもの本フェスティバルのイベントで司会をしておりました!)

というわけで、ナルニアスタッフの方々のブックトークは伺うことができませんでしたが、『2011年に出た子どもの本』には、選書の理由が詳しく書いてあるので、それをかいつまんで紹介したいと思います。
Iナルニア.jpg2011年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2012-03)

『きのこ―ふわり胞子の舞』 埴沙萌 作/写真 ポプラ社
きのこ ―ふわり胞子の舞 (ふしぎいっぱい写真絵本)きのこ ―ふわり胞子の舞 (ふしぎいっぱい写真絵本)
販売元:ポプラ社
(2011-09-16)

『むしをたべるくさ』『ヘビのひみつ』などと同じ「ふしぎいっぱい写真絵本」シリーズの一作。きのこが奉仕を飛ばすということは知識で知っていても実際に飛ぶ様を見たことのある人は、ほとんどいないでしょう。この表紙のきのこから出ている白い筋。これが胞子。胞子を飛ばすことで子孫を増やすきのこ。胞子放出の様子は美しく神秘的です。動物でも植物でもない菌類に興味を持つ子ども達がひとりでも増えるといいですね。

『野球場の一日』いわた慎二郎 講談社
野球場の一日 (講談社の創作絵本)野球場の一日 (講談社の創作絵本)
著者:いわた 慎二郎
販売元:講談社
(2011-06-29)

野球をするのが好きな人も、野球を観戦するのが好きな人も、野球場で働く人がどんなことをしているか、知っている人は少ないでしょう。本書では、朝から追って野球場での仕事を紹介しています。テレビの野球中継では知ることのできない、縁の下の力持ちたちの姿を知ると、野球の応援もまた一味違ってくるかもしれません。

『世界のカブトムシ』今森光彦 アリス館
世界のカブトムシ世界のカブトムシ
著者:今森 光彦
販売元:アリス館
(2011-07)


2000年に出版された『世界のクワガタムシ』の姉妹編。実物大標本写真158点は圧巻です。帯の宣伝文句に「これがカブトムシ美術館だ!」とあるように、虫好きはもちろん、そうでない人も思わず見入ってしまう魅力にあふれた本。カブトムシについて書かれた文章も読みごたえがあります。


『わがはいは中村春吉である。』横田順彌 くもん出版
わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)わがはいは中村春吉である。―自転車で世界一周無銭旅行をした男 (くもんの児童文学)
著者:横田 順彌
販売元:くもん出版
(2011-03)


明治時代、無謀としか思えない旅行を実行したのが、「中村春吉」です。「この目で、世界を見てやろう!」と決心した春吉は、1902(明治35)年2月23日、横浜港出航の「丹波丸」に乗船し、上海に向かいます。ここから春吉の奇想天外、波乱万丈な旅が始まります。今から110年前に自転車で世界一周旅行した春吉の度胸。子ども達もそこから何かを得てほしいとおもいます。

『少年民藝館』外村吉之介 筑摩書房
少年民藝館少年民藝館
著者:外村 吉之介
販売元:筑摩書房
(2011-03-19)


1984年用美社刊の復刊。世界各地の風土から生まれ、受け継がれてきた暮らしの中の美しい道具や雑貨を紹介しています。「毎日いっしょにいるもの言わぬ友だちも、人に強く影響を与えますから、私どもは用心せねばなりません。もの言わぬ友だちというのは、毎日私たちといっしょにいる道具類のことです。」とはまえがきの言葉。「ものを見る眼」を養い、ものを大切にする視点を子ども達に伝えたいものです。

『鉄は魔法つかい』畠山重篤/スギヤマカナヨ 小学館
鉄は魔法つかい鉄は魔法つかい
著者:畠山 重篤
販売元:小学館
(2011-06-01)

著者は「森は海の恋人」運動を23年、三陸・気仙沼で行ってきたカキやホタテの養殖漁師・畠山重篤さん。カキのえさである植物プランクトンが増えるためには鉄が必要で、それには川の上流の森が、海の生物に必要な鉄をつくる工場の役割をきちんと果たさないといけないのだそうです。この本の出版が決まった後、東日本大震災で被災されたそうですが、大津波から1カ月で生き物が戻ってきた海を見た畠山さんは津波で海が壊れたわけではなく、生き物を育む海はそのままあることを実感し、希望がわき、出版を決めたそうです。

『正しいパンツのたたみ方―新しい家庭科勉強法』南野忠晴  岩波書店
正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)正しいパンツのたたみ方――新しい家庭科勉強法 (岩波ジュニア新書)
著者:南野 忠晴
販売元:岩波書店
(2011-02-19)

タイトルに惹かれて私も読んでみました。「家庭科」というと家事を担う女性のものと、30年くらいまで考えられていました。男女共に家庭科が必修になったのは1994年のこと。大阪で初めて男性で家庭科の教師になった著者は訴えます。「僕たちの暮らしは、食生活、住環境、被服環境、家族関係をはじめとする人間関係、収入と支出という経済問題などが幾重にもつながりながら影響を与えあって成り立っているということです。どれかひとつでもバランスを欠いたりすると、暮らしはギクシャクします。そうなると、気持ちの安定を保つのも大変になります。」つまりは、学力も大切だけれど、「生活力」を持たなければいくら勉強ができても人としてバランスを欠くということ。そうした視点から家庭科を見ていくと、ほんとうに豊かな暮らしってなんだろうということを考えることができます。この本は、これから自立していく中高生だけではなく、親にもぜひ読んでほしい1冊です。

『なんいもないけどやってみた―ブラ子のアフリカボランティア日記』栗山さやか 岩波書店
なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)なんにもないけどやってみた――プラ子のアフリカボランティア日記 (岩波ジュニア新書)
著者:栗山 さやか
販売元:岩波書店
(2011-10-21)

ブラ子と呼ばれる著者は若い頃(今でも十分若いのですが)渋谷を席巻していた「ガングロ」ギャルでした。そんな彼女が1冊の本と出会うことによって、世界へと目が向けられます。世界放浪の末、アフリカの医療施設でHIVや末期がん、貧困に苦しむ女性たちに寄り添うボランティアとしての活動を始めます。その日々を綴ったのがこの1冊。飾らない文章はブラ子さんの人柄がにじみ出ていて親しみやすく、心にストレートに届きます。将来どのように生きていこうかと悩む中高生にぜひ読んでもらいたい1冊です。



「2011年に出た子どもの本」フィクション、昔話・伝記・詩の会


3月12日に教文館ナルニア国「2011年に出た子どもの本」拡大版ブックトーク、フィクションの会に参加してきました。

7日に行われた絵本の会に続いて、今回は読み物の本と、昔話・伝記・詩についてのブックトークでした。

2011年に入荷したフィクションは1175点。その中から「2011年に出た子どもの本」のリストに選定されたのは225点。昔話・伝記・詩として入荷したのは163点で、リストに選定されたものは42点。その中から選りすぐりのフィクション10点、昔話・伝記・詩は6点について丁寧なブックトークをしていただきました。

【フィクション・ベスト10】
ジェニーとキャットクラブ (世界傑作童話シリーズ)ジェニーとキャットクラブ (世界傑作童話シリーズ)
著者:エスター・アベリル
販売元:福音館書店
(2011-10-19)


絵本から読み物へ移行していく時に特におすすめの1冊。今年になって続編2冊も刊行されています。黒に赤のきいた素敵な挿絵が、物語とぴったりと合う良書です。1982年に発行された後、しばらく絶版でしたが、復刊を願う声が多く、新しく3冊のシリーズになっての刊行です。絵本を卒業し、読み物に移行するお子さんにぜひおすすめしてあげてください。

盆まねき盆まねき
著者:富安 陽子
販売元:偕成社
(2011-07-09)


こちらは中学年以上のお子さんにおすすめの本です。なっちゃんが夏休みにおばあちゃんのところへ行き、信関が集まってお墓参りをしお盆の行事をする3日間が描かれています。大おばあちゃんの話を聞く内に、戦死した会った事のないおじさんの子ども時代の姿になっちゃんは出会います。「人間は2回死ぬんだよ。1回は心臓が止まった時、2回目はみんなに忘れられた時」・・・戦争の記憶を留めておく事、亡くなった人の記憶を留めておく事の大切さがさりげなく触れられています。押しつけがましくなく、戦争のことを伝えるにふさわしい1冊です。

小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-10)


大塚勇三訳『小さなバイキング』(学研)が、石渡利康訳で評論社から復刊されました。続刊も2012年に出版される予定です。(全6巻)ビッケはバイキングと言っても心優しい男の子。次々起こる危機をビッケの知恵で乗り越えていくおはなしです。とてもゆかいな冒険のおはなし。これも低学年向けの読み物としておすすめです。
ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと赤目のバイキング (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-10)

ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと空とぶバイキング船 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-11)

ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)
著者:ルーネル ヨンソン
販売元:評論社
(2011-12)

チビ虫マービンは天才画家!チビ虫マービンは天才画家!
著者:エリース・ブローチ
販売元:偕成社
(2011-03-12)


11歳になったばかりの男の子ジェームスと、彼の家にキッチンにひっそりと住み着いているチビ虫マービンとの友情物語。この虫はいったいなんだろう?と想像すると、虫が苦手な人はエッと思うかもしれません。このマービンの特技は、それはそれは緻密な絵を描くという事!さてさてふたりは思わぬ事件に巻き込まれるのですが・・・これも本が苦手な子には入門編として手渡したい1冊です。

パンプキン!  模擬原爆の夏パンプキン!  模擬原爆の夏
著者:令丈 ヒロ子
販売元:講談社
(2011-07-27)


「若おかみ」シリーズで人気の令丈さんの書いた衝撃的な1冊。テーマは「戦争」「原爆」と重いのですが、主人公の少女ヒロカに寄り添って読む事で、深く読むことができる1冊です。関西弁の語り口で書かれているので、重くなり過ぎず、今の子ども達に「戦争」について考えてもらえる稀有な良書です。


小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)
著者:フランシス・ホジソン・バーネット
販売元:福音館書店
(2011-09-15)


「小公女」はいくつもの抄訳が出ており、多くの人は読んだ気になっていますが、この本は高楼方子さんが思いと力を込めて訳出しなおされた1冊です。表紙の絵のセーラからも伺える通り、意思をしっかり持った何事にも動じない女の子として丁寧に翻訳をされています。アニメなどでは「いじめられているかわいそうな女の子」というイメージですが、何事にも動じず、想像力たくましく、それを糧に生きぬく姿が描かれています。解説には物語の歴史的な背景、当時のイギリスとインドの関係などが書いてあります。YA世代には解説を読む事も合わせておすすめしてください。

ダーウィンと出会った夏ダーウィンと出会った夏
著者:ジャクリーン ケリー
販売元:ほるぷ出版
(2011-07)


7人兄弟の真ん中、しかも男兄弟に挟まれてたったひとりの女の子キャルパーニア。ミミズの捕まえ方が上手だったのを知った長兄にノートを差し出され、「科学的な監察結果を書きとめるといい。おまえは立派な博物学者の卵だ」と言われます。それをきっかけに自然の観察を始めるキャルパーニア。当時、女の子は良妻賢母になることを強いられ、自分の生き方を貫くということが難しかった時代に、迷いながら科学の道に進もうと決めていく少女の姿は、今の子ども達にとっても道を示してくれるきっかけになることでしょう。これが著者のデビュー作だそうです。

【昔話ベスト3】
カンガルーには、なぜふくろがあるのか――アボリジナルのものがたり (大型絵本)カンガルーには、なぜふくろがあるのか――アボリジナルのものがたり (大型絵本)
著者:ジェームズ・ヴァンス・マーシャル(再話)
販売元:岩波書店
(2011-06-04)


オーストラリア先住民族、アポリジナル絵画の伝統である岩絵の具を使用した絵の見事さ。異文化に伝わる昔話は骨太で読みごたえがあります。「本を読むのが苦手!」という高学年の子におすすめの1冊です。



子どもに語るアラビアンナイト子どもに語るアラビアンナイト
著者:茨木 啓子
販売元:こぐま社
(2011-10)

収録されている10話のうちの「背中にコブのある男」をナルニアの選書スタッフKさんが朗読してくださいました。展開がとても面白く、大人でさえも身を乗り出したくなるおはなしでした。朝読書の時間に朗読するのにちょうどいい15分くらいのおはなしでした。また、高学年の子には自分で読んでも面白く感じるでしょう。これも「本を読むのが苦手!」という子におすすめしてほしいという1冊でした。


古代エジプトのものがたり (大型絵本)古代エジプトのものがたり (大型絵本)
著者:ロバート・スウィンデルズ
販売元:岩波書店
(2011-02-03)


古代エジプト文明は3000年もの歴史を持っていますが、そこに伝わるおはなしは長い間知られることがありませんでした。ここ200年ほどでヒエログリフの解読ができるようになり、現代の私たちにも読めるようになったエジプト太陽信仰の物語です。壮大な物語は、子どもたちをも惹きつけるに違いありません。

【伝記・詩のベスト3】

天游―蘭学の架け橋となった男 (くもんの児童文学)天游―蘭学の架け橋となった男 (くもんの児童文学)
著者:中川 なをみ
販売元:くもん出版
(2011-11)


江戸時代に大阪で活躍した蘭学者、中天游(なか・てんゆう)。あまり知られていない人物ですが、福澤諭吉の先生であった適塾の緒方洪庵の師匠であったという事実からも、日本で蘭学を広めた功績はとても大きいのです。一途に学問を究めつつ、妻を心から愛し、蘭学を学ぶ同志と強い絆を結んでいく天游の姿を、人間臭くユーモラスに描いた作品。知的好奇心をくすぐる1冊。YA向けにおすすめです。

星空に魅せられた男 間重富 (くもんの児童文学)星空に魅せられた男 間重富 (くもんの児童文学)
著者:鳴海 風
販売元:くもん出版
(2011-03)


重富は家業の質屋を継ぎながら、天文学に出会い、その虜になります。その後研鑽を積んで、西洋天文学を究め、「寛政の改暦」に貢献した人物です。随所にあるコラムもとても興味深いとのこと。歴史の陰に隠れた地味な人物ですが、その存在は子ども達にぜひ知らせたいと思います。
阪田寛夫全詩集阪田寛夫全詩集
著者:阪田 寛夫
販売元:理論社
(2011-05)


童謡「さっちゃん」でおなじみの阪田寛夫さんの詩集です。本編1001ページの分厚い詩集。創作活動60年間の全1100編を収めた集大成となっています。


【大人のための本より】
本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)
著者:宮崎 駿
販売元:岩波書店
(2011-10-21)


ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」が公開された時のキャンペーンで配布された豆本「宮崎駿がすすめる岩波少年文庫50冊」を新書用に編集しなおしたもの。多くの人々に影響力をもつ宮崎さんが「少年時代に大切な1冊に出会う事」を伝えてくれているところが、私たち、子どもに本を手渡す者にとっても心強い1冊です。これをきっかけに、岩波少年文庫を手にする子ども達がひとりでも増えるといいですね。

ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか? (光文社新書)
著者:ひこ・田中
販売元:光文社
(2011-08-17)


児童文学者で評論もたくさん手掛けているひこ・田中さんが、私達に問題提起してくれている1冊です。テレビゲームから、テレビヒーローもの、アニメ、マンガ、児童文学まで「子どもの物語」を軸にして読み解いています。名作から最近の作品までを読み解き、子どもたちの育ちにまで言及する視点はとても興味深いものがあります。
自分を育てる読書のために自分を育てる読書のために
著者:脇 明子
販売元:岩波書店
(2011-06-30)


絵本の会では『子どもたちの育ちを支える絵本』が紹介されていました。こちらは中学の図書室で学校司書として脇明子さんの『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』に書かれていることを実践した記録です。子ども時代に本と出会うことのかけがえのなさ、それを支える学校司書の働き、それが生き生きと記されています。図書館の司書も同じように子ども達に大切な本との出会いの場を作っていく存在。立場は違いますが、児童サービス、とくにYAサービスについてのたくさんのヒントが詰まっている1冊です。

絵本の会の様子はこちら


「2011年に出た子どもの本」絵本の会


3月7日(水) 午後2時から教文館ナルニア国で開催された「2011年に出た子どもの本」拡大版ブックトークに参加してきました。

2011年にナルニア国の「日本の子どもの本 この1年」に入荷した新刊は3,936点、その内訳は絵本1,121点、フィクション1,175点、昔話・伝記・詩163点、ノンフィクション1,444点、ほか33点あったそうです。その中からナルニア国選書担当者が全点を読んで、これなら自信を持って子どもに手渡せる本を厳選して、毎年出版しているのが『○○○○年に出た子どもの本』です。


2010年に出た子どもの本2010年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2011-02)


←こちらは昨年出版された『2010年に出た子どもの本』
今年はイラストが赤色です。




今回の絵本の会では、昨年1年間に出版された絵本1,121点のうちより、リストに掲載されたものは141点。その中でベスト9(11点)を挙げてブックトークをしてくださいました。

その9冊を紹介いたします。
どんぶらどんぶら七福神どんぶらどんぶら七福神
著者:みき つきみ/柳原良平
販売元:こぐま社
(2011-11)

七福神を紹介している絵本は、多分本邦初では!という絵本。絵は御年81才になられた柳原良平さん。
数え歌になっていることばは、とてもリズミカル。幼児から小学6年生までの読み聞かせにも、大人への読み聞かせにも最適な1冊として、一番目に取り上げられました。大震災後の閉塞感に溢れる時代だからこそ、こうした大らかで明るい絵本は、元気の源にもあるし、ホッとできる1冊だと感じました。

はるがきた (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)はるがきた (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)
著者:ジーン・ジオン/ブロイ・グレアム
販売元:主婦の友社
(2011-02-19)


昨年の震災直前に出版された本でした。暦の上では春なのになかなか暖かくならず、春はどこへ行っちゃったのだろう?と不満を漏らす大人達に対して、「ぼくたちではるにしよう」と、子ども達が町中を春の色に塗り替えていきます。震災で瓦礫になってしまった被災地の画像を見ながら、この絵本を手にし、「そう、自分たちで立ち上がらなければ」と勇気を与えてくれた1冊でもありました。『どろんこハリー』でおなじみのジオンとグレアムの作品です。

トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)トラのじゅうたんになりたかったトラ (大型絵本)
著者:ジェラルド・ローズ
販売元:岩波書店
(2011-10-29)


ナルニアのスタッフが読み聞かせをしてくれました。大人でも面白く楽しめました。その笑いの質がとても穏やかで、優しい気持ちになれる1冊。幼児から小学生に読んであげたい絵本です。とくに高学年に受けるのではないでしょうか?
ぞうくんのはじめてのぼうけん (ぞうくんのちいさなどくしょ)ぞうくんのはじめてのぼうけん (ぞうくんのちいさなどくしょ)
著者:セシル ジョスリン/マーガレット・ワイズ・ブラウン
販売元:あかね書房
(2011-05)


ここから3冊はシリーズです。『はるがきた』と同じこみやゆう氏による翻訳です。文章は『そんなときなんていう?』(センダック絵)のセシル・ジョスリン、絵は『たいせつなこと』のマーガレット・ワイズ・ブラウンです。
3冊とも版型は小さいのですが、文章量は多く、絵本と読み物の橋渡しとしてちょうどよい本です。
3冊に共通しているのが、「家族っていいな」というメッセージ。読み終えた後に、ポッと心に灯りがともるようなおはなし3点です。
ぞうくんのすてきなりょこう (ぞうくんのちいさなどくしょ)ぞうくんのすてきなりょこう (ぞうくんのちいさなどくしょ)
著者:セシル ジョスリン
販売元:あかね書房
(2011-05)

ぞうくんのクリスマスプレゼント (ぞうくんのちいさなどくしょ)ぞうくんのクリスマスプレゼント (ぞうくんのちいさなどくしょ)
著者:セシル ジョスリン
販売元:あかね書房
(2011-10)







新幹線のたび ~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~ (講談社の創作絵本)新幹線のたび ~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~ (講談社の創作絵本)
著者:コマヤス カン
販売元:講談社
(2011-03-19)


こちらも大震災直後に出版された絵本です。大津波で破壊されてしまった三陸から福島県に至る海岸線の美しかった姿が俯瞰図で描かれており、出版後話題になった1冊です。ちょうど昨年の3月12日は九州新幹線が鹿児島中央駅まで全線開通し、その直前2月に東北新幹線が新青森駅まで開通していたので、新青森~鹿児島中央まで新幹線を乗り継いで旅をする絵本です。車中の親子の会話や、俯瞰して描かれる新幹線沿線の風景を楽しめる優れもの。乗り物好きのお子さんだけではなく、大人にも手にとってほしい1冊です。作者はこの絵本の執筆のためにビデオカメラを片手に全線車窓を撮影し、車窓から見える風景を再現したとのこと。力作です。

蝶の目草はらの秘密蝶の目草はらの秘密
著者:ジョイス・シドマン文
販売元:冨山房
(2011-10-07)


スクラッチボードと水彩を組み合わせた技法で描かれた美しい絵本です。内容は科学的視点から描かれていますが、ことばは詩のように美しく、「かがく絵本」の範疇にするにはもったいないということで、絵本の会で紹介されました。推薦のことばにレイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を彷彿とさせるとありますが、ほんとうに自然の造形美に感動できる1冊です。

ハスの花の精リアンハスの花の精リアン
著者:チェン・ジャンホン
販売元:徳間書店
(2011-04-16)


『ウェン王子とトラ』や『この世でいちばんすばらしい馬』を描いたチェン・ホンジャンの作品。ハスの花から生れ出たリアンという女の子が貧しい漁師のおじさんを助けるというお話ですが、ハッピーエンドが幸せな余韻を残してくれる1冊です。絵がとてもきれいで、高学年でのおはなし会にも使えそうです。


*****ここからは、おまけのブックトークでした。子どもを理解する、子どもの本を理解するために、子どもに本を手渡す大人に読んでおいてほしい本たちです。******

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
著者:佐々木正美
販売元:福音館書店
(2011-01-20)


1998年に最初の『子どもへのまなざし』が出たあとに続く『続 子どもへのまなざし』そして最近の発達障害と言われている子どもへの視点をぶれずに伝えてくれる、発達障害児を研究してこられた佐々木先生の最新作です。今、どこの学校にも園にも、じっとしていられない、自分の関心のあることにだけは集中力を発揮するが注意が散漫、などというお子さんが増えています。もちろん図書館にも。児童サービスに従事する私たちが読んでおくべき1冊なのではないかと思います。佐々木先生のスタンスは、無関心が彼らを傷つけてしまう・・・ということ。きちんと理解し、関心を寄せられるように私たち自身が学ばなければと思います。

子どもの育ちを支える絵本子どもの育ちを支える絵本
著者:脇 明子
販売元:岩波書店
(2011-05-26)


研修などでお伝えしている児童サービス担当者必読本、脇明子先生の『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』に続く実践編。保育園・幼稚園でのエピソードが中心ですが、図書館で児童サービスに従事する者にも選書の大切さを教えてくれる1冊です。


わたしのなかの子ども (福音館の単行本)わたしのなかの子ども (福音館の単行本)
著者:シビル・ウェッタシンハ
販売元:福音館書店
(2011-02-20)


『かさどろぼう』や『きつねのホイティ』の作者、ウェッタシンハさんが5歳ごろまでの幼い時代の思い出をつづったエッセイです。しかし単なるエッセイとしてではなく、読んでいると自分自身の幼い頃の思い出が甦ってくる1冊でもあります。美しい絵と、松岡享子先生のやわらかいことばでの翻訳。子ども時代に暖かな家庭で育つことが何より子どもたちの豊かな育ちを保障するのだということを、実感できる1冊です。

松居直自伝 (シリーズ・松居直の世界)松居直自伝 (シリーズ・松居直の世界)
著者:松居 直
販売元:ミネルヴァ書房
(2011-06-25)

ロングセラーの良書をたくさん出版している福音館書店の前・社長の松居直さんの自伝です。松居さん自身の幼少期のエピソードから戦時中の話、そして福音館書店で子どもの本を手掛けるようになったいきさつ。松居さんがいらっしゃらなかったら、『三びきのやぎのがらがらどん』も『おおきなかぶ』も『ぐりとぐら』も『ぐるんぱのようちえん』もこの世に誕生しなかったでしょう。絵本を創り届けてくださった方の思いを知る事は、子どもの本を見る眼を養います。ぜひ児童サービス担当のみなさんにはこれも読んでほしいと思います。

馬場のぼるこどもまんが集馬場のぼるこどもまんが集
著者:馬場 のぼる
販売元:こぐま社
(2011-07)


『11ぴきのねこ』の誕生のまえに馬場のぼるさんが描いておられたまぼろしのまんが集です。今のコミックスとは違って、素朴であたたかいお話が満載です。
Little Tim and the Brave Sea Captain―チムとゆうかんなせんちょうさん 復刻版付録Little Tim and the Brave Sea Captain―チムとゆうかんなせんちょうさん 復刻版付録
著者:佐藤 英和
販売元:こぐま社
(2011-09)


ナルニアのブックトーク会場には、こぐま社の前・社長の佐藤英和さんもいらしていました。アーディゾーニが描いたファージョンの『麦と王さま』の挿絵に魅せられ、アーディゾーニの全作品に出会う旅をする中で、福音館書店から出版されている『チムとゆうかんなせんちょうさん』にはない絵が、アーディゾーニの原画にあることを突き止め、デジタル技術で復刻完全版として出版された絵本です。限定1000部発行なので、各図書館に置くわけにはいかないものかもしれません。(お値段21000円)もし、読みたい方TS室のK・Jまで^^家宝になると思って私は出版直後の購入しました。お見せします♪

昨年の「2010年に出た子どもの本」絵本の会の様子はこちら。 合わせてお読みください。



4月のおすすめ本☆リスト


4月のおはなし会向けのおすすめ本のリストです。

テーマは、「ともだち、入学式、桜、おさんぽ・おでかけ」です。

なお、これで1年間のおはなし会おすすめ本のリストがすべてPDFファイルで見ることができるようになりました。
ぜひ一年分をプリントアウトして、おはなし会の立案などにお役立てください。またカウンターで利用者の方々に「今月のおすすめの絵本はありませんか?」「学校で読み聞かせをしているのですが、おすすめはありますか?」などと質問された時には、このままプリントアウトしてくださって手渡してくださっても構いませんし、サイトをお伝えいただいても構いません。

ご活用ください。

●お話し会向けおすすめリストHP4月用.pdf

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今年はうるう年


1月も今日が最終日。

明日から2月です。ところが今年はうるう年。28日ではなく29日まであります。「それはどうして?」という質問に答える絵本は?子ども向けの資料は?という話題が、FACEBOOK上にありました。

レファレンス協同データベースに、関連の情報がありました。

みなさんの図書館でも、同様の質問があるかもしれませんね。児童担当の方を中心にチェックしておきましょう♪

うるう年について、子ども向けに詳しく書かれた資料はないか?

うるう年についての絵本はあるか?

なお、福音館書店の新刊に、まさにそのことに触れた絵本があります。
カエサルくんとカレンダー』いけがみしゅんいち/せきぐちよしみ 福音館書店

「絵本の事典」が出版されました♪


朝倉書店から「絵本の事典」が出版されました。昨年11月30日に出版されたのですが、すぐに増刷がかかるほどの売れ行きです。というのも、内容がとても充実しているからです。

私自身も会員になっている絵本学会の研究メンバーを中心に執筆されたこの事典には、絵本と子どもの本について知りたことについてかゆい所に手が届くという感じで網羅されています。

指定管理者の図書館には、ぜひ参考図書として購入を検討してみてください。児童サービスについて考えるヒントもたくさん掲載されています。

絵本の事典絵本の事典
販売元:朝倉書店
(2011-11-25)







【絵本の事典】目次

第1章  絵本とは   絵本の起源 絵本のメディアリテラシー

第2章  絵本の歴史と発展 
      イギリスの絵本 ドイツの絵本 フランスの絵本 アメリカの絵本 
      ロシアの絵本  日本の絵本                

第3章  絵本と美術  19世紀の技術革新 産業革命後の美術・工芸運動 
               モダンアートの影響 戦後美術の多様化

第4章  世界の絵本  イタリア オランダ、ベルギー  スペイン 北欧諸国 
               中欧諸国 中国、台湾  韓国  アジア諸国  
               アフリカ諸国  カナダ 中南米諸国  
               オーストリア、ニュージーランド

第5章  絵本いろいろ  日本人は「絵本」がお好き  
               物語系絵本 自然・社会科系絵本
               宗教系の本  ことばの絵本  読者対象別の絵本
               キャラクターの絵本  あそべる絵本  
               用途別の絵本 
               形や大きさ、形態、素材の違いによる絵本
               しかけのある絵本  ハイテク系の絵本  
               流通・販売形態と絵本
               パーソナルな目的で創られる絵本  PR活動と絵本

第6章  絵本の視覚表現  製本の種類と本の各部の名称  
              造本、印刷と表現特性
              しかけ絵本  絵本の表現構造  
              平面表現の基本的要素と視覚的効果
              絵本のタイポグラフィ ヴィジュアルイメージの素材と技法
              絵本における映画的特性  絵本の周辺にみる視覚表現
              絵本づくりのプロセス 

第7章  絵本のことば  ことばの表現(1)音韻 (2)文体
                テクストの構造  翻訳   

第8章  絵本と諸科学  絵本と女性学・ジェンダー  絵本と建築  
                絵本とファッション 絵本と物理学  
                絵本と小児医学・脳科学  絵本と食文化
                絵本と音楽  絵本と野生の教育人間学  
                絵本と詩学
                
第9章  絵本でひろがる世界  子どもと絵本  教育現場と絵本  
                医療と福祉における絵本の活用
                絵本による産業と経済の活性化
                絵本がつくる社会と政治
                絵本との出会い

第10章 資料      文献ガイド  関連団体  絵本の賞 
              絵本美術館および絵本原画等を収蔵する
                        美術館・博物館・文学館
              絵本の原画展


3月のおすすめ本☆リスト



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新年明けて早々、これから冬は本格的な寒さを迎えますが、「本のこまど」では、3月のおはなし会で使える絵本のリストを作成しました。PDFファイルですので、カウンターでの問合せなどにもプリントアウトしてお使いください。(本のリストPDFでは5月~3月までのリストを取り出せます。4月のリストは来月UP予定です。)また、指定管理者図書館では、選書の参考にしてくださいね。

テーマは、たんぽぽ、桜、春、いちご、ピクニック(散歩)、ひなまつりです。

●お話し会向けおすすめリストHP3月用.pdf

なお、これから次年度の年度計画を立てる館が多いと思います。4月の「子ども読書の日」のイベントをはじめ、秋の読書週間、クリスマスの時期の行事立案など、早めに取り組んでくださいね。講師紹介、人形劇団紹介なども早め早めにお問い合わせください。

来年の干支は辰年☆竜の本(11/18追加)


今日で10月も終わり。明日からは11月です。2か月で1枚のカレンダーだと、最後の一枚になってしまいました。

今年もあとわずか・・・というような時期に差し掛かってきましたね。

さて、明日は日本郵政で年賀はがきが発売されます。年末に向けて、年越の準備の季節です。

今日は、来年の干支にちなんで、竜に関する子どもの本を集めてみました。ちなみに今年のうさぎの本はこちら

(11/18 3冊追加しました。『まゆとりゅう』『龍』『赤い目のドラゴン』)

***********************

『こぞうさんとりゅうのたま』
こぞうさんとりゅうのたまこぞうさんとりゅうのたま
著者:はせがわ かこ
販売元:大日本図書
(2010-04)



おつかいに行ったこぞうさん、突然の雨にふられて帰りを急ぐ途中で小さな男の子を助けます。その男の子は実は竜の子だったのです。子どもを助けてもらったお礼に竜のお母さんがこぞうさんにくれたものは・・・


『ほしになったりゅうのきば』
ほしになったりゅうのきば―中国民話 (日本傑作絵本シリーズ)ほしになったりゅうのきば―中国民話 (日本傑作絵本シリーズ)
著者:君島 久子
販売元:福音館書店
(1976-12-06)


中国の昔話です。二匹の大きな竜が闘って裂けた天を繕うことになった男の子の話です。その男の子は空から降ってきた大きな石から生れるというのも昔話的ですが、避けた天を繕って銀河が誕生したという展開も興味深いものがあります。読んであげるには、夏の星を見上げる季節がよいかもしれません。

『まゆとりゅう』
まゆとりゅう―やまんばのむすめ まゆのおはなし (こどものとも絵本)まゆとりゅう―やまんばのむすめ まゆのおはなし (こどものとも絵本)
著者:富安 陽子/降矢なな
販売元:福音館書店
(2008-02-15)


ヤマンバとその娘まゆのところに毎年春が来る前にりゅうがやってくるのですが、今年は子どものりゅうも一緒にやってきました。季節の移り目の神秘的で壮大な物語です。中国には春竜節という旧暦の2月2日に竜を迎えて雨を降らせ、五穀豊穣を祈るお祭りがあるのだとか。まさに春をよぶりゅうとまゆたちの活躍を描いています。


『龍』
龍
著者:今江 祥智/田島征三
販売元:BL出版
(2004-02)

龍というと、大きくて強いイメージがあります。でもこの本に出てくる龍は恥ずかしがりやで、気の弱い龍。湖のそこでどぐろを巻いて、時々呼吸のために鼻の穴だけ水面から出します。そんな龍があるとき湖に釣りにやってきた村人にみつかってしまいます。その噂はたちまち広がり、湖の周りは見物の人たちで大騒ぎ。龍はますます水面に出ていけなくなりますが・・・ちょっとユーモラスな龍のおはなしです。


『りゅうはどこにいる?』
りゅうはどこにいる? (しかけの名作)りゅうはどこにいる? (しかけの名作)
著者:ジェイソン ホーク
販売元:講談社
(2008-08)



おじいちゃんといっしょに竜をさがす冒険にでかけます。ページのあちこちにかくれている竜をみつけることができます。子どもと一緒にあそびながら楽しめる1冊です。(中国の竜とちがって、竜の形が欧米では違うんだなと言う発見もありました。)

『雨をよぶ龍―4年にいちどの雨ごい行事』
雨をよぶ龍 4年にいちどの雨ごい行事雨をよぶ龍 4年にいちどの雨ごい行事
著者:秋山 とも子
販売元:童心社
(2009-05)



埼玉県鶴ヶ島市脚折で4年に1回行われる雨ごいの祭りを描いた絵本です。お祭りの準備のために、長さ36メートル、重さ3000キロもの大きな龍を力を合わせて作って行く様子などが圧巻です。前の年の秋に麦を蒔き、6月に麦わらを刈り取って祭りを準備していくその様子に、地域に伝わる伝統行事が今後も継承されていってほしいと思います。

『りゅうのめのなみだ』
りゅうのめのなみだ (ひろすけ絵本 1)りゅうのめのなみだ (ひろすけ絵本 1)
著者:浜田 広介
販売元:偕成社
(1965-11)

いわさきちひろさんの絵が印象的な絵本です。人から恐れられていた竜の寂しさに気付き、竜と友だちになろうとした少年を描いています。勇敢でやさしい男の子の心に竜も動かされます。読みやすい1冊です。





『たつのこたろう』
新装版絵本 たつのこたろう (講談社の創作絵本)新装版絵本 たつのこたろう (講談社の創作絵本)
著者:松谷 みよ子
販売元:講談社
(2010-08-25)


松谷みよ子さんの創作絵本が昨年復刊されました。「たつのこたろう」誕生から50年を記念した復刊です。貧しい村で、いわなを分けずに3匹食べてしまったことで竜に姿を変えてしまった母を探して旅をする太郎。困難を乗り越えさまざまな経験をしながら母親を助け、村をも助けます。太郎の心意気に感動する名作。絵本だと読みやすいと思います。

『龍の子太郎』
龍の子太郎(新装版) (児童文学創作シリーズ)龍の子太郎(新装版) (児童文学創作シリーズ)
著者:松谷 みよ子
販売元:講談社
(2006-07-13)


龍の子太郎の読み物版も復刊されています。国際アンデルセン賞に入賞した松谷さんの名作を、より多くの子ども達に読んでもらいたいと思います。



『りゅうのたまご』
りゅうのたまご (偕成社文庫 2069)りゅうのたまご (偕成社文庫 2069)
著者:佐藤 さとる/村上勉
販売元:偕成社
(1981-08)




コロボックル物語のコンビが書いた創作童話です。「りゅうのたまご」をはじめとして、いくつかの短編童話が納められています・「りゅうのたまご」の村上勉さんが描くりゅうの姿はリアリティがあって秀逸です。

『赤い目のドラゴン』
赤い目のドラゴン (大型絵本)赤い目のドラゴン (大型絵本)
著者:アストリッド・リンドグレーン
販売元:岩波書店
(1986-12-01)

リンドグレーンの作品です。ブタ小屋で生れたばかりの子ぶた達と一緒にいたのは、小さな赤い目をしていた赤ちゃんドラゴン。赤ちゃんドラゴンを姉弟が大事に育てます。ドラゴンの食べるものが、ろうそくやひもにコルクだなんてちょっとびっくりです。ドラゴンが育って別れの日がやってきますが・・・日本のイメージとは一味違うドラゴンにも出会ってみてください。

『竜の巣』
竜の巣 (おはなしフレンズ!)竜の巣 (おはなしフレンズ!)
著者:富安 陽子
販売元:ポプラ社
(2003-12)


おじいちゃんが子どものころに体験した不思議な話を直人と研人とにしてくれるのです。昔、山の上で霧の中に紛れ込んだが、それは竜の巣であったこと、そして竜に捉えられて姿を変えられてしまったカワズの子たちを逃がしたこと。不思議な物語におもわず惹きこまれます。そういえばジブリの映画「天空の城ラピュタ」にも竜の巣という表現で大きな積乱雲を呼んでいましたね。小学校中学年向けです。

『白いりゅう黒いりゅう』
白いりゅう黒いりゅう―中国のたのしいお話 (岩波おはなしの本 (7))白いりゅう黒いりゅう―中国のたのしいお話 (岩波おはなしの本 (7))
著者:賈 芝/君島久子訳 赤羽末吉絵
販売元:岩波書店
(1964-07-13)


中国の少数民族に語り伝えられている昔話6編をまとめた本です。パイ族の白竜廟縁起を語る「白いりゅう黒いりゅう」のほかに絵本『王さまと九人のきょうだい』のもとになっている「九人のきょうだい」などが収められています。いずれもスケールの大きな想像力に富んだ物語です。


『でんでら竜がでてきたよ』
でんでら竜がでてきたよ (おはなしランドくじらの部屋)でんでら竜がでてきたよ (おはなしランドくじらの部屋)
著者:小野 里宴
販売元:理論社
(1995-12)

長崎に伝わるわらべうた「でんでらりゅうがでてくるばってん・・・」留守番の夜、その歌を歌いながら竜の卵の絵を描くと・・・そこからほんとうにでんでら竜の赤ちゃんが生まれてきて、それを育てることになった女の子のおはなしです。竜が成長していき、巣立つところでは切ない別れも経験します。竜の背中に乗って飛んでいくシーンは、エンデの「ネバーエンディングストーリー」のシーンを思い出します。自分で読むなら小学校低学年から。少し長いですが、幼児には読んであげても楽しい1冊です。

『エルマーとりゅう』
エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)
著者:ルース・スタイルス・ガネット
販売元:福音館書店
(1964-08-15)


誰もが一度は読んだことのある『エルマーのぼうけん』シリーズの2巻目ロングセラーでみんなが一番よく知っているりゅうかもしれないですね。。ぶじに動物島を脱出したエルマーとりゅうが「知りたがり病」という病気をめぐって大活躍をします。『エルマーと16ぴきのりゅう』と合わせて読みたいですね。りゅうのイメージが、日本や中国のものとずいぶん違うんだな~ということも、この本でも感じます。

『竜のいる島』
竜のいる島 (理論社・名作の森)竜のいる島 (理論社・名作の森)
著者:たかし よいち
販売元:理論社
(2004-02)


東京の南に浮かぶ島を舞台に、古代の首長竜を追跡する一郎太とその仲間たちの物語です。島に伝わる竜骨伝説、歴史的史実の検証、博物館勤務の叔父のアドバイスを受けながら、発掘調査にも参加します。自分が見たものがほんとうに海竜だったのかを突き止めようとする姿に、男の子たちはわくわくすることでしょう。
小学校中学年から高学年向きの本です。

『小さな王さまとかっこわるい竜』
小さな王さまとかっこわるい竜 (おはなしルネッサンス)小さな王さまとかっこわるい竜 (おはなしルネッサンス)
著者:なかがわ ちひろ
販売元:理論社
(2010-06)


雨ばっかり降っている国の王さまが、国民達にからりとした空をプレゼントしたくなって冒険の旅に出ます。そのお供に選ばれたのは、かっこわるい竜。王さまも竜も目立つヒーロータイプではありません。けれどもみんなのために何をするのがいいか、考える姿が心を打ちます。人目につかないところで、黙々とがんばっている人がいることに、清々しい気持ちになれる1冊です。中学年向きの本です。

『とうさんはタツノオトシゴ』
とうさんはタツノオトシゴとうさんはタツノオトシゴ
著者:エリック カール
販売元:偕成社
(2006-09)


辰年にタツノオトシゴ?って、無理やり関連づけてしまいました。竜の子だって思われているのですものね^^
というわけで、エリック・カールさんのこの絵本では、タツノオトシゴの雄が子育てをすることを、わかりやすく透明シートのしかけなども駆使しながら描く絵本です。


『タツノオトシゴ』
タツノオトシゴ―ひっそりくらすなぞの魚 (児童図書館・絵本の部屋)タツノオトシゴ―ひっそりくらすなぞの魚 (児童図書館・絵本の部屋)
著者:クリス バターワース
販売元:評論社
(2006-07)

タツノオトシゴってふしぎな生物ですね。馬のような顔、猿のようなしっぽ、カンガルーのようなお腹の袋、オスが赤ちゃんを産むの?そんなタツノオトシゴの不思議にせまる科学絵本です。ぜひ手にとって、タツノオトシゴの生態に迫ってみましょう。

『タツノオトシゴのかくれんぼ』
タツノオトシゴのかくれんぼタツノオトシゴのかくれんぼ
著者:ステラ ブラックストーン
販売元:光村教育図書
(2007-03)


フェルトによるコラージュで描かれた絵本です。隠れているタツノオトシゴを探しながら、海底に住む生物について、いろいろと学ぶことができるしかけがたくさんある絵本です。幼児から楽しんで読むことができます。


『たつのおとしご』
たつのおとしご (ミセスこどもの本)たつのおとしご (ミセスこどもの本)
著者:ロバート・A.モリス/アーノルド・ローベル
販売元:文化出版局
(1976-03-25)


この1冊でたつのおとしごの生態を詳しく知ることができる本です。これでたつのおとしご博士に!絵はかえるくんとがまくんのたのしいお話を描いた『ふたりはともだち』などでおなじみのアーノルド・ローベル。4才くらいから楽しめるので、ぜひ親子で「たつのおとしご」博士に!という1冊です。

速報:長谷川摂子さん逝去


『めっきらもっきらどおんどおん』などで知られる長谷川摂子さんが18日に逝去されました。図書館現場で長谷川さんの作品を集めて、追悼展示をぜひしましょう。

主な作品
めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1990-03-15)


きょだいな きょだいな (こどものとも傑作集)きょだいな きょだいな (こどものとも傑作集)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1994-08-20)



さくら (かがくのとも絵本)さくら (かがくのとも絵本)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2010-02-10)




十二支のはじまり (てのひらむかしばなし)十二支のはじまり (てのひらむかしばなし)
著者:長谷川 摂子
販売元:岩波書店
(2004-11-19)



へっこきあねさ (てのひらむかしばなし)へっこきあねさ (てのひらむかしばなし)
著者:長谷川 摂子
販売元:岩波書店
(2004-09-15)



たあんきぽおんきたんころりん―たんたんたのしいうたづくし (こどものともセレクション)たあんきぽおんきたんころりん―たんたんたのしいうたづくし (こどものともセレクション)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2006-01-25)

おっきょちゃんとかっぱ (こどものとも傑作集)おっきょちゃんとかっぱ (こどものとも傑作集)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1997-08-15)




クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本)クリスマスの ふしぎな はこ (幼児絵本)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2008-10-10)




ぼうしころころ (つみきのえほん 1)ぼうしころころ (つみきのえほん 1)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2008-04-25)





みず (かがくのとも傑作集)みず (かがくのとも傑作集)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1987-08)




きつねにょうぼう (日本傑作絵本シリーズ)きつねにょうぼう (日本傑作絵本シリーズ)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1997-12-10)




あかくんとまっかちゃん (つみきのえほん 2)あかくんとまっかちゃん (つみきのえほん 2)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2008-04-25)





ことろのばんば (こどものともコレクション2009)ことろのばんば (こどものともコレクション2009)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(2009-02)





このへやあけて (絵本・いつでもいっしょ)このへやあけて (絵本・いつでもいっしょ)
著者:はせがわ せつこ
販売元:ポプラ社
(2008-11-01)




子どもたちと絵本 (福音館の単行本)子どもたちと絵本 (福音館の単行本)
著者:長谷川 摂子
販売元:福音館書店
(1988-06-30)




絵本が目をさますとき絵本が目をさますとき
著者:長谷川摂子
販売元:福音館書店
(2010-03-25)

 

(神戸新聞ニュースより:

「めっきらもっきら どおんどん」など、子どもたちに長く愛されている絵本作品で知られる児童文学作家、長谷川摂子さんが18日午前11時、骨髄線維症のため東京都港区の病院で死去したことが23日分かった。67歳。島根県出身。葬儀・告別式は近親者のみで済ませた。喪主は夫で哲学者の宏氏。

 東京外大卒、東大大学院を中退後、保育士として勤務。宏氏と埼玉県所沢市で営む学習塾で絵本の読み聞かせをするなど、子どもたちと触れ合いながら創作を続けた。

 他の代表的な絵本に「おっきょちゃんとかっぱ」「きつねにょうぼう」など。「人形の旅立ち」で坪田譲治文学賞などを受賞した。)



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