児童サービスに関する情報

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)
おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 4月
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介3月
おはなし会のいろは(その6)おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介2月
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 1月
おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
日本図書館協会『選定図書総目録』について
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 12月
おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方
全国学校図書館協議会 『学校図書館』『学校図書館速報版』について
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 11月
学校図書館関連のおすすめの本の紹介(10/27追記あり)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)


新年度がはじまって一か月がたち、一年生も学校に慣れ、ようやく学校生活が動き出したころだと思います。

春の遠足などの行事が予定されている小学校も多いのではないでしょうか。

緑の木々と元気な鳥のさえずりが爽やかなこの季節、野鳥を保護し、自然に親しむ週間として、鳥類保護連絡協議会が愛鳥週間(5月10日~5月16日)を設けています。

そこで5月は、愛鳥週間にちなんで鳥に親しむことができる絵本を中心に選びました。

<低学年向け>

 絵本『かもさんおとおり』 ロバート・マックロスキーぶんとえ わたなげしげおやく 福音館書店 1965
 
かもさんおとおり (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
 
かものマラードさんとマラードおくさんは、ボストンのチャールズ川の中洲に巣を作りました。生まれた8羽のひなが成長すると、ボストンの公園の池に引越しをすることになりますが、車の多い通りを大行進したため、大騒ぎとなります。絵は、茶色のセピア色の優しい色ですが、大きな判型なので、遠目が聞きます。「ジャック、カック、ラック、マック、ナック、ウァック、パックにクァック」という子がもたちの名前も楽しく、読み聞かせをすると笑いがおこります。15分くらいと少し長めですが、おおらかであたたかい雰囲気を、たっぷり味わえる1冊です。
 
<中学年向け>
絵本『がちょうのペチューニア』 ロジャー・デュボワザン作 まつおかきょうこ訳 冨山房 1999 13分 
がちょうのペチューニア
ロジャー・デュボワザン
冨山房
1999-01-16
おばかさんのがちょうのペチューニアは、ある日本を見つけます。本に親しむものは賢くなると聞いたペチューニアは、本の中に文字が書いてあることも知らずに、ただ鞄のように持ち歩いて、賢くなった気になります。得意になって首も長く伸びたペチューニアは、困っている動物たちの相談にのるのですが、おかしな助言ばかりで動物たちはひどい目に合ってしまいます。自信満々で間違ったことを教えるペチューニアに笑いがおこります。P24の箱に書いてある「きけん はなび とりあつかいちゅうい」は本文にはありませんが、そっと教えてあげてもよいでしょう。ユーモラスな絵と鮮やかな色使いもお話にぴったりの絵本です。気軽に愉快に楽しんでください。
 
<高学年向け>
絵本『鳥の巣みつけた』 鈴木まもる 文と絵 あすなろ書房 2002 8分以上
 
鳥の巣みつけた
鈴木 まもる
あすなろ書房
2002-04
 
鳥たちが家のまわりで様々な巣を作っていることを知った著者は、世界中の鳥たちがどのような巣を作っているのか調べにいきます。5メートルもある大きなアパートのような巣やサボテンのとげに囲まれた巣など様々な面白い巣が紹介されますが、いずれも大切な子どもを育てるために、環境に合わせて工夫した巣を作っていることがわかります。スケッチ風の優しい絵で巣の様子が描かれていますので、ゆっくりめくって見せてあげてください。ただし、1ページにたくさんの巣が紹介されているページは、大まかな紹介だけして、後から手にとってみてもらってもよいと思います。
 著者の鈴木まもるさんは画家として、『ピン・ポン・バス』(竹下文子作 鈴木まもる絵 偕成社 1996)などの絵本も手がけていますが、日本や外国の鳥たちの使い終わった古巣を多数収集していて、鳥の巣に関する本も出版しています。読み聞かせできる本、図鑑のような本、エッセイ風の本などがありますので、図書館にある本を確認しておいて、状況にあったものを紹介してみてください。
  
<科学の本>
 『くちばし どれが一番りっぱ?』 ビアンキぶん 田中友子やく 薮内正幸え 福音館書店 2006 8分
くちばし どれが一番りっぱ? (福音館のかがくのほん)
 
小さいくちばしのヒタキに向かっていろいろな鳥たちが、自分のくちばしを自慢しあいます。上と下がくいちがったくちばし、ひげのあるくちばしなど、面白い特徴のあるものが次々登場し、鳥のくちばしは、こんなに工夫されているのかと、感心します。薮内正幸さんの絵も、くちばしの特徴がよくわかると同時に、自慢する鳥たちのほこらしげな様子が伝わってきます。子どもたちの「へぇー」という顔が見られる1冊です。
  
 <気軽に読める本>
『とりがないてるよ』 ヨアル・ティーベリぶん アンナ・ベングトソンえ オスターグレン晴子やく 福音館書店 2014 3分
 
とりがないてるよ (世界傑作絵本シリーズ)
ヨアル・ティーベリ
福音館書店
2014-03-12
 
13種類の鳥の鳴き声が紹介されています。
各ページに鳥の絵と、「フィフィ、フィフィ、フィフィー ゴジュウカラは フルートをふいてるみたい」といった簡単な説明があります。鳴き声の字体は、丸字だったり、大きさが違ったりと、鳥に合わせて工夫されていて、鳴き声の雰囲気が伝わってきます。気軽に鳥の鳴き声を楽しむことができる1冊です。
 また、もっと鳥の鳴き声を知りたい子には、『鳥のなき声ずかん(ずかんライブラリー)』(薮内正幸ぶんえ 篠原榮太もじ 佐藤聰明おと 福音館書店 2011)も合わせて紹介してもよいと思います。
 
<おまけの詩>
『どうぶつはいくあそび』 きしだ えりこ作 かたやま けん絵 のら書店 1997
  
どうぶつはいくあそび
岸田 衿子
のら書店
1997-12
 
動物たちが作った愉快な俳句が、「はる」「なつ」「あき」「ふゆ」のまきで紹介されています。動物たちの素直な俳句に寄せた、かわうそ師匠の感想も楽しいです。動物によっては、日本語ではなく、その動物の言葉で俳句を作っていますので(訳文はあります)、「なんと言っているでしょう?」といったクイズ形式で楽しむこともできます。ことりのぴいこも鳥語で「ころころち ぴちくち・・・」といった愉快な俳句を作っています。
 
 今回紹介した本は、公共図書館向けの5月おはなし会プラン「2014年(その2)いろいろなとりたち(幼児~小学生)」「2016年(その2)いろいろなとりたちpart2 (幼児~小学生)」でも紹介しているものが多くあります。おはなし会プランの幼児~小学生向けで紹介している本は、学校図書館でも活用できるものがありますので、ぜひ参考にしてください。
 
(作成 T.I) 

おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方


昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

 

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連載1回目の「絵本の持ち方 めくり方」は多くの方に見ていただき、「いいね」もたくさん押していただきありがとうございました。

2回目は「絵本の読み方 声の出し方」です。前回も書きましたが、これは図書館や学校など大勢の子どもたちに向けておはなし会を開催する場合を想定しています。ご家庭で自分のお子さんのために読むときは、どんな読み方をしてもOKです。大好きな親や祖父母がそばで自分のために読んでくれる!というだけで嬉しいのです。読み方にこだわることはありませんので、利用者から質問があった場合はそのようにお伝えください。

【絵本の読み方】7042d4ba

①導入 

 初めておはなし会を担当する時は、子どもたちの視線が一斉に自分に集まり、また後方で見ている保護者の方々も視界に入ってきて緊張すると思います。読み始める前に、ゆっくりと深呼吸をして、息を整えましょう。また子どもたちを一回り見渡して、「最初に読む絵本は、これだよ。」「次はどんなお話かな?聞いてね」など、少し会話をしてみると、子どもたちとの距離が縮まって緊張を解くことが出来ます。

 おはなし会は、図書館スタッフが一方的に子どもに本を読むショーではありません。読み手と聞き手が一緒におはなしを楽しみ、その場の雰囲気を作っていくものです。読み手が交代したり、次の絵本に移行するときに、無言のままやっているおはなし会に出くわしたことがあります。聞き手にも緊張感が伝わり、雰囲気がとても硬くなっていました。ほんの一言声をかけると場が和むものです。

 

②表紙の読み方

 読み始める前に、本の表紙をしっかりと見せて、タイトルと作者名、画家名、翻訳者名などを読み上げます。ただし1回目でも書きましたが、おはなし会の対象が小さなお子さんの場合はタイトルだけで良いでしょう。幼稚園の年長児や小学生を対象に読むときは、作者名など本を作った人への意識が高まり、特定の作家、画家のファンになったりします。

表紙は、子どもたちにとって別世界への扉です。これからどんなおはなしが始まるのか、期待を膨らませることでしょう。

 

③見返し

 見返しもすべてゆっくりとめくっていきます。作品によっては、見返しに描かれた絵から物語が始まっていたり、伏線になっていることがあります。お芝居で開幕のブザーが鳴って緞帳が上がっていく時のような期待感を高めることとなります。

 

④声の表情と、間の取り方

 おはなし会の研修などでよく質問を受けるのが、登場人物などを声音を変えて読むかどうかということです。子どもたちが物語の世界をイメージし、その世界に入り込んでいくのを邪魔しないために読み手は出来るだけ淡々と読むのが良いという主張もあります。(読み手は黒子に徹するという意味で「黒子説」と呼ばれています。)

その一方で、絵本を読んでもらうことに慣れていない子や、普段アニメーションばかり見ている子にとっては淡々と読まれていると、面白さがわかる前に飽きてしまうので、臨場感溢れるように声音を変え、身体的動作やBGMなども時には使ってドラマティックに読んだほうが良いと主張もあります。(読み手のパフォーマンスに依るということで「パフォーマンス説」と呼ばれています。)

そのどちらが正しいとは断言できない問題だと私は思います。つまり、それは作品によって違うと考えるからです。たとえば、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』(まさきるりこ/訳 福音館書店)や、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』(瀬田貞二/訳 福音館書店)などは、静かに淡々と読んであげたほうが、子どもたちはすっとこの作品の世界に入り込んでいけます。

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マリー・ホール・エッツ
福音館書店
1963-12-20
 
 
 
 
よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ユリー・シュルヴィッツ
福音館書店
1977-06-25
  

 

 

逆に、ドラマティックに場面が展開していく 『三びきのやぎのがらがらどん』(マーシャ・ブラウン/作 瀬田貞二/訳 福音館書店)では、大きながらがらどんが登場する場面は、それまでの小さながらがらどんや、中くらいのがらがらどんよりも大きなしわがれた声で「おれだ!おおきなやぎのがらがらどんだ」と読まないと、この作品の面白さは伝わりにくいでしょう。(フォントも大きくなっています)

 何度もしつこく言うようですが、しっかりと下読みをする中で、どんな読み方がその作品の世界観を子どもたちに伝えられるか、感じ取ることが大切です。

自分ひとりで判断できない場合は、一緒におはなし会を担当する同僚とリハーサルを重ねながら検討していくとよいでしょう。お互いに読む作品を声に出して読み合う中で、声の出し方やめくるタイミングなども合わせてアドバイスをお互いにしましょう。

なお、無理に声音を作る必要はありません。ゆっくり読む、早口で読む、あるいは声の大きさを変えるだけで、物語の雰囲気をより深く伝えていくことが出来ます。(おじいさんやおばあさんはゆっくり読む、小さな子どもは早口で読むだけでも雰囲気が伝わります)
 

 それと合わせて、ページをめくる速さや間も大切にしましょう。文章を読み終わった後もじっくりと絵を見せておきたい場面と、さっと次のページに移行したほうが、子どもたちがその世界に入り込める場合とがあります。どのように読めば、その物語の世界をより子どもたちに伝えられるか、あらかじめ何度も読んでみて考えておく必要があるでしょう。十分な下読みをし、また誰かに聞いてもらっておくことをおすすめします。

 長新太の『キャベツくん』(文研出版)を例にあげてみます。

キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)
長 新太
文研出版
2005-02

 

キャベツくんが「こうなる!」といいました。” で見開きのページが終わり、次のページの冒頭では “「ブキャ!」ブタヤマさんは そらをみて びっくりしてしまいました。” と受けるのが繰り返されます。この場合、ページはサッとめくらないとそれこそ「間」が抜けてしまいます。また、「ブキャ!」の部分は、平坦に読むよりも、ほんとうに驚いた感じが伝わるように大げさなくらいに大きな声で読むほうが、この作品の面白さがより伝わります。

かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
冨山房
1975-12-05

  モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』(神宮輝男/訳 冨山房)には、見開きで3シーン、字のないページが続きます。ここは主人公マックスとかいじゅうたちが繰り広げるかいじゅうおどりを子どもたちに堪能してもらうために、じっくりと絵を見せます。ご家庭ではいろいろな擬音を作ってかいじゅうおどりの様子を表現して遊ぶ親子もいると聞きますが、図書館など集団の場で読む場合は、こちらから特に働きかけずに、子どもたちが思い思いにその世界に入り込めるよう、みんなに見えるようにじっくり絵を見せながら、十分な間を置いて次のページへとめくっていくとよいでしょう。

 

⑤オノマトペ(擬音語、擬態語)絵本の読み方

 

 

がたん ごとん がたん ごとん (福音館 あかちゃんの絵本)
安西 水丸
福音館書店
1987-06-30

 

 

オノマトペの絵本は読み方がとても難しいですね。2010年にフェリス女学院大学で開催された絵本学会で、谷川俊太郎さんがオノマトペ絵本について語られました。(「ことばと絵」 →絵本学会会報No.40参照)谷川俊太郎さんご自身が『もこもこもこ』を表情豊かに、抑揚をつけ、楽しそうに読んでくださいました。「もこっ・・・も~こ~も~~こ~~~」と大げさなほどでしたが、「もこもこもこ」と平易に読んでいては伝わらない「大きく膨らんでいく様子」の描写が音から伝わってきて、どんどん引き込まれていきました。谷川さんは講演の中で「文字で読むのと声を出すのでは全然違うものになる。音声化する場合にはオーバーにやらないと面白くないと思うんです。」とおっしゃいました。

『がたんごとんがたんごとん』も平易に読むよりは、電車が来る本当の音のように抑揚をつけて読むと小さな子どもたちも大喜びします。もちろん、無理やり抑揚をつける必要はありませんが、谷川さんの発言は参考になると思います。

 

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背中が曲がっていると、声帯が圧迫されて声が通りにくくなります。椅子に座る場合は浅くかけて、背筋を伸ばしましょう

【声の出し方】

 声の出し方については、専門家のボイストレーニングを一度受けることができれば一番良いのですが、それができない場合の基本的なアドバイスをいくつか書いておきます。

①姿勢を正し

 姿勢が悪いと声がまっすぐに前に向かって出ません。まずは姿勢を正しくすることを心がけましょう。背中が曲がっていると、喉が圧迫されて、声帯をきれいに震わせることが出来ません。そうするとはっきりと発音が出来ず、聞き取りにくくなります。また、必要以上に声帯にに負担がかかり、喉を痛めてしまいます。
 姿勢を保つためには、筋力が必要です。「おはなし会に筋力?」と意外に思うでしょうが、正しい姿勢を保つために腹筋、背筋に意識し、普段からストレッチをするように心がけましょう。

 

 

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立つ場合も同じです。猫背にならないようにします。

②呼吸法

 腹式呼吸を心がけます。息を吐くときにお腹をへこませ、吸うときにお腹を膨らませます。そのことを意識しながら、ゆっくりと呼吸をします。うまくできないときは、仰向けに横になり、おへその下あたりに手を置いてやってみましょう。腹式呼吸で発声をすると、喉に負担をかけることなく、しっかりとした声を出すことが出来ます。大きな会場などで読み聞かせをする時などは、この発声の仕方を覚えておくと良いでしょう。インターネットで「発声法 腹式呼吸」で検索すると自宅でできるボイストレーニングのサイトや動画がたくさん出てきます。参考にしてみてください。

 

③滑舌をよくする 

  滑舌が悪いと明瞭な発声ができません。演劇などの練習に使われる口を動かす練習をしておきましょう。まずは口角の動きに意識して、母音を発声してみます。

 「あ」は大きく口を開く、「い」は口角を耳元に引き上げるように気持ちで横に伸ばす、「う」は唇をすぼめて前に出す、「え」は口を横に大きく開きながら舌を下歯茎につける、「お」は口の中に大きな空間をつくる感じで声を出します。この口角を意識して動かすエクササイズは小顔効果もあるそうですよ。その上で、口の形を意識しながら、演劇の練習などでも使われる発声練習をします。

 あえいうえおあお かけきくけこかこ させしすせそさそ たてちつてとたと なねにぬねのなの はへひふへほはほ まめみむめもまも やえいゆえよやよ 

 られりるれろらろ わえいうえをわを がげぎぐげごがご ざぜじずぜぞざそ だでぢづでどだど ばべびぶべぼばぼ ぱぺぴぷぺぽぱぽ

 その他にも、北原白秋の「五十音」(あめんぼあかいなあいうえお・・・ではじまる詩)や、外郎売の口上、早口言葉などで滑舌の練習を普段からしておくとよいでしょう。

(作成K・J) 

おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方


新年度、異動などで児童サービス担当になった方もいると思います。昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

 また今年度中に社員向けeラーニングに動画も配信していく予定です。

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1回目は、初めての人が意外と知らない絵本の持ち方、めくり方についてです。ただし、これは図書館などでの集団への読み聞かせの場合です。ご家庭での読み聞かせについて、利用者から質問があった場合は、お子さんをお膝にのせるか、隣に座って同じ視線で読んであげるとよいとお伝えください。

では、福音館書店の『おおきなかぶ』を用いて、説明をしていきましょう。(画像使用については出版社の許諾を得ています。)
『おおきなかぶ』A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店

絵本の準備

開きグセをつける

①絵本の準備

まず絵本が開きやすいかどうかを確認します。とくに新しい絵本は、開きにくくなっています。真ん中あたりのページを開き、両手で綴じの部分を軽く押さえます。ページ数の多い絵本や、硬い紙質の絵本の場合は、いくつかのページで同じように綴じの部分を押さえておきます。こうすることで開きグセをつけることができ、読んでいる最中にページが浮いたり、戻ってしまうことを防ぐことができます。

 

 

 

②絵本の持ち方

絵本の持ち方

脇をしっかりと締めて持つ

絵本の持ち方3

親指と手のひらがしっかりと絵本を支える

文字が横書きで右開き(左綴じ)の絵本は、身体の右側で絵本を持つとめくりやすくなります。(縦書き、左開き(右綴じ)の絵本の場合は、逆に身体の左側で左手で絵本を持ちます。)

右手で絵本の「のど」(綴じの部分)をしっかりと持ちます。
手のひらと親指で後方から絵本を支え、手前に4本の指を揃えて添えます。これで絵本が安定して、グラグラと動くことがありません。
脇はしっかりと締めておくと、さらに安定します。

左は後方から絵本を持っているところを撮った写真です。
親指と手のひらがしっかりと絵本を支えていることがわかるでしょうか。

 

 

③ページのめくり方

絵本の持ち方2

『おおきなかぶ』A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店

絵本を読み始める時は、表紙の絵をしっかりと見せてからタイトル名を読み、見返しのページもタイトルのページも一枚ずつゆっくりとめくっていきます。見返しに何も書いてないからと、一度にタイトルのページまでめくるのではなく、劇場で緞帳が徐々に開いていくように見返しのページもゆっくりめくっていくことが大切です。読んでもらう子どもたちは、どんな物語に出会えるかワクワクしながら待つことが出来ます。タイトルページでは、もう一度タイトルを読みましょう。なお、作者名、画家名などについては乳幼児の場合は読まなくても構いませんが、小学生には読んであげると、絵本を作ってくれた人への意識や、教科書で紹介されている作家と同じだという発見が出来て、次の読書へ繋げることが出来ます。

ページをめくる時は、左手で手前を少し浮かせてから、自然に向こう側へ送るようにします。この時、のどを持っている4本の指も使って、ページの中央でページを受け取って送って行きます。この方法で絵本を持つと、ページをめくる時に描かれている絵を腕で邪魔することがありません。(ただし、もっと横長で大型の絵本の場合は、左手で向こう側へ送っていく必要が出てきます。)

 なお、縦書き、左開きの絵本の場合は、逆に身体の左側で左手で絵本を持ち、右手でページを浮かせて送るとよいでしょう。

 これらの持ち方は、絵本の字面を読む時の人の視線の動きにも合致しています。視点は手前から遠方に動かすよりも、遠方から手前に動かす方がピントが合いやすく、読み間違いをしにくいという利点もあります。

また文章を読み終わってすぐにページをめくるのではなく、ひと呼吸分、両端の子どもたちに絵を見せるつもりでほんの少し腰を左右に動かしてからめくります。(なお、作品によっては次のページにさっと移ったほうがお話の流れとして良い場合もあります。)

 はじめて児童サービス担当になって、図書館で「おはなし会」をすることになった場合、多くの方が家で声を出して一生懸命練習することでしょう。しかし大勢の人の前で読むというのは、広がって座っているどの子どもたちにも絵本の絵がよく見えるように絵本を持つことや、絵に見入っている子どもたちの邪魔にならないめくり方など、ほんの少しのコツが必要です。

 不特定多数の人の前で絵本を読むということは、慣れないと緊張するものです。練習をするときは、同僚や家族に聞いてもらいながら、実際にこれらの持ち方、めくり方で練習をしてみてください。

次回は、絵本を読むときの声の出し方についてです。お楽しみに! 
(作成K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 4月


 *小中学校の入学式も終わり、いよいよ新しい学年度の始まりですね。小学校での読み聞かせでおすすめの本の紹介は、昨年度連載したものです。この時期に合わせて再度、掲載いたします。*

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公共図書館では、団体貸出などによる資料の提供、レファレンス、図書館見学や職場体験の受入れなどの学校支援サービスを行っています。公共図書館から学校図書館の担当者として職員を派遣している地域もあり、そういった学校図書館担当職員が学校での読み聞かせや本の紹介をする機会も多くなってきました。

 学校での読み聞かせは、学校の教育課程の一貫として行われていることや、朝の10分間に教室で行ったり、授業時間に図書室で行ったりと、時間や場所が様々であることなど、公共図書館のお話会とは異なる点もあります。

 そこで、学校での読み聞かせや本の紹介の本選びに活用してもらえるよう、毎月「小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介」を掲載していきます。

 急に読み聞かせをしてくださいとお願いされることもありますので、普段からいくつか候補になる本を用意しておくと安心です。ぜひ参考にしてみてください。

4月は、新年度のオリエンテーションのときに読み聞かせできる絵本という視点で選びました。

<低学年向け>

『おかえし』 村山桂子さく 織茂恭子え 福音館書店 1985 7分

おかえし (こどものとも傑作集)
村山 桂子
福音館書店
1989-09-25

たぬきの家の隣に引越してきたきつねは、挨拶にいちごを持って行きます。するとたぬきはお返しにたけのこくれたので、さらにそのお返しを持って行くことにするのですが・・・きつねとたぬきのお返し合戦が愉快な物語です。最後は贈るものがなくなって、自分までお返しの贈り物にしてしまいます。「これは、ほんの つまらないものですが、おかえしの おかえしの おかえしの おかえしの おかえしの・・・」という言葉の繰り返しも楽しく、子どもたちは一緒に声を出してくれます。初めての読み聞かせで、読み手も聞き手も緊張しているときに読むと、お互いの距離が近くなるような気がするおすすめの絵本です。

<中学年向け>

『としょかんライオン』 ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店 14分

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
ミシェル ヌードセン
岩崎書店
2007-04-20

ある日、図書館にライオンがやってきました。ライオンは図書館のきまりをきちんと守って、お手伝いもしたので、みんなの人気者になります。ところがあるとき、図書館長のメリウェザーさんがけがをしたことを知らせるために、大きな声でほえてしまいます。きまりを守れなかったライオンは、姿を見せなくなってしまうのですが・・・。

オリエンテーションのときに、図書館のきまりを確認する学校も多いと思いますが、きまりが大切なことも、ちゃんとした理由があるときは守れないときがあることも、自然に伝わる楽しい物語です。

<高学年向け>

『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 ジャン・ピンボロー文 デビー・アトウェル絵 張替惠子訳 徳間書店 2013 10分

図書館の児童サービスの先駆者の一人、アン・キャロル・ムーアの伝記絵本です。1870年にアメリカの小さな町で生まれ育った女の子は、大人になるとニューヨークに出て、図書館学を学び、子どものための児童室を作る仕事につきます。子どもは本を大切にできないから触らせてはいけないと考える人がいる時代に、「としょかんのやくそく」をしてもらって借りられるようにしたり、子どもたちに合う小さなイスやテーブルを作ってもらったり、わくわくするコンサートやお話会を開いたりと、様々な工夫をして子どもたちが楽しく過ごせる児童室を作っていくのです。アンのつくった児童室は世界中で参考にされ、現在の日本でもアンの仕事は生かされています。

図書館のことを知ることができると同時に、生涯を通して自分の仕事してきた、アンの生き方も興味深い本です。中学年でも一人の女性の物語として楽しめると思いますが、視野が広がり、将来を考え出す高学年にもおすすめしたい1冊です。

 <季節の本>

『たんぽぽ』 平山和子ぶん・え 北村四郎監修 福音館書店 1976 5分

身近にあるタンポポについて、科学的にわかりやすく紹介されています。語りかけるようなやさしい文なので、読み聞かせに向いています。絵は写実的で、葉や根、花は240もの小さな花が丁寧に描かれています。根は見開き2ページにわたって描かれているので、2冊用意して、子どもや先生に手伝ってもらって、つなげてみても楽しいでしょう。

 

 <気軽に楽しめる本>

  『それ ほんとう?』 松岡享子著 福音館書店 2010

「あるひあめりかうまれの ありのありすさんが あるあめのひに・・・」といったように、五十音それぞれに「あ」なら、「あ」で始まる言葉だけで、「い」なら「い」のつく言葉だけで、思わず「それ ほんとう?」といいたくなる、奇想天外な詩が作られています。自己紹介ついでに自分の頭文字の詩や、担任の先生の名前の詩を読んであげたりすると、楽しめると思います。

(作成 T.S)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介3月


3月は、進級、卒業を控えて、学校の中も浮足立つ時期ですね。図書館へ来る回数も減るかもしれませんが、機会を作って読み聞かせをしてあげてください。春の匂いを感じる本を中心に選びました。(3月は学年末で、授業日数も少ないので、早めにUPします)

<低学年>

『いちごばたけのちいさなおばあさん』 わたりむつこさく 中谷千代子え 福音館書店 1983 6分

いちごばたけの ちいさなおばあさん (こどものとも傑作集)
わたり むつこ
福音館書店
1983-11-01
 
いちごばたけの土の中に住んでいるちいさなおばあさんの仕事は、いちごに色づけをすること。ある時、春がまだ先だというのに暖かい日が続いたので、いちごが色づくのはまだ先と思っていたおばあさんは大慌てです。おばあさんが一生懸命、いちごに色づけ終わると、寒の戻りで畑は一面雪景色に。三寒四温と気温が変化する春先に読んであげたい1冊です。
 

<中学年>

「梅の木村のおならじいさん」 15分 (『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』 松岡享子作 寺島龍一画 福音館書店 1968 より)

くしゃみくしゃみ天のめぐみ (福音館創作童話シリーズ)
松岡 享子
福音館書店
1968-08-01

おじいさんの悩みの種は、食事時になると出てしまうおなら。音といい、においといい天下一品の代物です。ある冬の日、わなにかかったズーイグルッペという奇妙な生き物を助けます。するとお礼に、なんでも願い事を叶えてくれるというのです。おじいさんはおならが出るのを止めてもらうのですが、かえって体調が悪くなります。そこでもとに戻してもらうと、今度はお殿様の狩りのお供を頼まれてしまいます。殿様の前で粗相はできないからと、もう一度ズーイグルッペに頼み事をしに行きます。事情を知ったズーイグルッペがやった粋な計らいとは?覚えて語ってあげてもよいでしょう。

 

<高学年>

『ルピナスさん』 バーバラ・クーニーさく かけがわやすこやく ほるぷ出版 1987 10分

ルピナスさん―小さなおばあさんのお話
バーバラ クーニー
ほるぷ出版
1987-10-15
 
 アリスは、小さい時におじいさんと3つの約束をします。それは、「大きくなったら、遠くへ行くこと。おばあさんになったら、海のそばの町に住むこと。そして、世の中を美しくするために 何かすること。」 大人になったアリスは、ミス・ランフィスと呼ばれるようになり、本当に世界中を旅して、海を見下ろす丘にある小さな家に住み、素敵な思いつきをして、一番難しい3つめの約束を果たすのです。その素敵な思いつきのおかげでみんなからはルピナスさんと呼ばれるようになります。時代ごとに色調が変化して描かれ、ひとりの女性の人生のを象徴しているかのようです。
 

卒業する6年生には、2014年(その4)卒業おめでとう!(小学生・中学生)で紹介されている本もおすすめです。

 

<知識の本>

『さくら』 長谷川摂子文 矢間芳子絵・構成 福音館書店 2010 5分

さくら (かがくのとも絵本)
長谷川 摂子
福音館書店
2010-02-10
 
 さくらの花は満開の季節だけが注目されるのですが、実は季節とともにさまざまな姿を見せてくれます。青葉の季節、小さな実がなる季節、秋には紅葉して、冬には裸の木に。でも冷たい風の中、しっかりと次の花芽を育てているのです。「かがくのとも」シリーズの1冊。さくらの季節の前に読んであげるとよいでしょう。 
 
 

『はるにれ』 姉崎一馬写真 福音館書店 1979

はるにれ (日本傑作絵本シリーズ)
福音館書店
1981-11-10

文字のない写真絵本です。北の国の草原にたつ1本のはるにれ。落葉高木のはるにれの四季折々の姿をさまざまな表情で映し出しています。霧の中にたたずむ姿、一面の雪原にたたずむ姿、若葉が萌え出ずる姿などを、じっと見つめていると、木からのメッセージが聞こえてきそうです。余計な声をかけずに1ページ、1ページしっかりと見せてあげてください。

 

 

<気軽に読める本>

『これはおひさま』 谷川俊太郎作 大橋歩絵 福音館書店 1990 3分

これはおひさま (幼児絵本シリーズ)
谷川 俊太郎
福音館書店
1990-04-10

谷川俊太郎さんの『これはのみのぴこ』と同様に、こちらも積み重ねの言葉遊び絵本です。「おひさま」から始まって「おひさま」にまた帰ってくるまでに、どんなものが出てくるか、楽しみながら読めます。大橋歩さんのよるコラージュ手法を使った絵も味わい深いことでしょう。
 

(選書T・I 作成K・J)

おはなし会のいろは(その6)おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)


「おはなし会のいろは」の6回目は、「おはなし会終了後も大事です(フォローと記録)」です。

絵本の持ち方もめくり方も、声の出し方もマスターしました。おはなし会の会場作りにも気を配れるようになり、プログラムの立て方も理解が進んだことと思います。

実際におはなし会を実施してみて、ハプニングが起きても、冷静に対処も出来るようになったことでしょう。児童サービスの重要な柱であるおはなし会の運営がスムーズに出来るようになれば、児童担当として自信になりますね。

おはなし会の30分が終わってホッとしたいところですが、まだまだやることはあります。おはなし会の後にやるべき大切なことを2点取り上げます。

1)フォロー

e4f84cb2おはなし会のプログラムを最後まで終えれば、それで終わりではありません。まずは、その日に読んだ本をもう一度テーブルの上などに並べて紹介しましょう。読んでもらった絵本を借りて帰りたいという子どもたちのために、プログラムが決まった時点で複本を用意しておくと尚一層よいでしょう。当日は読まなかったけれど同じテーマで手渡したい本などがあれば、それも一緒に紹介しましょう。

子どもたちには、おはなし会にまた来てもらえるように、スタンプカードやシール帳を用意しておきます。図書館によってはスタンプのたまる数は8コ、10コなどさまざまですが、館の事情に合わせてそこは決定します。スタンプカードがいっぱいになったら、手作りのしおおはなし会ののいろは(スタンプカード)りや、折り紙で折ったメダルなどをプレゼントします。小さな子どもたちにとっては、それが励みになっておはなし会に参加する動機付けともなります。

おはなし会の部屋が、閲覧室とは別の場所にある場合は、終了後15~30分ほどは親子連れがしばらく談笑できるようにして、すぐに片づけをしないでおくことも一案です。おはなし会の余韻に浸りながら、絵本を仲立ちにして同年代の子どもをもつ親同士が交流する場として位置付けてもよいでしょう。図書館スタッフもその場にいて、家庭での読み聞かせについて相談にのったFullSizeRenderり、おすすめの絵本を手渡したりする機会を作れます。時には、保健師さんと協働してちょっとした子育て相談会などを実施しても喜ばれるでしょう。

なお、楽しいおはなし会のテンションのままで、閲覧室に親子連れが雪崩れ込むとクレームになることもあります。その3に記していますが、「会場を出たら、他の利用者の方々にもご配慮願います。」と一声かけましょう。

 

 

2)記録

おはなし会を実施しても、やりっぱなしでは意味がありません。おはなし会終了後に必ず担当者同士で簡単な振り返りをし、それを記録に残して蓄積することが大切です。

おはなし会の記録(本のこまど図書館)

おはなし会記録の見本 クリックすると拡大できます

対象年齢別に記録をファイリングし、いつでもその記録を見返すことが出来れば、よいでしょう。

どんなプログラムが喜ばれたか、子どもたちの反応はどうだったのかなど、読んだ本や、やったわらべうたなどの演目とともに記しておきます。

以前、研修で伺った図書館では記録は取ってあるものの、読んだ本の書名だけで書誌事項がまったく記されていないというものがありました。

昔話などは、同じタイトルで別の再話者で画家も違う絵本が何冊もあります。また、稀ですが版によって文章に手が入れられていて言葉遣いが変わっているという場合もあります。

タイトルはもちろんのこと、作者、翻訳者、画家、出版社、出版年などの書誌事項は面倒がらずに記入しておきましょう。

わらべうたや手遊びなどのうち、楽譜や遊び方など参照にできる書籍などがある場合は、それも記しておきます。その場合、ページまで漏らさずに記載しておくと、他の担当者が次に行う際の参考になります。

加えて、おはなし会プログラムを作成するときに候補にあがった他の本なども記しておきます。

図書館スタッフとボランティアさんとで組んでおはなし会を実施する場合も同様に一緒に振り返りと記録記入をしてください。

対話をする中で、ボランティアさんが長年積み上げてきた経験を伺うこともできるでしょうし、館内だけではわからない地域での子どもたちの姿を知ることもできるよい機会になります。

これらの記録は、ただ残せばよいのではなく、活用してこそ生きてきます。おすすめ本のリストを作成したり、次のプログラムを作成したりするときの参考にもなります。子どもたちの反応を書くことで、よりよいおはなし会の雰囲気作りにも生かしていくことができます。

 おはなし会の記録は、特別の用紙を準備しなくても、ノートに記入する形でも構いません。その場合は、必要事項が漏れなく記入できるように、表紙裏などに記入項目を添付しておくとよいでしょう。また自治体によっては、記録票が決まっている場合もあります。それを活用してください。

参考までにおはなし会の記録用紙(案)をPDFで取り出せるようにしておきます。

 〇〇図書館おはなし会記録(例)

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さて、2016年4月から6回にわたって連載してきた「おはなし会のいろは」は、これで終了です。何もわからないまま児童担当になって、はじめておはなし会を担当しなければならない、という初心者向けに連載してきました。この6回の連載をじっくり読んでいけば、おはなし会のノウハウはある程度理解できると思います。

はじめて担当する時は緊張するものですが、コチコチになっていると、子どもたちに伝わってしまいます。まずは担当するみなさんが肩の力を抜いて、楽しむことが大切です。もしも読み間違えてしまっても、大丈夫です。子どもの心を傷つけるような本を選書しなければ、あとは少々失敗しても大丈夫です。本の中に広がっている豊かな世界が、その失敗をカバーしてくれます。

選書にしても、最初はうまく選べないかもしれません。何度も読んでいるうちに、子どもたちが集中している様子などを見て、わかってくると思います。ゆめゆめウケる本が良い絵本だと思わないでくださいね。とにかくたくさんの本を読む。児童担当にとって、それが何より大切です。たくさんの本を手にしているうちに、手渡したい子どもたちの顔が浮かんでくると思います。

また、(その3)にも記していますが、図書館のおはなし会を通して、ご家庭で子どもたちのために本を読んであげることの楽しさを、付き添ってきている親たちに伝えることが一番大切です。そのためにも、付き添いの大人の方も一緒に過ごせるような言葉がけをしてください。

図書館のおはなし会で、子どもも大人も、スタッフのみなさんも、たくさんの笑顔になれますように!

 おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
 おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
 おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
 おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方
 おはなし会のいろは(その5)おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?

 (作成K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介2月


まもなく節分です。この時期に読んで聞かせてあげたい絵本を紹介いたします。

<低学年>

『こぶじいさま』  松居直作 赤羽末吉絵 福音館書店 1980 6分

こぶじいさま
松居 直
福音館書店
1980-07-01
 
ひたいに大きなこぶのあるじいさまが、山のお堂に泊まっていると夜中に鬼がやってきました。日本の昔話では頬に大きなこぶがある再話も多いのですが、こちらでは額にこぶ。赤羽末吉の迫力のある鬼どもが怖くもあり、ユーモラスでもあります。鬼が歌うところではリズミカルに読んであげましょう。
 

『ゼラルダと人喰い鬼』 トミー・ウンゲラー作絵 田村隆一 麻生九美訳 評論社 1977 9分

ゼラルダと人喰い鬼 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
トミー・ウンゲラー
評論社
1977-09

 

日本の鬼ばかりなので、気分を変えたいときに読みました。(T・I)

出だしはとても怖いお話に感じますが、お料理の上手なゼラルダが人喰い鬼に美味しいご馳走をたくさん作って食べさせたので、それからは鬼たちが子どもを襲うことがなくなったというストーリーです。ご馳走の名前はとてもユニーク。よどみなく言えるようにしましょう。

 

<中学年>

『いっすんぼうし』 いしいももこぶん あきのふくえ 福音館書店 1965 12分 

 

親指ほどの大きさだから、いっすんぼうしと名付けられた男の子。お椀の舟で都に上り、ある名高い大臣の屋敷に仕えることに。ある日、姫のお供で清水寺へお参りに行く途中、三匹の鬼が襲ってきました。針の刀で果敢に戦ういっすんぼうし。打出の小槌でいっすんぼうしが大きくなるシーンは子どもたちも惹きつけられます。誰もが知っている昔話と思っていると、意外にも最近の子どもたちは知らないこともあります。機会をとらえてぜひ読んであげましょう。

 

<高学年>

『鬼のうで』 赤羽末吉作絵 偕成社 1976 10分

鬼のうで (赤羽末吉の絵本)
赤羽 末吉
偕成社
1976-12

 

羅生門の鬼退治伝説を、赤羽末吉が絵本にしました。丹波は大江山からやってきて都を荒らす酒呑童子という名の鬼を、源頼光の家来、渡辺の綱が退治しようと腕を取ってきます。しかしそれだけでは済まないのが、この物語の面白さ。鬼と人間の知恵比べ、力比べは、物語にぐいぐい引き込みます。

 

<知識の本>

『だいず えだまめ まめもやし』 こうやすすむ作 なかじまむつこ絵 福音館書店 2004 5分

だいず えだまめ まめもやし (かがくのとも特製版)
こうや すすむ
福音館書店
2004-01

 

だいず、えだまめ、もやしが同じ豆だということを、知らない子どもたちもいて、この絵本を読むと目をみはって驚きます。この季節にぜひ読んであげたい科学絵本です。

 

『鬼が出た』 大西廣文 梶川俊夫ほか絵 福音館書店 1987

鬼が出た (たくさんのふしぎ傑作集)
大西 広
福音館書店
1989-11-08
 
節分の鬼、鬼ごっこの鬼、鬼に関するさまざまな知識を、わかりやすい図版で示しながら伝えてくれる1冊です。鬼とは、死や、自然の脅威にたいして人々が想像し、作り上げてきたものだということもわかります。鬼を生み出してきた私たちの先祖の思いにも触れることができます。一冊読むというより、内容について紹介してあげてもよいでしょう。
 
(選書:T・I 作成:K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 1月


新しい年を迎え、子どもたちも希望いっぱいではないでしょうか。そんな1月はお正月の本を紹介しながら、子どもたちに冬休みのことを聞いても楽しいですね。今回は、「お正月」をテーマにおすすめの本を紹介します。

<低学年>

『かさじぞう』 瀬田貞二再話 赤羽末吉画 福音館書店 6分

かさじぞう(こどものとも絵本)
瀬田 貞二
福音館書店
1966-11-01

 おじいさんから笠をかぶせてもらったおじぞうさまが恩返しをする、有名な日本の昔話です。赤羽末吉による扇面に描かれた場面は、雪が降る様子やおじいさん、おばあさんの人柄が伝わってきます。「よういさ、よういさ、よういさな。」とおじぞうさまが近づいていく様子に、子どもたちは息をのんで聞いてくれます。 

 

『十二支の年越』 川端誠作 リブロポート 1983 約4分

 十二支の動物たちの年越しの様子が、七五町の愉快な文と、線が太い木版画の絵で書かれています。
左ページには、餅つき、初夢、獅子舞・・・など、年末年始に関するいろいろな風習の紹介がありますので、子どもたちに問いかけをしてもよいと思います。絵本全体にユーモアがあるので、楽しい気分でお正月を迎えるにはぴったりの1冊です。
 
 

 <中学年>

『はつてんじん』 川端誠作 クレヨンハウス 1996 7分

落語絵本 三 はつてんじん (落語絵本 (3))
川端 誠
クレヨンハウス
1996-12-01

 日本の伝統的な話芸である落語を絵本化したものです。「はつてんじん」とは、新年になってから天満宮に初めてお参りにいくことです。ある親子が初天神に行くことになりますが、息子の金坊はわるさばかりする困りもので・・・親子のやりとりが楽しい落語です。新年を明るい笑いではじめるのもいいですね! 

 

 

 <高学年>

『しめかざり』 森須磨子文・絵 福音館書店 2008 

しめかざり (たくさんのふしぎ傑作集)
森須 磨子
福音館書店
2010-12-10

 お正月になると、家の門や玄関に飾られる「しめかざり」。家に「年神様」というお正月の神様をお迎えするためのものです。この本では、ごぼうじめの作り方やついているかざりの意味などがイラストをそえてわかりやすく説明されていて、何気なく見ているしめかざりについて詳しく知ることができます。地域によってさまざまなかたちのあるしめかざりの紹介も楽しいです。作成にたずさわっている人も多数登場し、しめかざりには人々の大切な思いがこめられていることがわかります。日本の伝統として受け継がれているしめかざりについて、ぜひ紹介してあげてください。

 

<知識の本>

『まるいちきゅうのまるいちにち ALL IN A DAY』 安野光雅編 童話屋 1986

 安野光雅さんが世界8国8人の絵本作家に声をかけて作った絵本です。無人島にいる男の子タスケが各国にSOSを発信するという設定で、世界の子どもたちがお正月を迎える様子が描かれています。ロンドンが1月1日0:00を迎えたとき、ブラジルはまだ31日夜21:00で寝る支度をしていますし、日本ではもう1日朝9:00で初詣の準備をしているところ、といった具合です。ページをめくると、3時間ずつ、時間がすすんでいきます。絵を眺めていると、季節が違ったり、食べているものが違ったりと、さまざまな発見ができます。1つ1つの絵は小さいので、全部読むのではなく、本の紹介をして、あとからじっくり眺めてもらうのがよいと思います。

 

<気軽に読める本>

『おしょうがつさん』 谷川俊太郎ぶん 大橋歩え 福音館書店 1983 2分

おしょうがつさん (幼児絵本シリーズ)
谷川 俊太郎
福音館書店
1990-11-15
 
 お正月にまつわるものを、美しい切り絵とリズミカルな文で紹介しています。子どもたちから「知ってるー」の声があがる絵本です。
 
 

 『いちねんのりんご』 菊地清作・絵 福音館書店 冨山房 1995 3

いちねんのりんご
菊地 清
冨山房
1995-09-16

 「いちねんのりんご」からは毎月に1個ずつ実が落ちます。この絵本は切り絵になっていて、りんごの実は、「ばくばくばっくん」とわれて、1月は雪だるま、2月は鬼といった素敵なものに変わります。どんなものに変わるのか楽しみながら、季節を味わうことができる絵本です。

 みなさまにとって、よい1年になりますように! 

(作成 I.T)

おはなし会のいろは(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?


2017年最初の投稿です。

新年あけましておめでとうございます。今年も図書館で児童サービスに携わる際に必要な情報を迅速にお伝えしていきたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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さて、「おはなし会のいろは」の5回目は、「おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?」です。

1回目から4回目まで、初めて児童サービスを担当する人が、いきなりおはなし会を担当することになっても、絵本の持ち方もわからない、読み方もわからない、またどんな準備が必要なのかも、どんな絵本を選んでよいかもわからない、ということがないようにと、ひとつひとつ丁寧に説明をしてきました。
 1回目 おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方
 2回目 おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方
 3回目 おはなし会のいろは(その3)おはなし会の会場設営・雰囲気作り
 4回目 おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方

 

今回は、実際におはなし会に携わった時に、子どもたちからの思わぬ反応に右往左往することがないように、おはなし会でよくあるハプニングとその対応方法についてQ&A方式でお伝えします。なお、これは2015年度まで使用していたヴィアックス「社員研修テキスト〈図書館業務 基礎編〉」(2013年)に「【よくある事例】(どう対応するのか)」というコラムで掲載されていましたが、テキスト改訂に合わせて削除したものです。今回は、それに加筆しています。

 

1)「これ知ってるよ!」、「もう読んだことある!」と言われたら

 「おもしろい本だったよね。もう一度みんなと一緒に楽しんでね。」と声をかけ、面白い本は何度読んでも面白いことや、みんなと一緒に楽しむことの大切さを伝えます。

 

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2)読んでいる最中に、あるいは語っている最中に子どもが話しかけてきたら

 声をかけてきた子に目を合わせて頷き、「あなたの話はきちんと聞こえているよ」という意思表示をします。しかしおはなしを中断せずに最後まで続けます。しつこいような場合は、「後でね」と小さな声で短く声をかけます。
 なお、読み終わったあと、あるいは語り終わったあとに、その子に必ず声をかけて話を聞いてあげましょう。

 また、昔話などで現代の子どもたちに馴染みのない道具などが出てきて、子どもたちが疑問を抱くだろうという場合は、あらかじめ説明をするか、「おはなしの中に、みんなが見たことのないものが出てくるけれど、終わった後に説明するから、最後まで聞いていてね。」と声をかけてもよいでしょう。

 

3)歌、鳴き声、方言などがある絵本は

 無理をしないで、自然に読んであげてください。歌の場合は、少し節をつけて読むだけでも、歌っているように聞こえます。絵本などで巻末に楽譜がついている場合は、それを覚えて歌ってあげましょう。もちろん、自分で曲をつけて歌ってもかまいませんが、毎回違うようでは、子どもたちも混乱します。
 

 

4)おはなしが抜けてしまったら

 緊張してしまって、絵本の1ページ読み飛ばしてしまう、おはなしの一段落が抜け落ちてしまうということはあるでしょう。気が付いた途端に、頭が真っ白になって、どこをどう読んでいるかわからなくなったりします。おはなしの進行に影響がない場合はそのまま読み進むこともありますが、前後が抜けて辻褄が合わないような時は、「1ページ抜けちゃったね。もう一度、ここから読み直すね。」と、声をかけて戻りましょう。
 そのようなことにならないためにも、普段から声に出して練習をしましょう。fuwari4

 

5)おはなしに集中できない子がいたら

 「おはなし会のいろは(その4)」で書いたように、子どもたちの、特に乳幼児の集中持続時間は大変短いのです。おはなし会が始まる前に、最後まで聞くことが苦痛に感じるならば、途中でその場を離れてもいいことを伝えてあげましょう。なお、おはなしの途中で、ぐずったり、周囲の子どもたちにも波及するようでしたら、他のスタッフがそばにいって、声をかけてその場を離れるようにします。

 また、おもちゃを持ってきていたり、書架にある絵本を引っ張り出したりと、子どもたちの注意を引くものがほかにあると、集中しづらくなります。おはなし会が始まる前に、会場内の子どもの注意を引くものを片付け(あるいは目隠しをし)、手にしているものは付き添いの保護者に預けるように促しておきましょう。(→「おはなし会のいろは(その3)」を参照)

 

6)他の子にちょっかいを出す子がいたら

 絵本を読む、あるいは語る人とは別のスタッフが対応します。そばに行って、「おはなしを聞こうね」と声をかけます。自分に関心が向くと、安心することがあります。そばに寄り添ってみて、それでも落ち着かない場合は、会場から離れたところで話を聞いてあげましょう。

 

7)付き添いの保護者の雑談が気になる場合

 広い会場などでは、子どもたちだけを前に座らせて、後ろに保護者の方々が分かれて座ることが多いと思います。そうすると、保護者同士の私語が、子どもたちの集中力を妨げることもあります。無題
 子どもたちにとって、親の姿は鏡です。保護者の方が一緒に楽しんでいると、安心しておはなしの世界に入っていくことができます。おはなし会が始まる前に、保護者の方も一緒に楽しんでもらうように伝えましょう。また、途中から入室してきた保護者にもわかるようにおはなし会の会場内にも同様の内容で掲示しておくとよいでしょう。

 

8)おはなし会終了後について

 おはなし会が終わった後、子どもたちも興奮してしまって、そのままのテンションで会場を出ていくことがあります。それがほかの利用者のクレームにつながることもあります。そちらの対応については、「Q&Aこんな時どうする?」の「おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方」に詳しく書いてあります。こちらを参照にしてください。

 おはなし会に参加する子どもたちはもちろん保護者の方も、そしておはなし会を担当するスタッフも、みんなが「今日は楽しかったね」と満足できるような時間になるようといいですね。

(作成K・J) 

日本図書館協会『選定図書総目録』について


日本図書館協会発行の『選定図書目録2016年版』(CD-ROM)を図書館事業本部で購入しました。

日本図書館協会では、1949年から2015年度(2016年3月)まで、公共図書館・学校図書館・公民館図書室などの読書施設に図書情報を提供することを目的として、図書選定事業を実施していました。

日本図書館協会「図書の選定事業について」〈http://www.jla.or.jp/activities/sentei/tabid/207/Default.aspx

 

『選定図書目録 2016年版』には、2011年から2016年3月までの5年3か月分の選定図書47,459点(うち2015~2016年分は12,521点)と1996年から2010年の15年間に選定した児童図書12,298点、合わせて59,757点が収録されています。書名、著者名、出版社、件名、ISBN、NDC新訂8版・9版、読者対象で検索可能で、簡単な内容の解説もついています。蔵書の見直しの際に補強したい分野の図書を検索するときなど、様々な場面で活用することができます。ご覧になりたい方は、テクニカルサポート室までご相談ください。

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(作成 T.I)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 12月


12月になり、町もクリスマスの楽しい飾りで華やかですね。子どもも大人もどこかわくわくして、嬉しそうです。そんな12月はクリスマスの本を中心に紹介します。子どもたちとたっぷり楽しんでください!

低学年>

『おおきいツリー ちいさいツリー』 ロバート・バリーさく 光吉夏弥やく 大日本図書 2000 8分

おおきいツリー ちいさいツリー
ロバート バリー
大日本図書
2000-10

もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのおやしきにも大きなツリーが届けられました。けれども大きすぎて天井につっかえてしまったので、執事のバクスターがちょん切って、先っぽを小間使いのアデレードに持っていきました。アデレードは喜んでツリーを飾りましたが、やはり大きすぎたので先をちょん切ると、それを今度は庭師のチムが拾ってまたツリーにして・・・といった具合に、ツリ―は巡っていくのです。行く先々でツリーが歓迎されて喜ばれるのを見ていると、クリスマスの幸せがどんどん大きくなる1冊です。

『ちいさなもみのき』 マーガレット・ワイズ・ブラウンさく バーバラ・クーニーえ かみじょうゆみこやく 福音館書店 約12分

ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マーガレット・ワイズ ブラウン
福音館書店
1993-10-20
 
森のはずれに小さなもみの木がたっていました。ある冬シャベルをもった男の人がやってきて、もみの木を堀り出し、運んでいきます。着いたところは、足の悪い男の子の部屋でした。ちいさなもみの木は美しく飾られ、男の子の部屋でクリスマスを祝うのです。それから毎年もみの木は、冬は男の子のもとで過ごし、春になると森に戻っていきました。ところがある年、雪が積もっても誰ももみの木を迎えにきてくれません。そして待っているもみの木のもとに、あの足の悪い男の子が歩いてやってくるのです! 
 クリスマスの素朴で心あたたまるお話です。易しい文章と赤と緑の美しい絵が、物語のやさしい雰囲気を伝えてくれます。歌が3曲入っていますので戸惑う方もいるかと思いますが、難しい曲ではありませんのでぜひ挑戦してみてください。子どもたちは耳をかたむけてくれ、シンとした空気になります。楽しいだけでなく、時には静かな気持ちになれる本も子どもたちと味わいたいですね。 

<高学年>

『とってもふしぎなクリスマス』 ルース・ソーヤ文 バーバラ・クーニー絵 掛川恭子訳 ほるぷ出版 1994 約20分

チロル地方に伝わるゴブリンの王さまローリン王のお話です。アルプスの谷間の村に、靴屋のお父さんとフリッツル、フランツル、ハンスルという3人の小さな男の子が住んでいました。生活は豊かではありませんでしたが、たまに食べられるごちそうのシチューを「シュニッツル、シュノッツル、シュヌーツル!」と呼ぶなど、明るさを忘れない一家でした。そんな一家のもとに、冬の寒い日、ローリン王が訪れるのです。いたずら好きのローリン王は、3人の男の子にどなったりこずいたりと意地悪しながらも、素敵な贈り物をくれるのです。とても愉快で、心温まるお話です。少し長めですが、子どもたちはローリン王の起こす不思議な出来事にひきこまれて聞いてくれます。

<知識の本>

『サンタクロースってほんとにいるの?』 てるおかいつこ文 すぎうらはんも絵 福音館書店 1982 3分

「サンタクロースってほんとうにいるの?」「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」など、サンタにまつわる子どもたちが抱く疑問に、お父さんとお母さんが、1つ1つき飾らず答えます。「サンタクロースは ほんとにいるよ せかいじゅう いつまでもね」という、最後の答えはいつでも心に残るのではないでしょうか。

 ニューヨーク・サンサース新聞社に届いた8歳の女の子の「サンタクロースはいるんでしょうか」という手紙に、社説で丁寧に答えた『サンタクロースっているんでしょうか?』(ニューヨーク・サン新聞「社説」 東逸子絵 中村 妙子訳 偕成社 2000)がありますが、大きい子にはさりげなく手渡したい1冊です。

『クリスマス・クリスマス』 角野栄子さく 福音館書店 1989 

クリスマス・クリスマス (たくさんのふしぎ傑作集)
角野 栄子
福音館書店
世界で一番大きなお祭りかもしれないクリスマスにまつわる話題がたくさんつまっています。クリスマス・ツリーをなぜ飾るのか、なぜ七面鳥を食べるのか、一つ一つの意味を改めて知ることで、クリスマスに込められた人々の願いを感じ、いつもと違った角度からクリスマスをみることができます。またオーストラリアの真夏のクリスマス、ニューヨークの華やかなクリスマスなど、世界各地のクリスマスの様子も紹介されています。サンタが描かれた古い版画や写真も豊富です。読み聞かせするには少し長いのですが、ぜひ紹介してあげてください。 
 

<詩の絵本>

『クリスマスのまえのばん』クレメント・C・ムーアぶん わたなべしげおやく ウィリアム・W・デンスロウえ 福音館書店 1996 5分

クリスマスのまえのばん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
クレメント・C. ムーア
福音館書店
1996-10-25

クリスマスの前の晩、家の中はひっそり静まりかえり、物音一つしません。そんなとき、外の庭でにぎやかな音を聞きつけた父さんが起きてみると、セントニコラスがトナカイがひくそりに乗って、空から降りてきたのです。プレゼントを置くセントニコラスの様子が楽しく書かれていて、その場面を本当に見ている気になります。1822年のクリスマス・イブに聖書学者のクレメント・ムーア氏によって書かれた楽しい詩の絵本です。この詩にはたくさんの画家が絵をつけていますが、この本は『オズの魔法使い』の挿絵で有名なウィリアム・W・デンスロウが、詩にぴったりの明るく愉快な絵をつけています。詩の最後は、次の言葉でしめくくられています。

「みなさん クリスマス おめでとう! しあわせな よるに なりますように!」

(作成 I.T)

おはなし会のいろは(その4)プログラムの作り方


おはなし会のいろはの4回目は、おはなし会プログラムの作り方です。

ヴィアックス社員研修テキストの「おはなし会」の項目には、このように書いています。blog5

「おはなし会とは、おはなしや本の持つ豊かな世界を子どもたちに伝えるための児童サービス業務の重要な柱のひとつです。本来はおはなしを覚えて語るストーリーテリング(素話)を中心としたものを指していましたが、今はおはなしだけではなく絵本や紙芝居、わらべうたなどと組み合わせて行われることが多くなっています。選書やプログラム構成、おはなし会の運営は児童サービス担当の力量が問われるところです。本を手渡すための大切な業務であることを認識しましょう。」

このプログラムの作り方で、大切なのは
1. 選書(絵本の選び方、組み合わせ方)
2. プログラム構成(おはなし会の全体的な流れ、時間配分)
の2点です。

今回取り上げるおはなし会の運営やプログラムの作り方については、経験を重ねれば見えてくるのですが、集合研修では伝えきれない部分でもあるので、このように「おはなし会のいろは」で連載しています。頭だけで理解しようとすると、理解しにくいかもしれません。子どもたちの様子をみながら、修正をしていくとよいでしょう。

以前、ある図書館へ、館内研修の打合せに伺った時、「30分間、ずっと絵本を読むって大変です。子どもたちも途中から集中力が続かなくなって、飽きてきてしまう。そのために手遊びの研修をしてもらいたいと思っています。」と、言われて少し驚きました。実際にその図書館のおはなし会の記録ノートを見ると、毎回7冊~8冊の絵本を読んでいたようです。その後、ほかの図書館からも似たような研修の要望が寄せられることがあり、「本のこまど」できちんと書いておく必要があると感じていました。

 テキストには、選書、プロラム構成の順番で記していますが、ここでは全体的な流れをまず把握してから選書をしてほしいと考え、プログラム構成を先に記します。

 

1.プログラム構成(おはなし会の全体的な流れ、時間配分)

1)30分のおはなし会時間のうち、おはなしタイムは15分~20分

多くの図書館では、おはなし会の開催時間を10時~10時30分とか、15時~15時30分というように、だいたい30分間にしています。しかしこの30分間の中には子どもを迎えて、送り出すまでの時間も含まれています。

30分間、ずっと絵本を読み続けるということではありません。とくに年齢が低くなればなるほど、集中が続く時間は短くなります。子どもたちにとって立て続けに7.8冊読んでもらっている間、じっと静かにしておかなければならないというのは、逆にとても苦痛なことで、おはなし会を楽しみにすることができなくなってしまいます。時間配分について具体的に例をあげます。

ブログ用

【10:00~10:30のおはなし会の場合】

9:45~ 開場  始まる30分前には会場の設営を終えておきます。
        開場したら、おはなし会担当者は、入口で子どもたちを迎えます。
        初めて参加する子は大変緊張します。常連の子どもだけでなく、初めて参加する子どもたちにも気を配りましょう。

10:03~    小さな子どもたちを連れて時間通りに集まるというのはとても大変なことです。
         時間になってすく始めるのではなく、最初の2,3分は、注意事項を伝えるなどの時間として使います。

        *)緊急事態(天災発生など)の際の避難誘導について
          おはなし会の間は携帯電話の使用を控え、スマホなどでの撮影も遠慮いただくこと
          記録用として、図書館が写真撮影を行うが、顔など写らないように留意し、外へは出さないこと
          その他、必要事項を最初に伝えておきます。

10:05~ はじまりの儀式 おはなし会のはじまりの歌、手遊びなど
     *)ここからは「おはなし会」が始まったよ!と、子どもにもわかるように、はじまりと終わりの儀式(歌や手遊び)を決めておくとよいでしょう。

     絵本         1冊目は導入になるような絵本を

     わらべうた   (手遊びでもよいが、子どもたちの年齢に合ったもの、おはなしの世界からかけ離れないものにする)

     絵本   この日のプログラムのメインになる作品をもってくる

     わらべうた

     絵本

10:20  おわりの儀式
     *)これでおはなし会が終わりましたよ!と、子どもたちにもわかるようにおわりの儀式をして、会を閉じます。
      たとえば、おはなしのろうそく用いた場合は、灯火を吹き消すなどの儀式をする、あるいは“さよならあんころもち”のわらべうたなど

10:21~ この日、読んだ絵本の紹介
      出席カードなどへのスタンプ押しなどm-style99
      次回のご案内、その他館内のイベント案内など

10:30    退場  おはなし会の会場入口で見送ります。
     その際、ほかの利用者に配慮をするようにお伝えします。

2)終了後も大切

おはなし会をやってそれでおしまいではありません。まずは読んだ本以外にも関連するテーマの本を紹介するなどし、貸出に繋いでいきます。児童サービスの最終的な目的は、家庭で絵本を読んでもらうこと、家庭で保護者がお子さんに絵本を読んであげることです。もし、どのような絵本を読んであげたらよいかの相談を受けたら、図書館で作成しているリストなどを活用しておすすめの本を紹介してあげてください。「本のこまど」でも、毎月おすすめ本のリストを更新していますので、ご活用ください。
おすすめ本のリスト→こちら

また、おはなし会の後の振り返りもとても大切です。このあたりのことは、連載の6回目で詳しくお伝えします。

     

2.選書(絵本の選び方、組み合わせ方)  

1)対象年齢別

基本的には、まず対象年齢を考えて選びます。参加する子どもたちが未就園児(0~2歳)なのか、幼児(3~5歳)なのか、小学生なのか、中高生を含めた大人なのかで、違ってきます。とくに図書館で増えている未就園児の場合、集団の場では絵本に集中することは難しいことが多いです。この場合、おはなし会に参加する前の準備期間として、おとなの膝の上に座ってわらべうたなどで遊び、一緒に楽しい時間を過ごす体験をしていると割り切るとよいでしょう。赤ちゃん向けの絵本などは、実際には1.2分で読み終えてしまいますが、子どもたちの反応や表情を見ながらゆっくり読むようにします。短い絵本ばかりだからといって、何冊も続けざまに読むのでは、子どもの方が疲れてしまいます。小さい子どもたち対象の場合は、せいぜい2、3冊に留め、わらべうたなど親子でふれあい、周囲の人と笑顔で交流できる時間にすると良いと思います。

未就園児(0~2歳)・・・赤ちゃん向けの絵本の中から、季節的なテーマのものや、ことばあそび、モノの絵本など2、3冊バランスよく選びます。
幼児(3~5歳)  ・・・物語の楽しさがわかる年齢。耳から聞いて心地よい文章で、絵と文章のバランスの良い絵本を、3、4冊選びます。
          昔話と相性の良い年代でもあります。かがく絵本、ことばあそびの絵本なども、テーマに合わせて加えます。
小学生(6歳~)   ・・・耳から聞いて想像する力が身についてくる年齢の子どもたちには、ぜひストーリーテリング(素話)を取り入れましょう。
           また読むと10分以上かかる骨太の物語も集中して聞くことができます。
                               詩の鑑賞の際に復唱してもらったり、ことばあそび絵本では一緒に声に出すなどの読み方もやってみるとよいでしょう。

 子どもの発達と読書PDFファイルは→こちら 28年度児童サービス研修資料・子どもの発達と読書

 2)季節・暦に合わせて

 日本には、四季折々の変化があり、大切にしたい年中行事があります。そうしたものに触れる機会となるよう、おはなし会プログラムも意識するとよいでしょう。それらは、年度初めの年間業務計画の中で、館内の特集展示や児童室だよりのテーマと連動させるとよいでしょう。

 児童サービス年間業務計画PDFファイルは→こちら 児童サービス年間業務計画

 

3)組み合わせ方

おはなし会のテーマをまず決めましょう。その上で、そのテーマに沿った絵本をいくつか選びます。4冊読むとしたら、10冊くらい選んで声に出して読み比べ、その絵本がテーマに沿っているか、耳から聞いて心地がよいか、絵と文章のバランスがよいか、集団で読み聞かせをするのに向いているか(絵が細かすぎることはないか)等、検討をします。その上でメインにする本を選びます。年齢の高い子どもたち対象の場合は、メインにストーリーテリングにするとよいでしょう。

その上で導入に使える絵本、気分転換になる絵本(かがく絵本や、ことばあそび絵本など)と組み合わせていきます。その場合、コース料理を思い浮かべながら組み合わせるとよいでしょう。(前菜→スープ→メイン→デザートというように)

おはなし会担当者で、どの本を誰が決め、互いに声に出して読み合いながら、最終的に子どもたちにとって、どの順番で読んでもらうとよいか、確認をしましょう。

「本のこまど」では、2ヶ月前倒しで「おはなし会プラン」を小さい子向け、大きい子向けに2本紹介しています。ぜひご活用ください。

おはなし会プラン→こちら

なお、なぜ2ヶ月前倒しかというと、プログラムを作成するための最初の本の選定から、子どもたちの状況に合わせて最適な組み合わせにするのに、これぐらいの時間がかかると見ているからです。慣れてくると、準備の時間は短縮されますが、初めておはなし会を担当するという方は、2か月前から準備をはじめるようにしましょう。

 (作成K・J)

全国学校図書館協議会 『学校図書館』『学校図書館速報版』について


2016年11月より、全国学校図書館協議会発行の『学校図書館』と『学校図書館速報版』を図書館事業本部で購入しています。

ヴィアックス社員は、研修センターで見ることもできますし、貸出もいたしますので、ご覧になりたい方はテクニカルサポート室までご連絡ください。

公益学校図書館協議会(SLA)は、1950年に設立された団体で、各都道府県の学校図書館研究団体(各県SLA)と協力して、学校図書館の充実発展と青少年読書の振興を図るために様々な活動を行っています。その活動の一つとして、機関誌『学校図書館』、『学校図書館速報版』を刊行しています。

学校図書館 2016年 11月号 [雑誌]
全国学校図書館協議会
2016-11-05

 

 

 

『学校図書館』は、月1回の発行で、学校図書館の今日的な課題を特集形式で掲載しています。

2016年は「アクティブ・ラーニングと学校図書館」、「災害への対応と学校図書館」、「学校司書の配置と養成の現状」などの特集が組まれています。

(バックナンバーの情報はこちらをご覧ください→全国学校図書館協議会「機関誌バックナンバー」http://www.j-sla.or.jp/kikanshi/

特集の他にも、研究大会の報告、図書館の活用術や研究実践、学校図書館の紹介などがあります。

 

『学校図書館速報版』は、機関誌『学校図書館』の姉妹誌として、月2回発行されている速報版です。

SLAが毎月選定している学校図書館向き図書のリスト「全国SLA選定図書リスト」の掲載および選定図書の紹介、各種研修会の情報が取り上げています。

選定図書リストでは、書名・著者名・出版者名・出版年・ページ数・大きさ・ISBN・本体価格のほか、全国SLAで独自に付与した学校向け分類記号・件名・対象学年の程度を記載しています。、新規に購入する本を検討する際に参考にできます。

(選定図書リストの詳細こちらをご覧ください→全国学校図書館協議会「選定図書リストをご活用ください」http://www.j-sla.or.jp/kikanshi/sokuho/sentei-list.html

どちらも、学校図書館関係者としておさえておくべき情報や実務に活かすことができる情報が満載です。ぜひご活用ください!

(作成 I.T)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 11月


11月になって気温が下がり、これから葉も色づいてきそうで楽しみですね。そんな11月は落ち葉の本を中心におすすめの本を紹介します。

「楽しい落ち葉があったら、図書室に持ってきてね」と声をかけて、図書室でミニ落ち葉博物館を作るのも楽しそうですね。

<低学年>

『くんちゃんはおおいそがし』 ドロシー・マリノさく まさきるりこやく ペンギン社 1983 4分

くんちゃんはおおいそがし
ドロシー・マリノ
ペンギン社
1983-01

 くんちゃんの何気ない秋の1日を描いています。朝から何をすればよいのかわからなくて退屈していたくんちゃんですが、外にでてみると、木切れを船のように川に浮かべたり、りすのようにくるみを集めたり、落ち葉で山を作ってもぐりこんだりと大忙し! 秋らしい茜色が美しい絵本です。子どもたちはくんちゃんになって、秋の日を楽しんでくれます。

 

<中学年>

『わたしのもみじ』 岩間史朗写真・文 ポプラ社 2001 7分

わたしのもみじ (シリーズ・自然 いのち ひと)
岩間 史朗
ポプラ社
2001-11
 
1本の大きなもみじの木に魅力されたぼく(岩間史朗氏)の映した、四季さまざまの美しい写真がまとめられています。初夏秋冬の変化を同じアングルから映した写真や、新芽や花の写真、夏に集まる虫たちの写真などがあり、1枚1枚の作品から、1本の木がもつ命の力強さが伝わってきます。10月4日から11月7日まで、次第に葉が色づき散っていく様子を映した一連の写真もありますので、ぜひ紹介してあげてください。 
 
<高学年>

『かえでの葉っぱ』 D・ムラースコヴァー文 関沢朋子訳 出久根育絵 理論社 2012 12分

かえでの葉っぱ
デイジー・ムラースコヴァー
理論社
2012-11-20
旅する1枚の葉っぱの物語です。ある日、木からふわりとはなれた葉っばは、風にのって遠くまでいくつもりが、大きな石のあいだにはさまってしまいます。そこをある少年に助けられて、長い旅が始まるのです。丘をこえ、サフランやすてきな草原を通り、水に浮かんで流れていき・・・、やがて季節は冬になり、がきて白い模様の世界になり、葉っぱの上には霜がおります。春になったとき、葉っぱはもう灰色のクモの巣のような骨だけになっていました。そして再び自分を助けてくれた少年のもとに行きつくことになるのです。生きていくとはどういうことが、葉っぱの一生から静かに伝わってきます。
 この本はチェコの画家でもあり作家でもあるムラースコヴァーの作品に、日本の出久根育さんが絵をつけたものです。一枚一枚が丁寧に描かれていて、絵画のような仕上がりです。ぜひ絵もじっくり見せてあげてください。
 
<科学の本>
 
『おちばのしたをのぞいてみたら』 皆越ようせい写真・文 ポプラ社 2000 4分
おちばのしたをのぞいてみたら… (はっけんたんけんえほん)
皆越 ようせい
ポプラ社
2000-08
落ち葉の下にいる虫たちをクローズアップでみせる写真絵本です。1㎜以下のダニの仲間から、5㎝くらいのダンゴムシやオオゲジまで様々な生きものが紹介されていて、落ち葉の下の豊かな世界をみることができます。最後は生き物たちのうんちが土になり、土から木が育って、やがて落ち葉になって、虫たちに食べられる・・・といったいのちのつながりをさりげなく伝えています。落ち葉の下をのぞいてみたくなる1冊です。
 
『落ち葉』 平山和子文と絵 平山英三構成と写真 福音館書店 2005 8分
落ち葉
平山 和子
福音館書店
2005-09-25
 
画家の平山和子さんが、落ち葉の美しい姿を残しておきたいと1枚1枚丁寧に描いた作品を集めた「落ち葉の美術館」です。色づき始めたものから、虫や風雨にさらされて、穴だらけになったり色あせたものまでありますが、どの落ち葉もハッとさせられる美しさがあります。著者のものを愛情をもって丁寧に見つめるまなざしから、自然のもつ美しさに気がつかされる1冊です。すべて読まずに、絵を見せながら紹介をしてあげてもよいと思います。 
 
<詩の本>
『てんぷらぴりぴり』 まどみちお作 杉田豊画 大日本図書 1968
てんぷらぴりぴり (子ども図書館)
まど みちお
大日本図書
 
まとみちおさんの59歳のときの初めての詩集で、まどさんの小さいものたちへの優しいまなざしを感じることができる詩がぎゅっとつまっています。「てんぷら ぴりぴり」は思わず口ずさみたく、響きの心地よい詩です。何度かくりかえし読むと子どもたちも覚えて、一緒に暗唱してくれます。ぜひ他にもご自分の好きな詩を選んで読んであげてください。大らかな絵もゆったりとして味わい深いです。 

(作成 T.I) 

学校図書館関連のおすすめの本の紹介(10/27追記あり)


2014年に学校司書が法制化されるなど、学校図書館への期待は高まっており、学校図書館に関連する書籍も多数出版されています。今回は2014年から2016年8月に出版された学校図書館関連の本のうち、主に学校司書としての仕事をしている方々におすすめの本を紹介します。

*『学校図書館 はじめの一歩』を作成した、みの会のWebページのご案内を追記しました。(2016.10.27)

『司書教諭・学校司書のための学校図書館必携 理論と実践』 全国学校図書館協議会監修 悠光堂 2015

公益社団法人 全国学校図書館協議会(SLA)が監修した1冊で、大学教授の他、、司書教諭、学校司書など様々な立場の学校図書館関係者が執筆しています。学校図書館の理念や関係法令、経営や運営、活用方法など、学校図書館に関する基礎知識が項目別に書かれていて、知識の基盤固めに最適です。通読するのは少し大変ですが、一読しておいて、わからない事項が出てきたときに丁寧に読んでいくと、自分の仕事の位置づけをしっかりふまえながら業務にあたれます。

『学校図書館 はじめの一歩』 みの会・編 2015

学校図書館はじめの一歩 表紙イメージ公益財団法人 東京子ども図書館で、児童図書館員としての研修を受けたのち、学校図書館で勤務した経験のあるメンバーが作成した冊子です。「1章 人・図書館・学校を知る」「2章 現状をよりよくしていく」の2章立てになっており、メンバ―の実際の経験や取り組みをもとに「学校図書館をよりよくするためにどんなことができるのか」が具体的に書かれています。写真や作成した資料も豊富に掲載されているので、初めて学校図書館で働くという人でも実際の仕事内容をイメージしやすくなっています。9つあるコラムには学校図書館での子どもたちの様子も多く書かれており、学校図書館で仕事をする楽しさも伝わってきます。「はじめの一歩」と書名にあるように、「まずできることから」が書かれているので、「やってみよう!」という前向きな気持ちになれる1冊です。

みの会Webページ「みの会 へようこそ!」 https://sites.google.com/site/minokai2008/home

 

 

『サンカクくんと問題解決! 学校司書・司書教諭・図書館担当者のための学校図書館スタートガイド』 学校図書館スタートガイド編集委員会 編・著 少年写真新聞社 2015

学校図書館スタートガイド: サンカクくんと問題解決! 学校司書・司書教諭・図書館担当者のための
学校図書館スタートガイド編集委員会
株式会社 少年写真新聞社
2015-04-15

この本では、学校図書館の業務・機能をモデル化して、「α 知ること」「β 連携する」を大切にし、「Ⅰ整える」、「Ⅱ応える」、「Ⅲ働きかける」で構成された三角形のバランスを保ちながら業務を行うことが、学校図書館としての役割・機能を果たすことができるという考え方を基本として構成されています。「Ⅱ応える」だけに気をとられて「Ⅰ整える」を行わないと使える図書館にならない、「Ⅰ整える」ことばかりで「Ⅱ応える」も「Ⅲ働きかける」を行わないと使われない図書館になってしまう、というのは当然に感じますが、経験が浅かったり、日々の業務に追われたりしていると全体が見えなくなることもあるかもしれません。この本では、「どうすればよいのかわからない」といった課題に直面したときに、全体のバランスを考えながら何をするべきなのか、きちんと指針を示してくれています。一人職場で課題にぶつかっても相談できる人がいないといった場合、とても頼りになる本です。

 また、「初期メニュー 着任して一番初めにすること」として、勤務開始日の服装や確認しておくべきことなどが4ページにまとめられています。付録に「ちいさなことから始めよう!学校図書館サービスチャンス発見シート」「できることから授業支援 授業支援シート」もあり、一つひとつチェックしながら、勤務する学校図書館でできるサービスを考えていくことができます。

『司書と先生がつくる学校図書館』 福岡淳子著 玉川大学出版部 2015

公立小学校司書として15年間、3校の学校で子どもたち、先生と関わってきた著者の経験をもとに、図書館で大切にしたい基本の考え方と一人ひとりの読書力に合わせた読書支援の方法が書かれています。先生との協同の第一歩として「図書の時間」のイメージチェンジから取り組んだこと、どのような支援が適切なのか「子どもから学ぶ」手法で探ってきたことなど、著者がどのように考え、どのように働きかけていったのかがよくわかります。紹介されている取組みが参考になるのはもちろんのこと、子どもたちの様子をきちんと記録したり、選書のための評価カードを作成したり、日々の積み重ねを大切にする著者の仕事に対する姿勢からも多くを学ぶことができます。一人の先輩学校司書の歩みから、自分もこういうふうに仕事をしていきたいと肩をおしてもらえる本です。巻末に著者の実践をもとに作成された読み聞かせリストもあります。

『発信する学校図書館ディスプレイ 使われる図書館の実践事例集』 吉岡裕子・遊佐幸枝監修 少年写真新聞社 2015

「使われている図書館ではどんな掲示があり、本や資料の見せ方がされているのか、それができるには日頃何をしなければならないのか」が書かれた本です。豊富な実践例が写真付きで紹介されています。第Ⅰ章「基本の表示」では、分類表示、書架見出し、棚見出しなどについて、第Ⅱ章「図書館と読書へのお誘い」では、入口のディスプレイ、年間の展示、おすすめの本の展示、発信力UPのポイントなどについて、第Ⅲ章「学びと図書館」では、展示による学校行事や教科学習のバックアップ、授業と連携したディスプレイ、情報教育の拠点としての展示などについて、掲載されています。学校図書館の役割をふまえ、子どもたちに発信すべきことを考えるという視点も学べる本です。

『読書イベント実践事例集』 牛尾直枝・高桑弥須子編著 少年写真新聞社 2016

読書イベント実践事例集: 学校図書館が動かす
牛尾 直枝
少年写真新聞社
2016-05-26

春の「子どもの読書週間」や秋の「読書週間」などに関連して、学校の年間行事予定の中に「読書週間」といった期間が設定され、読書イベントを行う学校も多いと思います。本書では、学校全体で取り組む大きなイベントや、学校図書館独自で実施するちょとしたイベントなど、様々な実践例が掲載されています。、読書イベントを成功させるための企画から広報までのポイントもまとめてあり、初めて企画するときにも参考になります。巻末に、読書郵便のプリントや読書マラソンの記入用紙など、コピーして使える資料もあります。読書週間のイベントを考える際に、活用したい1冊です。

『すぐ実践できる情報スキル50 学校図書館を活用して育む基礎力』 塩谷京子編著 ミネルヴァ書房 2016

学校図書館は「学習・情報センター」としての機能があり、児童生徒の情報スキルを育成するという役割があります。本書では、学校図書館を活用することで育成される情報スキルを学習指導要領と教科書から抜き出し、発達段階に沿って整理しています。この「情報スキル50一覧表」を見ると、いつ、どのようなスキルを身につけていくことが適当なのか理解することができます。また各スキルを身につけるための実践事例が丁寧に紹介されているので、児童生徒が授業を通して、どのように情報スキルを身につけていくのかイメージすることができます。授業を支える学習環境の整備の仕方についても書かれていますので、学校図書館をどのように整えていけばよいのか学校司書にも参考になる1冊です。 

『学校図書館ボランティアへの期待』(はじめよう学校図書館12)對崎奈美子・山田万紀惠著 全国学校図書館協議会 2016

各地で学校図書館ボランティアの方が活躍されていますが、きちんと組織化されていなければせっかくの力も生かしきることができません。本書では、募集から始まる組織作りの進め方、活動内容や研修についてなど、ボランティア活動のために必要なことが具体的に書かれています。2つの小学校の活動実践例も紹介されており、活動記録や蔵書点検の呼びかけの用紙なども参考になる資料も掲載されています。各学校によって様々な状況があると思いますが、ボランティアの方により活躍していただくために、どうすればよいのか道すじが見える見つかる1冊です。

「はじめよう学校図書館」は、学校図書館の基本的業務について、わかりやすくていねいに解説された「学校図書館入門」のためのシリーズです。現在12巻刊行されていて、オリエンテーションや著作権について扱ったものもあります。ブックレットで手軽に読むことができますので、ぜひ手にとってみてください。

全国学校図書館協会の出版物の紹介ページ http://www.j-sla.or.jp/books/cate4/index.html

(作成 T.I)

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