ブックトーク事例

ブックトーク事例 その2)
ブックトーク事例 その1)
ブックトークをする人のために

ブックトーク事例 その2)


 初級研修・児童サービス基本編で実演したブックトークのシナリオをUPします。

 先日(2013年11月21日)の研修でも実演しましたが、みなさまに聞いていただいて、手を入れたいところがたくさん出てきました。
 これで完璧!というわけではないので、参考としてご覧になってください。
 季節や対象者の年齢によって、本を入れ替えたり、新たに紹介したい本を発見して加えたりと、アレンジしていくのも、ブックトークの醍醐味の一つです。ぜひ、みなさまも自分の好きなテーマを見つけて、大切に育ててほしいなと思っています。ブックトークは、たくさんの本を読み、選んだ本を読み込んで原稿を書きと大変ですが、それだけに見返りも大きい! ぜひ挑戦してみてください。
 
*シナリオにはありませんが、学校で行う際は、図書館の案内も重要です。
 図書館がすぐ近くにないような学校の場合は、学校図書館に蔵書があるか調べたり、団体貸出を検討したりするなど、紹介した本を子どもたちが手にとることができるようにしてください。書誌情報を書いたプリントも忘れずに配布して、あとから探せるようにしてください。
 
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テーマ【てがみはすてきなおくりもの】 対象:中学1年 30分
 
導入:
 
 みなさん、こんにちは。

 〇〇図書館の☓☓です。

 今日はブックトークといって、テーマにそって、おすすめの本何冊か紹介します。

 私は、毎日郵便受けを見て、手紙が入っているか確かめるのを楽しみにしています。たいていは、広告だけなのですが、たまに知り合いから手紙が届くと、とても嬉しくなります。先日もしばらく会っていない友達から、今こんなことをしているよ、と近況を知らせてくれる手紙が届いて、励まされました。

 最近は、メールですませてしまうことも多いかもしれませんが、みなさんも手紙を書いたり、もらったりしたことがありますよね。そのときは、はがきか、このような封筒で送ったと思うのですが、郵便屋さんは、このような封筒だけではなく、こんなものを届けてくれるのです。

ブックトーク 郵便物.jpg

 

 ・紙皿の郵便物を紹介

 ・貝がらの郵便物を紹介

 これらの郵便物は、この本を参考に作りました。

 
本の紹介:『てがみはすてきなおくりもの』 スギヤマカナヨ 講談社 2003
 
 
 
の本には、もらった人がびっくりするような、楽しい郵便物がたくさん載っています。

 (紹介)

 P4.5 葉っぱ

 P9 貝殻(ひろい読み)

 P20.21 切手の活用

 P38 郵便物のきまり

 ぜひ、この本からアイデアをもらって、もらった人が思わず笑顔になるような、楽しい郵便物を作ってください。

 今日は、「てがみはすてきなおくりもの」というテーマで本を紹介します。

 
 

 次に紹介するのは、王に宛てた重要な手紙を託された少年の物語です

本の紹介:『王への手紙 上・下』 トンケ・ドラフト作 岩波書店 2005 (岩波少年文庫)

トンケ・ドラフト
岩波書店
2005-11-17

 

 

トンケ・ドラフト
岩波書店
2005-11-17

 

 

物語の舞台は、こちらの2つの王国です。

(地図をみせる)

 ダホナウト王国とウナーヴェン王国。それぞれの国は、王様がおさめ、王の騎士たちが国の平和を守るために活躍した時代です。

 主人公の名前はティウリ。16歳のダホナウト王国の見習い騎士です。

 明日、正式な騎士になるために、こちらの小さな礼拝堂で、一晩中、飲まず食わずで、寝ないで騎士になる最後の覚悟を固める儀式の最中でした。物音一つしない、静かな闇の中、ティウリは同じ見習い騎士の友人たちと並んでじっと座っていました。このまま朝まで座っていれば、明日には騎士になれる。そんなときです。礼拝堂のドアをたたく音がして、「神の御名において、ドアを開けよ!」という声がきこえたのです。その場面を読んでみます。

 

うしてティウリは規則をやぶってドアを開けますが、そこには修道服に身をつつんだ男がたっていました。男は、ティウリに隣のウナーヴェン国王へ宛てた重要な手紙を、森の宿イカルヴァラにいる白い盾の黒い騎士に届けるよう頼みます。

 手紙を引き受けたティウリは、森の宿、イカルヴァラに向かいますが、白い盾の騎士はそこにはおらず、ようやく探しあてたときには、卑怯な手段で襲われ、深く傷ついていました。白い盾の騎士は、自分がおそわれる原因となった、国王への手紙を届けるという任務をティウリにたくし、息をひきとります。ティウリは、手紙に何が書いてあるのか知らぬまま、手紙を無事に国王のもとに届けることを誓うのです。

 困難な仕事がはじました。任務を秘密にしながら、できるだけ早く、山脈をこえて、国王のいるウナーヴェン市にいかなければならない。手紙をねらっている敵がいる。武器もお金も馬もない。さらには、白い盾の騎士を殺した者と誤解され、追われることになります。追い詰められそうになるティウリですが、「ひとつのことだけを考えればいい。手紙を届けることだ。それを、あの騎士に約束したんだ」と言いきかせ、山脈をこえるのを手伝ってくれるであろう隠者メナウレスさまのもとへと向かいます。途中、ブラウン修道院で助けをえたり、ミストリナウト城では監禁されたりしながらも、メナウレスの小屋にたどりついたティウリは、メナウレスのもとにいた少年ピアックを道案内に、大山脈をこえ、ウナーヴェン王国に入ります。ピアックはティウリより1つ年下で、山で育ち、山のことがよくわかっている少年です。大山脈の外に出たことがなく、ティウリへの道案内も山を越えるまでの約束でしたが、山脈の外の世界を見てみたいという思いと、ティウリがひとりで何かを抱えていることを感じ取り、一緒に旅を続けたいと言ってくれるのです。ティウリは、力強い仲間をえて、ウナーヴェン王国へ入ります。

 ちょうどここで上巻が終わりますが、下巻のウナーヴェン王国でも、裏切りものの市長が治めるダングリアでとらえられたり、お金を支払わなければわたれない橋で足止めされたりと、困難はたえません。そして、スルーポルという残酷な男が、すぐそばまで追ってきているというのです。誰が敵なのか味方なのかわからない、任務を秘密にしなければならないため、信頼もしてもらえないなかで、ティウリは、騎士としての使命を果たすことを胸に、いつしか「ぼくの任務は、きみの任務でもある」と言えるほど信頼できる友だちとなったピアックとともに、王のいるウナーヴェン市をめざして、旅を続けるのです。はたしてティウリは無事に手紙を届けることができるのでしょうか? そして、重要な手紙の中身とは、何なのでしょうか? たった1ヵ月半の冒険がこの上・下巻に描かれていますが、このなかでティウリは多くの緊迫した場面をのりこえていきます。ぜひティウリの冒険を、最後までみとどけてください。

 

 ティウリは手紙を届けるのに大変な困難を強いられましたが、次に紹介するのは、なんと宛て名のない手紙を届けた郵便屋さんのお話です。

本の紹介:『郵便屋さんの話』カレル・チャペック作 フェリシモ 2008

カレル・チャペック
フェリシモ
2008-03
 

 郵便屋さんの名前はコルババさんです。毎日歩いては配達する、自分のお仕事に、ちょっと嫌気がさしておりました。コルババさんは、あるとき郵便局で夜中までぐっすり眠り込んでしまいます。ピタピタと不思議な物音で目を覚まし、ネズミかな?と思ってあたりをみまわしたコルババさんは、なんとリスくらいの、あごにはまっ白いひげをふさふさはやし、郵便屋さんと同じ格好をした、郵便局の妖精をみつけたのです。コルババさんがそっとみていると、妖精たちは、郵便物の確認の仕事を終えると、手紙をカードにしてトランプをはじめました。どうやら大富豪ゲームのようなものをしているようです。どうして、数字も書いていない手紙で、トランプできるのか不思議に思ったコルババさんが、気をつけて出ていって聞いてみると、妖精たちは、手紙の中身で、強いカード、弱いカードを決めているというのです。郵便局の妖精は、ちょっと上から触ってみただけで、心のこもっていない手紙はつめたくて、愛がこもっているほど手紙は、あたたかいといった具合に、手紙の中身がわかり、ひたいにあてれば、書いてあることをそっくりそのまま読むことができるのだと教えてくれます。

 郵便局の妖精と一夜を過ごしたコルババさんは、妖精のことは郵便局のみんなには内緒にしていましたが、それからは、「この手紙はなまぬるい」などと言いながら、郵便配達の仕事を前より楽しむようになりました。

 そんなある日、コルババさんは「切手もなければ、宛て名もない手紙」を手にします。勝手にあけるわけにはいかないし、届けられるはずがありません。けれども、さわってみると、ばかにあたたかい手紙なので 気になってしかたないコルババさんは、もう一度、郵便局にまた泊り込んで、郵便局の妖精に中身を読んでもらいます。手紙はこのようなものでした。

(手紙を読む―P32)

なんと、その手紙は、結婚を申し込む大切な手紙だったのです。コルババさんは、決意します。「たとえ1年歩きまわるとも、世界じゅうを走りまわるとも、娘さんを探しだしましょう」さあコルババさんは、どうやってマジェンカを探し出し手紙を届けるのでしょうか? ぜひ読んでみてください。

 

次の本には、郵便局の妖精たちが触ったら、間違いなく強いカードだと言われる手紙が出てきます。

本の紹介:『父さんの手紙はぜんぶおぼえた』 タミ・シェム=トヴ 岩波書店 2011 

タミ・シェム=トヴ
岩波書店
2011-10-19
 
 
 
 
 
 
 

(手紙を見せながら)その手紙とは、このような小型の本の形に綴じた手紙で、オランダ語で書かれています。

 絵といっしょにおしゃべりとあるのですが、イラストもたくさん書かれているのです。 オランダ語が読めないのが残念ですが、訳されていますので、読んでみますね。

(手紙を読む)

この手紙は、父親から10歳の少女リーネケに送られたものです。1943年というと、今から70年も前になりますが、この手紙は、リーネケが読んだら、すぐに処分されてしまう運命でした。こんなに他愛無い手紙なのに、決して他の人に見られてはいけないものだったのです。また、リーネケという名前も実は本当の名前ではありません。

 この手紙の秘密は、第二次世界大戦中のユダヤ人の迫害に関係しています。リーネケの家族は、ユダヤ人で、獣医学の学者のお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん2人の6人のユダヤ人家族で、オランダでくらしていました。オランダがドイツ軍に占領されると、お父さんは大学の仕事を追われ、無理やり連行されそうになったので、リーネケ家族は身を隠すためにバラバラになりました。このときに、母さんから、戦争が終わるまで、それぞれが別の名前になる危険なゲームをはじめると言われ、リーネケという名前になります。そして、リーネケは、お父さんの知り合いのお医者さん、ドクターコーリーにあずけられ、デンハム村というところで、ユダヤ人であることを隠し、暮らすことになります。コーリー氏は、誠実な人柄でしたし、奥さんのフォネットも朗らかで明るい人だったので、リーネケはあたたかく身守られながら生活します。学校にも行き、友達もでき、勉強ができたので飛級もして、みんなに喜ばれます。苦しいことばかりではありませんでしたが、それでも、ユダヤ人だとわかってしまったらどうしようという不安はたえずありましたし、せっかくできた友達も、本当のことを隠しているので、本当の友達になれないと感じていました。そんなリーネケを支えてくれたのが、こっそり父さんから届けられた手紙でした。

ユダヤ人を匿ったというだけで命の危険があった当時、証拠となるような父さんの手紙を、ドクターコーリーは、リーネケが読んだあと、すぐ自分の元に返させていました。けれども、この愛情いっぱいの美しい手紙を捨てることができなかったのでしょう。箱に入れて、その箱を庭に深くうめて、保管します。そして、戦争が終わって、リーネケが父さんのもとに帰れるようになったとき、返してくれたのです。処分されてしまったと思っていた手紙を再び手にしたとき、リーネケは手紙をすべて暗記していて、絵も1つ1つもおぼえていることに気がつきます。リーネケは、手紙を心の中に焼きつけ、戦争中何度も何度も思い出していたので、すっかり覚えていたのです。

 この本は、残された父さんの9通の手紙と、今はおばあさんになったリーネケから聞いた話をもとに、書かれています。当時の緊迫した状況の中でも、コーリー夫妻をはじめ、明るさと思いやりを忘れずに暮らしていた人たちがいたことが、リーネケの目を通して伝わってきます。ぜひ父さんからの手紙をじっくり眺めながら、リーネケの物語を読んでみてください。

 
 

 リーネケは大好きなお父さんから手紙を受けとりましたが、次は天から降ってきた雪を手紙として受け取った人を紹介します。

本の紹介:『雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集』中谷宇吉郎 岩波書店 2002

 
 中谷宇吉郎さんは、主に北海道で雪や氷の研究をし、世界で初めて人工的に雪を作ることに成功した人です。学的な論文だけでなく、身近なものを科学の目でみたエッセイもたくさん書いています。『雪は天からの手紙』には、多く残されたエッセイの中から、21編がおさめられています。この表紙の絵は、中谷先生が作成した雪の結晶の分類図の一部ですが、本当に雪の結晶は、いろいろな種類があるのですね。中谷先生は、この結晶を観察すれば、天から地上に落ちてきた雪が、どのような環境で大きくなったのかわかるのではないかと考え、研究をします。

この本のなかに「雪を作る話」というエッセイがあるのですが、みなさんだったら、道具は用意するので、この部屋で雪の結晶を作ってみてくださいと言われたら、どのようなことをしますか?

 谷先生も、始めは、銅板でできた1メートルくらいの丸い筒を冷やして、上から水蒸気を吹き込んでみたそうですが。これでは雪は降らなかったそうです。そのあとは、もっと装置を小さくして、内側から冷やしたらどうなるだろう、など、あれこれ試して、4年がかりで雪の結晶を作っています。中谷先生がどのように雪の結晶を作ったのか、知りたい人は、たった6ページの文章ですので、「雪を作る話」を読んでみてください。少し難しいところもあるのですが、丁寧に読んでいくと、なるほどと思うことができると思います。雪を作るヒントは、自然と同じ条件にすればよいということだそうです。

 この本には、他にも、雪の研究のために行った「十勝岳の話」など、雪に関するエッセイがあります。中谷先生が、どのように天からの手紙を読み解こうとしたのか、ぜひ読んでみてください。


 

 今日は「てがみはすてきなおくりもの」というテーマで本を紹介しました。最後に詩を一つ紹介して終わりにします。

詩の朗読:「手紙」鈴木敏史 (『詩の本みんなでうたおう』岸田今日子編 岩波書店 2001)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
詩「手紙」を朗読
 
 
終わり:
 
今日紹介した本は、
①『てがみはすてきなおくりもの』
②『王への手紙 上・下』
こちらは『白い盾の少年騎士 上・下』という続編があります。少し大人になったティウリとピアックの冒険もぜひ読んでみたください。恋の話もちょこっと、出てきます。
③『郵便屋さんの話』
このお話は、『長い長いお医者さんの話』にも入っています。この本は「郵便屋さんの話」以外にも、少し変わった短い物語が他にもありますので、ぜひ読んでみたください。
④『父さんの手紙はぜんぶおぼえた』
⑤『雪は天からの手紙』
⑥最後の詩は、『みんなでうたおう 詩の本3』より紹介しました。
 
 紹介した本は、これから配るプリントに書いてあります。すべて図書館で借りられますので、読んでみたい!と思った本を、ぜひ借りにきてください。これで、ブックトークを終わりにします。
 
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(T.S)
 
 
 
 
 
 

ブックトーク事例 その1)


「本のこまど」へのリクエストとして、ブックトークのプログラムを!という声が多くありました。図書館の学校支援の一環としてブックトークの依頼が多く寄せられていることも、そのリクエストの背景にあると思います。

初級研修・児童サービス基本編では、講師がブックトークのデモンストレーションをし、ブックトークってどんなものか、まず実感してもらっています。また中級研修・児童サービス応用編3では参加者にシナリオ作成の課題を課して、ブックトークスキルUPをめざしてもらっています。

ブックトークのスキルと一言でいっても、どれだけ子どもの本を普段から読んでいるか、子どもの本に関する広い知識が問われます。一朝一夕にスキルアップするわけではなく、どういう視点で普段から子どもの本を選書しているか、自分の館の書架を耕しているか、普段からの地道な業務が下敷きにあって初めて、ブックトークのプログラムの組み立てができるのです。ですから、事例をいくら取り上げても、そのまま使えるわけではありません。


ですが、ブックトーク事例をあげることで、研修に参加出来ない方にもブックトークとはどんなものであるかご理解いただけると思い、研修で取り上げている事例をブログ上にもUPすることにしました。ブログ上でのデモンストレーションです♪


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テーマ【時間ってなあに?】 対象:4年生 30分
 
チックタックじかんってなあに? (世界の絵本)チックタックじかんってなあに? (世界の絵本) [単行本]
著者:ベス・ユーマン グレイク
出版:偕成社
(2006-10)
 
導入:みなさん、こんにちは。○○図書館の××です。今日はみなさんに「こんなおもしろい本があるよ!」といくつかの本を紹介したいと思います。このことをブックトークといいます。
 さて、一番最初にクイズをします。少し難しいかもしれません。ゆっくり問題を言いますね。
「すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。たいていのひとはその分け前をもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。」
もう一度、読みますね。(繰り返す)さあ、いったいなんでしょう?みんなに関係があって、よーく知っているもの。だけどそのことを考えることもしないし、そのおかげで毎日便利に過ごしているのに、それを不思議とも思わない・・・むずかしいかしら?

では、これから詩を読みます。詩を聞きながら、さっきの答えを考えてみてくださいね。

詩の読み聞かせ:絵本 『せんねんまんねん』 まどみちお 童心社 
 この詩を書いたのは103歳のまどみちおさんです。まどさんは、みんながよく知っている「ぞうさん」や「ふしぎなポケット」などの歌を書いた詩人です。
 さて、答えはわかったかしら?(子どもたちに問いかける。何人かの子どもたちに答えてもらう)
そう、この詩に書いてあったのは、大昔からずっとずっと流れてきた時間、千年、万年という時間でした。ということで、さっきの答えは「時間」です。
 みなさんは、今10才かな?みんなが生れて来てから、今日までの時間がだいたい10年だとしたら、一万年ってすごく長い時間ですね。

 さて「年」以外にも時間を表すことばを知っていますか?では、答えやすい質問にしましょう。1年って何カ月かしら?(子どもたちに答えさせる)そう12か月だね。
では1年は何週間かわかるかしら?(子どもたちに答えさせる)そう、52週と1日。では、一年は何日?これもわかりやすいよね。(子どもたちに答えさせる)そう、365日。閏年は一日増えるよね。
 では、ちょっと難しくなるよ。一年は何時間?計算の得意な人は365日に24をかけてみてね。(子どもたちに答えさせる)答えは8760時間。ではでは、もっと難しくなるよ。一年は何分?一日が何分かわかれば、計算できるよね。一日は1440分。一年は52万5600分。では、1年は何秒かわかる?どんどん難しくなるね。1日は8万6400秒だから、1年は3153万6000秒。
 
さて、この時間の単位はどうやって決まったのかわかるかしら?

本の紹介:『チックタックじかんってなあに?』ベス・ユーマン・グレイグ/ハーベイ・ワイス もりひさし訳 偕成社
 この絵本には、時間ってなんだろう?どうやって時間の単位を決めたのだろう?ということが、4年生のみなさんにもわかりやすく書かれています。ぜひじっくり読んでみてくださいね。
 さて、この絵本には「じかんはめにみえないけれど、ずっとまえからやってきて、これからさきへ、ずっとつづいていくものです。」と、時間は目に見えないって書いてあるのですが、実はね・・・時間を見る方法があるのです。どうやってだと思う?(みんなに考えてもらう)

本の紹介:『時間のコレクション』飯村茂樹 フレーベル館 
 (あさがおのつぼみがふくらんで、やがて開いて花が咲き、しぼむページや、セミの幼虫が木の枝に止まり、背中が割れて羽化が始まってから、セミの成虫になるまでのページ、桜の花が咲いて、花びらが散り、緑の葉っぱが茂り、赤く色づき、散っていくまでのページをみんなに提示する。)
 同じ場所から、時間の経過とともに変化していく花や木、生き物の様子を観察することで、時間が流れていく様子をこうやって切り取ることができるんですね。
 さっき、みんなに見てもらったページにかたつむりが移動していく写真がありました。ゆっくりと草から草へ移動していくかたつむりの時間と比べて、アリのようにせかせかと動く虫の時間って、流れ方は同じかな?

では、その答えを教えてくれる本を次に紹介しましょう。

本の紹介:『絵ときゾウの時間とネズミの時間』本川達雄/あべ弘士 福音館書店
 たった3ヶ月でおとなになって1年ほどで一生を終えるネズミと、約40年以上生きるゾウ。それぞれが感じている時間って同じなのかな?
 実は、この本の中で地球上を流れる時間は同じでも、それぞれの動物の体重と寿命で時間を考えると、ネズミの時間はとても速く流れていて、ゾウの時間はとてもゆっくり流れているんだよ。なのにね、ネズミとゾウでまったく同じものがあるんだけれど、何だと思う?(少し考えてもらう)
 それはね、心臓が脈打つ回数なんだって。人間は1分間に60~70回心臓が動いて体中に血液を送るんだけど、身体の小さなネズミは1分間に600回、ゾウは1分間に30回。そしてみんな約15億回脈打つと寿命が来るんだって。(p33を示しながら)
 身体の大きさに比例して、感じる時間の流れも違うんだね。

 みんなはお父さんやお母さんを怒らせてないかな?人間、怒ると脈拍が早くなるんだよ。大事なお父さん、お母さんに長生きしてほしかったら、怒らせないように、今日から言いつけ守るようにしようね。

 さて、みんなは給食時間がもうすぐだってこと、時計を見てわかる?それともお腹の減り具合かな?次に紹介するのは、自分で大きな時計を作りたいと思っているジョニーと言う男の子のお話です。

本の紹介:『時計つくりのジョニー』エドワード・アーディゾーニ あべきみこ訳 こぐま社
 大きな時計を作ろうと、作り方の書いてある分厚い本を読んで決めたジョニー。でもお父さんもお母さんも、学校の先生も、そして周りのみんなも「ちいさなジョニーにそんなこと、できるわけがない!」と、決めつけて笑い者にします。誰も本気にはしてくれなかったのです。
 でも、スザンナという女の子と、かじやのジョーだけは味方になってくれました。さて、ジョニーはどんな時計を作るのかしら?

 ジョニーはまわりのからかいにも負けずに、自分のやりたいことをやり遂げます。実はね、その後ジョニーはとても有名な時計会社を作り上げたそうです。

 
 これは一体なんでしょう?(ストローで作った吹き矢を飛ばして、黒板の的に当ててみる)
これは、「吹き矢」といいます。昔はこれを使って、窓に豆をあてて、町の人々を起こしてまわる仕事があってそうです。まだ目ざまし時計がなかった時代のおはなしです。読んでみますね。
絵本の読み聞かせ:『メアリー・スミス』アンドレア・ユーレン 千葉茂樹訳 光村教育出版

本の紹介:『モモ』ミヒャエル・エンデ 大島かおり訳 岩波書店
 最後に紹介するのは『モモ』というおはなしです。モモは親もいない、どこから来たのか誰もわからない女の子でした。たったひとりぼっちで廃墟となった円形劇場に住んでいました。
 町に住んでいる誰もがモモのことが大好きでした。心に悩みを抱えている人も、悩みを抱えている人も、誰かと喧嘩している人も。それはなぜでしょう?それでは、その部分を読んでみますね。
 
 「モモのところには、いれかわりたちかわり、みんながたずねて来ました。いつでもだれかがモモのそばにすわって、なにかいっしょうけんめいに話しこんでいます。用事があってもたずねて来られないという人は、じぶんの家に来てほしいと迎えを出しました。そしてモモが役に立つことをまだ知らない人がいると、みんなはこう言ってあげたのです。「モモのところへ行ってごらん!」
 このことばは、だんだん近所の人たちのきまり文句にまでなるようになりました。「ごきげんよう!」とか、「ごちそうさま!」とか、「まあ、たいへんだ!」とかの文句をそれぞれきまったときにかならず使うように、みんなはなにかことがあると、「モモのところへ行ってごらん!」と言うのです。
 でも、どうしてでしょう?モモがものすごく頭がよくて、なにを相談されても、いい考えをおしえてあげられたからでしょうか?なぐさめてほしい人に、心にしみることばを言ってあげられたからでしょうか?なにについても、件名で正しい判断をくだせたからでしょうか?
 ちがうのです。こういうことについては、モモはほかの子とおなじ程度のことしかできません。するとモモには、どこかこう、人の心をほがらかにするようなところがあったのでしょうか?たとえば、とくべつ歌がじょうずだとか、なにかの楽器がうまいとか、それとも―なにしろモモはサーカス場みたいな円形劇場に住んでいるのですから―おどりだの、アクロバットの曲芸だのができたのでしょうか?
 いいえ、それもちがいます。
 ひょっとすると、魔法がつかえたのでしょうか?どんななやみや苦労も吹きはらえるような、ふしぎな呪文でも知っていたのでしょうか?手相をうらなうとか、未来を予言するとかができたのでしょうか?
 これもあたっていません。
 小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。あいての話を聞くことでした。なあんだ、そんなこと、とみなさんは言うでしょうね。話を聞くなんて、だれにだってできるじゃないかって。
 でもそれはまちがいです。ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。そしてこの点でモモは、それこそほかには例のないすばらしい才能をもっていたのです。
 モモに話を聞いてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。モモがそういう考えを引き出すようなことを言ったり質問した、というわけではないのです。彼女はただじっとすわって、注意ぶかく聞いているだけです。その大きな黒い眼は、あいてをじっと見つめています。するとあいてには、じぶんのどこにそんなものがひそんだいかたとおどろくような考えが、すうっとうかびあがってくるのです。
 モモに話を聞いてもらっていると、どうしてよいかわからずに思いまよっていた人は、きゅうにじぶんの意思がはっきりしてきます。ひっこみ思案の人にはきゅうに目のまえがひらけ、勇気が出てきます。不幸な人、なやみのある人には、希望とあかるさがわいてきます。たとえば、こう考えている人がいたとします。おれの人生は失敗で、なんの意味もない、おれはなん千万もの人間の中のケチな一人で、死んだところでこわれたつぼとおんなじだ、べつのつぼがすぐにおれの場所をふさぐだけさ、生きていようと死んでしまおうと、どうってちがいはありゃしない。この人がモモのところへ出かけていって、その考えをうちあけたとします。するとしゃべっているうちに、ふしぎなことにじぶんがまちがっていたことがわかってくるのです。いや、おれはおれなんだ、世界じゅうの人間の中で、おれという人間はひとりしかいない、だからおれはおれなりに、この世の中でたいせつな存在なんだ。
 こういうふうにモモは人の話が聞けたのです! ・・・ 『モモ』二章 p20~23
 
 一番最初にした質問、覚えていますか?「とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常的なひとつの秘密があります。すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。たいていのひとはその分けまえをもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。その秘密とは―それは時間です。
 
時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。
 
 このことをだれよりよく知っていたのは、灰色の男たちでした。かれらほど一時間のねうち、一分のねうち、いやたった一秒のねうちさえ、よく知っているものはいませんでした。ただかれらは、ちょうど吸血鬼が血の価値を知っているのとおなじように、かれらなりに時間のだいじさを理解し、かれらなりの時間のあつかい方をしました。」(p-75 インチキで人をまるめこむ計算)
 
 
 平和な町にやってきた灰色の男たちは人々に時間の倹約をすすめます。人々は時間を倹約するために余裕がなくなり、ぎすぎすしていきます。実は、人々から時間を盗む時間泥棒だったのです。モモは、人々が失った時間を取り戻すために時間泥棒に立ち向かっています。さて、どのように立ち向かうのかしら。この本は、5,6年生むけと書いてありますが、本を読むのが大好きなお友達にはもう十分に読めるでしょう。今はまだ字が多くて難しいと思う人も、ぜひいつか読んでみてください。
 
 最後に図書館の案内をします。(手短に図書館の利用案内やおはなし会、小学生向けの行事の案内をする。)図書館の案内のお知らせと、今日のブックトークで紹介した本のリストをプログラムの形にして、お渡しします。今日、紹介した本はすべて図書館で借りることができます。ぜひ図書館に遊びに来てくださいね。図書館のスタッフみんなで待っています。

 

ブックトークをする人のために


この度、教文館から学校司書としてのキャリア30年の高桑弥須子さんが、その経験に基づいた学校でのブックトークの入門書をこの度上梓されました。

DSCN3315本の帯には、「初心者でもこの本があれば大丈夫!!」「経験豊富な現役司書が伝授するブックトークの作り方と学校図書館司書のはたらきのすべて!」「①準備から後日談まで 13本のブックトーク実践例を収録
 ②ブックトーク現場の空気を、シナリオ形式で子どもたちの反応も再現 ③司書の年間スケジュールから配布資料まで役立つ資料を多数掲載 ④現役司書ならではの具体的なアドバイスがいっぱい!」とあります。

なんて心強いことでしょう。
 
この本に書かれているブックトークの内容は、実際に子ども達に実践した様子なので、とても具体的で、子ども達の反応が活き活きと伝わってくるかのようです。

指定管理館の中には、学校支援の一環として学校でのブックトークを業務としているところも多いでしょう。

ぜひこの本を座右において、ブックトークの力強い助っ人にしてみてはいかがでしょうか?

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