児童サービスに関する情報

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)
おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方(再掲)
おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方(再掲)
小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 4月(再掲)
日本図書館協会『選定図書総目録』について
全国学校図書館協議会 『学校図書館』『学校図書館速報版』について
学校図書館関連のおすすめの本の紹介(10/27追記あり)
「レファレンス協同データベース登録事例集 第2集 学校で使える事例編」の紹介
なぜわらべうたを図書館のおはなし会で取り入れるのか(再掲)
東京都立図書館が学校支援サービスのウェブサイトをリニューアルしました
2016年版「ヤングアダルト図書総目録」が刊行されました
児童書の表紙画像の利用(佐賀県立図書館のウェブサイトより)
児童サービスに関するeラーニング講座
平成26年度子ども読書連携フォーラム(国際子ども図書館)の記録と配布資料
戦争を知らないYAのための36選 

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 5月(再掲)


新年度がはじまって一か月がたち、一年生も学校に慣れ、ようやく学校生活が動き出したころだと思います。

春の遠足などの行事が予定されている小学校も多いのではないでしょうか。

緑の木々と元気な鳥のさえずりが爽やかなこの季節、野鳥を保護し、自然に親しむ週間として、鳥類保護連絡協議会が愛鳥週間(5月10日~5月16日)を設けています。

そこで5月は、愛鳥週間にちなんで鳥に親しむことができる絵本を中心に選びました。

<低学年向け>

 絵本『かもさんおとおり』 ロバート・マックロスキーぶんとえ わたなげしげおやく 福音館書店 1965
 
かもさんおとおり (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
 
かものマラードさんとマラードおくさんは、ボストンのチャールズ川の中洲に巣を作りました。生まれた8羽のひなが成長すると、ボストンの公園の池に引越しをすることになりますが、車の多い通りを大行進したため、大騒ぎとなります。絵は、茶色のセピア色の優しい色ですが、大きな判型なので、遠目が聞きます。「ジャック、カック、ラック、マック、ナック、ウァック、パックにクァック」という子がもたちの名前も楽しく、読み聞かせをすると笑いがおこります。15分くらいと少し長めですが、おおらかであたたかい雰囲気を、たっぷり味わえる1冊です。
 
<中学年向け>
絵本『がちょうのペチューニア』 ロジャー・デュボワザン作 まつおかきょうこ訳 冨山房 1999 13分 
がちょうのペチューニア
ロジャー・デュボワザン
冨山房
1999-01-16
おばかさんのがちょうのペチューニアは、ある日本を見つけます。本に親しむものは賢くなると聞いたペチューニアは、本の中に文字が書いてあることも知らずに、ただ鞄のように持ち歩いて、賢くなった気になります。得意になって首も長く伸びたペチューニアは、困っている動物たちの相談にのるのですが、おかしな助言ばかりで動物たちはひどい目に合ってしまいます。自信満々で間違ったことを教えるペチューニアに笑いがおこります。P24の箱に書いてある「きけん はなび とりあつかいちゅうい」は本文にはありませんが、そっと教えてあげてもよいでしょう。ユーモラスな絵と鮮やかな色使いもお話にぴったりの絵本です。気軽に愉快に楽しんでください。
 
<高学年向け>
絵本『鳥の巣みつけた』 鈴木まもる 文と絵 あすなろ書房 2002 8分以上
 
鳥の巣みつけた
鈴木 まもる
あすなろ書房
2002-04
 
鳥たちが家のまわりで様々な巣を作っていることを知った著者は、世界中の鳥たちがどのような巣を作っているのか調べにいきます。5メートルもある大きなアパートのような巣やサボテンのとげに囲まれた巣など様々な面白い巣が紹介されますが、いずれも大切な子どもを育てるために、環境に合わせて工夫した巣を作っていることがわかります。スケッチ風の優しい絵で巣の様子が描かれていますので、ゆっくりめくって見せてあげてください。ただし、1ページにたくさんの巣が紹介されているページは、大まかな紹介だけして、後から手にとってみてもらってもよいと思います。
 著者の鈴木まもるさんは画家として、『ピン・ポン・バス』(竹下文子作 鈴木まもる絵 偕成社 1996)などの絵本も手がけていますが、日本や外国の鳥たちの使い終わった古巣を多数収集していて、鳥の巣に関する本も出版しています。読み聞かせできる本、図鑑のような本、エッセイ風の本などがありますので、図書館にある本を確認しておいて、状況にあったものを紹介してみてください。
  
<科学の本>
 『くちばし どれが一番りっぱ?』 ビアンキぶん 田中友子やく 薮内正幸え 福音館書店 2006 8分
くちばし どれが一番りっぱ? (福音館のかがくのほん)
 
小さいくちばしのヒタキに向かっていろいろな鳥たちが、自分のくちばしを自慢しあいます。上と下がくいちがったくちばし、ひげのあるくちばしなど、面白い特徴のあるものが次々登場し、鳥のくちばしは、こんなに工夫されているのかと、感心します。薮内正幸さんの絵も、くちばしの特徴がよくわかると同時に、自慢する鳥たちのほこらしげな様子が伝わってきます。子どもたちの「へぇー」という顔が見られる1冊です。
  
 <気軽に読める本>
『とりがないてるよ』 ヨアル・ティーベリぶん アンナ・ベングトソンえ オスターグレン晴子やく 福音館書店 2014 3分
 
とりがないてるよ (世界傑作絵本シリーズ)
ヨアル・ティーベリ
福音館書店
2014-03-12
 
13種類の鳥の鳴き声が紹介されています。
各ページに鳥の絵と、「フィフィ、フィフィ、フィフィー ゴジュウカラは フルートをふいてるみたい」といった簡単な説明があります。鳴き声の字体は、丸字だったり、大きさが違ったりと、鳥に合わせて工夫されていて、鳴き声の雰囲気が伝わってきます。気軽に鳥の鳴き声を楽しむことができる1冊です。
 また、もっと鳥の鳴き声を知りたい子には、『鳥のなき声ずかん(ずかんライブラリー)』(薮内正幸ぶんえ 篠原榮太もじ 佐藤聰明おと 福音館書店 2011)も合わせて紹介してもよいと思います。
 
<おまけの詩>
『どうぶつはいくあそび』 きしだ えりこ作 かたやま けん絵 のら書店 1997
  
どうぶつはいくあそび
岸田 衿子
のら書店
1997-12
 
動物たちが作った愉快な俳句が、「はる」「なつ」「あき」「ふゆ」のまきで紹介されています。動物たちの素直な俳句に寄せた、かわうそ師匠の感想も楽しいです。動物によっては、日本語ではなく、その動物の言葉で俳句を作っていますので(訳文はあります)、「なんと言っているでしょう?」といったクイズ形式で楽しむこともできます。ことりのぴいこも鳥語で「ころころち ぴちくち・・・」といった愉快な俳句を作っています。
 
 今回紹介した本は、公共図書館向けの5月おはなし会プラン「2014年(その2)いろいろなとりたち(幼児~小学生)」「2016年(その2)いろいろなとりたちpart2 (幼児~小学生)」でも紹介しているものが多くあります。おはなし会プランの幼児~小学生向けで紹介している本は、学校図書館でも活用できるものがありますので、ぜひ参考にしてください。
 
(作成 T.I) 

おはなし会のいろは(その2)絵本の読み方 声の出し方(再掲)


昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

 

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連載1回目の「絵本の持ち方 めくり方」は多くの方に見ていただき、「いいね」もたくさん押していただきありがとうございました。

2回目は「絵本の読み方 声の出し方」です。前回も書きましたが、これは図書館や学校など大勢の子どもたちに向けておはなし会を開催する場合を想定しています。ご家庭で自分のお子さんのために読むときは、どんな読み方をしてもOKです。大好きな親や祖父母がそばで自分のために読んでくれる!というだけで嬉しいのです。読み方にこだわることはありませんので、利用者から質問があった場合はそのようにお伝えください。

【絵本の読み方】7042d4ba

①導入 

 初めておはなし会を担当する時は、子どもたちの視線が一斉に自分に集まり、また後方で見ている保護者の方々も視界に入ってきて緊張すると思います。読み始める前に、ゆっくりと深呼吸をして、息を整えましょう。また子どもたちを一回り見渡して、「最初に読む絵本は、これだよ。」「次はどんなお話かな?聞いてね」など、少し会話をしてみると、子どもたちとの距離が縮まって緊張を解くことが出来ます。

 おはなし会は、図書館スタッフが一方的に子どもに本を読むショーではありません。読み手と聞き手が一緒におはなしを楽しみ、その場の雰囲気を作っていくものです。読み手が交代したり、次の絵本に移行するときに、無言のままやっているおはなし会に出くわしたことがあります。聞き手にも緊張感が伝わり、雰囲気がとても硬くなっていました。ほんの一言声をかけると場が和むものです。

 

②表紙の読み方

 読み始める前に、本の表紙をしっかりと見せて、タイトルと作者名、画家名、翻訳者名などを読み上げます。ただし1回目でも書きましたが、おはなし会の対象が小さなお子さんの場合はタイトルだけで良いでしょう。幼稚園の年長児や小学生を対象に読むときは、作者名など本を作った人への意識が高まり、特定の作家、画家のファンになったりします。

表紙は、子どもたちにとって別世界への扉です。これからどんなおはなしが始まるのか、期待を膨らませることでしょう。

 

③見返し

 見返しもすべてゆっくりとめくっていきます。作品によっては、見返しに描かれた絵から物語が始まっていたり、伏線になっていることがあります。お芝居で開幕のブザーが鳴って緞帳が上がっていく時のような期待感を高めることとなります。

 

④声の表情と、間の取り方

 おはなし会の研修などでよく質問を受けるのが、登場人物などを声音を変えて読むかどうかということです。子どもたちが物語の世界をイメージし、その世界に入り込んでいくのを邪魔しないために読み手は出来るだけ淡々と読むのが良いという主張もあります。(読み手は黒子に徹するという意味で「黒子説」と呼ばれています。)

その一方で、絵本を読んでもらうことに慣れていない子や、普段アニメーションばかり見ている子にとっては淡々と読まれていると、面白さがわかる前に飽きてしまうので、臨場感溢れるように声音を変え、身体的動作やBGMなども時には使ってドラマティックに読んだほうが良いと主張もあります。(読み手のパフォーマンスに依るということで「パフォーマンス説」と呼ばれています。)

そのどちらが正しいとは断言できない問題だと私は思います。つまり、それは作品によって違うと考えるからです。たとえば、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』(まさきるりこ/訳 福音館書店)や、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』(瀬田貞二/訳 福音館書店)などは、静かに淡々と読んであげたほうが、子どもたちはすっとこの作品の世界に入り込んでいけます。

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
マリー・ホール・エッツ
福音館書店
1963-12-20
 
 
 
 
よあけ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
ユリー・シュルヴィッツ
福音館書店
1977-06-25
  

 

 

逆に、ドラマティックに場面が展開していく 『三びきのやぎのがらがらどん』(マーシャ・ブラウン/作 瀬田貞二/訳 福音館書店)では、大きながらがらどんが登場する場面は、それまでの小さながらがらどんや、中くらいのがらがらどんよりも大きなしわがれた声で「おれだ!おおきなやぎのがらがらどんだ」と読まないと、この作品の面白さは伝わりにくいでしょう。(フォントも大きくなっています)

 何度もしつこく言うようですが、しっかりと下読みをする中で、どんな読み方がその作品の世界観を子どもたちに伝えられるか、感じ取ることが大切です。

自分ひとりで判断できない場合は、一緒におはなし会を担当する同僚とリハーサルを重ねながら検討していくとよいでしょう。お互いに読む作品を声に出して読み合う中で、声の出し方やめくるタイミングなども合わせてアドバイスをお互いにしましょう。

なお、無理に声音を作る必要はありません。ゆっくり読む、早口で読む、あるいは声の大きさを変えるだけで、物語の雰囲気をより深く伝えていくことが出来ます。(おじいさんやおばあさんはゆっくり読む、小さな子どもは早口で読むだけでも雰囲気が伝わります)
 

 それと合わせて、ページをめくる速さや間も大切にしましょう。文章を読み終わった後もじっくりと絵を見せておきたい場面と、さっと次のページに移行したほうが、子どもたちがその世界に入り込める場合とがあります。どのように読めば、その物語の世界をより子どもたちに伝えられるか、あらかじめ何度も読んでみて考えておく必要があるでしょう。十分な下読みをし、また誰かに聞いてもらっておくことをおすすめします。

 長新太の『キャベツくん』(文研出版)を例にあげてみます。

キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)
長 新太
文研出版
2005-02

 

キャベツくんが「こうなる!」といいました。” で見開きのページが終わり、次のページの冒頭では “「ブキャ!」ブタヤマさんは そらをみて びっくりしてしまいました。” と受けるのが繰り返されます。この場合、ページはサッとめくらないとそれこそ「間」が抜けてしまいます。また、「ブキャ!」の部分は、平坦に読むよりも、ほんとうに驚いた感じが伝わるように大げさなくらいに大きな声で読むほうが、この作品の面白さがより伝わります。

かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
冨山房
1975-12-05

  モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』(神宮輝男/訳 冨山房)には、見開きで3シーン、字のないページが続きます。ここは主人公マックスとかいじゅうたちが繰り広げるかいじゅうおどりを子どもたちに堪能してもらうために、じっくりと絵を見せます。ご家庭ではいろいろな擬音を作ってかいじゅうおどりの様子を表現して遊ぶ親子もいると聞きますが、図書館など集団の場で読む場合は、こちらから特に働きかけずに、子どもたちが思い思いにその世界に入り込めるよう、みんなに見えるようにじっくり絵を見せながら、十分な間を置いて次のページへとめくっていくとよいでしょう。

 

⑤オノマトペ(擬音語、擬態語)絵本の読み方

 

 

がたん ごとん がたん ごとん (福音館 あかちゃんの絵本)
安西 水丸
福音館書店
1987-06-30

 

 

オノマトペの絵本は読み方がとても難しいですね。2010年にフェリス女学院大学で開催された絵本学会で、谷川俊太郎さんがオノマトペ絵本について語られました。(「ことばと絵」 →絵本学会会報No.40参照)谷川俊太郎さんご自身が『もこもこもこ』を表情豊かに、抑揚をつけ、楽しそうに読んでくださいました。「もこっ・・・も~こ~も~~こ~~~」と大げさなほどでしたが、「もこもこもこ」と平易に読んでいては伝わらない「大きく膨らんでいく様子」の描写が音から伝わってきて、どんどん引き込まれていきました。谷川さんは講演の中で「文字で読むのと声を出すのでは全然違うものになる。音声化する場合にはオーバーにやらないと面白くないと思うんです。」とおっしゃいました。

『がたんごとんがたんごとん』も平易に読むよりは、電車が来る本当の音のように抑揚をつけて読むと小さな子どもたちも大喜びします。もちろん、無理やり抑揚をつける必要はありませんが、谷川さんの発言は参考になると思います。

 

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背中が曲がっていると、声帯が圧迫されて声が通りにくくなります。椅子に座る場合は浅くかけて、背筋を伸ばしましょう

【声の出し方】

 声の出し方については、専門家のボイストレーニングを一度受けることができれば一番良いのですが、それができない場合の基本的なアドバイスをいくつか書いておきます。

①姿勢を正し

 姿勢が悪いと声がまっすぐに前に向かって出ません。まずは姿勢を正しくすることを心がけましょう。背中が曲がっていると、喉が圧迫されて、声帯をきれいに震わせることが出来ません。そうするとはっきりと発音が出来ず、聞き取りにくくなります。また、必要以上に声帯にに負担がかかり、喉を痛めてしまいます。
 姿勢を保つためには、筋力が必要です。「おはなし会に筋力?」と意外に思うでしょうが、正しい姿勢を保つために腹筋、背筋に意識し、普段からストレッチをするように心がけましょう。

 

 

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立つ場合も同じです。猫背にならないようにします。

②呼吸法

 腹式呼吸を心がけます。息を吐くときにお腹をへこませ、吸うときにお腹を膨らませます。そのことを意識しながら、ゆっくりと呼吸をします。うまくできないときは、仰向けに横になり、おへその下あたりに手を置いてやってみましょう。腹式呼吸で発声をすると、喉に負担をかけることなく、しっかりとした声を出すことが出来ます。大きな会場などで読み聞かせをする時などは、この発声の仕方を覚えておくと良いでしょう。インターネットで「発声法 腹式呼吸」で検索すると自宅でできるボイストレーニングのサイトや動画がたくさん出てきます。参考にしてみてください。

 

③滑舌をよくする 

  滑舌が悪いと明瞭な発声ができません。演劇などの練習に使われる口を動かす練習をしておきましょう。まずは口角の動きに意識して、母音を発声してみます。

 「あ」は大きく口を開く、「い」は口角を耳元に引き上げるように気持ちで横に伸ばす、「う」は唇をすぼめて前に出す、「え」は口を横に大きく開きながら舌を下歯茎につける、「お」は口の中に大きな空間をつくる感じで声を出します。この口角を意識して動かすエクササイズは小顔効果もあるそうですよ。その上で、口の形を意識しながら、演劇の練習などでも使われる発声練習をします。

 あえいうえおあお かけきくけこかこ させしすせそさそ たてちつてとたと なねにぬねのなの はへひふへほはほ まめみむめもまも やえいゆえよやよ 

 られりるれろらろ わえいうえをわを がげぎぐげごがご ざぜじずぜぞざそ だでぢづでどだど ばべびぶべぼばぼ ぱぺぴぷぺぽぱぽ

 その他にも、北原白秋の「五十音」(あめんぼあかいなあいうえお・・・ではじまる詩)や、外郎売の口上、早口言葉などで滑舌の練習を普段からしておくとよいでしょう。

(作成K・J) 

おはなし会のいろは(その1)絵本の持ち方、めくり方(再掲)


新年度、異動などで児童サービス担当になった方もいると思います。昨年、児童サービス初心者向けにおはなし会開催についてのノウハウをお知らせするために連載した「おはなし会のいろは」を、再掲載いたします。

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「本のこまど」では、図書館の児童サービス担当のみなさんが図書館で「おはなし会」を実施するにあたって、これまでプログラムのおすすめプランや、おすすめの絵本リストなどの情報を中心にお届けしてきました。

そこで今回は「おはなし会」の実施方法(開催するための実際の下準備や声の出し方なども含む)について連載することにしました。6回にわけて掲載していきます。どうぞお楽しみに!

(その1) 絵本の持ち方、めくり方
(その2) 絵本の読み方 声の出し方
(その3) おはなし会の会場設営 雰囲気作り
(その4) プログラムの作り方
(その5) おはなし会でのこんなハプニング、あなたならどうする?
(その6) おはなし会終了後も大事です (フォローと記録)

 また今年度中に社員向けeラーニングに動画も配信していく予定です。

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1回目は、初めての人が意外と知らない絵本の持ち方、めくり方についてです。ただし、これは図書館などでの集団への読み聞かせの場合です。ご家庭での読み聞かせについて、利用者から質問があった場合は、お子さんをお膝にのせるか、隣に座って同じ視線で読んであげるとよいとお伝えください。

では、福音館書店の『おおきなかぶ』を用いて、説明をしていきましょう。(画像使用については出版社の許諾を得ています。)
『おおきなかぶ』A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店

絵本の準備

開きグセをつける

①絵本の準備

まず絵本が開きやすいかどうかを確認します。とくに新しい絵本は、開きにくくなっています。真ん中あたりのページを開き、両手で綴じの部分を軽く押さえます。ページ数の多い絵本や、硬い紙質の絵本の場合は、いくつかのページで同じように綴じの部分を押さえておきます。こうすることで開きグセをつけることができ、読んでいる最中にページが浮いたり、戻ってしまうことを防ぐことができます。

 

 

 

②絵本の持ち方

絵本の持ち方

脇をしっかりと締めて持つ

絵本の持ち方3

親指と手のひらがしっかりと絵本を支える

文字が横書きで右開き(左綴じ)の絵本は、身体の右側で絵本を持つとめくりやすくなります。(縦書き、左開き(右綴じ)の絵本の場合は、逆に身体の左側で左手で絵本を持ちます。)

右手で絵本の「のど」(綴じの部分)をしっかりと持ちます。
手のひらと親指で後方から絵本を支え、手前に4本の指を揃えて添えます。これで絵本が安定して、グラグラと動くことがありません。
脇はしっかりと締めておくと、さらに安定します。

左は後方から絵本を持っているところを撮った写真です。
親指と手のひらがしっかりと絵本を支えていることがわかるでしょうか。

 

 

③ページのめくり方

絵本の持ち方2

『おおきなかぶ』A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店

絵本を読み始める時は、表紙の絵をしっかりと見せてからタイトル名を読み、見返しのページもタイトルのページも一枚ずつゆっくりとめくっていきます。見返しに何も書いてないからと、一度にタイトルのページまでめくるのではなく、劇場で緞帳が徐々に開いていくように見返しのページもゆっくりめくっていくことが大切です。読んでもらう子どもたちは、どんな物語に出会えるかワクワクしながら待つことが出来ます。タイトルページでは、もう一度タイトルを読みましょう。なお、作者名、画家名などについては乳幼児の場合は読まなくても構いませんが、小学生には読んであげると、絵本を作ってくれた人への意識や、教科書で紹介されている作家と同じだという発見が出来て、次の読書へ繋げることが出来ます。

ページをめくる時は、左手で手前を少し浮かせてから、自然に向こう側へ送るようにします。この時、のどを持っている4本の指も使って、ページの中央でページを受け取って送って行きます。この方法で絵本を持つと、ページをめくる時に描かれている絵を腕で邪魔することがありません。(ただし、もっと横長で大型の絵本の場合は、左手で向こう側へ送っていく必要が出てきます。)

 なお、縦書き、左開きの絵本の場合は、逆に身体の左側で左手で絵本を持ち、右手でページを浮かせて送るとよいでしょう。

 これらの持ち方は、絵本の字面を読む時の人の視線の動きにも合致しています。視点は手前から遠方に動かすよりも、遠方から手前に動かす方がピントが合いやすく、読み間違いをしにくいという利点もあります。

また文章を読み終わってすぐにページをめくるのではなく、ひと呼吸分、両端の子どもたちに絵を見せるつもりでほんの少し腰を左右に動かしてからめくります。(なお、作品によっては次のページにさっと移ったほうがお話の流れとして良い場合もあります。)

 はじめて児童サービス担当になって、図書館で「おはなし会」をすることになった場合、多くの方が家で声を出して一生懸命練習することでしょう。しかし大勢の人の前で読むというのは、広がって座っているどの子どもたちにも絵本の絵がよく見えるように絵本を持つことや、絵に見入っている子どもたちの邪魔にならないめくり方など、ほんの少しのコツが必要です。

 不特定多数の人の前で絵本を読むということは、慣れないと緊張するものです。練習をするときは、同僚や家族に聞いてもらいながら、実際にこれらの持ち方、めくり方で練習をしてみてください。

次回は、絵本を読むときの声の出し方についてです。お楽しみに! 
(作成K・J)

小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介 4月(再掲)


 *小中学校の入学式も終わり、いよいよ新しい学年度の始まりですね。小学校での読み聞かせでおすすめの本の紹介は、昨年度連載したものです。この時期に合わせて再度、掲載いたします。*

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公共図書館では、団体貸出などによる資料の提供、レファレンス、図書館見学や職場体験の受入れなどの学校支援サービスを行っています。公共図書館から学校図書館の担当者として職員を派遣している地域もあり、そういった学校図書館担当職員が学校での読み聞かせや本の紹介をする機会も多くなってきました。

 学校での読み聞かせは、学校の教育課程の一貫として行われていることや、朝の10分間に教室で行ったり、授業時間に図書室で行ったりと、時間や場所が様々であることなど、公共図書館のお話会とは異なる点もあります。

 そこで、学校での読み聞かせや本の紹介の本選びに活用してもらえるよう、毎月「小学校での読み聞かせ おすすめの本の紹介」を掲載していきます。

 急に読み聞かせをしてくださいとお願いされることもありますので、普段からいくつか候補になる本を用意しておくと安心です。ぜひ参考にしてみてください。

4月は、新年度のオリエンテーションのときに読み聞かせできる絵本という視点で選びました。

<低学年向け>

『おかえし』 村山桂子さく 織茂恭子え 福音館書店 1985 7分

おかえし (こどものとも傑作集)
村山 桂子
福音館書店
1989-09-25

たぬきの家の隣に引越してきたきつねは、挨拶にいちごを持って行きます。するとたぬきはお返しにたけのこくれたので、さらにそのお返しを持って行くことにするのですが・・・きつねとたぬきのお返し合戦が愉快な物語です。最後は贈るものがなくなって、自分までお返しの贈り物にしてしまいます。「これは、ほんの つまらないものですが、おかえしの おかえしの おかえしの おかえしの おかえしの・・・」という言葉の繰り返しも楽しく、子どもたちは一緒に声を出してくれます。初めての読み聞かせで、読み手も聞き手も緊張しているときに読むと、お互いの距離が近くなるような気がするおすすめの絵本です。

<中学年向け>

『としょかんライオン』 ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店 14分

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
ミシェル ヌードセン
岩崎書店
2007-04-20

ある日、図書館にライオンがやってきました。ライオンは図書館のきまりをきちんと守って、お手伝いもしたので、みんなの人気者になります。ところがあるとき、図書館長のメリウェザーさんがけがをしたことを知らせるために、大きな声でほえてしまいます。きまりを守れなかったライオンは、姿を見せなくなってしまうのですが・・・。

オリエンテーションのときに、図書館のきまりを確認する学校も多いと思いますが、きまりが大切なことも、ちゃんとした理由があるときは守れないときがあることも、自然に伝わる楽しい物語です。

<高学年向け>

『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 ジャン・ピンボロー文 デビー・アトウェル絵 張替惠子訳 徳間書店 2013 10分

図書館の児童サービスの先駆者の一人、アン・キャロル・ムーアの伝記絵本です。1870年にアメリカの小さな町で生まれ育った女の子は、大人になるとニューヨークに出て、図書館学を学び、子どものための児童室を作る仕事につきます。子どもは本を大切にできないから触らせてはいけないと考える人がいる時代に、「としょかんのやくそく」をしてもらって借りられるようにしたり、子どもたちに合う小さなイスやテーブルを作ってもらったり、わくわくするコンサートやお話会を開いたりと、様々な工夫をして子どもたちが楽しく過ごせる児童室を作っていくのです。アンのつくった児童室は世界中で参考にされ、現在の日本でもアンの仕事は生かされています。

図書館のことを知ることができると同時に、生涯を通して自分の仕事してきた、アンの生き方も興味深い本です。中学年でも一人の女性の物語として楽しめると思いますが、視野が広がり、将来を考え出す高学年にもおすすめしたい1冊です。

 <季節の本>

『たんぽぽ』 平山和子ぶん・え 北村四郎監修 福音館書店 1976 5分

身近にあるタンポポについて、科学的にわかりやすく紹介されています。語りかけるようなやさしい文なので、読み聞かせに向いています。絵は写実的で、葉や根、花は240もの小さな花が丁寧に描かれています。根は見開き2ページにわたって描かれているので、2冊用意して、子どもや先生に手伝ってもらって、つなげてみても楽しいでしょう。

 

 <気軽に楽しめる本>

  『それ ほんとう?』 松岡享子著 福音館書店 2010

「あるひあめりかうまれの ありのありすさんが あるあめのひに・・・」といったように、五十音それぞれに「あ」なら、「あ」で始まる言葉だけで、「い」なら「い」のつく言葉だけで、思わず「それ ほんとう?」といいたくなる、奇想天外な詩が作られています。自己紹介ついでに自分の頭文字の詩や、担任の先生の名前の詩を読んであげたりすると、楽しめると思います。

(作成 T.S)

日本図書館協会『選定図書総目録』について


日本図書館協会発行の『選定図書目録2016年版』(CD-ROM)を図書館事業本部で購入しました。

日本図書館協会では、1949年から2015年度(2016年3月)まで、公共図書館・学校図書館・公民館図書室などの読書施設に図書情報を提供することを目的として、図書選定事業を実施していました。

日本図書館協会「図書の選定事業について」〈http://www.jla.or.jp/activities/sentei/tabid/207/Default.aspx

 

『選定図書目録 2016年版』には、2011年から2016年3月までの5年3か月分の選定図書47,459点(うち2015~2016年分は12,521点)と1996年から2010年の15年間に選定した児童図書12,298点、合わせて59,757点が収録されています。書名、著者名、出版社、件名、ISBN、NDC新訂8版・9版、読者対象で検索可能で、簡単な内容の解説もついています。蔵書の見直しの際に補強したい分野の図書を検索するときなど、様々な場面で活用することができます。ご覧になりたい方は、テクニカルサポート室までご相談ください。

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(作成 T.I)

全国学校図書館協議会 『学校図書館』『学校図書館速報版』について


2016年11月より、全国学校図書館協議会発行の『学校図書館』と『学校図書館速報版』を図書館事業本部で購入しています。

ヴィアックス社員は、研修センターで見ることもできますし、貸出もいたしますので、ご覧になりたい方はテクニカルサポート室までご連絡ください。

公益学校図書館協議会(SLA)は、1950年に設立された団体で、各都道府県の学校図書館研究団体(各県SLA)と協力して、学校図書館の充実発展と青少年読書の振興を図るために様々な活動を行っています。その活動の一つとして、機関誌『学校図書館』、『学校図書館速報版』を刊行しています。

学校図書館 2016年 11月号 [雑誌]
全国学校図書館協議会
2016-11-05

 

 

 

『学校図書館』は、月1回の発行で、学校図書館の今日的な課題を特集形式で掲載しています。

2016年は「アクティブ・ラーニングと学校図書館」、「災害への対応と学校図書館」、「学校司書の配置と養成の現状」などの特集が組まれています。

(バックナンバーの情報はこちらをご覧ください→全国学校図書館協議会「機関誌バックナンバー」http://www.j-sla.or.jp/kikanshi/

特集の他にも、研究大会の報告、図書館の活用術や研究実践、学校図書館の紹介などがあります。

 

『学校図書館速報版』は、機関誌『学校図書館』の姉妹誌として、月2回発行されている速報版です。

SLAが毎月選定している学校図書館向き図書のリスト「全国SLA選定図書リスト」の掲載および選定図書の紹介、各種研修会の情報が取り上げています。

選定図書リストでは、書名・著者名・出版者名・出版年・ページ数・大きさ・ISBN・本体価格のほか、全国SLAで独自に付与した学校向け分類記号・件名・対象学年の程度を記載しています。、新規に購入する本を検討する際に参考にできます。

(選定図書リストの詳細こちらをご覧ください→全国学校図書館協議会「選定図書リストをご活用ください」http://www.j-sla.or.jp/kikanshi/sokuho/sentei-list.html

どちらも、学校図書館関係者としておさえておくべき情報や実務に活かすことができる情報が満載です。ぜひご活用ください!

(作成 I.T)

学校図書館関連のおすすめの本の紹介(10/27追記あり)


2014年に学校司書が法制化されるなど、学校図書館への期待は高まっており、学校図書館に関連する書籍も多数出版されています。今回は2014年から2016年8月に出版された学校図書館関連の本のうち、主に学校司書としての仕事をしている方々におすすめの本を紹介します。

*『学校図書館 はじめの一歩』を作成した、みの会のWebページのご案内を追記しました。(2016.10.27)

『司書教諭・学校司書のための学校図書館必携 理論と実践』 全国学校図書館協議会監修 悠光堂 2015

公益社団法人 全国学校図書館協議会(SLA)が監修した1冊で、大学教授の他、、司書教諭、学校司書など様々な立場の学校図書館関係者が執筆しています。学校図書館の理念や関係法令、経営や運営、活用方法など、学校図書館に関する基礎知識が項目別に書かれていて、知識の基盤固めに最適です。通読するのは少し大変ですが、一読しておいて、わからない事項が出てきたときに丁寧に読んでいくと、自分の仕事の位置づけをしっかりふまえながら業務にあたれます。

『学校図書館 はじめの一歩』 みの会・編 2015

学校図書館はじめの一歩 表紙イメージ公益財団法人 東京子ども図書館で、児童図書館員としての研修を受けたのち、学校図書館で勤務した経験のあるメンバーが作成した冊子です。「1章 人・図書館・学校を知る」「2章 現状をよりよくしていく」の2章立てになっており、メンバ―の実際の経験や取り組みをもとに「学校図書館をよりよくするためにどんなことができるのか」が具体的に書かれています。写真や作成した資料も豊富に掲載されているので、初めて学校図書館で働くという人でも実際の仕事内容をイメージしやすくなっています。9つあるコラムには学校図書館での子どもたちの様子も多く書かれており、学校図書館で仕事をする楽しさも伝わってきます。「はじめの一歩」と書名にあるように、「まずできることから」が書かれているので、「やってみよう!」という前向きな気持ちになれる1冊です。

みの会Webページ「みの会 へようこそ!」 https://sites.google.com/site/minokai2008/home

 

 

『サンカクくんと問題解決! 学校司書・司書教諭・図書館担当者のための学校図書館スタートガイド』 学校図書館スタートガイド編集委員会 編・著 少年写真新聞社 2015

学校図書館スタートガイド: サンカクくんと問題解決! 学校司書・司書教諭・図書館担当者のための
学校図書館スタートガイド編集委員会
株式会社 少年写真新聞社
2015-04-15

この本では、学校図書館の業務・機能をモデル化して、「α 知ること」「β 連携する」を大切にし、「Ⅰ整える」、「Ⅱ応える」、「Ⅲ働きかける」で構成された三角形のバランスを保ちながら業務を行うことが、学校図書館としての役割・機能を果たすことができるという考え方を基本として構成されています。「Ⅱ応える」だけに気をとられて「Ⅰ整える」を行わないと使える図書館にならない、「Ⅰ整える」ことばかりで「Ⅱ応える」も「Ⅲ働きかける」を行わないと使われない図書館になってしまう、というのは当然に感じますが、経験が浅かったり、日々の業務に追われたりしていると全体が見えなくなることもあるかもしれません。この本では、「どうすればよいのかわからない」といった課題に直面したときに、全体のバランスを考えながら何をするべきなのか、きちんと指針を示してくれています。一人職場で課題にぶつかっても相談できる人がいないといった場合、とても頼りになる本です。

 また、「初期メニュー 着任して一番初めにすること」として、勤務開始日の服装や確認しておくべきことなどが4ページにまとめられています。付録に「ちいさなことから始めよう!学校図書館サービスチャンス発見シート」「できることから授業支援 授業支援シート」もあり、一つひとつチェックしながら、勤務する学校図書館でできるサービスを考えていくことができます。

『司書と先生がつくる学校図書館』 福岡淳子著 玉川大学出版部 2015

公立小学校司書として15年間、3校の学校で子どもたち、先生と関わってきた著者の経験をもとに、図書館で大切にしたい基本の考え方と一人ひとりの読書力に合わせた読書支援の方法が書かれています。先生との協同の第一歩として「図書の時間」のイメージチェンジから取り組んだこと、どのような支援が適切なのか「子どもから学ぶ」手法で探ってきたことなど、著者がどのように考え、どのように働きかけていったのかがよくわかります。紹介されている取組みが参考になるのはもちろんのこと、子どもたちの様子をきちんと記録したり、選書のための評価カードを作成したり、日々の積み重ねを大切にする著者の仕事に対する姿勢からも多くを学ぶことができます。一人の先輩学校司書の歩みから、自分もこういうふうに仕事をしていきたいと肩をおしてもらえる本です。巻末に著者の実践をもとに作成された読み聞かせリストもあります。

『発信する学校図書館ディスプレイ 使われる図書館の実践事例集』 吉岡裕子・遊佐幸枝監修 少年写真新聞社 2015

「使われている図書館ではどんな掲示があり、本や資料の見せ方がされているのか、それができるには日頃何をしなければならないのか」が書かれた本です。豊富な実践例が写真付きで紹介されています。第Ⅰ章「基本の表示」では、分類表示、書架見出し、棚見出しなどについて、第Ⅱ章「図書館と読書へのお誘い」では、入口のディスプレイ、年間の展示、おすすめの本の展示、発信力UPのポイントなどについて、第Ⅲ章「学びと図書館」では、展示による学校行事や教科学習のバックアップ、授業と連携したディスプレイ、情報教育の拠点としての展示などについて、掲載されています。学校図書館の役割をふまえ、子どもたちに発信すべきことを考えるという視点も学べる本です。

『読書イベント実践事例集』 牛尾直枝・高桑弥須子編著 少年写真新聞社 2016

読書イベント実践事例集: 学校図書館が動かす
牛尾 直枝
少年写真新聞社
2016-05-26

春の「子どもの読書週間」や秋の「読書週間」などに関連して、学校の年間行事予定の中に「読書週間」といった期間が設定され、読書イベントを行う学校も多いと思います。本書では、学校全体で取り組む大きなイベントや、学校図書館独自で実施するちょとしたイベントなど、様々な実践例が掲載されています。、読書イベントを成功させるための企画から広報までのポイントもまとめてあり、初めて企画するときにも参考になります。巻末に、読書郵便のプリントや読書マラソンの記入用紙など、コピーして使える資料もあります。読書週間のイベントを考える際に、活用したい1冊です。

『すぐ実践できる情報スキル50 学校図書館を活用して育む基礎力』 塩谷京子編著 ミネルヴァ書房 2016

学校図書館は「学習・情報センター」としての機能があり、児童生徒の情報スキルを育成するという役割があります。本書では、学校図書館を活用することで育成される情報スキルを学習指導要領と教科書から抜き出し、発達段階に沿って整理しています。この「情報スキル50一覧表」を見ると、いつ、どのようなスキルを身につけていくことが適当なのか理解することができます。また各スキルを身につけるための実践事例が丁寧に紹介されているので、児童生徒が授業を通して、どのように情報スキルを身につけていくのかイメージすることができます。授業を支える学習環境の整備の仕方についても書かれていますので、学校図書館をどのように整えていけばよいのか学校司書にも参考になる1冊です。 

『学校図書館ボランティアへの期待』(はじめよう学校図書館12)對崎奈美子・山田万紀惠著 全国学校図書館協議会 2016

各地で学校図書館ボランティアの方が活躍されていますが、きちんと組織化されていなければせっかくの力も生かしきることができません。本書では、募集から始まる組織作りの進め方、活動内容や研修についてなど、ボランティア活動のために必要なことが具体的に書かれています。2つの小学校の活動実践例も紹介されており、活動記録や蔵書点検の呼びかけの用紙なども参考になる資料も掲載されています。各学校によって様々な状況があると思いますが、ボランティアの方により活躍していただくために、どうすればよいのか道すじが見える見つかる1冊です。

「はじめよう学校図書館」は、学校図書館の基本的業務について、わかりやすくていねいに解説された「学校図書館入門」のためのシリーズです。現在12巻刊行されていて、オリエンテーションや著作権について扱ったものもあります。ブックレットで手軽に読むことができますので、ぜひ手にとってみてください。

全国学校図書館協会の出版物の紹介ページ http://www.j-sla.or.jp/books/cate4/index.html

(作成 T.I)

「レファレンス協同データベース登録事例集 第2集 学校で使える事例編」の紹介


レファレンス協同データベース(http://crd.ndl.go.jp/reference/)が、「レファレンス協同データベース登録事例集 第2集学校で使える事例編」を掲載しています。

レファレンス協同データベースは、事業に参加している図書館等が日々行っている調べものの記録等を登録し、そのデータを、国立国会図書館がインターネットを通じて、提供している事業です。H25年度7月からは、学校図書館・学校図書館関係団体の参加も可能になり、学校図書館で活用できる事例も多くあります。

今回掲載された登録事例集では、小学生向けから高校生向けまで、「1.教科編」と「2活動編」に分け、学校図書館で使える事例を幅広く集めてあります。

取り上げられている事例は、「1.教科編」では「社会 小学校社会科の水産業の学習を広げる本はないか」「図工 図工でお城の絵を描きたいので、写真などの載っている本を見ててください。」といったものや、「2.活動編」では、「調べ学習 初めての調べ学習として「じどう車くらべ」をします。使える資料の収集と利用指導、ブックトークをお願いします。」「視聴覚資料 「いじめ」をテーマにした視聴覚教材を探している」など、学校からレファレンスを受けそうなものばかりです。回答プロセスも参考になりますので、ぜひご覧ください。

「レファレンス協同データベース登録事例集 第2集学校で使える事例編」http://crd.ndl.go.jp/jp/library/documents/crd_examples_02.pdf

(作成 T.I)

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なぜわらべうたを図書館のおはなし会で取り入れるのか(再掲)


2010年7月13日にUPした「わらべうた(小さなこどものためのおはなし会で)」の記事を、ちょうど6年目の今日、少し手直しをしてUPします。

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私自身は、プライベートな文庫活動で27年近く「わらべうた」をおはなし会に取り入れてきましたし、年間数回、あちこちで「わらべうた講座」の講師をしています。

また多くの図書館で「わらべうた」の時間をを乳幼児サービスとして提供しています。なぜ、小さな子どもたちに「わらべうた」なのか、サービスをする人たちの中にも「赤ちゃんが喜ぶから」「今までずっとやってきたから」というだけで、立ち止まって考える機会がないままの方もいるかもしれません。

今回は、なぜ、「わらべうた」なのか考えてみましょう。

まずは「わらべうた」とは、何かということですが、古くから民衆の生活に結びついて歌われてきた、子ども達の遊び歌、 あやし歌、数え歌などです。 口承で伝わってきたものなので、地方によっても少しずつ音程や 歌詞が違っています。 音階構造は長唄や雅楽など日本の民族音楽に共通する五音階です。 なお「本のこまど」で掲載している「わらべうた」の楽譜は、私が覚えて歌っているものを採譜したものなので、みなさんの普段歌っている「わらべうた」とは音程や、拍の長さが違っているかもしれません。そのように、地域の中で親から子へと、年長者から子どもたちへと伝わってきたのが「わらべうた」なのです。

さて、赤ちゃんの五感のうち、どこが一番早く発達するかご存知ですか?子育てを経験された方ならきっとご存知だと思うのですが、先天的な異常がない場合、それは聴覚です。胎児の時にすでに聴覚は完成しています。だいたい妊娠7ヶ月の頃には出来上がっていて、お母さんのお腹の中でお母さんの心音や、お腹のぐるぐるいう音を聴いているのです。

その証拠に『ごぶごぶ ごぼごぼ』という絵本を生後3ヶ月ぐらいのの赤ちゃんに読んであげると、不思議なことに赤ちゃんがじっと聞き入るのです。
ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)
著者:駒形 克己
販売元:福音館書店
発売日:1999-04-15


(この絵本について、駒形克己さんの講演会でお話を伺ったことがあります。お嬢さんの胎内体験に基づいて作ったということでした。)


お母さんがゆったりしている時の心音は、胎児にとって心地よい音として生物的な感覚で覚えています。
それは胎盤からの血流が滞ることがなく、赤ちゃんにとっても心地よいからです。そして出産後まもなく新生児はお母さんの生の声、肉声に反応していることがわかっています。詳しい研究については『赤ちゃん 成長の不思議な道のり』を参考にしてください。
NHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のりNHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のり
著者:安川 美杉
販売元:日本放送出版協会
発売日:2007-02


では何故「わらべうた」なのでしょうか?それは「わらべうた」の持つ特性にあります。「わらべうた」の持っている言語リズム素、言語旋律素というものが、母語である日本語のリズム、高低と合致しているのです。またお母さんのお腹の中で聴いていた心音のリズムとも合致しているのです。だから小さな赤ちゃんはわらべうたのリズムで落ち着いて眠っていくのです。

また「わらべうた」を歌ってもらう経験は、お母さんのおひざの上で心地よい体験として、子どもたちは受け止めます。またお母さんにとってもその時間は赤ちゃんにまっすぐ向き合える貴重な時間。そうした経験が、そばに居てくれるお母さんへの信頼感を育て、やがて落ち着いて絵本の読み聞かせを受け入れていく素地になります。(もちろんお母さんだけでなく、お父さんや、祖父母など、自分の世話をしてくれる人たちもここに含まれます。)

また耳から聞く言葉というのは、子どもの脳の発達を促し、認知能力を伸ばし、そして想像力を育ててくれます。耳に心地よい「わらべうた」を聴いて育った子は、おはなしのことばにも集中することができるようになるのです。

東京子ども図書館でも、おはなし会に参加できるのは自分の意思でおはなしを聴ける3歳から。それまではその素地となるわらべうたにたっぷり親しんでくださいと、小さい子のためには「わらべうたの会」をしています。

「わらべうた」は、おはなしを聴く素地を作る、それはいずれ自分で本を読むことにつながる「はじめの一歩」としてとても大切なのです。

このように大切だと位置づける「わらべうた」ですが、今は子育ての中で自然に伝承されているとは言い難いのが現実です。あるいは若い親世代が、自分の親に歌ってもらっていたとしても、ごくごく幼少期だからか「歌ってもらっていたか、覚えがない」というのが大半です。戦前のような大家族の中で祖父母が孫に歌って聞かせる、あるいは弟妹に親が歌っているのを聞くという機会も、核家族化の中で無くなっているといっても過言ではないでしょう。

そういう意味からも、図書館の乳幼児サービスの中で「わらべうた」を伝えていく意義は大きいのではと考えています。

(作成K・J)

東京都立図書館が学校支援サービスのウェブサイトをリニューアルしました


東京都立図書館が、学校支援サービスのウェブサイトをリニューアルし、公開しています。

都立図書館は、「第三次東京都子供読書活動推進計画」に基づき、東京都の児童・生徒の学習活動や学校における読書活動の支援を行っており、ウェブサイトでは学校支援サービスのメニューが紹介されています。

調べ学習支援ツール、読書活動を支援するガイドブック、オリンピック・パラリンビックに関する企画展示の資料リストなど、学校支援サービスで活用できる情報が豊富に掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

東京都立図書館 学校支援サービス  http://www.library.metro.tokyo.jp/guide/tabid/4177/Default.aspx

 

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 (作成 T.I)

2016年版「ヤングアダルト図書総目録」が刊行されました


ヤングアダルト出版会より、2016年版「ヤングアダルト図書総目録」が刊行されました。

2016年版は、133社・約2200点の関連書が収録されています。著者検索やシリーズ検索も可能な索引付きです。

日本で唯一のYA図書を収録した目録ということで、選書やYA図書の把握に活用できると思います。

ヤングアダルト出版会ウェブサイト<http://www.young-adult.net/>

(作成T.S)

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児童書の表紙画像の利用(佐賀県立図書館のウェブサイトより)


図書館だより、ブックリスト、HP、SNSなどで児童書の表紙画像を利用する際は、著作権者の許諾が必要となり、各図書館では手続きを行っていると思います。

ただし著作権法の権利制限の範囲で利用できるものや、出版社によっては著作権者の許諾不要のところもあり、余計な手間がかかってしまいます。

佐賀県立図書館のウェブサイトでは、児童書の表紙画像の利用について、許諾が必要か不要か、必要であればどこに聞く必要があるかわかりやすく解説されています。

出版社の対応状況などがまとめられており、使いやすいページになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

佐賀県立図書館 児童書の表紙の利用(佐賀県立図書館, 2016/1/18現在)
http://www.tosyo-saga.jp/kentosyo/jidouhyoushi/

 

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児童サービスに関するeラーニング講座


ヴィアックス社員向けのeラーニングでは、児童サービスに関する講座を配信しています。

社員の方は、各図書館に配布されているIDとパスワードを使って動画を見ながら学ぶことが出来ます。
ぜひeラーニングで学んで、業務にご活用ください。

児童サービスに関する講座

・ブックトーク講座
・ブックトーク デモンストレーション
・わらべうた講座
・わらべうた講座2(大きい子向け)

なおeラーニングのURL、およびIDとパスワードがわからない場合は、各図書館の責任者にお問い合わせください。

eラーニング

 

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平成26年度子ども読書連携フォーラム(国際子ども図書館)の記録と配布資料


国立国会図書館国際子ども図書館が、3月2日に実施した「平成26年度子ども読書連携フォーラム」の当日の記録と配布資料を公開しています。

フォーラムのテーマは「子どもの本の選書を考える―知識の本を中心に―」で、事前アンケートから見える選書の課題についての講演(堀川照代氏)や、公共図書館・学校図書館の実務者によるパネルディスカッションがなどが行われました。

今年度、ヴィアックス児童部会では、本を評価する基準をもつことを目標に「基本図書から学ぶ」という活動をしていますが、もちえた基準をどのように業務につなげていくのか考えることができる情報になっています。

また、選書や蔵書構築について悩んでいる図書館も、参考になると思いますのでぜひご覧ください。

 

平成26年度子ども読書連携フォーラム(国際子ども図書館)

http://www.kodomo.go.jp/study/cooperation/forum2/h26.html

 

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(記事作成 T.S)

戦争を知らないYAのための36選 


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2015年7月1日(水)~7月4日(土)に東京ビックサイトで、「国際ブックフェア2015」が開催され、児童書共同ブースでは37の出版社が出展していました。

その中からヤングアダルト出版会(YA出版会)が、「戦争を知らないYAのための36選」棚を出展していましたので、ご紹介します。

YA出版会は、YA世代の中学生や高校生が読書をするための環境を整え、YA向けの本の出版を活発にしていくことを目的に1979年に発足した出版社の集まりです。

 

 

 

 

 

 

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「戦争を知らないYAのための36選」は、戦後70年の今年、13〜19歳のYA世代を対象に、ノーベル平和賞を受賞した少女マララさんや広島への原爆投下、知覧特攻隊など、フィクション、ノンフィクションを問わず、戦争を題材にした本が選ばれていて、夏の展示コーナー作りなどに活用できます。

取り上げれている本のリスト→戦争を知らないYAのための36選

 テクニカルサポート室にリーフレットがありますので、参考にしたい館(ヴィアックス受託館)はご連絡ください。

 

  

 YA出版会は、日本で唯一のYA図書を収録した目録『ヤングアダルト図書総目録』や、朝の読書の本選びにオススメの『YA朝の読書ブックガイド』を毎年発行しています。

公共図書館、学校図書館の選書に活用できる資料ですので、ぜひ参考にしてみてください。

YA出版会ホームページ<http://www.young-adult.net/>

 (T.S)

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