児童サービスに関する情報

おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方
わらべうた(小さな子どものためのおはなし会で)
児童室にくる子どもたちとの対応について

おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方



Q.図書館では小さい子のためのおはなし会なども定期的に開催しています。たくさんの親子連れが喜んで利用してくれて、毎回うれしい悲鳴をあげるほどです。ただ、お母さん同士がそこで仲良くなって、子育てサロンのようになり、それはそれでいいのですが、周囲にかまわずおしゃべりを続けたり、ベビーカーが他の利用者の方の邪魔になっていても気づかずにいたりします。そのようなお母さんたちにどのように接すればよいでしょうか?

A.児童サービスの対象に、その保護者も含まれます。
2009年に日本図書館協会から出された「IFLA乳幼児への図書館サービスガイドライン」によると、「乳幼児への図書館サービスの目標」という項目の中に、

・乳幼児をかかえる家族や保育・教育に携わる人々を現在および将来にわたって支援・指導する。
・子ども達とその世話をする人たちが集まり、ともに過ごし交流できる場所を提供する。
・子どもたちとその家族を温かく迎え入れる安全な場所を提供する。


と、明確に書かれています。

つまり図書館が子育てサロンになるような役割を積極的に作っていくことが求められているのです。
おはなし会で若いおかあさんたちが、親しくなってお互いに子育ての情報交換をするような交流の場を提供すること、そして図書館が小さなお子さんを連れて利用する家族を温かく迎えいれることも、大事な児童サービスの業務なのです。

おはなし会の前後に、こちらから図書館がみなさんを歓迎していることを伝えた上で、他の利用者もいるので、お互いに配慮し合うことを上手に伝えるようにしましょう。


・おはなし会で楽しい時間を過ごした後はついつい気持ちも高ぶって、周囲への配慮を欠いてしまうことがあります。
 おはなし会終了後10分程度、会場を開放して、十分におしゃべりできる場所を確保してあげましょう。
 その上で、一般の利用者のいる閲覧室や書架のある場所では、静かに本を読もうとしている他の利用者に配慮してくださいと
 お願いしましょう。

・赤ちゃんから高齢者まで、だれでもが気持ちよく使える場所にするためにも、お互いに配慮することが大事ですね。
 とくにお子さんにとっては、いろいろな年齢層の利用者がいる公共の施設なんだということを覚える大事なチャンスです。
 公共の場では守らなければいけないルールがあること、他の人に迷惑をかけないように我慢することも必要なことを 図書館のスタッフもきちんと伝え、保護者からも伝えてもらえるように、お願いしましょう。

・他の利用者の方々にも、温かい気持ちで見守ってもらえるように、図書館側が工夫をしましょう。
 おはなし会がある日は、館内放送や入口付近の案内板で一般の利用者にも、小さい子向けの行事があること、子ども連れの利用者が多く出入りすることを伝えておきましょう。まえもってわかっているだけで、他の利用者も少しは寛大に受け止めることができるはずです。

・ベビーカーは所定の場所を決めて、そこに置いてもらうようにしましょう。
 書架の間が狭いところでは、他の利用者、特に足腰の弱っている高齢者にとってはとても危ないことを、若いお母様がたにもわかっていただきましょう。

・赤ちゃんが眠ってしまって、ベビーカーから降ろせないこともあります。その場合は周囲に気をつけてご利用くださいと、声をかけましょう。赤ちゃんのことと、本を探すことに夢中になってしまって意外と周囲に気が回らないこともあります。ほんのちょっとのことばかけが、相手に気持ちよく協力していただけるきっかけになります。

・誰もが歓迎されている場所であること、その上でお互いに配慮しあって、ルールを守ることの大切さをサインや図書館通信などを利用して、利用者に周知するようにこころがけましょう。

・おはなし会の最中に、お母さん同士で後ろで私語をはじめてしまうということもよく見聞します。
 お子さんはお母さんのまねをしますよ。お母さんが私語をしていると、そういう集まりでも自分勝手におしゃべりしていいんだと子どもが思ってしまいます。ぜひ一緒に楽しんでください。また携帯電話もおはなし会の間は電源オフにするかマナーモードに設定し、ご利用はお控えくださいと、おはなし会の前にきちんと伝えるか、おはなし会の入り口の前に張り紙するなど注意喚起しましょう。

(作成K・J)

わらべうた(小さな子どものためのおはなし会で)



わらべうたについては、今年度第一回児童部会(5月27日金曜日)でたくさんデモンストレーションをしました。

参加できなかった方には、参加した各館の児童担当さんが資料を持っています。楽譜付きの資料です。
ぜひ参考にしてください。

なお、どうしても個人的に資料がほしいが、自分の勤務する館では5月の児童部会に参加していなかったという方は、ぜひTS室児童担当宛てご連絡をください。

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さて、昨日開催した児童サービス研修(中級研修)の中で、なぜわらべうたを図書館のおはなし会で取り上げるのかお話しました。

そのあたりを今回は少しだけかいつまんでお話します。

小さな赤ちゃんは、五感のうち、どこが一番早く発達するかご存知ですか?子育てを経験された方ならきっとご存知だと思うのですが、それは聴覚です。胎児の時にすでに聴覚は完成しています。だいたい妊娠6,7ヶ月の頃には出来上がっていて、お母さんのお腹の中でお母さんの心音や、お腹のぐるぐるいう音を聴いているのです。

その証拠に『ごぶごぶ ごぼごぼ』という絵本を1才前の赤ちゃんに読んであげると、不思議なことにまだことばの意味を理解していないだろう月齢の赤ちゃんがじっと聞き入るのです。
ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)
著者:駒形 克己
販売元:福音館書店
発売日:1999-04-15







お母さんがゆったりしている時の心音は、胎児にとって心地よい音として生物学的な感覚で覚えています。
それは胎盤からの血流がたっぷりで赤ちゃんにとっても心地よいからです。そして出産後まもなく新生児はお母さんの生の声、肉声に反応していることがわかっています。詳しい研究については『赤ちゃん 成長の不思議な道のり』を参考にしてください。
NHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のりNHKスペシャル 赤ちゃん―成長の不思議な道のり
著者:安川 美杉
販売元:日本放送出版協会
発売日:2007-02





さてでは何故「わらべうた」なのでしょうか?それはわらべうたの持つ特性にあります。わらべうたの持っている言語リズム素、言語旋律素というものが、母語である日本語のリズム、高低と合致しているのです。またお母さんのお腹の中で聴いていた心音のリズムとも合致しているのです。だから小さな赤ちゃんはわらべうたのリズムで落ち着いて眠っていくのです。

わらべうたを歌ってもらう経験は、お母さんのおひざの上で心地よい体験として、子どもたちは受け止めます。またお母さんにとってもその時間は赤ちゃんにまっすぐ向き合える貴重な時間。そうした経験が、落ち着いて絵本の読み聞かせを受け入れていく素地になります。

また耳から聞く言葉というのは、何より想像力を育ててくれます。耳に心地よいわらべうたを聴いて育った子は、おはなしのことばにも集中することができるようになっているのです。

東京子ども図書館でも、おはなし会に参加できるのは自分の意思でおはなしを聴ける3歳から。それまではその素地となるわらべうたにたっぷり親しんでくださいと、小さい子のためには「わらべうたの会」をしています。

わらべうたは、おはなしを聴く素地を作る、それはいずれ自分で本を読むことにつながる「はじめの一歩」としてとても大切なのです。


このカテゴリーでは少しずつ小さい子のためのおはなし会で使えるわらべうたを紹介していきますので、どうぞお楽しみに♪

児童室にくる子どもたちとの対応について


Q。児童室にくる子どもたち。スタッフに懐いてくれたのはいいのですが、友だち言葉で話しかけてきたり、騒いでいる時に注意しても聞きません。どのように対応すればいいでしょうか?

A. 相手が子どもであっても、一利用者であるという姿勢が大事です。
 最初のころに、子どもに受け入れられようとして、迎合しすぎてしまったためかもしれません。
 大人の利用者に対するように、サービスを提供する側と、受ける利用者であるという線引き、けじめをつけましょう。

 子どもに威圧的に対応するのではなく、親しみをもって丁寧に対応することや、子どもの目線になって要求を理解し、応えていくことは大切ですが、公共図書館でひとりの市民として扱われる経験をさせてあげるためにも、こちらはきちんとした言葉使いを心がけましょう。

 そうした小さな積み重ねが、子どもたちを公共図書館のマナーを守る利用者として育てることに繋がっていきます。

 なお、すでに子どもたちが慣れ切ってマナーを守れない状況が続いている場合、注意してくれる人を変える、普段あまり接することのない一般担当のスタッフや館長などに依頼するなどしてみましょう。
 また、児童室に「図書館では静かにしましょう」などのサインを子どもたちにわかりやすい場所に掲示し、言葉ではなく、「これを読んでみて」という形で、注意を促すこともできます。

 自分が静かに本を読みたい時に、周りで騒いでる人がいたらどう思う?
 高齢の方々が多く出入りする図書館で走り回って、そのような人にぶつかってしまったら、どうする?

など、自分の視点に置き換えて考えられるような言葉かけも、工夫してみてください。

子どもといっても自尊心がありますから、頭ごなしに注意されると、自分の悪いことを棚に上げて逆恨みをしたりと、効果がでません。
なぜ図書館では静かにしなければならないのか、走り回ったり、騒ぎまわることが何故迷惑になるのか、そういう視点を子どもたちに気付かせ、自分たちで考えて判断できるように導くことが、とても大事だと思います。

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