Q&A こんな時どうする?

読書感想文に向けての準備
図書館を使った調べる学習・資料
子どもの本の選書
子どもたちに「読書感想文」どう書かせる?
おはなし会での絵本の読み方
図書館内での不審者対応について
ボランティアとの関わり方について
読書感想文のための本選び
児童レファレンス対応について
おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方
児童室にくる子どもたちとの対応について

読書感想文に向けての準備


蒸し暑くなってきましたが、カレンダーを見ると、1か月後はもう夏休みですね。

イベントや、たくさん来館する子どもたちに対応できるように、各館準備をすすめているところかと思います。
 
夏休みは、読書感想文に関する問い合わせが多くなりますが、毎年開催されている「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書は、ぜひ確認しておいてください。
すでに予約待ちになっている本もあるかと思いますが、どんな本なのか頭にいれておくと、ご案内しやすくなります。
今年は第60回記念ということで、<シニアの部>もあるそうです。
「応募要項」「よくあるご質問」は一読しておくと、参考になります。
 
また、以前の記事にも、読書感想文の問い合わせに関するものがありますので、ぜひ読んでみてください。
 
「何かよい本ありますか?」と聞かれたとき、備えあれば憂いなし!ということで、今の時期から、配架・書架整頓の時など、おすすめできる本を意識して探しておくと、よい案内ができます。
リストを参考にしたり、児童書にくわしい人に聞いたりしながら、ぜひ、低・中・高学年で1冊ずつくらい、あなたのおすすめを決めてみてください。必ずしも、その本をおすすめできそうな子から聞かれるとは限りませんが、いざというときの1冊を選んでおくと、落ち着いて対応できます。
(T.S)
 
 
 
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図書館を使った調べる学習・資料


7月も今日で終わりです。夏休みも4分の1が終わったことになりますね。

各図書館においても、早めに夏休みの宿題を終えようという子どもたちでにぎわっていることでしょう。児童サービス担当のレファレンスサービスも腕の見せ所ですね。

ところで公益財団法人 図書館振興財団の『図書館の学校』2013年夏号に「早わかり!! 図書館を使った調べる学習」特集が掲載されています。

 
調べ学習の4つのステップ/調べる学習すごろく
 
以上の2点は、イラスト入りでとてもわかりやすい資料です。
 
このたび、『図書館の学校』の編集担当者にお目にかかる機会があり、この資料の出来栄えがとてもいいですね、とおはなしをしたところ、この2点は著作権フリーになっており、サイトからダウンロードして利用者に配布することもOKです、とのこと。

ぜひぜひ、各館の夏休みの調べ学習支援にもご活用ください♪
 
ダウンロードはこちらから→「図書館を使った調べる学習
『図書館の学校』公式HPのこのページより、リンク先をクリックするとダウンロードができます。

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子どもの本の選書


指定管理者で受託している図書館では私たちに一次選書が託されていると思います。

 
毎年、児童書だけでも4000点近い本が発行されています。その中から子どもたちに手渡したい本、図書館の蔵書として揃えたい本をどのように選ぶかは、現場スタッフの一番心を砕くところでり、迷うところでもあります。児童サービスの館内研修でのリクエストに、「児童室の蔵書構築」というものが増えているのも、そのためだと思います。
 
今日は、そんな悩める選書担当の方々に役立つ情報をお伝えしたいと思います。

*公益財団法人 図書館振興財団の選書委員会*
 
図書館振興財団には選書事業のための委員会が5つあります。
・新刊選書委員会
・児童書選書委員会
・学校図書館用選書委員会
・大学図書館用委員会
・科学読み物選書委員会
 
これらの選書委員会が選んだリストは、図書館振興財団のウェブサイトから見ることができます。→こちら
 
 
 
*教文館ナルニア国*
銀座の目抜き通りに面して建っている書店、教文館は1885年創業の128年の歴史を持つ本屋さんです。建物は昭和8年にアントニン・レイモンド設計のレトロな雰囲気を今に残しています。そこの6階に、子どもの本の専門店「こどもの本のみせ・ナルニア国」がオープンしたのは1998年のこと。石井桃子さんが抱き続けた願いを、こぐま社の創業者、佐藤英和さんと東京子ども図書館理事長の松岡享子さんが具現化した子どもの本の専門店です。世代を越えて受け継がれていく優れた絵本・読み物・科学の本、すべての分野におけるロングセラーを集めて提供してきました。
一方で、子どもの本に関わる仕事をする方々への利便性を図ることを目的として「日本の子どもの本 この1年」のコーナーには、1年間に日本で出版された子どもの本をすべて揃え、実際に手にとって選書できるようにしてくれています。
 
毎日入荷する新刊本については、毎週「児童書新刊情報メールマガジン」としてインターネット配信をしてくれています。選書担当のスタッフの方々が、実際にすべての本を読んで、その情報を伝えてくださっています。
 
また毎年、それらの本の中から「おすすめリスト」を作成してくださっていましたが、2008年より本として刊行してくださっています。
 
メーリングリストの情報、そして「2008年に出た子どもの本」「2009年に出た子どもの本」「2010年に出た子どもの本」「2011年に出た子どもの本」は、児童書を選書する際の、有用な情報源になります。
 
ぜひ、児童書の選書担当になった方は、教文館ナルニア国のメールマガジンをチェックしてみてください。
ナルニア国のホームページは→こちら  メールマガジンについては→こちら
 

2011年に出た子どもの本2011年に出た子どもの本
販売元:教文館
(2012-03)
販売元:Amazon.co.jp
 

その他には、東京子ども図書館の機関誌「こどもとしょかん」や、親子読書地域文庫全国連絡会の機関誌「子どもと読書」、日本子どもの本研究会の機関誌「子どもの本棚」などからも、新刊情報を受け取ることができます。それぞれの団体により選書基準がかなり違っているので、どういう基準で選ばれているのかを、比較し、自分が担当する館の蔵書構成や利用する子どもたちの顔を思い浮かべながら、どれを参照にするのか、検討してみてください。
 

子どもたちに「読書感想文」どう書かせる?


あっという間に6月も終わりに近づいています。各図書館では夏休みに向けた児童イベントの企画・実施に向けて忙しくしてることでしょう。

さて、先日ある図書館から「学校支援で、低学年の子どもたちに読書感想文の指導をお願いされたが、どのようにすればいいでしょう?」という問い合わせがありました。

以前、「Q&Aこんな時どうする?」にも記事を載せていますが、もう一度考えてみたいと思います。

2010年8月27日UP 「読書感想文のための本選び」(M・A作成)

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私(K・J)個人の見解では、「読書感想文」を書くことを強要することは子どもの本嫌いに繋がってしまうのではという危惧があります。もちろん本をどのように読み、受け止めたのか、それを振り返り、それを他の人にいかにわかりやすく伝えるかという作業は、とても大事で、さらに本の魅力に気づくことのできる機会でもあります。

しかしそれは「この本、面白かった!」「感動した~この思いを誰かに伝えたい!」という思いがあって初めて、生き生きとした感想文になるのではと思います。「感想文を書かなくちゃいけないから、いやいやでも何か読まなきゃ」と思って読むのとは意味合いが違うと思っています。

そこで、図書館スタッフが出来ることは一体何か?ということになります。
それは、ズバリ「図書館には、かならず君たちを満足させることのできる本があるよ!」ということを伝えることだと思います。

子どもたちの中には、長い文章、分厚い本と知っただけで尻込みする子もいます。それぞれの年齢、それぞれの読書歴に合わせて、またそれぞれの興味・関心に合わせて、ドン・ピシャ!とくる本と出会うことができれば、一番いいですよね。
その出会いのお手伝いをするのが図書館スタッフなのです。

もちろん物語の世界に入り込んで、自分も主人公と一緒になってわくわくするような冒険の旅を疑似体験できる子どもたちは、何の苦もなく感想文も書けるでしょう。
そうではなく、何を読んでいいのか?何を書いていいのかわからない子どもたちに、まずは「本ってね、面白いんだよ。」「君が知りたいって思っていることは、たいてい本の中でみつけることができるよ。」と、伝えてあげることから始めてはどうでしょう。

図書館には0~9の分類で本が並んでいます。児童室も同じです。子どもたちに、本=9門だけではないということ、幅広い興味と関心に応えてくれるものだということをまず伝えましょう。

そのために具体的にはブックトークという形で、本の世界の広がりを伝えられるように、物語の本ばかりではなく、歴史や科学などさまざまな分野の本も一緒に紹介するようにしましょう。

子ども達、ひとりひとりが「この本、読んでみたい!」「これ面白そう!」と思えたら、いきなり感想文ではなく、「どんなところがおもしろかったのか」「どんなことがわかったのか」などを短くカードに書いて紹介することから始めてもいいですね。(子どもたちに具体的にカードを示すことができるように準備しておきましょう)

「ここがおもしろかった」「ここはドキドキした」「ここは、へえ~と思った」などなど、カードがたくさんになると、それをつなぎ合わせ、内容を深めて感想文になります。低学年の子ども達には、いきなり長い文章ではなくカードに紹介文をかいてもらう取り組みから提案してもよいかもしれません。

全国学校図書館協議会のサイトにも、読書感想文Q&Aがあります。こちらも参考にしてください。→読書感想文Q&A

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今年の青少年読書感想文全国コンクール課題図書

第45回夏休みの本(緑陰図書)
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おはなし会での絵本の読み方


Q.おはなし会で絵本を読む時、おおげさな表現をしたり、声色を使った方がいいのでしょうか?どのように読むのがいいか、いつも迷います。


A.おはなし会での絵本の読み方には、2つの説があります。
1)黒子説  子どもたちが物語の世界をイメージし、広げて行くのを邪魔しないように読み手は目立たぬように淡々と読むのがよいという考え方
2)パフォーマンス説 絵本に慣れない子ども達は淡々と読んでいても、おはなしの面白さが伝わらない。それどころか飽きてしまう。それを補うように臨場感あふれるように身体的動作や音曲も使い、ドラマティックに読むのが良いという考え方

この2つの説は、たびたび専門家の間で論争にまで発展しています。おはなしを聞きなれている子ども達には1)の黒子説でいいでしょう。ただ、広い会場で大勢を対象にしたイベントなどでは、音楽を取り入れたり、子ども達を集中させるための様々な方法も必要になります。ケースバイケース。おはなし会にどんな年齢の子どもたちが来ているか?初めて参加する子たちか?おはなし会に継続して参加している子たちか?それをまず見極めましょう。

絵本を読むことは、朗読とも違いますし、演劇でもありません。無理に声色を変える必要はないと思います。しかし、読んでいて自然にうれしい場面では弾んだ声に、悲しい場面では静かで低い声になるなど、絵本に描かれている世界に忠実に読めばいいと思います。
その作品の味わいを子ども達に十分に伝えるためにも、おはなし会で読む前に何度も何度も声に出して読み込み、リハーサルでは他の人に聞いてもらうようにも心がけましょう。

また、おはなし会に参加している子ども達に向けて読むのですから、絵本ばかりを注視せずに、時々子どもたちの反応を確かめつつ、おはなしの展開に合わせて間を取りながら読んであげてください。読み手の自己満足に終わらないように、子どもたちが楽しんでくれているか、おはなしが届いているか、確認しながら読みましょう。
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図書館内での不審者対応について



Q.図書館内での不審者対応について確認させてください。館内で女の子への「痴漢未遂事件」が起きました。近隣でも多発しており、その後警察と相談した上で地域パトロールの強化と一日に一度警官が館内を巡回をしてもらうことになっています。

A.事件が起きてすぐに児童を保護し、保護者に連絡を取り、警察に通報しましょう。業務委託館でしたら行政職員といっしょに対応すること、指定管理館であるなら、中央館に連絡の上、それぞれSVを通じて会社にも速やかに連絡を入れてください。

不審者対応については、それぞれの館にマニュアルとして明記されているはずです。パートスタッフにそのことが周知されているかどうか、この際に確認をとり、すべてのスタッフがわかるように心がけましょう。

各館の責任者クラスが対応の陣頭指揮をとることになりますので、いざという時のためのシュミレーションを館内整理日などにしておくこともお勧めします。
保護者への連絡、警察への通報、SVを通じた会社への連絡、中央館あるいは区の危機管理部門への緊急連絡などが速やかに行われるよう、常に連絡先をわかりやすい位置に掲示しておくことや、保護した子どもへの配慮、館内の巡回のためのスタッフの配備・指示も含めて日頃から意識しておきましょう。被害者への事情聴取等がある場合、保護者の理解が必要です。連絡を取る際にその辺りの確認も併せてするようにしましょう。

こうした事件を未然に防ぐためにも、館内巡回を徹底しましょう。場合によっては児童室(コーナー)に防犯カメラなどを設置してもよいでしょう。清掃員も含めて図書館の全スタッフが常に館内の状況を知ろうとの共通意識を持つことが大切です。図書館の防犯対策が来館者に見えるようにすることも大切です。

今回の質問館のように、その後警察官の巡回措置が取られるほか、近隣の小中学校に緊急通報や不審者情報登録者一斉メールなどを送信するというように自治体によってはその後の措置が決められています。行政の危機管理部門への連絡・報告はそういう意味でも必要不可欠です。


なお、軽犯罪法第1条第20号または刑法174条(公然わいせつ)に該当すると判断される行為者は、現行犯であれば警察官でなくても逮捕できることが刑事訴訟法第213条に明記されています。館内での露出行為や痴漢行為はこれにあたります。スタッフが犯人を取り押さえる場面もありうるわけですから、最初に書いたように不審者対応マニュアルは全スタッフがわかる場所に常備しましょう。


普段から以下の図書を参考にするなど図書館で起きうるトラブルとその対応方法について読んで理解しておきましょう。


参考となる図書

unei-hyo.jpg『図書館が危ない!運営編』 鑓水三千男・中沢孝之・津森康之介 著 エルアイユー










02607396.jpg『こんなときどうするの?―図書館での危機安全管理マニュアル作成の手引き―』 
日本図書館協会図書館経営委員会危機・安全管理特別検討チーム 編  日本図書館協会









この記事はM☆Aの記事をもとにK☆Jが一部改変して掲載いたしました。


ボランティアとの関わり方について



Q.ボランティアとの関わり方について、みなさんはどのように対応しているのか教えてください。おはなし会の経験も豊富な方なので普段はお任せしっぱなしですが、こちらからアプローチが取り難い雰囲気があり、「わかってないわね、知らないわね」と思われているような、相談ができにくい状況です。たとえば、当日読んだ本のプログラムを印刷して配布するなど、もっとうまくコミュニケーションをとっていきたいのですが・・・

A.おはなし会の運営をボランティアにまかせておけるという恵まれた環境の中で、さらに発展した関係性を模索しているとのことで、ご提案されている《当日読んだ本のプログラムの配布》もよい案だと思います。
経験豊かで、見識のあるボランティアの方ならば、この提案を話してみるだけで、図書館側の「コミュニケーションをとっていきたいという思い」も伝わるのではないでしょうか?
相手を尊重しすぎて、遠慮してもの申せないのかもしれませんが、それではぎくしゃくした関係になってしまいかねません。

図書館のスタッフは児童サービスを専門に勉強してきた者ばかりではないので、ボランティアの豊かな経験と知識を学ぶという姿勢を伝え、プログラムを配布することで、おはなし会に関する情報の蓄積し、それをもとにスタッフの学びの第一歩にしたいと持ちかけてみてはいかがでしょう。

その上で児童担当スタッフを、毎回一人はおはなし会に見学という形で参加させて、図書館の行事として関わっていくという姿勢をアピールしてみましょう。

またプログラムのテーマに類する本を何冊か用意しておき、当日読まれた本と差し替えるとしたら、どの本なら内容的に可能かどうか質問するなどしてみましょう。図書館スタッフが地道に学ぼうと努力している姿勢を見せていくことで、密接な連携のとれる関係にしようというこちら側の意図が伝わると思います。最初のうちは、上から目線でモノ申されてしまうこともあるかもしれませんが、こちらは経験が少ないから学んでいるのだと謙虚に受け止め、知識を吸収しようとしている姿勢を伝えていきましょう。

このように経験豊かでおはなし会をリードしてくれるボランティアがいるところは、恵まれているともいえます。

むしろ多くの館では、ボランティアの意識とスキルが統一されておらず、おはなし会の当日になって担当するボランティアの方々がばらばらと集合し、それぞれが持ってきた本をもとにその場で流れ(読む順番)だけを決め、それぞれが思い思いに読むといった、プログラムの統一性もないままにおはなし会が成り立っているところも多いと聞きます。

季節感のあるものを選書しましょうという大まかな取り決めがあるだけで、それぞれがてんでに持ち寄るのでプログラムの統一性を保つことができず、テーマも決まらないということになっていないでしょうか?

おはなし会は図書館の児童サービス業務のおまけの行事ではなく、中心となる重要な業務です。そういう任せ方は利用者の子どもたちにとっても大変迷惑なことです。

おはなし会の位置づけをきちんと理解していただくように働きかけてみましょう。おはなし会の流れをスムーズにするためにきちんとテーマを設定したいこと、展示テーマと連動させていきたいことなどを伝え、こちらから次回のテーマを伝えて前もって選書していただくよう声をかけてみましょう。

おはなし会の後で、スタッフも同席して簡単な反省会などをして、ボランティアに対してねぎらいと感謝の意を伝えた上で、絵本と絵本の間や、紙芝居などセッティングしている間に手遊びで参加させてほしい(児童部会という勉強の場で仕入れてきたので、試しにやってみてもいいでしょうか?などと仲間入りしていいか打診して)旨、提案してみることからはじめ、一緒におはなし会を作っていける関係を築いていきましょう。

どんな絵本がいいか?などボランティアの方から相談を受けたら、OPACを使ったテーマ検索はもちろん読み聞かせプログラムの載っている参考本を紹介し、積極的に相談に応じていきましょう。

ボランティアの方々とよりよい関係を築き、子どもたちが図書館は楽しい場だと認識して来てくれるような温かい雰囲気作りは、日頃の小さな積み重ねがとても大切です。

ボランティアの方々に、こんな本はどうかと提案するための参考となる本を以下に何冊か紹介しておきます。


《おはなし会プログラム・テーマ参考本》
季節別年齢別おはなし会プログラム―厳選プログラム116本収録季節別年齢別おはなし会プログラム―厳選プログラム116本収録
著者:「この本読んで!」編集部
NPO読書サポート(2008-06-01)








テーマ別ガイド子どもと読みたい!新しい絵本1000テーマ別ガイド子どもと読みたい!新しい絵本1000
著者:「この本読んで!」編集部
NPO読書サポート(2009-12-01)








絵本のあるくらし絵本のあるくらし
吉備人出版(1995-08-30)









クレヨンハウス絵本town―読者のおすすめ絵本ガイドクレヨンハウス絵本town―読者のおすすめ絵本ガイド
クレヨンハウス(2007-01)









このサイト「本のこまど」の今月のおはなし会プランもどうぞ参考にしてくださいね♪

このページはM☆Aさんが書いた記事を、一部K☆Jが手直ししてUPしています。

読書感想文のための本選び



Q.ふだん本をほとんど読まないという子から、「読書感想文のための本を選びたい」と相談を受け、何冊か読物を紹介したが、肝心の子どもが「こういうのは、読みたくない」と気乗りがしない。本の薦め方がまずいのか、どう紹介すれば読んでみようかなと思ってもらえるのか、また子どもが喰いつくような本があれば知りたい。

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A.「何を読めばよいのかわからない」し、本当は「読みたくはない」が、でも「夏休みの宿題」だから、困ってしまって図書館に来た。そんな事情で、いわば仕方なくいやいや図書館に来た子に、「この本、おもしろいから読んでみない?」という気持ちを伝えるのは、なかなかハードルの高いことではあります。

まず、[図書館に来てくれただけでうれしいのよ]という思いを伝えられるように、「いつもは本を読まないなら、おうちでしているのはゲームとかかな?」「もしかして、サッカーやってる?」など、普段その子が興味をもっていることは何なのかを知るためのインタビューを行いましょう。
やさしく話しかけ、慣れないよく知らないところ(図書館)に来て、緊張している気持ちをほぐしてあげましょう。


話題の映画(この夏休みなら「かりぐらしのアリエッティ」、少し前だけど「チョコレート工場の秘密」)を観たか?など話題をふって、まず手に取ってもらうべく、ジブリなど徳間書店のアニメ版シリーズやディズニーものも図書館にあること、子どもにとってなじみのあるキャラクターものや、「もしかしたら定番のゾロリなら読んでいる?」など、本は君から遠いところにあるものではないことをさりげなくアピールしつつ、書棚に向かいましょう。


子どもの頭の中は「読書感想文」=「読み物」という限定をしがちですが、図書館員としてここは図解の多いものや、びっくりさせるような実物図鑑、スポーツもの(イチローやゴジラ松居や俊輔ノート)など、手に取りやすい本、興味の範囲内ストライクゾーンに入る本が何かを、会話を重ねながら引き出す対応を続けます。

ことば遊び、ものの作り方、台所での実験、世界の食事、ほかの国の子どもたち、「サイダーのひみつ」などの「○○のひみつ」シリーズもの(「学研まんがでよくわかるシリーズ」はテーマが広範囲なので手掛かりやきっかけをつかみやすい)など、キーワードを一緒に探してみましょう。

[図書館に行ってみたら、こんな本(たとえば「インスタントラーメンのひみつ」「カレーのひみつ」)があって、大好きな食べ物だし、おもしろそうだったから、この本にした!]そう思ってもらえたら、しめたものです。
「こんな本でもいいのかな?」と迷うお子さんには、子どもの頃、感想文の宿題に図鑑でもいいんだよと先生が言ってくださったことなど、自分のエピソードなども交えて話してみてはいかがでしょう?
緊張をほどいて、「えっ?そういう本でも大丈夫なんだ~」という反応を引き出すのもいいかもしれません。

また、この中から一冊を選ぶというプリントを携えてきた場合、こちらもOPAC検索であらすじをつかんだ上で、どんな本かを伝えましょう。もし、そのプリントの中に自分の知っている本、読んだ本があったら、それを伝えると真実味が伝わり、「この本」と手にしてくれる場合もあります。
子どもには、親身になって何が好きかを一緒に探していこうという、こちらの熱意は必ず伝わります。
この熱意が伝わると、不思議とすんなり子ども自身が「この本」を決めることにつながった場面も多くあります。

図書館の資料の膨大で多様な切り口を、子どもに混乱なく伝えるのも、実は難しいことではありますが、親身な熱意を上手に届けると、子ども自身が自分の興味の範囲を認識できることも大きなカギとなりますので、一緒に奮闘してみましょう。
レファレンス対応として必ずだれもがカウンターで経験する事案です。レファレンスのスキルも鍛えられます。その経験を自分の糧にしてください。

ご参考までに、読書感想文そのものの手助け本もチェック!
『本をもっと楽しむ本―読みたい本を見つける図鑑』 学研教育出版
本をもっと楽しむ本(全4巻)―読みたい本を見つける図鑑
学研教育出版(2010-02)


『スイスイ!ラクラク!読書感想文―話題の本も満載』 成美堂出版
スイスイ!ラクラク!!読書感想文 小学5・6年生スイスイ!ラクラク!!読書感想文 小学5・6年生
成美堂出版(2009-06)








『スラスラ書ける読書感想文―読みたい本がすぐ探せる』 永岡書店
スラスラ書ける読書感想文<小学校1・2年生>スラスラ書ける読書感想文<小学校1・2年生>
著者:上條 晴夫
永岡書店(2008-06-10)








『すぐ書ける読書感想文―読みたい本が見つかる実例で書き方のコツがわかる』 学研
すぐ書ける 読書感想文―小学中学年すぐ書ける 読書感想文―小学中学年
学習研究社(2007-06)









(この記事はM☆Aが作成しました。)

児童レファレンス対応について



Q。子どものレファレンス対応での質問です。保護者が子どもの代わりに説明してくるのですが、その内容が大雑把で核心がつかめない場合に、直接子どもから聞き出そうとしても、子ども自身は保護者の顔色をうかがい、何を求めているのか聞き出せないことがあります。どのように対応すればよいでしょうか?

A.相手に伝わるように考えてことばを選択することは、大人でも難しい事ですから、その子どもの話の又聞きで伝えようとする保護者の説明が、大づかみ過ぎていることがよくあります。手がかりの少ない内容から探している情報を推測するしかなく、分類も広範にわたるようなテーマだと、該当データの膨大さに困ることがあると思います。

 保護者の後ろに隠れるようにして様子をうかがう子どもに直接問いかけてみても、すぐに保護者が話を取ってしまい、いっこうに求める情報を聞き出せない状況をどう打破し、レファレンスへと発展させることができるでしょうか。


 ひとつには、カウンターワークとフロアーワークでの保護者と子どもの切り離しが有効な場合があります。
おおまかな説明から分類上のいくつかのキーワードを導き出し、まず保護者にOPAC検索の結果を伝えてカウンターで詳細を検討してもらい引きとめている間に、子どものほうを書棚の前に連れていき、該当しそうな本をいくつか抜き出しながらインタビューを深めていく作戦です。
 この場合、子どもからなにか情報(キーワードになるような単語)が出てきたらメモをし、カウンターでのOPAC検索で引き留め検討対応中のスタッフにその情報を伝えることも重要です。
 カウンターワークとフロアーワーク双方ですり合わせていくことで、資料にたどりつく有用な「なにか」が出てくることがあるからです。


 もうひとつは、親子をフロアーワークに導き、本を抜き出しながら親子の会話(親だけが我々スタッフと話すのではなく、親子で会話させるように仕向け)の、その内容からさらに違う本をどんどん提示していく方法です。
 この場合もカウンターのOPAC検索と連携することで、目当ての資料にたどりつく可能性が増します。

 子どもから聞き出す際に、より多くのキーワードとそこから推測される多くの資料を展開させるうちに、誘導されて子ども自身がますます混乱を深めてしまわないように、丁寧に(保護者がお子さんを責め立てるような場合はなおさら、注意深く、優しくがポイントとなると思います)、ときどき「あれ?なんだったっけ?」と、元々の出発点も見失わず、一緒に探そうね、と態度で示しながら、問いかけていくことも大切です。

 インタビュー力を子どもに鍛え直されている、と思って真摯に向き合いましょう。

 当たり前すぎることですが、レファレンス事例として、遠回りしたその紆余曲折を(子どもの反応により迷走した分類やキーワードのあれこれ)を書き記しておき、それをスタッフ全員で確認し共有することは、今後のインタビューに役立つこと、間違いありません。

(この記事はM&Aが担当しました)

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おはなし会に参加するお母さんたちへの接し方



Q.図書館では小さい子のためのおはなし会なども定期的に開催しています。たくさんの親子連れが喜んで利用してくれて、毎回うれしい悲鳴をあげるほどです。ただ、お母さん同士がそこで仲良くなって、子育てサロンのようになり、それはそれでいいのですが、周囲にかまわずおしゃべりを続けたり、ベビーカーが他の利用者の方の邪魔になっていても気づかずにいたりします。そのようなお母さんたちにどのように接すればよいでしょうか?

A.児童サービスの対象に、その保護者も含まれます。
2009年に日本図書館協会から出された「IFLA乳幼児への図書館サービスガイドライン」によると、「乳幼児への図書館サービスの目標」という項目の中に、

・乳幼児をかかえる家族や保育・教育に携わる人々を現在および将来にわたって支援・指導する。
・子ども達とその世話をする人たちが集まり、ともに過ごし交流できる場所を提供する。
・子どもたちとその家族を温かく迎え入れる安全な場所を提供する。


と、明確に書かれています。

つまり図書館が子育てサロンになるような役割を積極的に作っていくことが求められているのです。
おはなし会で若いおかあさんたちが、親しくなってお互いに子育ての情報交換をするような交流の場を提供すること、そして図書館が小さなお子さんを連れて利用する家族を温かく迎えいれることも、大事な児童サービスの業務なのです。

おはなし会の前後に、こちらから図書館がみなさんを歓迎していることを伝えた上で、他の利用者もいるので、お互いに配慮し合うことを上手に伝えるようにしましょう。


・おはなし会で楽しい時間を過ごした後はついつい気持ちも高ぶって、周囲への配慮を欠いてしまうことがあります。
 おはなし会終了後10分程度、会場を開放して、十分におしゃべりできる場所を確保してあげましょう。
 その上で、一般の利用者のいる閲覧室や書架のある場所では、静かに本を読もうとしている他の利用者に配慮してくださいと
 お願いしましょう。

・赤ちゃんから高齢者まで、だれでもが気持ちよく使える場所にするためにも、お互いに配慮することが大事ですね。
 とくにお子さんにとっては、いろいろな年齢層の利用者がいる公共の施設なんだということを覚える大事なチャンスです。
 公共の場では守らなければいけないルールがあること、他の人に迷惑をかけないように我慢することも必要なことを 図書館のスタッフもきちんと伝え、保護者からも伝えてもらえるように、お願いしましょう。

・他の利用者の方々にも、温かい気持ちで見守ってもらえるように、図書館側が工夫をしましょう。
 おはなし会がある日は、館内放送や入口付近の案内板で一般の利用者にも、小さい子向けの行事があること、子ども連れの利用者が多く出入りすることを伝えておきましょう。まえもってわかっているだけで、他の利用者も少しは寛大に受け止めることができるはずです。

・ベビーカーは所定の場所を決めて、そこに置いてもらうようにしましょう。
 書架の間が狭いところでは、他の利用者、特に足腰の弱っている高齢者にとってはとても危ないことを、若いお母様がたにもわかっていただきましょう。

・赤ちゃんが眠ってしまって、ベビーカーから降ろせないこともあります。その場合は周囲に気をつけてご利用くださいと、声をかけましょう。赤ちゃんのことと、本を探すことに夢中になってしまって意外と周囲に気が回らないこともあります。ほんのちょっとのことばかけが、相手に気持ちよく協力していただけるきっかけになります。

・誰もが歓迎されている場所であること、その上でお互いに配慮しあって、ルールを守ることの大切さをサインや図書館通信などを利用して、利用者に周知するようにこころがけましょう。

・おはなし会の最中に、お母さん同士で後ろで私語をはじめてしまうということもよく見聞します。
 お子さんはお母さんのまねをしますよ。お母さんが私語をしていると、そういう集まりでも自分勝手におしゃべりしていいんだと子どもが思ってしまいます。ぜひ一緒に楽しんでください。また携帯電話もおはなし会の間は電源オフにするかマナーモードに設定し、ご利用はお控えくださいと、おはなし会の前にきちんと伝えるか、おはなし会の入り口の前に張り紙するなど注意喚起しましょう。

(作成K・J)

児童室にくる子どもたちとの対応について


Q。児童室にくる子どもたち。スタッフに懐いてくれたのはいいのですが、友だち言葉で話しかけてきたり、騒いでいる時に注意しても聞きません。どのように対応すればいいでしょうか?

A. 相手が子どもであっても、一利用者であるという姿勢が大事です。
 最初のころに、子どもに受け入れられようとして、迎合しすぎてしまったためかもしれません。
 大人の利用者に対するように、サービスを提供する側と、受ける利用者であるという線引き、けじめをつけましょう。

 子どもに威圧的に対応するのではなく、親しみをもって丁寧に対応することや、子どもの目線になって要求を理解し、応えていくことは大切ですが、公共図書館でひとりの市民として扱われる経験をさせてあげるためにも、こちらはきちんとした言葉使いを心がけましょう。

 そうした小さな積み重ねが、子どもたちを公共図書館のマナーを守る利用者として育てることに繋がっていきます。

 なお、すでに子どもたちが慣れ切ってマナーを守れない状況が続いている場合、注意してくれる人を変える、普段あまり接することのない一般担当のスタッフや館長などに依頼するなどしてみましょう。
 また、児童室に「図書館では静かにしましょう」などのサインを子どもたちにわかりやすい場所に掲示し、言葉ではなく、「これを読んでみて」という形で、注意を促すこともできます。

 自分が静かに本を読みたい時に、周りで騒いでる人がいたらどう思う?
 高齢の方々が多く出入りする図書館で走り回って、そのような人にぶつかってしまったら、どうする?

など、自分の視点に置き換えて考えられるような言葉かけも、工夫してみてください。

子どもといっても自尊心がありますから、頭ごなしに注意されると、自分の悪いことを棚に上げて逆恨みをしたりと、効果がでません。
なぜ図書館では静かにしなければならないのか、走り回ったり、騒ぎまわることが何故迷惑になるのか、そういう視点を子どもたちに気付かせ、自分たちで考えて判断できるように導くことが、とても大事だと思います。

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