おはなし会プラン

2017年(その2)ぐんぐん、どんどん(幼児~小学生)
2017年(その1)暑くても元気!(小さい子)
2017年7月(その2)暑いとね…(幼児~小学生)
2017年(その1)はだしになって(小さい子向け)
2017年6月(その2)ふるやのもり(幼児~小学生)
2017年6月(その1)ながぐつ ぴちゃぴちゃ(小さい子)
2017年5月(その2)いってきます!(幼児~小学生向け)
2017年5月(その1)だっこして(小さい子)
2017年4月(その2)とんでいこう(幼児~小学生)
2017年4月(その1)あったかくていいきもち(小さい子)
2017年3月(その2)希望の春
2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子向け)
2016年(その2)冬の一日
2016年2月(その1)くっついて、くっついて
2016年1月(その2)雪のふる日に(幼児~小学生)

2017年(その2)ぐんぐん、どんどん(幼児~小学生)


夏はいろんなものが成長する時。「ぐんぐん、どんどん」伸びて、競って、そんな絵本やおはなしを選んでみました。

【ぐんぐん、どんどん】

導入 絵本『なつはぐんぐん』五味太郎 きせつのえほん 小学館 2005 1分半

おはなし会のオープニングにはいつも詩を紹介していますが、この五味太郎さんの絵本は詩のようなリズムです。「どこかでなつのおと ぐんぐん」、「おはながぐんぐん」と「ぐんぐん」が繰り返されていきます。読み手だけでなく、子どもたちも一緒に「ぐんぐん」と声に出してみるといいでしょう。

 

素話「こぶとりじい」 『子どもに語る日本の昔話1』(稲田和子、筒井悦子/再話 多田ヒロシ/挿絵 こぐま社 1995)より 8分

子どもに語る 日本の昔話〈1〉
稲田 和子
こぐま社
1995-06-01
 
山で仕事をしている時に、夕立に合い、木の洞で雨宿りをする正直者のこぶじいさん。夏に相応しいお話です。「こぶとりじい」または「こぶじさま」の語りのテキストは他にもいくつかあります。私はこぐま社の『子どもに語る日本の昔話1』に収録されているこちらのテキストが一番自分には合っていると感じました。天狗や山の獣たちが「ジャンガラ、モンガラ、ジャンガラリン」と鳴り物入りで登場してくるところは情景をありありと描くことができて好きです。この昔話はいろいろなバリエーションがあり、こぶが額にあるもの、夜中に出てくるのが鬼というものもあります。それぞれの語り手に合うテキストがあると思いますので、声に出してみながら探してみるとよいでしょう。(山形弁)
 
【さまざまな再話による「こぶとりじい」】
 絵本『こぶじいさま』松居直/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼
「こぶ取りじい」『日本の昔話3ももたろう』おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとりじいさん」『語りつぎたい日本の昔話 浦島太郎』小澤俊夫/監修 小澤昔ばなし大学再話研究会/再話 唐仁原教久/絵 小峰書店・・・頬にこぶ 鬼(標準語)
「こぶとり」『松谷みよ子の本8昔話』松谷みよ子/著 講談社・・・額にこぶ 天狗(東北弁)
「こぶとり爺」『日本昔話百選』稲田浩二・稲田和子/編著 丸木位里・丸木俊/絵 三省堂・・・額にこぶ 天狗(岩手弁)
「こぶとりじいさん」『新版 日本のむかし話5』坪田譲治/著 偕成社文庫 偕成社・・・頬にこぶ 天狗(標準語)

 

 絵本『まっかっかトマト』いわさゆうこ どーんとやさい 童心社 2015 3分

まっかっか トマト (どーんと やさい)
いわさ ゆうこ
童心社
2015-06-20

夏やさいの中でも、子どもたちに一番身近なトマト。この赤い色を見ているだけで元気が出そうです。科学的な視点で描かれた観察絵本ですが、ことばもとても耳に心地よい絵本です。「ぐぐぐ ぐいーん」と伸びるトマトのように、子どもたちも健やかな夏を過ごしてほしいなと思います。

 

絵本『もっとおおきなたいほうを』二見正直/作 福音館書店 2009 5分強

もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本)
二見正直
福音館書店
2009-11-10
 
先祖代々伝わる大砲を打ちたくて仕方がない王さま。きつねが王さまの好きな川の鮭を無断で食べたからと大砲を打ち込みます。するときつねがそれより立派な大砲を対岸で構えます。王さまは「もっと大きな大砲を作れ」と命じて、それはどんどんエスカレートしていきます。武力で相手を威嚇することの愚かさを、この絵本ではきつねを使って見事に茶化してみせてくれています。ある意味、今の世界の状況と似ているようにも感じます。笑いの中にもしっかりと子どもたちにメッセージを残してくれる絵本です。終戦記念日のある8月なので、この絵本を選んでみました。
 
(作成K・J)

2017年(その1)暑くても元気!(小さい子)


暑い日が続くと、子どもたちもぐったり、夏バテしてしまいがち。その予防のためには日中は身体を動かしてたっぷり遊び、早寝早起きをするなど規則正しい生活を続けることが大事です。

そんな子どもたちに寄り添う絵本を選んでみました。

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導入 わらべうた 「このこどこのこ」

このこどこのこ

お母さんのお膝の上にのって遊ぶ遊びです。赤ちゃんを揺するのではなく、お母さんが揺れましょう

 

 

 

 

 

わらべうた「いちりにり」

いちりにり

赤ちゃんの足を触りながら遊ぶわらべうたです。「いちり」で足の指を、「にり」で足首を、「さんり」で膝の裏を、「しりしりしり」でお尻をもって左右に揺さぶります。

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた「ちっちゃいまめこーろころ」 

ちっちゃいまめこーろころ

はだしでいる時の赤ちゃんの足の指で遊びます。足の小指から順番に触りながら遊びます。最後は一番大きな親指を触ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ひまわり』和歌山静子/作 福音館書店 2006/6 1分

ひまわり (幼児絵本シリーズ)
和歌山 静子
福音館書店
2006-06-15

 ちいさなたねが、おひさまの光をたくさん浴びて、「どんどこ どんどこ」と伸びていきます。そしておひさまのような大きなひまわりが咲きました。「どんどこ どんどこ」と子どもたちも一緒に声をかけてくれるかもしれませんね。

 

絵本『たんたんぼうや』かんざわとしこ/文 やぎゅうげんいちろう/絵 福音館書店 0.1.2えほん 1998/4 1分半

たんたん ぼうや (0.1.2.えほん)
かんざわ としこ
福音館書店
1998-04-15

 たんたんぼうやがげんきに歩いていくと、つぎつぎどうぶつのともだちが加わって・・・リズミカルで楽しい絵本です。
遊び疲れたら、この絵本のように、ごろんとお昼寝するのも大事ですね。 

 

 

わらべうた「ちびすけどっこい」

ちびすけどっこい

いろいろな遊び方があります。ごく小さい赤ちゃんの場合はひざの上で上下に揺らします。自分で座って遊ぶことができる赤ちゃんとは、向かい合わせにすわって、わらべうたに合わせて両手を合わせて押し合います

 

 

 

 

 

 

絵本『ぞうきばやしのすもうたいかい』広野多珂子/作 廣野研一/絵 福音館書店 2016/6 2分

ぞうきばやしの切り株のうえで始まったすもうたいかい。いろんな虫たちが「みあって みあって」とすもうをとります。小さな子どもたちにとって、さまざまな虫がいることを、すもうになぞらえて知ることができる絵本です。
 

わらべうた さよならあんころもち

 (作成K・J) 

2017年7月(その2)暑いとね…(幼児~小学生)


 7月になると、気温もどんどん高くなり真夏日になる日が多くなりますね。暑いと、なんだか集中力も続かなくなる気がします。そんな時のおはなし会は、のんびり肩の力を抜いて楽しめるプログラムにしてみました。

メインの素話は「なまくらトック」です。ボルネオの昔話で、夏に語るのに相応しいおはなしです。ニッパヤシやポメロ、ドリアンなど熱帯ならではのものがおはなしの中に出てきます。日本で生活する子どもたちには馴染みがなく、想像しにくいと感じることもあるでしょう。そのような時は、お話の前に「これからするおはなしにはこんなものが出てくるよ」と、図鑑などで写真を見せてあげてもよいでしょう。私はシンガポールに住んでいたころ、子どもたちにとってニッパヤシやポメロ、ドリアンも身近にあるものだったので 、このお話をよく語りました。

 

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【暑いとね…】

 導入 詩「あおぞら いいな」矢崎節夫 『矢崎節夫童謡集 きらり きーん』(矢崎節夫 JULA出版局 2015)より 1分
「あおぞら いいな
 きもち いいな
 みあげている ぼくが
 のぼっていく
 のぼっていく
 そらに ぼくが
 とけていく いいな
  (後略)    」 

夏の突き抜けるような青空を見ていると、そのまま溶け込んでしまいたいと思うことがよくありました。この詩にはまさにそんな気持ちが謳われています。夏は木陰のデッキに寝転んで「溶けていく」気持ちでお昼寝したいものです。

絵本『¿あつさのせい?』スズキコージ/作 福音館書店 1994 4分

?あつさのせい? (日本傑作絵本シリーズ)
スズキ コージ
福音館書店
1994-09-15
 
暑い日が続くと、ついつい注意緩慢になってしまいますね。スズキコージさんの大胆な絵が、夏の暑さをより一層強調しているようで、思わず引き込まれてしまいます。

 

素話「なまくらトック」ボルネオの昔話『愛蔵版おはなしのろうそく2なまくらトック』東京子ども図書館刊 1998 12分

生まれた時から面倒くさがりやの女の子トック。泣かない育てやすい子だと思われたのも、泣くのが面倒だっただけ。そんなトックは自分の食べるということさえも面倒くさくなってしまいます。ある日の夕方、トックが川岸に座っていると向こう岸に生えているニッパヤシの木が声をかけてきます。どんどん怠け者になってしまうトックですが、お話の最後は急転直下の変化が!。そこがこのお話のだいご味です。暑い夏にぴったりのお話です。

 

絵本『きこえるきこえるなつのおと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイズガード/絵 よしがみきょうた/訳 小峰書店 1998 5分

きこえる きこえる なつのおと (世界の絵本コレクション)
マーガレット・ワイズ ブラウン
小峰書店
1998-06

夏、牧場を訪れた子犬のマフィンはいろいろな音に耳を澄ませています。かえるや動物たちの鳴き声が聞こえてきます。ところが突然すごい音が空から響きわたります。それはいったいなんでしょう。読んでもらう子どもたちにはすぐわかるかもしれませんね。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J) 

2017年(その1)はだしになって(小さい子向け)


暑い夏ははだしが気持ちいいですね。はだしで遊ぶ夏の子どもたちを思い描きながら、おはなし会プランを作成しました。

【はだしになって】

導入 わらべうた「ととけっこう」

ととけっこう

 

 

 

 

おはなし会のはじまりに使えるわらべうたです。パペットのくまさんを起こします。
子どもたちにも加勢してもらいましょう。

パペット素話「くまさんのおでかけ」中川李枝子/作 『エパミナンダス 愛蔵版おはなしのろうそく1』(東京子ども図書館編/刊 1997)より

エパミナンダス 1
東京子ども図書館
1997-12

 パペットのくまを使って素話をします。パペットは「保育と人形の会」で作成キットを購入することができます。

また、パペットを使っての演じ方は、『手作りの本 手ぶくろ人形の部屋』(高田千鶴子/作 偕成社 1982)に詳しく書いてあります。(「保育と人形の会」のサイト→こちら

 

手ぶくろ人形の部屋 (手作りの本)
高田 千鶴子
偕成社
1982-06

 

 

 

わらべうた「うみだよかわだよ」

うみだよかわだよ

 

 

 

 

 

 

スパークハーフの大きな布などを使って、遊びます。遊び方はこちらを参考にしてください。(→こちら

 

絵本『がたんごとんがたんごとんざぶんざぶん』安西水丸/作 福音館書店 2012

がたんごとん がたんごとん ざぶんざぶん (赤ちゃん絵本)
安西水丸
福音館書店
2012-05-08

 

小さな子どもたちが大好きな『がたんごとんがたんごとん』汽車にのせてもらうものが海に関するものになります。「ざぶんざぶん」という波の音が心地よいですね。

 

わらべうた「おふねがぎっちらこ」


おふねがぎっちらこ

 

 

 

ふねに乗って海にこぎだせば、気分はもう海辺にいるかのようです。お母さんのお膝の上で向かい合わせに座って、手を引っ張り合いながらふねをこぎます。

 

絵本『はだしになっちゃえ』小長谷清実/文 サイトウマサミツ/絵 福音館書店 2014

 

 

わらべうた 「こまんかこまんか」

こまんかこまんか

 

 

 

 

「おふねがぎっちらこ」と繋げて遊んでもよいでしょう。こちらはお母さんが、お子さんの体をもって左右に揺らします。最後は大きく横に転がってみるのも楽しいでしょう。

絵本『うしろにいるのだあれーうみのなかまたち』accototo ふくだとしお+あきこ/作 幻冬舎 2008

うしろにいるのだあれ―うみのなかまたち
accototo
幻冬舎
2008-05

 

いるか、うみがめ、とびうお、らっこ。うしろだけでなく、上や下にいるのはだれかな?と、読んでいくと小さな子どもたちも集中して絵を追っています。最後の1冊はお楽しみ本です。子どもたちの様子をみて省略してもよいでしょう。

 

わらべうた「さよならあんころもち」

 

(作成K・J) 

2017年6月(その2)ふるやのもり(幼児~小学生)


 6月のおはなし会のメインの素話は、「ふるやのもり」です。瀬田貞二の再話で、田島征三が絵を描いた福音館書店の絵本もロングセラーとして読み継がれていますが、5,6歳以上の子どもたちには素話で聞かせてあげたいものです。
「ふるやのもり」という耳慣れない言葉に、おじいさんたちの家に忍び込んだ泥棒やおおかみと同じに「いったいなんだろう?」と、ぐいぐいと耳を傾けていくことでしょう。
関連して、雨の季節の絵本を組み合わせてみました。
 
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【ふるやのもり】
 
導入 詩 「あめふり」あめつぶじゅんこ 『のはらうたⅡ』(工藤直子 童話屋 1985)より 2分
よういどんと くもからとびおりました
あめつぶみんながはしると
それにたくさんんのあめつぶができました

 あめつぶ ひとつぶ あめいっぽん
 あめつぶ ふたつぶ あめにほん
 あめつぶ ひゃくつぶ あめひゃっぽん

あめつぶみんながはしると
かぜがおっとっとっとでんぐりかえし
でんぐりかえりしました
ことりが うひゃひゃと
くすがったがりました
 (中略)
きょう そらは あめつぶでいっぱい  (一部抜粋)
のはらうた 2―くどうなおことのはらみんなのはらうた 2―くどうなおことのはらみんな
著者:工藤 直子
販売元:童話屋
(1985-05)



 
 
 素話「ふるやのもり」瀬田貞二/再話 『おはなしのろうそく4』(東京子ども図書館/編・刊 1988)より 8分

 雨の降る夜に、村はずれのじいさん、ばあさんの家に忍び込んだ泥棒とおおかみは、二人が「この世で一番こわいのはふるやのもり」と言っているのを聞きます。自分たちよりもこわいものとはいったい何だろうとパニックになる泥棒とおおかみの様子がありありと見えるように語ってください。また、その後のさるが登場する部分との話のリズムの違いにも気をつけて語るとよいでしょう。現代の家屋では雨漏りを経験することが少なくなって、この話を語ってもきょとんとしていた、という語り手の感想を聞いたことがあります。絵本だと絵に助けられて想像出来ますが、素話では「ふるやのもり」=「雨もり」だとわかるように、「そのうちに、雨がざんざとふってきて、古い家のあちこちで、ポツリポツリと雨もりがしてきました。」の部分を大切に語るとよいでしょう。

おはなしのろうそく 4
東京子ども図書館
2001-06
 
 オリジナルのテキストは、「おはなしのろうそく4」に入っています。こちらのテキストは、素話を覚えるためのもので字体が小さめです。薄い冊子になっているので、通勤時にかばんに入れておいて、覚えるのに便利です。
 

 

 「おはなしのろうそく3」と「おはなしのろうそく4」を合冊した愛蔵版です。ハードカバーになっており、子どもが自分で手に取って読めるようになっています。字体が大き目なので、小さな字では見づらいという方は、こちらのテキストで覚えるとよいでしょう。 

 

 
 絵本『かばくんのふね』岸田衿子/作 中谷千代子/絵 福音館書店 1964 3分
かばくんのふね(こどものとも絵本)
岸田 衿子
福音館書店
1990-09-15

大雨で動物園も水没して大変です。でもかばの親子がふねになって、小さな動物を助けに来てくれました。みんなかばの背中に乗って一安心。ゆったりとしたリズムで読んであげるとよいでしょう。

 

 絵本『あまやどり 新自然きらきら5』久保秀一/写真 七尾純/文 偕成社 3分

あまやどり (新・自然きらきら (5))
七尾 純
偕成社
2002-05

かたつむりやかえるはあめふりが大好き。その一方で昆虫たちは羽が濡れるのを避けてみんなあまやどりをしています。この写真絵本は、かたつむりの視点から雨の日の昆虫の姿を紹介してくれています。写真絵本ですが、ストーリーになっているので、読み聞かせに仕えるでしょう。

 

 

 絵本『にじ』さくらいじゅんじ/作 いせひでこ/絵 福音館書店 1998 4分

にじ (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)
さくらい じゅんじ
福音館書店
1998-05-15

雨上がりに出るにじ。男の子はにじを横から見たらどう見えるのかな?上から見たら?真下から見たら?と、いろいろな疑問を抱きます。そこでおとうさんは、にじが見える公園の噴水に連れて行ってくれました。にじがどうして見えるか、子どもの視線からわかりやすく伝えてくれる絵本です。


(作成K・J)
 

2017年6月(その1)ながぐつ ぴちゃぴちゃ(小さい子)


雨降りの季節は、小さなお友達の足元に小さな長靴が似合う季節です。子どもたちは長靴が大好き。履いて歩くよりも、どろんこにしたり、中に水が入った長靴を履くときのその感覚を面白がっているようです。

長靴を履いて歩く季節。すべての子どもたちが、雨の季節も健やかに、楽しく過ごせるようにと願いながら、こちらのプランを作成しました。

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導入 わらべうた このこどこのこ
このこ どこのこ かっちんこ
このこ どこのこ 〇〇ちゃん
遊び方 お膝の上に赤ちゃんをのせて、お母さんがそうっと揺れます。
「〇〇ちゃん」というところで、子どもの名前を呼びます)


わらべうた あめあめやんどくれ
あめあめ やんどくれ
あしたのばんに ふっとくれ

あめあめやんどくれ

 

 

 

 

遊び方 もともとは靴を投げて その裏表で天気をうらなう遊びです。
 ここでは、歌に合わせて お膝を上下に揺らします)

 

絵本 『あめ ぽぽぽ』ひがしなおこ/作 きうちたつろう/絵 くもん出版 2009 2分

 「ぴとぴと ぽとん」「さあ さあ さあ さあ」「ぽ ぽ ぽ ぽぽぽぽぽ」「ぴち ぱちゃ ぽちょ」雨音を表現する擬音語の豊かなこと。雨の日もこうして楽しめるといいですね。

 

絵本 『おさんぽ おさんぽ』ひろのたかこ/作 福音館書店(0.1.2えほん) 2008 1分

おさんぽ おさんぽ (0.1.2.えほん)
ひろの たかこ
福音館書店
2008-06-20

2015年の「おはなし会プラン」でも紹介しました。 雨上がりにおさんぽする男の子の足元だけが描かれています。ながぐつの中に水が入っても大丈夫。バシャッとみずたまりに足を踏み込むシーンは子どもたちも嬉しそうです。子ども時代だからこそ楽しめるこのような感覚を大事にしてほしいなと思います。

 

絵本 『たっちゃんのながぐつ』(改訂版) わかやまけん/作 こぐま社 2013 2分
 
たっちゃんのながぐつ
わかやま けん
こぐま社
2013-04

おとうさんに買ってもらった黄色の長靴。たっちゃんは大喜びです。長靴はいて砂場で遊びます。でも、夢中になって遊んでいるうちに長靴が見当たらなくなっちゃいましたよ。出てくるかな?「こぐまちゃん」シリーズのわかやまけんの作品です。 

 

わらべうた きゃーろのめだまに
きゃーろのめだまに きゅうすえて
それでもとべるか とんでみな
おっぺけ べっぽー べっぽっぽー

 きゃーろのめだまに

 

 

 

 

 

唱え歌です。折り紙などで作ったカエルを上下に動かしながら歌ってみましょう。

 

絵本 『おうまさんしてー!』三浦太郎/作 こぐま社 2009 1分半

おうまさんしてー!
三浦 太郎
こぐま社
2009-05

 最後の1冊は、父の日にちなんでおとうさんの出てくる絵本です。おとうさんの背中にのって、おうまさん。でもね、おとうさんといっしょに、くまさんの背中にのって進んでいくと・・・最後は横に広がるページがあって、子どもたちも「わあー」と大喜びです。

わらべうた かえるがなくからかえろ

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)
 

2017年5月(その2)いってきます!(幼児~小学生向け)


 5月のおはなし会プランのメインは、素話を勉強する人が取り組みやすい「エパミナンダス」というおはなしです。無邪気なエパミナンダスの行動を、聞き手と一緒にいっしょに楽しめるといいですね。

「のはらうた」の中から詩を一編、それに日本昔話から『ももたろう』、そして写真絵本を1冊組み合わせてみました。約25分のプログラムです。

どれも、主人公が元気よく出かけていくで、テーマは「いってきます!」としました。

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【いってきます!】

導入 詩「さんぽのおと」こやぎようたろう 『のはらうた2』(くどうなおこ/作 童話屋 1985) より 3分

のはらうた 2
工藤 直子
童話屋
1985-05

 くどうなおこさんが、春を迎えて心弾むこやぎの気持ちを詩に表現しました。

 

「さんぽの おとは なんのおと?
 おや あしおとだ
 とんとんとん
 さっさっさ
   すたぱた すたぱた ととらたと
 こつこつ からころ ぱったんこ
 ここらで ちょっと ひとやすみ」(一部抜粋)

「さんぽの おとは なんのおと?」の後に、「おや いしころだ」、「おや みずたまり」、「おや かぜがふく」、「おや はながさく」、「おや ちょうがとぶ」、「おや おひさまだ」と、詩は繰り返し続きます。それぞれの音を表現するオノマトペ(擬音語)が耳に心地よい詩です。リズムよく読んであげましょう。

 

素話「エパミナンダス」  『愛蔵版 おはなしのろうそく1』(東京子ども図書館/編・刊)より 7分

エパミナンダス 1
東京子ども図書館
1997-12

 エパミナンダスはおかあさんに頼まれておばさんのところにおつかいに出かけます。そのたびにおばさんは「おかあさんにおみやげですよ」と、なにかを託してくれるのですが・・・無邪気なエパミナンダスの失敗に子どもたちもハラハラドキドキしながら聞いてくれることでしょう。 

 

 

絵本『ももたろう』まついただし/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1965 7分

ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)
まつい ただし
福音館書店
1965-02-20
 
 携帯電話のCMで日本昔話の主人公たちが大活躍し、人気を博しています。これをチャンスとして、子どもたちに昔話を読んであげましょう。「ももたろう」も多くの再話あり、絵もさまざまな画家が描いていますが、福音館書店版の『ももたろう』は、赤羽末吉の描くももたろうの表情が、まっすぐと子どもに届き、心を動かすことでしょう。 

 

絵本『どこにいるの?シャクトリムシ』新開孝/写真・文 ポプラ社 2007 5分

 最後の1冊は、写真絵本です。シャクトリムシの動きや、擬態を、子どもたちが興味を持つように切り取って見せてくれています。身近な自然に目をむけてみるきっかけになることでしょう。

 

しめくくりのわらべうた さよならあんころもち 

 

(作成K・J) 

2017年5月(その1)だっこして(小さい子)


小さな子どもたちは、親の保護があってこそ安心して育つことができます。

2歳半ごろまでは「母子未分化」といって自己と他の関係が未分化で、親への依存度が高い時期です。成長とともに、自分ひとりで出来ることが増えると、自立の第一歩。親と子が別の存在だと自覚し、自分でなんでもやりたがる時期です。それでも、なにかあったら「だっこして」と駆け寄ってきます。しっかり抱きしめてもらうことで、安心してまた一歩踏み出すことができます。

「だっこして」を受け止めてもらえることが、信頼関係を築く第一歩。小さい子向けのおはなし会のテーマも「だっこして」にしました。

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【だっこして】

導入 わらべうた このこどこのこ 

このこどこのこ

 お子さんをお膝にのせて、大人が左右にゆっくりと揺れます。 激しく動き過ぎないように注意しましょう。最後のところは、各自が自分のお子さんの名前を呼びます。そして、お膝のお子さんをぎゅーっと抱きしめます。 

 

 

絵本『だっこして』にしまきかやこ/作 こぐま社 1995

だっこして (にしまきかやこ あかちゃんの本)
西巻 茅子
こぐま社
 
 「だっこして」とあかちゃんがいうと、「はい だっこ よしよし」と言ってだっこしてくれるおかあさん。「だっこして」と、わが子たちがいつまで言っていたかしらと思うと、せいぜい小学校に入る前くらいまで。長い子どもの人生の中で最初のほんの数年のことなんですね。しっかりぎゅ~っと抱きしめてあげてほしいと思います。「だっこして」といって、すぐに応えてもらった経験が、親子の信頼関係に繋がります。そんな思いをこめて読んであげましょう。
 
 
 
わらべうた とうきょうとにほんばし

とうきょうとにほんばし

 
 「とうきょうと」で一本指で手のひらをなぞり、「日本橋」で二本指でなぞります。「がりがりやまの」で手のひらをがりがりと引っかき、「パン屋さんと」で手のひらを軽くたたきます。「つねこさんと」で手のひらを軽くつねり、「階段のぼって」で二本指で腕を辿るように上って行って、「こちょこちょ」で首元をくすぐります。
  
 
わらべうた とっちんかっちん

とっちんかっちん

  
お子さんをお膝にのせて遊びます。「とっちんかっちんかじやのこ あわててとびだす」までは、膝の上にのせて膝を上下に動かします。「いしやのこ ドッシーン」と言いながら、おとなが膝を開いて間にすとんと落とします。 2番は「とっちんかっちんかじやのこ はだかでとびだす ふろやのこ ザッバーン」と歌って、最後は上に持ち上げて「たかいたかい」をします。
  
 
絵本『おかあさんといっしょ』薮内正幸/作 福音館書店 1985
おかあさんといっしょ (福音館の幼児絵本)
薮内 正幸
福音館書店
1985-03-30
 
 こちらも動物の母と子を描いた絵本です。先ほどの絵本と違って、こちらは薮内正幸さんの写実的な絵で、おかあさんといっしょに遊ぶ動物たちの表情が大変豊かで、小さな子どもたちにも安心感を与えます。 
 
 
わらべうた  ここはとうちゃんにんどころ 

ここはとうちゃん

 
「にんどころ」とは似ているところという意味です。「とうちゃんにんどころ」で右の頬、「かあちゃんにんどころ」で左の頬、「じいちゃんにんどころ」で額、「ばあちゃんにんどころ」で顎、「ねんちゃんにんどころ」で鼻をさわり、「だいどーだいどー」で顔全体をぐるっとさわって、最後はこちょこちょをします。
 
 
絵本『いちご』平山和子/作 福音館書店 1989
いちご (幼児絵本シリーズ)
平山 和子
福音館書店
1989-04-15
 
今はハウス栽培で、一年中食べることのできるいちごですが、 露地で栽培するいちごの旬は5月です。寒い冬を通り越して4月に花を咲かせ、5月には真っ赤で甘い実になります。読んでもらう子どもたちも笑顔になります。 
 
(作成K・J)

2017年4月(その2)とんでいこう(幼児~小学生)


4月は新しいことが始まる月。新しいクラス、新しい友達。春の陽ざしを受けて、新しい世界へと飛び立っていけるようにと願って、プランを考えました。また2017年度は、「耳から聞く読書」を子どもたちに手渡すために、素話(ストーリーテリング)のレパートリーを増やす活動に取り組む予定です。幼児~小学生向けのおはなし会プランには必ず一つ、素話を組み入れていきます。比較的短くて、初心者にも覚えやすい素話のテキストを選んでいきますので、これまで素話に挑戦してこなかった方にもぜひ取り組んでもらえればと思います。

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【とんでいこう】

導入 詩「ちょうちょになって」田中美桜(千葉・4歳) 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』(はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房インターナショナル 2015)より 2分

ままといっしょに
ちょうちょに なって
おそらを とびたいな
(以下 略)

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19


4歳の女の子の素直な感情がそのまま詩になっています。「ままといっしょに」というところが、まさに4歳児。小学生になったら、一緒に行きたいのは、ママではなく友達に変化しているでしょう。「ままといっしょに」行きたい場所も素敵です。子どもたちにも復唱してもらって、一緒に詩のことばを味わってもらいましょう。

 

絵本『ちょうちょ』江國香織/作 松田奈那子/絵 白泉社 2013 2分半

ちょうちょ (MOE BOOKS)
江國香織
白泉社
2013-09-20
 
評価の分かれる作品ですが、私はあえて今回選んでみました。春の陽ざしの中を自由に飛び回れる蝶の生命力を感じる絵です。「ちょうちょはどこにでもいかれる きのうをとびこえ きょうをくぐりぬける」。子どもたちの育っていこうとする力を、枠にはめずに、「どこへでも」飛んでいけるように見守る存在でありたいと思います。
 
 
素話「鳥のみじい」 『子どもに語る 日本の昔話2』(稲田和子・筒井悦子/著 こぐま社 1995)より 5分
子どもに語る日本の昔話〈2〉
稲田 和子
こぐま社
1995-12
 
「アヤチュウチュウ コヤチュウチュウ ニシキサラサラ ゴヨノサカズキ モッテマイロウカ ビビラビーン」とかわいらしい声でなく鳥を、愛でるあまりに飲み込んでしまったおじいさんのお話。紙芝居や、絵本にもなっている題材ですが、耳から聞く楽しさを味わってもらえたらと思います。鳴き声の繰り返しが多く、覚えやすいお話です。
 
 
絵本『のげしとおひさま』甲斐信枝/作 福音館書店 2015 2分


かがく絵本を1冊紹介します。こちらは月刊「ちいさなかがくのとも」2007年5月号がハードカバーになったものです。たんぽぽと比べると、認知度の低いのげしですが、道端にたくさん咲いていて子どもたちにも親しみのある花です。のげしが、綿毛を飛ばすページ、「のげしは はるかぜにのって、おおぞらを とびました。どこまでも どこまでも とびました。」という言葉が、つぎの生命への希望へとつながって、力強く感じます。
 
 
絵本『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』馬場のぼる/作 こぐま社 1990 2分

こぶたたんぽぽぽけっととんぼ
馬場 のぼる
こぐま社
1990-06

最後の絵本はことば遊び、しりとりの絵本です。ちょっととぼけた感じのこぶたとたぬきときつねとねこの春の一日を馬場のぼるさんのしりとり絵本で楽しみましょう。最後は疲れておんぶでさようならです。
 
しめくくりのわらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

2017年4月(その1)あったかくていいきもち(小さい子)


春はいろいろなものが芽吹き、成長する季節。その成長を見守ってくれる親や、大自然の恵み。そんなことを小さな子どもにことばで説明する必要はないけれど、こんな絵本を読んであげれば伝わるのではと思います。

春ってあったかくていいきもちだよ。ママの腕の中のようにね。おひさまに抱っこされているみたいだね…と。

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【あったかくていいきもち】

導入 わらべうた

たんぽぽ  

たんぽぽ

 

 

 

 

「たん」で手をたたき、「ぽぽ」で赤ちゃんの頬をそっとつつきます。「むこうやまへ」では両手をとって左右に揺らし、「とんでけー」で大きく横に振り切ります。小さい赤ちゃんの場合は腕が抜けないように、そおっと振ります。

 

このこどこのこ

このこどこのこ

 

 

 

 

 おひざに赤ちゃんをのせてしっかりと赤ちゃんを抱っこします。そして歌に合わせて赤ちゃんではなく、大人がゆっくりと軽く左右に揺れます。

 

絵本『ママだいすき』まど・みちお/作 ましませつこ/え こぐま社 2002 2分

ママだいすき
まど みちお
こぐま社
2002-02

小さな子どもにとってママがすべてです。乳児期にしっかりとママへの信頼を築くことができれば、2歳を過ぎて自我が出来ていく過程で、上手に親離れできます。それまでは「だいすき」としっかり受け止めてあげましょう。

 

絵本『いいきもち』ひぐちみちこ/作 こぐま社 2004 1分半

いいきもち
ひぐち みちこ
こぐま社
2004-03

 たねは土に抱かれていいきもち。お花は風に抱かれていいきもち。あかちゃんはお母さんに抱かれていいきもち。そしてみんなはおひさまの光に抱かれていいきもち。やさしく包んでくれる春の陽ざし。生かされているものの喜びにあふれているようです。

 

絵本『ちょうちょ はやくこないかな』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 2分

小さな青い花をたくさんつけて咲くオオイヌノフグリが主人公の絵本です。いろいろなちょうちょが飛んでくるけれど、なかなか自分のところに止まりません。小さな花の気持ちになって、どきどきすることでしょう。この絵本を読んでもらったら、お散歩の途中で道端に咲いている小さな花にもきっと目が留まることでしょう。
 

わらべうた くまさんくまさん

くまさんくまさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おはなし会の最後は「くまさんくまさん さようなら」でさよならをします。子どもたちが立ち上がって、歌に合わせて遊んでもいいし、ミトンくまさんを使って遊んでもよいでしょう。

(作成K・J)

2017年3月(その2)希望の春


春は芽吹きの時、生命の力を感じる時でもあります。そしてその圧倒的な力は、私たちを勇気づけてくれます。3月はまた旅立ちの季節。そんな時期の子どもたちに向けて、「大丈夫だよ」と背中を押してあげられる本をいくつか選びました。

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【希望の春】

導入 詩 「は は はるだよ」与田凖一/詩 西巻茅子/絵 『は は はるだよ』(金の星社 1982)より 1分

一の 山、
二の 山、
三の 山。

わらびの たろうが
目を さます、
わらびの じろうが
目を さます、
わらびの さぶろうが
目を さます。

あっちで、
こっちで、
は は はるだよ。
は は はるだよ。
(一部引用)

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

小さい子向けのおはなし会プランでも使用した与田凖一の詩集から、詩集の表題になっている詩「は は はるだよ」を、紹介します。前半は、わらびが芽吹く様子を、後半ではかえるが起きだす様子を、やさしい言葉で表現しています。一度、朗読した後に、子どもたちも一緒に声に出して復唱してもらうと、詩のリズミカルな言葉を味わってもらえることと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

絵本『里の春、山の春』新見南吉/作 鈴木靖将/絵 新樹社 2015 2分半

里の春、山の春
新美 南吉
新樹社
2015-04-04

『校定新見南吉童話集』(大日本図書 1993)より、春を見たことのない小鹿の思いに寄り添う『里の春、山の春』が絵本化されました。小鹿と里にすむおじいさんの交流は『てぶくろをかいに』などと同様に、新見南吉らしいと感じます。小鹿だけではなく、読んでもらった子どもたちも春の訪れを捜したくなることでしょう。

絵本『いっしょだよ』小寺卓矢/写真・文 アリス館 2012 3分

いっしょだよ
小寺 卓矢
アリス館
2012-04

芽吹いたばかりの木の芽、花や小さな虫に注がれる温かいまなざし。すべての生命は、それぞれが支えあい、かかわりあい、共生していることを、美しい写真と、丁寧な語りかける言葉で伝えてくれる写真絵本です。小さなものへのまなざしは、同様に自分たちにも注がれていること、自分たちもまた誰かに支えられていることを発見できることでしょう。

絵本『きぼう―こころひらくとき』ローレン・トンプソン/作 千葉茂樹/訳 ほるぷ出版 2009 3分

きぼう―こころひらくとき
ローレン トンプソン
ほるぷ出版
2009-11

世界にはいろんなことが起きている。いつもいつも笑顔ばかりではいられない。でもそんな時にも、目をあげてみると小さな希望が見えてくる。ちょっと視点を変えるだけで、希望は見えてくる・・・そんなことを世界中の子どもたちのさまざまな表情とともに伝えてくれる1冊です。大きな災害に見舞われた国から、内戦の起こった国から、辛い思いを乗り越えて一歩踏み出そうとする子どもたちの表情を捉えています。子どもたちの未来は、決して薔薇色に輝いてばかりではないけれど、そんな時にも希望を見出す感性を子どもたちに伝えたいと思います。それは私たち、大人にも言えること。「きぼう それは、いつもあなたのなかにある。芽をふくときを しずかにまっている。」希望が芽吹くことのできる世界を、私たちは子どもたちに手渡したいと切に願います。
 

(作成K・J)

2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子向け)


 1月の今が一番寒さの厳しい時期です。「おはなし会プラン」は2か月前倒しで作成するので、毎年一番寒い時期に3月の春の兆しが日に日に大きくなるころを思い浮かべています。

そうした芽吹きの季節に感じるのは、自然の力、生命力です。特に小さな子どもたちが一歩、二歩と歩みを進めていく・・・そしていよいよ力強く駆けていく、そんなイメージで小さい子のためのおはなし会プランを作成しました。

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【いっぽ、にほ、たたたたた】

導入 わらべうた ととけっこう

ととけっこう

 

 

 

 

起こし遊びのわらべうたです。もし図書館にマスコットの人形などがあれば、この歌を歌って起こしてあげましょう。指さしながらこのわらべうたを歌います。「もう起きたかな?」と言って、人形に耳を近づけると「グー、グー」いびきをかいています。起きるまで2、3回繰り返します。起きてきたら人形も一緒におはなし会に参加してもらいましょう。

詩「はだかのあかちゃん」 『は は はるだよ』(与田凖一/詩 西巻茅子/絵 金の星社 1982)より 1分

はだかのあかちゃん、 どこからきたの。
おつむてんてん あし とんとん。
(中略)
あんよは おりまげ できますね。
おつむてんてん あし とんとん。

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

与田凖一の小さな子どもたちにもわかりやすい詩に、西巻茅子が絵をつけた詩集です。春をテーマにした表題詩「は は はるだよ」以外にも、四季それぞれの子どもの生活に合わせた楽しい詩がたくさん集められています。現在、品切れ中です。図書館の蔵書としてある場合、とても貴重です。古くなっているでしょうが廃棄しないで保存してほしいと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

わらべうた ちょちちょちあわわ

ちょちちょちあわわ

 

 

 

 
「ちょちちょち」で手拍子、「あわわ」で手を口の前に3回あてる、「かいぐりかいぐり」で左右の手で握り拳をつくって胸の前で回し、「とっとのめ」で目元を3回そっと触ります。「おつむてんてん」手を頭にのせて軽く2回触り、「ひじとんとん」で片手をもう片方のひじにあてて2回たたきます。
赤ちゃんをあやすために歌うわらべうたです。「とっとのめ」で手のひらをつつくこともあります。

 

絵本『ここよ ここよ』かんざわとしこ/文 やぶうちまさゆき/絵 福音館書店 2003 1分

ここよ ここよ (0.1.2.えほん)
かんざわ としこ
福音館書店
2003-01-25

 春は新しい生命がたくさん生まれる季節。この絵本は、動物の赤ちゃんを「どこにいるの?」と探します。次の見開きで「ここよ ここよ」と答えてくれます。言葉の繰り返しと、動物画家、薮内正幸さんの写実的な絵の愛くるしい動物の赤ちゃんに、小さな子どもたちも惹きつけられます。

 

わらべうた ずっくぼんじょ

ずっくぼんじょ
「ずくぼんじょ」とはつくしのことです。両手を合わせて顔の前で合わせ、左右に揺れながら歌います。「ででこらさい」で、両手の位置を少し高くします。何度か繰り返しながら歌って、その度にどんどん手の位置を高くしていきます。最後は両手をまっすぐ伸ばします。「つくしがこんなに大きくなったね」と、みんなをほめてあげましょう。 

 

絵本『くつくつあるけ』林明子/作 福音館書店 1986 1分

上手に歩き始めた子どもの弾けるような笑顔。自分で思うところへ移動できるという喜びを身体全身を使って喜んでいるようです。そんな喜びを、この絵本ではくつだけで表現しています。前へ、前へと伸びようとする子どもたちにぴったりの絵本です。

わらべうた あしあしあひる

あしあしあひる

 

 

 

 

 
小さな赤ちゃんの場合は、お母さんのお膝に乗って、お母さんの足の上に赤ちゃんの足を重ねて左右に動かします。自分で歩けるようになった年齢の子どもはお母さんの足の甲の上に乗って、お母さんと手をつないで落ちないように一緒に歩きます。

 

絵本『こうまくん』きくちちき/作 大日本図書 2016 1分半 

こうまくん
きくち ちき
大日本図書
2016-03

 走ることができる喜びを、「ぼく はしってるの」という言葉の繰り返しで表現しています。自分の足で歩けるようになり、たたたたたと走れるようになると、何がおかしいのか、声を上げて笑いながらどんどん走っていきます。親たちは必死で追いかけますが、小さな子どもはそうやって追いかけられるのが楽しくてさらにキャッキャッと大はしゃぎ。そんな躍動感がこの絵本からも感じられます。流れるような水彩の筆遣いは、走る仔馬の生命力を、ピンク色を基調にした柔らかい色遣いは春の野山の様子を表現していて、読んでいるこちらも弾んでくるようです。

(作成K・J)

2016年(その2)冬の一日


2月は寒さが一番厳しい時期ではありますが、春に向けて日照時間も日ごとに長くなり、冬に向かう時期とはまた違う印象があります。そんな寒い冬の日を楽しむ視点も子どもたちとの生活には必要ですね。そんな気持ちでプランを立ててみました。

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【冬の一日】

導入 詩「あるきなさいよ 雪だるま」佐藤義美 『ともだちシンフォニー―佐藤義美童謡集』(JULA出版局 1990)より 2分
あるきなさいよ 雪だるま、
ここは もうすぐ 雪がやむ
お日さんがてる キラキラキラ
くずれて とけて ながれるよ。

あるきなさいよ 雪だるま、
山は いつでも 雪がふる
むらさきの雪 コンコンコン
とけずに たって いられるよ。
  (中略)
あるきなさいよ 雪だるま、
ここは もうすぐ 雪がやむ 
手と足だして テクテクテク
あるいていけば いいのにね。

雪だるまを作っても、陽射しがあると溶けていく・・・それが悲しくて「日陰に歩いていけばいいのにな」「山の中から溶けないよ」と思うのは、空想の世界に身を置くちいさな子どもたちにとっては自然なこと。そんな思いがこの詩には溢れています。

 

絵本『だるまちゃんとうさぎちゃん』かこさとし/作 福音館書店 1977 6分半

雪の中、雪だるまを作ってあそぶだるまちゃん。雪だるまの目をりんごで作ろうとしたのに、りんごはころころ転がり落ちていきました。それを拾ってくれたうさぎちゃんと一緒に遊びます。「たんげさぜん」や「ざとういち」という今の子どもたちには耳慣れない言葉も出ますが、きちんと中で説明されていて安心です。てぶくろ人形や新聞紙で折るうさぎの帽子など、本文中で出てくるものは、予め作っておいて読みながら見せてあげるとよいでしょう。

 

素話「だめといわれてひっこむな」(アルフ・プロイセン/作 瀬田貞二/訳)『だめといわれてひっこむな』(東京子ども図書館/編 東京子ども図書館 2001) 6分

 

おばあさんが暖炉の前で毛糸を紡いでいると子ネズミが顔をだして「なにをつくるの」の聞いてきます。おばあさんがそれに答えると、一旦はひっこむのですが、次々に質問が・・・繰り返しのやりとりがとても面白いおはなしです。かわいい子ネズミの懸命さが伝わるように語ってあげましょう。

 

絵本『しもばしら』野坂勇作/作 福音館書店 2004 5分

霜柱がどのようにして出来るのか、孫とおばあちゃんとのやり取りを通して教えてくれる科学絵本です。読み物としても面白いです。後半に霜柱を作る実験が載っています。冷凍庫が必要なので、図書館で実際に作ってみるのは難しいかもしれませんが、自宅でやってみたいと思うお子さんのために、複本があれば用意しておきましょう。

(作成K・J)
 

2016年2月(その1)くっついて、くっついて


子どもたちが幼かった頃、冬はおんぶをして出かけると、背負われている子はもちろんですが、親の私の方も背中がぬくぬくと温かかった思い出があります。寒い冬、親と子でからだとからだを寄せて、乗り越えたいですね。2月の小さい子向けおはなし会のテーマは【くっついて、くっついて】です。

 

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導入  わらべうたメドレー(おおさむこさむ → おしくらまんじゅう → こどもかぜのこ) 

 最初に、わらべうたメドレーで体をほぐしていきましょう。12月の小さい子向けプランと同じわらべうたです。
何度も何度も歌うことでわらべうたを覚えていくので、くりかえしやってみましょう。
 (遊び方は、社員の方はeラーニングサイトで見ることができます)
おおさむこさむ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おしくらまんじゅう
 
 
 
 
 
 
 
 
こどもかぜのこ
 
 
 
 
 
  
 
 絵本『おおさむこさむ』松谷みよ子/文 遠藤てるよ/絵 偕成社 1979  2分
 

節をつけて読んであげましょう。ゆっくりとした節回しで読んでちょうど2分です。 

 

 

『おーくんおんぶ』片山健/作 福音館書店 2007 1分

おーくん おんぶ (0.1.2えほん)
片山 健
福音館書店
2007-03-15

 「おーくん、おんぶ」とお母さんがおんぶしようとすると、そうではないというぐずるおーくん。おーくんは自分でぬいぐるみたちをおんぶしたいのでした。1歳の後半から2歳頃の自我が芽生えてくる頃の子どもの姿をうまくとらえている絵本です。でも、そんな講釈はおいておいて、楽しみましょう。おんぶしてもらうって、安心なんですよね。 

 

わらべうた このこどこのこ

このこどこのこ

おひざにのせて、大人の方が左右にからだを軽く揺らしながら歌います。

 

 

 

 

 

ぼうずぼうず

ぼうずぼうず

最後の「ペション!」までは、ゆっくりと頭をなでなでします。「ペション!」で頭を叩く真似。本当には叩かないでくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

うまはとしとし

うまはとしとし

弱起で始まる歌い出しです。こどもを膝の上にのせて、上下に動かしながら歌います。「ぱっかぱっか」のところで大きく上下させましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おとなのおひざに乗って遊ぶ遊びを3つ、続けてやってみます。
ひとつひとつのあそびを2,3度繰り返してやりましょう。

 

絵本『くっついた』三浦太郎/作 こぐま社 2005 1分

くっついた
三浦 太郎
こぐま社
2005-08

 これまでも小さい子向けおはなし会プランに何度も登場した絵本です。絵本の裏見返しに作者の三浦さんが「“くっついた”は幸せのはじまり」と記しています。親と子が、「くっついた」といって頬を寄せ合う。そんな幸せな時間が一番温かいですね。

 

絵本『おやすみくまさん』平山英三/作 福音館書店 1分半

ひらやま えいぞう
福音館書店
1985-03

いまごろ山奥でくまさんは冬眠しているころ・・・こんなふうにかあさんくまが、こどものくまをしっかり抱いて、くっついて、きっとこぐまはあったかいだろうなぁ・・・という気持ちをこめて、読んであげましょう。ただし、この絵本は絶版になっており、所蔵している図書館も少なくなっています。所蔵している館は大切に保存しておいて欲しいなと思います。所蔵してない場合は、4冊目はなくてもよいでしょう。
 

(作成K・J)

2016年1月(その2)雪のふる日に(幼児~小学生)


2016年~2017年の冬は、ラニーニャ現象の影響で雪が多いのではという予報もある一方で、必ずしもそうなるとは限らないという意見もあるようで、どうなるか気になりますね。スキーなどのウィンタースポーツが好きな人にとっては雪は大歓迎。一方で普段の生活に障害があるほどの大雪は困りますね。
個人的には雪が降る日は、すべての音が吸収され、静寂な世界になるところが好きです。さて、今シーズンはどうなることでしょう。そんなことを思い巡らせながらおはなし会プランを作成しました。

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【雪のふる日に】

導入 詩 「つもった雪」 金子みすゞ 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房インターナショナル 2015より 2分

上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
(中略)
中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19

 

 

 

わらべうた うえみればむしこ

うえみればむしこ

雪深い山形に伝わるわらべうたです。見上げれば降ってくる雪が虫のようにも見え、屋根や木の枝に積もった雪は真綿のように見え、地面をみれば白く冷たい雪だなという意味です。

 

 

 

 

 

 

 

 

小さい子向けのおはなし会プランでも紹介したわらべうたです。
どんどん降ってくる雪が、見る視点を変えると違って見えることを歌った歌です。
とても短くて簡単なので、いっしょに歌ってみましょう。

 

絵本『つるにょうぼう』矢川澄子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1979 9分

鶴の恩返し伝説には、この再話のように助けた鶴が美しい娘になって若者のもとに現れるものと、老夫婦のところへ若い娘として現れるものとがあります。地域によってさまざまな伝承のある昔話ですが、ここでは赤羽末吉の絵がたいへん叙情的で美しいこちらの作品を紹介します。娘が初めて若者を訪ねて行く場面など、雪深い地であることがわかります。少し長いおはなしですが、丁寧に読んであげましょう。

 

絵本『あんな雪こんな氷』高橋喜平/文・写真 講談社 1994 9分

雪がどのように積もるのか、風の吹き方ひとつで表情を変える雪や氷の様子を美しい写真とともに紹介しています。すべてを読むと9分くらいかかりますが、子どもたちの様子を見て、どこまで説明を読むかを決めてもよいでしょう。おもしろい形の冠雪などに子どもたちはきっと喜ぶことでしょう。

 

絵本『みずたまちゃん』林木林/作 あきくさあい/絵 すずき出版 2010 3分

みずたま模様が大好きなみずたまちゃん、寒がりの友達に出会うたび、次々に着ているものを貸してあげます。みずたまちゃん自身は大丈夫かなと心配していると・・・メインで読んだ『つるにょうぼう』が重厚な昔話なので、最後は少し温かみがあって楽しい絵本を1冊選びました。
 

(作成K・J)

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