Tag Archive for おはなし会

2018年(その2)そこにいるのは…(幼児~小学生)
2018年7月(その2)海の中では(幼児~小学生)
2018年7月(その1)夏も元気だよ!(小さい子向け)
「お話(素話)を学ぶ第5回、第6回」報告
2018年6月(その2)おへそにきをつけろ!(幼児~小学生)
6月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2018)(更新あり)
2018年5月(その2)天までとどけ(幼児~小学生)
2018年5月(その1)こちょこちょ(小さい子)
5月のおすすめ本リスト(2018)
2018年4月(その2)ひとりでできるもん(幼児~小学生)
2018年4月(その1)このゆびとまれ!(小さい子)
2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)
2018年2月(その2)そのなまえは…(幼児~小学生)
2018年2月(その1)ゆきこんこん(小さい子)
2018年1月(その2)ぬくぬくあったまる(幼児~小学生)

2018年(その2)そこにいるのは…(幼児~小学生)


誰も家にいない夜に、2階からドアの閉まる音がして、飛び上がってしまいました。そお~っと確かめに行くと、空気を入れ替えるために窓を開けていた部屋のドアが、風でぱたんと閉まったのでした。

人が何かの気配を感じとるのは、微弱な電気を発しているからなのだそうです。人間の筋肉が動いたり、脳が体に指令を出したり、心臓などの臓器が動くのもそうした電気信号によるもので、東京大学生産技術研究所の研究で人間の体を覆っている凖静電界が、気配の正体ではないかとのこと。内耳にある微細毛や、体毛などがセンサーになっているらしいのです。夏は薄着になるから余計に気配を感じるのでしょうか。考え始めたら眠れなくなりそうです。

という前置きはさておいて、8月のおはなし会プランは、そんな気配を感じるようなおはなしを選んでみました。

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【そこにいるのは…】

導入 詩 「おばけちゃん」永窪綾子 『ぼうしをかぶろう〔夏の詩〕』(こわせ・たまみ/編 高畠純/絵 あすなろ書房  2001)より 1分

ぼうしをかぶろう―夏の詩 (季節の詩の絵本)
あすなろ書房
2001-04
 
「おにいちゃんにもらった むぎわらぼうし ちょっとおおきいけど すっぽりかぶる」
「おねえちゃんにもらった ワンピース ちょっとおおきいけど すっぽりきちゃう」
子どもたちの身近にありそうなことから、「あれっ!」と気づかせる楽しい詩です。
「おばけのどろんのおでましだ」の繰り返しも楽しい詩を、子どもたちと一緒に声に出して読んでみましょう。
 
 
 
絵本『おばけなんてないさ』せなけいこ/絵 槙みのり/作詞 ポプラ社 2009 2分半
おばけなんてないさ (せなけいこのえ・ほ・ん)
槇 みのり
ポプラ社
2009-07-01
 
誰もが知っている童謡「おばけなんてないさ」が絵本になっています。後ろに楽譜もついているので、一緒に歌いながらページをめくっていくとよいでしょう。全部で5番まであります。
 
 
素話「ちいちゃい、ちいちゃい」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン画 福音館書店  1991)より 3分半

イギリスとアイルランドの昔話 (世界傑作童話シリーズ)
福音館書店
1981-11-25
 
イギリスの昔話として有名な「The Teeny-Tiny Woman(ちっちゃい、ちっちゃいおばあさん)」です。短いおはなしですが、「ちっちゃいちっちゃい」の繰り返しに舌を噛まないように、緩急をつけながら丁寧に語りましょう。何かが「おれのほねを、かえしてくれ!」という声がだんだんに大きくなるところは、はっきりとその差がわかるように声の大きさに留意しましょう。
絵本版には『ちいさいちいさいおばあさん』(イギリスの昔話 ポール・ガルトン/絵 はるみこうへい/訳 童話館出版  2001)や、『ティーニイタイニイちいちゃいおばちゃんーイギリスのこわ~い昔話』(ジル・ベネット/作 トミー・デ・パオラ/絵 ゆあさふみえ/訳 偕成社 1988)があります。 図書館にあれば、合わせて紹介してあげましょう。
 
ちいさいちいさいおばあさん
ポール ガルドン
童話館出版
2001-04-01
 
 
 
絵本『ゆめみるじかんよ こどもたち』ティモシー・ナップマン/文 ヘレン・オクセンバリ―/絵 石井睦美/訳 BL出版 2017 5分

ゆめみるじかんよ こどもたち
ティモシー・ナップマン
ビーエル出版
2017-06-27
 
庭でアリスとジャックがボール遊びをしていると森のほうから聞こえてくる不気味な声。一体なんの声なんだろう?と姉弟は森の中を踏み分けて行きます。だんだん近づく不気味な声。怖いオオカミかもしれないと思ったその時、二人が目にしたのは我が子に子守歌を歌うかあさんオオカミの姿でした。オオカミの不気味な声の部分は読みにくいかもしれませんが、声を低くしてゆっくりと読むとよいでしょう。

(作成K・J)
 

2018年7月(その2)海の中では(幼児~小学生)


今年の7月16日(月)は海の日です。広く青い海、打ち寄せる波の音は人の心を励ましてくれる力を持っているように思います。また、海から獲れる魚や海藻は私たちの体を養い、その他にもたくさんの資源をもたらしてくれるのも海。

そんな海ですが、海の中に視点を移してみると、違う世界が見えてくるのかもしれません。そんな思いで、幼児~小学生向けのおはなし会プランを作成しました。

 

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【海の中では】

導入 詩「大漁」「お魚」金子みすゞ 『金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと』(JULA出版局 1984)より 1分

わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集
金子 みすゞ
JULA出版局
1984-08-30

「大漁」では、鰯の大漁に喜ぶ浜の様子から一転、海の中では何万もの弔いが行われるだろうという、斬新な視点から、私たちが海の命をいただいていることのありがたさに気づかせてくれる、みすゞらしい詩です。
「お魚」では、「お米は人につくられる、牛はまき場でかわれてる。こいも池でふをもらう。」のに対して、海の魚は人間によってなにも世話をされていないのに、こうして食べられてしまうという、魚の立場から見た思いを詩にしています。

どちらも繰り返し読んで、味わってほしい詩です。4,5歳になればこの詩の世界は想像出来るのではと思います。

 

絵本『うみやまがっせん』上沢謙二/原案 長谷川摂子/.文 大島英太郎/絵 福音館書店 2014 5分

うみやまがっせん (こどものともコレクション2009)
長谷川 摂子
福音館書店
2009-02-25
 
おさるがやまから降りてきて「さあ、うみのさかなをつるぞ」を釣竿を海に投げ入れると、おおきなたこが「おまえなんかにつられてたまるか」と釣り糸をひっぱります。おさるが「おーい、だれかきてくれ」というとうさぎが加勢します。海のほうでも「おーい、だれかきてくれ」というと鯛が加勢します。そうして次々に陸と山で引っ張り合い。しまいには陸ではさる、うさぎ、たぬき、くま、とらがひっぱって、海側ではたこ、鯛、鮃、鮪、鮫とひっぱりあっても勝負はつきません。そこにひょっこり現れた1ぴきのかに。さてさてこのお話の結末は?繰り返しのある愉快なお話です。
 
素話「くらげ骨なし」『新訂・子どもに聞かせる日本の民話」(大川悦生/著 実業之日本社 1998)より 9分

子どもに聞かせる日本の民話
大川 悦生
実業之日本社
1998-03-01
 
海の底の竜宮では乙姫が大病にかかり、おおぜいの医者がよばれて様々な薬を処方しても治りません。占い師に聞くと、それには「さるの生き胆が効く」といいます。普段からさると親しくしていたかめがさるを竜宮に案内する役に抜擢されます。そんなこととは知らずに竜宮を訪れたさるは、くらげがいすず(イシモチ)とひそひそ話をしているのを聞くのです。「だいじな生き胆、砂山の上に干してきた」というので、かめは再びさるを連れて陸へ。そこでかめはさるに騙されたと知ります。そしてくらげはさるに秘密を漏らしたとして罰として骨抜きにされたのでした。このお話は、九州奄美の昔話を再話したものだそうです。インドの昔話の「さるの生きぎも」とそっくりのおはなしです。
 
わらべうた うみだよ かわだよ(小さい子向けのおはなし会プランと同じ)
うみだよかわだよ

 

 

 

 

 

 

絵本『あのほしなんのほし』みきつきみ/文 柳原良平/絵 こぐま社 2014 2分

あのほしなんのほし
みき つきみ
こぐま社
2014-05-01

最後の1冊は海を離れて、星の絵本です。子どもたちでも簡単に見つけることのできる星座を、わかりやすくリズミカルなことばと、はっきりと描かれた絵で伝えてくれる入門的な絵本です。この本を読んだあとに、写真絵本など星や天体観測に関するその他の資料を紹介してあげるとよいでしょう。一昨年出版された夜空をみあげよう(松村由利子/作 ジョン・シェリー/絵 渡部潤一/監修 福音館書店 2016)などもおすすめです。 

夜空をみあげよう (福音館の科学シリーズ)
松村 由利子
福音館書店
2016-05-15


 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

2018年7月(その1)夏も元気だよ!(小さい子向け)


今年は春先から気温の高い日が多く(逆に気温が下がる時もあって変化が激しいですね)、今年の夏はいったいどうなるのかな、と今から心配です。それでも、子どもたちにとって夏は薄着になって、気持ちも開放的になる季節。

太陽の光を浴びて夏でも元気に過ごしてほしいなと思います。そんな思いをこめて、小さい子向けのおはなし会プランを作成しました。

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【夏も元気だよ!】

導入 わらべうた ととけっこう
ととけっこう

 

 

 

絵本『ちびすけどっこい』こばやしえみこ/案 ましませつこ/絵 こぐま社 2012 1分半

「ちびすけどっこい はだかでこい ふんどすかついで はだかでこい」7月は名古屋で大相撲七月場所も開催される季節。小さい子どもにとっては、薄着になって身軽に身体を動かせる季節です。わらべうたを歌いながら、お相撲遊びをしてみるのもいいですね。

 

わらべうた ちびすけどっこい

ちびすけどっこい 

 

 

 

おかあさんのおひざの上に向かい合って座り、リズムに合せておかあさんと両手のひらを合わせて押し合います。

 

絵本『ごぶごぶごぼごぼ』駒形克己/作 1999 1分

ごぶごぶ ごぼごぼ (0.1.2.えほん)
駒形 克己
福音館書店
1999-04-15

 3度ほど、駒形克己さんのお話を伺ったことがあります。この絵本はあかちゃんがお腹の中で聞いていた音を表現しているということでした。(娘さんが胎内記憶も持っていた2歳のお誕生日のころに「ママのお腹の中はこうだった」というおしゃべりを絵本で表現したとのこと)お誕生前のあかちゃんに読み聞かせると注視したり、泣き止んだり、笑顔になったりする絵本です。ごぶごぶごぼごぼはおかあさんのお腹の中で腸が動く音かしら。水が流れていく音にも似ていますね。

 

わらべうた うみだよかわだよ

うみだよかわだよ

 

 

 

 

 

ここ3年続けて7月のおはなし会プランで紹介しているわらべうたです。夏にこそ、歌ってあげたいわらべうたです。遊び方はYouTubeなどにあがっています。スパークハーフという断ち切りで端糸の出ない布などで遊ぶと楽しいでしょう。(遊び方動画→こちら

 

わらべうた おふねがぎっちらこ

おふねがぎっちらこ

 

 

 

おかあさんのおひざの上で向かい合わせに座り、両手をつないで前後に揺れながら舟を漕ぎます。

 

絵本『かわいいあひるのあかちゃん』 モニカ・ウェリントン/作 たがきょうこ/訳 徳間書店 1994 2分

かわいいあひるのあかちゃん
モニカ ウェリントン
徳間書店
1994-07-01

かわいいあひるのあかちゃんの一日を描いた絵本です。好奇心いっぱいのあかちゃんは、見るもの、すべてが気になります。でもそうやってひとつひとつのことを覚えていくのですね。そうして最後はおかあさんの羽の下にみんな集まって安心して休みます。ちゃんと見守ってくれる存在があるからこそ、小さな子どもはいろんなことに触れて成長していけるのですね。水の色が涼しげで、楽しい絵本です。 

 

 絵本『ひまわり』和歌山静子/作 福音館書店 2005 1分

ひまわり (幼児絵本シリーズ)
和歌山 静子
福音館書店
2006-06-15
 
最後の1冊は元気よく芽を出し、伸びていくひまわりの絵本です。「どんどこ どんどこ」の繰り返しが単調にならないよう、読み方に工夫しましょう。読み終わったら子どもたちも一緒にひまわりになって、最初は小さくかがみ、少しずつ手と体をだんだん上に伸ばしていって、最後は頭上で手を広げてひまわりのように開く動作をやってみてもよいでしょう。
 
わらべうた さよならあんころもち
 
(作成K・J)
 

「お話(素話)を学ぶ第5回、第6回」報告


 29年度児童部会第5回(30年1月19日)と、第6回(3月16日)では、29年5月から学んできた「お話(素話)を学ぶ」の集大成として、各自が覚えたお話を部員たちの前で語りました。

 すでに図書館のおはなし会で語りをしている部員と、29年度の部会でお話を語ることの意義を学んでお話を覚え、人前で初めてお話を語る部員とがいて、それぞれがお互いの語りから多くのことを学び取りました。

 お話を語ってもらうことの楽しさ、耳から聴く読書が想像の世界を深めてくれることを身をもって体験したことは部員たちにとって大きな収穫であったと思います。

 文字をもたない太古の昔から、人々はさまざまな知恵や物語を語り継いできました。そうした耳から聴くことの醍醐味を子どもたちにも伝えていけるよう、図書館のおはなし会で積極的に「お話(素話)」を取り入れてほしいと思います。

 第5回の報告書提出が遅れたため、先に提出された第6回の報告書をUP出来ませんでした。今回まとめて2回分をここに公開いたします。illust1892_thumb

 

第5回児童部会報告書

第6回児童部会報告書

 

部会の様子は、第5回(→こちら)と第6回(→こちら)を参照ください。プログラムもそちらで公開しています。

(報告書作成 第5回B区M・N 第6回K区R・M)

2018年6月(その2)おへそにきをつけろ!(幼児~小学生)


6月は梅雨の季節。今年は春先の高温の状況などから2013年と同様の猛暑になるという予報で、集中豪雨も懸念されるとのこと。雨はすべての植物、動物にとっては天の恵みであり、降らないのは困りますが、過ぎたるは猶及ばざるが如し、被害の出ないことを祈ります。

さて、今回は素話「ヤギとライオン」と、絵本『へそとりごろべえ』を中心にプログラムを立てました。昨年末、長い間品切れだった赤羽末吉の『へそとりごろべえ』(1978年刊 童心社)が、改訂新版として復刊されました。赤羽末吉のユーモアあふれるこの作品は、私の友人が学童クラブで読んだところ、どの子も夢中になって聞いていたと聞きました。

雷のへそとりごろべえ、「ごーろごろーのぴーかぴか」と、雷を鳴らしてはいろんな動物や人物のへそを取って集めます。判型は小さいのですが、赤羽末吉らしい上等のユーモア絵本で、滑らかに口が回る節回しと、表情豊かな絵が、子どもたちを惹きつけるようです。おとなも子どもも一緒に楽しみたい絵本です。

 

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おへそにきをつけろ!】

導入 詩「あめ」山田今次/作 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』(はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房インターナショナル 2015)より (p76~77)1分

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19
 
 
「あめ あめ あめ あめ
 あめ あめ あめ あめ
あめはぼくらを ざんざか たたく (後略)」
雨音を表現する擬音には「ぴちぴちぱちゃぱちゃ」「ぽつんぽつん」「ぱらぱら」「ざあざあ」など、様々ありますが、この詩で「ざんざか」「ざかざか」「ざかざん」と擬音が使われており、まさに集中豪雨の表現です。雨の降り方を表す擬音にもいろいろあることを、耳から聴きながら感じてほしいなと思います。
 
 
絵本『あめじょあじょあ』イ・ミエ/文 田島征三/絵 おおたけきよみ/訳 光村教育図書 2009 3分半

あめ じょあじょあ
イ ミエ
光村教育図書
2009-06

「雨はどうして降るのかな?」という疑問に答えてくれる絵本はいくつかありますが、今回選んだのは韓国の詩人で児童文学作家のイ・ミエさんの文章に田島征三さんが絵を描いた作品です。この絵本でも雨の擬音表現はさまざまで、「じょあじょあ」という響きも面白いですね。雨の降り方の違いにも触れていて、導入で使った詩の「ざんざか」降る雨はどうしてか、子どもたちが聞いていてわかるようになっています。
 
 
 
素話「ヤギとライオン」(内田莉莎子/訳 トリニダード・トバゴの昔話)『子どもに聞かせる世界の民話』(矢崎源九郎/編 実業之日本社 1988)より(p8~10)7分

子どもに聞かせる世界の民話
実業之日本社
1988-05-01
 
ヤギが夕立に遭い、誘われるままにライオンの家で雨宿りをすると、ライオンがヴァイオリンを出して歌を歌います。その歌詞に震えあがったヤギは機転を利かせて咄嗟に歌を作って応酬します。このお話は、この歌の応酬がポイントとなります。自分で節をつけて歌えるとよいのですが、どのように歌ってよいかわからない人はこぐま社刊『おはなし会ガイドブック―小学生向きのプログラムを中心に』(茨木啓子・平田美恵子・湯沢朱実/編著 2003)の巻末に平田美恵子さん作曲の譜面が付いているので参考にするとよいでしょう。
 
 低学年向けのおすすめの素話、中高学年向けのおすすめの素話がリストアップされています。また語る時に気をつけるとよいことや、一緒に組み合わせるとよい絵本なども紹介されています。おはなし会で素話を取り入れようとする時の心強い味方になるガイドブックです。
 
 
 
絵本『へそとりごろべえ』赤羽末吉/作 童心社 2017 3分半

へそとり ごろべえ (復刊傑作絵本 ことばと詩のえほん)
赤羽 末吉
童心社
2017-12-07
 
とにかく語呂のいいことばがリズミカルに続いていきます。おへそを取る時に出る音も、面白く、滑らかに口を突いて出るように練習をして臨みましょう。赤羽末吉画の絵本『ももたろう』の登場人物も出てきて、とにかく最後まで息つく暇もないほどです。この作品の面白さが伝えるためにも、何度も読み込んでおくことをおすすめします。
 
 
 
わらべうた きゃーろのめだまに
きゃーろのめだまに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
唱え歌です。折り紙などで作ったカエルを上下に動かしながら歌ってみましょう。
 
 
 
絵本『あしたのてんきははれ?くもり?あめ?』野坂勇作/作 根本順吉/監修 かがくのとも傑作集 福音館書店 1993 5分

あしたのてんきは はれ? くもり? あめ? (かがくのとも絵本)
野坂 勇作
福音館書店
1997-05-31

最後の1冊は科学絵本です。雲の形や朝露、星の瞬き方で、翌日のお天気がわかることを13場面の劇場仕立てで教えてくれる絵本です。身近なことでお天気がわかると、ちょっとお友達にも自慢したくなることでしょう。こうした”センス・オブ・ワンダー”を子どもたちに伝えていきたいですね。

(作成K・J)

6月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2018)(更新あり)


6月のおはなし会☆おすすめ本リストを更新しました。

2017年に出た絵本や、新しく設けた「雷」をテーマとした絵本などを追加しました。

おはなし会の立案や、ブックトークの選書、テーマ展示などでご活用ください。

 

6月のおはなし会おすすめ本リスト2018

2018年4月16日に見落としていた絵本を4冊追加しました。
2018年4月19日にもう1冊追加しました。
illust522_thumb

 

 

2018年5月(その2)天までとどけ(幼児~小学生)


端午の節句では、邪気を避け魔物を祓うとされた「よもぎ」と「菖蒲」を軒につるす習慣が続いてきました。特に武家社会では「菖蒲」は「尚武」かけて使われたようです。さて、5月のおはなし会プランは、「よもぎ」と「菖蒲」の出てくる昔話「食わず女房」を中心に組み立ててみました。

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導入 写真絵本『森はオペラ』姉崎一馬/作 クレヨンハウス 2006 1分

森はオペラ
姉崎 一馬
クレヨンハウス
2012-10-01

 

新緑の季節、青葉が茂る季節です。樹木や森林を撮影する自然写真家の姉崎さんの、生命力に溢れる森の木々の写真と詩のコラボレーション絵本です。小さな芽生えはやがて大きな木へと育っていきます。木々は、太陽の光を浴び、風に葉を揺らしてまるで歌を歌っているよう。歌声は森のあちこちから集まってきてまるでオペラのようだと姉崎さんは感じたのでしょう。天をつく大木を見上げて「天までとどけ 森のオペラ」と力強いメッセージで終わります。それはそのまま、子どもたちの成長を見守る視線へと重なっていくように感じます。瑞々しい木々の写真をゆっくりと見せながら読んでいきましょう。 

 

絵本『きみはライオン!たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作 竹下文子/訳 偕成社 2017 5分

きみは ライオン!
ユ・テウン
偕成社
2017-08-24

 子どもたちが金色の朝陽を浴びながら、庭に集まってきました。朝のヨガの時間です。「きちんとすわって りょうてをひざに おおきくくちをあけ したをだす!」、するとそれはライオンのポーズ。ほかにもちょうちょや、いぬ、へび、かえるなど様々な動物に変身です。そして、最後は立ち上がって両手を頭の上に伸ばし、高く高く「やまになる しっかり つよく そびえたち てんまでとどけ」と背伸びをします。5月の爽やかな空気を吸い込んで元気に過ごせるよう最初の1冊はこの本を選びました。 

 

素話「食わず女房」『日本の昔話2したきりすずめ」(おざわとしお/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1995)より 7分

したきりすずめ (日本の昔話 2)
小沢 俊夫
福音館書店
1995-10-01
 
何も食べない女房を望んでいた若者の所へやってきた美しい娘。若者はこれ幸いと女房にします。よく働く上に何も食べないとはこれ幸いと思っていると、どんどん米や味噌が減っていきます。ある日こっそり梁に隠れて覗くと、なんと留守中に大飯食らう女房の姿、しかも髪の毛をとかすと頭のてっぺんに大きな口が開いていたという、お馴染みの昔話です。絵本『くわずにょうぼう』(稲田和子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店)や、紙芝居『くわず女房』(松谷みよ子/再話 長野ヒデ子/画 童心社)もあり、いずれの絵も好きなのですが、語りで聞くと余計に不気味さが伝わると思います。ぜひ語りに挑戦してみてください。
 

 

 絵本『こどもってね・・・・・・』ベアトリーチェ・アレマーニャ/作 みやがわえりこ/訳 きじとら出版 2017 5分

こどもってね……
ベアトリーチェ・アレマーニャ
きじとら出版
2017-09-05

「こどもってね、ちいさなひと」「こどもってね、ずっとこどものままじゃないんだよ」と、「こどもってね」の繰り返しでこどもたちの姿を描き出します。たくさんの可能性を秘めている子どもたちも、いつかはこの社会を支える存在に育っていきます。そのためにも子ども時代は子どもらしくたくさんの経験をたのしんでほしいなぁと思います。子どもたちの健やかな成長を願いながら読んであげたいと思います。

(作成K・J) 

2018年5月(その1)こちょこちょ(小さい子)


小さい子って、くすぐってもらうのが大好きですね。わらべうたでも「くすぐり遊び」大好きで、くすぐる前からそのわらべうたを歌い始めただけで笑い出す子もいます。「くすぐったい感覚」については、古来より脳科学や心理学など様々な角度から研究が重ねられています。緊張をほどいて自律神経のバランスを取るのに有効だという研究結果や、信頼できる他人(主に肉親)とのふれあいを通して正常な社会性の獲得に役立つという研究もあります。

そんなことを考えながら、初夏を迎えて薄着になる季節、親子でたっぷり触れ合えるプログラムを考えてみました。

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【こちょこちょ】

導入 わらべうた このこどこのこ

このこどこのこ

 

 

 

 

おひざの上で抱きしめてもらって、ゆっくり抱いている大人が左右にそっと揺れます。揺らし過ぎないようにしましょう。

 

わらべうた ここはとうちゃんにんどころ

ここはとうちゃん

 

 

 

 

 

 

「にんどころ」とは「似ているところ」という意味です。「とうちゃん」は右の頬、「かあちゃん」は左の頬、「じいちゃん」は額、「ばあちゃん」は顎、「ねえちゃん」は鼻をさわって、最後は顔全体をさすって最後は盛大にこちょこちょをしてあげます。

 

絵本『こちょこちょさん』おーなり由子/文 はたこうしろう/絵 講談社 2016 1分

こちょこちょさん (講談社の幼児えほん)
おーなり 由子
講談社
2016-01-21
 
「くるよ くるよ こちょこちょさん」ちょっと不機嫌な顔のあかちゃんのところにやってくるこちょこちょさん。だんだんあかちゃんの表情もゆるんでいって、大笑い。最後はぎゅ~っと抱きしめてもらってごきげんに!単純だけど、こちょこちょ遊びは小さい子の心を解放し、穏やかにしてくれますね。

 

絵本『こりゃ まてまて』中脇初枝/文 酒井駒子/絵 0.1.2えほん 福音館書店 2008 1分

こりゃ まてまて (0.1.2.えほん)
中脇 初枝
福音館書店
2008-05-15

 小さい子は目にするものすべて興味津々です。「まてまて」と追いかけていきます。そんな時におとながその気持ちにゆったりと寄り添ってあげられるといいですね。身の回りのものへの関心センス・オブ・ワンダーは、知識への入り口です。 

 

わらべうた とうきょうとにほんばし

とうきょうとにほんばし

 

 

 

 

 

「いっぽんばしこちょこちょ」と同じ遊びです。子どもの掌や、足の裏を使って遊びます。「とうきょうと」は一本指で触り、「にほんばし」は二本の指で触り、「がりがりやまの」で指全体でがりがりとこすり、「パンやさん」で軽く叩き、「つねこさん」で軽くつねります。最後は腕や足に下から指を這わせて、脇の下などをくすぐります。右手、左手、あるいは右足、左足とやる場所を変えて繰り返してみましょう。

 

絵本『はしるのだいすき』わかやましずこ/作 0.1.2えほん 福音館書店 2003 1分

はしるの だいすき (0.1.2.えほん)
わかやま しずこ
福音館書店
2003-01-25

 

初夏になって身軽になって、子どもたちも外遊びを楽しむ季節です。リズミカルに読んであげましょう。 

 

絵本『どうぶつのおやこ』薮内正幸/画 福音館書店 1966 1分

こちらは文字のない絵本です。5月は母の日、6月は父の日もありますね。動物の親子がどうしているかなぁと、声をかけてあげながら絵を順番に見せてあげましょう。

 

わらべうた いちりにり

いちりにり

 

 

 

 

 

最後もこちょこちょ遊びです。小さい子が仰向けになって足をおとなのひざに向けた形で行います。「いちり」で両足の指先を持って左右に揺すり、「にり」で両足首を持って左右に揺すり、「さんり」で両ひざをもって左右に揺すり、「しりしりしり」でおしりを両脇からくすぐります。最初はゆっくり、だんだん早く、繰り返して遊びましょう。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

5月のおすすめ本リスト(2018)


厳しかった冬も一気に解けてきています。河津桜の花便りも聞こえてきました。花木蓮の蕾も膨らんで開花まであと一息。

今冬、寒さが厳しかっただけに、春の訪れは嬉しいですね。

サイトの方では2か月前倒しで本のリストのUPや、おはなし会プランの更新をしています。3月は5月のおはなし会や展示で使える本をピックアップ。青い空に爽やかな風、目に染みる青葉の季節を思い浮かべながら、図書館や書店、そして家庭文庫をしている自宅の書架を眺めながら本を選んでいきました。2017年に出た絵本も追加しました。

おはなし会のプログラムを考える時や、展示コーナー作成の際の参考にしていただけるとうれしいです。

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5月のおはなし会おすすめ本リスト2018

 

2018年4月(その2)ひとりでできるもん(幼児~小学生)


 子どもたちが成長していくということは、ひとりで出来ることが増えることです。ひとりで出来ることが増えて、自分で考えて自分で判断できるようになっていくと、いずれ親から自立していきます。学校へ通うということは、その第一歩。

日本の学校のシステムは、4月に一斉に入学して、同じようにランドセルを背負って、同じ進度で学習を進める一斉方式。海外では特に入学式も無く、子どもたちそれぞれの進度に応じて飛び級もあり、クラスの中に様々な年齢の子がいることも普通です。ひとクラスの人数も少なくて、ひとりひとりに合った教育が可能であるのは制度の違いもあるからです。今回紹介する絵本『くんちゃんのはじめてのがっこう』は、そんな海外の学校を描いていて、なんだか日本の入学とは違うなあと思うでしょう。でも、はじめての学校生活で感じる子どもたちの不安や喜びは、どこも同じなのではと思って選びました。素話は、巣立ちの練習をする「こすずめのぼうけん」です。

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【ひとりでできるもん】

導入 詩「たんぽぽ」川崎洋/作 1分
 『声で読む日本の詩歌166 おーいぽぽんた』(茨城のり子・大岡信・川崎洋・岸田衿子・谷川俊太郎/編 柚木沙弥郎/画 福音館書店 2001)より

川崎洋の「たんぽぽ」には、この詩集のタイトルにもなった「おーい ぽぽんた」という言葉が出てきます。子どもたちと、その言葉の面白さを味わいながら、一緒に声に出して読んでみるといいでしょう。こちらが最初に読んで、復唱してもらうと、子どもたちも一緒に詩を味わうことが出来ます。
 

素話「こすずめのぼうけん」エインズワース/作 石井桃子/訳 (『おはなしのろうそく13』東京子ども図書館/刊 より)7分

おはなしのろうそく 13
東京子ども図書館
2001-05-01

絵本もありますが、素話で語ってあげるとまた味わいが違います。「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんです」の繰り返しに、子どもたちも我が事のようにおはなしの中に入り込み、最後に「あなたのおかあさんじゃないの」っていう言葉でホッと表情が緩むのがわかります。

 
 

絵本『くんちゃんのはじめてのがっこう』ドロシー・マリノ/作 まさきるりこ/訳 ペンギン社 7分

くんちゃんのはじめてのがっこう
ドロシー・マリノ
ペンギン社
1982-04
 
 はじめて学校へ行った日、くんちゃんは上級生がどんどん勉強するのをみて不安に思います。先生が新入生に声をかけ、前に出てくるようにいった隙に、くんちゃんは教室から飛び出します。でも中が気になって窓から覗いていたくんちゃんは、ちゃんと先生の問いかけに答えます。先生に受け入れてもらって安心したくんちゃんの様子に、聞いている子どもたちもほっと和むことでしょう。
 
 
絵本『せんをたどってがっこうへいこう』ローラ・ユングヴィスト/作 ふしみみさを/訳 講談社 2012 3分
せんをたどって がっこうへいこう (講談社の翻訳絵本)
ローラ・ユンクヴィスト
講談社
2012-02-28
 
一筆書きの文字をたどって、学校の教室を移動していきます。学校での学びはわくわくすることがいっぱい。図書室に行ったり、理科室へ行ったり、音楽室に行ったり!子どもたちに新学期を前向きに迎えてほしいなと思います。各ページに子どもたちに問いかける文章が下部にありますが、集団の読み聞かせの際は、本文だけを読んであげればよいでしょう。
 
(作成K・J)

 

2018年4月(その1)このゆびとまれ!(小さい子)


 立春を過ぎて、陽射しは春らしくなってきました。私にとって春のイメージはというと、賑やかな笑い声を響かせながら子どもたちが一斉に外に飛び出して遊びに夢中になっている様子が浮かびます。
そんな姿を思い浮かべながら、4月の小さい子向けおはなし会プランを作りました。

 

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【このゆびとまれ!】

導入 わらべうた おすわりやす
おかあさんのおひざ、ある時はおとうさんのおひざでも、はたまたおじいちゃんやおばあちゃんのおひざも、小さな子どもにとってはなによりも安心できる場所です。十分におひざの上に座っておはなし会を楽しんでもらいましょう。
おすわりやす

 

 

 

 

 

 

わらべうた ととけっこう
起こし遊びのわらべうたです。もし図書館にマスコットの人形などがあれば、この歌を歌って起こしてあげましょう。指さしながらこのわらべうたを歌います。「もう起きたかな?」と言って、人形に耳を近づけると「グー、グー」いびきをかいています。起きるまで2、3回繰り返します。起きてきたら人形も一緒におはなし会に参加してもらいましょう。
ととけっこう

 

 

 

 

絵本『あいうえおはよう』にしまきかやこ/作 こぐま社 2003 1分

あいうえおはよう
西巻 茅子
こぐま社
2003-03-01

 「あいうえおはよう かきくけこぶた・・・」と五十音順で、おはなしがリズミカルに進んでいきます。アップリケと刺繍で描かれた絵も味わい深く素敵です。

 

 わらべうた ちゅーりっぷしゃーりっぷ

ちゅーりっぷしゃーりっぷ

 

 

 

 

ひとりが輪の中に入り、他の人は輪になって手をつないで歌いながら回ります。輪の中にいる人にお名前を呼ばれたら交代して輪の中に入り繰り返し遊ぶわらべうたです。おはなし会の会場によっては、実際に立って動くことが無理な場合があるでしょう。そんな時は掌を合わせてチューリップの花を作り左右に揺らしながら歌い、名前を呼ぶところで参加者ひとりひとりの名前を入れて呼んであげてもよいでしょう。

 

絵本『このゆびとまれ』平出衛/作 福音館書店 2003 1分半

女の子が「いっしょにあそぶもの、このゆびとまれ」というと、つぎつぎ動物たちが寄ってきて、最後にゆびさきに止まったのは・・・小型絵本ですが余白が広くとってあるので、女の子の表情も子どもたちに伝わると思います。
 

わらべうた じぃーじぃーばあ
じいじいばあ

 

 

 

 

 

ハンカチやシフォン布(スパークハーフ)を使って遊びます。「じぃーじぃー」でハンカチや布で顔を隠し、「ばあ」で顔を出します。「ちりんぽろんと」でハンカチや布を左右に振って、「とんでったー」で高く上に飛ばします。なんどか繰り返しやってみましょう。

 

絵本『みんなみーつけた』岸田衿子/作 山脇百合子/絵 福音館書店 1999 2分

みんな みーつけた (幼児絵本シリーズ)
きしだ えりこ
福音館書店
1999-08-31

子どもたちってかくれんぼが大好き。男の子と動物たちがかくれんぼします。さいごまで隠れていたのはだれかな。かくれんぼで声を掛け合う 「もういいかい」「もういいよ~」「みーつけた」も、お互いの存在を確かめ合う素敵な言葉ですね。

 

わらべうた さよならあんころもち

さいごはみんなで「さよならあんころもち」を歌って会を閉じます。

 

(作成K・J)

 

2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)


3月のおはなし会プランは、イギリスの昔話「三びきのこぶた」を中心に組み立てました。誰もが知っている昔話ですが、実はイギリスで再話された昔話ではなくて甘く改変されたものしか、知らないという人も多いようです。

この昔話は、こぶたたちが母ぶたの家から巣立って自立していくことがテーマになっています。自分の足で人生を切り拓く時に必要なのは安易な道を選ぶのではなく、知恵を使って権力と対峙し、自分で困難の多い人生を歩んでいくことなのだというメッセージが込められています。わらで家を作ったこぶたが木の家を作ったこぶたの家に逃げ込み、またその二匹ともがレンガで家を作ったこぶたの家に逃げ込むのでは、そうしたメッセージが伝わりません。また、おおかみとの知恵比べもないままにおおかみが煙突から侵入し、火傷を負うだけで逃げていくとしたら、自分の生命を脅かす悪意のある力に対して勝ったことにはなりません。ずる賢いおおかみを出し抜き、その上で怒り狂ったおおかみが煙突から侵入してきたのを煮て食べてこそ、悪への勝利、弱者が強者へ打ち勝つというカタルシスを引き出すのです。

権力を持つものによって虐げられてきた庶民が伝え語り継いできた昔話は、改変せず、語ってあげたいものです。

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【一歩踏み出す】

導入 詩「ある日の菜の花」『地球パラダイス』(工藤直子/詩、石井聖岳/絵 偕成社 2012)より 1分

地球パラダイス
偕成社
2012-09-12
 
春のまぶしい陽射しの中で、菜の花が揺れると、つられてモンシロチョウもカマキリもミミズも動き出します。小さな虫たちも新しい季節を謳歌しています。そんなみずみずしい詩です。石井聖岳さんの描く菜の花畑も生命力にあふれています。詩の朗読のあとに、ぜひ絵も子どもたちに見せてあげてください。
 
 

素話 「三びきのこぶた」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン/画 福音館書店 1981)より 12分

イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20
 
「三びきのこぶた」の再話では瀬田貞二の訳のものもありますが、ここでは石井桃子訳を選びました。どちらもリズミカルで覚えやすいテキストです。石井桃子訳ではこぶたは「いやだよ、いやだよ、そんなこと、とん、とん、とんでもないよ」、おおかみは「そんなら、おれはフッとふいて、プッとふいて、この家、ふきたおしちゃうぞ!」というセリフですが、瀬田貞二訳では「だめ、だめ、だめ。めっそうもない」「そいじゃ、ひとつ、ふうふうのふうで、この家、ふきとばしちまうぞ」となっています。子どものころ、どちらで聞いたでしょうか。どちらも味わい深いので、覚えやすいほうで覚えるとよいでしょう。瀬田貞二版のテキストは次の2点です。
 
『金のがちょうのほん-四つのむかしばなし-』より「三びきのこぶた」 レズリー・ブルック/文・画 瀬田貞二/訳 福音館書店 1980
金のがちょうのほん (世界傑作童話シリーズ)
レズリー・ブルック
福音館書店
1980-11-25
 
 
 
 
『三びきのこぶた』イギリス昔話 瀬田貞二/訳 山田三郎/画 福音館書店 1960
三びきのこぶた
山田 三郎
福音館書店
1967-04-01


 

絵本『つくし』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 4分半

つくし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
甲斐 信枝
福音館書店
1997-02-15

 

春先の野原に顔を出すつくし。都会ではあまり見る機会がないかもしれませんが、皇居のお堀端や、総武線沿線の土手、江戸川、荒川、多摩川などの土手などで見つけることができます。土を押し上げ出てくるつくしには、「さあ、伸びるぞ!」と元気がもらえるような気がします。小さい子プランにも入れているわらべうた「ずくぼんじょ」を歌ってもよいでしょう。

 

わらべうた ずくぼんじょ

ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずくぼんじょ」は「つくし」の方言です。頭の上に両手を合わせて頭巾を作って、左右に揺れながら「ででこらさい」と歌ったあとで、「にょき!」っと上に伸びます。何度か繰り返し歌ってずんずん高くしていきます。最初は座って始めて、最後にうんと背伸びしてもよいでしょう。 

 

絵本『たくさんのドア』アリスン・マギー/文 ユ・テウン/絵 なかがわちひろ/訳 主婦の友社 2010 3分

たくさんのドア
アリスン・マギー
主婦の友社
2010-11-17

 

しばらく品切れになっていた作品ですが、1月下旬に増刷されました。
子どもたちが歩んでいく先で出合うさまざまな経験、それをたくさんのドアになぞらえて、ひとりひとりの歩みにエールを送る絵本です。「きょうも あしたも あなたは たくさんの ドアを あけていく そのむこうに たくさんの あたらしいことが まっている」、それは時にはおどろくことであったり、たのしいことであったり、よろこびであったりする。困難なときも、あなたは守られている、だから進んでいけという力強いエールです。ひとつ学年をあげたり、進級していく子どもたちにぜひ読んであげたい1冊です。

(作成K・J)

2018年2月(その2)そのなまえは…(幼児~小学生)


私たちの身の回りにあるものには、みんながわかるようになまえがついています。でも、もしそのなまえが呼び慣れないものだとしたら?今回、取り上げる素話はイギリスの昔話で「だんなも、だんなも、大だんなさま」です。短いお話ですがオチが子どもたちに理解できるように語るには少し工夫が必要です。ぜひ挑戦してみてください。

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【あなたのなまえは…】

導入 詩「雪」三好達治 (『ポケット詩集Ⅱ』田中和雄/編 童話屋 2001)より 1分

ポケット詩集〈2〉
童話屋
2001-10-01
 
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。(以下略)」というたった2行の短い詩の中に、雪深い地方の静かに更けゆく冬の夜の情景が浮かびます。子どもたちにはそこまで鑑賞することは出来ないと思いますが、一緒に復唱してもらって雪降る夜を想像してもらえるといいなと思います。

 

素話「だんなも、だんなも、大だんなさま」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン/画 福音館書店 1981、福音館文庫版 2002)より 4分

イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20

私たちの身の回りには、みんながわかるなまえがついています。ベッドはベッド、ズボンはズボン、ネコはネコと。ところが田舎から出てきた女中さんに、その家の主人は違うなまえで呼ぶように申し伝えます。たとえばベッドは「へばりつき」、ズボンは「ドタバタドカン」、ネコは「色白のおどりんこ」というように。さて、夜になってその家でどうも火事が起きたのですが…珍妙ななまえのおかげで起こすのに手間取る女中の娘。それがわかるように、スピード感を持って語ることが肝要です。

 

絵本『つるにょうぼう』矢川澄子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店 1979 8分半

 雪深い山里で与平が助けた一羽の鶴。その鶴が雪に埋もれるように佇んでいる与平の家へ「女房にしてくださいまし」と訪ねてきます。赤羽末吉が描く情景描写もさることながら、おはなしのテンポもよく、冬の季節に読んであげたい絵本です。最後の鶴が遠くかなたを飛んでいくことばのないページもじっくりと絵を見せてあげてください。

 

絵本『おばけのゆきだるま』ジャック・デュケノワ/作 おおさわあきら/訳 ほるぷ出版 2013 2分

おばけのゆきだるま
ジャック デュケノワ
ほるぷ出版
2013-10-01

 おばけたちが夜の雪原に出て行って、雪合戦にスキーとおおはしゃぎする絵本です。判型の小さな絵本ですが絵がはっきりしているので、遠目も利きます。しっとりとした昔話のあとで少し息抜きの意味もこめて選びました。

 

 写真絵本『きらきら』谷川俊太郎/文 吉田六郎/写真 アリス館 2008 3分

きらきら
谷川 俊太郎
アリス館
2008-11-01

 30点ほどの雪の結晶の写真に詩のように語りかける谷川俊太郎さんがことばをつけました。ひとつとして同じ形のない雪の結晶。そのどれもがきらきらと輝いてきれいです。

(作成K・J)

2018年2月(その1)ゆきこんこん(小さい子)


 この冬の北日本は、早くもたくさんの雪が積もっているようです。北海道も日本海側の地域も12月にこの雪の量は多いとのこと。多雪地帯の苦労を想いつつ、雪をテーマに小さい子向けのおはなし会プログラムを作成しました。わらべうたは昨年の1月のおはなし会プランでも紹介した「雪」を題材にして歌っているものです。わらべうたは何度も繰り返し耳から聴いて覚えていくもの。この季節にはこのわらべうたをと、繰り返し歌いたいと思います。

 

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【ゆきこんこん】

導入 わらべうた うえみればむしこ

うえみればむしこ

雪が降るのを見上げれば虫が降ってくるように見える。目を屋根や木々に向けると綿帽子のように見える。下を見るとたしかに白い雪だと歌っているわらべうたです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ごろんごゆきだるま』たむらしげる/作 福音館書店(0.1.2えほん) 2007

ごろんご ゆきだるま (0.1.2.えほん)
たむら しげる
福音館書店
2007-10-25

 ごろごろ雪がころがって雪だるまに・・・たむらさんご自身が染めた布をアップリケした温か味のある絵本です。ことばのリズムも心地よく小さな赤ちゃんにもぴったりの1冊です。

 

 

わらべうた あめこんこん ゆきこんこん

あめこんこん

輪唱で歌うと楽しいわらべうたです。社員の方はeラーニングも参照してください。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 絵本『ゆきみちさんぽ』えがしらみちこ/作 講談社 2016
 
江頭 路子
講談社
2016-11-10

 雪の日におでかけした幼い子どもの驚きと感動を丁寧に描いた絵本です。最後に登場するお母さんの姿にも安心感があります。寒い日でも元気に外に飛び出して遊びたくなります。

 

わらべうた おおさむこさむ

おおさむこさむ

「おおさむこさむ」では両手で身体をなでます。「やまからこぞうがとんできた なんといってとんできた」は、耳に手をあてる動作を左右交互にします。「さむいといってとんできた」でまた身体をこすります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた おせよおせよ

おせよおせよ

おしくらまんじゅうの歌です。付き添いの保護者と身体をくっつけて押し合います。

 

 

 

 

 

 

 絵本『ゆきふふふ』東直子/策 きうちたつろう/絵 くもん出版 2010

ゆき ふふふ (はじめてであうえほんシリーズ)
ひがし なおこ
くもん出版
2010-10-01

雪の降る日の子どもたちの気持ちを、詩人のひがしなおこさんがリズミカルな言葉で伝えてくれる絵本です。「おでこにしゅわん ほっぺたにしゅわん」 雪の日のはずむ気持ちをこの絵本が伝えてくれています。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J) 

2018年1月(その2)ぬくぬくあったまる(幼児~小学生)


幼児~小学生向けのおはなし会プランは、中心になる素話は「だめといわれてひっこむな」(『愛蔵版おはなしのろうそく5だめといわれてひっこむな』東京子ども図書館刊)で、4分ほどの短いお話です。そこで、合せる絵本は3冊でそのうち2冊は長めになっています。寒い冬のおはなし会。みんなでじっくりと聞けるといいですね。

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【ぬくぬくあったまる】

 導入 「ありがたいなぁ おしょうがつ」矢崎節夫(『矢崎節夫童謡集 きらり きーん』JULA出版局 より) 1分

きらり きーん―矢崎節夫童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
矢崎 節夫
JULA出版局
2016-03-01
 
 


「いちねんかけて ぐるーん
 たいようの まわりを
 まわって きたんだ
 たいへんだったね おしょうがつ
 おめでとうございます」  (一部引用)

 

絵本『しんせつなともだち』方 軼羣/作 君島久子/訳 村山知義/画 福音館書店 1965 4分

しんせつなともだち
方 軼羣
福音館書店
1987-01-20

雪がたくさん降った日、こうさぎはたべものをさがしに出かけてかぶを二つみつけます。ひとつは自分で食べて、もうひとつはともだちのろばさんに持って行ってあげることにします。ところがろばさんはお出かけ。そっとかぶを置いて帰ります。ろばはろばで、そのかぶをともだちのこやぎのところへ持っていくのです。優しい気持ちがぐるっとひとまわりする、長く読み継がれているお話から、新年はスタートです。

 

素話「だめといわれてひっこむな」アルフ・プロイセン/作(『愛蔵版おはなしのろうそく5だめといわれてひっこむな』東京子ども図書館刊 より)4分

 

 

おばあさんが暖炉のそばで編み物をしていると、そばの小さな穴からねずみの子どもが顔を出します。そして何を編んでいるか聞きます。おばあさんのだんなさんのセーターだと聞いて、ではだんなさんの古いセーターはどうするの?と聞くこねずみ。「チュー、チュー、チュー。おかあちゃんがきいてこいって」という言い方がなんともかわいいこねずみ。最終的にはこねずみもぬくぬくあったまる素敵なプレゼントをもらいます。くりかえしのある短いお話です。リズミカルに語ってあげましょう。

 

絵本『こうさぎと4ほんのマフラー』わたりむつこ/作 でくねいく/絵 のら書店 2013 7分

こうさぎと4ほんのマフラー
わたり むつこ
のら書店
2013-11-01

 

うさぎまちに住むこうさぎ4人きょうだいの元に、おばあちゃんから温かいマフラーが送られてきます。雪が降り続いたあと、4人のきょうだいは森へとでかけます。そこには春先に出会った大きなぶなの木、ぶなじいがいるからです。7分と少し長めのおはなしですが、でくねいくさんの描くこうさぎたちの表情が生き生きとしていて、子どもたちは一緒になって雪の森を歩いているような気持になれると思います。

 

絵本『おじいちゃんのコート』ジム・エイルズ・ワース/文 バーバラ・マクリントック/絵 福本友美子/訳 ほるぷ出版 2015 10分

おじいちゃんのコート (海外秀作絵本)
ジム エイルズワース
ほるぷ出版
2015-10-28

 

 
イディッシュ語(東ヨーロッパなどで使用されるユダヤ人の言語)の民謡が元になっているおはなしです。同じ民謡を元にした絵本に『おじいさんならできる』(フィービ・ギルマン/作 芦田ルリ/訳 福音館書店 1998)や、コールデコット賞受賞作の『ヨセフのだいじなコート』(シムズ・タバック/作 木坂涼/訳 フレーベル館 2001)があります。それぞれの作品は、最初が赤ちゃんの時におじいさんに贈られたブランケットだったり、すりきれた古いコートだったりするのですが、この作品では仕立て屋だったおじいちゃんが結婚する時に自分で仕立てたコートがはじまりです。古くなってすりきれるたびに上着やベスト、ネクタイと変化していくところは同じですが、最後には孫のためのねずみのおもちゃになるおはなしです。素話「だめといわれてひっこむな」と共通点のある絵本を最後にもってきました。

 

(作成K・J)

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