Tag Archive for 春のおはなし会

2018年4月(その2)ひとりでできるもん(幼児~小学生)
2018年4月(その1)このゆびとまれ!(小さい子)
4月のおすすめ本リスト
2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)

2018年4月(その2)ひとりでできるもん(幼児~小学生)


 子どもたちが成長していくということは、ひとりで出来ることが増えることです。ひとりで出来ることが増えて、自分で考えて自分で判断できるようになっていくと、いずれ親から自立していきます。学校へ通うということは、その第一歩。

日本の学校のシステムは、4月に一斉に入学して、同じようにランドセルを背負って、同じ進度で学習を進める一斉方式。海外では特に入学式も無く、子どもたちそれぞれの進度に応じて飛び級もあり、クラスの中に様々な年齢の子がいることも普通です。ひとクラスの人数も少なくて、ひとりひとりに合った教育が可能であるのは制度の違いもあるからです。今回紹介する絵本『くんちゃんのはじめてのがっこう』は、そんな海外の学校を描いていて、なんだか日本の入学とは違うなあと思うでしょう。でも、はじめての学校生活で感じる子どもたちの不安や喜びは、どこも同じなのではと思って選びました。素話は、巣立ちの練習をする「こすずめのぼうけん」です。

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【ひとりでできるもん】

導入 詩「たんぽぽ」川崎洋/作 1分
 『声で読む日本の詩歌166 おーいぽぽんた』(茨城のり子・大岡信・川崎洋・岸田衿子・谷川俊太郎/編 柚木沙弥郎/画 福音館書店 2001)より

川崎洋の「たんぽぽ」には、この詩集のタイトルにもなった「おーい ぽぽんた」という言葉が出てきます。子どもたちと、その言葉の面白さを味わいながら、一緒に声に出して読んでみるといいでしょう。こちらが最初に読んで、復唱してもらうと、子どもたちも一緒に詩を味わうことが出来ます。
 

素話「こすずめのぼうけん」エインズワース/作 石井桃子/訳 (『おはなしのろうそく13』東京子ども図書館/刊 より)7分

おはなしのろうそく 13
東京子ども図書館
2001-05-01

絵本もありますが、素話で語ってあげるとまた味わいが違います。「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんです」の繰り返しに、子どもたちも我が事のようにおはなしの中に入り込み、最後に「あなたのおかあさんじゃないの」っていう言葉でホッと表情が緩むのがわかります。

 
 

絵本『くんちゃんのはじめてのがっこう』ドロシー・マリノ/作 まさきるりこ/訳 ペンギン社 7分

くんちゃんのはじめてのがっこう
ドロシー・マリノ
ペンギン社
1982-04
 
 はじめて学校へ行った日、くんちゃんは上級生がどんどん勉強するのをみて不安に思います。先生が新入生に声をかけ、前に出てくるようにいった隙に、くんちゃんは教室から飛び出します。でも中が気になって窓から覗いていたくんちゃんは、ちゃんと先生の問いかけに答えます。先生に受け入れてもらって安心したくんちゃんの様子に、聞いている子どもたちもほっと和むことでしょう。
 
 
絵本『せんをたどってがっこうへいこう』ローラ・ユングヴィスト/作 ふしみみさを/訳 講談社 2012 3分
せんをたどって がっこうへいこう (講談社の翻訳絵本)
ローラ・ユンクヴィスト
講談社
2012-02-28
 
一筆書きの文字をたどって、学校の教室を移動していきます。学校での学びはわくわくすることがいっぱい。図書室に行ったり、理科室へ行ったり、音楽室に行ったり!子どもたちに新学期を前向きに迎えてほしいなと思います。各ページに子どもたちに問いかける文章が下部にありますが、集団の読み聞かせの際は、本文だけを読んであげればよいでしょう。
 
(作成K・J)

 

2018年4月(その1)このゆびとまれ!(小さい子)


 立春を過ぎて、陽射しは春らしくなってきました。私にとって春のイメージはというと、賑やかな笑い声を響かせながら子どもたちが一斉に外に飛び出して遊びに夢中になっている様子が浮かびます。
そんな姿を思い浮かべながら、4月の小さい子向けおはなし会プランを作りました。

 

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【このゆびとまれ!】

導入 わらべうた おすわりやす
おかあさんのおひざ、ある時はおとうさんのおひざでも、はたまたおじいちゃんやおばあちゃんのおひざも、小さな子どもにとってはなによりも安心できる場所です。十分におひざの上に座っておはなし会を楽しんでもらいましょう。
おすわりやす

 

 

 

 

 

 

わらべうた ととけっこう
起こし遊びのわらべうたです。もし図書館にマスコットの人形などがあれば、この歌を歌って起こしてあげましょう。指さしながらこのわらべうたを歌います。「もう起きたかな?」と言って、人形に耳を近づけると「グー、グー」いびきをかいています。起きるまで2、3回繰り返します。起きてきたら人形も一緒におはなし会に参加してもらいましょう。
ととけっこう

 

 

 

 

絵本『あいうえおはよう』にしまきかやこ/作 こぐま社 2003 1分

あいうえおはよう
西巻 茅子
こぐま社
2003-03-01

 「あいうえおはよう かきくけこぶた・・・」と五十音順で、おはなしがリズミカルに進んでいきます。アップリケと刺繍で描かれた絵も味わい深く素敵です。

 

 わらべうた ちゅーりっぷしゃーりっぷ

ちゅーりっぷしゃーりっぷ

 

 

 

 

ひとりが輪の中に入り、他の人は輪になって手をつないで歌いながら回ります。輪の中にいる人にお名前を呼ばれたら交代して輪の中に入り繰り返し遊ぶわらべうたです。おはなし会の会場によっては、実際に立って動くことが無理な場合があるでしょう。そんな時は掌を合わせてチューリップの花を作り左右に揺らしながら歌い、名前を呼ぶところで参加者ひとりひとりの名前を入れて呼んであげてもよいでしょう。

 

絵本『このゆびとまれ』平出衛/作 福音館書店 2003 1分半

女の子が「いっしょにあそぶもの、このゆびとまれ」というと、つぎつぎ動物たちが寄ってきて、最後にゆびさきに止まったのは・・・小型絵本ですが余白が広くとってあるので、女の子の表情も子どもたちに伝わると思います。
 

わらべうた じぃーじぃーばあ
じいじいばあ

 

 

 

 

 

ハンカチやシフォン布(スパークハーフ)を使って遊びます。「じぃーじぃー」でハンカチや布で顔を隠し、「ばあ」で顔を出します。「ちりんぽろんと」でハンカチや布を左右に振って、「とんでったー」で高く上に飛ばします。なんどか繰り返しやってみましょう。

 

絵本『みんなみーつけた』岸田衿子/作 山脇百合子/絵 福音館書店 1999 2分

みんな みーつけた (幼児絵本シリーズ)
きしだ えりこ
福音館書店
1999-08-31

子どもたちってかくれんぼが大好き。男の子と動物たちがかくれんぼします。さいごまで隠れていたのはだれかな。かくれんぼで声を掛け合う 「もういいかい」「もういいよ~」「みーつけた」も、お互いの存在を確かめ合う素敵な言葉ですね。

 

わらべうた さよならあんころもち

さいごはみんなで「さよならあんころもち」を歌って会を閉じます。

 

(作成K・J)

 

4月のおすすめ本リスト


今年の冬は、全国的に寒さが厳しい日が続いています。ここ何年か真冬でも全面的に凍ることが少なくなったという長野県諏訪湖も5年ぶりに厚い氷に覆われ、御神渡り(湖面に一部氷が盛り上がった氷堤が出来る現象)が起きたと今朝のニュースで言っていました。

寒さはまだこの先も続きますが、暦の上では立春を迎え、日に日に陽射しも伸びて、冬芽も膨らんできました。

春を待ちながら、4月のおはなし会おすすめ本リストを更新しました。おはなし会だけでなく、特集展示やブックトークの準備に役立ててください。

4月のおはなし会おすすめ本リスト2018illust565_thumb (1)

(作成K・J)

2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)


3月のおはなし会プランは、イギリスの昔話「三びきのこぶた」を中心に組み立てました。誰もが知っている昔話ですが、実はイギリスで再話された昔話ではなくて甘く改変されたものしか、知らないという人も多いようです。

この昔話は、こぶたたちが母ぶたの家から巣立って自立していくことがテーマになっています。自分の足で人生を切り拓く時に必要なのは安易な道を選ぶのではなく、知恵を使って権力と対峙し、自分で困難の多い人生を歩んでいくことなのだというメッセージが込められています。わらで家を作ったこぶたが木の家を作ったこぶたの家に逃げ込み、またその二匹ともがレンガで家を作ったこぶたの家に逃げ込むのでは、そうしたメッセージが伝わりません。また、おおかみとの知恵比べもないままにおおかみが煙突から侵入し、火傷を負うだけで逃げていくとしたら、自分の生命を脅かす悪意のある力に対して勝ったことにはなりません。ずる賢いおおかみを出し抜き、その上で怒り狂ったおおかみが煙突から侵入してきたのを煮て食べてこそ、悪への勝利、弱者が強者へ打ち勝つというカタルシスを引き出すのです。

権力を持つものによって虐げられてきた庶民が伝え語り継いできた昔話は、改変せず、語ってあげたいものです。

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【一歩踏み出す】

導入 詩「ある日の菜の花」『地球パラダイス』(工藤直子/詩、石井聖岳/絵 偕成社 2012)より 1分

地球パラダイス
偕成社
2012-09-12
 
春のまぶしい陽射しの中で、菜の花が揺れると、つられてモンシロチョウもカマキリもミミズも動き出します。小さな虫たちも新しい季節を謳歌しています。そんなみずみずしい詩です。石井聖岳さんの描く菜の花畑も生命力にあふれています。詩の朗読のあとに、ぜひ絵も子どもたちに見せてあげてください。
 
 

素話 「三びきのこぶた」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン/画 福音館書店 1981)より 12分

イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20
 
「三びきのこぶた」の再話では瀬田貞二の訳のものもありますが、ここでは石井桃子訳を選びました。どちらもリズミカルで覚えやすいテキストです。石井桃子訳ではこぶたは「いやだよ、いやだよ、そんなこと、とん、とん、とんでもないよ」、おおかみは「そんなら、おれはフッとふいて、プッとふいて、この家、ふきたおしちゃうぞ!」というセリフですが、瀬田貞二訳では「だめ、だめ、だめ。めっそうもない」「そいじゃ、ひとつ、ふうふうのふうで、この家、ふきとばしちまうぞ」となっています。子どものころ、どちらで聞いたでしょうか。どちらも味わい深いので、覚えやすいほうで覚えるとよいでしょう。瀬田貞二版のテキストは次の2点です。
 
『金のがちょうのほん-四つのむかしばなし-』より「三びきのこぶた」 レズリー・ブルック/文・画 瀬田貞二/訳 福音館書店 1980
金のがちょうのほん (世界傑作童話シリーズ)
レズリー・ブルック
福音館書店
1980-11-25
 
 
 
 
『三びきのこぶた』イギリス昔話 瀬田貞二/訳 山田三郎/画 福音館書店 1960
三びきのこぶた
山田 三郎
福音館書店
1967-04-01


 

絵本『つくし』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 4分半

つくし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
甲斐 信枝
福音館書店
1997-02-15

 

春先の野原に顔を出すつくし。都会ではあまり見る機会がないかもしれませんが、皇居のお堀端や、総武線沿線の土手、江戸川、荒川、多摩川などの土手などで見つけることができます。土を押し上げ出てくるつくしには、「さあ、伸びるぞ!」と元気がもらえるような気がします。小さい子プランにも入れているわらべうた「ずくぼんじょ」を歌ってもよいでしょう。

 

わらべうた ずくぼんじょ

ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずくぼんじょ」は「つくし」の方言です。頭の上に両手を合わせて頭巾を作って、左右に揺れながら「ででこらさい」と歌ったあとで、「にょき!」っと上に伸びます。何度か繰り返し歌ってずんずん高くしていきます。最初は座って始めて、最後にうんと背伸びしてもよいでしょう。 

 

絵本『たくさんのドア』アリスン・マギー/文 ユ・テウン/絵 なかがわちひろ/訳 主婦の友社 2010 3分

たくさんのドア
アリスン・マギー
主婦の友社
2010-11-17

 

しばらく品切れになっていた作品ですが、1月下旬に増刷されました。
子どもたちが歩んでいく先で出合うさまざまな経験、それをたくさんのドアになぞらえて、ひとりひとりの歩みにエールを送る絵本です。「きょうも あしたも あなたは たくさんの ドアを あけていく そのむこうに たくさんの あたらしいことが まっている」、それは時にはおどろくことであったり、たのしいことであったり、よろこびであったりする。困難なときも、あなたは守られている、だから進んでいけという力強いエールです。ひとつ学年をあげたり、進級していく子どもたちにぜひ読んであげたい1冊です。

(作成K・J)

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