2014年(その4) 卒業おめでとう!(小学生・中学生)


ある受託図書館にきた「卒業を祝う会で、ボランティアが絵本の読み聞かせをすることになりました。6年生の卒業の時期や年齢にふさわしい絵本を探しています。」という利用者の方の問合せから、”出会い””別れ””成長”がキーワードになる本のリストがほしい、というリクエストをTS室にいただきました。

そういえば、おはなし会プランを作成するときに、対象にしている年齢は幼児~小学生中学年くらいまでで、6年生くらいの子どもたちを対象としていませんでした。

 
そこで、TS室児童担当で、何冊かをピックアップし、”3月のおはなし会おすすめ本リスト”にそれにふさわしい絵本を追加し、またそれらを使ってひとつのプランを作成してみることにしました。所要時間は30分ほどです。
 
“卒業を祝う会”では、2冊くらいの本が読まれるのでしょうか。このプランでは絵本と詩を組み合わせてみました。

図書館のおはなし会では、6年生といった高学年の参加者は少ないと思いますが、機会を作って「卒業おはなし会」をしてもいいですね。また学校支援として、出張お話会をすることもあるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

 

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【卒業おめでとう!】 小学校6年生のために(中学3年生でもOK)

 
詩 「あいたくて」 工藤直子 『あいたくて』 工藤直子/佐野洋子 大日本図書 1991
 
 
「だれかにあいたくて なにかに あいたくて 生まれてきた」 国語の教科書でも取り上げられている工藤直子さんの詩でオープニング。この6年間(あるいは3年間)、みんなは何に出会ってきただろうという問いかけの気持ちを込めて、朗読してあげたい詩です。また、復唱してもらって、一緒に味わってもよいでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
絵本 『はじまりの日』ボブ・ディラン作/ポール・ドジャース絵 アーサー・ビナード訳  岩崎書店 2010(2.5分)
 
「きみが手をのばせば しあわせにとどきますように」「きみのゆめがいつか ほんとうになりますように」ボブ・ディランの「Forever Young」の歌詞を詩人アーサー・ビナードが翻訳しました。絵もはっきりとして見えやすく、「毎日がきみのはじまりの日 きょうも あしたも あたらしいきみの はじまりの日」と、未来に希望を抱かせる絵本です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
絵本 『たいせつなこと』マーガレット・ワイズブラウン/レナード・ワイズガード うちだややこ訳 フレーベル館 2001(6分)
 
なにかにとって大切なことは・・・と具象的な意味づけが繰り返されたあとで、「あなたにとって たいせつなことは」と問いかけてきます。そして穏やかに、まっすぐに「それは あなたが あなたで いること」と、伝えてくれます。唯一無二の「あなた」自分を大事にしてとのメッセージを伝えることのできる1冊です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
詩 「卒業式」谷川俊太郎 『谷川俊太郎少年詩集 どきん』谷川俊太郎/和田誠 理論社 1983
 

「ひろげたままじゃ持ちにくいから きみはそれをまるめてしまう まるめただけじゃつならないから きみはそれをのぞいてみる」卒業証書を受け取った子ども達に贈る谷川俊太郎さんの温かいエールのような詩です。

同じ詩集の中の「サッカーによせて」や、「歩くうた」も、旅立ちに贈ってあげたい詩です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
詩 「また、あいたくて」工藤直子 『あいたくて』より
 
 前出の『あいたくて』の一番最後に出てくる「また、あいたくて」。「さよならをくりかえし さよならをつみかさね またあいたくて なにかに きょうもあるいていく」という最後のくだりは、「あいたくて」に呼応して、これから歩いていく先への、穏やかな決意になっています。2篇は対になっている詩。最後にぜひ読んであげてほしいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

この他にも候補に挙がった絵本や詩

〈卒業生に読んであげたい絵本〉
絵本 『たくさんのドア』アリスン・マギー/ユ・テウン なかがわちひろ訳 主婦の友社 (3分)

「きょうも あしたも あなたは たくさんの ドアをあけていく そのむこうに たくさんの おもしろいことが まっている あなたは どんなひとになり いったい どこへ いくのだろう」未来の可能性を開いて飛び立とうとする子どもを見守る温かい目を感じる絵本です。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
絵本 『たんぽぽ』立野恵子 BL出版 1988   (5分)
春の野原を旅する青年。旅のみちずれになった相棒とも、進むべき道が違うこともある、それぞれが選び取って自分の道を歩いていくんだという決意を感じられる1冊。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
〈卒業生に贈りたい詩〉
 
詩集 『まどさんとさかたさんのことばあそび』(まどみちお 小峰書店 1992)より
「わかれのことば」さかたひろお
 
「にほんじんなら さよなら あめりかじんなら ぐっばい」いろんな別れの言葉が集められた詩。明るく元気にまた会えることを期待して「さよなら」と声を交わし合いたいですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
詩集『子どもとよみたい 輝け!いのちの詩』(水内喜久雄/編 小学館 1996)より
「わたりどり」さかたひろお
NHK「みんなの歌」でも歌われた詩です。秋の空を飛び立って北へ向かっていく鳥たちを見上げて「わたしもやがて旅立つだろう」と決意を示す詩です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
詩集 『ポケット詩集』(田中和雄/編 童話屋 1998)より
「さくらのはなびら」まど・みちお

「えだをはなれた ひとひらの さくらのはなびらが」地面に散る様子に、物事には始まりがあって終わりがある。そしてそれは「かけがえのないことだ」と、そのかけがえのないことを繰り返していくことの大切さを、静かに伝えてくれる詩です。

 

 

 

 

 

これからの時期、卒業だけではなく窓口で利用者から「旅立ちに使える本」の問合せが増えることでしょう。これらの本は、そういう時にも使えると思います。ぜひご活用ください。

なお、「3月のおすすめ本✩リスト」PDF版も、これらの本を追加して更新してあります。→こちら

(絵本の選定→K・J  詩の選定→T・S)

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