2015年12月(その3)たいせつな贈り物


クリスマスっていうと、「プレゼント」をもらえる日,、だから嬉しい日ですね。では、なぜクリスマスにプレゼントし合うか、知っていますか?

ひとつには、クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日(聖書には誕生日がいつであったかはどこにも記されていません。キリスト教がヨーロッパに広がるにつれて、太陽神を祀るミトラス教などの影響を受けて冬至の頃に祝うようになり、宗教会議で定められました。)であり、救い主としてのイエス・キリストは人類への神様からの贈り物と考えられていました。それで人々も互いにプレゼントを贈りあったという説。

もうひとつは、聖書の中にイエス・キリストの誕生を知って東の国の三賢者が、黄金、乳香、没薬といった当時とても貴重だった宝物を携え、はるばる旅をして贈り物を届けたということから、イエス・キリストの誕生を祝って互いにプレゼントを贈りあったという説もあります。いずれにしても、キリスト教徒ではない日本でこの風習が広がったのは、高度成長期のデパートや玩具メーカーの商戦が見事に当たったということでしょう。

日本人にはなじみの薄いクリスマスの由来が『クリスマスってなあに?』(ジョーン・G・ロビンソン/文・絵  こみやゆう/訳 岩波書店 2012)に書かれています。集団での読み聞かせには向かない絵本ですが、ご家庭でクリスマスの行事の由来を子どもたちにわかりやすく伝えることのできる1冊です。図書館で質問されたら、ぜひお薦めしてみてください。

なにはともあれ、子どもたちにとっては楽しみにしているクリスマスプレゼント。それをテーマにおはなし会プログラムを作成してみました。

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導入 詩 「サンタクローズにプレゼント」 佐藤義美 『佐藤義美童謡集 ともだちシンフォニー』(JULA出版局 1990)より 1分
  サンタクローズに トラックをあげたい 
  1トン2トントラックじゃだめだ
  100トンぐらいのトラックをあげたい。
  100トントラックじゃ、連結トラック、
  それに うんとこさと いい物つんで
  世界中の子どもにプレゼント。
      (中略)
  もらうばかりじゃ わるいから
  サンタクローズに プレゼントしたい。

 
 

サンタクロースにプレゼントばかりもらっていては申し訳ないと、100トン分のプレゼントを載せられる連結トラックをあげたい!という、なんとも豪快で、楽しい詩です。一度目は読んであげて、二度目は子どもたちに復唱してもらって、詩の面白さを味わえるといいですね。

 

 



 

絵本 『アンナの赤いオーバー』ハリエット・ジィーフェルト/作 アニタ・ローベル/絵 松川真弓/訳 評論社 1990 9分

 

第二次世界大戦後の物資の乏しい時代にあった事実をもとにした絵本です。アンナのオーバーは擦り切れてちんちくりんに。戦争が終わったら新しいコートを買いましょうとお母さんは約束してくれていました。でも戦争が終わっても、物不足は続いています。お母さんはどうやって新しいオーバーを手に入れてくれるのでしょう?羊を飼っているお百姓さんに頼みに行ってからちょうど1年後に、アンナの新しいオーバーは出来上がりました。さあ、クリスマスの日にはオーバー作りに関わってくれた人をみんなご招待です。なんでもお金を出せば手に入る今の子どもたちにも、ぜひ伝えてあげたいお話です。 

 

 

 

 

 

 

絵本 『くんちゃんとふゆのパーティー』ドロシー・マリノ/作 あらいゆうこ/訳 ペンギン社 1981 7分

こぐまのくんちゃんは、好奇心旺盛です。寒い冬がやってきて、くまたちはそろそろ冬ごもりをする季節。早々に冬ごもりをしてしまうと、雪を見るチャンスがありません。この冬は雪を見てからにしようと、おとうさんもおかあさんも、くんちゃんの願いに寄り添ってくれます。初めて見る雪に興奮するくんちゃんですが、雪に覆われた様子を見て、あることを思いつきます。さて、それはいったいどんなことでしょう。“くんちゃん”シリーズは、子どもの好奇心に寄り添い、干渉しすぎずに、その思いを遂げられるようにとサポートする親の姿がとても素敵な絵本です。長く読み継がれた絵本ですが、今の子どもたちもこのくんちゃんの気持ちに自分を重ねて読むことでしょう。

 

 

 

 

 

絵本 『クリスマスのふしぎな箱』長谷川摂子/作 斉藤俊行/絵 福音館書店 2008  3分

クリスマスの朝、ゴミ捨て場で拾ってきた箱を覗いてみると・・・なんとサンタクロースは今頃何をしているのか、その様子が見えるのです。箱を覗くたびに、サンタさんはぼくの家に近づいているとわかります。クリスマスの日のわくわくドキドキする気持ちが上手に描かれている1冊です。
 
 
 
 

この絵本は、子どもたちの状況を見て読んであげてください。『アンナの赤いオーバー』と『くんちゃんとふゆのパーティー』どちらも長いので、2冊で終えても良いし、小さい子が多ければ『アンナの赤いオーバー』と差し替えてもよいでしょう。クリスマスの雰囲気を盛り上げるために、ブラックパネルシアターの「メリークリスマス(赤鼻のトナカイ)」などをプログラムに取り込むのも一案です。

 
『ブラックパネルシアター ―光いっぱい夢いっぱい』古宇田亮順/作 アイ企画 1995

型紙付きのブラックパネルシアターの本です。演じ方もわかりやすく書いてあるので、ブラックパネルシアター用の舞台やライトを持っている館は挑戦してみてもよいでしょう。あくまでもおはなし会は、おはなしや絵本が中心ですが、クリスマスのような時に目先を変えるのも面白いと思います。

 

 

 

 

 

 

(作成 K・J)