12月になり、町もクリスマスの楽しい飾りで華やかですね。子どもも大人もどこかわくわくして、嬉しそうです。そんな12月はクリスマスの本を中心に紹介します。子どもたちとたっぷり楽しんでください!
<低学年>
『おおきいツリー ちいさいツリー』 ロバート・バリーさく 光吉夏弥やく 大日本図書 2000 8分
もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのおやしきにも大きなツリーが届けられました。けれども大きすぎて天井につっかえてしまったので、執事のバクスターがちょん切って、先っぽを小間使いのアデレードに持っていきました。アデレードは喜んでツリーを飾りましたが、やはり大きすぎたので先をちょん切ると、それを今度は庭師のチムが拾ってまたツリーにして・・・といった具合に、ツリ―は巡っていくのです。行く先々でツリーが歓迎されて喜ばれるのを見ていると、クリスマスの幸せがどんどん大きくなる1冊です。
『ちいさなもみのき』 マーガレット・ワイズ・ブラウンさく バーバラ・クーニーえ かみじょうゆみこやく 福音館書店 約12分
<高学年>
『とってもふしぎなクリスマス』 ルース・ソーヤ文 バーバラ・クーニー絵 掛川恭子訳 ほるぷ出版 1994 約20分
チロル地方に伝わるゴブリンの王さまローリン王のお話です。アルプスの谷間の村に、靴屋のお父さんとフリッツル、フランツル、ハンスルという3人の小さな男の子が住んでいました。生活は豊かではありませんでしたが、たまに食べられるごちそうのシチューを「シュニッツル、シュノッツル、シュヌーツル!」と呼ぶなど、明るさを忘れない一家でした。そんな一家のもとに、冬の寒い日、ローリン王が訪れるのです。いたずら好きのローリン王は、3人の男の子にどなったりこずいたりと意地悪しながらも、素敵な贈り物をくれるのです。とても愉快で、心温まるお話です。少し長めですが、子どもたちはローリン王の起こす不思議な出来事にひきこまれて聞いてくれます。
<知識の本>
『サンタクロースってほんとにいるの?』 てるおかいつこ文 すぎうらはんも絵 福音館書店 1982 3分
「サンタクロースってほんとうにいるの?」「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」など、サンタにまつわる子どもたちが抱く疑問に、お父さんとお母さんが、1つ1つき飾らず答えます。「サンタクロースは ほんとにいるよ せかいじゅう いつまでもね」という、最後の答えはいつでも心に残るのではないでしょうか。
ニューヨーク・サンサース新聞社に届いた8歳の女の子の「サンタクロースはいるんでしょうか」という手紙に、社説で丁寧に答えた『サンタクロースっているんでしょうか?』(ニューヨーク・サン新聞「社説」 東逸子絵 中村 妙子訳 偕成社 2000)がありますが、大きい子にはさりげなく手渡したい1冊です。
『クリスマス・クリスマス』 角野栄子さく 福音館書店 1989
<詩の絵本>
『クリスマスのまえのばん』クレメント・C・ムーアぶん わたなべしげおやく ウィリアム・W・デンスロウえ 福音館書店 1996 5分
クリスマスの前の晩、家の中はひっそり静まりかえり、物音一つしません。そんなとき、外の庭でにぎやかな音を聞きつけた父さんが起きてみると、セントニコラスがトナカイがひくそりに乗って、空から降りてきたのです。プレゼントを置くセントニコラスの様子が楽しく書かれていて、その場面を本当に見ている気になります。1822年のクリスマス・イブに聖書学者のクレメント・ムーア氏によって書かれた楽しい詩の絵本です。この詩にはたくさんの画家が絵をつけていますが、この本は『オズの魔法使い』の挿絵で有名なウィリアム・W・デンスロウが、詩にぴったりの明るく愉快な絵をつけています。詩の最後は、次の言葉でしめくくられています。
「みなさん クリスマス おめでとう! しあわせな よるに なりますように!」
(作成 I.T)