2020年3月、4月の新刊より


新型コロナウィルス感染拡大により3月の下旬以降、実際に書店に出向いての選書が出来なくなっています。

今回は、取り寄せ等で配送していただいた新刊から紹介します。なお、各児童書出版社の公式サイトには新刊情報が掲載されていますので、そちらもこまめにチェックするようにしましょう。

 

(なお、各出版社の許諾要件に従って書影を使用しています)

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【絵本】
『おやこでよもう!金子みすゞ だれにもいわずにおきましょう』金子みすゞ/詩 高畠那生/絵 坂本美雨/ナビゲーター 矢崎節夫/監修 JULA出版局 2020/3 (出版社のサイト→こちら

「おやこでよもう!金子みすゞ」シリーズの3冊目です。タイトルになっている「だれにもいわずにおきましょう」のほかに「がっこうへゆくみち」、「たいりょう」、「こころ」、「ほしとたんぽぽ」など10編の詩が収められています。そのひとつひとつに絵本作家の高畠那生さんの飄々としつつも温かい絵がついていて、詩の世界の理解を助けてくれます。

 

 

 

 

『英語で日本語でよもう!つたえよう!金子みすゞ こころ』金子みすゞ/詩 D.P.ダッチャー/英訳 浅沼とおる/絵 矢崎節夫/選 JULA出版局 2020/3  (出版社のサイト→こちら

日本語では、とてもリズミカルで、普段気が付かないことにハッと気づかせてくれる金子みすゞの詩、英語ではどんな風に言うんだろう?と、興味を惹かれます。
こちらではタイトルになった「こころ」のほかに「星とたんぽぽ」、「となりの子ども」、「みんなをすきに」ほか、8編の詩が日本語と英語それぞれ見開きページで紹介されています。英訳を手掛けたのは、ハーバード大学で日本古典文学を専攻したD.P.ダッチャー氏で、子どもたちが日常に使う言い回しで翻訳されています。巻末に単語集もあり、小学校の英語教育の副教材としてもおすすめです。

 

 

 

 

 

『英語で日本語でよもう!つたえよう!金子みすゞ ふしぎ』金子みすゞ/詩 D.P.ダッチャー/英訳 浅沼とおる/絵 矢崎節夫/選 JULA出版局 2020/3  (出版社のサイト→こちら

「英語で日本語でよもう!つたえよう!金子みすゞ」シリーズの2冊目です。
「ふしぎ」の英訳として「wonder」や「strange」をイメージしたのですが、「It’s Weird」を使っていて新鮮でした。子どもたちが普段の生活の中で「あれ?これ、どうなってるの?」「なんか変だよね?」という感じで使われることを、この絵本で知りました。
こちらにはタイトルの「ふしぎ」のほかに、「明るいほうへ」、「すずめのかあさん」、「こだまでしょうか」など8編が収められています。

 

 

 

 

『英語で日本語でよもう!つたえよう!金子みすゞ わらい』金子みすゞ/詩 D.P.ダッチャー/英訳 浅沼とおる/絵 矢崎節夫/選 JULA出版局 2020/3  (出版社のサイト→こちら

『英語で日本語でよもう!つたえよう!金子みすゞ」シリーズの3冊目です。タイトルになっている「わらい」のほかに、「春の朝」、「わたしと小鳥とすずと」、「つもった雪」など8編が収められています。浅沼とおるさんの絵も温かくユーモラスで、金子みすゞの詩を理解するのを助けてくれます。ぜひ3冊揃えてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

『はたらくくるまたちとちいさなステアちゃん』シェリー・ダスキー・リンカー/文 AG・フォード/絵 福本友美子/訳 ひさかたチャイルド 2020/4  (出版社のサイト→こちら) 

小型工作機のスキッドステアローダーのステアちゃんは、ほかの大型工作機たちから「こうじげんばではたらくにはちいさすぎる。ちからもつよくなさそうだ・・・。あぶないからかえったほうがいい」と言われて、活躍の場がありません。でも大きなブルドーザーやシャベルカーが斜面に転落してしまいます。小回りが利き、部品をさまざまに付け替えて多様な動きができるステアちゃんは救出に大活躍します。小さくても活躍する場はあることを伝えてくれるこの絵本は、子どもたちにも勇気を与えてくれることと思います。

 

 

 

 

『虫ガール ほんとうにあったおはなし』ソフィア・スペンサー(虫ガール)/マーガレット・マクナマラ/文 ケラスコエット/絵 福本友美子/訳 岩崎書店 2020/4/30 (出版社のサイト→こちら

この絵本の作者ソフィア・スペンサーはこの本を出版した時点で11歳の女の子です。2歳の時に蝶の飼育園に連れて行ってもらったことがきっかけで昆虫が大好きになります。幼稚園の時はいっしょに虫を捕まえて観察していた友達が、小学生になると「虫が好きだなんて変わっている」と仲間外れをするようになります。そんなソフィアを心配して、お母さんが世界中で活躍している昆虫学者にインターネットを通して呼びかけます。すると世界中の昆虫学者の人から連絡が入り、ソフィアはテレビに出演して「虫ガール」であることを自信をもって語れるようになります。地球上の生物の80%を占める昆虫ですが、昆虫が絶滅すると植物は受粉できなくなり、地球上の植物が影響を受け、植物を食糧にしている動物、もちろん人間も生きていくことができなくなるのです。昆虫は私たちの生活に密接に関係しています。気味悪がらずにソフィアのように昆虫について、知ろうとすることが大切だなあと思います。そんな昆虫を知るきっかけにもなる絵本です。

 

 

 

 

【研究書】

『連続講座〈絵本の愉しみ〉④日本の絵本 昭和期の作家たち』吉田新一/著 朝倉書店 2020/3/1  (出版社のサイト→こちら

「連続講座〈絵本の愉しみ〉」は、「①アメリカの絵本」、「②イギリスの絵本(上)」、「③イギリスの絵本(下)」と続き、4巻目で日本の絵本へと辿り着きました。「15年戦争期の絵本」から始まって「戦中期「講談社絵本」の〈子供知識絵本〉」の分析、そして脇田和、中谷千代子、赤羽末吉の作品を取り上げています。また瀬田貞二、渡辺茂男両名へのインタビューで、昭和期の絵本と児童文学についての深い考察がなされています。国立国会図書館国際子ども図書館での連続講座(平成17年度日本児童文学の流れ)がベースになっていますので、日本の絵本の歴史、とくに昭和期についてわかりやすく知ることができる1冊です。

 

 

 

(作成K・J)