Yearly Archives: 2021

2021年4月(その2)目ざめの時(幼児~小学生)
おすすめの幼年童話47『ミリー・モリ―・マンデーのおはなし』ジョイス・L・ブレスリー作
第24回学校図書館のつどい「GIGAスクール構想と学校図書館」のご案内
2021年4月(その1)いっしょにあそぼう!(小さい子)
令和3年度児童サービス研究交流会「ウィズコロナ時代の児童サービス」のご案内
基本図書を読む35『西遊記』呉承恩(再掲載)
文部科学省「図書館実践事例集~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~(学校図書館)」について
2020年12月、2021年1月の新刊から
東京子ども図書館「2021年度 児童図書館員のための初級研修プログラム(全8回)【ライブ配信】」のご案内
4月のおすすめ本☆リスト(2021)
おすすめの幼年童話46『かさをかしてあげたあひるさん』村山壽子作
2021年3月(その2)はるがきた(幼児~小学生)
SLA情報局online 第5弾「学校図書館の基本的な仕事とは~『学校図書館』『学校図書館速報版』を活用しよう」のご案内
2021年3月(その1)でておいで~(小さい子)
訃報 安野光雅さん

2021年4月(その2)目ざめの時(幼児~小学生)


春は芽吹きの季節です。一斉に野山の樹が薄緑色の若芽に覆われ、虫も鳥も動物たちも活動的になる季節です。目ざめをイメージしておはなし会プランを作成しました。

(書影は各出版社の著作権許諾方針にしたがい利用しています。)

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【目ざめの時】

導入 詩「春の朝」金子みすゞ (『金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと』JULA出版局 1984 より) 1分

すずめがなくな、
いいひよりだな、
うっとり、うっとり
ねむいな。

上のまぶたはあこうか、
下のまぶたはまァだよ。
うっとり、うっとり
ねむいな。

 

 

「春眠暁を覚えず」ということわざがありますね。気温も湿度も一番心地のよく、ぐっすり眠ることができるからですね。短い詩なので、ゆっくりと、2,3度繰り返し読んで味わってください。

 

 

 

絵本『きみはライオン! たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作・絵 竹下文子/訳 偕成社 2017 5分

子どもたちが金色の朝陽を浴びながら、庭に集まってきました。朝のヨガの時間です。「きちんとすわって りょうてをひざに おおきくくちをあけ したをだす!」、するとそれはライオンのポーズ。ほかにもちょうちょや、いぬ、へび、かえるなど様々な動物に変身です。そして、最後は立ち上がって両手を頭の上に伸ばし、高く高く「やまになる しっかり つよく そびえたち てんまでとどけ」と背伸びをします。春の空気を吸い込んで元気に目をさましましょう。 

 

 

 

 

 

素話「世界でいちばんきれいな声」ラ・フルール/作 山口雅子/訳(『おはなしのろうそく11』東京子ども図書館 2000 より) 5分

 

一羽のふとった子ガモが、広い世界を見たいと思い、うちを出て歩いていくと、子ネコに出会いました。子ネコの鳴き声を聞いた子ガモは「なんてかわいい声なんだろう」と思って真似をするのですが、うまくいきません。先へ進んでいって、いろいろな動物と出会うたびにその鳴き声を真似するのですが、やっぱりうまくいきません。最後に出会ったのは、お母さん。最後はほっとする結末です。

 

 

 

 

 

 

絵本『森はオペラ』姉崎一馬/作 クレヨンハウス 2006 1分

樹木や森林を撮影する自然写真家の姉崎さんの、生命力に溢れる森の木々の写真と詩のコラボレーション絵本です。小さな芽生えはやがて大きな木へと育っていきます。木々は、太陽の光を浴び、風に葉を揺らしてまるで歌を歌っているよう。歌声は森のあちこちから集まってきてまるでオペラのようだと姉崎さんは感じたのでしょう。天をつく大木を見上げて「天までとどけ 森のオペラ」と力強いメッセージで終わります。それはそのまま、子どもたちの成長を見守る視線へと重なっていくように感じます。瑞々しい木々の写真をゆっくりと見せながら読んでいきましょう。

 

 

 

 

 

絵本『たんぽぽ』平山和子/文・絵 北村四郎/監修 福音館書店 1972 5分

 

身近にあるタンポポについて、科学的にわかりやすく紹介されています。語りかけるようなやさしい文なので、読み聞かせに向いています。絵は写実的で、葉や根、花は240もの小さな花が丁寧に描かれています。根は見開き2ページにわたって描かれているので、2冊用意して、子どもや先生に手伝ってもらって、つなげてみても楽しいでしょう。

 

 

 

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

(作成K・J)

おすすめの幼年童話47『ミリー・モリ―・マンデーのおはなし』ジョイス・L・ブレスリー作


今回は、小さな女の子の楽しい毎日を描いた作品を紹介します。

『ミリー・モリ―・マンデーのおはなし』ジョイス・L・ブレスリー作 上條由美子やく 菊池恭子え 福音館書店 1991

主人公の女の子の名前は、ミリセント・マーガレット・アマンダと言いましたが、とても長かったので、みんなはミリー・モリ―・マンデーと短く縮めて呼んでいました。ミリー・モリ―・マンデーは、おとうさんと、おかあさんと、おじいちゃんと、おばあちゃんと、おじさんと、おばさんといっしょに、草ぶき屋根の白いきれいな家にすんでいました。この本には、そんなミリー・モリ―・マンデーのささやかな毎日のお話が、12話おさめられています。

おつかいを頼まれたり、おままごとをしたりといった日常のお話や、パーティーやキャンプなどちょっとしたイベントのお話もあります。ミリー・モリ―・マンデーの家の人たちは、人を喜ばせるのが大好きで、本人には内緒で屋根裏の物置をミリー・モリ―・マンデーの部屋に整えるなど、嬉しいことを創り出します。一話ずつ読んでいくと、そんな人たちに囲まれたミリー・モリ―・マンデーの毎日を一緒に楽しむことができます。また読み進めていくと、村の人たちのこともわかるようになってきて、より親しみがわくでしょう。

冒頭に舞台となる村の地図があったり、各話のはじめには大きな扉絵があったりと、わくわくしながら読み進められる本の造りになっています。挿絵も豊富にあり、ミリー・モリ―・マンデーたちの生活の様子が伝わってきます。

作者ジョイス・L・ブレスリーは1896年生まれのイギリスの作家です。『ミリー・モリ―・マンデーのおはなし』は、90年余り前に作られたお話ですが、読み継がれ、また、ストーリーテリングでも語りつがれています。姉妹編に『ミリーモリ―マンデーとともだち』(2014)があり、こちらには10話収められています。時が経っても変わらず、心を躍らせながら読むことができる物語、ぜひおすすめしてみてください。さて、次はどんな嬉しいことが起こるでしょうか!

(作成 T.I)

 

 

 

 

第24回学校図書館のつどい「GIGAスクール構想と学校図書館」のご案内


日本子どもの本研究会主催の第24回学校図書館のつどい「GIGAスクール構想と学校図書館―私たちはどう関わり、何を大切にしていくのか―」についてご案内します。

オンライン開催で、定員は90名となっています。参加希望の方はお早めに申し込みください。

なお、自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています。参加費などは自己負担となりますのでご了承ください。

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日 時:2021年3月28日(日) 13:00~15:40
オンライン開催 定員90名(定員になり次第締切)

参加申込: 一般社団法人日本子どもの本研究会HPより(→こちら

参加費: 1000円(会員) 1100円(一般)

《内容》

講 演:
「GIGAスクール構想」で学校はどこに向かうのか?―危機に立つ子どもの学びと成長―
講師:児美川孝一郎氏
法政大学キャリアデザイン学部教授。専門は、教育学(青年期教育、キャリア教育)。主な著書に『高校教育の新しいかたち』泉文堂、『まず教育論から変えよう』太郎次郎エディタス、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマ―新書)筑摩書房等

報 告:
子どもと本―学校図書館で大切にしてきたこと
報告者:福岡淳子氏
小学校教員、小学校司書を経て、現在小学校講師等。著書に『司書と先生がつくる学校図書館』、共著に『学校図書館研修ガイドブック』(共に玉川大学出版部)、『小学校学年別知識読みもの240』(少年写真新聞社)

その他:テーマ共有「学校図書館はどう関わるか」や質疑応答の時間があります。

(作成K・J)

2021年4月(その1)いっしょにあそぼう!(小さい子)


2月に入って、一日の日照時間も伸びてきました。クロッカスの花も咲いています。まだ寒い日も続きますが、春が近づいていることがわかりますね。

さて今回の4月の小さい子のおはなし会プランは2015年に作成した「いっしょにあそぼう!」をベースに作成しています。

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。また、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

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【いっしょにあそぼう!】

導入 わらべうた ととけっこう

 

 

 

 

おはなし会の導入で使いやすいわらべうたです。ミトンくまさんを起こすのに使い、起きてきたミトンくまさんが、小さな子どもたちと一緒におはなし会を楽しむというストーリー設定にしてもよいでしょう。

 

 

 

絵本『ととけっこう』こばやしえみこ/案 ましませつこ/絵 こぐま社 2005 1分半

 

わらべうたがそのまま絵本になっています。「ととけっこう よがあけた」に続いて、いろいろな動物たちが起きてきます。この絵本はぜひ歌いながらページを進めてください。裏表紙に楽譜も付いているので歌い方のわからない方にも安心です。

 

 

 

 

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

お子さんをお膝にのせて、左右にそっと揺らします。「〇〇ちゃん」というところはそれぞれのお子さんの名前を呼んであげましょう。

 

 

絵本『あいうえおはよう』にしまきかやこ/作 こぐま社 2003 1分

 

3びきの兄弟こぶた、今日も元気に起きました!リズミカルなことばで、弾むように読んであげたいですね。絵は刺繍とアップリケで表現されています。

 

 

 

 

 

 

わらべうた じいじいばあ

 

 

 

 

 

 

 

布を使っていないいないばあをして遊ぶわらべうたです。タオルやハンカチ、あるいはシフォン布(スパークハーフ)などを使って「じいじい」で顔を隠し、「ばあ」で布を下げて顔を見せ、「ちりんぽろんと」で布を左右に揺らして、最後の「とんでった~」で布を空中に飛ばします。ふわふわ落ちてくる布を見て大喜びします。

 

 

 

絵本『だれかな?だれかな?』なかやみわ/作 0.1.2えほん 福音館書店 1分半

 

どうぶつがかくれんぼ!だれかな?わかるかな?やりとりしながら読んであげる絵本です。ゆっくり絵を見せながら読んであげましょう。表紙の絵についても「だれかな?だれかな?」とぜひ聞いてください。というのも、裏表紙が答えになっていてパンダがこっちむいて笹を喰んでいるのです。なので、読み終わったら表紙を見せて「だれかな?だれかな?」と声をかけつつ、裏表紙を見せてから終わりにしましょう。

 

 

 

 

 

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

3月のおはなし会プランでも紹介しました。繰り返し歌って覚えましょう。「ずっくぼんじょ」とは佐賀県の方言でつくしのこと。両手を合わせてつくしの筆の部分(胞子形成部)を作り、歌に合わせて少しずつ手を伸ばして高くしていきます。「ででこらさい」と歌った後に「にょき!にょき!」と言いながら背伸びをしてもよいでしょう。

 

 

絵本『とっとこ とっとこ』まついのりこ/作 童心社 2003 1分半

 

とっとこ、とっとこ、くつをはいてねこさんが、そしてありさんも、ぶたさんもあるいていきます。次はだれがあるいていくかな。繰り返しの楽しい絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

令和3年度児童サービス研究交流会「ウィズコロナ時代の児童サービス」のご案内


国立国会図書館国際子ども図書館主催の令和3年度児童サービス研究交流会「ウィズコロナ時代の児童サービス」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

国際子ども図書館では、児童サービス関係者が館種や地域を超えて会し、特定のテーマについて最新の情報や動向を学び、事例紹介・意見交換・相互交流を行う場として、児童サービス研究交流会が実施されていま。。令和3年度は、「ウィズコロナ時代の児童サービス」をテーマに、オンライン配信形式で開催されます。申込みをすれば視聴可能とのことですので、関心のある方は、ぜひご参加ください。

詳細は、国際子ども図書館Webページ→こちらをご覧ください

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令和3年度児童サービス研究交流会「ウィズコロナ時代の児童サービス」

<配信期間> 2021年3月5日(金)12時~4月30日(金)17時
<対象> 公共図書館・学校図書館等において児童サービスに携わる図書館員(学校司書を含む)等
<参加費> 無料
<内容>
 講演1「児童サービスの今とこれから―コロナ禍での学びと未来」汐﨑順子氏(慶應義塾大学非常勤講師)
 講演2「ウィズコロナの経験を活かす―これからの学校図書館について考えるために」庭井史絵氏(青山学院大学准教授)
 事例報告1「「としょ丸チャンネル」ができるまで」岡田雅彦氏(さいたま市立中央図書館 資料サービス課 課長補佐兼係長)
 事例報告2「逆境をチャンスに―公立小学校図書館でも出来ること」横山寿美代氏(杉並区立小学校司書)
 事例報告3「国際子ども図書館の取組」(国際子ども図書館児童サービス課)

(作成 T.I)

基本図書を読む35『西遊記』呉承恩(再掲載)


2017年3月2日に公開した記事の再掲載です。本文中に「今年1月に出版された」と文言が出てきますが、「2017年1月に出版された」というように読み替えてください。

『西遊記』や『三国志』など中国の古典は何度もブームを繰り返しています。コミックス版も多種出ています。年齢に応じて手渡し、最終的には重厚な基本図書を手渡せるいいなと思います。

 

 

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今月の基本図書は、呉承恩作『西遊記』です。岩波少年文庫(伊藤貴麿/訳 1955)と、読み比べた上で、君島久子が翻訳した福音館書店の本で紹介します。(今回は福音館文庫で読みました)

『西遊記(上)』呉承恩/作 君島久子/訳 瀬川康男/画 福音館書店 1975

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

『西遊記(下)』呉承恩/作 君島久子/訳 瀬川康男/画 福音館書店 1976

 

 

 

 

 

 

 

 

花果山の頂きにあった仙石から孵った石猿は、知恵も力も優れていたので、猿の群れの王座につき美猴王と名乗るようになります。そうやって五百年が経ったころ、仙人になろうとして斉天大聖となり、孫悟空という名前をいただきます。しかし仙力が強いことをよいことにやりたい放題。天宮を大いに騒がせ、お釈迦様に五行山の下に閉じ込められます。そのまた五百年後に縁があって三蔵法師に出会い、取経の旅に猪八戒、沙悟浄とともに同行することになります。物語は、西天目指して幾山河越えていく4人に、次々と困難が襲ってくる様が描かれています。これでもか、これでもかと次々襲いかかる妖怪変化の群れを、悟空たちが知恵と力を使って倒し、八十一の災厄艱難を切り抜け、ついには目的地にたどり着き、無事に経典をいただくまでが、百回の物語にまとめられています。

如意金箍棒を片手に觔斗雲に乗って、ひとっ飛びで十万八千里を越えることの出来る孫悟空の姿は、本だけではなく、映画やアニメーション、ゲームにもなっていて、知らない人はいないでしょう。妖術あり、心躍る冒険あり、唐の皇帝太宗や仏典を求めてインドへ旅をした玄奘など歴史上の人物も登場する壮大なファンタジー物語は、読む人の心を惹きつける魅力があります。乱暴者の孫悟空が健気にも三蔵を必死で守る姿や、食い意地がはって欲得に溺れて道を踏み外すけれども愛嬌のある猪八戒、一途に三蔵に仕える沙悟浄と、三蔵法師を守る三人の個性豊かなお供にも親しみがわきます。

今年1月に出版された『子どもの本のよあけー瀬田貞二伝』(荒木田隆子/著 福音館書店)には、瀬田貞二さんがインタビューに答えて「ぼくは『西遊記』って小学校三年のとき読んで、それでそれ以来なんべん読んだかわからないです。大好きなもののひとつですね」と答えている箇所があります。(『子どもの本のよあけー瀬田貞二伝』p323)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

『王さまと九人のきょうだい』(君島久子/訳 赤羽末吉/画 岩波書店 1969)という中国昔話絵本の翻訳でも知られる君島久子さんによる福音館書店版『西遊記』は、声に出して読むとますます滑らかに物語が進み、その面白さを倍増させます。

たとえば、「なんじは妖怪か魔物か。我をたぶらかしにやって来たのか。我は公明正大の僧、大唐の勅命を奉じて、西天へ経を求めに行く者。三人の弟子があり、いずれも降竜伏虎の豪傑、妖魔を除く壮士。かれらに見つかれば、その身はみじんに砕かれるであろうぞ。」(第三十七回)、「なんだと。知らざあ言ってきかせよう。我々は、東土大唐より勅命にて、西天へ取経に行く聖僧の弟子だ。(中略)耳をそろえてそっくり返せば、命だけはかんべんしてやる」(第四十七回)という言葉は、目で追って読むよりも、実際に声に出して読んでみると、味わい深いものがあります。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
福音館書店版は、「現存する「西遊記」のテキストとして最も古いものの一つ、明代(14~17世紀)に刊行された金陵世徳堂本を底本として、清代(17世紀~20世紀)に出された六種の刻本により校訂を行ない、北京人民文学出版社より刊行した「西遊記」に拠って訳したもの」(「はじめに」より)をもとにして訳出されています。
 

あとがきには、「作者は呉承恩(1500年~1583年)といっても、明代や清代の古い「西遊記」には作者の署名がなく、呉承恩が書いたという確かな証拠があるわけではありません。あるいは、この物語をまとめ、すぐれた文学作品に仕上げたのが呉承恩であったのかも知れません。」(「訳者あとがき」より)として、南宋時代に著された「大唐三蔵取経詩話」以降、多くの民衆に語り継がれ、「西遊記」という壮大なファンタジーになっていったのではと記されています。

また、福音館書店版は瀬川康男さんの挿し絵がとても目を引きます。この作品に取り掛かっている時、瀬田貞二さんと一緒に宋や明の時代の絵入り古版本を見ており、そうした絵の伝統も受け継いだ作品として仕上がっていると、先の『子どもの本のよあけ』にも記されています。(『子どもの本のよあけ』p324)

 

 

 

君島久子さんは、エッセイ『「王さまと九人の兄弟」の世界』(岩波書店 2009)の中で、孫悟空が刀や斧で切りつけられても死なず、八卦炉の中で錬成されても無事でるのは『王さまと九人のきょうだい』に出てくる「きってくれ」「ぶってくれ」などとの相似しており、天上の話から地獄の音まで聞き分ける聴力はリー族に伝わる「五人兄弟」に出てくる「千里耳」と相似しているなど、中国のさまざまな民族に伝わる多兄弟の昔話との関連を、「このように『西遊記』では、孫悟空が一人で、「九人兄弟」や「十人兄弟」のあらゆる超能力をそなえており、三面六臂の活躍を演じています。どんなに恐ろしく強大な相手にも負けないスーパーヒーロー孫悟空と、「九人兄弟」や「十人兄弟」には、どちらにも、大きな権力に屈しまいとする民衆の願いがこめられているように思われてなりません。」(p105「『西遊記』孫悟空の超能力」)と述べています。

三蔵法師のモデルとなった玄奘(602年~664年)は、隋王朝から唐王朝に代わった629年、太宗の時代に、仏教の研究のために原典を求めようと、西域を抜け、西トルキスタン、サマルカンドを通って、インドのガンダーラに到着、ナーランダ学院で仏典の研究を行い、645年に長安に戻ってきます。その後、「大唐西域記」を著しますが、彼の壮挙はその後広く語り伝えられるようになります。宋代(10世紀~13世紀)にすでに語り物として流行し、「大唐三蔵取経詩話」が書かれていたと、『西遊記』の「はじめに」にも記されています。元の時代には、「西遊記」として芝居として演じられるようになり、物語が次第に膨らんでいったようです。君島久子さんが書いているように、王朝が次々に変わっていく中国の歴史に翻弄される民衆が、語り伝えながら逞しい想像力で練り上げていった物語であり、だからこそ読む者を惹きつけるのだと思います。

今の子どもたちは自分で読むのは難しいかもしれませんが、ひとつひとつの回は短いので、ご家庭でぜひ読み聞かせをしてほしいと思います。「さて、次はどのようになるのでしょうか。次回をお楽しみに。」という言葉に促されて、きっと楽しみに聞くことでしょう。

(作成K・J) 

文部科学省「図書館実践事例集~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~(学校図書館)」について


文部科学省が作成した「図書館実践事例集~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~(学校図書館)」をご紹介します。

「図書館実践事例集~主体的・対話的で深い学びの実現に向けて~(学校図書館)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/mext_00768.html

全国各地の学校図書館によって行われている特徴的な取組が、事例集としてまとめられています。「利活用の推進」「運営」「環境整備」の項目があり、学習活動の支援や、地域図書館との連携など、全国の学校図書館の様々な取り組みを知ることができます。学校図書館で新たな取り組みを行う際や、学校図書館との連携や支援を考える際などに、ぜひご覧ください。

(作成 T.I)

 

2020年12月、2021年1月の新刊から


昨年12月と今年に入ってからに出版された子どもの本を紹介いたします。
一部、見落としていた12月以前に発行された新刊も含まれます。

今回は、横浜・日吉のともだち書店に注文していた本の中からの紹介です。なお、2月上旬にはまた教文館ナルニア国で選書して、情報をお届けできるようにいたします。

 

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【絵本】

『100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ』シムラン・ジート・シング/文 バルジンダー・カウル/絵 金哲彦/監修 おおつかのりこ/訳 西村書店 2020/12/12(出版社のサイト→こちら

幼少期に身体が弱く5歳になるまで歩けなかったファウジャが100歳でトロント・ウォーターマラソンを完走するまでのお話です。ファウジャは、インドのパンジャブ地方の出身。シク教の信徒で髪の毛を切らずターバンを巻いています。
5歳で歩けるようになりましたが、当時遠方の学校に通う体力はなく、地元で畑仕事をしながら身体を鍛え、大人になって家族にも恵まれました。子どもたちが独立し、妻にも先立たれた81歳の時、息子家族が住むロンドンへ移り住みます。そこでマラソンに出会い、走るようになります。
89歳でロンドンマラソンを完走した後も、次々に記録を塗り替えていきますが、そこには子ども時代にいつも母から言われていた言葉がありました。「あなたのことはあなたがよく知っている。あなたにできることもね。今日は自分の力を出しきれるかしら?」いくつになっても挑戦することの大切さを、また自分を信じることの強さを教えてくれる伝記絵本です。

 

 

 

 

『よんひゃくまんさいのびわこさん』梨木香歩/作 小沢さかえ/絵 理論社 2020/12(出版社のサイト→こちら

2017年から続くNHKスペシャル「列島誕生ジオ・ジャパン」という番組があります。日本列島の成り立ちがよくわかる大変優れた番組でした。
この絵本は、その列島誕生の過程で生まれた琵琶湖の成り立ちをファンタジーとして描いています。
あとがきには、「日本列島がユーラシア大陸から分離しはじめたのは今から約2000万年前。当時の東アジアの推測図を見ていると、日本列島はあちこち沈んだり現れたり、赤ん坊が母親の胎内の羊水のなかで、ちゃぽんちゃぽんと浮かんだり沈んだりを繰り返しているかのように見えます。(中略)そして列島の真ん中、現在の伊賀辺りで琵琶湖初期の古琵琶湖とされる、大山田湖が現れます。それが400万年前から360万年前まで。その後320万年前、北方向で阿山湖、さらに甲賀湖が、240万年前頃から180万年前頃前までは蒲生野の辺りで蒲生沼沢地が、少しずつ移動するかのように出現します。それから100万年ほど前から現在の琵琶湖の堅田地域を中心とし、現在の琵琶湖の位置、大きさへと近づいていきます。」とあります。こうした悠久の時の流れ、大地の記憶が梨木さんによってファンタジーとなり、琵琶湖畔で育った画家小沢さんの幻想的で美しい絵でそれを表現しています。

 

 

 

 

【読み物】

『くもとり山のイノシシびょういん 7つのおはなし』かこさとし/文 かこさとし・なかじまかめい/絵 福音館書店 2021/1/10(出版社のサイト→こちら

 

2018年に亡くなられたかこさとしさんが、晩年福音館書店の月刊誌「母の友」2011年11月~2019年7月号までに発表された創作童話をまとめたものです。「母の友」2019年4月号の「編集だより」(p85)にこのようなことが書かれています。
「今月は昨年五月に亡くなった絵本作家、加古里子さんの未発表童話をお届けしました。この作品は昨年、加古さんのお嬢さん、鈴木万里さんが遺稿の中から”発見”してくれたものです。加古さんは2011年以降何度か「母の友」の依頼に応え、「一日一話」に「イノシシ病院」の物語を寄せてくれました。その後独自に三作、書きためておいてくださったようなのです。「完成原稿まで描いていたというのが驚きで、加古本人もイノシシ先生のことが気に入って、筆がのったんじゃないでしょうか」(鈴木さん)。亡き加古さんから「母の友」への贈り物。涙が出る気持ちでありました。三作のうち、残りの二話は今年度のどこかの号で掲載出来たらと思っています。」
「母の友」では見開き2ページに2枚のかこさとしさんの絵がありますが、この度子どもが自分で読めるように漢字をひらがなに開き、文字を大きくしたために一話8ページになっています。そこでなかじまかめいさんによるイラストが加わりました。どれもイノシシ先生がかこさとしさんご本人に見えてくるような優しく温かいお話です。文字を読み始めた子どもたちにぜひ読んでほしいと思います。

 

 

 

 

【その他】

『音楽の肖像 堀内誠一×谷川俊太郎』堀内誠一・谷川俊太郎/著 小学館 2020/11/4(第2刷2021/1/17)(出版社のサイト→こちら

 

児童向けではないかもしれませんが、YA世代には楽しめる1冊です。2020年12月5日から2021年1月24日まで荒川区立図書館ゆいの森あらかわで堀内誠一展が開催されていました。『音楽の肖像』の原画も何枚か展示されていました。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンからストラヴィンスキー、エリック・サティまで堀内誠一が遺した28人の作曲家の肖像画とエッセイに加えて、谷川俊太郎が32編の詩をつけた芸術を愛する人にはたまらない1冊です。

 

 

 

 

『学校司書おすすめ!小学校学年別知識読みもの240』福岡淳子・金澤磨樹子/編 少年写真新聞社 2020/11/20(出版社のサイト→こちら

 

知識の本を、小学校の学年別に紹介したブックリストです。ブックトークや授業で使う資料として、また団体貸出の選書に役立つことでしょう。各学年ごとに子どもたちの語彙力、読解力の発達に応じためあてが書かれており、とてもわかりやすい選書基準が示されています。また、コラム記事も充実しており、学校図書館だけでなく、公共図書館の司書にとっても、心強い味方になると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

『デジタル・シティズンシップ コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び』坂本旬・芳賀高洋・豊福晋平・今度珠美・林一真/著 大月書店 2020/12/15(出版社のサイト→こちら

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、これまで遅々として進まなかった我が国のデジタル教育を大きく変えていくことになりました。これまで子どもたちにデジタルデバイスを手渡す際には、抑制的な「情報モラル」を教えることが主流でした。
しかし、これからの世の中はデジタルを賢く使いこなす時代です。子どもたちが主体的に関われるデジタル・シティズンシップが必要になるとこの本では説いています。デジタル・シティズンシップとは、デジタル世界で生活し、学習し、働くことの権利、責任、機会を理解し、安全で合法的、倫理的な方法で行動できるためのポジティブな捉え方なのです。GIGAスクール構想が前倒しで着手されることになるでしょう。私たち司書もこの視点をもっていたいと思います。

 

 

 

 

『学校が「とまった」日 ウィズ・コロナの学びを支える人々の挑戦』中原淳/監修 田中智輝・村松灯・高崎美佐/編著 東洋館出版 2021/2/1(出版社のサイト→こちら

昨年3月に、なんの根拠も議論もなく、いきなり日本中の学校での学びが止まりました。政府の一方的な通達により、小学校、中学校、高校が臨時休校になり、学びの中断が起きたのでした。
その時、生徒には、保護者には、家庭には、何が起こったのか。そして学校では、どのような意思決定がなされ、教員は何を思っていたのか。NPOなどの学校でもなく、家庭でもない機関は、どのような教育支援を行ったのかを、まとめたものです。
中心にいたのは立教大学経営学部教授の中原淳さん。SNSを通して、どうしたら学びを止めずにいられるのか、すぐに共同研究プロジェクトを立ち上げ、発信していました。私もそのグループの情報を活用し、TS室のeラーニング作成に必要なノウハウを得ることが出来ました。図書館も閉館していた昨年春の緊急事態の中で、何が出来たのか、出来なかったのか、再び学びを止めないために、すべての子どもに関わる人に読んでほしい1冊です。

 

 

(作成K・J)

東京子ども図書館「2021年度 児童図書館員のための初級研修プログラム(全8回)【ライブ配信】」のご案内


公益財団法人 東京子ども図書館主催の「2021年度 児童図書館員のための初級研修プログラム(全8回)」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

児童図書館員や学校図書館員として働きはじめてまもない方や、将来働きたいと希望する方を対象とした、児童サービスの基礎を学ぶ研修プログラムです。2021年度は、インターネットサービスZoomを使用して、在宅で学べるライブ配信講座として開講されます。

申込方法など詳細は、東京子ども図書館のWebサイト→こちらをご覧ください。

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「2021年度 児童図書館員のための初級研修プログラム(全8回)」

<日時>2021年6/5、7/10、9/11、10/9、11/13、2022年1/8、2/5、3/12
    いずれも土曜日 【午前】10:30~12:15 【午後】14:00~16:00 が基本となっています。
<講師>東京子ども図書館役職員
    9/11(土)は、髙橋樹一郎氏(東京子ども図書館理事・天理市図書館館長補佐。著書に『子ども文庫の100年』みすず書房刊)
<受講料>一般20,000円 賛助会員18,000円 学生18,000円
<定員>60名
<申込締切>2021年3月15日(月)

(作成 T.I)

4月のおすすめ本☆リスト(2021)


124年ぶりに節分が2月2日になりました。

立春は、春分の日(地球の真東に太陽が昇る日)から決まりますが、それが一日ズレるために節分も一日早くなりました。地球が太陽の周りを回るのに365.2422日=365日+6時間弱で、ズレが生じるからなんですね。約6時間のズレなので4年に一度閏年に一日追加されるのですが、6時間丁度のズレでないことからこうした調整が入るのですね。

久しぶりに暦について調べるきっかけになりました。

さて、4月のおはなし会やブックトークで使えるリストの更新をしました。おはなし会だけでなく、リスト作成や展示の準備などの業務に役立ててください。

4月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2021)

 

(作成K・J)

おすすめの幼年童話46『かさをかしてあげたあひるさん』村山壽子作


今回は、70年以上前に書かれながら、今でも変わらず子どもたちの心に寄り添ってくれる村山壽子氏のおはなし集を紹介します。

『かさをかしてあげたあひるさん 村山壽子おはなし集』 村山壽子作 山口マオ絵 福音館書店 2010

村山壽子氏は、1903年に生まれ、大正時代末期から当時発行されていた絵雑誌「子供之友」に、詩や童話を描いていました。その作品は、登場するものが人間ではなく、動物であったり野菜であったりすることが特徴で、子どもにとって身近なものや親しいものが擬人化されて、不思議だけれど共感できるお話が展開されています。

例えば、表題作の「かさをかしてあげたあひるさん」に登場するのは、あひるさんとにわとりさんです。ある雨の日、お友だちのにわとりさんに傘をかしてと頼まれたあひるさんですが、家には一本しかありません。傘を貸してあげられないと涙をこぼすあひるさんをみて、お母さんは、一本しかない傘を貸してもよいと言ってくれるのです。あひるさんが大喜びで傘を貸すと、後日にわとりさんはお礼に卵をもってきてくれ、お母さんはその卵でおいしいオムレツを焼いてくれるのです。
他愛のないお話ですが、貸してあげられなくて悲しい気持ちや、わかってもらえて嬉しい気持ち、そして最後は美味しそうなオムレツの登場と、子どもの気持ちにぴったりと寄り添い、喜ばせてくれるお話です。

この本には全部で17の童話が紹介されていますが、子どもの心をよく知っている作者だからこそ描ける、明るくユーモアのある作品ばかりです。リズム感のある、声に出してよみたくなる文章です。幼い子でも無理なく読めますし、読み聞かせにも向いています。(仮名遣いは著作権承継者の了承を得て、現代仮名遣いにし、表記の一部も改められています。)

挿絵は、山口マオ氏によるも版画による元気な絵です。村山壽子さんの作品の挿絵は、夫であり、童話作家、前衛美術家として活躍していた村山知義氏によるものが有名ですが、山口マオ氏の挿絵も、カラリと明るいお話の雰囲気が伝わってきて、現代の子どもたちにも親しみやすいものとなっています。JULA出版局からは、村山知義氏の挿絵で読める『村山壽子氏作品集 全3巻』(村山壽子作 村山知義絵 村山壽子作品集編集委員会編 JULA出版局)が出版されています。こちらの作品集では、童話だけでなく、童謡や絵ばなしも紹介されています。どんどんお話を読みたい!という子であれば、ぜひこちらをおすすめしてみてください。

(作成 T.I)

2021年3月(その2)はるがきた(幼児~小学生)


これから2月下旬まではまだ厳しい寒さが続きますが、それでも日に日に陽射しが伸びて、木蓮の蕾が膨らみ始めています。

3月には、春の訪れを心から楽しみたいと願いながら、おはなし会プランを作成しました。

(なお、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

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【はるがきた】

導入 詩「おがわのきしべで」『ロシアのわらべうた』(内田莉莎子 丸木俊/絵 架空社  2006)より 30秒

「おがわのきしべで みどりのくさはらで
 くさはらで くさはらで
 つみましょ れんげそう あみましょ はなわを
 はなわを はなわを
 (後略)」

春を迎えて、外へ出ていく喜びを歌ったロシアのわらべうたです。詩に添えて楽譜もついていますが、日本のわらべうたと比べると、音程の幅が広く歌いづらいです。詩の朗読に留めてもよいでしょう。また、れんげの花輪つくりを知らない子どもたちに、詩の朗読の後に説明してあげてもよいでしょう。

 

 

 

素話「花咲かじい」『子どもに語る日本の昔話②』(稲田和子・筒井悦子/著 こぐま社 1995)より 10分

 

こちらは山形の言葉で再話されています。優しいじじとばばの気持ちが伝わるように、丁寧に語ってあげましょう。

 

 

 

 

 

 

 

絵本『はるがきた』ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 こみやゆう/訳 主婦の友社 2011 6分

 

なかなか春が訪れない街で、子どもたちの提案で街中を春色に塗る作業が行われました。ところが雨が降り続き、せっかくの絵を洗い流してしまいます。しかしその雨は春の訪れを告げる雨だったのです。明るい黄色が、春の訪れを伝えてくれる、そんな優しい絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ハートのはっぱ かたばみ』多田多恵子/文 広野多珂子/絵 福音館書店 2015 6分

 

早春の庭の片隅で小さなかたばみの芽をみかけます。どこにでも生えてくるかたばみ、コンクリートの隙間から生えてくることも。どんな花なのか、どうやって増えるのか、丁寧に教えてくれる科学絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

 

(作成K・J)

SLA情報局online 第5弾「学校図書館の基本的な仕事とは~『学校図書館』『学校図書館速報版』を活用しよう」のご案内


全国学校図書館協議会(全国SLA)が開局するオンラインイベント「SLA情報局online」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

「SLA情報局online」は、コロナ禍により、全国大会や研修会が中止となる中、全国の学校図書館担当者に有用な情報を届け、スキルアップや交流の場となるようなプログラムをめざして、企画されたとのことです。

第5弾は、「学校図書館の基本的な仕事とは~『学校図書館』『学校図書館速報版』を活用しよう」となっています。全国SLAが発行している『学校図書館』『学校図書館速報版』を活用して、学校図書館の初心者もベテランも押さえておきたい学校図書館の基本的な仕事について、紹介くださるとのことです。新年度に向けて、基本的な仕事を再確認してみたい方など、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、全国学校図書館協議会Webページ→こちらをご覧ください。

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SLA情報局online「学校図書館の基本的な仕事とは~『学校図書館』『学校図書館速報版』を活用しよう」

<日時>2021年2月25日(木)10:00~10:45(予定)※録画配信を予定。4月23日(金)(予定)までアーカイブ視聴あり
<講師>野口武悟氏(専修大学文学部教授、放送大学客員教授)
<参加者>学校図書館や教育、子どもの読書など、関心のある方ならどなたでも
<参加費>無料(通信費は自身でのご負担となります)
<申込締切>2021年1月15日(金)9:00~4月22日(木)15:00 ※動画視聴期間の最終日前日15:00まで申込を受付

(作成 T.I)

2021年3月(その1)でておいで~(小さい子)


新型コロナウイルス感染拡大の第3波の中、子どもたちは無邪気に走り回れず、子どもたちに関わる大人たちがどれだけ大変な思いでいるか、想像に難くないです。

一日も早く収束に向かうようにと心から祈っています。

3月になるころには、少しは収束の目途が立っているでしょうか。早春の陽射しの中で、子どもたちがのんびりと遊べるようになってほしいと願いながら、おはなし会プランを作成しました。

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。また、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

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【でておいで!】

導入 わらべうた おすわりやす

 

 

 

 

 

 

 

おひざの上に乗って揺らしてもらいます。保護者のおひざの上は居心地がいいなあと感じてもらう時間です。「おすわりやす いすどっせ あんまりのったら こけまっせ すーわった」という短いバージョンで歌われることもあります。「すーわった」のあとに「ドシーン!」と言いながら、しっかりお子さんの脇を支えて膝の間を開いて間に落とします。

 

 

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

おひざの上に乗せて、お子さんをしっかり手で支えておとなの方がそっと左右に揺れます。「○○ちゃん」というところでは、それぞれがお子さんの名前を入れて歌い、「ギューッ」と抱きしめます。

 

絵本『おひさまでたよ』北村人/作 絵本館 2018 1分25秒

 

暖かい色のクレヨンの線で描いた小さい子向けの可愛らしい判型の絵本。「ぽかぽか ぽかぽか いいきもち」、「ぽかっぽかっ ふあーあ いいきもち」、ページをめくると動物たちがおひさまの温かい陽射しの中でのーんびりしています。のーんびりすること、これがなかなか出来ない今だからこそ、そんな時間を大事にしたいなと思います。

 

 

 

 

 

 

わらべうた にぎりぱっちり

 

 

 

 

 

手の中にギュッとシフォン布(ハンカチ等で代用可)を握って隠し、握った手を揺らします。「たてよこひよこ」といって手を開くと中からふわ~っと布が広がってひよこが生まれたように見えます。(右の画像:スパークハーフという布を使うと、切りっぱなしで糸始末をせずに使えます)

 

 

 

 

絵本『ひよこ』語りかけ絵本 こがようこ/文・絵 大日本図書 2017 1分10秒

 

ころころ、たまごがころがって「ぴよっ」といってひよこが出てきます。また、たまごの中に隠れたり、出てきたり、繰り返しながら、つぎつぎにひよこたちが飛び出てきます。「語りかけ絵本」なので、子どもたちの反応を見ながら読んであげましょう。

 

 

 

 

 

わらべうた ちゅっちゅこっこ

 

 

 

 

 

シフォン布(ハンカチ等での代用可)を上下に振って遊びます。「とんでけー」で高く布を飛ばします。何度か繰り返して遊びましょう。

 

 

 

絵本『ちょうちょうひらひら』まどみちお/文 にしまきかやこ/絵 こぐま社 2008 1分

 

春らしい優しさに満ちている絵本です。ちょうちょうが飛んできて、うさちゃんの耳に止まります。「うさちゃんがうふふ」、次はしかさんの角に、ねずみさんのしっぽにちょうちょうが止まります。ぞうさんのところには止まるかな?ゆっくり絵を見せながら読んであげましょう。読んでもらう子どもたちもうれしくなりそうです。

 

 

 

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずっくぼんじょ」とは佐賀県の方言でつくしのこと。両手を合わせてつくしの筆の部分(胞子形成部)を作り、歌に合わせて少しずつ手を伸ばして高くしていきます。「ででこらさい」と歌った後に「にょき!にょき!」と言いながら背伸びをしてもよいでしょう。

 

 

 

わらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

 

訃報 安野光雅さん


国際アンデルセン賞画家賞を受賞した絵本作家の安野光雅さんが、先月12月24日に亡くなられたというニュースが本日午後流れました。94歳でした。

夕方の各局のニュースでも報道されていましたし、ネットニュースでも流れていましたので、すでにご存知の方も多いことでしょう。(朝日新聞ネットニュース→こちら

 

安野光雅さんの代表作『旅の絵本』(福音館書店 1977年)(シリーズは全9冊→こちら

 

 

 

 

 

また近年も朝日出版社から「安野光雅の絵で読む世界の少年少女文学」シリーズ(2015~2019)(→こちら)など精力的な仕事を続けてこられました。

「本のこまど」での安野光雅さん新刊紹介記事
『森のプレゼント』ローラ・インガルス・ワイルダー/作 安野光雅/絵・訳 朝日出版社 2015/11/20 (→こちら

『旅の絵本Ⅸ』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/15『かんがえる子ども』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/(→こちら

『赤毛のアン』ルーシイ=モード=モンゴメリ/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2018/6/20(→こちら

*『メアリ・ポピンズ』トラバース/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/1/25 (→こちら

『かずくらべ』西内久典/文 安野光雅/絵 福音館書店 2019/4/15 (→こちら

*『銀の匙』中勘助/作 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/9/6 (→こちら

 

その他の安野光雅さんの著作(児童向けのみ)→こちら(NDLサーチより)

 

2018年11月1日に日本出版クラブで行われたJBBY主催の角野栄子さんの国際アンデルセン賞作家賞受賞祝賀会に安野光雅さんも参加されていて、その時はお元気そうでした。

たくさんの素晴らしい子どもの本を届けてくださったことに、心から感謝申し上げます。心より哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

 

 

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