Author Archive for テクニカルサポート室

JBBYオンラインセミナー#13「私が会った 国際アンデルセン賞画家と 世界の絵本作家」のご案内
「第3回図書館マルシェ」のご案内
2021年3月、4月の新刊から
6月のおすすめ本☆絵本(2021年)
文部科学省「子供の読書キャンペーン」特設ページについて
「読書ボランティアセミナー~ONLINE~」のご案内
訃報 ベバリイ・クリアリーさん
令和2年度第2回児童部会報告
おすすめの幼年童話49 『はじめてのプ―さん プ―のはちみつとり』A.A.ミルン作
2021年5月(その2)鳥、とり(幼児~小学生)
2021年2月、3月の新刊から
「コロナ禍での読書と子どもの本の可能性:「フォーラム 子どもたちの未来のために!」第3回オンライン学習会」のご案内
2021年5月(その1)ぞうさん (小さい子)
「 国際子どもの本の日 JBBY子どもの本の日フェスティバル」の紹介
基本図書を読む36『ムギと王さま』『天国を出ていく』エリナー・ファージョン(再掲載)

JBBYオンラインセミナー#13「私が会った 国際アンデルセン賞画家と 世界の絵本作家」のご案内


日本国際児童図書評議会(JBBY)主催の JBBY国際アンデルセン賞と世界の子どもの本講座2021-①「私が会った 国際アンデルセン賞画家と 世界の絵本作家」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

美術・絵本評論家の松本猛さんが、親しく交流した絵本作家の創作の秘密や知られざるエピソードを、多くの写真を紹介しながらお話くださるとのことです。

申込方法など詳細は、JBBYのWebサイト→こちらをご覧ください。

**********************************************

JBBY国際アンデルセン賞と世界の子どもの本講座2021-①
「私が会った 国際アンデルセン賞画家と 世界の絵本作家」

<日 時> 2021年4月25日(日)14:00-16:00(開場15分前)
<場所>  オンライン(ZOOM)
<講 師> 松本猛さん(美術・絵本評論家)
<参加費> 
一般1300円、JBBY会員1000円
※事前予約・事前払い込みが必要です。

(作成 T.I)

 

 

 

「第3回図書館マルシェ」のご案内


ポプラ社主催の学校図書館・公共図書館向けオンライン選書イベント「図書館マルシェ」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修として紹介しています)

ポプラ社新刊案内、参加出版社おススメ商品案内、『総合百科事典ポプラディア』説明会など盛りだくさんのイベントとなっています。
興味・関心のある方は、ぜひご参加ください。

詳細については、 こちらをご覧ください。

**********************************************************
「第3回図書館マルシェ」

<日程> 2021年4月27日(火)~5月1日(土)
<会場> Web会議サービスZoomに加え、YouTubeで同時配信します
<参加費>無料(通信費はご自身のご負担となります)

(作成 T.I)

2021年3月、4月の新刊から


3月、4月に出版された子どもの本を紹介します。一部、見落としていた3月以前に発行された新刊も含まれています。

この度は横浜・日吉にあるともだち書店と、代官山蔦屋書店にに注文し届けていただいたものと、本の編集者からお届けいただいたものもあります。それらを読んで紹介文を作成しました。今回は、児童書が1冊と少ないですが、4月中に銀座・教文館ナルニア国へ選書に伺い、出来るだけ早くに紹介できるようにいたします。

 

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

 

*****************************

【絵本】

『ことりはこえだのてっぺんに』(おやこでよもう!金子みすゞ)金子みすゞ/詩 松本春野/絵 中村勘九郎/ナビゲーター 監修/矢崎節夫 JULA出版局 2021/3(出版社サイト→こちら

JULA出版局から出ている「おやこでよもう!金子みすゞ」シリーズの最新刊です。
絵本のタイトルになっているのは「き」という詩の中のことばです。
「き」のほかに「あかいくつ」、「いろがみ」や「こだまでしょうか」など10篇の詩が収められています。

 

 

 

 

 

『おひさま わらった』きくちちき/作 JULA出版局 2021/3(出版社サイト→こちら

こちらもJULA出版局からの新刊です。ブラティスラヴァ世界絵本原画展で何度も受賞しているきくちちきさんの最新刊です。身近な森の中にさんぽにでかけた子どもが、たくさんのいのちたちと出会い、ふれあい、少し怖い思いをしながらも、すべてがつながっていることを体感していく様子を、4色刷りの木版画で表現しています。
赤、青、黄、黒、それぞれの版を描き分け、直接それぞれの色で印刷し、紙面上で版画が完成するという手法で丁寧に作られています。温かみのある版画だからこそ、命溢れる森の中での躍動感が伝わってくると思います。

 

 

 

 

『かえるのごほうび』絵巻「鳥獣人物戯画」より 木島始/作 梶山俊夫/レイアウト 協力/高山寺 福音館書店 2021/3/20(出版社サイト→こちら

2021年4月13日より東京国立博物館で特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が始まりました。(公式サイト→こちら)それに合わせて、福音館書店月刊誌「こどものとも」1967年1月号として刊行されていた作品が、新装製版されてこの度出版されました。つまり国宝が絵本になったのです。
今から800年以上前に描かれた素晴らしい絵巻には詞書がつけられていませんが、素晴らしい作品を子どもたちの身近に置けないのかと考えて物語がつけられたと裏表紙に木島始さんの言葉が記されています。まるではじめから、そういう詞書だったと思うほどに自然で楽しいお話になっています。

 

 

 

『気のいいバルテクとアヒルのはなし』クリスティーナ・トゥルスカ/作・絵 おびかゆうこ/訳 徳間書店 2021/3/31(出版社サイト→こちら

ポーランド出身の絵本作家が描いた昔話風の物語です。バルテクという名の気のいい若者は、1わのアヒルと一緒に山奥の村はずれにあるみすぼらしい家に住んでいました。ある時カエルの王様を助けたことから魔法の力を授かります。
そこへ、兵士たちの隊列がやってきます。バクテクは自分の家を宿舎として提供しようとしますが、大将はバクテクのアヒルを丸焼きにしろと命令してきます。それだけは出来ないと、バクテクはカエルの王様に授けられた魔法を使うのでした。1972年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞した作品の初邦訳です。

 

 

 

 

 

 

『ヴォドニークの水の館 チェコのむかしばなし』まきのあつこ/文 降矢なな/絵 BL出版 2021/4/1(出版社サイト→こちら

世界のむかしばなし絵本シリーズ[第2期]の5冊目で、チェコの昔話に、スロヴァキア在住の降矢ななさんが絵をつけています。
ヴォドニークとは、ボヘミア地方で語り継がれてきた水の魔物です。日本の河童と同じように、人間を水に引きずり込んで溺れさせる存在であったり、一方では人に親切でいたずら好きな存在として語り継がれているそうです。その姿もたいてい緑色の体をしていると「あとがき」に描かれていて、日本の河童と似ていることに驚きました。
貧しい家の娘があまりのひもじさに家を出て、川に身を投げたのをヴォドニークがつかまえ、水の館に連れ帰ります。娘はヴォドニークに仕えることになるのですが、広間にある壺の中だけは覗いてはならないと言いつけられます。ある時壺の中から前に川でおぼれ死んだ声が聞こえてきたのです。昨年春、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で中断された原画展が、銀座・教文館9階ウェンライトホールで再開されています。(降矢なな絵本原画展2021年3月27日~5月5日 公式サイト→こちら)この絵本の原画が追加されており、早速見てきました。水の中の世界は透明で、娘が壺の中の魂を解放するシーンは幻想的で原画ならではの美しさでした。ぜひお時間を作って見にいってください。

 

 

 

 

【児童書】
*読み物*

『さいごのゆうれい』斉藤倫/作 西村ツチカ/画 福音館書店 2021/4/10 (出版社サイト→こちら

ハジメは、小5の夏休みを父親が仕事でいない間、田舎のおばあちゃんの家で過ごすことになりました。ハジメが幼い時に亡くなった母親の実家です。
飛行機が好きなハジメは、おばあちゃんの家の近くに出来た新しい空港を毎日見に行って過ごしていました。8月13日の午後、いつものように空港を見に行くと、飛行船のようにずんぐりした飛行機が降りてくるかと思ったらその飛行機は大きさを変えながら降りてくるのです。そのままその飛行機は滑走路を外れ、すすきの原を越えてハジメのいるフェンスの前で止まるのでした。そして降りてきたのはゆうれいの女の子だったのです。ネムと名乗るゆうれいの女の子と過ごすうちに、ハジメはこの世界から「かなしみ」という感情が消されていること、それは父親が研究開発した薬に因るものだと気づきます。「かなしみ」がないと人は亡くなった人を思い出すこともなくなり、するとゆうれいも居なくなってしまうというのです。「かなしみ」とは何なのか、読み進めるうちに考えさせられます。「かなしみ」を取り戻すために、ハジメとネムと一緒に不思議な旅をするミャオ・ターとゲンゾウなど脇役も魅力的です。

 

 

 

【その他】

『アーノルド・ローベルの全仕事 がまくんとかえるくんができるまで』永岡綾、大久保美夏/編集 ブルーシープ 2021/1/8 (出版社サイト→こちら

今年1月9日から3月28日までの会期で立川市にあるPLAY MUSEUM(公式サイト→こちら)で開催されていた「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念アーノルド・ローベル展の図録です。この原画展は、2021年4月3日(土)− 2021年5月23日(日)に広島のひろしま美術館、その後も2022年春に伊丹市立美術館などへ巡回します。(原画展情報→こちら
アーノルド・ローベルの全作品と、ラフスケッチなどの資料がふんだんに集められていて、彼の作品の魅力を深く知ることが出来ます。研究資料としても価値が高いものになっています。

 

 

 

 

 

 

 

『おはなし会で楽しむ手ぶくろ人形』保育と人形の会/編著 児童図書館研究会 2021/3/1(児童図書館研究会のサイト→こちら

「本のこまど」でも何度も紹介しているミトンくまなど、おはなし会で活躍できる手ぶくろ人形の他、さまざまな小物の作り方と演じ方をコンパクトにまとめた本です。
後半には図書館などでの実践報告がまとめられています。絵本やわらべうたとどのように手ぶくろ人形を組み合わせるのか、詳細に書いてありますので、即実践に役立つことでしょう。コロナ禍で子どもたちと距離を保たなければならない昨今のおはなし会ですが、間に人形が入ることで、子どもたちの心もホッと和らぐことと思います。ぜひ図書館事務室に1冊、揃えておいてください。

 

 

 

 

 

 

 

『乳幼児期の性教育ハンドブック』浅井春夫、安達倭雅子、良香織、北山ひと美/編著 “人間と性”教育研究協議会・乳幼児の性と性教育サークル/著 かもがわ出版 2021/4/15(出版社サイト→こちら

世界経済フォーラムが発表した日本の最新のジェンダー・ギャップ指数が120位というニュースはご覧になったと思います。
性差はあるけれど、それが人間の価値の差ではないことを私たちは認識しなければなりません。
しかし男尊女卑の考え方はどんなところから来るのでしょうか。意外と幼いころからの性教育にも起因しているのかもしれません。
性の問題は深く人権に結びついています。このハンドブックは主に保育園、幼稚園の教師向けに書かれたものですが、図書館にも幼い子供たちが大勢やってきます。知らないうちに本や配布物も「男の子向け、女の子向け」と分けてしまっているかもしれないですね。そのあたりから見直してみるためにも一読をお勧めします。

 

 

(作成K・J)

文部科学省「子供の読書キャンペーン」特設ページについて


昨年、新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業期間における児童生徒の学習の支援方策の一つとして、文部科学省が開設した「子供の読書キャンペーン」特設ページが、「子ども読書の日」(4月23日)に向けて、デザインや内容が更新されました。

「子供の読書キャンペーン」特設ページ

特設ページには、著名人のおすすめの本、「絵本で子育てを楽しく」パンフレット、読書バリアフリーリーフレット「誰もが読書をできる社会を目指して」、読書関係団体の取組等の紹介、といった内容が掲載されています。

(作成 T.I)

「読書ボランティアセミナー~ONLINE~」のご案内


横浜市教育委員会主催のオンラインイベント「読書ボランティアセミナー~ONLINE~」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修として紹介しています)

読書ボランティアセミナーとなっていますが、学校図書館勤務の方や、YAサービスを担当されている方にもおすすめです。
期間内はいつでもどなたでも視聴できるとのことで、ご興味のある方はぜひ参加ください。
詳細は、読書ボランティアセミナー~ONLINE~(特設ページ) →こちらをご覧ください。

**********************************************************
「読書ボランティアセミナー~ONLINE~」

<配信期間> 令和3年3月20日(土)~5月31日(月)まで
<参加費> 無料
<内容>
・金原瑞人氏 動画講演「YA文学の魅力~10代に本を届けるあなたへ~」
・「YAに届け!~出版社のチャレンジ」協力:ポプラ社
・「読書のコツや楽しさを伝えるカード『Life with Reading』を活用しよう!」協力:有隣堂
・「電子書籍 活用法」協力:Amazon kindle
・中央図書館司書による「初心者向け読み聞かせレクチャー」

(作成 T.I)

訃報 ベバリイ・クリアリーさん


「ゆかいなヘンリーくん」シリーズ(→こちら)で有名なアメリカの児童文学作家、ベバリイ・クリアリーさんが3月25日、アメリカ、カリフォルニア州カーメルで亡くなられました。104歳でした。(ニュース記事→こちら

日本では、松岡享子さんの翻訳で14冊出版され、小学生時代に親しんだ子どもたちも多いことでしょう。

『がんばれヘンリーくん』ベバリイ・クリアリー/作 ルイス・ダーリング/絵 松岡享子/訳 学習研究社 2007(改訂新版)

その他のゆかいなヘンリーくんシリーズ
『ヘンリーくんとアバラー』
『ヘンリーくんとビーザス』
『ビーザスといたずらラモーナ』
『ヘンリーくんと新聞配達』
『ヘンリーくんと秘密クラブ』
『アバラ―のぼうけん』
『ラモーナは豆台風』
『ゆうかんな女の子ラモーナ』
『ラモーナとおとうさん』
『ラモーナとおかあさん』
『ラモーナ、八歳になる』
『ラモーナとあたらしい家族』
『ラモーナ、明日へ』

 

「本のこまど」の「基本図書を読む20」では、『がんばれヘンリーくん』について詳しく紹介しています。(→こちら 作成T・I)合わせて、こちらもご覧ください。

 

楽しいおはなしを書いてくださったクリアリーさんに感謝の気持ちを込めて、心より哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

令和2年度第2回児童部会報告


令和3年3月19日(金)に令和2 年度第2 回児童部会を開催し、10名が出席しました。(部員7名、事務局3名)
今回も、会場だけでなく、オンライン(ZOOMを利用)でも参加できるハイブリッド形式で開催し、今年度の情報共有のまとめと、これからの児童サービスを考えていくにあたっての意見交換を行いました。

児童部会では、10月以降、メールでのやりとりを中心に、各図書館の取り組みのほか、次年度の計画や選書・廃棄方法などについて共有をしてきました。各図書館の取り組みは、ZOOMを利用したおはなし会、ぬいぐるみおとまり会、図書館スタンプラリー、本の福袋、おすすめBOXなど15件ほど共有され、コロナ禍において配慮した点についても報告がありました。
(15の取り組みについては、ファイルにまとめて閲覧できるようにしています。弊社受託図書館のみになりますが、ファイルの貸出希望がありましたら、テクニカルサポート室までご連絡ください。)

今回は、共有された取り組みの中から、おはなし会についての詳細の報告や、詳しく知りたい取り組みについての質疑応答を行いました。
おはなし会については、通常のような実施が難しい中で、各図書館ではZOOMを利用したおはなし会を実施するなど、安全に参加していただけるよう様々な工夫をしていました。ZOOMの利用は初めての館ばかりでしたが、接続テストや照明の調整などの事前準備や、プログラムや著作権の許諾について、参加者へのご案内方法など、試行錯誤しながら実施してきた様子が共有されました。
 また低年齢の子は集中して画面を見続けるのは難しいようなので配慮が必要といった意見や、通常のおはなし会だと紹介しにくい細かな絵の本も紹介できるといった意見が出るなど、これまでと異なった形式で開催することで、どのような配慮が必要になってくるか、またどのような可能性がでてくるのかを、触りですが共有することができました。

後半は、これからの児童サービスについて考える土台となるよう、各担当者がこの1年を通して、感じたこと、考えたことを中心に、2グループに分かれて話し合いました。以下、話し合いで出された代表的な意見です。

・通常どおりに行うことができないくやしさを感じながら、できることはしていきたいと模索しながら進めてきた1年だった
・イベントは実施していきたいが、定員が少ないためお断りする場面が多くなるなど、制約も多い。コロナ禍でのイベント実施については、次年度も模索していく必要がある
・図書館の利用を控える人もいる一方で、新たに利用される方もいたように感じる。図書館への要望も多岐にわたり、改めて図書館は必要とされていると感じた。同時に、どう応えていくかが課題と感じている
・ボランティアの方の参加が難しくなり、ボランティアのみなさまとのつながりの大切さに改めて気がついた。今後交流を密にしていき、どんな想いで活動されているのかなど共有できたら、より子どもたちに伝わるおはなし会にしていけるのではと感じている
・地域によって、コロナウイルス感染症に対する意識の違いを感じた。また学校連携の際なども、意識の違いを感じ、戸惑うこともあった
・コロナ禍での子どもたちへの影響を考えると、ネットの情報に頼りがちな1年だったのではないかと思う。本の力もこういうときだからこそ伝えたかったが、良い方法を考えるのが難しかった
・図書館、学校、ボランティア、子どもたち、それぞれが必要としあっているけれども、その連携の仕方を考えていかなければならないことが、今回のコロナ禍でみえてきたと思う                         

今回のコロナ禍で、子どもたちにサービスを届けたいのに難しいという状況に直面したことは、これからの図書館の役割を見つめ直す機会となりました。また先が見えない中でも、各図書館の取り組みや課題、それぞれの想いを共有することの大切さを改めて感じております。令和3年度も児童部会は、現在の児童サービスの状況を共有し、これからの児童サービスについて考える場として活動を続けてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(作成 T.I)

おすすめの幼年童話49 『はじめてのプ―さん プ―のはちみつとり』A.A.ミルン作


今回は、世界中で一番有名かもしれないクマのお話を紹介します。

『はじめてのプーさん プーのはちみつとり』 A.A.ミルン 文  E.H.シェパード 絵   石井桃子 訳 岩波書店 2016

クマのプーさんは、詩人で劇作家のA.A.ミルンが、小さい息子クリストファー・ロビンのぬいぐるみのおもちゃを登場させたお話で、イギリスで1926年と1928年に2冊の本『クマのプーさん』『ㇷ゚―横丁にたった家』が出版されました。日本でも、石井桃子氏の名訳で、1940年代に紹介され、多くの人に愛されてきました。

15話あるお話は、父親が息子に語ってきかせる形式をとっています。舞台は百町森で、小さな男の子クリストファー・ロビン、ちょっと頭が弱いけど愛らしいクマのプーさん、ㇷ゚ーさんの親友で優しくて少し気が弱い子ブタ、じめじめ愚痴っぽいロバのイーヨーなど、個性的で愉快な仲間たちが登場し、平和な毎日にちょっとした事件が起こります。
 例えば、「ㇷ゚―のはちみつとり」のお話では、プーさんが木の上のハチの巣からハチミツをとろうと、木に登って落っこちたり、風船で飛んだりと奮闘します。青い風船にぶらさがったプーさんが、青空にでている小さい黒雲に見えるか見えないかなど、大まじめにやりとりしている場面などは本当に愉快です。またプーが作る詩も、「青空にうかぶ 雲はたのし! ちいさい雲は いつも うたう・・・」といった具合で、なかなかのけっさくで楽しいです。

今回紹介するはじめてのプ―さんシリーズは、15話のうち3話「ㇷ゚―のはちみつとり」「ㇷ゚―あそびをはつめいする」「イーヨーのあたらしいうち」を、文字と絵を大きくし、すべてにルビをつけて、出版したものです。「クマのプーさんえほん」(→こちら)も出版されていますが、絵本版より小さい子でも楽しめる造りとなっています。このシリーズから読み始めて、絵本版、そして岩波少年文庫『クマのプーさん』(2000年)『ㇷ゚―横丁にたった家』(2000年)に進む子もいるかもしれません。本当に幼いころから、小学生、そして大人になってもプーさんの世界がそばにあるのは、とても幸せなことだと思います。

挿絵は、イギリス生まれのE.H.シェパードで、それぞれの仲間たちの愉快な個性がじんわりと伝わってきます。訳者あとがきでは、「ことに動物をユーモラスにかくことが得意で、ㇷ゚―を主題にした挿絵は、シェパード以外の絵が想像できないほど、その内容にくいこんで、子どもの本の挿絵に新しい境地をひらきました」と記されています。(『ㇷ゚―横丁にたった家』A.A.ミルン 文  E.H.シェパード絵   石井桃子訳 岩波書店 岩波少年文庫)

もともと語りかける形式のお話ですので、読み聞かせにもぴったりです。ぜひその子にあったシリーズの本を紹介してあげてください。

(作成 T.I)

2021年5月(その2)鳥、とり(幼児~小学生)


5月10日から16日は、野鳥保護思想の普及のために鳥類保護連絡協議会が定めた愛鳥週間です。バードウィークとも呼ばれていますね。

そこで今月は「鳥」をテーマにおはなし会プランを作成しました。

 

(書影は各出版社の著作権許諾方針にしたがい利用しています。)

******************************
【鳥、とり】

導入 詩「わたしとことりとすずと」金子みすゞ(『すずと、ことりと、それからわたしーおやこでよもう!金子みすゞ』高畠那生/絵 坂本美雨/ナビゲーター 矢崎節夫/監修 JULA出版局 2019  より)1分

「わたしがりょうてをひろげても、
 おそらはちっともとべないが、
 とべることりは わたしのように、
 じべたをはやくははしれない。
 (中略)
 すずと、ことりと、それからわたし、
 みんなちがって、みんないい。」

 

金子みすゞさんの代表作で、この詩の最後の言葉「みんなちがって、みんないい」という言葉はCMでも取り上げられました。多様性を認め合うという考え方は、今ではポピュラーですが、金子みすゞさんが生きた時代には女性の生き方は狭い枠の中にはめられていました。そんな時にこの詩を詠んだその感性は素晴らしいですね。子どもたちが伸び伸びと自分の良さを発揮できるように願いながら、一緒にこの詩を味わいたいと思います。短い詩なので、子どもたちにも復唱してもらいましょう。

 

 

 

素話「鳥呑爺」稲田浩二、稲田和子/再話(『日本昔話百選』三省堂 2003(改訂新版)より)5分

山に仕事に行ったおじいさんが一休みしていると、小さい鳥が飛んできて「あやちゅうちゅう こやちゅうちゅう にしきさらさら ごよのさかずき もってまいろか ぴぴらぴん」と鳴くのです。面白がったおじいさん、しまいには鳥を飲み込んでしまうのです。
繰り返しのある楽しいお話で、素話を聞きなれていない子どもたちでも楽しめます。

 

 

 

 

 

 

 

絵本『とんでいく』風木一人/作 岡崎立/絵 福音館書店 2020 3分10秒

 扉を右側から開いて緑色の文字を読めばタカの話、扉を左側から開いて茶色の文字を読めばガンの子のお話になります。2冊絵本を用意して、二人でそれぞれ一見開きを読んでいくのも面白いでしょう。ひとりで読む時は、どちらかを最初に読んで、最後まで行ったら反対方向に読んでいけばいいですね。1冊で2つのお話を楽しんでみましょう。折り返して読んでも3分強です。

 

 

 

 

 

絵本『くちばし どれが一番りっぱ?』ビアンキ/文 田中友子/訳 薮内正幸/絵 福音館書店 2006 8分20秒

ヒタキが、次々に出会う他の鳥たちのくちばしをうらやましがります。シメ、イスカ、タシギ、ソリハシセイタカシギ、ダイシャクシギ、ハシビロガモ、ヨタカ、ペリカン、アカゲラとさまざまな特徴のくちばしをもった鳥たち。最後にオオタカが襲ってきて・・・物語を聞いているうちに鳥のくちばしの役割を知ることができる絵本です。この絵本をきっかけに、公園や山野で鳥の観察ができるといいですね。

 

 

 

 

おわりのわらべうた さよならあんころもち

 

(作成K・J)

2021年2月、3月の新刊から


2月、3月に出版された子どもの本を紹介します。一部、見落としていた2月以前に発行された新刊も含まれています。

2月末に銀座・教文館ナルニア国で久しぶりに新刊チェックをしてきました。また、横浜・日吉にあるともだち書店に注文し届けていただいたものもあります。それらを購入し読んで紹介文を作成しました。

 

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

**************************************************

【絵本】

『ぺこぺこ ペコリン』こがようこ/作 くさかみなこ/絵 講談社 2021/1/15 (出版社のサイト→こちら

とってもくいしんぼのペコリン。なんでもたべちゃいます。たべたものは、マラカスにたいこ、ラッパにピアノ。それをたべちゃうと、ペコリンは楽器に変身して楽しい音を出すのです。ちょっと不思議、でも楽しい、赤ちゃんから楽しめるおはなし絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

『おばけのジョージ― こいぬをつれだす』ロバート・ブライト/作 こみやゆう/訳 好学社 2021/1/24 (出版社のサイト→こちら

心優しいおばけのジョージー、好学社から出ているシリーズは『おばけのジョージー こまどりをたすける』、『おばけのジョージー とびだしたけいとだま』、『おばけのジョージー メリーメリークリスマス』に続いて4冊目です。
ある日、散歩に連れ出してもらえない子犬マフィンを外に連れ出したジョージーと仲間たち。ところがマフィンはうさぎの巣穴にはまって動けなくなります。そこで猫のハーマンに飼い主のアイビスさんを呼んできてもらうのです。最後はホッとする結末になっています。

 

 

 

 

『なりきりマイケルのきかんしゃりょこう』ルイス・スロボドキン/作 こみやゆう/訳 出版ワークス 2021/1/25 (出版社のサイト→こちら

マイケルは、想像力豊かな男の子です。マイケルが居間で機関車ごっこを始めると、パパもお姉ちゃんも一緒になって汽車の旅を楽しんでくれます。マイケルは機関車の運転士にも、車掌にもなり、乗り換えバスの運転手にも、跳ね橋の開閉係にもなるのです。想像する力があれば、なんにでもなれる、そんな我が子の姿を温かく見守るパパの姿もほほえましい、そんな絵本です。

 

 

 

 

 

『うみがめのおじいさん』いとうひろし/作 講談社 2021/2/10 (出版社のサイト→こちら

いとうひろしさんの名作『おさるのまいにち』の名脇役うみがめのおじいさんのおはなしです。うみがめのおじいさんは波に揺られてうつらうつら。そうするとたくさんの思い出が波の間からあらわれてきます。そしてたくさんの思い出と一緒に心も体もどんどん海にとけていくように感じるのです。なんともゆったりとした、しずかなしずかな、それでいて気持ちが温かくなってくるお話です。

 

 

 

 

 

 

 

『ひびけわたしのうたごえ』カロライン・ウッドワード/文 ジュリー・モースタッド/絵 むらおかみえ/訳 福音館書店 2021/2/15 (出版社のサイト→こちら

 

カナダに住む6歳の女の子の物語です。学校へ行くために朝早く家を出て、スクールバスが停まる道路までの長い道のりを森を抜けて歩いていきます。まだ朝陽が昇らぬ前の暗い森の中を通り抜けながら、不安な気持ちを吹き飛ばすために女の子は歌を歌うのです。ブリティッシュ・コロンビア州のピース・リバー流域のセシル湖畔で少女時代を過ごした作者の実体験がもとになっています。絵本では夜明け前の通学路を描いていますが、人生における不安な時期と置き換えて読むことができます。どんなに困難な時でも前を向いて心に歌を、そうすればきっと希望がわいてくる。そんな応援歌になる絵本です。絵を描いたのは昨年10月に紹介した『サディ―がいるよ』(「本のこまど」記事→こちら)のジュリー・モースタッドです。

 

 

 

 

 

『おばあちゃんのたからもの』シモーナ・チラオロ/作 福本友美子/訳 光村教育図書 2021/2/20 (出版社のサイト→こちら

おばあちゃんの誕生日を祝うために家族が集まりました。孫娘がおばあちゃんの顔を覗き込んで「そんなにしわがあっていやじゃない?」と尋ねます。でもおばあちゃんは「ちっとも。だってしわは おばあちゃんのたからもの。だいじなおもいでがぜんぶしまってある、だいじなたからもの!」と答えるのです。孫娘は疑って、おばあちゃんの顔のしわを指さしながら「おばあちゃん、ここにはなにがしまっているの?」と次々に聞きます。おばあちゃんは幼い日の春の庭や、娘時代の海辺でのピクニック、おじいちゃんとの初めてのデートのことなど、孫娘に語っていくのです。老いていくことを前向きに捉えた心温まるおはなしです。

 

 

 

 

 

『めぐりめぐる』ジーニー・ベイカー/作 わだすなお/訳 ポリフォニープレス 2021/2 (出版社のサイト→こちら

渡り鳥のオオソリハシシギは南の住処オーストラリアやニュージーランドから飛び立ち、北の住処であるアラスカまで長い旅をします。その壮大な旅の様子を美しいコラージュで描き出しています。北へ飛ぶ旅の途中で立ち寄るのは中国大陸黄海近くの干潟です。急速な開発でどんどん干潟が失われていることもさりげなく描かれています。11000キロメートルをノンストップで飛びつづける鳥たちには「おおむかしからいききしていた しるしのないみちをたどる」能力があるようです。絵本の見開きに車いすの少年が描かれています。長い旅を終えて鳥たちが戻ってきた時には、少年は松葉杖になっていて、季節の移り変わりと時間の経過をさりげなく表現しています。

 

 

 

 

 

『まだまだ まだまだ』五味太郎/作 偕成社 2021/3(出版社のサイト→こちら

2021年2月6日にNHK、ETV特集で五味太郎さんが取り上げられました。(ETV特集「五味太郎はいかが?」→こちら
この番組の中で、制作過程を紹介していたのが、この絵本でした。
かけっこでゴールをしても、まだ走り続けたい男の子は町の中をどんどんかけていきます。
既成概念を常に突き破り、新しい挑戦を続ける五味さんらしい絵本です。人生の挑戦も「ここまで」と決めてしまうのではなく、自分らしく、自分で納得するまで走っていいんだよと、背中を押してくれるおはなしです。

 

 

 

 

 

 

【児童書】
*物語*

『町にきたヘラジカ』フィル・ストング/作 クルト・ヴィーゼ/絵 瀬田貞二/訳 徳間書店 2021/1/31(出版社のサイト→こちら

 

1969年に学習研究社から刊行された『町にきたヘラジカ』の訳文を、翻訳者である故・瀬田貞二さんのご遺族の了承を得て若干の見直しをした上で、この度徳間書店より再版されました。
アメリカ・ミネソタ州で実際にあった出来事を元にして書かれたおはなしで、厳しい寒波のやってきた冬のある日、仲良しの男の子イバールとワイノは、イバールの父さんの馬屋の中に大きなヘラジカを発見するのです。お腹を空かせて馬の飼い葉をたらふく食べてしまい、父さんや町の人たちは驚きますが、だれもこのヘラジカを撃ち殺すことはせず、町で飼うことにしたのでした。春になってようやくヘラジカは町から出ていきます。次の冬はいままでになく暖かい冬で、山にはヘラジカの餌がたくさんあるはずです。ところが、なんとヘラジカはまたやってきたのでした。ヘラジカを見て驚く町の人々の反応が楽しいおはなしです。文字も大きくルビがふってあるので、小学校低学年の子どもたちに手渡せる1冊です。

 

 

 

 

 

『見知らぬ友』マルセロ・ビルマヘール/作 宇野和美/訳 オーガフミヒロ/絵 福音館書店 2021/2/15(出版社のサイト→こちら

テストで数学の問題が解けない時、好きな女の子に告白したい時など人生のピンチになると現れる「見知らぬ友」。それは自分にしか見えない存在だけど、どうして現れるのか、わからない。そんな不思議なおはなしを皮切りに、思いがけない展開が待ち受けている10の短編が収められているYA向きの作品集です。
作者はアルゼンチンの作家で、物語の舞台は主に首都ブエノスアイレスです。「世界一強い男」のパートではこんな言葉があります。「八月のある寒い金曜日の」、北半球で暮らす私たちにはピンとこないのですが、南半球では真冬なのです。翻訳者の宇野さんは訳者あとがきに「地球の反対側のブエノスアイレスの街で繰り広げられる、肩の力が抜けたような、ちょっととぼけた、けれども、どこか温かな味わいのある物語を楽しんでいけたらうれしいです。」と記しています。そんな洒脱な作品をぜひ若い世代に手渡してあげてください。

 

 

 

 

 

『さくら村は大さわぎ』朽木祥/作 大社玲子/絵 小学館 2021/2/23 (出版社のサイト→こちら

さくら村には、昔からどこのうちでも子どもが生まれたら、さくらの苗木を一本、植える約束がありました。なので春になると村じゅうがさくらでいっぱいになるのです。大きなさくらはひいおじいちゃんやひいおばあちゃんが生まれた時のもの、小さなさくらは子どもたちが生まれた時のものです。
そんなさくら村の満開の四月から、夏と秋を過ごして冬へ、そして次の年の春にもう一本さくらの苗木が植えられるまで一年間の、小学校三年生のハナちゃんとお友達が繰り広げる楽しくも心温まる村の暮らしを描いたおはなしです。小学校低学年から中学年の子どもたちにおすすめです。

 

 

 

 

 

『ロザリンドの庭』エルサ・ベスコフ/作 菱木晃子/訳 植垣歩子/絵 あすなろ書房 2021/2/25 (出版社のサイト→こちら

北欧で読み継がれてきたエルサ・ベスコフの、不思議で美しい幼年童話です。6歳の男の子ラーシュ・エリックは、体が弱くいつもベッドに横になって壁紙に描かれた美しい花の絵を眺めていました。ラーシュは壁紙を見て「あの大きなふしぎな花は、いったいどこの国の花なんだろう?いつかその国をみてみたい」と思っていました。するとある日お母さんが仕事に出かけたあとに壁紙の中からノックする音が聞こえてくるではありませんか。そして壁紙の中から現れたロザリンドは壁紙の花々に水をやりはじめるのです。そのうちラーシュはロザリンドと一緒に壁紙の向こうのロザリンドの庭に行って遊ぶようになるのです。ところがお母さんにその話をしても信じてもらえません。次第に元気になってくるラーシュを見て、おかあさんは田舎に引っ越そうと考えるようになるのです。引っ越していった先は、ロザリンドの庭とそっくり。最後まで柔らかい光に包まれたような優しいファンタジーです。小学校中学年向けの童話です。

 

 

 

 

 

『あしたの幸福』いとうみく/作 松倉香子/絵 理論社 2021/2(出版社のサイト→こちら

中学生の雨音はパパと二人暮らしですが、来月にはパパは恋人の帆波さんと結婚することになっていました。ところが突然パパが交通事故で亡くなったしまいます。帆波さんと信号待ちをしている時に車に突っ込まれ、パパは帆波さんをかばうようにして即死し、帆波さんは助かったのです。
パパの葬儀のあと、雨音を誰が引き取るか、親族たちが話し合う中、彼女はパパと一緒に住んでいたマンションに残りたいと言い出します。そこへ突然現れたのが、雨音を産んだ後に家を出ていった母親。母である国吉京香さんはアスペルガーなのか、人との関わり方が苦手だったのです。それでも、今の家に住み続けるために、雨音は母親である京香さんと同居することにします。その上、お腹に赤ちゃんを宿しているパパの恋人帆波さんも一緒に住むことになるのです。そんな奇妙な関係の中で、少しずつ雨音は両親の愛情や離別のいきさつを知り、緩やかに母親のことを理解しようとしていきます。多感な少女の心の動きが、温かな視線で描かれていて、読後感は爽やかです。YA向けの作品です。

 

 

 

『ヤーガの走る家』ソフィー・アンダーソン/作 長友恵子/訳 小学館 2021/3/1(出版社のサイト→こちら

 

ロシア民話に出てくる「バーバ・ヤガー」をモチーフにした長編ファンタジーです。
「わたしの家には、鳥の尾がはえている。
 家は、年にニ、三度、真夜中にすっくと立ちあがり、猛スピードで走りだす。」というプロローグの最初の一行で、この物語の中にすーっと惹き込まれていきます。
この奇妙な家は、死者をなぐさめ、人生を祝福し、星へ返すための場所、つまり生と死の境界にあるのでした。そして少女マリンカは生と死の境界を守る「門」の番人になることを運命づけられていたのです。しかしマリンカは生きている人たちの世界で友だちが欲しいと願い、言いつけには従わずに自分の意思を押し通そうとします。マリンカのそんな気持ちは自己中心的に映りますが、さまざまな出会いから人を思いやる温かい気持ちを学び、落ち着いた気持ちで自分の将来を考えるようになっていきます。自分の望む未来を決してあきらめないマリンカの姿は思春期の子どもたちに力を与えてくれます。

 

 

 

 

*ノンフィクション*

『女の子はどう生きるか 教えて、上野先生!』上野千鶴子/著 岩波ジュニア新書 岩波書店 2021/1/20 (出版社のサイト→こちら

 

日本のジェンダーギャップは、世界経済フォーラム(WEF)の「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2020」によると世界153か国中121位。先進国の中でも最低です。
そんな女性が生きにくい社会で、どう生きていくか、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長で東大名誉教授の上野千鶴子さんが、気持ちがよいほどにすっぱりと答えてくれます。いつの間にか刷り込まれた「女子力」という呪縛から解き放たれ、一人の人間として自分らしく生きていくことを力強く応援してくれるのです。巻末にはネット上でも話題になった2019年度東京大学学部入学式祝辞が収められています。中高生のみなさんに男女問わず読んでほしい1冊です。

 

 

 

 

『SDGs時代の国際協力 アジアで共に学校をつくる』西村幹子・小野道子・井上儀子/著 岩波ジュニア新書 岩波書店 2021/2/19(出版社のサイト→こちら

 

三人の著者は、バングラデシュで長く学校づくりに取り組んできたアジアキリスト教教育基金(Asia Christian Education Fund=ACEF)に二十年以上携わってきました。過去30年の間に国際情勢は大きく変化し、国際協力のあり方も急速に進展しつつ変化しているというのです。
特にSDGs(持続可能な開発目標)の4番目にある「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」を実現するために、先進国が後進国へ施すというような「援助」ではなく、問題に共に立ち向かう「協働」の方向へ、変化しているのです。そうした国際協力の本質を見極め整理しつつ、これからの若い世代にも関心を持ってほしいと願ってこの本は書かれています。

 

 

 

 

【その他】

『昔話と子どもの空想』TCLブックレット 東京子ども図書館 2021/1/29 (出版社のサイト→こちら

東京子ども図書館の機関紙「こどもとしょかん」に掲載されたおはなしに関する評論の中から、バックナンバーの要求がもっとも多かった三篇が収録されたブックレットです。
「人間形成における空想の意味」(小川捷之)、「昔話と子どもの空想」(シャルロッテ・ビューラー 森本真実/訳・松岡享子/編)、「昔話における”先取り”の様式―子どもの文学としての昔話」(松岡享子)の三篇は、どれを読んでも心に深く響く内容です。子どもたちにおはなしを手渡す活動をしている児童担当であれば、ぜひ目を通しておきたいものです。

 

 

 

 

『草木鳥鳥文様』梨木香歩/文 ユカワアツコ/絵 長嶋有里枝/写真 福音館書店 2021/3/15(出版社のサイト→こちら

福音館書店から出版されているけれど、児童向けではなくかなり趣向を凝らした贅沢な大人の趣味本だなと、これは自分の宝物にして何度も眺めていたいと感じた1冊です。
梨木香歩さんの鳥をめぐるエッセイに、古い箪笥の引き出しの内側に描くという手法のユカワアツコさんの鳥の絵。そしてそれをさまざまな風景と共に切り取って撮影した長嶋有里枝さんの写真。
それがぴったりとはまっていて、読む者の心を静かな自然の懐へ返してくれます。「冬の林の中で」(ツグミ/シバ属)、「水上で恋して」(カイツブリ/コウホネ)、「初夏の始まりの知らせ」(アオバズク/ケヤキ)・・・鳥と植物を組み合わせた全36篇のエッセイが収められています。

 

 

 

 

『科学絵本の世界100 学びをもっと楽しくする』別冊太陽 平凡社 2021/3/15(出版社のサイト→こちら

 

子どもの好奇心の扉を開く科学絵本100冊が見開き2ページ、カラーでたっぷりと紹介されています。
どの絵本も、子どもたちにすぐに紹介したくなるものばかり。
このままレファレンスの資料としても重宝しそうです。

 

 

 

 

(作成K・J)

「コロナ禍での読書と子どもの本の可能性:「フォーラム 子どもたちの未来のために!」第3回オンライン学習会」のご案内


「フォーラム 子どもたちの未来のために」実行委員会主催の第3回オンライン学習会「コロナ禍での読書と子どもの本の可能性―公共図書館と子どもの本専門店の現場から聞く―」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修として紹介しています)

埼玉県三芳町立図書館長で日本子どもの本研究会の代田知子氏と、柏市にある子どもの本専門店ハックルベリーブックス店長で雑誌『日本児童文学』編集長の奥山恵氏が、全国一斉休校や緊急事態宣言下での読者対応や、コロナ禍で見えてきた子どもの本の可能性とともに、現場から見た、作家、画家、編集者など子どもの本関係者に期待したいことなどについてお話しくださるとのことです。興味関心のある方はぜひご参加ください。

申込方法などの詳細は、こちらをご覧ください。

**************************************************************************

コロナ禍での読書と子どもの本の可能性:「フォーラム 子どもたちの未来のために!」第3回オンライン学習会

<日時>2021年4月10日(土)14:00-16:00
<講師> 奥山恵氏(ハックリベリーブックス店主)/代田知子氏(三芳町立図書館長)
<定員> 200人
<参加費>無料

(作成 T.I)

2021年5月(その1)ぞうさん (小さい子)


5月第2日曜日は母の日ですね。

その季節になって思い出すのは、「ぞうさん」の歌です。

だれが好きなの?と尋ねられて、「あのね、かあさんがすきなのよ」と素直に答えられるのは、無邪気な子ども時代の特権ですよね。小学生以降になると心では思っていても、なかなか口にはできなくなります。

自分が親になってみて、そして自分の親を天国へ見送るころになって、またその歌詞の持つ意味をしみじみ感じられるようになります。

そんな想いをこめて、今月のおはなし会プランを作成しました。

 

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。)

*********************

【ぞうさん】

導入 わらべうた おすわりやす

 

 

 

 

 

 

まずは保護者のおひざにしっかり座れるように、このわらべうたを歌いながら促します。おとなはひざを上下に少しずつ揺らしてあげます。「すーわった」で、しっかり子どもの体を支えて、ぎゅーとハグします。「どこでもいいからすわりましょ」の部分が省略されている歌い方もあります。どちらの歌い方でもOKです。

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

 

おひざのうえに子どもを乗せて、保護者のほうが左右にゆっくり揺れます。最後はそれぞれがお子さんの名前を呼んで、もう一度ぎゅっとハグします。

 

 

 

絵本『ぎゅうぎゅうぎゅう』おーなり由子/文 はたこうしろう/絵 講談社 2014 1分

 

こどもにとって、「ぎゅう」ってしてもらえるのは、一番うれしくて安心につながりますね。
短い絵本ですが、ゆっくり絵を見せながら読んであげてください。

 

 

 

 

 

 

わらべうた ここはとうちゃんにんどころ

 

 

 

 

 

 

「にんどころ」とは「似ているところ」という意味です。「とうちゃん」は右の頬、「かあちゃん」は左の頬、「じいちゃん」は額、「ばあちゃん」は顎、「ねえちゃん」は鼻をさわって、最後は顔全体をさすって盛大にこちょこちょをしてあげます。

 

 

 

絵本『ぞうさん』まど・みちお/詩 にしまきかやこ/絵 こぐま社 2016 45秒

 

童謡「ぞうさん」が、にしまきかやこさんの優しい絵で絵本になっています。ゆっくり読んであげてください。

 

 

 

 

 

童謡 ぞうさん

絵本を読んでもらった後は、一緒に歌ってみましょう。(新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、ここはプログラムから割愛しても大丈夫です)

 

 

 

絵本『ながーいはなでなにするの?』齋藤槙/作 福音館書店 2019 1分半

 

ぞうの特徴である長い鼻。その鼻をどのように使うのか、小さな子どもにもわかりやすく描かれている絵本です。

 

 

 

 

 

 

わらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

両手を合わせてあんころもちを作って遊びます。大きいのや小さいの、お土産用など何度か繰り返してやってみましょう。

 

(作成K・J)

「 国際子どもの本の日 JBBY子どもの本の日フェスティバル」の紹介


一般社団法人 日本国際児童図書評議会(JBBY)が主催する「 国際子どもの本の日 JBBY子どもの本の日フェスティバル」について紹介します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修として紹介しています)

童話作家アンデルセンの誕生日(4月2日)は、「国際子どもの本の日」です。子どもに本のよろこびを、大人にも子どもの本のおもしろさをつたえるため、1967年、IBBY(国際児童図書評議会)によって定められ、世界中で子どもと本のお祭りがひらかれています。日本では、毎年JBBY(日本国際児童図書評議会)による「子どもの本の日フェスティバル」が開催されています。

今年は「つながる・ひろがる 子どもの本の世界」をテーマに、3月20日(土)~29日(月)に、Zoomによるオンライン開催されるとのことです。

詳細はJBBYのWebサイト→こちらをご覧ください。
子どもを対象としたイベントが主ですが、大人が参加できるものもあります。ぜひ興味・関心のある方はご参加ください。

(作成 T.I)

基本図書を読む36『ムギと王さま』『天国を出ていく』エリナー・ファージョン(再掲載)


 2017年3月26日に公開した記事の再掲載です。

36回、3年間で36冊の古典的ではあるものの、今の子どもたちに届けたい作品の解説をしました。

今の子どもたち向けに挿絵を漫画風に変えて、読みやすく抄訳したものも多く出ています。発達段階に応じてそうした本を手渡すことも必要ですが、図書館司書は比較のためにも完訳を読んでおいてほしいと願っています。そして、子どもたちの読解力の発達に応じて、完訳を手渡してほしいと思います。

「基本図書を読む」の再掲載は、今月で終了します。サイト上では繰り返し読むことができますので、ぜひ今後もよろしくお願いします。

***********************

 

36回目の「基本図書を読む」は、エドワード朝のイギリスで活躍した女性作家エリナ―・ファージョンの『ムギと王さま 本の小べや1』、『天国を出ていく 本の小べや2』(共に石井桃子/訳 岩波書店 岩波少年文庫)です。これらは、ファージョンが77歳の時(1955年)に、それまで書いた作品の中から27編の短編を自ら選んで一冊の本、『THE LITTLE BOOKROOM』(邦題 『本の小部屋』)として出版したものです。

 

『ムギと王さま 本の小べや1』エリナー・ファージョン/作 石井桃子/訳 岩波少年文庫 岩波書店 2001

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『天国を出ていく 本の小べや2』エリナー・ファージョン/作 石井桃子/訳 岩波少年文庫 岩波書店 2001

 

 

 

 

 

 

 

 

ファージョン作品集3『ムギと王さま』(石井桃子/訳 岩波書店 1971)では、原作と同じ27編が収められていますが、岩波少年文庫として出版される時に、14編と13編に分けられました。

 『ムギと王さま ファージョン作品集3』エリナ―・ファージョン/作 石井桃子/訳 岩波書店 1971

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本の表紙画は、『チムとゆうかんなせんちょうさん』(瀬田貞二/訳 福音館書店)、『時計つくりのジョニー』(あべきみこ/訳 こぐま社)などでおなじみのエドワード・アーディゾーニで、たくさんの本に囲まれて、読書に没頭する子どもの姿が描かれています。

「作者まえがき」には、“わたくしが子どものころに住んでいた家には、わたくしたちが「本の小部屋」とよんでいた部屋がありました。なるほど、その家の部屋は、どの部屋も、本の部屋といえたかもしれません。”(『ムギと王さま』p3)と、子ども部屋も、父の書斎も、食堂も居間も、寝室も本であふれていたことが書かれています。

 そして「本の小部屋」について、次のように語っています。“わたくしに魔法のまどをあけてみせてくれたのは、この部屋です。そこのまどから、わたくしは、じぶんの生きる世界や時代とはちがった、またべつの世界や時代をのぞきました。詩や散文、事実や夢に満ちている世界でした。その部屋には、古い劇や歴史や、古いロマンスがありました。迷信や、伝説や、またわたくしたちが「文学のこっとう品」とよぶものがありました。”(『ムギと王さま』p4~5)

そうしたものに夢中になった子ども時代があったからこそ、ファージョンは詩や、子どものための創作物語を書くようになっていくのです。そして、77歳で出版した『THE LITTLE BOOKROOM』で、1956年にイギリスで出版された最もすぐれた子どもの本に贈られるカーネギー賞と、初の国際アンデルセン賞を受賞しました。

イギリス児童文学研究者の中野節子らは、『作品を読んで考えるイギリス児童文学講座4 花ひらくファンタジー』(中野節子・水井雅子・吉井紀子/著 JULA出版局 2012)の中で、“「イギリスのアンデルセン」といわれたエリナ―の特徴をよく伝える創作妖精物語の傑作が収められている。”と、この作品について評しています。

 

表題作の「ムギと王さま」は、お人よしの少年ウィリーがエジプトのラー王との不思議な問答を語ってくれるというお話です。エジプト王の持つ財宝よりも自分の父親が丹精込めて作ったムギのほうが金色だと信じるウィリーの純粋な気持ちと、空想の中で語られる問答に思わず引き込まれます。

「貧しい島の奇跡」では、貧しい島を訪問してくれる女王のために大切なバラの花を犠牲にして水たまりを埋めたロイスの心に報いるように、女王亡き後に起こる奇跡を描いています。純真な子どものひたむきさと、それが身分の高い人の気持ちを動かすという物語は、静かな感動がすっと心にしみわたりました。

ひいおばあちゃんのそのまたひいおばあちゃんの時代から代々受け継がれてきた子守歌を、百十歳のひいおばあちゃんのために歌ってあげる十歳のひ孫グリゼルダを描く「《ねんねはおどる》」は、健気な少女の姿に心を打たれます。

「サン・フェアリー・アン」というお話もまた印象的です。第二次世界大戦でリトル・エグハム村に疎開してきたキャシーはずっと心を閉ざしていました。それは大事にしていた人形のサン・フェアリー・アンを、いたずらっ子によって池の中に投げ込まれてしまったからでした。この人形は、第一次世界大戦前にフランスで作られ代々女の子に受け継がれていたもので、終戦後、フランスに従軍していたキャシーの父親が廃墟の中から拾って娘に渡したものだったのです。心を閉ざしているキャシーを気にしていたレイン先生の奥さんは、ある時干上がった池が不衛生なのを見て、池の掃除をします。最後に出てきたのがサン・フェアリー・アンでした。レイン先生の奥さんはその人形を見て驚きます。それこそ、自分がフランスにいた時、母から譲られ大切にしていた人形だったからです。幾世代も女の子たちの手を経て大切にされてきた人形が、キャシーのその後の人生を変えていくこのお話も、心を動かします。 

 27の短い物語は、どれも不思議で面白く、それぞれに歌うようなことばで、ファージョンが作り上げた想像の世界に私たちを誘ってくれます。この歌うようなことば、詩のようなことばこそファージョンの魅力なのでしょう。

『ファージョン自伝 わたしの子供時代』(エリナ―・ファージョン/著 中野節子/監訳 広岡弓子・原山美樹子/訳 西村書店 2000)によると、ファージョンの子ども時代、さまざまな生活の場面に歌があったと書かれています。ゲームの時に子どもたちがポーズを決めるときも、「はい、ポーズ」というメロディを母親がピアノで弾いていたというのです。(第5章 1890年代の子供部屋 p259)

この自伝にはあちこちに、遊びの中で歌われていたメロディが採譜されて掲載されています。

 エリナ―・ファージョンは1881年、ロンドンに生まれます。父親は貧しい生まれのユダヤ系イギリス人でしたが、ニュージーランドで新聞を発行する仕事につき、その後ベストセラー作家となってイギリスに戻ってきます。母親は、その作品愛読していたというアメリカの俳優ジョーゼフ・ジェファソンの娘マーガレットです。ふたりの間には、兄ハリー、そしてエリナ―、弟ジョーゼフ、ハーバート(ほかに夭折したエリナ―の兄チャールズもいた)の子どもたちがいましたが、兄弟は学校には通うことなく育ちました。ファージョンが物語のまえがきに書いた「本の小部屋」で、古今東西のさまざまな本に出会うことによって、さまざまな知識を得、想像の世界を広げていったのです。

この自伝は1935年にイギリスで出版されました。克明に自分たちの両親のこと、そして子ども時代のことが記されており、その中にはエリナ―・ファージョンの作品の魅力を理解するためのヒントがたくさん散りばめられています。

 ファージョンの作品は、一部では古臭いと評する人もいるようですが、想像の翼を広げて物語の世界に深く入り込んでいくことを好む子どもたちには、今でも手渡すことの出来る作品です。また、歌うようなことばで綴られた物語は、耳から聴いて心地よく語りのテキストとしておすすめです。

 

***************************************

2014年4月より毎月1回長く読み継がれてきた児童文学を紹介してきた「基本図書を読む」の連載は、36回をもって最終回とします。

第1回目の冒頭には、もう一人の執筆者T・S(のちにT・I)が
“「何か楽しい本ない?」と聞かれたとき、ブックトークを作成するとき、新刊図書の購入を検討するときなど、業務を行ううえで、本を選ぶ場面はたくさんあります。資料を選択するためには、その資料を評価しなければならず、資料を選ぶ判断基準が必要になってきます。判断基準をつくるには、とにかくたくさん本を読むことですが、とりわけ基本図書とよばれている本を読むことは、大きな力となってくれます。

基本図書とは、長い間子どもに愛され、読み継がれてきた本を言います。時の試練を経ても色あせることがない、読書の喜びを与えてくれる本で、図書館の蔵書の核となっています。基本図書を読むことで、子どもたちが本質的にどんなものを求めているのか、質の高い作品とはどのようなものなのか、図書館員としてどのようなものを手渡していくべきかが、自ずとみえてきます。

H26年度「本のこまど」では、「基本図書を読む」というテーマで、毎月1冊の本を紹介する予定です。大人になっても楽しめる作品ばかりですが、子どもたちはどんなふうに読んでいるのだろうという視点も持って、味わってみてください。12冊の中から、みなさまにとっても、心に残る大切な1冊が見つかり、仕事をしていくうえで力になってくれればと思っています。”

と記しました。

当初、1年だけで終わる予定だった連載を3年続けて来られたのは、私たちが子ども時代に読んだ本が、「子どもに本を手渡す」という今の仕事を支えてくれているという思いがあったからです。3年間で36冊を紹介できたことは、私たちにとっても喜びです。

この度、共に記事を書いてきた室員が産休に入ったこともあり、連載を終わることにしました。長い間、読んでくださりありがとうございました。

過去の記事はこちらから遡って読むことが出来ます。→「基本図書を読む

(作成K・J)

トップページに戻る