Author Archive for テクニカルサポート室

2021年8月、9月の新刊から(その2)読み物ほか
「図書館総合展2021_ONLINE_plus」のご案内
国際子ども図書館児童文学連続講座のご案内
12月のおはなし会☆おすすめ本リスト
国際子ども図書館特別研修「読書のバリアフリーをすすめるために」のご案内
2021年8月、9月の新刊から(その1)絵本
11月のおはなし会おすすめプランの紹介
11月のおはなし会☆おすすめ本リスト2021
NPOブックスタートブック主催「ブックスタート全国研修会」
2021年7月、8月の新刊から
10月のおはなし会おすすめプランの紹介
2021年度情報教育対応教員研修全国セミナー 「GIGAスクール構想に対応した<本と学び>の提案」のご案内
オンラインセミナー「藤田先生 2021年度教科単元別推薦図書」のご案内
訃報 神宮輝夫さん
2021年度地区学校図書館研究大会(函館大会、和歌山大会、熊本大会)

2021年8月、9月の新刊から(その2)読み物ほか


8月、9月に出版された子どもの本のうち、読み物や子どもの本の周辺の資料を紹介します。

すでに10月発行の絵本も届いていますが、それはまた月末にまとめてお知らせする予定です。

また、今回3か月ぶりに銀座教文館ナルニア国へ新刊チェックに行きました。そこで、見落としていた8月以前に発行された新刊もみつけました。それも併せて紹介いたします。

教文館ナルニア国で選書をした本のほかに、横浜・ともだち書店で児童書担当に推薦をいただき取り寄せた本、翻訳者の方から直接送っていただいたものもあります。

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【児童書】
《物語》

『山賊のむすめローニャ』リンドグレーン・コレクション アストリッド・リンドグレーン/作 イロン・ヴィークランド/絵 ヘレンハルメ美穂/訳 岩波書店 2021/8/27 (出版社サイト→こちら

 

ジブリのアニメーションで知っているという人が多いかもしれません。『長くつ下のピッピ』で子どもたちの心をつかんだアストリッド・リンドグレーンが73歳の時に出版した最後の小説です。
日本では1982年に大塚勇三の翻訳で岩波書店から刊行されました。
この度、新装版「リンドグレーン・コレクション」収録にあたり新たに翻訳されました。
嵐の夜にマッティス山賊の娘として生まれたローニャは、外の世界に出かけていって敵対するボルカ山賊の息子ビルクに出会います。
ふたりの間には次第に友情が芽生えますが、父親にとっては許しがたいことでした。ローニャにとっては自分への愛情であることを重々承知の上で、それでも父親に背を向け自立の道を歩みます。伝統や、誰かが決めた枠にはまらず、自分たちで道を切り拓こうとする姿勢は、今の子どもたちに必要なことだと思います。手渡していきたいですね。

 

 

 

『おてんばヨリーとひげおじさん』アニー・M.G.シュミット/作 フィーブ・ヴェステンドルブ/絵 西村由美/訳 岩波書店 2021/9/10(出版社サイト→こちら

 

オランダの国際アンデルセン賞受賞作家のアニー・M.G.シュミットさんが、長い間一緒に本を出版してきたイラストレーター、ヴェステンドルブさんとの最後の共作として1990年に出版した幼年童話です。
新しい国際特急列車が初めて走るお祝いの日、オランダの大臣や外国の大統領も乗り込んで出発を待つばかりでした。ところが発車寸前、小さな女の子ヨリーが「だめっ、だめーっ!」と叫んで車掌のひげおじさんの腕をつかんで制止したしたのです。なんと列車の下にハリネズミたちがいるから助けてというのです。ハリネズミを助けている時、ヨリーはすごいものを見つけてしまいます。それは一体何なのか、列車は無事に終点にたどりつけるのか、ハラハラドキドキの展開に、ぐっと惹きつけられるお話です。142ページと幼年童話としては長めですが、ルビもふってあるので低学年の子どもたちにおすすめできそうです。

 

 

 

『黄色い夏の日』高楼方子/作 木村彩子/画 福音館書店 2021/9/10  (出版社サイト→こちら

中学生になって美術部に入った景介は、丘の上にある古い洋館をスケッチしたいと思っていました。怪しまれるかと思いながら、家の周りを見ている時、その洋館の主である老女に声をかけられます。なんと、それは景介の祖母が入院していた時、隣のベッドにいたおばあさんでした。庭にキンポウゲの黄色い花が咲き乱れるその家でゆりあという可愛らしい少女と出会います。そして不思議な雰囲気をもつその少女に、景介はすっかり心惹かれていくのです。
時間を超えるファンタジーとしてはフィリッパ・ピアスの『トムは真夜中の庭で』や、ジョーン・G・ロビンソンの『思い出のマーニー』を彷彿させます。読む者を惹きつける不思議で美しい物語です。

 

 

 

 

 

『王さまとかじや』ジェイコブ・ブランク/文 ルイス・スロボドキン/絵 八木田宜子/訳 徳間書店 2021/9/30(出版社サイト→こちら

むかしある国に「えらいホレイショ王」という王さまがいました。まだ8歳の若い王さまだったので、王さまがやることなすことは、いろいろな大臣が決めていました。そして王さまはその決めたことに従うしかありませんでした。
ある日、乗馬をしている時に、からすが王さまの冠を盗んでしまいます。取り戻すように大臣たちに命じますが、「『ぬすまれたかんむりをとりもどす大臣』がおりません。かんがえるじかんをいただきませんと」と答えるばかり。そこで王さまは近くの村で大きな声が出せると評判のかじやを呼ぶことを命じます。
大臣たちにあやつられていた王さまが、自分で判断して、大臣たちの鼻を明かすところがとても面白いお話です。文字を読み始めたばかりの子どもたちにおすすめします。

 

 

 

 

 

【ノンフィクション】
『ギャル電とつくる! バイブステンアゲ サイバーパンク電子工作』ギャル電/著 オーム社 2021/9/13 (出版社サイト→こちら

Eテレなどにも出演したことのある電子工作ユニット「ギャル電」(2021/10/17文春オンラインインタビュー記事→こちら)は、「今のギャルは電子工作をする時代」をスローガンに活動しています。ギャル語をしゃべり、派手な格好をしていますが、実はひとりは工学研究科修士課程を修了している専門家。専門知識を使って、ティーンエイジャーにおしゃれな光るアクセサリーを指南してくれます。
中身は制作過程をわかりやすく示す写真や回路図やプログラミングなどで、初心者でも取り組める内容になっています。夏休みは終わってしまったけれど、これからハロウィンやクリスマスもあるし、こうした電子工作の知識はきっと役に立つはずです。児童書として発売されてはいない本ですが、中高生向けにぜひおすすめしたい1冊です。

 

 

 

 

 

【エッセイ】

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』ブレイディみかこ/著 新潮社 2021/9/15 (出版社サイト→こちら

2年前に発売され大反響を呼んだ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(出版社サイト→こちら)の続編です。前作では、イギリス、ブライトンに暮らすブレイディ家の一人息子が通う公立中学の、子どもを点数や偏差値で決めつけず、子どもの可能性を信じてさまざまな取り組みをする様子を描き多くの人の共感を呼びました。
「2」では息子も13歳になり、さまざまな出来事を通して、物事をみつめ、成長していく様子が描かれます。思春期は、親の枠から飛び出し、自立へ向かう時期、そこにはいろいろな思いが交錯します。
そうした姿を瑞々しく描くエッセイ。ティーンズサービスについて考えるヒントもたくさんあるはずです。

 

 

 

 

 

『子ども、本、祈り』斎藤惇夫/著 教文館 2021/9/30 (出版社サイト→こちら

福音館書店の編集者を経て、児童文学作家になり『グリックの冒険』、『冒険者たち』などの作品を生み出してこられた斎藤惇夫さん。作家活動の傍ら、数年前より教会付属幼稚園の園長になられ、日々子どもたちと相対していらっしゃいます。
本書は園長として、幼稚園の子どもたちの中に発見した驚きに満ちた世界を折々にエッセイにまとめたものです。
時代はすごい勢いで変化し、子どもたちの生活の中にもデジタルが入り込んでいても、やはり子どもにとって物語を読むよろこびは変わらない、むしろますます重要になっていると言っていいでしょう。子どもたちの中にいて見えるものを、一緒に確認したいなと思います。

 

 

 

 

【研究書、その他】

『ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道』「ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」実行委員会/編 童心社 2021/6/30 (出版社サイト→こちら

2020年6月に亡くなられた田畑精一さん(訃報記事→こちら)と親しかった絵本作家、編集者、児童書の研究者やデザイナーが集まって「お別れの会」のかわりに何かしたいと実行委員会を作られ、展覧会と本を刊行することを決められました。
「没後一年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展」は2021年3月16日から6月13日まで東京練馬にあるちひろ美術館・東京で行われ(→こちら)、9月11日から11月30日までは安曇野ちひろ美術館(→こちら)で行われています。
53ページほどのこの本には、田畑精一さんが雑誌記事や対談などで残してこられた子どもの本との出会いや、子どもの本に向き合ってこられた想いがまとめられ、随所に田畑精一さんが描いた絵が散りばめられています。またコラムとしていわむらかずおさんや神沢利子さんなど田畑精一さんと親しかった方々が思い出を寄せていらっしゃいます。彼の作品が長く読み継がれてきたその理由がすっと降りてきて、ほんとうに「ありがとう」と伝えたくなりました。

 

 

 

 

『”グリムおばさん”とよばれて―メルヒェンを語りつづけた日々―』シャルロッテ・ルジュモン/著 高野享子/訳 こぐま社 改訂第1版 2021/8/5(出版社サイト→こちら

ドイツで1961年に出版され、日本では1984年に翻訳され、お話を語る人々の間で読み継がれてきたこの本が、この度、改訂を加えて出版されました。
グリムの昔話を、その原点に忠実に40年間も語り続けてきたルジュモン夫人の記録です。病院で医療技術員として働きながら傷病兵に語り聞かせたのが、彼女が職業的語り手になった動機です。昔話には人々の苦しみを和らげ、生きることへの助けになると確信したというのです。
子どもたちに昔話を語る人は少なくなりました。それでも図書館ではおはなし会で昔話を語ってくれる司書さんやボランティアさんがいて、その伝統は絶えさせてはいけないなと改めて思いました。

 

 

 

 

『子どもに定番絵本の読み聞かせを 選書眼を育てる60冊の絵本リスト』尾野三千代/著 児童図書館研究会 2021/8/15 (出版社サイト→こちら

公共図書館で長く児童担当として働いてきた著者が、これだけどんどん新しい絵本が出版される中でも、定番の絵本をすすめる理由を丁寧に解き明かしてくれます。
年間、千の単位で新刊本が出版されていますが、その多くが売れ残り、断裁されている事実を知るものとして、長く読み継がれてきた定番絵本をもっと大事に受け渡していくことが、子どもたちのためになるのでは、と私自身も感じています。ただそれをきちんと言葉にすることが難しかったのですが、この本を読んで整理できました。
選書の際の足場をどう養えばよいか、迷っている児童担当の方にはぜひ読んでほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

『かこさとしと紙芝居 創作の原点』かこさとし・鈴木万里/著 童心社 2021/8/25 (出版社サイト→こちら

かこさとしさんが東大の学生時代に、セツルメント運動に関わって子どもたちの遊びや学びを支えるボランティアをされていたことはかこさとしさんが亡くなられた後の特別番組や、エッセイ集などでご存知の方も多いでしょう。
かこさとしさんの代表作『どろぼうがっこう』や『おたまじゃくしの101ちゃん』などは、子どもたちの前で演じた手描きの紙芝居が元になっています。つまりかこさとしさんの創作の原点が紙芝居にはありました。
この本では、豊富な資料と共にかこさとしさんの紙芝居の魅力をたっぷりと味わうことができます。

 

 

 

 

 

 

 

『すき間の子ども、すき間の支援 一人ひとりの「語り」と経験の可視化』村上靖彦/編著 明石書店 2021/9/10 (出版社サイト→こちら

こちらは児童書でも児童書の研究書でもありませんが、子どもたちの「今」を私たちに示してくれる本なので、紹介いたします。
発達障害や、子どもの貧困など、子どもたちを取り巻く状況を知っておくことは、図書館での児童サービスを考える上でもとても大切なことです。
児童福祉に関することではありますが、子どもの現実の一端を知るためにも、ぜひ一読されることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

(作成K・J)

「図書館総合展2021_ONLINE_plus」のご案内


図書館総合展運営委員会主催の「図書館総合展2021_ONLINE_plus」についてご案内します。
(この研修は、令和3年度テクニカルサポート室の集合研修(フェーズ2)として位置づけられている研修です。受講についてはテクニカルサポート室からの案内をご参照ください。)

図書館総合展は、「館種を越えて図書館界全体の交流・情報交換を行う」「図書館または周辺分野に関するトピック・技術・製品サービス情報について<1年分のまとめ>の役割を担う」「図書館界にくる新しい人たち・団体へのガイダンスとなる」を特長とした展示会です。

今季も、学校図書館協議会が「学校図書館セミナー2021〈資料・情報・ICT活用教育と学校図書館〉」(学校図書館協議会Webページ→こちら)を開催したり、ポプラ社が「公共図書館と学校図書館の連携」をテーマに4つのフォーラム(ポプラ社Webページ→こちら)を開催したりと、児童サービスや学校図書館に関わる催しも、数多く行われる予定となっています。

詳細については、図書館総合展公式ウェブサイト→こちらをご覧ください。

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図書館総合展2021_ONLINE_plus
<主催>図書館総合展運営委員会
<会期>2021年11月1日(月)~30日(火)
    ※昨年のようなコア日程はありません。
<形式>ウェブサイトと小会場群(サテライト会場)で行うハイブリッド形式

(作成 T.I)

 

国際子ども図書館児童文学連続講座のご案内


国際子ども図書館主催の令和3年度児童文学連続講座について、ご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

今年度は、「今を生きるヤングアダルトへ」というテーマのもと、幅広い内容の講義が動画配信されます。ヤングアダルト文学について学びたい方、ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、国際子ども図書館Webページ→こちらをご覧ください。

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令和3年度国際子ども図書館児童文学連続講座

<総合テーマ>「今を生きるヤングアダルトへ」
<形式>動画配信形式(Cisco Webex Eventsを使用)
<配信期間> 2021年11月1日(月)12時~2022年1月11日(火)17時(予定)
<参加費>無料
※申込受付開始日は2021年11月1日(月)の予定です。

(作成 T.I)

 

12月のおはなし会☆おすすめ本リスト


12月のおはなし会やブックトーク、展示などで使える絵本のリストです。

 

以下のテーマの絵本をリストアップしています。

クリスマス(サンタクロース、クリスマスツリー)、冬じたく、お風呂、年末年始

 

12月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2021)

 

ぜひ、おはなし会やブックトーク、展示の準備にお役立てください。

 

(作成K・J)

国際子ども図書館特別研修「読書のバリアフリーをすすめるために」のご案内


国際子ども図書館主催の「読書のバリアフリーをすすめるために」についてご案内します。
(この研修は、自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

2019年に成立した読書バリアフリー法の概要と、同法の施行に基づく公共図書館・学校図書館の取り組みについて学ぶことを目的とした研修が実施されるとのことです。オンデマンド配信によるオンライン開催となっています。障害のある子どもたちに読む楽しさを提供していけるよう、興味・関心のある方は、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、国際子ども図書館Webページ→こちらをご覧ください。

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国際子ども図書館特別研修「読書のバリアフリーをすすめるために」
<開催方法>
オンデマンド配信によるオンライン開催
<配信期間>2021年11月1日(月)~12月12日(日)
<対象>公共図書館職員、学校教職員、その他この研修の内容に関心のある方など
<定員>300名
<申込締切> 2021年10月24日(日)
<研修内容>
・「読書バリアフリー法ってどんな法律?」(筑波大学附属視覚特別支援学校 教諭 宇野和博 先生) 60分程度
・「これからの公共・学校図書館を考える ~障害者サービスのこれまで・これから~」(専修大学文学部 教授 野口武悟 先生) 60分程度
・「国際子ども図書館が所蔵する障害者向け資料とその提供について」(国立国会図書館国際子ども図書館職員)

(作成 T.I)

2021年8月、9月の新刊から(その1)絵本


8月、9月に出版された子どもの本のうち、絵本を紹介します。読み物は少し時間がかかるため、10月上旬に公開予定です。

また、今回3か月ぶりに銀座教文館ナルニア国へ新刊チェックに行きました。そこで、見落としていた8月以前に発行された新刊もみつけました。それも併せて紹介いたします。

教文館ナルニア国で選書をした本のほかに、横浜・ともだち書店で児童書担当に推薦をいただき取り寄せた本、翻訳者の方から直接送っていただいたものもあります。

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【絵本】
《創作》

『空とぶ馬と七人のきょうだい モンゴルの北斗七星のおはなし』イサンチノブ・ガンバートル/文 バーサンスレン・ボロルマー/絵 津田紀子/訳 あかつき 2021/6/21(出版社のFacebook→こちら

日本在住のモンゴル人ご夫妻によるモンゴルの昔話を題材にした絵本です。
モンゴルの草原では、夜空に輝く北極星や北斗七星は道しるべとなるためとても大切にしていたようで、北斗七星を「七人の神さま」と呼ぶのだそうです。
そうしたモンゴルに伝わる民話をふくらませて創作したとあとがきに書かれています。中国の民話『王さまと九人のきょうだい』にも通じる個性豊かな兄弟の活躍など、子どもたちを楽しませるお話になっています。

 

 

 

 

 

『ぱったんして』松田奈那子/作 KADOKAWA  2021/7/16(出版社サイト→こちら
表紙画像は出版社サイトでご確認ください。

『ふーってして』(「2020年8月、9月の新刊から」で紹介→こちら)に続く、「はじめてのアート絵本」シリーズ2冊目です。前作ではドリッピングという技法が紹介されていましたが、今回は紙に絵の具をのせて、紙を半分に折って現れる形を楽しむデカルコマニーという技法で描かれています。蝶々に見えたり、木に見えたり、虹になったり。想像を膨らませて楽しめる絵本です。

 

 

 

『秋』かこさとし/作 講談社 2021/7/27 (出版社サイト→こちら

「トウモロコシの葉が風にゆれています。ヒガンバナの行列ができています。秋になりました。私は秋が大好きです。」と、ほかにも好きな理由をたくさん並べて、秋が一番好きな季節だと冒頭で語るかこさとしさん。
しかし、「ところが、そのすてきな秋を、とてもきらいになったときがありました。とてもいやな秋だったことがあります。」
「それは、今からずっとむかしの、昭和十九年のことでした。」と、絵も一変します。第二次世界大戦終結までの一年間は、国内は空襲が相次ぎ、戦地へ赴いた兵士の戦死も次々に伝えられていました。当時、高校生だったかこさんが感じた理不尽さを、戦争の不条理を、熱量をもって語っています。この作品は1953年に描かれ、1955年に加筆、1982年に改訂とメモが残され、30年の月日をかけて温めていたそうです。かこさとしさんの遺族が昨年のステイホーム中に作品を整理していて、原稿や資料をみつけ、コロナ禍で価値観が変わる今だからこそと出版されることになりました。
「青い空や澄んだ秋晴れは、戦争のためにあるんじゃないんだ。」と激しい言葉が綴られた次のページに、「翌年、日本は負けて戦争は終わりました。(中略)戦争のない秋の美しさが続きました。」と結ばれています。改めて、戦火のない国で秋を堪能できることに感謝するとともに、今もなお戦火の中にある地域のことへ心を向けたいと思います。

 

 

 

 

『ふしぎな月』富安陽子/文 吉田尚令/絵 理論社 2021/8  (出版社サイト→こちら

月がきれいに見える季節になりました。富安陽子さんの描くファンタジーの世界が広がっている絵本です。
やさしい月の光は、子どもたちの上に、降り注ぎます。
「月よ、月。ふしぎな月。おまえはいつもながめてる。このよのよろこびを、またかなしみを。」
月の光はサバンナの夜にもジャングルの夜にも、そして戦場の夜にも空を照らします。
「このよがやみにしずまぬように。わたしがやみにのまれぬように。」静かな祈りのように、柔らかく照らしています。

 

 

 

 

 

『あさだおはよう』三浦太郎/作 童心社 2021/9/1(出版社サイト→こちら

三浦太郎さんの「あかちゃん ととととと」シリーズの新作です。
おやさいたちが、朝になって「おはよう」と元気に起きてくる赤ちゃん絵本です。
「おめめ ぱっちり あさだ おはよう」の繰り返しに、読んでいるとむくむく元気が湧いてきます。
出版社サイトには、次に紹介する『こんにち、わ!』といっしょのメイキング動画があります。ぜひこちらもご覧になってください。

 

 

 

 

『こんにち、わ!』三浦太郎/作 童心社 2021/9/1(出版社サイト→こちら

「あかちゃん ととととと」シリーズの新刊。(シリーズについては→こちら
トマトのかあさんとプチトマトのあかちゃんがおさんぽへ。つぎつぎに出会う仲間と「こんにちは」とあいさつをしていきます。
あかちゃんと一緒にコミュニケーションをしながら読みたい絵本です。

 

 

 

 

 

『パ・パ・パ・パ パジャマ』石津ちひろ/文 布川愛子/絵 のら書店 2021/9/1 (出版社サイト→こちら

小さな子どもにとって、ひとりでパジャマに着替えられるって成長を感じられて嬉しいものです。
「パ・パ・パ・パ パジャマ」と唱えながら、うえのパジャマに手を通し、難関のぼたんをよっつ止められたら、あとはズボンだけ。
「とうとう ひとりで きられたよー ばんざーい!」と飛び上がってお布団の海にダイブ。なんでも自分でやりたがる2歳くらいのお子さんにおすすめしたいです。

 

 

 

 

『みんなおやすみ』柿本幸造/絵 はせがわさとみ/文 学研 2021/9/7 (出版社サイト→こちら

『どうぶつだあれかな』、『のりものなあにかな』に続く柿本幸造さんのファーストブックの3冊目です。
学研から家庭に直販していた古い絵本の原画を発見した編集者が遺族の協力を得て10年がかりで復刊したとのこと。
夜空に浮かんだお月さまが、いろんなものに「おやすみなさい」を伝えます。動物園のどうぶつに、車庫で眠るバスに、お店に、公園の遊具に、昆虫たちに、そしておうちのなかにいる子どもにも。柔らかいタッチの絵に心が安らいできます。絵本はボードブックになっているので小さな子どもたちにも扱いやすい1冊です。

 

 

 

 

『きみはたいせつ』クリスチャン・ロビンソン/作 横山和江/訳 BL出版 2021/9/10(版元.comサイト→こちら

「きがつかないほど、ちいさないきものがいる」、「さきにいくものがいれば、あとからいくものもいる」私たちの世界は、地球も宇宙もすべて繋がっていて、今、存在している。
そんなことを、歌うようなことばにして語りかけてくれます。
「たいへんなことがおきて、はじめからやりなおさなくちゃならなくても、こころがばくはつしそうになっても、きっとだれかがささえてくれる」
「とおくはなれていて だいすきなひとと、あえないときがある」
「ひとりぼっちで、たまらなくさびしいときもあるけど、きみはひとりじゃない」
不安な時にも、大丈夫だよと背中をそっと包んでくれる。元気な時は勇気を与えてくれる。そんな一冊です。

 

 

 

 

 

『つきのばんにん』ゾシエンカ/作 あべ弘士/訳 小学館 2021/9/14(出版社サイト→こちら

「よるのどうぶつクラブ」から月の番人に選ばれたしろくまのエミール。はりきって93段のはしごを登り、月のまわりにかかる雲を追い払ったりと忙しく番をしています。
ところが、月が少しずつ欠けていくのです。月がだんだん細くなって消えていくのを止める道具もない、そう思ったエミールは「つきのばんをしていたのに、だんだん、ちいさくなり、きえてしまいそうなんだ」と仲間たちに相談します。すると一羽の鳥が「ものごとは、おおきくなったり、ちいさくなったり、きえたとおもったらあらわれたりするものなのよ」と話してくれます。そう、一度月が見えなくなったあと、月はちゃんと現れて、だんだん大きくなっていくのでした。南アフリカ出身のゾシエンカが描く月明りはとても幻想的で、あべ弘士さんの訳文も穏やかで、そのまま眠りに誘ってくれそうです。

 

 

 

 

『パイロットマイルズ』ジョン・バーニンガム&ヘレン・オクセンバリー/絵 ビル・サラマン/文 谷川俊太郎/訳 BL出版 2021/9/15(出版社サイト→こちら/ジョン・バーニンガム&谷川俊太郎の絵本リスト)

2016年に出版された『ドライバーマイルズ』(絵本ナビサイト→こちら)の続編です。マイルズは、バーニンガム夫妻の愛犬ラッセルテリアでした。2冊目の『パイロットマイルズ』を構想中にジョン・バーニンガムは病気が重くなり、仕上げることは出来ないと悟って妻のヘレン・オクセンバリーに仕上げを依頼したそうです。その頃マイルズも亡くなり、ジョンも2019年1月に亡くなります。
最愛の一人と一匹のためにヘレンはジョンの旧友とともに『パイロットマイルズ』を仕上げました。
トラッジ家の年をとった犬のマイルズ、昔はよくドライブをしたものでした。マイルズに車を作ってくれたお隣の家のハディさんが、今度は飛行機を作ってくれます。
飛行機を操縦して空を飛べば、マイルズもご機嫌に。でもだんだんマイルズは弱っていきます。それでも、もう一度マイルズは空を飛びます。マイルズの飛行機はそのままどんどん飛んでいって見えなくなるのです。「さよならマイルズ」で終わる絵本に、胸がいっぱいになります。

 

 

 

 

『きょうものはらで』エズラ・ジャック・キーツ/絵 石津ちひろ/訳 好学社 2021/9/16(出版社サイト→こちら

1800年代後半に、オリーブ・A・ワズワースがアメリカの伝統的な数え歌を書き記したものに、エズラ・ジャック・キーツが絵をつけた絵本です。
1でかめのかあさんが1ぴきのこがめと砂を掘り、2で魚のかあさんが2ひきのこどもと川で泳ぎ、3でツグミのかあさんが3羽のひなと歌を歌うというように、子どもの数を10まで数えていきます。生き生きとした絵と、その生き物の習性がわかる優しい言葉で表現された数え歌。繰り返し唱えてみたくなります。

 

 

 

 

『すうがくでせかいをみるの』ミゲル・タンコ/作 福本友美子/訳 西成活裕/日本語監修 ほるぷ出版  (出版社サイト→こちら

うちの家族はそれぞれ得意で好きなことがあるという女の子。彼女にとっては、それは数学です。
数学って難しいものではなく、毎日の生活の中に身近にあることを伝えてくれます。たとえば公園の遊具の形、湖に石を投げた時に広がる同心円の波紋、自然が生み出す曲線など。数学をとおして世界を見てみることの面白さを伝えてくれます。
後半は、女の子の「数学ノート」になっていて、手書き文字で「フラクタル」や「多角形」「立体図形」「集合」などの数学用語を説明しています。そんなところから数学に興味をもつ子どもたちが増えるといいなと思いました。

 

 

 

 

 

《ノンフィクション絵本》

『かこさとし あそびの玉手箱 てづくり おもしろ おもちゃ』かこさとし/作 小学館 2021/7/21 (出版社サイト→こちら

2018年に亡くなった絵本作家の幻の絵本の2冊目です。
かこさとしさんは、古今東西の子どもたちの遊びについて収集し、研究されていました。
この絵本は昔の子どもたちが身近なものを工夫して遊んでいた遊びの道具、たとえば草笛や麦わらのバスケット、てぶくろ人形など28紹介されています。
可愛らしいイラストと丁寧な作り方説明で、すぐに遊んでみたくなります。

 

 

 

 

 

 

『すいめん』高久至/写真・文 アリス館 2021/7/22(出版社サイト→こちら

屋久島在住の水中写真家高久さんの写真絵本です。海と空の境界線である水面をさまざまな角度から見せてくれます。
水中動物たちの多くは、生まれてすぐは深く潜れないため、水面近くで過ごします。そんな小さな命の営みや、光の加減によって昼と夜ではまったく違った表情を見せる海の色などは、命のゆりかごである海の豊かさを伝えてくれます。
高久さんの写真絵本にはほかに『おかえり、ウミガメ』や『かくれているよ 海のなか』、『海のぷかぷか ただよう海の生きもの』(いずれもアリス館)などがあります。

 

 

 

 

 

(作成K・J)

 

11月のおはなし会おすすめプランの紹介


2010年より毎月のおはなし会プランを2か月前倒しで2~3本作成してきました。11月のおはなし会プランも、27プラン(小さい子向け8、幼児~小学生向け19)あります。

今年度は新たにプランを作らずに過去記事から、特におすすめのプランを紹介しています。

今月も小さい子向け4プラン、大きい子向け6プランを選びました。

その他のプランも「11月のおはなし会プラン」(→こちら)からご覧いただけます。
(なお、過去記事は、Amazonアフィリエイトを使用していたため画像のリンク切れがあり、修正が間に合っていない場合があります。ご了承ください。)

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【小さい子向けおはなし会プラン】

*もみじのはっぱ(→こちら
ちいさな子どもの手のひらはまるで紅葉のようだとたとえられます。その視点で作成した小さな子向けのプランです。

 

*どんぐりころころ(→こちら
どんぐりの絵本と、わらべうた「どんぐりころちゃん」を組み合わせたプランです。

 

*落ち葉いっぱい(→こちら
小さい子向けの落ち葉の絵本をいくつか組み合わせて作成したプランです。

 

*むくむくぐるぐる(→こちら
冬眠前のりすをテーマに組み立てたプランです。

 

【幼児~小学生向けおはなし会プラン】

*さるとかに(→こちら
日本昔話「さるとかに」(さるかに合戦)の素話を中心に組み立てたプランです。

 

*秋も深まると(→こちら
素話「まのいいりょうし」を中心に、深まりゆく秋を味わう絵本を組み合わせたプランです。

*小さくても、つまってる(→こちら
小さなくるみの中に詰まっている広い世界を伝えてくれる『くるみのなかには』という絵本を中心にして作成したプランです。

 

*木枯らし吹いて(→こちら
素話「マーシャとくま」、そして絵本『かぜのおまつり』を中心に晩秋をイメージして作成したプランです。

 

*きのこ  きのこ(→こちら
きのこの絵本をいくつも組み合わせて作成したプランです。

*赤い葉っぱ黄色い葉っぱ(→こちら
紅葉、黄葉、美しく彩られた秋の木々をテーマに作成したプランです。

(作成K・J)

11月のおはなし会☆おすすめ本リスト2021


11月のおはなし会やブックトーク、展示などで使える絵本のリストです。

以下のテーマの絵本をリストアップしています。

[紅葉・みのりの秋・森・しごと(勤労感謝)りんご・木の実・きのこ・やきいも・冬支度・冬ごもり・読書の秋・芸術の秋・おしゃれ・おふろ]

 

 

11月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2021)

 

(作成K・J)

NPOブックスタートブック主催「ブックスタート全国研修会」


NPOブックスタートブック主催の「ブックスタート全国研修会」についてご案内します。
(この研修は、自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

都道府県単位で毎年開催していた「ブックスタート研修会」を、今年度は「全国研修会」と名称を改め、オンラインにて開催されるとのことです。
ブックスタートを実施している図書館、ブックスタートについて詳しく学びたい方は、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、NPOブックスタートのWebページ→こちらをご覧ください。

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「ブックスタート全国研修会」
<テーマ>親子の愛着形成を支える地域協働のかたち
<開催日>2021年11月25日(木)14:00~16:00(開場13:30)
<開催方法>「Zoom」を使用したオンライン配信
*ライブ配信終了後、NPO ブックスタートの YouTubeチャンネルで見逃し配信があります
<内容>
講演「地域で育もう、子どもと家族! ~社会の宝物を預かる私たち~」
三石知左子氏(東京かつしか赤十字母子医療センター院長、小児科医)
報告・事例紹介
・NPOブックスタート
・読みきかせの体験と絵本のプレゼントがもたらすもの
・コロナ禍のブックスタート

(作成 T.I)

 

2021年7月、8月の新刊から


7月、8月に出版された子どもの本、および研究書を紹介します。また、一部、見落としていた7月以前に発行された新刊も含まれています。

この度は、横浜・ともだち書店で児童書担当の方の推薦をいただいたものを取り寄せた本、翻訳者の方から直接送っていただいたものを、読み終えた上で紹介しています。

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【絵本】
《創作絵本》

『みちとなつ』杉田比呂美/作 福音館書店 2021/6/5 (出版社サイト→こちら

大きな街にお母さんと二人で住むみちと、海辺の町で大家族で住んでいるなつ。二人はお互い知らない同士でした。みちは物静かな女の子でハートの形をした石を集めるのが好きです。なつは海辺で丸くなったきれいなガラス片を集めるのが好きです。夏休み、みちがおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねていったのは、なつの住んでいる町。
みちが朝早く海辺でハート型の石を並べていると、なつがやってきます。ふたりは、いいお友だちになれそうですね。

 

 

 

 

 

『うちのねこ』高橋和枝/作 アリス館 2021/7/20(出版社サイト→こちら

ある春の日、野良猫が保護されて、うちにやってきた。もうおとなになっている猫。なかなか心を開いてくれない。慣れたかなあと思うと、ひっかいてくる。そうやって夏が過ぎ、秋が過ぎていく。冬がきて、布団に近寄ってきて目が合うとまたひっかいてきた。保護しないほうがよかったの?野良のままがよかったの?それから1週間後、温かい布団の中にねこが入ってきます。作者の実体験をもとに描かれた作品です。

 

 

 

 

 

『くろねこのほんやさん』シンディ・ウーメ/文・絵 福本友美子/訳 小学館 2021/7/25(出版社サイト→こちら
本を読むのが大好きなくろねこがいました。他の家族はダンサーだったり、ケーキ屋さんだったり、ロボット制作だったりと忙しく仕事をしています。おにいさんに「ほんをよむのはしごとじゃないよ」とまで言われてしまいます。
それでも「ほんをよめばいろんなことがわかるし、なんにでもなれる」と気にしないくろねこ。町で店員募集の本屋さんをみつけて、そこで働くことになりました。
子どもたちひとりひとりに合わせたぴったりの本を選んでくれるので、くろねこのいる本屋さんはたちまち人気店になりました。
ところが大雨で本屋さんが水浸しに。子どもたちも本屋さんに来れなくなりました。そこでまたくろねこの大活躍がはじまります。本を読むことの楽しさを伝えてくれる絵本です。

 

 

 

 

 

『しらすどん』最勝寺朋子/作・絵 岩崎書店 2021/7/31(出版社サイト→こちら

朝ごはんに食べた「しらす丼」。りょうくんは丼にほんのわずかしらすを食べ残して席を立とうとすると、「自分がしらすだったらって、かんがえたことある?」と丼に呼び止められるのです。
するとりょうくんは、しらすの大きさになって、食べかすとしてごみに捨てられ、ゴミ収集車で焼却炉へ・・・このあたりの描写は、少し衝撃的です。その後りょうくんは海のなかで稚魚として目ざめ、しらすとして商品になり、家へとやってきます。
りょうくんは、今度はしらす丼を最後まできれいに食べるのです。
自分が生ごみとして燃やされてしまうという想像は、子どもたちには衝撃かもしれません。しかし作者は「食べることは、他の命をいただくこと」、そうした命のやりとりに無関心になっていることを伝えたいと、飽食の時代に一石を投じる覚悟で制作されました。そのことをきちんと子どもたちに伝えられるように、丁寧に手渡したい絵本です。

 

 

 

 

『野ばらの村のけっこんしき』ジル・バークレム/作・絵 こみやゆう/訳 出版ワークス 2021/8/25(出版社サイト→こちら

「2021年5月、6月の新刊から」(→こちら)でも紹介した「野ばら村の物語」四季シリーズの夏のお話です。
チーズ小屋で働くポピーと粉ひき小屋で働くダスティは小川のほとりで出会って恋におち、結婚することになりました。野ばら村のみんなは大喜び。村をあげて結婚式のお祝いの準備をします。小川の上に浮かべた筏の上での結婚式は、それはとても楽しそうです。細かく描かれた田園風景をじっくり味わってほしいなと思います。

 

 

 

 

 

 

《ノンフィクション絵本》

『旅をしたがる草木の実の知恵 ゲッチョ先生の草木の実コレクション』盛口満/文・絵 少年写真新聞社 2021/7/20(出版社サイト→こちら

草や木は自分で動くことができないため、種子を遠くに運んでもらうために、美味しい木の実をつけて鳥や動物たちに運んでもらえるよう引き付けます。
あるいはトゲトゲをつけて、動物や人にくっついて遠くへ運ばれるものや、風にのって遠くへ飛ぶように出来た種子も。
そんな様々な植物の種子を200種類以上集めて、分類し、わかりやすく説明をしてくれている科学読み物です。

 

 

 

 

 

 

【児童書】

『あなたがいたところ―ワタシゴト 14歳のひろしま2』中澤晶子/作 ささめやゆき/絵 汐文社 2021/6(出版社サイト→こちら

昨年出版された『ワタシゴトー14歳のひろしま』(出版社サイト→こちら)の続編です。
「ワタシゴト」は、「私事=他人のことではない、私のこと」と「渡し事=記憶を手渡すこと」の二つの意味を持っています。
舞台は修学旅行で全国から多くの中学生が訪れる広島。被爆建物を訪れた中学生たちの、4つの物語が収められています。76年前の広島原爆の被害を語り継ぎ、修学旅行という機会でそれに触れることが、若い世代が世界の平和を自分のこととして考える契機になっていく。そのことを本を通して伝えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

【ノンフィクション】

『あたらしいお金の教科書 ありがとうをはこぶお金、やさしさがめぐる社会』新井和宏/著 山川出版社 2021/7/30(出版社サイト→こちら

かつて外資系金融機関で、国家予算に匹敵するような額のお金を運用していた新井さん。お金を儲けることだけが目的になると、経済格差が広がり不幸になる人が増えることに気づかれます。
そして丁寧に事業をし、従業員も顧客も経営者も三方良しの経営をしている会社を支援するために「鎌倉投信」を設立します。その様子は、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介されました。(→こちら
その後、新井さんは「ありがとうの循環」が社会を巡るような共感通貨eumo(→こちら)を作り、昨年運用が開始されました。
この本は、奪い合いではなく、お互いを助け合う仕組みとしてのお金の意味を、お金の歴史を紐解きながら、わかりやすく解説しています。帯に書かれている「お金の本なのに、生き方や幸せや社会について考えたくなる、全く新しいお金のバイブル」そのものです。

 

 

 

 

【研究書】

『いわさきちひろと戦後日本の母親像 画業の全貌とイメージの形成』宮下美砂子/著 世織書房 2021/6/30 (出版社サイト(書籍情報はなし)→こちら)

ジェンダーと絵本について研究されている筆者の博士論文を元にして書籍化された本です。
戦後の絵本には「おとうさんとおかあさん、そしてこどもふたり」というステレオタイプの家族像が描かれ、いつの間にかそれが当たり前のように刷り込まれてきました。家族の在り方は、その後大きく変わってきており、子どもの本の世界でも価値観の更新が求められています。
この研究では、いわさきちひろが描く「母と子」像を通して、その意味を問い、いわさきちひろの絵本と画業を通して、日本社会にまん延するジェンダー不平等について分析しています。
世界ジェンダーギャップ指数が2021年3月発表では156か国中120位の日本で、宮下さんの研究は子どもの本の世界をジェンダーの視点で捉えなおす必要性を問いかけてくれています。

 

 

(作成K・J)

10月のおはなし会おすすめプランの紹介


2010年より毎月のおはなし会プランを2か月前倒しで2~3本作成してきました。10月のおはなし会プランも、26プラン(小さい子向け8、幼児~小学生向け18)あります。

今年度は新たにプランを作らずに過去記事から、特におすすめのプランを紹介しています。

今月も小さい子向け4プラン、大きい子向け6プランを選びました。

その他のプランも「10月のおはなし会プラン」(→こちら)からご覧いただけます。
(なお、過去記事は、Amazonアフィリエイトを使用していたため画像のリンク切れがあり、修正が間に合っていない場合があります。ご了承ください。)

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【小さい子向けおはなし会プラン】

*どんぐり、どうぞ!(→こちら
どんぐりの出てくる絵本3冊と、わらべうたを組み合わせたプログラムです。

 

*おいしいね(→こちら
絵本「やさいだいすき」や「おにぎり」などと、わらべうたや手遊びを組み合わせたプログラムです。

 

*おやすみなさい(→こちら
秋の夜長、暑くもなく寒くもなく、ぐっすり眠ることのできる季節です。「眠り」をテーマに絵本とわらべうたを組み合わせたプログラムです。

 

*おいしいおと(→こちら
おいしさを音で表現した2冊の絵本と、わらべうたややさいをテーマにした絵本を組み合わせたプログラムです。

 

 

 

【幼児~小学生向けおはなし会プラン】

*くりくりくり(→こちら
山へ栗拾いへいく小僧さんとやまんばが出くわす「三枚のお札」の素話と、栗をテーマにした絵本を2冊組み合わせたプログラムです。

 

*たべちゃえ たべちゃえ(→こちら
「なら梨とり」の素話と、秋の美味しい味覚をテーマにした詩や絵本を組み合わせたプログラムです。

 

*おなべの中身は?(→こちら
素話「おいしいおかゆ」と、「ひまなこなべ」や「せかいいちおいしいスープ」など、おなべ繋がりで選んだプログラムです。

 

*おしゃれな秋(→こちら
おしゃれをすることが楽しくなる秋、「おしゃれ」をテーマにした絵本を組み合わせたプログラムです。

 

*ハロウィン(→こちら
ハロウィンをテーマに絵本を4冊組み合わせたプログラムです。

 

*アフリカを楽しもう(→こちら
アフリカの昔話や子どもたちの生活をテーマにした絵本を組み合わせたプログラムです。

 

 

(K・J)

2021年度情報教育対応教員研修全国セミナー 「GIGAスクール構想に対応した<本と学び>の提案」のご案内


一般社団法人 日本教育情報化振興会主催の「2021年度情報教育対応教員研修全国セミナー」についてご案内します。
(この研修は、自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

講演テーマは「GIGAスクール構想に対応した<本と学び>の提案」で、電子書籍や教育現場における子どもの読書活動に長年関わる有識者が、 GIGAスクール構想に期待することや、一人一人が主体的に取り組むことができる電子書籍活用事例などをお話しくださるとのことです。

申込方法など詳細は、こちらをご覧ください。

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「2021年度情報教育対応教員研修全国セミナー」

<講演テーマ>GIGAスクール構想に対応した<本と学び>の提案~子どもたちが主体的に端末を活用する環境づくりのために今できる事/電子書籍の可能性を探る~
<日時>8月25日(水)10:15~11:45(開場10:00~)
<会場>Web会議サービスZoomウェビナーとYouTubeLIVE上にて限定公開
<参加費>無料

(作成T.I)

オンラインセミナー「藤田先生 2021年度教科単元別推薦図書」のご案内


日販図書館選書センター主催のオンラインセミナー「藤田先生 2021年度教科単元別推薦図書」について、ご案内します。
(この研修は、自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

2021年度教科単元別の新刊・既刊のおすすめ図書を、全国SLA学校図書館スーパーバイザーの藤田先生が動画で紹介くださるとのことです。

詳細は、日販図書館選書センターWebページ→こちらをご覧ください。

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オンラインセミナー「藤田先生 2021年度教科単元別推薦図書」

<開催日時>2021年9月6日(月)10時~9月30日(木)終日
<講師>藤田利江先生 (全国SLA学校図書館スーパーバイザー・NPO法人学校図書館実践活動研究会理事)
<対象>図書館関係者・教員・書店関係者
<受付締切> 9月26日(日)
<受講費>無料

(作成 T.I)

訃報 神宮輝夫さん


青山学院大学名誉教授で、英米の児童文学を日本の子どもたちに多数紹介してくださった神宮輝夫先生が8月4日に89歳で逝去されました。(青山学院大学お知らせ→こちら、ヤフーニュース記事→こちら

 

 

アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』(岩波書店→こちら)をはじめとするランサム・サーガシリーズや、『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房→こちら)をはじめとするモーリス・センダックの多くの作品など、子どもたちが読み継いでいるロングセラーを翻訳されました。子ども時代に夢中になった人も多いことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他にも多くの英米の絵本や児童文学を翻訳し、研究書も多数執筆されました。(NDLサーチ→こちら

 

心より哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

 

 

 

 

 

2021年度地区学校図書館研究大会(函館大会、和歌山大会、熊本大会)


2021年度地区学校図書館研究大会(函館大会、和歌山大会、熊本大会)について、ご案内します。
(この研修は、令和3年度テクニカルサポート室の集合研修(フェーズ3)として位置づけられている研修です。受講についてはテクニカルサポート室からの案内をご参照ください。)

地区学校図書館研究大会は、全国9地区で、隔年で全国学校図書館研究大会と交互にで開かれる研究大会です。
申込方法など詳細は、全国学校図書館協議会のWebページ「2021年度地区学校図書館研究大会のお知らせ」→こちらよりご覧ください。
(茨城大会については、先日本のこまどでご案内しました→こちら(申込の受付は終了しています))

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第44回北海道学校図書館研究大会 函館大会
【期  日】9月3日(金)、9月4日(土)(収録日)
【公開期間】9月23日(木)~26日(日)
【開催方法】オンライン開催(配信動画を視聴)  

第47回近畿学校図書館研究大会 和歌山大会
【公開期間】10月1日(金)~15日(金)
【開催方法】全体会:オンライン開催(オンデマンド配信によるWeb視聴)
      分科会:「大会集録」による紙面発表 

第40回九州地区学校図書館研究大会 熊本大会
【期  日】資料データ掲載期間 9月1日(水)~2022年3月31日(木)
【開催方法】大会要項(冊子)による誌上発表とWeb上での資料データ配付

(作成 T.I)

 

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