Author Archive for テクニカルサポート室

令和3年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)及び北日本図書館連盟研究協議会 「新しい生活様式の下での児童サービスの在り方」のご案内
令和3年度第1回児童部会報告
9月のおはなし会おすすめプランの紹介
訃報 那須正幹さん
2021年5月、6月、7月の新刊から(その2)絵本・読み物
9月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2021)
第 36 回関東地区学校図書館研究大会 茨城大会
2021年5月、6月の新刊から(その1)絵本
8月のおはなし会おすすめプランの紹介
JBBYオンラインセミナー#16「ヒットメーカーに聞く!私の本の作り方―まじめにふざける児童書編」のご案内
学校図書館実践講座 ONLINE 「読書感想文指導にチャレンジしよう!」のご案内
JBBYオンラインセミナー#15「世界が注目! 韓国絵本の現在」のご案内
第67回青少年読書感想文コンクールについて
8月のおはなし会☆おすすめ本リスト2021
おすすめの幼年童話50『おめでたこぶた その1 四ひきのこぶたとアナグマのお話』アリソン・アトリー作

令和3年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)及び北日本図書館連盟研究協議会 「新しい生活様式の下での児童サービスの在り方」のご案内


令和3年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)及び北日本図書館連盟研究協議会「新しい生活様式の下での児童サービスの在り方」についてご案内します。
(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

コロナ禍において先が見えない中で、未来を担う子供たちの読書活動を支援するため、何をすることができ、何をしなければならないのか、考えることができる内容となっています。
ヴィアックス児童部会でも、「この時代に求められる児童サービスの形を模索する」を活動方針の一つとして取り組んでおりますが(令和3年度第1回児童部会報告→こちら)、今後の児童サービスについて考えてみたいという方は、ぜひご参加ください。

詳細は、岩手県立図書館WEBサイトより開催要項→こちらをご覧ください。

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令和3年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)及び北日本図書館連盟研究協議会

<研究主題>「新しい生活様式の下での児童サービスの在り方」

<主催>公益社団法人日本図書館協会、令和3年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)実行委員会、岩手県図書館協会、北日本図書館連盟

<配信(公開)期間・方法>令和3年11月25日(木)~12月9日(木)(YouTubeによる動画配信)

<対象>図書館職員、社会教育に関わる職員、教職員(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等)、保育所職員、保護者、子供の読書活動支援ボランティア等

<参加費>無料 <定員>なし

<申込期間>令和3年9月1日(水)~9月30日(木)  ※限定配信のため、お申し込みいただいた方のみ視聴できます。

(作成 T.I)

令和3年度第1回児童部会報告


7月9 日(金)に令和3年度第1 回児童部会を、会場とオンライン(ZOOMを利用)のハイブリット形式で開催し、12名が参加しました。(部員9名、事務局3名)

今年度は、「コロナ対策に揺れる図書館サービスの状況を共有し、各図書館のサービスに役立てる」「この時代に求められる児童サービスの形を模索する」の2点を活動方針とし、全3回開催いたします。また随時、メールでのやりとりを中心に、各図書館での取り組みや児童サービスに関する情報について共有していく予定です。

第1回では、児童部会の理念と目的を確認した後、自己紹介をふまえて、各図書館の取り組みや課題と感じていることを、各自発表しました。後半は、これから児童サービスについて考えていくにあたり、児童部会でどのようなテーマで話し合っていきたいか、グループに分かれて、意見を交わしました。

主なものとして以下のような意見が出されました。

・コロナ禍でのおはなし会のあり方
・来館が遠のいてしまう状況の中での、来館や本につなげるきっかけ作り
・図書館の外へ向けての働きかけ(Webページ、SNSの活用、動画配信も含む)
・自分自身で課題(やってみたいこと)を見つけて向き合えるような、図書館からのしかけ作り
・進学時などで利用が途切れてしまう利用者層への働きかけ
・電子書籍の導入を視野に入れたコレクション作り(選書や除籍を含む)

今後、どの項目を中心に取り組んでいくかは、アンケートを実施して、決定する予定です。

コロナ禍で依然として状況がよめないなかで、図書館として何ができるのか模索する日々が続きますが、各図書館の取り組みや状況を共有できたことは、一つの励みとなりました。活動を続けるなかで、図書館の児童サービスの役割を改めて見つめ、自分たちにできることを考えていければと思います。

(作成T.I)

 

 

9月のおはなし会おすすめプランの紹介


2010年より毎月のおはなし会プランを2か月前倒しで2~3本作成してきました。9月のおはなし会プランも、26プラン(小さい子向け9、幼児~小学生向け17)あります。

今年度は新たにプランを作らずに過去記事から、特におすすめのプランを紹介しています。

今月も小さい子向け4プラン、大きい子向け6プランを選びました。

その他のプランも「9月のおはなし会プラン」(→こちら)からご覧いただけます。
(なお、過去記事は、Amazonアフィリエイトを使用していたため画像のリンク切れがあり、修正が間に合っていない場合があります。ご了承ください。)

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【小さい子向けおはなし会プラン】

*げんこつやまの→(こちら
わらべうた「ねずみねずみ」と「げんこつやまの」を題材にした絵本2冊を中心に組み立てました。


*おいしいよ→(こちら
食欲の秋、子どもたちは食べるの大好き。絵本『おいしいよ』を中心に組み立てました。

*こっちをむいて!お月さま→(こちら
子どもが感じるお月さまへの想いを中心に組み立てました。

*げんきだよ!→(こちら
身体を動かすことが大好きな子どもたちへのエールを込めて作ったプランです。

 

【幼児~小学生向けおはなし会プラン】

*だいじょうぶだよ→(こちら
敬老の日のある9月、おばあちゃんやおじいちゃんが主人公の絵本を2冊、そして秋らしい素話を組み合わせました。

 

*たいせつないのち→(こちら
命の誕生は尊くうれしいもの。『わたしのあかちゃん』というかがく絵本を中心に組み立ててみました。

*安心してね→(こちら
夜のおだやかな眠りをテーマにおはなし会のプランを作ってみました。

*耳を澄まして→(こちら
夜になると聞こえてくる虫の音を中心に音をテーマにして作ったプランです。

*月のふしぎ→(こちら
形を変える月の不思議について考えることができる絵本を組み合わせました。

*秋のむし→(こちら
こちらも秋の鳴く虫が中心のプログラムです。わらべうた「むしかご」もやってみてくださいね。

 

(作成K・J)

訃報 那須正幹さん


7月23日(金)に、児童文学作家、那須正幹さんが22日午後にお亡くなりになったというニュースが飛び込んできました。79歳でした。(毎日新聞記事→こちら・NHKニュース→こちら

 

1978年の第1巻から始まって、2004年の50巻まで続いた『それいけズッコケ三人組』(ポプラ社 ズッコケ三人組サイト→こちら)は那須さんの代表作ですが、私が一番印象に残って大切に思っている1冊は『絵で読む広島の原爆』(西村繁男/絵 福音館書店  1995 →こちら)です。

 

 

この絵本は、1942年広島生まれの那須さんが3歳で被爆した体験がもとになっています。のちに被爆生存者への取材をし、当時の広島の街の様子、人々の暮らし、広島市内の被曝状況や原子爆弾開発の歴史、核爆弾の原理、放射能による障害など科学的な視点で丁寧に書いています。
絵を担当した西村繁男さんも、子どもたちにわかりやすい表現で描いており、大切に手渡し続けていきたい1冊です。

 

 

 

その他、戦後の広島を描いた「ヒロシマ三部作」(ポプラ社 現在品切れ中 →こちら)では日本文学者協会賞を受賞しています。

 

ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの変わらない友情と共に、那須さんが子どもたちに伝えたかった被爆体験や平和への思いを、これからも子どもたちに伝え続けていきたいと思います。

 

(作成K・J)

2021年5月、6月、7月の新刊から(その2)絵本・読み物


5月、6月に出版された子どもの本のうち、先月紹介できなかった読み物と、7月に出版された絵本を紹介します。また、一部、見落としていた5月以前に発行された新刊も含まれています。(2021年5月、6月の新刊から(その1)絵本は→こちら

この度は銀座・教文館ナルニア国で選書したものと、横浜・ともだち書店で児童書担当の方の推薦をいただいたものを取り寄せた本、翻訳者の方から直接送っていただいたものを、読み終えた上で紹介しています。

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【絵本】
《創作》
『太陽と月 10人のアーティストによるインドの民族の物語』バッジュ・シャーム、ジャグディッシュ・チターラー、スパーシュ・ヴィヤーム他 青木恵都/訳 タムラ堂 2021/4/1(第3刷)(出版社サイト→こちら

南インドの小さな工房でシルクスクリーン印刷と手製本で作られるターラーブックスの絵本です。2016年に第1刷が日本で出版されていましたが、大量生産されていない作品なのですぐに手に入らなくなっていました。4月に第3刷が販売されました。今回は2000部発売で、手元にあるものは1641とシリアルナンバー入りです。
紙の手触りや色合いなどから、これは芸術作品だと感じます。太陽と月を巡る昔話を10人のアーティストがそれぞれ見開きページで表現しています。

 

 

 

 

『いろいろかえる』きくちちき/作 偕成社 2021/5(出版社サイト→こちら

みどりのかえるときいろのかえる、そしてももいろのかえるの三匹がおひさまの光を浴びて、お花の間でゆかいに踊ります。池の中ではあおいろのかえるも、だいだいいろのかえるもやってきて、夕陽を浴びて大合唱。そこへ迎えに来たのはとうさんとかあさんのかえる。
にぎやかなかえるたちの声に、こちらも頬がゆるんできます。
きくちちきさんの躍動的な筆のタッチがのびやかで気持ちを解放させてくれます。

 

 

 

 

 

『天のすべりだい』スズキコージ/作 BL出版 2021/7/1(出版社サイトtopページ→こちらトップページから新刊案内をクリックしてください

コージズキンという愛称で呼ばれて熱烈なファンもいるスズキコージさんの贅沢な画集といった感じでしょうか。
一貫した物語があるわけではないのですが、「あの世とこの世の交信」から生まれた絵だというだけあって、絵の力に圧倒されます。そしてところどころに散りばめられた問いかけの言葉「あの世とこの世のリンゴの味はそっくりなのを君は知ってるかい?」「この世にもあの世にも旅の仲間がいるってこと知ってるかい?」にインスパイアされて、ひとりひとりが絵の中を旅することができる、そんな想像力を搔き立ててくれる絵本です。

 

 

 

 

『街どろぼう』junaida/作 福音館書店 2021/7/10(出版社サイト→こちら

これまで『Michi』、『の』や『怪物園』などの独創的で美しい絵本を創作しているjunaidaさんの新作絵本です。
大きな山の上にひとりぼっちで住んでいる巨人は、ある夜さびしさのあまり、麓の街から一軒の家をこっそり山の上に持ち帰ります。そしてその家の家族に「これからはここでいっしょにくらしましょう ほしいものがあったらなんでもあげますから」と伝えます。するとその家族は「わたしたちだけではさびしいのでしんせきの家も ここにつれてきて」と頼まれるのです。こうして巨人はその都度求められるままに、麓の街にあった家のほとんどを山の上に運びます。そうして山の上ににぎやかな街が出来上がるのですが、巨人はやっぱり孤独でした。そして巨人が山を下りていくのです。美しい絵と、意外な展開の中から、そして最後には心温まる結末も用意されていて、読みながらさまざまなことを考えさせられました。20cm×15cmの小さな絵本です。

 

 

 

《ノンフィクション》

『子どもの本で平和をつくる―イエラ・レップマンの目ざしたこと―』キャシー・スティンソン/文 マリー・ラフランス/絵 さくまゆみこ/訳 小学館 2021/7/19(出版社サイト→こちら

第二次世界大戦後、瓦礫に覆われたドイツの街角でアンネリーゼと幼い弟ペーターは、大きな建物に人々が並んで入っていくのを見て、食べ物をもらえるかもと入っていきました。
ところがそこにはたくさんの本が並べられていたのでした。そこには戦争でドイツと戦ったいろいろな国から届けられた子どもの本が並んでいたのです。
アンネリーゼとペーターはおはなし会に参加します。ひとりの女性がドイツ語に翻訳して子どもたちにおはなしを読んでくれたのでした。その日アンネリーゼは未来に向けて夢を描くことができました。
この女性はイエラ・レップマンという実在の女性です。「すばらしい子どもの本は人びとが理解しあうための”かけ橋”になる」と信じ、終戦後まもなく各国によびかけ「世界の子どもの本展」を開催したのでした。「世界の子どもの本展」はその後イエラの想いに賛同して設立された「国際児童図書評議会」(IBBY→こちら)に引き継がれ、日本でも「日本児童図書評議会」(JBBY→こちら)によって巡回しています。(世界の子どもの本展→こちら)この絵本を翻訳したのは、現在JBBYの会長を務めているさくまゆみこさんです。また、当社はJBBYの法人会員になっています。

 

 

 

 

【児童書】
《物語》

『わたし、パリにいったの』たかどのほうこ/作 のら書店 2021/3/22(出版社サイト→こちら

はなちゃんは妹のめめちゃんとあるアルバムを見るのが大好きです。そのアルバムにはめめちゃんが生まれる前、はなちゃんが両親と一緒にパリへ旅行した写真が収められているのです。なんどもアルバムを開いてはなちゃんが思い出を話しているためか、まるでめめちゃんもそこにいたかのように話すのです。はなちゃんが「めめちゃん、うまれてなかったのに、よくおぼえてるねえ!」「おかあさんにきいたんじゃないの?」と聞くと、「おかあさんのおへそのあなから見てた」と言いはるめめちゃん。そんな楽しい姉妹の会話に思わず笑ってしまいます。ひとりで読み始めた子に手渡したい幼年童話です。

 

 

 

 

『けんだましょうぶ』にしひらあかね/作 福音館書店 2021/4/15(出版社サイト→こちら

けいくんはけんだまが得意です。けんだまを持って野原へ出かけていくと、きつねがけんだま勝負を挑んできます。きつねがけんだま始めると、玉がみかんになったり、りんごになったり。次にたぬきもけんだま勝負を挑んできました。たぬきのけんだまはザリガニに変身したり。そのあとも魔女や天狗とけんだま勝負。なんとも楽しくて、けんだまをやりたくなる幼年童話です。

 

 

 

 

 

 

『すてきなひとりぼっち』なかがわちひろ/作 のら書店 2021/5/20(出版社サイト→こちら

クラスの中にとけこめず、ひとりぼっちであることも平気だとうそぶく一平くん。そうはいっても、「ぼくがこんなに つらいおもいをしていることを だれもしらない。ぼくは、このよにひとりぼっち。」とつぶやきたくもなる。
雨の日、学校から帰ったら玄関がしまっている。母さんを探しに出かけた商店街で一平くんはいろいろな人の親切にふれて、ひとりぼっちではないことに気づきます。
夜明け前に目が覚めて、西の空に月が沈みかけ、東の空から太陽が昇ってくるのをみながら、一平くんが感じる想いがとても素敵です。

 

 

 

 

『ボーダレス・ケアラー 生きてても、生きてなくてもお世話します』山本悦子/作 理論社 2021/5(出版社サイト→こちら

大学の夏休み直前、海斗は一人暮らしをしている認知症の祖母のケアを母親に頼まれます。祖母は1か月前に亡くなった愛犬豆蔵の空のリードを持って散歩に出かけるなど、どうも認知症が進んでいるのではというのです。海斗は母親にバイト代10万出すと言われて引きうけることにしました。
祖母の家に行って、海斗も豆蔵のリードを持って散歩すると、不思議なことに豆蔵が見えることに気がつきます。「幽霊か?」と声に出す海斗に、マンションの駐車場の下に佇む少女が、「ボーダーの状態になっているんだと思うよ。」「ボーダーラインを認識してないっていうのかな。生も死も、みんないっしょ。区別していないの。だから見えるんだと思う」と声をかけてきます。つまり「ボーダー」とは死後の世界へ行かず生と死のはざまにいる存在だというのです。海斗はボーダーの生前の想いを調べ、時にはその思いを遂げる手伝いをするようになります。また海斗がセーラと呼ぶその少女がボーダーになった理由もわかります。そこにはその少女が中学生だった時にいじめられていた同級生との関係があったのです。心温まる物語です。

 

 

 

『あしたもオカピ』斉藤倫/作 fancomi/絵 偕成社 2021/6(出版社サイト→こちら

どうぶつえんで飼育されているオカピは、ある夜、飼育員のおじさんと一緒に月をながめていました。その夜出ていた月は、不思議な形をしていました。半月をさらに半分にしたような、まるで四つ葉のクローバーの一片のような形だったのです。
「よつば月だ。よつば月にどうぶつがお願いすれば、なんでも願いがかなう」と飼育員のおじさんに教えてもらったオカピ、さっそく檻の外に出たいと願います。オカピは夜のどうぶつえんを歩き回って、「よつば月には願いがかなう」ことを他の動物たちにも伝えてまわります。
そう、その夜はほんとうに不思議なことが動物園で起きたのです。ちょっと不思議で、楽しいお話です。この本もひとりで読み始めた子ども向きの幼年童話です。

 

 

 

 

 

『チョコレートのおみやげ』岡田淳/文 植田真/絵 BL出版 2021/6/1(出版社サイトtopページ→こちらトップページから新刊案内をクリックしてください

神戸の街、異人館や港をおばさんに案内してもらったわたし。公園のベンチでチョコレートをつまみながら、おばさんが即興でお話を語り始めます。そのお話は風船売りの男と飼っているニワトリのお話でした。
ニワトリが風を読んで男に伝えると、男は風のない日に風船を売りに出かけるのです。ある日ほんのいたずら心でニワトリは強風が吹きそうな日なのに「今日は風がない日」とうそをついてしまいます。
するとその日を境に男は何カ月も帰ってこない、そこでニワトリは屋根の上の風見鶏になったというお話でした。
その結末に不満のあるわたしは、続きのお話を語ります。その新しい結末に、おばさんと食べているチョコレートがからんで、とてもおしゃれで楽しいお話になっています。

 

 

 

 

『庭』小手鞠るい/作 小学館 2021/6/7(出版社サイト→こちら

真奈はSNSでの書き込みがきっかけで仲良し5人組から外されてしまい、中2の冬から不登校になっていますが、母親の心配をよそに自分の意志で「登校拒否」しているのだと思っています。そんな日々の中に大きな転機が訪れます。中学3年生になる春休みに、幼い時に亡くなった父親の故郷、ハワイへ一人旅に出ることになったのです。
初めて会う父親方の祖母や叔母たちがハワイで温かく迎えてくれました。そこで自分のルーツに出会い、真奈の傷ついた心は少しずつ回復していきます。日系人の歴史にも触れながら、物語は展開していきますが、結末は表紙絵のような明るい光を感じることができます。中学生以上向けYA作品です。

 

 

 

 

『コレットとわがまま王女』ルイス・スロボドキン/作 小宮由/訳 瑞雲舎 2021/7/1(出版社サイト→こちら

とてもわがままな王女が町に静養にやってくるというので、コレットが住む町は大騒ぎ。ポーリーン王女の滞在中は物音ひとつ立ててはならないという法律が出来たのです。足音を立てないために、ブーツや木ぐつの上にフェルトのスリッパをかぶせたり、馬やロバの蹄鉄にはわらをかぶせ、町の教会の鐘も鳴らないようにしました。当然、子どもたちも声をあげてわらったり、広場で遊ぶこともできません。
町長の娘であるコレットは、飼い猫のシュシュにマスクをし、町のはずれの樫の木の下でおとなしくしていました。ところがポーリーン王女は、その樫の木の下を気に入ってしまったのでした。
一方的に我慢を強いられた町の人たちを救ったのは、なんと子猫のシュシュ。どうやって救ったかは読んでのお楽しみ。

 

 

 

 

【その他】

《エッセイ》
『佐野洋子 とっておき作品集』佐野洋子/著 筑摩書房 2021/3/15(出版社サイト→こちら

『100万回生きたねこ』があまりにも有名な佐野洋子さんが、亡くなられた後で見つかった単行本未収録作品を集めた作品集です。
童話が6編、ショートショートが6編、私の服装変遷史と題したイラストと写真集に、エッセイが10編、そして谷川俊太郎さんとの恋と結婚生活を書いたエッセイ3編。どれもこれも、佐野洋子さんの魅力がたっぷりつまっていて、ファンでなくても夢中になってしまいます。

 

 

 

 

 

《研究書》
『女性受刑者とわが子をつなぐ絵本の読み合い』村中李衣/編著 中島学/著 かもがわ出版 2021/6/30(出版社サイト→こちら

児童文学作家であり、また児童文学研究者でもある村中李衣さんが、長年、山口県美祢市にある官民協働刑務所「社会復帰促進センター」に収容されている女性受刑者とともに絵本を読み合う実践をされてきた、その記録です。何らかの罪を犯して収監されているわけですが、ひとりひとりの生育環境が影響していることがあり、絵本を介在させてまず自分自身と対話をし、自己確立をする中で、自分を客観視し立ち直っていく。特にわが子を持っている受刑者にとっては、自分の過去を客観視して受け入れることが、わが子との関係性も強化していくことになるのです。女子受刑者と図書館の児童サービス、なにも関係がないように見えますが、図書館は地域のすべての人に本を通して幸せな人生を実現していくことを応援する、そんな機能があります。経済格差が拡大し、本や正確な情報にアクセスできない貧困層の家庭にどう手を差し伸べるのか、その課題が見えてきます。ぜひ読んでほしいと思います。

 

 

 

(作成K・J)

第 36 回関東地区学校図書館研究大会 茨城大会


「第 36 回関東地区学校図書館研究大会 茨城大会」について、ご案内します。
(この研修は、令和3年度テクニカルサポート室の集合研修(フェーズ3)として位置づけられている研修です。受講についてはテクニカルサポート室からの案内をご参照ください。)

地区学校図書館研究大会は、全国9地区で、隔年で全国学校図書館研究大会と交互にで開かれる研究大会です。
今年度の関東地区は、茨城県(オンライン)で、「多様な学びで「生きる力」を育成する学校図書館」という主題のもと、
開催されます。
詳細は、第36回関東地区学校図書館研究大会WEBサイト→こちらをご覧ください。

(地区別学校図書館研究大会については、全国学校図書館協議会のWebページ→こちらをご覧ください。)

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「第 36 回関東地区学校図書館研究大会 茨城大会」

<期日>令和3年8月18日(水)~8月24日(火)
<開催形式>ストリーミング視聴等によるオンライン開催(大会初日8月18日(水)は生配信)
<大会主題>多様な学びで「生きる力」を育成する学校図書館
<参加費>3000円

(作成 T.I)

2021年5月、6月の新刊から(その1)絵本


5月、6月に出版された子どもの本のうち、まず絵本を紹介します。読み物は7月上旬に公開予定です。また、一部、見落としていた5月以前に発行された新刊も含まれています。

この度は銀座・教文館ナルニア国で選書したものと、横浜・ともだち書店で児童書担当の方の推薦をいただいたものを取り寄せた本、翻訳者の方から直接送っていただいたものを、読み終えた上で紹介しています。

その他の書籍に関しては銀座教文館ナルニア国の「きになる新刊」コーナーをぜひご活用ください。(「本のこまど」紹介記事→こちら

なお、書影は各出版社の許諾要件に従って使用しています。

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【絵本】
《物語絵本》

『あまがえるりょこうしゃ ちかたんけん』松岡たつひで/作 福音館書店 2021/4/10(出版社のサイト→こちら

あまがえる旅行社の今度のツアーはモグラ博士が作った地下を走る車での探検です。
地下をどんどん進んでいく探検ツアーのお話を読んでもらいながら、地中で暮らす虫や動物、植物の様子を知ることができます。子どもたちが大好きな昆虫の幼虫の様子などをみつけながら、物語から知識へと興味関心が広がっていく契機になっていくでしょう。

 

 

 

 

 

『ぼくのがっこう』すずきのりたけ/作 PHP研究所 2021/5/20 (出版社のサイト→こちら

奇想天外、自由な発想で身近なものを描く『ぼくのおふろ』『ぼくのトイレ』『ぼくのふとん』に続くシリーズの4作目です。
毎日通う学校も、いつもと違っていたら楽しいのに、とどんどん妄想が広がっていきます。
たとえば廊下がぐにゃぐにゃしていたり、机が日替わりで変わったり、先生と生徒が入れ替わったり・・・ナンセンスですが、たまにはそのような捉われない発想で遊んでみるのもいいですね。

 

 

 

 

 

 

『かぜのうた』フィリップ・ジョルダーノ/絵 さわべまちこ/文 ポリフォニープレス  2021/5/25(出版社のサイト→こちら

 

2004年、2009年、2010年と何度もボローニャ国際絵本原画展で賞を取っているイタリアの絵本作家が「風」をテーマに日本の四季を描きました。「かぜがふいたら」いろいろな音がして、いろいろなものが動き出します。繰り返しのリズムと音を楽しんでみましょう。

 

 

 

 

 

『アインシュタイン 時をかけるネズミの大冒険』トーベン・クールマン/作 金原瑞人/訳 ブロンズ新社 2021/5/25(出版社のサイト→こちら

リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』『アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険』『エジソン ネズミの海底大冒険』など史実とファンタジーを織り交ぜて好評の「ネズミの冒険シリーズ」の最新刊です。
チーズフェアに行くのを楽しみにしていたネズミ、どこで間違えたか、会場へ行って見るとフェアは前日に終わっていました。
そこから過去へもどろうとするネズミは必死の努力をし、アインシュタインの理論からタイムマシンを作るのですが、なんと辿り着いたところは80年前の世界。まさにアインシュタインが相対性理論を思いつく時だったのです。時間とは何か、相対性理論とは何か、物語を読んでいるうちに理解が深まっていきます。

 

 

 

 

 

 

『野ばらの村のピクニック』ジル・バークレム/作 こみやゆう/訳 出版ワークス 2021/6/25 (出版社のサイト→こちら

40年前に講談社から岸田衿子の訳で出版されていた「のばらの村のものがたり」シリーズのうち、『春のピクニック』がこみやゆうさんの訳で蘇りました。以前のシリーズは18cm×14.5cmの小型判型でしたが、25cm×19.5cmの大判になり、緻密に描かれた切り株の中のねずみの家をつぶさに見て楽しむことが出来ます。
絵の美しさもですが、ねずみのウィルフレッドの誕生日を家族や友達が一緒に祝うお話には、心が温まります。

 

 

 

 

 

 

《ノンフィクション絵本》

『うまれてそだつ わたしたちのDNAといでん』二コラ・デイビス/文 エミリー・サットン/絵 越智典子/訳 斉藤成也/監修 ゴブリン出版 2021/4(出版社のサイト→こちら

ちいさなちいさなめにみえないびせいぶつのせかい』や、『いろいろいっぱい ちきゅうのさまざまないきもの』など「デイビス&サットンの科学絵本シリーズ」の3作目です。
地球上のすべてのいきもの、植物も動物も、生まれては育っていき、次の命を残していきます。それではどうやって生物は次の世代へと命を繋げていけるのか、それはDNAという「設計書」を持っているからなのです。DNAと遺伝について子どもたちにわかりやすく教えてくれる絵本です。

 

 

 

 

 

 

『カブトムシの音がきこえる 土の中の11カ月』小島渉/文 廣野研一/絵 たくさんのふしぎ傑作集 福音館書店 2021/5/15(出版社のサイト→こちら

子どもたちに大人気の昆虫、カブトムシが幼虫時代に土の中でどのように暮らしているかを、親が卵を産んでから、蛹から孵るまでの11カ月を詳しく描いた絵本です。著者の小島渉・山口大理学部講師(36)=昆虫生態学=は「カブトムシは成虫が注目されがちだが、観察してみると幼虫やさなぎも面白い行動をたくさんしており、魅力的なステージ」と山口新聞のインタビューに答えています。(→こちら)1年のうち11カ月を土の中で暮らし、成虫になって外に出てきてからはたった1か月の寿命のカブトムシ。強いイメージのカブトムシがまた違ったイメージで捉えられていて新鮮です。夏の自由研究のきっかけにもなる本です。

 

 

 

 

 

 

『小さな里山をつくる チョウたちの庭』今森光彦/作 アリス館 2021/5/31 (出版社のサイト→こちら

昆虫写真家の今森光彦さんは、滋賀県の琵琶湖の畔に蝶々がくる庭(オーレリアンの庭)を作ります。その30年の歩みをたくさんの写真で紹介しています。
蝶がたくさん来る庭というのは、人間と植物、昆虫とが共生する自然の環境です。ただ単に美しい庭というだけでなく、環境への鋭い視点もまた必要です。
今では75種類もの蝶と生き物が暮らす多様な自然環境と育っていった今森さんの里山つくりは、今の時代にとても大事な視点を教えてくれます。

 

 

 

 

 

『どうなってるの?エンジニアのものづくり』ローズ・ホール/文 リー・コスグローブ/絵 福本友美子/訳 大崎章弘/監修 ひさかたチャイルド 2021/6 (出版社のサイト→こちら

飛行機はどうして空を飛べるの?スマートフォンの中はどうなっているの?そんな子どもたちが身近に抱く疑問に、エンジニアの仕事という視点で解説してくれる絵本です。
しかけ絵本になっていて、めくると詳しい説明が読めるようになってます。
昨年10月に紹介した『どうなってるの?ウイルスと細菌』(紹介記事→こちら)と同じシリーズです。

 

 

 

 

 

(作成K・J)

8月のおはなし会おすすめプランの紹介


2011年より毎月のおはなし会プランを2か月前倒しで2~3本作成してきました。8月のおはなし会プランも、27プラン(小さい子向け9、幼児~小学生向け18)あります。

今年度は新たにプランを作らずに過去記事から、特におすすめのプランを紹介しています。

今月も小さい子向け3プラン、大きい子向け6プランを選びました。

その他のプランも「8月のおはなし会プラン」(→こちら)からご覧いただけます。
(なお、過去記事は、Amazonアフィリエイトを使用していたため画像のリンク切れがあり、修正が間に合っていない場合があります。ご了承ください。)

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【小さい子向けおはなし会プラン】

*なつのそら→(こちら
夏の空は真っ青な青空に広がる入道雲に、夜には花火。子どもたちの心に印象に残る事象とわらべうたを組み合わせたおはなし会プランです。

 

*夏のおでかけ→(こちら
小さな子どもたちに人気の『がたんごとんがたんごとんざぶんざぶん』を中心に、わらべうたと組み合わせたおはなし会プランです。

 

*おひさまさんさん→(こちら
夏の陽射しをあびて、すくすく育つ植物元気な子どもたちを思い浮かべながら、作ったプランです。海をイメージしたわらべうたも紹介しています。

 

【幼児~小学生向けおはなし会プラン】

*夏の朝→(こちら
夏はラジオ体操やキャンプで朝早く起きることも多くなりますね。朝にフォーカスして作成したプランです。

 

*そこにいるのは→(こちら
夏に「こわいおはなし会」をする図書館も多いでしょう。ちょっとだけこわいお話を集めてみました。

 

*ぐんぐんどんどん→(こちら
夏はいろんなものが成長する時。「ぐんぐん、どんどん」伸びて、競って、そんな絵本やおはなしを組み合わせたプランです。

 

*くだものなんだ→(こちら
くだものといえば秋のイメージですが、夏にも美味しいくだものがいっぱい。そんなくだものがいっぱい出てくるおはなし会プランです。

 

*世界中の子どもたちが→(こちら
8月は終戦記念日があるので、「戦争と平和について考える」というテーマのおはなし会やブックトークが行われますね。こちらでもひとつプランを作りました。

 

*富士山にのぼる→(こちら
夏休みに富士山登山に挑戦する子どもたちも多いことでしょう。富士山をテーマにおはなし会プランを作成しました。

 

(作成K・J)

 

JBBYオンラインセミナー#16「ヒットメーカーに聞く!私の本の作り方―まじめにふざける児童書編」のご案内


日本国際児童図書評議会(JBBY)主催のJBBY 新・編集者講座 第7期2021-①「ヒットメーカーに聞く!私の本の作り方――まじめにふざける児童書編」についてご案内します。(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

JBBY新・編集者講座は、子どもの本の編集者に向けた連続講座で、第七期のメインテーマは「子どもの本の新しい地平線」となっています。

第1回目の講師は、『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『東大教授がおしえる やばい日本史』(ダイヤモンド社)等々を手がけた、ダイアモンド社編集者の金井弓子さんが、本の作り方についてお話くださるそうです。興味・関心のある方は、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、JBBYのWebサイト→こちらをご覧ください。

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JBBY新・編集者講座2021-①「ヒットメーカーに聞く!私の本の作り方――まじめにふざける児童書編」

<日 時> 2021年7月14日(水)19:00-20:30(開場15分前)
<場所>  オンライン(ZOOM)
<講 師> 金井弓子さん(ダイヤモンド社編集者)
<参加費>  
一般1500円、JBBY会員1200円
※事前申込・事前払込が必要です。

(作成 T.I)

 

学校図書館実践講座 ONLINE 「読書感想文指導にチャレンジしよう!」のご案内


全国学校図書館協議会主催の「学校図書館実践講座 ONLINE」についてご案内します。
(この研修は、令和3年度テクニカルサポート室の集合研修(フェーズ1)として位置づけられている研修です。受講についてはテクニカルサポート室からの案内をご参照ください。)

学校図書館運営に役だつ内容を各回ワンテーマで学ぶことができる講座で、2021年度はオンラインによる開講となっています。第2回目のテーマは「「読書感想文指導にチャレンジしよう!」~学校と地域・家庭との連携~<小学校>」です。

講座内容の詳細は、学校図書館協議会のWebページ→こちらをご覧ください。

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「学校図書館実践講座 ONLINE」

<主催>公益社団法人 全国学校図書館協議会
<テーマ>「読書感想文指導にチャレンジしよう!」~学校と地域・家庭との連携~<小学校>
<受講方法>配信動画の視聴
<動画公開期間>2021年6月25日(金)10:00~8月31日(火)17:00

(作成 T.I)

JBBYオンラインセミナー#15「世界が注目! 韓国絵本の現在」のご案内


日本国際児童図書評議会(JBBY)主催のJBBY国際アンデルセン賞と世界の子どもの本講座2021-③「世界が注目! 韓国絵本の現在」についてご案内します。(自己啓発(自己研鑽)のための研修としてご案内しています)

今、韓国絵本は、絵本作家が様々な賞を受賞するなど、世界で注目されています。
(本のこまどでも、ブラチスラバ世界絵本原画展「金のりんご」を受賞した『せかいのはてまでひろがるスカート』(→こちら)などを紹介しました)
そこで、韓国の絵本事情に詳しい申明浩(しん・みょんほう)さんが、斬新で意欲的な絵本が次々と誕生する背景と、主な作家とその作品の魅力などについてお話くださるそうです。
興味・関心のある方は、ぜひご参加ください。

申込方法など詳細は、JBBYのWebサイト→こちらをご覧ください。

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JBBY国際アンデルセン賞と世界の子どもの本講座2021-③
世界が注目! 韓国絵本の現在

<日 時> 2021年7月10日(土)14:00-16:00(開場15分前)
<場所>  オンライン(ZOOM)
<講 師> 申 明浩さん(武蔵野美術大学講師)
<参加費> 
一般1300円、JBBY会員1000円
※事前申込・事前払込が必要です。

(作成 T.I)

第67回青少年読書感想文コンクールについて


第67回青少年読書感想文全国コンクール募集要項が、全国学校図書館協議会Webページに公表されています。応募要項は、ポスターとともに5月~6月頃、各学校に配布されるとのことです。

第67回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書一覧
https://www.j-sla.or.jp/pdfs/contest/67kansoubunkadaitosyo.pdf

第67回青少年読書感想文全国コンクール応募要項
https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/67kansoubun-youkou.html

 

青少年読書感想文コンクールは、全国学校図書館協議会と毎日新聞社の主催で、1955 年から実施されています。このコンクールは、個人応募ではなく、学校単位で参加するものですが、毎年読書感想文に関するお問い合わせが多くあると思いますので、ぜひご確認ください。

(作成K・J)

8月のおはなし会☆おすすめ本リスト2021


8月のおはなし会やブックトーク、特集展示などで使える本のリストを更新しました。2020年,、2021年に出版された本も追加しました。

プリントアウトしてファイリングしたり、利用者からの問い合わせにもご活用ください。
追加購入する時の参考にしてくださっているとも聞いています。
よろしくお願いします。

8月のおはなし会☆おすすめ本リスト(2021)

 

 

(作成K・J)

おすすめの幼年童話50『おめでたこぶた その1 四ひきのこぶたとアナグマのお話』アリソン・アトリー作


今回は、数多くの幼年童話を残したイギリスの作家、アリソン・アトリーの作品を紹介します。アリソン・アトリーは、1884年生まれのイギリスの作家で、『チム・ラビットのぼうけん』(石井桃子訳 中川宗弥画 童心社 1967)など数多くの物語を残しています。その作品の中には、自然豊かな農場で過ごした子ども時代が生きていて、自然のもつ美しさや不思議さがあふれ、独特の魅力をはなっています。今回紹介するのは、20年にわたって113編執筆された、こぶたのサムのお話です。

『おめでたこぶた その1 四ひきのこぶたとアナグマのお話』(アリソン・アトリー作 すがはらひろくに訳 やまわきゆりこ画 福音館書店 2012)

木かげの小道のほとりに、トム、ビル、アン、サムという四ひきのこぶたと、かしこいアナグマのブロックさんが住んでいました。こぶたたちは、料理を作り、庭を整え、幸せに暮らしていました。家族のなかでも末っ子のサムは、とびきり元気で、好奇心いっぱい。じっとなんかしていません。悪い人間にさらわれてしまったり、「幸運」を探しにいって金のかたまりを見つけたり、と毎日が冒険のようです。雨の日に見知らぬ人がたずねてきたりと、不思議なこともおこります。

また、それぞれのお話のなかに、古くから伝えられてきた昔話や童謡が登場したり、隠れていたりします。例えば、遠くの黒森からオオカミがやってくるお話は、「三びきのコブタ」を思い出しますし、虹の足元には宝物があるというお話も、どこかで聞いたなという気持ちになります。イギリスの子どもほどではなくても、幼いころから触れてきたものが、ひょいひょい顔を出すのはとても面白く、愉快な気持ちになれます。

おめでたこぶたのシリーズは、現在4冊出版されています。(福音館書店Webページ→こちら)。また挿絵は、絵本「ぐりとぐら」シリーズの絵を描いている山脇百合子氏によるもので、のびやかで親しみやすいものとなっています。子どもたちは、元気なサムと一緒に、家族で食卓を囲んで美味しいものを食べたり、木々のささやきや風の匂いを感じたり、そして時には危険な目にあったりしながら、日々の小さな冒険を楽しんでくれることでしょう。

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「おすすめの幼年童話」は2017年4月から連載してきましたが、第50回をもって最終回となります。
(第2回から第18回は、H28年度児童部会員が執筆し、冊子「ひとりでよみはじめた子たちへ」(→こちら)も作成しました。)

絵本から読み物へ移行する子たちに向けて選んだ50冊の本は、日常から不思議な世界に入りこめる本、主人公と一緒に冒険を味わえる本、自分のことのように共感できる本など、様々なものがありますが、子どもたちが物語に入りこみ、夢中になって読んでくれることを願って選びました。一人で読み始めたばかりの子どもたちにとって、負担なく読める文字の大きさやお話の長さも配慮しなければなりませんが、何より読み終えたとき、本の世界の魅力を感じてもらえることが大切だと思います。

子どもたちの本離れが指摘されていますが、読み聞かせから自分で読むようになる時期に、心に残る本に出会えるかどうかは、本への信頼感、その後の本とのつきあい方に大きく関わってくると思います。どうぞこの時期にいる子どもたちが、何度も読みたいと思える大切な1冊に出会えるよう、「おすすめの幼年童話」で紹介した50冊も参考にしていただければ幸いです。

(作成T.I)

 

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