作家に関する情報

訃報 エリック・カールさん
訃報 ベバリイ・クリアリーさん
訃報 安野光雅さん
訃報 シビル・ウェッタシンハさん
訃報 田畑精一さん
訃報 トミー・デ・パオラさん
ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌にきくちちきさん
訃報 和田誠さん
訃報 谷内こうたさん
訃報 ジュディス・カー
訃報 上野紀子さん
訃報 トミー・ウンゲラーさん
訃報 ジョン・バーニンガムさん
訃報 宮川ひろさん
訃報 もりひさしさん

訃報 エリック・カールさん


5月27日朝、『はらぺこあおむし』など色鮮やかでユーモア溢れる多くの作品を生み出し、世界中の子どもたちに愛されてきたエリック・カールさんが、5月23日に亡くなられたというニュースが飛び込んできました。91歳でした。(ハフポストニュース→こちら

 

 

 

 

 

 

エリック・カールさんの作品については、以下のサイトから「Books」ページをご参照ください。
偕成社・エリック・カール スペシャルサイト(→こちら)

Eric Carle 公式サイト(→こちら

 

4月25日(日)に行われたJBBY国際アンデルセン賞と世界の子どもの本講座「私が会った国際アンデルセン賞画家と世界の絵本作家」(オンライン)で、講師の松本猛さんがエリック・カールさんのアトリエを数回訪れて親しく交流されたことを詳しく語ってくださいました。その独特な創作方法や、お茶目な一面をお聞きしたところだったので、驚いています。

 

明日、公開予定の新刊情報記事では、エリック・カールさんの最新刊『ありえない!』を紹介する予定です。

『ありえない!』エリック・カール/作 アーサー・ビナード/訳 偕成社 2021/5(出版社サイト→こちら

 

 

 

 

 

 

 

心より哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

訃報 ベバリイ・クリアリーさん


「ゆかいなヘンリーくん」シリーズ(→こちら)で有名なアメリカの児童文学作家、ベバリイ・クリアリーさんが3月25日、アメリカ、カリフォルニア州カーメルで亡くなられました。104歳でした。(ニュース記事→こちら

日本では、松岡享子さんの翻訳で14冊出版され、小学生時代に親しんだ子どもたちも多いことでしょう。

『がんばれヘンリーくん』ベバリイ・クリアリー/作 ルイス・ダーリング/絵 松岡享子/訳 学習研究社 2007(改訂新版)

その他のゆかいなヘンリーくんシリーズ
『ヘンリーくんとアバラー』
『ヘンリーくんとビーザス』
『ビーザスといたずらラモーナ』
『ヘンリーくんと新聞配達』
『ヘンリーくんと秘密クラブ』
『アバラ―のぼうけん』
『ラモーナは豆台風』
『ゆうかんな女の子ラモーナ』
『ラモーナとおとうさん』
『ラモーナとおかあさん』
『ラモーナ、八歳になる』
『ラモーナとあたらしい家族』
『ラモーナ、明日へ』

 

「本のこまど」の「基本図書を読む20」では、『がんばれヘンリーくん』について詳しく紹介しています。(→こちら 作成T・I)合わせて、こちらもご覧ください。

 

楽しいおはなしを書いてくださったクリアリーさんに感謝の気持ちを込めて、心より哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

訃報 安野光雅さん


国際アンデルセン賞画家賞を受賞した絵本作家の安野光雅さんが、先月12月24日に亡くなられたというニュースが本日午後流れました。94歳でした。

夕方の各局のニュースでも報道されていましたし、ネットニュースでも流れていましたので、すでにご存知の方も多いことでしょう。(朝日新聞ネットニュース→こちら

 

安野光雅さんの代表作『旅の絵本』(福音館書店 1977年)(シリーズは全9冊→こちら

 

 

 

 

 

また近年も朝日出版社から「安野光雅の絵で読む世界の少年少女文学」シリーズ(2015~2019)(→こちら)など精力的な仕事を続けてこられました。

「本のこまど」での安野光雅さん新刊紹介記事
『森のプレゼント』ローラ・インガルス・ワイルダー/作 安野光雅/絵・訳 朝日出版社 2015/11/20 (→こちら

『旅の絵本Ⅸ』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/15『かんがえる子ども』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/(→こちら

『赤毛のアン』ルーシイ=モード=モンゴメリ/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2018/6/20(→こちら

*『メアリ・ポピンズ』トラバース/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/1/25 (→こちら

『かずくらべ』西内久典/文 安野光雅/絵 福音館書店 2019/4/15 (→こちら

*『銀の匙』中勘助/作 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/9/6 (→こちら

 

その他の安野光雅さんの著作(児童向けのみ)→こちら(NDLサーチより)

 

2018年11月1日に日本出版クラブで行われたJBBY主催の角野栄子さんの国際アンデルセン賞作家賞受賞祝賀会に安野光雅さんも参加されていて、その時はお元気そうでした。

たくさんの素晴らしい子どもの本を届けてくださったことに、心から感謝申し上げます。心より哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

 

 

訃報 シビル・ウェッタシンハさん


『きつねのホイティ』(福音館書店→こちら)や『かさどろぼう』(徳間書店→こちら)など色鮮やかな色彩で、クスっと笑える上質なユーモアのある絵本を生み出してきたスリランカの絵本作家シビル・ウェッタシンハさんが7月1日に亡くなられました。92歳でした。(スリランカ交流会Facebook投稿より→こちら

 

『きつねのホイティ』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子/訳 福音館書店 1994

 

 

 

 

 

 

 

 

『かさどろぼう』シビル・ウェッタシンハ/作 いのくまようこ/訳 徳間書店 2007(日本での初版はベネッセコーポレーションより1995年刊)

 

 

 

 

 

 

2011年に出版された『わたしのなかの子ども』(松岡享子/訳 福音館書店→こちら)には、ウェッタシンハさんがスリランカの古い港町ゴールに近い小さな村で過ごした6歳までの幼い日の思い出が、克明に記されています。

 

『わたしのなかの子ども』シビル・ウェッタシンハ/著 松岡享子/訳 福音館書店 2011

 

 

 

 

このエッセイを書かれた時(スリランカでの発行は1995年)には、すでに67歳になっていらしたのですが、幼い日々の暮らし、自然、さまざまな出来事、特にアッタンマーと呼んでいた祖母との記憶が、ついこの前のように描き出されていて、夢中になって読むことが出来ました。

 

「その当時、夜、寝床にはいると、わたしは、真っ暗闇を通してかがやく色がつぎつぎに現れるのを見ました。わたしの目の前には、夜の漆黒の向こうに、目のさめるようにあざやかで、火のようにかがやいているデザインが無数に浮かび、めまぐるしく現れたり消えたりしました。ひとつひとつのデザインは、色も形もすべて奇妙に違っていて、それは、色とデザインの爆発といってもよく、暗闇とまざりあって、まるで生きているもののようでした。眠りに落ちるとき、わたしの心は、ことばでいいあらわせない喜びにみたされました。
 この喜びは、その後もわたしの心のなかに、たえることなく生きつづけてきたと、わたしは信じています。そうです。ですから、今日までずっとわたしのなかにある子どもが、わたしの道をみちびく光でありつづけたのです。わたしのなかの子どもは、たえずわたしに、幼い子どもの空想世界の謎と魅力、魔法のふしぎを思い出させてくれます。」(p255~256)

 

翻訳を担当した松岡享子さんは、1970年代にユネスコのアジア共同出版計画事業を通してウェッタシンハさんと知り合っていらっしゃいます。

松岡享子さんが、1992年の国際児童図書評議会国際アンデルセン賞の選考委員だった時に、スリランカからウェッタシンハさんが画家賞候補として推薦されました。惜しくも賞には選出されませんでしたが、その時のことを「ウェッタシンハさんの絵本は、くったくのなさという点で際立っていました。緻密、繊細、重厚、あるいは高度にデザイン化された、と評されるであろう他の国々の候補者の作品のなかにあって、ウェッタシンハさんの絵は、素朴で明るく、のびのびとしていて、絵を描くたのしさにあふれているように見えたのです。子どもたちが絵を描いているときのような、とらわれのなさ。たとえば、ろう石で道路に落書きをしているような、あるいは、紙のはしまで来てしまったら、そのまま紙を裏返しにして描きつづけるような、自在で、自然な動きが感じられたのです。わたしは、それを好もしく思いました。」と、評されています。(『わたしのなかの子ども』あとがきより)

 

内なる子どもに背中を押されて描いてきた絵本だからこそ、異国の子どもたちの心を今も捉え続けているのでしょう。

 

『ねこのくにのおきゃくさま』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子/訳 福音館書店 1996(→こちら

 

 

 

 

 

 

『スリランカの昔話 ふしぎな銀の木』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子・市川雅子/訳 福音館書店 2017(→こちら

 

 

 

 

 

 

こころより、哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

訃報 田畑精一さん


絵本『おしいれのぼうけん』(古田足日 童心社→こちら)や『ダンプえんちょうやっつけた』(古田足日 童心社→こちら)、『さっちゃんのまほうのて』(先天性四肢障害児父母の会、のべあきこ、しざわさよこ 偕成社→こちら)などの作品が長く読み継がれてる田畑精一さんが6月7日午後にお亡くなりになりました。89歳でした。(訃報を伝えるニュース→こちら

田畑精一さんの作品→NDLサーチ田畑精一

『おしいれのぼうけん』古田足日/田畑精一 童心社 1974

 

 

 

 

 

 

 

『ダンプえんちょうやっつけた』古田足日/田畑精一 童心社 1978

 

 

 

 

 

 

 

 

『さっちゃんのまほうのて』田畑精一/先天性四肢障害児父母の会/野辺明子/しざわさよこ 偕成社 1985

 

 

 

 

 

 

 

子どものころに『おしいれのぼうけん』でねずみばあさんにドキッとした人も、『ダンプえんちょうやっつけた』で海賊ごっこを始めた思い出のある人も、『さっちゃんのまほうのて』で障害について深く考えさせられた人も多いのではないでしょうか。

 

心より哀悼の意を表します。Rest in peace.

 

古田足日さんの亡くなられた時の記事は→(2014年6月8日)こちら

(作成K・J)

訃報 トミー・デ・パオラさん


『まほうつかいのノナばあさん』(ゆあさふみえ/訳 ほるぷ出版 1978)や、『あすはたのしいクリスマス』(クレメント・ムーア/詩 金関寿夫/訳 ほるぷ出版 1981)、『ティーニイタイニイちいちゃいおばあちゃん』(ジル・ベネット/文 ゆあさふみえ/訳 偕成社 1988)などの作品で親しまれているトミー・デ・パオラさんが、3月30日(月)ニューハンプシャー州レバノンで亡くなられました。85歳でした。(訃報を伝えるThe New York Timesの記事→こちら

 

The New York Timesの記事によりますと、トミー・デ・パオラさんが描いてきた絵本は、ご自身の祖母や曾祖母がモデルになっているのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーモラスでありながらも温かい優しい絵が子どもたちを引きつけていました。

 

心より哀悼の意を捧げます。Rest in peace.

 

トミー・デ・パオラさんの作品一覧
NDLサーチ→こちら
絵本ナビ→こちら

(作成K・J)

ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌にきくちちきさん


10月25日(金)の夜に、嬉しいニュースが入ってきました。

きくちちきさんの『もみじのてがみ』がブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)で第3席の金牌(Plaque)を受賞しました。(JBBYの速報①→こちら 速報②→こちら

『もみじのてがみ』きくちちき 小峰書店 2018

もみじのてがみ
きくち ちき
小峰書店
2018-10-26

 

「本のこまど」での新刊情報は→こちら(2018年11月28日公開)

『もみじのてがみ』をいれたおはなし会プランは→こちら(2019年9月26日公開)

 

きくちちきさんは、デビュー作『しろねこくろねこ』で2013年にもBIB第2席の金のりんご賞を受賞しています。そちらを伝える「本のこまど」の記事は→こちら(2013年11月5日公開)

なお、現在、武蔵野市立吉祥寺美術館では、きくちちき絵本原画展『しろとくろ』が開催されています。(会期9月21日~11月10日 公式サイト→こちら

 

次回の新刊情報で紹介予定の新作絵本『しろとくろ』に加えて、金牌を受賞した『もみじのてがみ』の原画も展示されています。

『しろとくろ』きくちちき 講談社  2019/9/17

しろとくろ (講談社の創作絵本)
きくち ちき
講談社
2019-09-19

 

 

*BIBとは
正式名称 Biennale of Illustrations in Bratislava
1967年に設立されました。以来隔年で開催される子どもの本のイラストレーションの分野では最も歴史が古く、最も権威があるとされている国際コンクールです。
1カ国から15名の画家しかエントリーできない狭き門で、国際審査員により、グランプリ1名、金のりんご賞5名、金牌5名が選出されます。(日本からの出展作品→こちら
 
○主催/スロバキア共和国文化省、スロバキアのユネスコ国内委員会、スロバキア国際児童芸術館(BIBIANA-International House of Art for Children)
○協力/IBBY(国際児童図書評議会)、ユネスコ
 
JBBY(日本国際児童図書評議会)のサイトにブラティスラヴァ世界絵本原画展について詳しい説明があります。
JBBY/BIBのページ→こちら
BIB公式サイト→こちら

(作成K・J)

訃報 和田誠さん


イラストレーターとして活躍され、『これはのみのぴこ』をはじめとして、絵本もたくさん描かれた和田誠さんが7日に肺炎で亡くなったとのニュースが入ってきました。83才でした。(朝日新聞記事→こちら)(Yahooニュース→こちら

谷川俊太郎さんの文につけた和田誠さんの絵が秀逸でした。

『これはのみのぴこ』谷川俊太郎/文 和田誠/絵 サンリード 1979

これはのみのぴこ
谷川 俊太郎
サンリード
1979

 

 

 

『あな』谷川俊太郎/文 和田誠/絵 福音館書店 1983

あな (こどものとも傑作集)
谷川 俊太郎
福音館書店
1983-03-05
 
 
 
 
『ともだち』谷川俊太郎/文 和田誠/絵 玉川大学出版部 2002

ともだち
谷川 俊太郎
玉川大学出版部
2002-11-20
 
 
 
 
星新一さんのショートショートは、和田誠さんの絵がぴったりでした。
 
『ねらわれた星』星新一/作 和田誠/絵 理論社 2001
 
 
 
 
『宇宙の男たち』星新一/作 和田誠/絵 理論社 2004

 
 
 
 
 
寺村輝夫さんの「ぼくは王さま」シリーズも、和田誠さんの絵が印象に残っています。
『ぼくは王さま』寺村輝夫/作 和田誠/絵 理論社 2000

 
 
 
『ことばのこばこ』、『かいぞくのうた』、『ねこのシジミ』など、和田誠さん作の絵本も味わいがあって大好きでした。
 
『ことばのこばこ』和田誠/作 瑞雲舎 1995

ことばのこばこ
和田 誠
瑞雲舎
1995-07-07
 
 
 
 
 
『かいぞくのうた』和田誠/作 あかね書房 1996

かいぞくのうた (あかねピクチャーブックス)
和田 誠
あかね書房
1996-04
 
 
 
 
 
『ねこのシジミ』和田誠/作 ほるぷ出版 1996

ねこのシジミ (イメージの森)
和田 誠
ほるぷ出版
1996-09-01
 
 
 
 
 
NDLサーチで和田誠さんの児童書を検索した結果→こちら
 
 
心より哀悼の誠をお捧げします。
 
(作成K・J)

訃報 谷内こうたさん


1970年にデビューした『なつのあさ』でボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞した谷内こうたさんが、お住まいのフランス・ルアーンで7月2日に亡くなられたというニュースが入ってきました。71歳でした。(ニュース記事→こちら

 

『なつのあさ』谷内こうた/作 至光社 1970

なつの あさ (至光社国際版絵本)
谷内 こうた
至光社
1970-06-01
 
 
 
谷内こうたさんは、画家の叔父谷内六郎(1956年の週刊新潮の創刊号から25年間表紙絵を描く。1981年に59歳で没)のすすめで絵本を制作するようになりました。
 
79年『のらいぬ』、81年『つきとあそぼう』(内藤初穂/文)でブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞、83年『かぜのでんしゃ』で講談社出版文化賞、絵本賞を受賞しました。


 
『のらいぬ』谷内こうた/作 至光社 1973

のらいぬ (至光社国際版絵本)
谷内 こうた
至光社
1973-06-01
 
 
 
 
 
『つきとあそぼう』内藤初穂/文 谷内こうた/絵 至光社 1981
 
 
 
 

『かぜのでんしゃ』谷内こうた/作 講談社 1982

かぜのでんしゃ
谷内 こうた
講談社
1982-10-20
 
 

 

 

98年には『にちようび』でスイス・エスパースアンファン賞を受賞しています。

『にちようび』谷内こうた/作 至光社 1997

にちようび (至光社国際版絵本)
谷内 こうた
至光社
1997-01
 
 
 
昨年9月には至光社から『ぼくたちのやま』が出版されています。
 
『ぼくたちのやま』谷内こうた/作 至光社 2018
 
 
 
 
タブロー画家としても活躍されていた谷内こうたさん、心より哀悼の意を捧げます。
 
なお、現在品切れになっている作品も多いので、図書館ではぜひ利用者が手に取れるようぜひ展示をしてくださいね。
 

(作成K・J)

訃報 ジュディス・カー


『おちゃのじかんにきたとら』や『わすれんぼうのねこ モグ』など、子どもたちに愛されてきた作品を生み出してきたイギリスの絵本作家、ジュディス・カーが5月22日に亡くなられました。95歳でした。(イギリスのニュース→こちら 昨夜配信された国内のニュース→こちら

とくに世界中で500万部を超すロングセラーとなった『おちゃのじかんにきたとら』は、イギリスの伝統的なお茶の時間に突然とらがやってくる、しかもこのとらがとても礼儀正しくて、ソフィーとおかあさんは嫌な顔ひとつせず招きいれる、なんとも不思議な設定のおはなしです。

しかもお腹が空きすぎていたとらは、テーブルにあるものだけでなく、作りかけの夕ご飯や、棚にあった買い置きの食材まで平らげてしまい、それでも心乱すことなく和やかに見送るソフィー達に、何とも言えない可笑しさとともに、深い慎みや愛情といったものを感じ取ることができます。帰宅したおとうさんも、それを平然と受け入れて、きちんと解決策を示すところなんて、イギリス紳士らしいと思ったことも。

こんな出来事、あったら面白いなと子どもたちの想像をかきたてたからこそ、世界中で愛されてきたのでしょう。

とぼけた表情のねこのモグが出てくる一連のシリーズも、描かれる世界観も、肩の力を抜いて楽しめる素敵な作品でした。

ジュディス・カー自身は9歳の時に、ナチスのユダヤ人迫害から逃れてスイス・フランスを経て1936年にイギリスに渡ったとのこと、イギリスで温かく迎えられた幼い時の経験が、こうした作品にも表れているように思います。

 

『おちゃのじかんにきたとら』ジュディス・カー/作 晴海耕平/訳 童話館出版 1994

おちゃのじかんにきたとら
ジュディス カー
童話館出版
1994-09-01

 

 

 

わすれんぼうのねこ モグ』ジュディス・カー/作 斎藤倫子/訳 あすなろ書房 2007

わすれんぼうのねこ モグ
ジュディス カー
あすなろ書房
2007-10

 

 

 

『モグのクリスマス』ジュディス・カー/作 三原泉/訳 あすなろ書房 2007

モグのクリスマス
ジュディス カー
あすなろ書房
2007-11

 

 

 

『モグといたずらぎつね』ジュディス・カー/作  斎藤倫子/訳 あすなろ書房 2007

モグといたずらぎつね
ジュディス カー
あすなろ書房
2007-12
 
 
 
 
 
『モグとうさぽん』ジュディス・カー/作 三原泉/訳 あすなろ書房 2008

モグとうさポン
ジュディス カー
あすなろ書房
2008-03-01
 
 
 
 
 
『モグ そらをとぶ』ジュディス・カー/作 斎藤倫子/訳 あすなろ書房 2008

モグそらをとぶ
ジュディス カー
あすなろ書房
2008-05



 

 
『ねこのモグとかぞくたち』ジュディス・カー/作 さがのやよい/訳 童話館出版 2013

ねこのモグとかぞくたち
ジュディス カー
童話館出版
2013-11-01
 
 
 
 

 

心より哀悼の意を表します。

(作成K・J)

訃報 上野紀子さん


お連れ合いのなかえよしをさんとご一緒に制作されてきた『ねずみくんのチョッキ』の上野紀子さんが2月28日に亡くなられたとのニュースが入ってきました。(産経新聞→こちら)1940年生まれの78歳でした。
(ねずみくんとなかえよしを+上野紀子のホームページ→こちら

 

2014年8月2日から9月28日まで横浜海が見える丘公園にある県立神奈川近代文学館で「なかえよしを+上野紀子の100冊の絵本展」が開催され、お二人の絵本の魅力をたっぷり味わったことが、ついこの前のように思い出されます。(お二人のインタビュー記事KUMON出版MI:TE→こちら

代表作は『ねずみくんのチョッキ』(なかえよしを/文 上野紀子/絵 ポプラ社 1974)

ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの小さな絵本)
なかえ よしを
ポプラ社
2004-03-01
 
 
 
 
シリーズの最新刊は昨年9月に出版された『ねずみくんのうんどうかい』(ポプラ社)でした。

 

 
 
 
 
 
もちろん「ねずみくん」シリーズだけでなく、その他にも多くの優れた作品を残されました。
 
デビュー作は『ぞうのボタン』(冨山房 1975)でした。

ぞうのボタン-字のない絵本-
うえののりこ
冨山房
1975-03-20
 
 
 
 
松谷みよ子さんと組んで作ったわらべうた絵本『ぼうしをとってちょうだいな』(偕成社 1978)

 
 
 

なかえさんと一緒に作られたあかちゃんのための絵本の数々。代表作『おつむてんてん』(金の星社 1980)と『おくちはどーこ』(金の星社 1980)

 
 
 
 
 
 
 
 
それからあまんきみこさんの文章に絵をつけられた『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房 1982)は、国語の教科書にも掲載され、多くの人の印象に残っていることと思います。

 

 

 

金子みすゞの文章に絵をつけた作品『ほしとたんぽぽ』(JULA出版局 1985)も、今でも読み継がれています。

ほしとたんぽぽ
金子 みすゞ
JULA出版局
1985-10-25

 

 

心より哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

訃報 トミー・ウンゲラーさん


1998年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞したフランス出身の漫画家(cartoonist)で絵本作家のトミー・ウンゲラー(Jean-Thomas Ungerer, 通称 Tomi Ungerer)さんが2月9日にアイルランドの娘さんのもとで亡くなりました。87歳でした。(ニュース記事→こちらこちら

 

フランス・ストラスブールに1931年に生まれ、1956年25歳でアメリカに移住、多くの絵本を発表しました。

 

なお、名前の日本語表記にウンゲラーとあるものと、アンゲラーとあるものがあります。これはUngererのフランス語読みとドイツ語読みの違いからくるものです。トミー・ウンゲラーさんの生まれ育ったストラスブールは、フランスとドイツの国境にあるアルザス地方に位置し、生まれた頃はフランスでしたが、第二次世界大戦前にドイツ領となり、戦後にフランス領に戻るという歴史に翻弄された地域でした。

 

25歳の時にたった60ドルとたくさんの絵本を抱えてアメリカに渡り、社会を風刺するイラスト作品や絵本をたくさん発表します。

 

誰もが知っているのは、三人のどろぼうが幼い女の子ティファニーと出会うことで孤児院を作るという『すてきな三にんぐみ』でしょう。恐ろし気な悪人もどこか憎めない設定、ハラハラしながらもハッピーエンドが待っている、そんな作品は、「もう一回読んで」と子どもたちを魅了しました。

 

『すてきな三にんぐみ』トミー・アンゲラー/作 今江祥智/訳 偕成社 1969

すてきな三にんぐみ
トミー=アンゲラー
偕成社
1969-12-16
 
 
 
 
その他にも、子どもたちを惹きつける多くの作品を残してくださいました。
 
『へびのクリクター』トミー・ウンゲラー/作 中野完二/訳 評論社 1974

へびのクリクター
トミー・ウンゲラー
文化出版局
1974-03-01
 
 
 
 
 
『エミールくんがんばる』トミー・ウンゲラー/作 今江祥智/訳 文化出版局 1975

エミールくんがんばる (世界の創作絵本B)
トミー・ウンゲラー
文化出版局
1975-06-01
 
 
 


 
『ゼラルダと人喰い鬼』トミー・ウンゲラー/作 田村隆一、麻生九美/訳 評論社 1977

 
 
 
 
 
 
『月おとこ』トミー・ウンゲラー/作 田村隆一、麻生九美/訳 評論社 1978

月おとこ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
トミー・ウンゲラー
評論社
1978-07
 
 
 
 
 
 
『こうもりのルーファス』トミー・ウンゲラー/作 はぎたにことこ/訳 岩崎書店 1994
こうもりのルーファス (世界の絵本)
トミー ウンゲラー
岩崎書店
1994-12
 
 
 
 
 
 
『オットー-戦火をくぐったテディベア』トミー・ウンゲラー/作 鏡哲生/訳 評論社 2004

 

 

 

イラスト作品

『魔術師の弟子』バーバラ・ヘイズン/文 トミー・ウンゲラー/絵 田村隆一、麻生九美/訳 評論社 1977

 
 
 
 
 
『ぺちゃんこスタンレー』ジェフ・ブラウン/文 トミー・ウンゲラー/絵 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房 1998
ぺちゃんこスタンレー
ジェフ ブラウン
あすなろ書房
1998-12-01

 

 

素晴らしい数々の作品をありがとうございました。

心より哀悼の意を捧げます。

(作成K・J)

訃報 ジョン・バーニンガムさん


新年早々に、また子どもの本の作家の訃報が飛び込んできました。イギリスの絵本作家のジョン・バーニンガムさんが1月4日(金)に肺炎で亡くなりました。82歳でした。(訃報を伝えるイギリスの新聞The Guardian→こちら

妻は、同じく絵本作家のヘレン・オクセンバリーさんです。

ジョン・バーニンガム氏は、1963年に最初の絵本『ボルカーはねなしガチョウのぼうけん』で、イギリスでその年出版された絵本のうち、特に優れた画家に贈られるケイト・グリナウェイ賞を受賞しました。

 

 

 

 

1970年にも『ガンピーさんのふなあそび』で、再度ケイト・グリナウェイ賞を受賞しています。

イギリスで子どもたちに愛され続けた絵本作家のひとりでした。

『ガンピーさんのふなあそび』ジョン・バーニンガム/作  光吉夏弥/訳 ほるぷ出版 1976

ガンピーさんのふなあそび (海外秀作絵本)
ジョン・バーニンガム
ほるぷ出版
1976-09
 
 
 
 
子どもたちの日常にあふれるユーモアや勇気、優しさを、時には大人への痛烈な皮肉などを、柔らかな線と色彩で描いて、イギリスだけでなく世界中の子どもたちを楽しませてくれました。
 
The Guardianの続報→こちら
 
【主な代表作】
 
『ねえ、どれがいい?』ジョン・バーニンガム/作 まつかわまゆみ/訳 評論社 1983

 
 
 
 
 
『おじいちゃん』ジョン・バーニンガム/作 谷川俊太郎/訳 ほるぷ出版 1985

おじいちゃん (海外秀作絵本)
ジョン・バーニンガム
ほるぷ出版
1985-08-01
 
 
 
 
『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』ジョン・バーニンガム/作 谷川俊太郎/訳 あかね書房 1988

 
 
 
 
 
『アルド・わたしだけのひみつのともだち』ジョン・バーニンガム/作 谷川俊太郎/訳 ほるぷ出版 1991

アルド・わたしだけのひみつのともだち
ジョン バーニンガム
ほるぷ出版
1991-11-01

 

 

 

『アボカド・ベイビー』ジョン・バーニンガム/作 青山南/訳 ほるぷ出版 1993

アボカド・ベイビー
ジョン バーニンガム
ほるぷ出版
1993-07-01
 
 
 
 
 
 
『旅するベッド』ジョン・バーニンガム/作 長田弘/訳 ほるぷ出版 2003

旅するベッド
ジョン バーニンガム
ほるぷ出版
2003-01-01
 
 
 
2018年には、日本で『またまた ねえ、どれがいい?』(松川真弓/訳 評論社)も出たところでした。

 
 
 
 
心から哀悼の意を表します。
 
(作成K・J)

訃報 宮川ひろさん


『びゅんびゅんごまがまわったら』など子ども達に親しまれる数多くの児童文学を送り出してきた作家宮川ひろさんが、12月29日に亡くなられました。95歳でした。(ニュース記事→こちら

小学校の先生をしていらしたので、学校を舞台にした作品がとても多く、子ども達の気持ちに寄り添った作風でした。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

代表作
『びゅんびゅんごまがまわったら』宮川ひろ/作 林明子/絵 童心社 1982

 
 

 

『先生のつうしんぼ』宮川ひろ/作 小野かおる/挿絵 偕成社 1984

 
 
 

 

『しっぱいにかんぱい!』宮川ひろ/作 小泉るみ子/挿絵 童心社 2008

 
 
 
 
 
『天使のいる教室』宮川ひろ/作 ましませつこ/挿絵 童心社 2012
天使のいる教室
宮川 ひろ
童心社
2012-03-01
 
 
 
 
(作成K・J)

訃報 もりひさしさん


2018年11月9日(金)に『はらぺこあおむし』(エリック・カール/作 偕成社)ほかエリック・カールの絵本の翻訳、「くまのアーネストおじさん」シリーズの翻訳や、こぐま社のロングセラー「こぐまちゃん」シリーズの生みの親でもある翻訳者で詩人、教育者だったもりひさしさんが亡くなられました。101歳でした。(ニュース記事→こちら

 

こぐま社の公式サイトには、もりひさしさんを追悼する記事が掲載されています。(→こちら「こぐまちゃん」シリーズの表紙には、画家のわかやまけんさんのお名前しか出ていませんが、奥付にはもりひさしさんのお名前も記載されています。こぐま社の記事には、このシリーズがもりひさしさんと、劇作家和田義臣さん、こぐま社創立者佐藤英和さんとわかやまけんさんの4人グループで制作したことも記されています。

『しろくまちゃんのほっとけーき』(わかやまけん/絵 こぐま社 1972)

 

 

 

『こぐまちゃんおはよう』(わかやまけん/絵 こぐま社 1970)

 
 
 

誰でもが知っているエリック・カールの『はらぺこあおむし』(偕成社)をはじめとするエリック・カールの絵本の翻訳もほとんどもりひさしさんが手がけられました。(偕成社のもりひさしさんの訃報を伝えるページ→こちら

『はらぺこあおむし』(エリック・カール/作 もりひさし/訳 偕成社 1976)

 
 
偕成社からは、エリック・カールの絵本の他に『チックタックじかんってなあに?』なども出版されています。
 
『チックタックじかんってなあに?』(ベス・ユーマングレイク/作 もりひさし/訳 偕成社 1970)
チックタックじかんってなあに? (世界の絵本)
ベス・ユーマン グレイク
偕成社
2006-10-01
 
 
 
 
 
金の星社から出版された絵本で、西巻茅子さんと組んだ『ちいさなきいろいかさ』『みずいろのながぐつ』も幼い子どもたちの心を捉えてきました。
『ちいさなきいろいかさ』(もりひさし/作 西巻茅子/絵 金の星社 1971)
 
 
 
 
『みずいろのながぐつ』(もりひさし/作 西巻茅子/絵 金の星社 1977)

 
 
 
 
 
BL出版のガブリエル・バンサン「くまのアーネストおじさん」シリーズ(→こちら)も、もりひさしさんの翻訳として有名です。
 
『あめのひのピクニック』(ガブリエル・バンサン/作 もりひさし/訳 ブックローン出版 現・BL出版 1983)
あめの ひの ピクニック くまのアーネストおじさん
ガブリエル・バンサン
ブック・ローン出版
1983-05
 

 

『セレスティーヌ』(ガブリエル・バンサン/作 もりひさし/訳 BL出版 1988)

セレスティーヌ
カブリエル バンサン
BL出版
1998-12-10
 
 
 
ペンギン社の『はちうえはぼくにまかせて』や、『ハリーのだいかつやく』も、もりひさしさんの翻訳です。
 
『はちうえはぼくにまかせて』(ジーン・ジオン/作 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 ペンギン社 1981)
はちうえはぼくにまかせて (世界こども図書館A)
ジーン・ジオン
ペンギン社
2018-08-01
 
 
 
 
『ハリーのだいかつやく』(ジーン・ジオン/作 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 ペンギン社 1982)

 
 
 
 
もりひさしさんの、ことばのリズムや語感を大切にした翻訳や創作は、読んでもらう子どもの気持ちに寄り添ったものであったと感じます。こうやってもりひさしさんが手がけてこられた作品を振り返ると、何度も何度も読んでもらった文章なんだなと感慨深いものがあります。
 
心より哀悼の誠を捧げます。
 
(作成K・J)

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