春は芽吹きの季節です。一斉に野山の樹が薄緑色の若芽に覆われ、虫も鳥も動物たちも活動的になる季節です。目ざめをイメージしておはなし会プランを作成しました。
(書影は各出版社の著作権許諾方針にしたがい利用しています。)
****************************
【目ざめの時】
導入 詩「春の朝」金子みすゞ (『金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと』JULA出版局 1984 より) 1分
すずめがなくな、
いいひよりだな、
うっとり、うっとり
ねむいな。
上のまぶたはあこうか、
下のまぶたはまァだよ。
うっとり、うっとり
ねむいな。
「春眠暁を覚えず」ということわざがありますね。気温も湿度も一番心地のよく、ぐっすり眠ることができるからですね。短い詩なので、ゆっくりと、2,3度繰り返し読んで味わってください。
絵本『きみはライオン! たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作・絵 竹下文子/訳 偕成社 2017 5分
子どもたちが金色の朝陽を浴びながら、庭に集まってきました。朝のヨガの時間です。「きちんとすわって りょうてをひざに おおきくくちをあけ したをだす!」、するとそれはライオンのポーズ。ほかにもちょうちょや、いぬ、へび、かえるなど様々な動物に変身です。そして、最後は立ち上がって両手を頭の上に伸ばし、高く高く「やまになる しっかり つよく そびえたち てんまでとどけ」と背伸びをします。春の空気を吸い込んで元気に目をさましましょう。
素話「世界でいちばんきれいな声」ラ・フルール/作 山口雅子/訳(『おはなしのろうそく11』東京子ども図書館 2000 より) 5分
一羽のふとった子ガモが、広い世界を見たいと思い、うちを出て歩いていくと、子ネコに出会いました。子ネコの鳴き声を聞いた子ガモは「なんてかわいい声なんだろう」と思って真似をするのですが、うまくいきません。先へ進んでいって、いろいろな動物と出会うたびにその鳴き声を真似するのですが、やっぱりうまくいきません。最後に出会ったのは、お母さん。最後はほっとする結末です。
絵本『森はオペラ』姉崎一馬/作 クレヨンハウス 2006 1分
樹木や森林を撮影する自然写真家の姉崎さんの、生命力に溢れる森の木々の写真と詩のコラボレーション絵本です。小さな芽生えはやがて大きな木へと育っていきます。木々は、太陽の光を浴び、風に葉を揺らしてまるで歌を歌っているよう。歌声は森のあちこちから集まってきてまるでオペラのようだと姉崎さんは感じたのでしょう。天をつく大木を見上げて「天までとどけ 森のオペラ」と力強いメッセージで終わります。それはそのまま、子どもたちの成長を見守る視線へと重なっていくように感じます。瑞々しい木々の写真をゆっくりと見せながら読んでいきましょう。
絵本『たんぽぽ』平山和子/文・絵 北村四郎/監修 福音館書店 1972 5分
身近にあるタンポポについて、科学的にわかりやすく紹介されています。語りかけるようなやさしい文なので、読み聞かせに向いています。絵は写実的で、葉や根、花は240もの小さな花が丁寧に描かれています。根は見開き2ページにわたって描かれているので、2冊用意して、子どもや先生に手伝ってもらって、つなげてみても楽しいでしょう。
終わりのわらべうた さよならあんころもち
(作成K・J)