11月のおはなし会プラン

2020年11月(その2)さるとかに(幼児~小学生)
2020年11月(その1)もみじのはっぱ(小さい子)
2019年11月(その2)秋も深まると・・・(幼児~小学生)
2019年11月(その1)どんぐりころころ(小さい子)
2018年11月(その2)小さくても、つまってる(幼児~小学生)
2018年11月(その1)落ち葉いっぱい(小さい子)
2017年11月(その2)木枯らし吹いて(幼児~小学生)
2017年11月(その1)手と手をあわせて(小さい子)
2016年11月(その2)木の実をひろって(幼児~小学生)
2016年11月(その1)とんぽろりん(小さい子)
2015年11月(その3)ぬっくぬく(幼児~小学生)
2015年11月(その2)きのこ きのこ(幼児~小学生)
2015年11月(その1)おちばがおどる(小さい子)
2014年11月(その3) 赤い葉っぱ 黄色い葉っぱ(幼児~小学生)
2014年11月(その2) ある秋の日(幼児~小学生)

2020年11月(その2)さるとかに(幼児~小学生)


昔話は、まだテレビもないうんと昔、囲炉裏端に座り、祖父母から孫へ、親から子への語り継がれた庶民の伝承です。

その中には人生を生きるヒントがなにか隠れています。秋になると私は「さるとかに」(「かにむかし」や「さるかに合戦」というタイトルになっている本も)を思い出します。

因果応報、そして弱きものを助けるチームワーク、そんな教訓もあるのでしょうが、テンポよく語られるおはなしは小気味のよいものです。

11月のおはなし会プランその2は、この「さるとかに」を中心に組み立ててみました。

 

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【さるとかに】

導入 詩「かき」 『まど・みちお詩集 ぞうさん』(まど・みちお 童話屋 2019)より 1分

「かきがまっかに
 うれたので
 からすが みんなに
 しらせます
  かあかあ 
  かきのみ
  まっかっか(後略)」

 

 

 

柿の実が熟れて真っ赤になっている様子を、からすの目線で詠んだ短い詩です。2度、3度繰り返して口に出して読んでみましょう。子ども達と交互に声に出してみます。

 

 

 

素話「さるとかに」『子どもに語る 日本の昔話②』(稲田和子・筒井悦子/編著 こぐま社 1995)より 8分半

「さるとかに」のテキストは、今回こぐま社の『子どもに語る 日本の昔話②』を選びました。
福音館書店『日本の昔話④さるかにかっせん』に再話されている「猿かに合戦」(10分)もあります。語りやすいテキストを選ぶとよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

わらべうた さるのこしかけ

 

 

 

 

輪になって歩きながら「めたかけろ」で身体を屈伸を3回する遊びですが、おはなし会の時は、おとなのお膝の上に座って歌に合わせて上下に揺らします。

 

 

 

絵本『さるとびっき』山形の昔話 武田正/再話 梶山俊夫/画 福音館書店 2016 5分半

 

 

もうひとつもさるの出てくる昔話です。「びっき」とはかえるです。さるのほうから一緒に田んぼを作って稲を育てようと誘うのですが、稲刈りまでは作業をする時になると頭が痛い、お腹が痛い、腰が痛いなどと言っては、すべての作業をびっきに任せっぱなし。それなのに収穫が終わり餅つきが始まると・・・昔話の中のさるは欲張りに描かれていますが、ちょっと間抜けで憎めません。

 

 

 

 

 

 

絵本『もりのてぶくろ』八百板洋子/文 ナターリヤ・チャルーシナ/絵 福音館書店 2010 1分10秒

 

落ち葉っててぶくろにみえるんですよね。きれいな葉っぱをみつけた動物たちが「てぶくろみたい」と言って前足をあてていきます。秋の深まるころに読んであげたい1冊です。

 

 

 

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

2020年11月(その1)もみじのはっぱ(小さい子)


幼い時に、母が良く歌ってくれていた童謡「もみじ」(古村徹三/作詞)の「あかいあかいもみじのは もみじのはっぱは きれいだな ぱっとひろげた あかちゃんの おててのように かわいいな」という歌詞が、秋が深まってくると自然に体の中から湧き出してきて口をついて出てきます。

赤ちゃんの小さな指を思い出しながら、11月のおはなし会プランを作成しました。わらべうたも指で遊ぶものを選びました。

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【もみじのはっぱ】

導入 わらべうた このこどこのこ

 

 

 

お膝の上にお子さんを乗せて、おとなのほうが左右に静かに揺れます。「〇〇ちゃん」とお子さんの名前を呼んだあとはぎゅーっと抱きしめてあげましょう。

 

 

 

絵本『さわさわもみじ』ひがしなおこ/作 きうちたつろう/絵 くもん出版 2013 1分半

 

詩人のひがしなおこさんが描写するもみじが散る様子。赤ちゃんには難しいと思うかもしれませんが、小さな赤ちゃんも音の響きを楽しむことができます。ぜひ読んであげてください。どんぐりが「ぽとん ことん ぽとん ことん」と落ちる音など、とても喜びます。

 

 

 

 

わらべうた ここはてっくび

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手首→掌→親指→人差し指→中指→薬指→小指と順番にさわっていく遊びです。新型コロナウィルスだけでなく、寒くなっていく時期はインフルエンザも流行し始める時期と重なります。ウィルスをもらうのは圧倒的に手で触ることが多いのです。このわらべうたは手洗いのためのものではありませんが、手首から一本一本の指の間を洗うことを歌いながら子どもに促すことができるので、若いパパ、ママも喜んで覚えてくれます。

 

 

 

絵本『ててちゃん』土橋悦子/文 織茂恭子/絵 福音館書店 2008 1分

 

顔を触って遊ぶわらべうたが元になっている絵本です。はじまりは「おおやぶをかきわけて」、これは髪の毛を触ります。おでこ、眉毛、耳、鼻、頬、口、胸、お腹をさわってくすぐるという順番になっています。絵本を一通り読んだ後に、親子で遊んでもらいましょう。

 

 

 

 

わらべうた いっちくたっちく

 

 

 

 

 

 

 

指を一本ずつ触って遊ぶ唱え歌です。「たいも」とは大きな里芋のこと。「すってんどん」のところで触った指を折り畳み、四本指で続きを歌います。

 

 

絵本『あきぞらさんぽ』えがしらみちこ/作 講談社 2018 2分

 

女の子がお散歩にでかけます。どんぐりやみのむし、落ち葉をみて真似っこ遊び。読んでもらいながら、子どもたちも一緒にやってみるといいですね。小さい子向けにはちょっと長めの2分ほどのおはなしですが、場面がかわったり、最後はおとうさんに「高い、高い」をしてもらったりと、飽きさせないと思います。

 

 

 

 

 

 

わらべうた おやゆびねむれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも指を触っていくわらべうたです。親指から順番に折りたたんでいきます。「ねんねしな ねんねしな ねんねしな」の部分では、指を寝かしつけるように優しく撫でます。

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

 

(作成K・J)

2019年11月(その2)秋も深まると・・・(幼児~小学生)


9月24日に行われた国連・気候行動サミットでのスウェーデンの16歳、グレタ・トゥンベリさんの演説は、言葉に力がありましたね。

一部楽観視する説もありましたが、現実には地球の温暖化は一段と進んでおり、夏の猛暑、台風や集中豪雨の被害も一段と大きくなっていると感じます。今年も、猛暑に見舞われ、そして9月上旬の台風15号では千葉県をはじめとする関東一円が大きな被害に見舞われました。

このサイトを見てくださっている方の中にも被災された方がいると思います。お見舞い申し上げるとともに、一刻も早く復旧出来るように応援しています。

そんな激しい夏も収束し、季節は秋を迎えました。今年の紅葉はどうでしょう?美しい紅葉が私たちを慰めてくれることを願っています。大きい子向けのおはなし会プランは「秋も深まると・・・」です。

 

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【秋も深まると・・・】

導入 詩「おちばのうた」『佐藤義美童謡集 ともだちシンフォニー』佐藤義美/作 JULA出版局 1990より 2分

ともだちシンフォニー―佐藤義美童謡集
佐藤 義美
JULA出版局
1990-03-10
 
 
 
「なにが うれしい おちばでしょ
みんなで コソコソ わらってる
ホラ わらってるでしょ。
コソコソ コソコソ
あぁかい おちば。
きいろい おちば。(以下略)」
 
子どもたちが、公園や街路樹の落ち葉の様子を思い浮かべながら詩の朗読を聞いてくれるといいなあと思います。耳から聞こえてくる音の響きは、そのまま子どもたちの敏感な感性を刺激してくれることでしょう。朗読を一度終えたら、子どもたちも一緒に唱和してみるとよいでしょう。
 
 
素話「まのいいりょうし」『子どもに語る日本の昔話3』稲田和子・筒井悦子/再話 こぐま社 1996 より 5分

子どもに語る 日本の昔話〈3〉
稲田 和子
こぐま社
1996-07-01
宮城県の昔話です。百のうち一つぐらいしか本当のことを言わない百一つぁんという猟師のホラ話です。短いお話ですが勢いよく語ることが大切です。テキストは他に東京こども図書館『おはなしのろうそく21』にも収録されています。語りやすいテキストで語りましょう。
 
 
 
絵本『もみじのてがみ』きくちちき/作 小峰書店 2018 3分

もみじのてがみ
きくち ちき
小峰書店
2018-10-26
 
 
きくちちきさんの昨年の作品です。もみじの赤が、朱色、紅色というのでしょうか。とても印象的です。遠く山から飛んできたつぐみに赤いもみじのてがみを受け取ったねずみは、りすとひよどりを誘って、こっちの山のもみじを探しに行きます。ダイナミックな筆致の絵と、小動物たちの可愛らしい会話が、赤の世界へと引き込んでいきます。(9月21日~11月10日、武蔵野市立吉祥寺美術館で、きくちちきさんの「しろとくろ」絵本展開催中です→こちら
 
 
 
わらべうた あずきっちょまめちょ
 
 
 
 
 
 
 
 
このわらべうたは、子どもたちが輪になって歩きながら遊ぶと楽しいのですが、おはなし会では輪になって歩くのは難しいので、その場で立って足踏みをします。最初に「つーぶれちょ」まで歌って、軽く膝をまげます。2回目は軽く曲げたまま足踏みして歌い「つーぶれちょ」でもう少し膝を曲げます。こうして繰り返し歌うたびに、膝を曲げ方をどんどん深くしていきます。4回めくらいでかなり小さくなったでしょう。最後は「つーぶれちょ」と言ったあとに「どでーん」とその場でひっくり返って終わりです。単純ですが、子どもたちが楽しんで遊べるわらべうたです。
「まめっちょ」から繋いで、「次に読む絵本は『まんまるダイズみそづくり』だよ~」と紹介し、子どもたちが落ち着くのを待って、次の絵本を読み始めましょう。
 
 
絵本『まんまるダイズみそづくり』ミノオカ・リョウスケ/作 福音館書店 かがくのとも傑作集 2019 4分

まんまるダイズみそづくり (かがくのとも絵本)
ミノオカ・リョウスケ
福音館書店
2019-07-31
 
 
 
お味噌汁を飲んでいて「お味噌汁の味噌って何から作るの?」という疑問から始まったお味噌づくり。春に植えた種が育って夏にえだままになり、そのまま完熟させて乾燥させると大豆になる。秋に収穫し、冬に味噌を作って、寝かせて、次の年の秋に完成します。その過程を子どもたちにわかりやすく丁寧に描いている科学絵本です。実りの秋の恵みを伝える意味でも、ぜひ読んであげてほしいと思います。
 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

2019年11月(その1)どんぐりころころ(小さい子)


暑かった夏も過ぎ去り、空を見上げるとうろこ雲が空高く浮かんでいて秋が訪れているのだなあと感じるこの頃です。

さて、11月のおはなし会プランの小さい子向けは、テーマを“どんぐりころころ”にしました。

1冊は月刊誌ちいさなかがくのとも10月号「どんぐりころころむし」を取り上げています。タイムリーなテーマで届く月刊誌もおはなし会でぜひ活用してください。

 

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。)

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【どんぐりころころ】

導入 わらべうた おすわりやす

 

 

 

 

 

 

小さい子向けのオープニングわらべうたは、毎回定番にしても良いと思います。小さな子どもたちにとって「あっ、はじまった!」と期待を膨らませる導入になります。先月のおはなし会プランと同じメニューです。お膝の上にお子さんをのせて、歌に合わせて上下に軽く揺すります。「すーわった」と言った後に、すとんと膝の間に落とします。それを繰り返し歌って、遅れてくる子を待つのもよいでしょう。

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

 

お子さんを愛おしむようにそっと抱いて、おとうさん、おかあさんが左右にそっと揺れます。「〇〇ちゃん」というところで、わが子の名前を読んでぎゅーっと抱きしめます。繰り返し2~3回やるとよいでしょう。

 

絵本『どんぐり』こがようこ/文・絵 大日本図書 2018 1分半

 
赤ちゃんに語りかけるように読んであげてほしいと願って作られた絵本です。子どもたちの反応を見ながら、最後のやまもりどんぐりのことろでは、子どもたちが指さすのを受け止めながら、読んであげましょう。
 
 
 
わらべうた どんぐりころちゃん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
10月のおはなし会プランではこのわらべうたを題材にした絵本を紹介しました。11月ももう一度一緒に歌ってこのわらべうたを覚えてもらいましょう。
 
 
絵本『あきぞらさんぽ』えがしらみちこ/作 講談社 2018 2分

あきぞらさんぽ (講談社の創作絵本)
江頭 路子
講談社
2018-08-23

女の子がお散歩にでかけます。どんぐりやみのむし、落ち葉をみて真似っこ遊び。読んでもらいながら、子どもたちも一緒にやってみるといいですね。小さい子向けにはちょっと長めの2分ほどのおはなしですが、場面がかわったり、最後はおとうさんに「高い、高い」をしてもらったりと、飽きさせないと思います。

 



 わらべうた てってのねずみ

 

 

 

 

こどもの手をとって、人差し指と中指を交互に動かしながら腕を少しずつ登っていきます。最後はわきの下をこちょこちょして遊びます。

 

 

わらべうた ぎっちょぎっちょ

 

 

 

 

こどもの手のひらにお米が入っていると見立てて、歌に合わせて大人がそれを指で搗いていきます。なんどか繰り返して、最後は「こめつけ、こめつけ、こめつけた」で終わります。少し年齢の大きい子は、親子で役割を交代してやってみてもよいでしょう。

 

 

絵本『どんぐりころころむし』月刊誌ちいさなかがくのとも2019年10月号 澤口たまみ/作 たしろちさと/絵 福音館書店 2019 1分半

 

 

どんぐりに小さな穴が開いていたら・・・それは小さな命が中に宿っている証拠です。
気持ち悪い!と捨てればそれまでですが、昆虫も大切な地球の仲間です。こどもといっしょに観察できるといいですね。ぜひ、紹介してほしい1冊です。(福音館書店公式サイト→こちら

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

2018年11月(その2)小さくても、つまってる(幼児~小学生)


小さな木の実、小さな生き物、そんな小さなものたちの中に詰まっている生命力や夢、創造性、そんなものを大事にしたいなと常々思っています。

小さなものへ向けられる優しい眼差しは、そのまま幼い自分たちへの豊かな愛情であると読んでもらった子どもたちは受け取ることでしょう。11月、忍び寄る寒さを温かいお話で包んであげたいですね。

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【小さくても、つまってる】

導入 詩「きつねうどん」「やきいもグーチーパー」『きつねうどん』(阪田寛夫/詩 童話屋  2011)より 2分

きつねうどん
阪田 寛夫
童話屋
2011-03
 
童謡「サッちゃん」「ねこふんじゃった」などの作詞で知られる阪田寛夫さんの詩集から、2つ詩を読みます。ひとつは詩集のタイトルになっている「きつねうどん」
「(前略)きつねうどんが うまいのは ビュービュー風のさむい日だ フッフー チュルリ フッフ― チュルリ 口とんがらせて たべるんだ(後略)」
少しずつ北風が冷たく感じられる11月にぴったりです。食いしん坊だった阪田さんはほかにも「おなかがへるうた」など食べ物に関する楽しい詩がたくさんあります。
 
もうひとつは、手遊びにもなっている「やきいもグーチーパー」
こちらは一緒に手遊びをしながら紹介しましょう。
 
 
 
 
絵本『ねずみのいもほり』山下明生/作 いわむらかずお/絵 ひさかたチャイルド 1984 4分

ねずみのいもほり (7つごねずみ)
山下 明生
ひさかたチャイルド
1984-08-01
 
 
「やきいもグーチーパー」ときたら、やっぱりおいもの絵本です。聞き手の年齢が高めで聞きなれている子たちならば福音館書店の『おおきなおおきなおいも』(市村久子/原案 赤羽末吉/作・絵)を読んであげてもいいと思いますが、今回はこちらを選びました。
ねずみの兄弟7匹がとうさんねずみと一緒に、いもほり大会に参加します。おおきなおいもを掘り出して、それをかあさんの待つ家に持って帰る方法も楽しくて、子どもたちも喜ぶ1冊です。
 
 
素話「ねずみのすもう」『愛蔵版おはなしのろうそく9ホットケーキ』(東京子ども図書館 2009)より 7分
 
 
いもほりを頑張ったねずみのあとは、お相撲をとるねずみのお話です。懸命に相撲をとるねずみの「デンカショ デンカショ」というかけ声が、聞こえてくるように語ってあげてください。
 
 
 
 
絵本『くるみのなかには』たかおゆうこ/作 講談社 2017 4分

くるみのなかには (講談社の創作絵本)
たかお ゆうこ
講談社
2017-10-19
 
「くるみのなかには なにがある?」「ゆらしてごらん」と問いかけてくると・・・くるみの中には美しいものが詰まっていたり、意外なものが入っていたりと不思議な世界が広がっています。「みみをすませてごらん」、「みつけてごらん」、「よくみてごらん」、「みみにあててごらん」とその度に違う世界に出会えるのです。想像の翼を広げてくるみのなかを一緒にのぞいてほしいなと思います。
 
 
紹介 『くるくるくるみ』松岡達英/作 そうえん社 2007 6分半 
 
『くるみのなかには』が想像をかきたててくれる美しい絵本だったのとは対照的にこちらはかがく絵本といってもよいでしょう。読むなら6分半かかるので、場合によっては前の絵本との関連で、ブックトークにしてもよいでしょう。
くるみが木になっているのを見たことがありますか?緑色でキウイフルーツのような形をしているということを、私はこの絵本に出会うまで知りませんでした。私たちが知っているくるみは、その緑の実の内側になる種だったのですね。この絵本は、田舎に住むおじいちゃんたちの家に遊びに行って、くるみについて初めていろいろ知る女の子が主人公です。くんちゃんも集めたくるみについて、一緒にいろいろ知っていきましょう。
 
(作成K・J)

2018年11月(その1)落ち葉いっぱい(小さい子)


猛暑続きの夏が終わってから、秋雨の続く日が多くなりました。真夏の太陽を恨めしい気持ちで見上げていた頃が懐かしいほどです。

気温差が激しいほど紅葉も鮮やかになることが知られています。今年はきっと美しい紅葉が見られると期待しましょう。

そんなわけで、小さい子向けの11月のおはなし会プランは「落ち葉」をテーマに組み立ててみました。

 

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。)

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導入 わらべうた てってのねずみ

 

 

 

 

 

最初のわらべうたは、こちょこちょ遊びです。昨年10月のプランでも紹介しました。歌に合わせて子どもの指先から肩にかけて、人差し指と中指で腕を登っていくように辿って行きます。最後はわきの下をこちょこちょとくすぐります。お米のたくさんある蔵でいたずらねずみさん、こちょこちょして捕まえたよ~と何回か繰り返しましょう。

 

絵本『さわさわもみじ』ひがしなおこ/作 きうちたつろう/絵 くもん出版 2013 1分半

さわさわ もみじ (はじめてであうえほんシリーズ)
ひがし なおこ
くもん出版
2013-09-09

詩人のひがしなおこさんが描写するもみじが散る様子。赤ちゃんには難しいと思うかもしれませんが、小さな赤ちゃんも音の響きを楽しむことができます。ぜひ読んであげてください。どんぐりが「ぽとん ことん ぽとん ことん」と落ちる音など、とても喜びます。

 

 

わらべうた ここはてっくび

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手首→掌→親指→人差し指→中指→薬指→小指と順番にさわっていく遊びです。寒くなっていく時期はインフルエンザも流行し始める時期と重なります。ウィルスをもらうのは圧倒的に手で触ることが多いのです。このわらべうたは手洗いのためのものではありませんが、手首から一本一本の指の間を洗うことを歌いながら子どもに促すことができるので、若いパパ、ママも喜んで覚えてくれます。

 

 

絵本『ばけばけはっぱ』藤本ともひこ/作 ハッピーオウル社 2012 2分

ばけばけはっぱ
藤本 ともひこ
ハッピーオウル社
2012-06-01

「いるよ いるよ。はっぱの なかに だれかが いるよ。だれかな だれかな。ふーって はっぱを ふいてみて。ふーっ!」の繰り返しで、落ち葉の中から、いろんな動物が出てきます。どの動物も落ち葉で表現されています。落ち葉の色の鮮やかさとともに、出てくる動物たちが幼い子どもに身近なものばかりで、大喜びすることでしょう。「ふーっ!」の部分は、子どもたちも一緒に真似ができるよう促しましょう。

 

 

絵本『ぐるぐるちゃん』長江青/文・絵 菊地敦己/構成 福音館書店 2011 1分

 
りすのぐるぐるちゃんがおかあさんといっしょにどんぐりひろい。絵も温かみのある優しい絵。ストーリーもシンプルでわかりやすく、かわいらしい絵本です。うれしい気持ちが伝わるように、ゆっくりと読んであげてください。
 
 
わらべうた くまさんくまさん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ミトンくまさんを使って遊んでもよいでしょう。ミトンくまさんを使わない場合は、子どもたちが歌に合わせて動きます。

(作成K・J)

2017年11月(その2)木枯らし吹いて(幼児~小学生)


色付いた木々の葉を振るい落としてしまう木枯らしが吹くと、いよいよ季節は晩秋から冬へと移っていくんだなあと感じます。大きい子向けのおはなし会はそのような季節に想いを馳せながら作りました。

なお、「本のこまど」に掲載しているわらべうたは、作成者が子ども時代から歌ってきたわらべうたを採譜しています。市販のわらべうたの楽譜と音程が違う場合があります。ご了承ください。

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【木枯らし吹いて】

導入 詩「てぶくろとぽけっと」『木いちごつみ―子どものための詩と絵の本』(岸田衿子/詩 山脇百合子/絵 福音館書店 1983)より 2分

木いちごつみ (日本傑作絵本シリーズ)
きしだ えりこ
福音館書店
1983-10-20

 

「くまのこどもにゃ てぶくろがない・・・」「りすのこどもにゃ ぽけっとがない・・・」子どもらしい視点の短い詩です。一度読んであげて、二度目は1行ずつ、子どもたちにも復唱してもらいましょう。

 

素話「マーシャとくま」『ロシアの昔話』(内田莉莎子/訳 福音館書店 2002)より 9分

ロシアの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20
 
かしこいマーシャと、とぼけたくまの様子が面白く、子どもたちもよく聞いてくれるお話です。素話で語ってあげたあと、絵本(エウゲーニー・M・ラチョフ/画 内田莉莎子/訳 福音館書店 1963)の紹介もしてあげましょう。
 
 
 
マーシャとくま (世界傑作絵本シリーズ)
M・ブラトフ
福音館書店
1963-05-01
 
 
 
 
 
絵本『かぜのおまつり』いぬいとみこ/作 梶山俊夫/絵 福音館書店 1972 8分

 

ふうこは、ほいくえんの帰り道、バス停かたはひとりで家まで峠道を歩きます。秋もふかまり、道端にはあけびやきのこ、やまぶどうが生っています。ふうこが取ろうとすると「どうか ふうこちゃん とらないで こがらしこぞうの ひゅうすけが、かぜのおまつりにくるまでは」、「きたかぜこぞうの さぶろうが 、かぜのおまつりにくるまでは」などと木の実たちは頼んできます。「かぜのおまつり」って、いったい何なのでしょう。後半で絵のないページが見開き2枚分、続きます。さっとめくってしまわないで、ゆっくりと絵を子どもたちと味わってみましょう。

 

わらべうた おてぶしてぶし

おてぶしてぶし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手の中にちいさなどんぐりを一つ入れて、両手のひらを合わせて、左右に揺らしながら歌います。

 

最後に、左右どちらかの手に握って、両手を前に出します。どちらの手にどんぐりが隠れているかを、子どもたちに当ててもらう遊びです。当たれば「おおあたり」と歌ってあげましょう。

 

 

 

 

 

 

ブックトーク『落ち葉』平山和子/文・絵 平山英三/構成・写真 福音館書店 2005 5分

落ち葉 (福音館の単行本)
平山 和子
福音館書店
2005-09-25

作者のお二人が住む長野県黒姫山のふもとの秋の落ち葉をじっくり観察して、水彩絵の具で仕上げた科学絵本です。原寸大に描かれた落ち葉の繊細で美しいこと、どれひとつ同じものはない見事な落ち葉の様子を、ページをめくりながら、子どもたちと一緒に味わってほしいと思います。

 

わらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

 

2017年11月(その1)手と手をあわせて(小さい子)


 小さな子どもたちの手。温かい手です。その手と手をつなぐと、おとなの方も自然と頬が緩みます。この子どもたちにどんな未来を手渡せるんだろうと、責任も感じます。そんな思いをこめて、11月の小さい子向けおはなし会プランを作ってみました。

なお、「本のこまど」に掲載しているわらべうたは、作成者が子ども時代から歌ってきたわらべうたを採譜しています。市販のわらべうたの楽譜と音程が違う場合があります。ご了承ください。

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【手と手をあわせて】

導入 わらべうた ちょちちょちあわわ

 ちょちちょちあわわ

 

 

小さな赤ちゃんの場合は、お膝の上でおとなが赤ちゃんの手をそっととって一緒に遊びます。
”ちょちちょち”で手をたたき、”あわわ”で手のひらで口を3回軽くおさえ、”かいぐりかいぐり”でげんこつを作って両手を体の前で回します。”おつむてんてん”で頭を軽く2回さわり、”ひじとんとん”で、交互に手のひらで反対側のひじを叩きます。

 

わらべうた ここはてっくび

ここはてっくび

手首→手のひら→”ありゃりゃ”で親指、”こりゃりゃ”で人差し指、”せいたかぼうず”で中指、”いしゃぼうず”で薬指、”おさけわかしの”で小指を1本ずつ触っていきます。”かんたろさん”で両手を合わせてこすりあわせます。

片手ずつ、2回繰り返すとよいでしょう。 

 

 

 

 

 

 

絵本『もりのてぶくろ』八百板洋子/文 ナターリヤ・チャルシーナ/絵 福音館書店 2010

おおきな楓の葉っぱが森の中に落ちています。まるで手袋みたい。動物たちが次々にやってきて当ててみますが・・・この絵本は月刊誌「ちいさなかがくのとも」2004年11月号でした。落ち葉に焦点を当てた小さい子向けの科学絵本ですが、絵も文章も秋の優しい陽射しのような美しい絵本です。 

 

わらべうた とうきょうとにほんばし 

とうきょうとにほんばし
 
 
 
 
 
 
 
 
赤ちゃんの手を、掌側にして、指でなぞっていく遊びです。”とうきょうと”で一本指で掌をなぞり、”にほんばし”では二本指でなぞります。”がりがりやまの”では掌をがりがりとくすぐり、”パンやさんと”で軽く掌をたたき、”つねこさんが”では軽くつねり、”かいだんのぼって”で二本指で腕に沿うように上っていき、最後は首元をこちょこちょします。
 
 
絵本『ててちゃん』土橋悦子/文 織茂恭子/絵 福音館書店 2008
 
 
 わらべうたがそのまま絵本になりました。後ろの見開きに遊び方が書いてあります。最初に絵本を読んであげてから、遊び方を説明します。その上で、もう一度わらべうたで遊びながら絵本を読んでみましょう。読み手のほかに、わらべうたをやってみせる人がいるといいですね。
 
 
絵本『とってください』福知伸夫 0.1.2えほん 福音館書店 2003

とってください (0.1.2.えほん)
福知 伸夫
福音館書店
2003-03-01
 
 かめさんがさんぽにでかけます。木のうえにあるものを、ともだちのどうぶつたちに取ってもらいます。最後のページが秋らしくて素敵ですよ。
 
 
わらべうた おやゆびねむれ
おやゆびねむれ
 
 おはなし会の最後は、ゆったりとしたリズムのわらべうたで締めましょう。赤ちゃんの手をとって、親指から一本ずつゆっくりと倒していきます。そっとそっと寝かしつけるように優しく撫でながら歌います。最後は赤ちゃんの手を優しく両手で包み込みましょう。
右手、左手それぞれ2回繰り返してやってみてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
わらべうた さよならあんころもち
 
(作成K・J)
 

2016年11月(その2)木の実をひろって(幼児~小学生)


秋はたくさんの木の実が落ちる季節。どんぐりにまつぼっくり、栗にくるみ。実りの秋を実感しながら絵本を読んであげたいですね。
 
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導入 詩 「あきのそら」こねずみしゅん 『のはらうた5』(くどうなおこ/作 童話屋 2008)より 2分
 くぬぎばやしで
 どんぐりをだいていたら
 かぜがひゅうと
 とおりすぎました
 みあげると
 こえだをすかして
 あおいそらがみえました
  (中略)
 しんこきゅうしたら
 こころのなかまで

 そらいろにそまりました。

のはらうた〈5〉
くどう なおこ
童話屋
2008-07
 
 
 
 
絵本『もりのかくれんぼう』末吉暁子/作 林明子/絵 偕成社 1978 8分
 
今年5月28日にお亡くなりになった末吉暁子さんの作品です。公園からの帰り道、近道をしようと生垣の中を通り抜けると、そこは金色に染まる秋の森の中。そこでけいこは「もりのかくれんぼう」という不思議な男の子に出会います。かくれんぼうや動物たちと森の中でかくれんぼうをしていると・・・おはなしは約8分と長いのですが、不思議な森の中の情景に子どもたちは惹きつけられてあっという間に感じることでしょう。
 
 

絵本『くんちゃんはおおいそがし』ドロシー・マリノ/作 まさきるりこ/訳 ペンギン社 1983 4分

くんちゃんはおおいそがし
ドロシー・マリノ
ペンギン社
1983-01
 
好奇心たっぷりの子ども時代。一旦、なにかに夢中になると、時間が経つのも忘れて遊び込むもの。大人からすると取るに足らないことも、自分で興味を持つということが大切なのです。小石を拾うことも、くるみを集めることも、落ち葉をかき集めることも、ありの行列を追いかけることも、遊びになってしまいます。そして大人が意図しない遊びが、どれほど子どもの心を育てることでしょう。そんなくんちゃんの様子が生き生きと描かている1冊です。
 
 

絵本『くるくるくるみ』松岡達英/作・絵 そうえん社 2007 6分半

くるくるくるみ (そうえん社・日本のえほん)
松岡 達英
そうえん社
2007-09
 
 くるみが木になっているのを見たことがありますか?緑色でキウイフルーツのような形をしているということを、私はこの絵本に出会うまで知りませんでした。私たちが知っているくるみは、その緑の実の内側になる種だったのですね。この絵本は、田舎に住むおじいちゃんたちの家に遊びに行って、くるみについて初めていろいろ知る女の子が主人公です。くんちゃんも集めたくるみについて、一緒にいろいろ知っていきましょう。
 

絵本『びっくりまつぼっくり』多田多恵子/文 堀川理万子/絵 福音館書店 2010 2分半

びっくりまつぼっくり (幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)
多田多恵子
福音館書店
2010-09-10
 
子どもたちの集中力がまだ続くようならば、もう一冊まつぼっくりの絵本を読んであげましょう。この絵本は、福音館書店月刊ちいさなかがくのとも2006年11月号がハードカバーになったものです。公園などに落ちているまつぼっくり。よーく乾いたまつぼっくりを振ると、中から薄羽のついた小さな種が落ちてくるのをご存知ですか?そんなまつぼっくりの不思議に迫る楽しい絵本です。
 
 
 (作成K・J) 

2016年11月(その1)とんぽろりん(小さい子)


日本語は擬音語、擬態語が、とても多く、表現の幅が大変豊かになっています。どんぐりが落ちる音が「とんぽろりん」、力を合わせて引っ張る時に「うんとこしょillust62_thumb どっこいしょ」などなど。これらの擬音語、擬態語は、フランス語の「オノマトペ」でひっくるめて呼ばれるようになっています。

今回、選んだ絵本はどれも「オノマトペ」が特徴的です。言葉のリズムを味わいながら、子どもたちと楽しんでほしいと思います。

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わらべうた どんぐりころちゃん

どんぐりころちゃん

 

 

 

 

 

 
絵本にもなっているわらべうたです。(『どんぐりころちゃん』みなみじゅんこ/作 アリス館 2013)「どんぐりころちゃん」で手をたたき、「あたまがとんがって」で頭の上に両手でとんがり帽子を作って、「おしりはぺっしゃんこ」でお尻をたたき、「どんぐりはちくり」で、両腕をぐるぐると回します。「しょ」で、ほっぺに両手を当てます。大きい子の時は、「しょ」でじゃんけんをする場合もあります。何度か歌ってやってみましょう。なお、今回は取り上げていませんが、2014年の10月のおはなし会プランで、この絵本を取り上げていますので、そちらも参考にしてみてください。(2014年10月【あきだよ♪】

絵本 『どんぐりとんぽろりん』武鹿悦子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド 2008 2分

どんぐりとんぽろりん
武鹿 悦子
ひさかたチャイルド
2008-10-01
 
おおきなくまとちいさなりすが、どんぐりを拾います。「ぱらんこぽろんこ とんぽろりん」と、どんぐりの落ちる音が可愛らしい絵本です。 
 ほんわか優しい気持ちになれる絵本です。

 
絵本 『おおきなかぶ』A・トルストイ/作 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店 1966 2分

おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本)
A.トルストイ
福音館書店
1966-06-20
 
長く読み継がれてきた『おおきなかぶ』。ストーリーのある絵本ですが、くり返しでリズミカルなお話は2歳児くらいから楽しむことができます。「うんとこしょ どっこいしょ」というところは、子どもたちが自然に体を動かして聞いてくれます。 
 
わらべうた いっちくたっちく78973d08
いっちくたっちく たいもんさん たいもはいくらで ごーわんす いっせんごりんでごーわんす
もうちっと もうちっと すからか まからか すってんどん
 
歌に合わせて、一本ずつ指をさわっていきます。「すってんどん」で、最後にさわった指を折り曲げます。すべての指を折り曲げたら、「ととけっこう」のわらべうたで、順番に起こしていきましょう。「いっちくたっちく」とは、茨城の方言で交互に並んだ状態を表す言葉だそうです。

 
絵本 『りんご』松野正子/文 鎌田暢子/絵 童心社 1984 1分

りんご (母と子のえほん)
松野 正子
童心社
1984-01-20

 とても柔らかい色彩で、りんごが瑞々しく描かれています。赤いりんご、黄色いりんご、ピンクのりんご。どれも美味しそう。そしてお母さんが剥いてくれるのが、子どもには嬉しいですね。みんなで「いただきます」と食べてもよいでしょう。 

 

(作成K・J)

2015年11月(その3)ぬっくぬく(幼児~小学生)


「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ほんの1ヶ月半前まではどうなってしまうのだろう?と思っていた暑さも嘘のよう、あんなに煩くこの世の盛りを謳歌していたセミの合唱もどこへやら、草むらからは秋の虫の涼やかな声が響く季節となりました。四季折々の変化が私たちにもたらしてくれる叙情というものを、子ども達と一緒に味わいたいですね。

さて、11月のおはなし会プランの3つめは、日に日に寒さが募る時期に「ぬっくぬく」なお話を、と作りました。子ども達と一緒に深まりゆく秋と「ぬっくぬく」なぬくもりを味わってほしいと思います。

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導入  詩「おとく」吉永塁(6才) 『おどる詩あそぶ詩きこえる詩』はせみつこ/編 飯野和好/絵 冨山房 2015より 1分
     「ママ いつでも
      ぼくのこと 
      ギューって
      していいよ
      ぼくはあったかいから (以下、略)」

おどる詩 あそぶ詩 きこえる詩
冨山房インターナショナル
2015-04-19

室生犀星に、まど・みちおや谷川俊太郎というそうそうたる詩人に混じって、子どもの詠んだ詩も数編紹介されているうちの1編です。題名の「おとく」の意味が最後の最後まで読むとすとんとわかります。そしてなんだかあったかい気持ちになります。ぜひ、子ども達と一緒に声に出してくり返し読んでみてください。

  

絵本 『ちょろりんのすてきなセーター』降矢なな/作・絵 福音館書店 1993 6分

ちょろりんのすてきなセーター (こどものとも傑作集)
降矢 なな
福音館書店
1993-03-01
春の色の暖かそうなセーターにひとめぼれをしたとかげの子ちょろりん。そのセーターを手に入れるために一生懸命おじいちゃんの仕事を手伝います。そうしてやっとセーターを手に入れるだけのお金を稼ぎ出すのですが・・・このお話は、ちょろりんの気持ちを汲みながらも、甘やかさず、それでいて思いに寄り添ってくれる大人の存在もまた気持ちがよく、最後のページで聞いていた子どもたちも、読み手も一緒にほんわかぬっくぬくの心になれる1冊です。

わらべうた 「おてぶしてぶし」

おてぶしてぶし

 

手の中にどんぐりなどの木の実を包んで、揺らしながら歌います。
そして「いーや」のところで、右か左の手のどちらかに木の実を隠します。
さて、木の実は、右手の中かな?左手の中かな?子どもたちに当ててもらう遊びです。

なんどか繰り返して遊びましょう。
(なお、ヴィアックス社員向けのeラーニングでは動画で学ぶことができます。社員の方は、ぜひアクセスしてみてください。)

 

 

 

 

絵本 『干し柿』西村豊/写真・文 あかね書房 2006 8分

秋の味覚の柿。その中でも渋柿をおひさまの光に当て、風に当てることで甘い甘い干し柿になるということをよく昔の人は思いついたなと思います。この写真絵本は伝統的な保存食の干し柿ができるまでを追った写真絵本。後半は子どもたち自身が干し柿作りに挑戦します。お正月飾りにも使われる干し柿。深まりゆく秋に子どもたちにも味わってほしい絵本です。

絵本 『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』高野文子/作・絵 福音館書店 2014 2分

しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん (幼児絵本シリーズ)
高野 文子
福音館書店
2014-02-05
 
最後の1冊は、このままホッとして眠りにつけそうな絵本です。これからの季節、温かいお布団の恋しい季節。ふとんたちが「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」と頼もしく引き受けてくれる。リズミカルなことばがまるで呪文のように、眠りに誘ってくれる、そんなぬっくぬくの1冊です。ふんわり、やさしくおはなし会の最後に読んであげましょう。

(作成K・J)

2015年11月(その2)きのこ きのこ(幼児~小学生)


秋の味覚の1つのきのこ。雨が降ると元気になるって知っていますか?

今回はきのこをテーマに組み立ててみました。きのこを探しに出かけたくなる本ばかりです。

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【きのこ きのこ】 幼児~小学低学年向け
 
導入 詩「きのこ」 まどみちお (『まど・みちお 全詩集』 まどみちお著 伊藤栄治編 理論社 1992より)
 
「き き きのこ
きのこ ノコノコ ノコノコ
あるいたり しないけど」
(一部抜粋)
 
まどみちおさんらしい、素朴で愉快な詩です。
童謡として作られたもので、初出は『リズムと生活シリーズNO.3  かんさつしよう』 (芸術教育研究所・リズムの会編 音楽譜出版社 1966)です。
歌ってもよいと思いますが、そのまま詩として読んであげても楽しむことができます。
 
まど・みちお全詩集<新訂版>
まど・みちお
理論社
2001-05-28
60年にわたるまどみちおさんの少年詩、童謡、散文詩など全詩を収録しています。詳しい索引も付いており、広くまどみちおさんの作品に触れることができます。
 
 
 
『あめのひ きのこは』 ステーエフ原作 ギンズバーグ再話 アルエーゴとデューイ絵 厨川圭子訳 1976 4分 
 
あめのひきのこは…… (新訳えほん 25)
ミラ=ギンズバーグ
偕成社
1976-11
 アリが外を歩いていると、雨が降ってきたので、小さいきのこの下で雨宿りをすることにしました。すると、チョウ、ネズミ、ウサギも雨宿りにやってきて、次々にきのこの下に入っていきます。
小さなきのこだったのに、どうしてこんなに入るのでしょう? テンポよく進む愉快なお話で、少しとぼけた絵も味わいがあります。最後の「あめがふると、きのこはどうなるでしょう?」の問いかけのあとの子どもたちの反応も楽しみな絵本です。
 
『きのこ ふわり胞子の舞』 埴沙萠写真・文 ポプラ社 2011 6分 
 
 きのこが胞子をとばす様子を美しい写真でとらえた絵本です。ホタルのようにひかるヤコウタケやかさが開くと一夜でとけて消えてしまうヒトヨタケなど様々な種類のキノコを見ることができます。キノコが森の枯木や枯葉を食べる森のそうじやさんということもきちんと書かれています。写真をじっくり見せながら、読んであげてください。
 
 
『きのこはともだち-さがす・みつける・たべる』 松岡達英構成 下田智美絵と文 偕成社 2001
 
きのこはともだち―さがす・みつける・たべる (しぜんとともだちになろう)
松岡 達英
偕成社
2001-10
 きのこ入門になる絵本です。草地や畑に生えるきのこ、松林に生えるきのこ、雑木林に生えるきのこなど場所別に、きのこが紹介されています。また、身近なところでのきのこの見つけ方や、きのこ狩りの方法、きのこを使った料理のレシピなど、きのこに関する情報が盛りだくさんです。すべて読むことは難しいので、興味を持ちそうなところを中心に紹介してあげてください。
 
  
『ナミチカのきのこがり』 降矢なな作 福音館書店 2010 5分 
 
 ナミチカはいとこのアンドレとおじいちゃんときのこ狩りに出かけます。森には楽しいきのこがいっぱい。ナミチカが夢中になって探していると、赤いきのこがリズムをとって踊っているところにでくわします。「チャカンチャ チャンチャン チャカンチャ チャンチャン・・・」、一緒に楽しく踊るうちにナミチカと赤いきのこはすっかり仲良くなりますが・・・不思議で楽しいお話です。
 
こちらの本もおすすめです。差し替えたり、追加で紹介してもよいと思います。
 
『ほら、きのこが・・・』 越智紀子文 伊澤正名写真 福音館書店 1995 8分 
ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)
越智 典子
福音館書店
2000-05-10
 様々な種類のきのこの写真とともに、きのこが菌糸でできていること、胞子を作って様々な方法で飛ばすこと、落ち葉を食べて肥えた土を作っていることがわかりやすく書かれています。写真がとても美しく、眺めているだけできのこの力強さ、不思議さを感じることができます。少し長くなりますので紹介でもよいと思いますが、落ち着いて聞ける子が多い場合は、ぜひ読み聞かせてあげてください。
 
 
(作成T.S)
 

2015年11月(その1)おちばがおどる(小さい子)


かさこそ、かさこそと落ち葉を踏むと音がします。小さな子どもたちにはその音がとても新鮮なようです。秋が深まる頃の公園や歩道で一生懸命落ち葉を踏みしめて感触を味わっている子どもたちに出会います。そうすると20年以上前の子育て中のことを思い出します。そうそう、飽きずに落ち葉を踏んで歩いてたなぁ・・・それだけで遊びになったなあ・・・そして落ち葉の絵本を読んであげたなぁと。

季節の変化を全身で受け止めていく乳幼児期。そんな季節の変化を捉える絵本をおはなし会でも紹介してあげたいですね。

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絵本 『まてまてまて』 ましませつこ こぐま社 2005

まて まて まて (わらべうたえほん)
こばやし えみこ
こぐま社
2005-09

導入の絵本はわらべうた絵本から。「まてまてまて」の繰り返しの単純な絵本ですが、その単純さが子どもたちには嬉しいのです。何度も繰り返し読みたくなる絵本です。一緒にハイハイする動作をしながら読んであげてもいいでしょう。

 

わらべうた うえからしたから

うえからしたから

 

 

 

 

9月のおはなし会プラン「かぜ、きもちいい~♪」でも紹介したわらべうたです。秋の風で葉っぱが舞い落ちことを伝えながら歌ってみましょう。風呂敷大のスパークハーフ布を用いて、布を上下に揺らしながら歌います。小さな布しかない場合は子どもたちや保護者の人もいっしょに揺らしながら歌います。スパークハーフ布がない場合は、それぞれが持参しているハンカチなどを用いても大丈夫です。

絵本 『おちばがおどる』 いとうひろし ポプラ社 2003

おちばがおどる (いとうひろしの本)
いとう ひろし
ポプラ社
2003-11
 
これまでも何度かおはなし会プランで用いた絵本です。落ち葉をコラージュして表現したとても楽しい絵本です。「かさこそ ふわり にこにこ こそり ぼくらはおかしな おちばだよ」と、リズミカルなことばも響きも楽しく、はずむように読んであげましょう。
 

唱歌 「もみじ」文部省唱歌 高野辰之/岡野貞一
 あかいあかい もみじのは もみじのはっぱはきれいだな ぱっとひろげたあかちゃんの おててのように かわいいな
 (「秋の夕日に照山もみじ・・・」で有名な作詞、作曲家のペアが、同じ題名で作った唱歌です。可愛らしい歌なので、若いママたちにも伝えていきたいと思います。もみじの形に切り抜いたペープサートを用いたり、実際に拾ってきた葉っぱを見せながら歌ってみましょう。詳しい歌はこちらを→「もみじ」

 

絵本 『もりのてぶくろ』 八百板洋子/文 ナターリヤ・チェルーシナ/絵 福音館書店 2004

秋の森の中にはっぱが一枚。だれかのてぶくろのようにも見えます。そんな想像をかきたててくれる絵本です。深まりゆく秋を小さな子ども達と一緒に味わえる1冊です。

同じテーマで、過去にも掲載したおはなし会プランがあります。そちらも参照にしてください。「落ち葉をふんで」(2012年)

(K・J)

 

2014年11月(その3) 赤い葉っぱ 黄色い葉っぱ(幼児~小学生)


春の桜前線が日本列島を南から順番に北上するのに対して、紅葉前線は北海道から始まって次第に南下していきます。合わせて高山では早く、頂上付近から麓へ降りてくるのですね。

 
さて、北海道大雪山系での紅葉の頼りが届きました。東京近郊の紅葉は11月中旬から12月にかけての頃でしょうか。今から紅葉の季節が楽しみです。こんなサイトもみつけました。→2014全国紅葉最前線
 
さて、3つめのおはなし会✩おすすめプランはその紅葉がテーマです。
 
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【赤い葉っぱ 黄色い葉っぱ】 幼児~小学低学年向け
 
絵本 『あかいはっぱ きいろいはっぱ』ロイス・エライト/阿部日奈子訳 福音館書店 3分
あかいはっぱきいろいはっぱ (かがくのほん)
ロイス エイラト
福音館書店
2002-11
 
表紙の紅葉・黄葉に圧倒されるような絵本です。カエデの葉の移り変わりを伝えてくれます。ただ、「サトウカエデ=メープル」の葉は日本では馴染みが薄いですね。この本を読んだあと、『落ち葉』あるいは『わたしのもみじ』からいくつか写真を見せて、身近な紅葉についておはなししてあげるといいでしょう。
本の紹介 『落ち葉』平山和子 福音館書店
落ち葉
平山 和子
福音館書店
2005-09-25
 
 
 
『わたしのもみじ』岩間史朗 ポプラ社
わたしのもみじ (シリーズ・自然 いのち ひと)
岩間 史朗
ポプラ社
2001-11
 
 
 
 
絵本 『秋は林をぬけて』 小泉るみ子 ポプラ社 6分
秋は林をぬけて (小泉るみ子四季のえほん)
小泉 るみ子
ポプラ社
2001-10
 
北海道の林を描いた絵本。今はこんなに豊かな秋の林に出会うことは少ないかもしれません。1ページ1ページから、秋の実り、紅葉、すべてが美しく立ち上り、こんなに豊かな自然の中で迎える季節の変化に感謝したくなります。雪虫が飛ぶと、雪が降り始めるといった表現も、北海道らしい描写です。
季節の変化を味わうように、ゆっくりと読んであげてください。
 
絵本 『マーシャとくま』 M・ブラトフ/内田莉莎子訳 福音館書店 8分
マーシャとくま―ロシア民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)
M・ブラトフ
福音館書店
1963-05-01
 
ロシアの昔話です。ページ数は少ないのですが、文字数が多く、聴き応えのするお話です。覚えて素話で語ってあげても良いと思います。かしこいマーシャと、対照的なとぼけた味のくまの様子に、子どもたちもわくわくしながら耳を傾けることでしょう。
(K・J)

2014年11月(その2) ある秋の日(幼児~小学生)


秋は静かなイメージもありますが、生きものたちが冬にそなえて、動いている季節でもあります。
そんな生き物の息遣いを感じられる本を中心に組み立ててみました。
秋も魅力がいっぱいです!
 
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【ある秋の日】 幼児から小学生向け
 
絵本 『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』 
 
マーガレット・ワイズ ブラウン
フレーベル館
2006-02
 
世界中でよみつがれている絵本・児童書を、編集者・作家として、多く手がけたマーガレット・ワイズ・ブラウンの詩の絵本です。虫や魚、鳥など子どもたちにとって身近な生きものをうたった詩や、自然や季節を感じることができる詩が、たくさんあります。ユーモアがあって、楽しく優しい詩ばかりです。秋におすすめの詩は、「あき」「おちば」です。最後の詩「し」も、ぜひ子どもたちと味わってください。
 
絵本 『木はいいなあ』 3分
 
木はいいなあ
ジャニス=メイ=ユードリイ
偕成社
1976-04
 
木があると、木蔭でお昼寝できたり、ブランコができたり、落ち葉でたき火ができたりと、読み終えると、「木はいいなあ」と感じることができる1冊です。文章は簡潔でやさしく、絵はカラーと白黒のページが交互になっていて、余白をたっぷり味わうことができます。どうぞ素直に読んであげてください。しみじみと味わう子もいれば、「こんなこともできるよ!」と声をあげてくれる子もいると思います。
 
 
絵本 『どんぐり』 7分
 
どんぐり (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
 
木から落ちたどんぐりは、動物に食べられたり、さまざまな場所に埋められたりします。そして、ちょうどよい条件に恵まれたどんぐりが、再び芽を出し、大きな木になり、再び実をつけるのです。簡潔な文章と絵で、どんぐりの一生をたどることができる科学絵本です。保存方法が動物によって違うことや、埋められる深さによって芽を出せるかが決まるなど、発見することがたくさんあり、子どもたちも興味津々で聞いてくれます。
 
絵本『子リスのアール』 7分
 
子リスのアール
ドン フリーマン
BL出版
2006-11
子リスのアールは、初めて自分でドングリを見つけに行きますが、友達の女の子ジルに助けてもらってばかりで、お母さんにしかられてしまいます。そこでアールは夜中にこっそり起きて、自分一人でドングリを探しに出かけますが・・・。かわいい子リスの冒険物語です。雄ウシのコンラッドとやり合う場面は、子どもたちは熱中して聞いてくれます。モノクロの絵に赤いスカーフが引き立っていて、目でも楽しめる絵本です。
 
(T.S)

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