3月のおはなし会プラン

2021年3月(その2)はるがきた(幼児~小学生)
2021年3月(その1)でておいで~(小さい子)
2020年3月(その2)花が咲いたよ(幼児~小学生)
2020年3月(その1)まてまて(小さい子)
2019年3月(その2)生きるってすばらしい(幼児~小学生)
2019年3月(その1)もう春だね(小さい子)
2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)
2018年3月(その1)はな、いっぱい(小さい子)
2017年3月(その2)希望の春(幼児~小学生)
2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子)
2016年(その3)はるがきた(幼児~小学生)
2016年(その2)おいしい いちご(幼児~小学生)
2016年(その1)まっててね!(小さい子)
2015年(その3) うれしい春の日(幼児~小学生)
2015年(その2) 友だちと春(幼児~小学生)

2021年3月(その2)はるがきた(幼児~小学生)


これから2月下旬まではまだ厳しい寒さが続きますが、それでも日に日に陽射しが伸びて、木蓮の蕾が膨らみ始めています。

3月には、春の訪れを心から楽しみたいと願いながら、おはなし会プランを作成しました。

(なお、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

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【はるがきた】

導入 詩「おがわのきしべで」『ロシアのわらべうた』(内田莉莎子 丸木俊/絵 架空社  2006)より 30秒

「おがわのきしべで みどりのくさはらで
 くさはらで くさはらで
 つみましょ れんげそう あみましょ はなわを
 はなわを はなわを
 (後略)」

春を迎えて、外へ出ていく喜びを歌ったロシアのわらべうたです。詩に添えて楽譜もついていますが、日本のわらべうたと比べると、音程の幅が広く歌いづらいです。詩の朗読に留めてもよいでしょう。また、れんげの花輪つくりを知らない子どもたちに、詩の朗読の後に説明してあげてもよいでしょう。

 

 

 

素話「花咲かじい」『子どもに語る日本の昔話②』(稲田和子・筒井悦子/著 こぐま社 1995)より 10分

 

こちらは山形の言葉で再話されています。優しいじじとばばの気持ちが伝わるように、丁寧に語ってあげましょう。

 

 

 

 

 

 

 

絵本『はるがきた』ジーン・ジオン/文 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 こみやゆう/訳 主婦の友社 2011 6分

 

なかなか春が訪れない街で、子どもたちの提案で街中を春色に塗る作業が行われました。ところが雨が降り続き、せっかくの絵を洗い流してしまいます。しかしその雨は春の訪れを告げる雨だったのです。明るい黄色が、春の訪れを伝えてくれる、そんな優しい絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

絵本『ハートのはっぱ かたばみ』多田多恵子/文 広野多珂子/絵 福音館書店 2015 6分

 

早春の庭の片隅で小さなかたばみの芽をみかけます。どこにでも生えてくるかたばみ、コンクリートの隙間から生えてくることも。どんな花なのか、どうやって増えるのか、丁寧に教えてくれる科学絵本です。

 

 

 

 

 

 

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

 

 

(作成K・J)

2021年3月(その1)でておいで~(小さい子)


新型コロナウイルス感染拡大の第3波の中、子どもたちは無邪気に走り回れず、子どもたちに関わる大人たちがどれだけ大変な思いでいるか、想像に難くないです。

一日も早く収束に向かうようにと心から祈っています。

3月になるころには、少しは収束の目途が立っているでしょうか。早春の陽射しの中で、子どもたちがのんびりと遊べるようになってほしいと願いながら、おはなし会プランを作成しました。

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。また、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

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【でておいで!】

導入 わらべうた おすわりやす

 

 

 

 

 

 

 

おひざの上に乗って揺らしてもらいます。保護者のおひざの上は居心地がいいなあと感じてもらう時間です。「おすわりやす いすどっせ あんまりのったら こけまっせ すーわった」という短いバージョンで歌われることもあります。「すーわった」のあとに「ドシーン!」と言いながら、しっかりお子さんの脇を支えて膝の間を開いて間に落とします。

 

 

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

おひざの上に乗せて、お子さんをしっかり手で支えておとなの方がそっと左右に揺れます。「○○ちゃん」というところでは、それぞれがお子さんの名前を入れて歌い、「ギューッ」と抱きしめます。

 

絵本『おひさまでたよ』北村人/作 絵本館 2018 1分25秒

 

暖かい色のクレヨンの線で描いた小さい子向けの可愛らしい判型の絵本。「ぽかぽか ぽかぽか いいきもち」、「ぽかっぽかっ ふあーあ いいきもち」、ページをめくると動物たちがおひさまの温かい陽射しの中でのーんびりしています。のーんびりすること、これがなかなか出来ない今だからこそ、そんな時間を大事にしたいなと思います。

 

 

 

 

 

 

わらべうた にぎりぱっちり

 

 

 

 

 

手の中にギュッとシフォン布(ハンカチ等で代用可)を握って隠し、握った手を揺らします。「たてよこひよこ」といって手を開くと中からふわ~っと布が広がってひよこが生まれたように見えます。(右の画像:スパークハーフという布を使うと、切りっぱなしで糸始末をせずに使えます)

 

 

 

 

絵本『ひよこ』語りかけ絵本 こがようこ/文・絵 大日本図書 2017 1分10秒

 

ころころ、たまごがころがって「ぴよっ」といってひよこが出てきます。また、たまごの中に隠れたり、出てきたり、繰り返しながら、つぎつぎにひよこたちが飛び出てきます。「語りかけ絵本」なので、子どもたちの反応を見ながら読んであげましょう。

 

 

 

 

 

わらべうた ちゅっちゅこっこ

 

 

 

 

 

シフォン布(ハンカチ等での代用可)を上下に振って遊びます。「とんでけー」で高く布を飛ばします。何度か繰り返して遊びましょう。

 

 

 

絵本『ちょうちょうひらひら』まどみちお/文 にしまきかやこ/絵 こぐま社 2008 1分

 

春らしい優しさに満ちている絵本です。ちょうちょうが飛んできて、うさちゃんの耳に止まります。「うさちゃんがうふふ」、次はしかさんの角に、ねずみさんのしっぽにちょうちょうが止まります。ぞうさんのところには止まるかな?ゆっくり絵を見せながら読んであげましょう。読んでもらう子どもたちもうれしくなりそうです。

 

 

 

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずっくぼんじょ」とは佐賀県の方言でつくしのこと。両手を合わせてつくしの筆の部分(胞子形成部)を作り、歌に合わせて少しずつ手を伸ばして高くしていきます。「ででこらさい」と歌った後に「にょき!にょき!」と言いながら背伸びをしてもよいでしょう。

 

 

 

わらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

 

2020年3月(その2)花が咲いたよ(幼児~小学生)


春になると一斉にあちこちに花が咲きはじめ、その花の色に誘われて虫たちが飛び交い始めます。開花のメカニズムには日長や温度などさまざまな要因が影響し、開花ホルモン(葉で合成され花芽に移動して作用するたんぱく質)が複数の分子と結合して開花を促すのだそうです。

花が咲く様子は、子どもたちが、いろんな経験を積み重ね、自分の好きな事をみつけて、ぐんと成長していく様子と重なって心を動かされます。

そんな「花が咲く」をテーマにおはなし会プランを作りました。

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【花が咲いたよ】

導入 詩「春の朝」 金子みすゞ『金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと』(JULA出版局 1984)より 1分

「すずめがなくな、
 いいひよりだな、
 うっとり、うっとり
 ねむいな。
 (後略)」

 

 

金子みすゞの詩には素朴でいながら、物事の本質を捉えた素敵な詩がたくさんあります。国語の教科書にも何篇か紹介されています。短くて「春眠暁を覚えず」の季節の雰囲気を端的に詠った詩を子どもたちと一緒に味わってみてください。

 

 

素話「花の好きな殿さま」 中脇初枝/再話『ちゃあちゃんのむかしばなし』(奈路道程/絵 福音館書店 2016)より 3分

花の好きな殿さまは、お城の周りだけでなく国中に季節ごとに咲く美しい花を植えていました。隣の国の殿さまは戦いが好きで武器をどんどん作っています。ある時、隣の国が戦いを挑んできました。こちらの国では武器も無ければ、兵士もいません。さてさて一体どうなってしまうのでしょう。

 

 

 

 

この『ちゃあちゃんのむかしばなし』は再話者の中脇初枝さんが生まれ育った高知県四万十川流域で再話した昔話が50篇集められています。他の地域でも伝わるよく似た話も多いのですが、「花の好きな殿さま」だけは類話がみつかっていないとのこと。おはなしの解説には「平和のために、武器よりも強い力となるものはなにか。今を生きるわたしたちに、深く考えさせてくれる昔話です。」とありました。中脇さんは小5の時に柳田国男の『遠野物語』に出会って民俗学を学びたいと志望し、筑波大学で文化人類学を学びました。四万十川流域の昔話を語りやすいように再話しています。おはなしのテキストとしてもおすすめです。

 

 

 

絵本『チューリップ』荒井真紀/作 小学館 2017 5分

秋に植えられたチューリップの球根が、土の中でどのように冬を越して春に美しい花を咲かせるのかを、ブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞した荒井真紀さんが繊細でいながら力強いタッチで描くチューリップの一生です。

丁寧に読んであげましょう。

 

 

 

わらべうた ちゅーりっぷ しゃーりっぷ

 

 

 

 

もともとは輪になって遊ぶ呼応遊びです。図書館のおはなし会では、立ち上がって輪になって遊ぶというのは難しいでしょうから、両手を合わせてチューリップの花を作り、歌に合わせて左右に揺らし、「〇〇ちゃん おはいり」のところは「〇〇ちゃん どうぞ」などと替え歌にしてチューリップのお花をプレゼントしていく遊びにアレンジしてもよいでしょう。折り紙でチューリップを作って、このわらべうたに合わせてひとりずつに手渡していくのもおすすめです。

 

絵本『つくし』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 5分

春先の野原に顔を出すつくし。都会ではあまり見る機会がないかもしれませんが、皇居のお堀端や、総武線沿線の土手、江戸川、荒川、多摩川などの土手などで見つけることができます。(→こちら)土を押し上げ出てくるつくしには、「さあ、伸びるぞ!」と元気がもらえるような気がします。つくしとすぎな、そしてねっこの関係もとても面白く’センスオブワンダー’を育ててくれる絵本です。

 

 

 

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

小さい子のおはなし会プランでも取り上げた春先に歌いたいわらべうたです。頭の上で頭巾をつくりながらだんだん手を伸ばしていきます。身体も使って遊ぶと、よりダイナミックで楽しい遊びになります。

 

終わりのわらべうた さよならあんころもち

(作成K・J)

2020年3月(その1)まてまて(小さい子)


今年は暖冬で北国からは記録的な雪不足が伝えられています。雪かきや屋根の雪下ろしをしなくて済むので楽なのではと思うのは素人の浅はかさで、北海道の知り合いから「雪は大地のお布団」と教えていただきました。

雪が覆うことで大地は凍結しないで、春を待つ命を守れる。そして雪解け水となって春には大地を潤すとのこと。雪が無いと地面がカチコチに凍結してしまい、春の芽吹きが心配だと伺い、気候の変化がもたらす影響を考えてしまいました。

冬には冬らしい寒さがあってはじめて、春の訪れの喜びも大きくなるのですね。

そんなことを思いながら3月のおはなし会プランを作成しました。子どもたちの成長していく姿を「まてまて」と追いかけることができる喜びをテーマにしました。

子どもの成長も、季節の変化も待ってはくれませんが、それを「まてまて」と追いかけ、目を離さずにいたいなと思います。

 

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。また、画像は各出版社の著作権許諾方針にしたがい、書影を利用しています。)

 

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【まてまて】

導入 わらべうた おすわりやす

 

 

 

 

 

お子さんをお膝にのせて揺らして遊びます。「あんまりのったらこけまっせ どてーん」と短くして遊ぶこともできます。その場合は、おひざにお子さんを乗せて歌に合わせて軽く上下に揺らし、「どてーん」で足を開いてすとんとお子さんを足の間に落とします。その時脇をしっかり抱えて支えてあげてください。

 

わらべうた このこどこのこ

 

 

 

 

お子さんをお膝にのせて、左右にそっと揺らします。「〇〇ちゃん」というところはそれぞれのお子さんの名前を呼んであげましょう。

 

 

わらべうた くまさんくまさん(歌詞の最後、「さようなら」を「こんにちは」に替えて歌う)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミトンくまさんで遊ぶこともできます。またお子さんが「くまさん」になって、歌に合わせて「まわれ右」、床に「両手をついて」、「片足上げ」の動作をします。小さいお子さんの場合は、親が動作のサポートをします。

 

 

「ミトンくま」は「保育と人形の会」で制作キットを販売しています。こちらのサイトにアクセスし、お問合せページの指示に従って注文します。(→こちら

 

 

 

絵本『くまさん』まど・みちお/詩  ましませつこ/絵 こぐま社 2017 1分

 

まど・みちおさんの詩に、ましませつこさんが温かい絵をつけました。冬眠からめざめたくまのおとぼけぶりが、愛らしいですね。
ことばのリズムもたのしくて、繰り返し読んでいっしょに「だれだっけ」と声に出してみても楽しいでしょう。

 

 

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

『くまさん』の絵本には、春をつげる植物がたくさん描きこまれています。たんぽぽにすみれ、おおいぬのふぐり、そしてつくし。「ずっくぼんじょ」とは佐賀県の方言でつくしのこと。両手を合わせてつくしの筆の部分(胞子形成部)を作り、歌に合わせて少しずつ手を伸ばして高くしていきます。「ででこらさい」と歌った後に「にょき!にょき!」と言いながら背伸びをしてもよいでしょう。

 

 

絵本『もじゃらんこ』きしだえりこ/文 ふるやかずほ/絵 0.1.2えほん 福音館書店  2011 1分半

 

けむしが「もじゃらんこ もじゃらんこ」と葉っぱの上を進んでいきます。「どこ いく どこ いく もじゃらんこ まて まて まて まて」それでもどんどん進んでいきます。
ことばのリズムを楽しみながら読んであげましょう。

 

 

 

 

わらべうた いもむしごーろごろ

 

 

 

 

お子さんを床や足の上に寝かせて、ごろごろ左右にころがして歌います。短いわらべうたです。何回か繰り返して歌ってあげましょう。

 

 

絵本『こりゃ まてまて』中脇初枝/文 酒井駒子/絵 0.1.2えほん 福音館書店 2008 1分

 

歩き始めた1歳くらいの子どもでしょうか。ちょうちょをみつけて「こら まてまて」、かなへびをみつけて「こら まてまて」。見るものすべてが初めてな小さな子どもは外へ連れ出すと、あれもこれも気になって追いかけます。そんな子どもも最後はおとなに「まてまて」
子どもの成長を見守るおとなの視線を感じる温かい絵本です。

 

 

わらべうた くまさんくまさん(今度は「さようなら」と歌う)

(上掲)ミトンくまさんを使って遊びます。今度は「さようなら」と歌って、バイバーイと手を振ります。

 

(作成K・J)

2019年3月(その2)生きるってすばらしい(幼児~小学生)


3月は日に日に陽射しも伸びて、気持ちも上向いていく季節。新しい生活をスタートする準備の時期でもあります。

そんな時だからこそ、子どもたちには、「あなたには生きる価値がある」というメッセージを伝えたいと思います。現実の社会は厳しくとも、「私の生は肯定されている」という確信があれば、壁も乗り越えていけるはずですから。

そう思って、読んであげる絵本の1冊に、ルイ・アームストロングが歌った「What a Wonderful World」を描いた『すばらしいみんな』を選びました。

 

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【生きるってすばらしい』

導入 詩「せかいいち」こうしたろう 『のはらうたⅡ』(くどうなおこ 童話屋 1985)より 1分

のはらうた 2
工藤 直子
童話屋
1985-05
 
今ある場所で生かされていることが、かけがえのないことであると感じられたら、自分を肯定的に受け入れられますよね。そんな素直な思いがまっすぐに伝わる短い詩です。暖かな春を待って一緒に声に出してみましょう。

「すくすくの くさ
ぽかぽかの おひさま
ひるねの できる
そよそよの こかげ ・・・・・・
それだけあれば
ぼくの いちにちは
せかいいち」

 

素話「三びきのくま」『金のがちょうのほん―四つのむかしばなし』(レズリー・ブルック/文・画 瀬田貞二・松瀬七織/訳 福音館書店 1980)より 7分

金のがちょうのほん (世界傑作童話シリーズ)
レズリー・ブルック
福音館書店
1980-11-25
 
イギリスの昔話の中からこのおはなしを選んだのは、レズリー・ブルックが描いた『金のがちょうのほん―四つのむかしばなし』の「三びきのくま」の絵に、チューリップやポピーなど春の花が咲い乱れる春先の素敵な庭があったからです。原文では「Goldilocks」と表現される女の子を瀬田貞二さんは「きんきらこ」と訳しています。はねっかえりの金髪の女の子の雰囲気を、見事に表現していて面白いですね。初めてこのおはなしを聞く子は「きんきらこ」という音の響きが心に留まるのではないでしょうか。彼女がいつも自分にちょうど良いサイズを選ぶところから、金髪を意味するGoldilocksが、「ちょうどよい程度」という概念を表して天文学などでは「生命が存在可能な領域」という意味もあると最近知りました。そんなことにまで思いを馳せながら、おはなしを語ってみてもおもしろいでしょう。レズリー・ブルックの挿絵は決して可愛い絵ではないかもしれませんが、くまたちの表情や所作に味わいがあり、絵を見せながら読んであげてもよいでしょう。
 
 
 
絵本『すばらしいみんな』ティム・ホプグッド/絵 アーサー・ビナード/訳 ボブ・シール&ジョージ・デヴィッド・ワイス/作詞・作曲 岩崎書店 2014 2分

すばらしい みんな
ボブ シール
岩崎書店
2014-10-10
 
 


黒人歌手のルイ・アームストロングが歌った名曲「What a Wonderful World」、最初に歌われた1960年代はまだアフリカ系アメリカ人に対する差別が酷井時代でした。それにもかかわらず「緑の木も、赤いバラを見て、なんてすばらしい世界かと思う」「青い空、白い雲 暗い夜も、この世の中はすばらしい」と歌ったのです。500年にもわたるアフリカ系アメリカ人の歴史を思うと、困難の連続の中でも、自分たちが生かされているこの世界は、こんなに素晴らしいもので満ちている、生かされていることをまずは喜ぼうというこの歌は、絶望の中で見上げるおひさまの光のように、きっと輝きを放っていたのでしょう。子どもたちにはそうした背景は伝わらないとしても、私たちを取り巻いている自然の素晴らしさを、春の訪れとともに感じることはできるでしょう。この素晴らしい環境を、地球を、争うのではなく、世界中のみんなと一緒に守っていこう・・・というメッセージが少しでも伝わればと思います。
 
 
写真絵本『いっしょだよ』小寺卓矢/写真・文 アリス館 2012 3分

 
いっしょだよ
小寺 卓矢
アリス館
2012-04-01
 
「ひろい ひろい もりのなか
うまれたばかりの きのめ
ひとりぼっち…なのかな?」という詩ではじまる写真絵本です。
はっぱもいっしょ、おはなもいっしょ、森の中には新しい生命があふれていることを、美しい写真とともに語りかけてくれます。
「めにみえるもの みえないもの
すぐ ちかくにも ずっと ずっととおくにも―― ちゃんといっしょだよ」
そう、春の陽ざしのなかに一歩踏み出す勇気を与えてくれる、そんな絵本です。文字だけ追えば、2分もかからず読み終えてしまいますが、じっくり写真を見せながら、ゆっくりと読んでほしいと思います。
 
(作成K・J)

2019年3月(その1)もう春だね(小さい子)


3月に入ると、途端に裸の木々もどこかそわそわしているように見えます。少しずつ芽吹きの準備を始めるからです。

陽だまりを見ると、小さな雑草もその体をむっくり起こして、出来る限りたくさんの陽の光を浴びようとしているのをみつけます。春が近づいていると感じる3月は、風は冷たくても希望の光を感じることが出来て、うれしくなります。

そんな思いを小さい子のおはなし会プランに込めてみました。

(なお、このおはなし会プランに掲載しているわらべうたの楽譜は、中国地方で育ったK・Jが覚えているわらべうたを採譜したものです。市販のわらべうたの楽譜とは音程や、速度が違う場合があります。予め、ご了承ください。)
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【もう春だね】

導入 わらべうた ととけっこう

 

 

 

 

おはなし会の導入で使いやすいわらべうたです。ミトンくまさんを起こすのに使い、起きてきたミトンくまさんが、小さな子どもたちと一緒におはなし会を楽しむというストーリー設定にしてもよいでしょう。

絵本『ちょうちょ はやく こないかな』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 1分半

早春の道端に最初に可愛らしい青い花をつけるオオイヌノフグリが主人公。ちょうちょが止まってくれるのを待っています。最後に小さなシジミチョウが飛んできて止まると、読んでもらっていた子たちもホッとした表情を浮かべます。

 

わらべうた たんぽぽ たんぽぽ

 

 

 

 

『ちょうちょはやくこないかな』の中に登場したたんぽぽの花のわらべうたです。絵本のページをいせながら「これがたんぽぽだよ」と伝えてあげてから、遊びましょう。「たん」で手をたたき、「ぽぽ」で両頬を優しく2度触ります。「むこうやまへとんでけー」では両手をあわせてお花をつくり、左右に揺らします。歌い終わったあとに、「ふ~っ」と息を吹いて綿毛を飛ばす動作をします。

 

わらべうた ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずっくぼんじょ」とは、「つくし」のことです。頭の上で両手を合わせてつくしになります。「ずっくぼんじょ」と繰り返し歌いながら、左右に揺れます。「でてこらさい」のあとに「にょきにょき~」と言いながら伸びあがります。最初は座って遊び、繰り返すながら、だんだん膝を伸ばして立ち上がっていきます。成長していく喜びを感じられるわらべうたです。

 

 

絵本『いちご』こがようこ/作 大日本図書 2017 1分半

いちご (語りかけ絵本)
こが ようこ
大日本図書
2017-04-05
 
子どもに語りかけながら、読んでいく絵本です。「いちご たべたいな。たべちゃおっか」「パクリ!」と言いながら読むと、子どもたちも美味しそうに食べるふりをします。春先に旬を迎えるいちご。絵本の中で一緒に楽しみましょう。



ここから続くわらべうたは、シフォン布(スパークハーフ)を使って遊ぶわらべうたです。スパークハーフは切りっぱなしでも端糸が出ないので使いやすい布です。広幅で1m購入しても1000円強です。1mで28枚くらい取れます。

 

 

わらべうた じーじーばあ

 

 

 

 

 

 

 

いないいないばあ遊びのわらべうたです。「じぃーじぃー」で布で顔を隠し、「ばあ」で顔を出します。「ちりんぽろんと」で布を左右に振って、「とんでったー」で布を高く飛ばします。

 

わらべうた ちゅっちゅこっこ

 

 

 

 

 

布を上下に振って遊びます。「とんでけー」で高く布を飛ばします。なんどか繰り返して遊びましょう。

 

わらべうた にーぎりぱっちり

 

 

 

 

 

布を手の中にくしゃくしゃと丸めて握って、歌いながら手を左右に揺らします。「ひよこ」と歌いながら手を広げると、中から黄色いシフォン布がふわりと広がって出てきて、まるでひよこが生まれ出たように見えます。これも何度か繰り返して遊びましょう。

 

絵本『ひよこさん』征矢清/作 林明子/絵 福音館書店 2017 1分

ひよこさん (0.1.2.えほん)
征矢 清
福音館書店
2017-03-05
 
ひとりで出かけてひとりぼっちになったひよこさん。でもちゃんとおかあさんが迎えに来てくれましたよ。ホッとする絵本です。

 

わらべうた さよならあんころもち

 

 

 

 

 

(作成K・J)

2018年3月(その2)一歩踏み出す(幼児~小学生)


3月のおはなし会プランは、イギリスの昔話「三びきのこぶた」を中心に組み立てました。誰もが知っている昔話ですが、実はイギリスで再話された昔話ではなくて甘く改変されたものしか、知らないという人も多いようです。

この昔話は、こぶたたちが母ぶたの家から巣立って自立していくことがテーマになっています。自分の足で人生を切り拓く時に必要なのは安易な道を選ぶのではなく、知恵を使って権力と対峙し、自分で困難の多い人生を歩んでいくことなのだというメッセージが込められています。わらで家を作ったこぶたが木の家を作ったこぶたの家に逃げ込み、またその二匹ともがレンガで家を作ったこぶたの家に逃げ込むのでは、そうしたメッセージが伝わりません。また、おおかみとの知恵比べもないままにおおかみが煙突から侵入し、火傷を負うだけで逃げていくとしたら、自分の生命を脅かす悪意のある力に対して勝ったことにはなりません。ずる賢いおおかみを出し抜き、その上で怒り狂ったおおかみが煙突から侵入してきたのを煮て食べてこそ、悪への勝利、弱者が強者へ打ち勝つというカタルシスを引き出すのです。

権力を持つものによって虐げられてきた庶民が伝え語り継いできた昔話は、改変せず、語ってあげたいものです。

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【一歩踏み出す】

導入 詩「ある日の菜の花」『地球パラダイス』(工藤直子/詩、石井聖岳/絵 偕成社 2012)より 1分

地球パラダイス
偕成社
2012-09-12
 
春のまぶしい陽射しの中で、菜の花が揺れると、つられてモンシロチョウもカマキリもミミズも動き出します。小さな虫たちも新しい季節を謳歌しています。そんなみずみずしい詩です。石井聖岳さんの描く菜の花畑も生命力にあふれています。詩の朗読のあとに、ぜひ絵も子どもたちに見せてあげてください。
 
 

素話 「三びきのこぶた」『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子/編・訳 J・D・バトン/画 福音館書店 1981)より 12分

イギリスとアイルランドの昔話 (福音館文庫 昔話)
福音館書店
2002-06-20
 
「三びきのこぶた」の再話では瀬田貞二の訳のものもありますが、ここでは石井桃子訳を選びました。どちらもリズミカルで覚えやすいテキストです。石井桃子訳ではこぶたは「いやだよ、いやだよ、そんなこと、とん、とん、とんでもないよ」、おおかみは「そんなら、おれはフッとふいて、プッとふいて、この家、ふきたおしちゃうぞ!」というセリフですが、瀬田貞二訳では「だめ、だめ、だめ。めっそうもない」「そいじゃ、ひとつ、ふうふうのふうで、この家、ふきとばしちまうぞ」となっています。子どものころ、どちらで聞いたでしょうか。どちらも味わい深いので、覚えやすいほうで覚えるとよいでしょう。瀬田貞二版のテキストは次の2点です。
 
『金のがちょうのほん-四つのむかしばなし-』より「三びきのこぶた」 レズリー・ブルック/文・画 瀬田貞二/訳 福音館書店 1980

金のがちょうのほん (世界傑作童話シリーズ)
レズリー・ブルック
福音館書店
1980-11-25
 
 
 
 
『三びきのこぶた』イギリス昔話 瀬田貞二/訳 山田三郎/画 福音館書店 1960

三びきのこぶた
山田 三郎
福音館書店
1967-04-01


 

絵本『つくし』甲斐信枝/作 福音館書店 1997 4分半

つくし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
甲斐 信枝
福音館書店
1997-02-15

 

春先の野原に顔を出すつくし。都会ではあまり見る機会がないかもしれませんが、皇居のお堀端や、総武線沿線の土手、江戸川、荒川、多摩川などの土手などで見つけることができます。土を押し上げ出てくるつくしには、「さあ、伸びるぞ!」と元気がもらえるような気がします。小さい子プランにも入れているわらべうた「ずくぼんじょ」を歌ってもよいでしょう。

 

わらべうた ずくぼんじょ

ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

「ずくぼんじょ」は「つくし」の方言です。頭の上に両手を合わせて頭巾を作って、左右に揺れながら「ででこらさい」と歌ったあとで、「にょき!」っと上に伸びます。何度か繰り返し歌ってずんずん高くしていきます。最初は座って始めて、最後にうんと背伸びしてもよいでしょう。 

 

絵本『たくさんのドア』アリスン・マギー/文 ユ・テウン/絵 なかがわちひろ/訳 主婦の友社 2010 3分

たくさんのドア
アリスン・マギー
主婦の友社
2010-11-17

 

しばらく品切れになっていた作品ですが、1月下旬に増刷されました。
子どもたちが歩んでいく先で出合うさまざまな経験、それをたくさんのドアになぞらえて、ひとりひとりの歩みにエールを送る絵本です。「きょうも あしたも あなたは たくさんの ドアを あけていく そのむこうに たくさんの あたらしいことが まっている」、それは時にはおどろくことであったり、たのしいことであったり、よろこびであったりする。困難なときも、あなたは守られている、だから進んでいけという力強いエールです。ひとつ学年をあげたり、進級していく子どもたちにぜひ読んであげたい1冊です。

(作成K・J)

2018年3月(その1)はな、いっぱい(小さい子)


春の訪れとともに、足元に小さな草花が自己主張をします。忙しさに紛れて見逃してしまいそうな小さな花も、よく見ると可憐です。そんな花を子どもたちが小さい時はゆっくりとお散歩しながら探して見つけたものです。

そんな早春の草花に幼い子どもたちの成長する力を感じながら、小さい子向けのおはなし会プランを作成しました。

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【はな、いっぱい】

 

導入 わらべうた このこどこのこ
このこどこのこ

 

 

 

 

おはなし会のはじまりに「このこどこのこ」を何度か繰り返し歌います。参加している子どもたちの愛称を聞いて順番に呼んであげてもいいですね。歌っているうちにおはなし会に遅れているお友達もきっと集まってくることでしょう。 

 

絵本『くまさん』まど・みちお/詩 ましませつこ/絵 こぐま社 2017 1分

くまさん

まど みちお
こぐま社
2017-02-17

 国語の教科書にも掲載されているまどみちおさんの可愛らしい詩です。たんぽぽの他にも春の野原にはつくしやすみれ、フキノトウも顔をのぞかせています。そよそよと吹く風も感じられそうです。

 

わらべうた たんぽぽ
たんぽぽ

 

 

 

 

 

 絵本の中に出てきた「たんぽぽ」のわらべうたです。次の「ずっくぼんじょ」と合せて、絵本の絵を見せてから歌いましょう。

 

わらべうた ずくぼんじょ
ずっくぼんじょ

 

 

 

 

 

 

  絵本の中に出てきた「つくし」のことだよ、と声をかけてあげるといいでしょう。頭の上に両手を合わせて頭巾を作って、左右に揺れながら「ででこらさい」と歌ったあとで、「にょき!」っと上に伸びます。何度か繰り返し歌ってずんずん高くしていきます。最初は座って始めて、最後にうんと背伸びしてもよいでしょう。 

 

絵本『どのはないちばんすきなはな?』いしげまりこ/文 わきさかかつじ/絵 0.1.2えほん 福音館書店 2017

どのはな いちばん すきな はな? (0.1.2.えほん)
いしげ まりこ
福音館書店
2017-03-05

春先に咲く草花たちの明るさに目を惹かれます。ぐんぐんのびる花、風にそよぐ花、そんな花たちを小さな子どもたちと一緒に探したくなる絵本です。 

 

 

絵本『ママのて』やまもとゆうこ/作 こぐま社 2017 1分

ママのて
やまもと ゆうこ
こぐま社
2017-04-04

 おにぎりにぎるママの手、折り紙折ってくれるママの手、ママの温かい手は子どもにとって何よりも安心できるもの。ぎゅっと握る手と手のぬくもりを感じながら聞いてくれるといいですね。

 

わらべうた いちりにりさんり
いちりにり 

 

 

 

 

ママの手にこちょこちょしてもらうわらべうたです。小さな子どもたちをママのおひざの上に仰向けに寝てもらって、「いちり」で足の指、「にり」で足首、「さんり」でひざを左右に揺すり、「しりしりしり」で腰の周りを揺すりながらこちょこちょします。

 

わらべうた くまさんくまさん
くまさんくまさん

 

くまさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に紹介した『くまさん』の絵本に合わせて、おしまいは「くまさんくまさん」のわらべうたを歌います。ミトンくまさんを使ってもよいでしょう。

(作成K・J) 

2017年3月(その2)希望の春(幼児~小学生)


春は芽吹きの時、生命の力を感じる時でもあります。そしてその圧倒的な力は、私たちを勇気づけてくれます。3月はまた旅立ちの季節。そんな時期の子どもたちに向けて、「大丈夫だよ」と背中を押してあげられる本をいくつか選びました。

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【希望の春】

導入 詩 「は は はるだよ」与田凖一/詩 西巻茅子/絵 『は は はるだよ』(金の星社 1982)より 1分

一の 山、
二の 山、
三の 山。

わらびの たろうが
目を さます、
わらびの じろうが
目を さます、
わらびの さぶろうが
目を さます。

あっちで、
こっちで、
は は はるだよ。
は は はるだよ。
(一部引用)

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

小さい子向けのおはなし会プランでも使用した与田凖一の詩集から、詩集の表題になっている詩「は は はるだよ」を、紹介します。前半は、わらびが芽吹く様子を、後半ではかえるが起きだす様子を、やさしい言葉で表現しています。一度、朗読した後に、子どもたちも一緒に声に出して復唱してもらうと、詩のリズミカルな言葉を味わってもらえることと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

絵本『里の春、山の春』新見南吉/作 鈴木靖将/絵 新樹社 2015 2分半

里の春、山の春
新美 南吉
新樹社
2015-04-04

『校定新見南吉童話集』(大日本図書 1993)より、春を見たことのない小鹿の思いに寄り添う『里の春、山の春』が絵本化されました。小鹿と里にすむおじいさんの交流は『てぶくろをかいに』などと同様に、新見南吉らしいと感じます。小鹿だけではなく、読んでもらった子どもたちも春の訪れを捜したくなることでしょう。

絵本『いっしょだよ』小寺卓矢/写真・文 アリス館 2012 3分

いっしょだよ
小寺 卓矢
アリス館
2012-04

芽吹いたばかりの木の芽、花や小さな虫に注がれる温かいまなざし。すべての生命は、それぞれが支えあい、かかわりあい、共生していることを、美しい写真と、丁寧な語りかける言葉で伝えてくれる写真絵本です。小さなものへのまなざしは、同様に自分たちにも注がれていること、自分たちもまた誰かに支えられていることを発見できることでしょう。

絵本『きぼう―こころひらくとき』ローレン・トンプソン/作 千葉茂樹/訳 ほるぷ出版 2009 3分

きぼう―こころひらくとき
ローレン トンプソン
ほるぷ出版
2009-11

世界にはいろんなことが起きている。いつもいつも笑顔ばかりではいられない。でもそんな時にも、目をあげてみると小さな希望が見えてくる。ちょっと視点を変えるだけで、希望は見えてくる・・・そんなことを世界中の子どもたちのさまざまな表情とともに伝えてくれる1冊です。大きな災害に見舞われた国から、内戦の起こった国から、辛い思いを乗り越えて一歩踏み出そうとする子どもたちの表情を捉えています。子どもたちの未来は、決して薔薇色に輝いてばかりではないけれど、そんな時にも希望を見出す感性を子どもたちに伝えたいと思います。それは私たち、大人にも言えること。「きぼう それは、いつもあなたのなかにある。芽をふくときを しずかにまっている。」希望が芽吹くことのできる世界を、私たちは子どもたちに手渡したいと切に願います。
 

(作成K・J)

2017年3月(その1)いっぽ、にほ、たたたたた(小さい子)


 1月の今が一番寒さの厳しい時期です。「おはなし会プラン」は2か月前倒しで作成するので、毎年一番寒い時期に3月の春の兆しが日に日に大きくなるころを思い浮かべています。

そうした芽吹きの季節に感じるのは、自然の力、生命力です。特に小さな子どもたちが一歩、二歩と歩みを進めていく・・・そしていよいよ力強く駆けていく、そんなイメージで小さい子のためのおはなし会プランを作成しました。

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【いっぽ、にほ、たたたたた】

導入 わらべうた ととけっこう

ととけっこう

 

 

 

 

起こし遊びのわらべうたです。もし図書館にマスコットの人形などがあれば、この歌を歌って起こしてあげましょう。指さしながらこのわらべうたを歌います。「もう起きたかな?」と言って、人形に耳を近づけると「グー、グー」いびきをかいています。起きるまで2、3回繰り返します。起きてきたら人形も一緒におはなし会に参加してもらいましょう。

詩「はだかのあかちゃん」 『は は はるだよ』(与田凖一/詩 西巻茅子/絵 金の星社 1982)より 1分

はだかのあかちゃん、 どこからきたの。
おつむてんてん あし とんとん。
(中略)
あんよは おりまげ できますね。
おつむてんてん あし とんとん。

は は はるだよ
与田 準一
金の星社
1982-08

与田凖一の小さな子どもたちにもわかりやすい詩に、西巻茅子が絵をつけた詩集です。春をテーマにした表題詩「は は はるだよ」以外にも、四季それぞれの子どもの生活に合わせた楽しい詩がたくさん集められています。現在、品切れ中です。図書館の蔵書としてある場合、とても貴重です。古くなっているでしょうが廃棄しないで保存してほしいと思います。
(アマゾンのアフィリエイトでの作者表示が「与田準一」になっていますが、本の著者名は「与田凖一」です。本文中では正しい表記に従っています)

 

わらべうた ちょちちょちあわわ

ちょちちょちあわわ

 

 

 

 
「ちょちちょち」で手拍子、「あわわ」で手を口の前に3回あてる、「かいぐりかいぐり」で左右の手で握り拳をつくって胸の前で回し、「とっとのめ」で目元を3回そっと触ります。「おつむてんてん」手を頭にのせて軽く2回触り、「ひじとんとん」で片手をもう片方のひじにあてて2回たたきます。
赤ちゃんをあやすために歌うわらべうたです。「とっとのめ」で手のひらをつつくこともあります。

 

絵本『ここよ ここよ』かんざわとしこ/文 やぶうちまさゆき/絵 福音館書店 2003 1分

ここよ ここよ (0.1.2.えほん)
かんざわ としこ
福音館書店
2003-01-25

 春は新しい生命がたくさん生まれる季節。この絵本は、動物の赤ちゃんを「どこにいるの?」と探します。次の見開きで「ここよ ここよ」と答えてくれます。言葉の繰り返しと、動物画家、薮内正幸さんの写実的な絵の愛くるしい動物の赤ちゃんに、小さな子どもたちも惹きつけられます。

 

わらべうた ずっくぼんじょ

ずっくぼんじょ
「ずくぼんじょ」とはつくしのことです。両手を合わせて顔の前で合わせ、左右に揺れながら歌います。「ででこらさい」で、両手の位置を少し高くします。何度か繰り返しながら歌って、その度にどんどん手の位置を高くしていきます。最後は両手をまっすぐ伸ばします。「つくしがこんなに大きくなったね」と、みんなをほめてあげましょう。 

 

絵本『くつくつあるけ』林明子/作 福音館書店 1986 1分

上手に歩き始めた子どもの弾けるような笑顔。自分で思うところへ移動できるという喜びを身体全身を使って喜んでいるようです。そんな喜びを、この絵本ではくつだけで表現しています。前へ、前へと伸びようとする子どもたちにぴったりの絵本です。

わらべうた あしあしあひる

あしあしあひる

 

 

 

 

 
小さな赤ちゃんの場合は、お母さんのお膝に乗って、お母さんの足の上に赤ちゃんの足を重ねて左右に動かします。自分で歩けるようになった年齢の子どもはお母さんの足の甲の上に乗って、お母さんと手をつないで落ちないように一緒に歩きます。

 

絵本『こうまくん』きくちちき/作 大日本図書 2016 1分半 

こうまくん
きくち ちき
大日本図書
2016-03

 走ることができる喜びを、「ぼく はしってるの」という言葉の繰り返しで表現しています。自分の足で歩けるようになり、たたたたたと走れるようになると、何がおかしいのか、声を上げて笑いながらどんどん走っていきます。親たちは必死で追いかけますが、小さな子どもはそうやって追いかけられるのが楽しくてさらにキャッキャッと大はしゃぎ。そんな躍動感がこの絵本からも感じられます。流れるような水彩の筆遣いは、走る仔馬の生命力を、ピンク色を基調にした柔らかい色遣いは春の野山の様子を表現していて、読んでいるこちらも弾んでくるようです。

(作成K・J)

2016年(その3)はるがきた(幼児~小学生)


 暖冬と言われる年ほど、南岸低気圧によって太平洋側にドカ雪が降ると言われていますが、今朝はそれが現実になりました。今朝の東京都内は交通網が乱れて大変でしたが、みなさまは大丈夫でしたか?

さて、「3月のおはなし会☆おすすめプラン」のその3のテーマは、「はるがきた」です。春の訪れを喜ぶ絵本を選んでみました。また、過去にも同様のテーマでいくつかのプランを掲載しています。併せて参考にしてくだされば嬉しいです。

過去の投稿は、「おはなし会」プランのアイコンをクリックし、1月~12月のそれぞれの月をクリックしてください。過去のすべての投稿を見ることができます。

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導入 詩「ゆきどけ」こぶなようこ 『わっしょい のはらむら』(工藤直子/詩・絵 童話屋 2010)より 1分

わっしょい のはらむら
くどう なおこ
童話屋
2010-08

 「ゆきどけの しらせが
おがわを つたわり
ウロコに響いて はる・はる・はるがきた」(一部抜粋)
小鮒が雪解けの水が小川に流れてくることで、また川面を通して射してくる陽の光を通して春の訪れを感じで歌う詩です。一緒に声に出して読んでみましょう。なお、この詩の初出は『のはらうたⅠ』にも掲載されています。

絵本『はなをくんくん』ルース・クラウス/文 マーク・シーモント/絵 きじまはじめ/訳 福音館書店 1967 3分

ゆきどけの前に、まず小さな小さな春のきざしが・・・冬眠中の動物たちが、何かに気がつき、鼻をくんくんさせながら走っていった先にあったのは、小さな黄色い花でした。冬の厳しさがあるからこそ、春の訪れが喜びに感じられるのですね。ロングセラー絵本ですが、どの時代の子どもたちにも手渡したい1冊です。 

 

絵本『はるがきた』ジーン・ジオン/作 マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 こみやゆう/訳 主婦の友社 2011 3分

春を迎える前は、季節が行ったり来たり。いよいよ暖かくなったかと思えば寒の戻りのあるのが3月。春の訪れを待ちきれなくて、町中を春色に塗ってしまった子どもたち。明るい色合いが町にあふれると一気に春めいてきますね。ちょうど1年前の2015年1月22日に亡くなられたマーガレット・ブロイ・グレアムのやさしい絵が春を迎える喜びを表現してくれています。
 

絵本『おおきくなるの』ほりうちせいいち/作・絵 福音館書店 2004 1分半

この絵本は1964年に月刊誌「こどものとも」として出版されました。3歳になった「わたし」が、「おおきくなるって、こういうことだ」と、ひとつひとつ気がついて確認していくおはなしです。ほりうちさんの色鮮やかで生き生きとした絵と、3歳の女の子のつぶやく言葉が、成長することへの喜びと期待を表していて、春を迎える時期に読んであげるのにぴったりです。

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おまけの1冊 所蔵している館が少ないのですが、この絵本も素朴で捨てがたいので紹介します。

絵本『ほんとうだよ』松見秀/作・絵 福音館書店 2006 2分半

この絵本は、10年前の「こどものとも」50周年記念出版としてハードカバーになった1冊です。春の訪れを、どうにかして池の中のさかなたちにも教えてあげたいかえるのがーちゃん。池の中しか知らないさかなたちはがーちゃんの話に耳を貸そうともしません。どうしたら春の素晴らしさを伝えることができるのでしょうか。・・・物語はとても単純ですが、「春がきた」喜びにあふれる1冊です。
 (作成 K・J)

2016年(その2)おいしい いちご(幼児~小学生)


春のおいしい果物いちご。いちごを育てたり、いちご狩りにいく子も多いのではないでしょうか。

今回は「いちご」をテーマに組み立ててみました。甘くてすっぱいいちご、たくさん召し上がれ♪

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【おいしい いちご】

導入 詩の絵本『木いちごつみ-子どものための詩と絵の本』 きしだえりこ詩 やまわきゆりこ絵 福音館書店 1983 福音館書店 7分

木いちごつみ―子どものための詩と絵の本 (日本傑作絵本シリーズ)
きしだ えりこ
福音館書店
1983-10-20
 
シーソーやブランコなど子どもにとって身近なものや動物が登場する、親しみやすい詩が15編おさめられています。詩にぴったりの可愛らしい絵がそえられています。短い詩ばかりなのでぜひ全部読んであげて、いろいろな詩を一緒に楽しんでください。一番最後の詩が「木いちご」です。
 
絵本『いちご』 平山和子さく 福音館書店 1989 3分
 
いちご (幼児絵本シリーズ)
平山 和子
福音館書店
1989-04-15
 
つぼみから花がさき、実がなって熟していくイチゴの様子が、写実的な絵とやさしく簡潔な文章で描かれています。最後にお皿に盛られたいちごがキラキラしていてとても美味しそうです。
 
 
絵本『はらぺこあおむし』 エリック=カールさく もりひさしやく 偕成社 1975 4分
 
はらぺこあおむし エリック=カール作
エリック=カール
偕成社
 
日曜日の朝、卵から生まれたあおむしは、月曜日からリンゴ一つになし二つ、すもも三つににいちご四つ、オレンジ五つと食べ続け、土曜日にはチョコレートケーキにアイスクリーム、ピクルス、チーズ・・・と食べてお腹がいたくなりますが、大きくなってきれいなちょうになります。食べても食べても、おなかはぺっこぺこのくり返しが楽しいです。色鮮やかなコサージュの絵で描かれ、あおむしの食べたところが穴になっているしかけ絵本で、世界中で愛されています。
 
絵本『いちごばたけのちいさなおばあさん』 わたりむつこさく 中谷千代子え 福音館書店 1983 6分
 

 イチゴ畑の土の中に住んでいる小さなおばあさんの仕事は、イチゴの実に赤い色をつけて歩くことでした。ある年のこと、春はまだ先なのにあたたかくなり、おばあさんはあわててイチゴの色作りを始めますが・・・。おひさまの光をたっぷりふくんだ水に、土の中の緑の石を細かく砕いた粉を注ぐと、ぱっと赤い色ができるなど、魔法のような少し不思議なお話です。3月の地面の下では、春に向けて、さまざまな魔法が使われているのでしょう。

(作成T.S)

2016年(その1)まっててね!(小さい子)


子育てって、忍耐力を養ってくれます。というのも、幼い子どもの動作や興味関心の度合いなど、大人が予期できないことが多く、子どもの健やかな成長を望むならば「待つ」ということがとても重要になるからです。信頼して待ってくれる人がいれば、子どもは安心して自分の力でひとつずつできるようになっていきます。”待つ”ことをしてもらえないと、子どもは自信をなくしたり、依存心が強くなったりします。

3月の小さい子向けのおはなし会テーマを「まっててね!」にしたのは、保育園や幼稚園にもうじき入園するという春の季節に「待つ」ということの大切さに、改めて気づいてほしいと願うからです。

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【まっててね!】

導入 わらべうた 
このこ どこのこ
  このこ どこのこ かっちんこ このこ どこのこ ○○ちゃん
 (お母さんのお膝に乗って、お母さんがそおっと横に揺れてあげます。)

いちりにり
  いちり にり さんり しりしりしり
 (“いちり”で足の指を持って揺らし、“にり”で足首を持って揺らし、“さんり”で膝を持って揺らし、“しりしりしり”でお尻の脇を持って身体を揺すります。

絵本『おててがでたよ』林明子/作 福音館書店 1986 1分

着替えも大人が手伝えばあっという間ですが、自分でできるように待っててあげたいですね。すぐには出来なくても、自分でやってみる、大人はそれを温かく見守って受け止めてあげる、そんな姿が描かれたロングセラー絵本です。
 

わらべうた 
ちょちちょち あわわ
  
ちょちちょち あわわ かいぐりかいぐり とっとのめ おつーむてんてん ひじぽんぽん
 (“ちょちちょち”で手を叩き、“あわわ”で手を口に、“かいぐり…”で両手をぐるりと回して、“とっとのめ”で目尻を人差し指で触り、“おつーむてんてん”で頭を両手で軽く叩き、“ひじぽんぽん”で左右交互のひじを触ります。赤ちゃんには保護者が手をとってやってあげますが、自分で出来る年齢の子は保護者と向き合ってやると楽しいでしょう。)

ずくぼんじょ
  ずくぼんじょ ずくぼんじょ ずっきん かぶって でてこらさい (にょき にょき)
 (“ずくぼんじょ”とは、つくしのことです。頭の上で指を合わせて頭巾を作って左右に揺れます。歌い終わったら「にょき にょき」という掛け声とともに腕を高く伸ばします。)

 

絵本『ぼうしをとってちょうだいな』松谷みよ子/作 上野紀子/絵 童心社 1978 1分半

ぼうしを とって ちょうだいな (あかちゃんのわらべうた( 3))
松谷 みよ子
偕成社
1978-04
 
「ぼうしをとってちょうだいな おかおをみせてちょうだいな」とくり返しお願いをしますが・・・どうやったらおねえちゃんは帽子を取ってくれるかな。歌うように読んであげてください。
 
 
絵本『まって』アントワネット・ポーティス/作 椎名かおる/訳 あすなろ書房 2015 1分半

まって
アントワネット ポーティス
あすなろ書房
2015-07-10
 
子どもの手をひいて先へと急ぐおかあさん。子どもには興味のあることがたくさん次々から現れて・・・「まって」と、足を止めます。その度に「ほらほら」「いそがないと」と声をかけるおかあさん。そんな日常を描いた絵本です。でもね、待っていたら素敵なことに出会える・・・ほんの少し歩く速度を緩めたくなる絵本です。

ヴィアックスの社員向けeラーニングサイトでは、動画でわらべうたの実演を見ることができます。スタッフの方はそちらも参考にしてください。
(作成 K・J)

2015年(その3) うれしい春の日(幼児~小学生)


あたたかくなり、草花が芽吹いてくると、気持ちもはずみますね。
そんなちょっとした春の日の嬉しい!を感じるプログラムを組み立ててみました。
 
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【うれしい春の日】 幼児~小学生
  
導入 絵本『春の日や庭に雀の砂あひて―キーツの俳句絵本』 リチャード・ルイス編 エズラ・ジャック・キーツ絵 いぬい ゆみこ訳 1999
 
春の日や庭に雀の砂あひて―キーツの俳句絵本
偕成社
1999-06
 
アメリカの絵本作家エズラ・ジャック・キーツが、英訳された小林一茶、与謝蕪村、正岡子規などの、日本でも広く知られている俳句をもとに、コラージュの絵本を作りました。一枚一枚の絵は、和を感じさせながらも、ユーモアがある生き生きとしたものになっています。文語体で難しい俳句もありますが、英訳を現代語にしたものを読むと、意味もわかるようになっています。俳句を読んだあと、現代語を読み、もう一度俳句を読むと、十七音の響きも味わえてよいと思います。初めて俳句に出会う子もいますので、絵本を読み始める前に、俳句は、五・七・五の十七音からなる、日本の代表的な詩だいう説明を、さらりとするとよいでしょう。
 
 
絵本『なのはな みつけた』 ごんもりなつこ 福音館 2009 5分
 
なのはなみつけた (かがくのとも傑作集)
ごんもり なつこ
福音館書店
2009-01-31
 
春になると、いろんなところで、咲いている菜の花。1本の茎に小さな花がたくさん集まっていること、野菜から咲くこと、種をつぶして絞ると油がとれることなど、菜の花の生態と不思議がやさしく書かれています。絵は日本各地を取材して、描かれたそうです。読み終わったあと、菜の花を見に行きたくなる1冊です。
 
 
絵本『草花とともだち』 松岡達英構成 下田智美絵/文 偕成社 2004 
 
 
春の野山でみられる、さまざまな花が紹介されています。花は、色別(黄、白、青、桃色、赤、紫花)にのっているので、探しやすいです。また、草花についてのなぞなぞや、草花あそび、食べられる草を使った料理など、さまざまな角度から草花に親しむことができます。読み聞かせというよりは、本の楽しみ方を紹介して、後から手に取ってもらうとよいでしょう。
 
絵本『ルピナスさん』 バーバラ・クーニーさく かけがわ やすこやく ほるぷ出版 1987 10分
 
ルピナスさん―小さなおばあさんのお話
バーバラ クーニー
ほるぷ出版
1987-10-15
 
ルピナスさんは、アリスと呼ばれていた小さいころ、おじいさんと3つの約束をします。それは、「大きくなったら、遠くへ行くこと。おばあさんになったら、海のそばの町に住むこと。そして、世の中を美しくするために 何かすること。」 そして、ルピナスさんは、本当に世界中を旅して、海を見下ろす丘にある小さな家に住み、素敵な思いつきをして、一番難しい3つめの約束を果たすのです。 一人の女性の人生をさわやかに描いています。豊かな色彩のあたたかな絵で、時代によって色調が変化しており、画面から人生の1つ1つの場面の空気が伝わってきます。
 
(T.S)

2015年(その2) 友だちと春(幼児~小学生)


3月から4月にかけて、「三寒四温」とは良く言ったもので、春らしい暖かい日があるかと思えば、寒の戻りがあって、季節が行きつ戻りつします。

 
それでも陽射しは明るく、希望を感じる光であるのは間違いない、そんな気持ちに寄り添うおはなしプログラムにしてみました。既出の絵本もありますが、組み合わせを変えると、別の味わいがあるのではないかと思います。
 
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【友だちと春】幼児~小学生向け
 
導入 詩「友だちと春」 『ともだちシンフォニー』佐藤義美 JULA出版局 1分
 「きみがたっている靴の下に
  草のめがでてくるよ。
  いま きみは なにを かんがえてるの?
  ぼくは きみのことを かんがえている。
  ねむっていた草木や動物が 目をさます春
  かたまっていた氷が とける春
  きみにきた春が ぼくにもきた。 」(一部抜粋)
 

「いぬのおまわりさん」や「アイスクリームのうた」など、子どもの頃に親しんだ童謡詩人、佐藤義美童謡集「ともだちシンフォニー」から、「友だちと春」を紹介しました。春の訪れは、誰かに告げたい、誰かと共有したい、そんなふうに胸おどることなのだなと、この詩を読んで改めて思いました。子ども達と一緒に声に出して味わってほしい詩です。
 

絵本 『いいことってどんなこと』神沢利子/片山健 福音館書店 4分
いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)
神沢 利子
福音館書店
2001-01-25
 
雪解けの水の音、小鳥のさえずり、せせらぎの音、頬をなでてゆく風のなかにも、「春が来たよ!」というメッセージはたくさんあります。この女の子にはそれが「いいことがあるんだよ いいことがあるんだよ」と聞こえます。「いいことってどんなことだろう」と探してあるく女の子。雪の下にみつけたのは、黄色い福寿草の花。そう、この絵本はマーク・シーモンとの『はなをくんくん』にも似ています。神沢利子さんのリズムカルでやさしいことばと、片山健さんの描く素朴な絵とがマッチして、春がきたという喜びが、じんわりと伝わってくる絵本です。初版は月刊誌「こどものとも」1993年3月号として出されました。春を待つ3月の初めに読んであげたい1冊です。
 
語り 「はるがきた」 2分半 
  『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル/三木卓訳 文化出版局より
ふたりはともだち (ミセスこどもの本)
アーノルド・ローベル
文化出版局
1972-11-10
 

絵本として読み聞かせてあげても、朗読してあげてもよいおはなしですが、もし覚えられるなら素話として語ってあげるのもよいと思います。耳から聞くことで、がまくんの寝ぼけぶりや、かえるくんが一生懸命がまくんに春が来たことを伝えて、一緒に喜びを分かち合いたいという気持ちが、想像できて楽しいのではないかと思います。

短いお話なので、素話初心者にも覚えやすいと思います。

 
絵本 『さくら』長谷川摂子/矢間芳子 福音館書店 6分
さくら (かがくのとも絵本)
長谷川 摂子
福音館書店
2010-02-10
 
かがくとも絵本です。4月のプログラムに組み込んだこともある1冊です。さくらが咲いて散り、ふたたび春が巡ってくるまでの一年を、写実的な絵で描いた絵本です。春先にしか目を向けないさくらですが、一年をかけて美しい花をつけるのですね。丁寧に読んであげたい1冊です。
(K・J)

 

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