Tag Archive for 訃報

訃報 安野光雅さん
訃報 シビル・ウェッタシンハさん
訃報 トミー・デ・パオラさん
訃報 アーシュラ・K・ル₌グウィンさん

訃報 安野光雅さん


国際アンデルセン賞画家賞を受賞した絵本作家の安野光雅さんが、先月12月24日に亡くなられたというニュースが本日午後流れました。94歳でした。

夕方の各局のニュースでも報道されていましたし、ネットニュースでも流れていましたので、すでにご存知の方も多いことでしょう。(朝日新聞ネットニュース→こちら

 

安野光雅さんの代表作『旅の絵本』(福音館書店 1977年)(シリーズは全9冊→こちら

 

 

 

 

 

また近年も朝日出版社から「安野光雅の絵で読む世界の少年少女文学」シリーズ(2015~2019)(→こちら)など精力的な仕事を続けてこられました。

「本のこまど」での安野光雅さん新刊紹介記事
『森のプレゼント』ローラ・インガルス・ワイルダー/作 安野光雅/絵・訳 朝日出版社 2015/11/20 (→こちら

『旅の絵本Ⅸ』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/15『かんがえる子ども』安野光雅/作 福音館書店 2018/6/(→こちら

『赤毛のアン』ルーシイ=モード=モンゴメリ/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2018/6/20(→こちら

*『メアリ・ポピンズ』トラバース/作 岸田衿子/訳 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/1/25 (→こちら

『かずくらべ』西内久典/文 安野光雅/絵 福音館書店 2019/4/15 (→こちら

*『銀の匙』中勘助/作 安野光雅/絵 朝日出版社 2019/9/6 (→こちら

 

その他の安野光雅さんの著作(児童向けのみ)→こちら(NDLサーチより)

 

2018年11月1日に日本出版クラブで行われたJBBY主催の角野栄子さんの国際アンデルセン賞作家賞受賞祝賀会に安野光雅さんも参加されていて、その時はお元気そうでした。

たくさんの素晴らしい子どもの本を届けてくださったことに、心から感謝申し上げます。心より哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

 

 

訃報 シビル・ウェッタシンハさん


『きつねのホイティ』(福音館書店→こちら)や『かさどろぼう』(徳間書店→こちら)など色鮮やかな色彩で、クスっと笑える上質なユーモアのある絵本を生み出してきたスリランカの絵本作家シビル・ウェッタシンハさんが7月1日に亡くなられました。92歳でした。(スリランカ交流会Facebook投稿より→こちら

 

『きつねのホイティ』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子/訳 福音館書店 1994

 

 

 

 

 

 

 

 

『かさどろぼう』シビル・ウェッタシンハ/作 いのくまようこ/訳 徳間書店 2007(日本での初版はベネッセコーポレーションより1995年刊)

 

 

 

 

 

 

2011年に出版された『わたしのなかの子ども』(松岡享子/訳 福音館書店→こちら)には、ウェッタシンハさんがスリランカの古い港町ゴールに近い小さな村で過ごした6歳までの幼い日の思い出が、克明に記されています。

 

『わたしのなかの子ども』シビル・ウェッタシンハ/著 松岡享子/訳 福音館書店 2011

 

 

 

 

このエッセイを書かれた時(スリランカでの発行は1995年)には、すでに67歳になっていらしたのですが、幼い日々の暮らし、自然、さまざまな出来事、特にアッタンマーと呼んでいた祖母との記憶が、ついこの前のように描き出されていて、夢中になって読むことが出来ました。

 

「その当時、夜、寝床にはいると、わたしは、真っ暗闇を通してかがやく色がつぎつぎに現れるのを見ました。わたしの目の前には、夜の漆黒の向こうに、目のさめるようにあざやかで、火のようにかがやいているデザインが無数に浮かび、めまぐるしく現れたり消えたりしました。ひとつひとつのデザインは、色も形もすべて奇妙に違っていて、それは、色とデザインの爆発といってもよく、暗闇とまざりあって、まるで生きているもののようでした。眠りに落ちるとき、わたしの心は、ことばでいいあらわせない喜びにみたされました。
 この喜びは、その後もわたしの心のなかに、たえることなく生きつづけてきたと、わたしは信じています。そうです。ですから、今日までずっとわたしのなかにある子どもが、わたしの道をみちびく光でありつづけたのです。わたしのなかの子どもは、たえずわたしに、幼い子どもの空想世界の謎と魅力、魔法のふしぎを思い出させてくれます。」(p255~256)

 

翻訳を担当した松岡享子さんは、1970年代にユネスコのアジア共同出版計画事業を通してウェッタシンハさんと知り合っていらっしゃいます。

松岡享子さんが、1992年の国際児童図書評議会国際アンデルセン賞の選考委員だった時に、スリランカからウェッタシンハさんが画家賞候補として推薦されました。惜しくも賞には選出されませんでしたが、その時のことを「ウェッタシンハさんの絵本は、くったくのなさという点で際立っていました。緻密、繊細、重厚、あるいは高度にデザイン化された、と評されるであろう他の国々の候補者の作品のなかにあって、ウェッタシンハさんの絵は、素朴で明るく、のびのびとしていて、絵を描くたのしさにあふれているように見えたのです。子どもたちが絵を描いているときのような、とらわれのなさ。たとえば、ろう石で道路に落書きをしているような、あるいは、紙のはしまで来てしまったら、そのまま紙を裏返しにして描きつづけるような、自在で、自然な動きが感じられたのです。わたしは、それを好もしく思いました。」と、評されています。(『わたしのなかの子ども』あとがきより)

 

内なる子どもに背中を押されて描いてきた絵本だからこそ、異国の子どもたちの心を今も捉え続けているのでしょう。

 

『ねこのくにのおきゃくさま』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子/訳 福音館書店 1996(→こちら

 

 

 

 

 

 

『スリランカの昔話 ふしぎな銀の木』シビル・ウェッタシンハ/作 松岡享子・市川雅子/訳 福音館書店 2017(→こちら

 

 

 

 

 

 

こころより、哀悼の誠を捧げます。

 

(作成K・J)

訃報 トミー・デ・パオラさん


『まほうつかいのノナばあさん』(ゆあさふみえ/訳 ほるぷ出版 1978)や、『あすはたのしいクリスマス』(クレメント・ムーア/詩 金関寿夫/訳 ほるぷ出版 1981)、『ティーニイタイニイちいちゃいおばあちゃん』(ジル・ベネット/文 ゆあさふみえ/訳 偕成社 1988)などの作品で親しまれているトミー・デ・パオラさんが、3月30日(月)ニューハンプシャー州レバノンで亡くなられました。85歳でした。(訃報を伝えるThe New York Timesの記事→こちら

 

The New York Timesの記事によりますと、トミー・デ・パオラさんが描いてきた絵本は、ご自身の祖母や曾祖母がモデルになっているのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーモラスでありながらも温かい優しい絵が子どもたちを引きつけていました。

 

心より哀悼の意を捧げます。Rest in peace.

 

トミー・デ・パオラさんの作品一覧
NDLサーチ→こちら
絵本ナビ→こちら

(作成K・J)

訃報 アーシュラ・K・ル₌グウィンさん


アメリカのSF作家・ファンタジー作家のアーシュラ・K・ル₌グウィンさん(1929/10/21生れ)が22日にアメリカオレゴン州ポートランドのご自宅で亡くなられたというニュースが入ってきました。88歳だったそうです。(ニュース記事→こちら

『影との戦い』(清水眞砂子/訳 岩波書店)をはじめとする「ゲド戦記」シリーズは、多島海アースシーを舞台に、天才魔法使いゲドが若さゆえ驕りと嫉妬から来る失敗で死の影を呼び出し、それに対峙することからに始まり、ゲドが大賢人として円熟し、世界の均衡を回復しようと活躍する長編のファンタジーです。(「基本図書を読む23『影との戦い』→こちら

私たちが普段意識しない人間の負の部分を露わにし、それと対峙することで成長していく過程を丁寧に描写しており、思春期を迎えた子どもたちがこの本からたくさんの気づきを得ていくのを何度も見てきました。

トールキンの『指輪物語』と並んで、後世のファンタジー作家に影響を与えてきた作品ともいえるでしょう。

ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)
アーシュラ・K. ル・グウィン
岩波書店
2006-04-07


 

ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)
アーシュラ・K. ル=グウィン
岩波書店
2009-03-01

 

 

日本では「ゲド戦記」が有名ですが、両性具有の異星人と地球人の接触を描いた『闇の左手』でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞するなどSF作家としての知名度も高い作家です。彼女のSF作品も、読んでみたいと思います。

心から哀悼の誠を捧げます。

(作成K・J)

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